JP2007190083A - 生体加熱針及びこれを用いた治療器具 - Google Patents

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隆 猶原
Hiromichi Aono
宏通 青野
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Abstract

【課題】物理的強度を十分に確保しつつ患部を焼灼するのに十分な発熱特性を得ることができ生体加熱針を提供する。
【解決手段】生体内の患部に穿刺して交流磁場で加熱し、患部10bを焼灼する生体加熱針1において、MgFe、NiFe、FeFe、CuFeの内何れかを用いた発熱部2の周囲を、生体適合性があるチタン管、ステンレス管等で覆い金属被覆部3とする。生体加熱針1は、発熱部2が交流磁場で発熱する他、金属被覆部3に渦電流が発生することで、金属被覆部3も発熱し、全体として発熱特性の向上を図っている。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流磁場で発熱するフェライト材料を発熱部として用い癌等の患部を加熱して患部を焼灼する生体加熱針及びこれを用いた治療器具に関する。
本件出願人は、特許文献1に示すように、MgFeのフェライト材料を交流磁場で加熱し、癌等を焼灼する治療方法を提案している。この方法は、ラジオ波焼灼療法やマイクロ波凝固療法に比べ、広範な焼灼が可能であること、点在する癌等に対応できること、焼灼範囲を厳密に制御できること等の点で有利である。
ところで、このフェライト材料を用いて、患部の焼灼範囲を厳密に制御するには、フェライト材料を針状にした生体加熱針を、患部に直接穿刺することが好ましい。しかしながら、フェライト材料は、粉体であり、針状にするには、粉体のフェライト材料を成形により製造する必要がある。しかしながら、この生体加熱針は、成形体であり脆弱なため、十分に物理的な強度を確保することが困難である。また、フェライト材料は、生体適合性に乏しく、生体組織と直接、触れないようにする必要がある。
また、金属としては、チタンやステンレスといった生体適合性に優れた金属がある。しかしながら、チタンやステンレスは、交流磁場中における昇温特性が不十分であり、これらの金属を単独で用いて生体加熱針を形成したとしても、患部の焼灼をすることは困難である。
国際公開第2004/016316号パンフレット
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、物理的強度を十分に確保しつつ患部を焼灼するのに十分な発熱特性を得ることができる生体加熱針及びこれを用いた治療器具を提供することにある。
本発明に係る生体加熱針は、生体内の患部に穿刺して交流磁場で患部を加熱するものであり、上記交流磁場で発熱するフェライト材料で形成された発熱部の周囲に生体適合性のある金属材料で形成された金属被覆部を設けてなるものである。
ここで、フェライト材料で形成された中心部の発熱部は、交流磁場を収束させて発熱する。また、金属被覆部は、発熱部の周囲に設けられることで、脆弱なフェライト材料で形成された発熱部の強度を補強すると共に、発熱部に収束された交流磁場によって渦電流が発生し、発熱部と共に全体の発熱特性の向上に寄与する。
なお、発熱部のフェライト材料としては、高透磁率の材料、例えばMFe(但し、Mは、Mg、Ni、Fe、Cuから選択された少なくとも一の金属である。)を用いることができる。
また、金属被覆部としては、チタン、チタン合金、鉄を主成分とする合金(例えば、SUS304、SUS304L、SUS316、SUS316L)等が好ましい。これらの金属材料は、比較的電気抵抗が高く、すなわち電気伝導率が低く、磁場(磁束)の浸透深さも深くなる。したがって、金属被覆部を、使用に必要な強度を確保するのに必要な厚さに形成することができる。また、これらの金属材料は、電気抵抗が高いため、発熱部によって収束された磁場(磁束)によって発生した渦電流によって、金属被覆部を発熱することができる。
なお、比較例として、金と銅を金属被覆部に用いたときを説明する。金や銅は、電気抵抗が低く、すなわち電気伝導率が高く、磁場(磁束)の浸透深さが浅いため、金属被覆部を薄く形成する必要があり、物理的強度等の面で金属被覆部として十分に機能しない。更に、金は、物性的に柔らかいため、物理的強度の面で金属被覆部に不向きであり、銅は、錆びやすく生体適合性の観点から補強部の材料としては不向きである。
以上のような本発明に係る生体加熱針は、単体又は復数本を、患部に穿刺し、発熱させることによって、患部を焼灼することができる。患部の焼灼には、開腹して患部に生体加熱針を穿刺する方法、カテーテルにより生体加熱針を搬送して患部に穿刺する方法がある。
更に、本発明に係る生体加熱針は、基台部に複数本立設し、本発明に係る治療器具を構成することができる。これによって、患部に複数の生体加熱針を一度に穿刺することができる。すなわち、広範に亘って焼灼治療を行うことができる。
本発明によれば、交流磁場で発熱するフェライト材料で形成された発熱部の周囲に生体適合性のある金属材料で形成された金属被覆部を設けたので、この金属被覆部によって、発熱部を補強することができ、全体として使用に十分耐え得る物理的強度を確保することができる。また、発熱部に収束された交流磁場によって、金属被覆部に渦電流が発生し、金属被覆部も発熱する。したがって、本発明に係る生体加熱針では、発熱部に加え金属被覆部も発熱するので、全体として発熱特性の向上を図ることができ、患部の焼灼に十分な温度を得ることができる。
以下、本発明を適用した生体加熱針ついて図面を参照して説明する。
図1(A)及び図1(B)に示すように、本発明を適用した生体加熱針1は、中心部に、高透磁率のフェライト材料で発熱部2が設けられ、この発熱部2の周囲に、発熱部2を補強する金属被覆部3が設けられている。
ここで、発熱部2は、MFe(但し、Mは、Mg、Ni、Fe、Cuから選択された少なくとも一の金属である。)といった高透磁率のフェライト材料で形成されている。また、金属被覆部3は、生体適合性のある金属材料で形成され、脆弱な発熱部2を補強する。この金属被覆部3は、金属材料で形成されることによって、発熱部2に収束された磁場(磁束)によって渦電流が発生し、発熱部2の発熱と共に自らも発熱し、全体としての発熱効率を向上させている。
ここで、金属被覆部3は、生体適合性を有することに加え、更に、比較的電気抵抗の高いチタン管やステンレス管を用いることが好ましい。比較的電気抵抗の高いチタン管やステンレス管は、同時に、電気伝導率が低く、磁場(磁束)の浸透深さが深い。したがって、金属被覆部3は、チタン管やステンレス管を用いることで、生体加熱針1の物理的強度確保に必要な所定の厚みに形成することができる。また、チタン管やステンレス管は、電気抵抗が高いため、発熱部2によって収束された磁場(磁束)によって発生した渦電流によって、金属被覆部3を発熱することができる。
ここで、以上のような生体加熱針1が用いられる加熱装置11について説明すると、図2に示すように、この加熱装置11は、患者等の生体10aの外部に配設され交流磁場を発生させる誘導コイル12を有している。この誘導コイル12は、電源装置に接続され、交流電流が供給されることによって、100kHz〜1MHz程度の低周波数の交流磁場を発生させる。
一方、生体10aには、本発明が適用された生体加熱針1が癌等の患部10bに穿刺されている。この加熱装置11では、誘導コイル12で低周波数の交流磁場を発生させ、患部10bに穿刺されている生体加熱針1を加熱することによって患部10bを焼灼する。ここで、発生させる交流磁場は、100kHz〜1MHz程度の低周波数であることから、患部10b以外への誘導加熱による影響を小さくすることができる。例えば、患部10bが癌の場合には、この生体加熱針1のみを癌の焼灼温度である60℃〜80℃程度に加熱するようにしている。
ここで、図3は、金属被覆部3となる各種金属管に発熱部2のフェライト材料であるMgFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果を示す。ここでは、生体加熱針を10mlの水に浸漬し、370kHz、140Wの条件で交流磁場を印加し、水温を測定した。
・線101
金属被覆部3となるスーパーインバー合金管に、発熱部2となる1100℃で焼結したMgFeを充填したものであり、本発明の比較例である。なお、使用したスーパーインバー合金管の詳細は、次の通りである。
組成:Ni・・・31%,Co・・・4〜6%,Mn・・・0.3〜0.4%,C・・・0.07%,Fe・・・残り(Balance)
長さ:20mm,重量:230.0mg,外径:2.0mm,内径:1.6mm
厚さ0.2mm
また、使用したスーパーインバー合金管には、1100℃で焼結したMgFeを、77.9mg充填した。
・線102
金属被覆部3となるチタン管に、発熱部2となる1100℃で焼結したMgFeを充填したものであり、本発明の実施例である。なお、使用したチタン管の詳細は、次の通りである。
組成:Ti・・・99.5%、残り・・・他の不純物元素
長さ:20mm,重量:36.6mg,外径:1.4mm,内径:1.2mm
厚さ0.1mm
また、使用したチタン管には、1100℃で焼結したMgFeを、48.0mg充填した。
・線103
金属被覆部3となる白金管に、発熱部2となる1100℃で焼結したMgFeを充填したものであり、本発明の比較例である。なお、使用した白金管の詳細は、次の通りである。
長さ:20mm,重量:92.7mg,外径:2.0mm,内径:1.8mm
厚さ0.1mm
また、使用した白金管には、1100℃で焼結したMgFeを、92.7mg充填した。
・線104
アルミニウム管に1100℃で焼結したMgFeを充填したものであり、本発明の比較例である。なお、使用したアルミニウム管の詳細は、次の通りである。
長さ:20mm,重量:67.8mg,外径:2.0mm,内径:1.6mm
厚さ0.2mm
また、使用したアルミニウム管には、1100℃で焼結したMgFeを、75.5mg充填した。
図3の線102より、金属被覆部3にチタン管を用いると、癌等治療に必要な温度に生体加熱針を加熱することができることが分かる。なお、図では、水温を示していることから、各生体加熱針そのものの温度より低めの温度を示している。線101のスーパーインバー合金管は、発熱特性は良好であるが、コバルトを含有しており、生体適合性の面から不向きであるため、比較例としている。また、線103の白金管や線104のアルミニウム管を用いたときには、加熱温度が、チタン管より低く、治療に必要な温度に満たないことが分かる。なお、スーパーインバー合金管は、生体適合性の条件を除けば、発熱特性が良く、優れた材料といえる。
なお、図3には図示していないが、MgFeの粉体をこれまでの充填量とほぼ同じ約100mgを使用して針状に成形したフェライトを10mlの水に浸漬し、370kHz、140Wの条件で交流磁場を印加したときの水温の温度上昇は1℃程度である。これは、比較例となっている線104のアルミニウム管程度の温度上昇である。このことからも、金属被覆部3にチタン管を用いた線102に示す生体加熱針は、極めて高い温度まで発熱することが分かる。また、フェライト材料のみの場合は、更に多くのフェライト材料を用いて、焼灼温度まで上げる必要がある。金属被覆部3にチタン管を用いた生体加熱針では、従来より少ないフェライト材料で焼灼温度まで発熱させることができる。
図4は、金属被覆部3として用いられる空芯のスーパーインバー合金管とチタン管の加熱実験結果を示す。すなわち、内部にフェライト材料を充填しない状態の金属管の温度特性である。ここでは、生体加熱針を10mlの水に浸漬し、370kHz、140Wの条件で交流磁場を印加し、水温を測定した。
・線111
空芯のスーパーインバー合金管の温度特性を示す。なお、使用したスーパーインバー合金管の詳細は、次の通りである。
組成:Ni・・・31%,Co・・・4〜6%,Mn・・・0.3〜0.4%,C・・・0.07%,Fe・・・残り(Balance)
長さ:20mm,重量:228.9mg,外径:2.0mm,内径:1.6mm
厚さ0.2mm
・線112
本発明に用いる空芯のチタン管の温度特性を示す。なお、使用したチタン管の詳細は、次の通りである。
組成:Ti・・・99.5%、残り・・・他の不純物元素
長さ:20mm,重量:37.7mg,外径:1.4mm,内径:1.2mm
厚さ0.1mm
図4の線112より空芯のチタン管は、スーパーインバー合金管に比べ極めて温度が低く、また、初期段階からの温度変化が認められない。しかし、図3の線102の特性を見ると、温度上昇が認められる。これは、発熱部2のフェライト材料の発熱に加え、フェライト材料の発熱部2に磁束が収束し、磁束密度が高くなることによって、チタン管にも渦電流が発生し、チタン管そのものも発熱しているためである。なお、スーパーインバー合金管にあっては、単体で、発熱特性が良好であることが確認できる。
図5は、金属被覆部3となるチタン管に、発熱部2となるMgFe及びSrFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果を示す。ここでは、生体加熱針を10mlの水に浸漬し、370kHz、140Wの条件で交流磁場を印加し、水温を測定した。また、ここで使用したチタン管は、上記図3の線102で用いたチタン管である。
線121は、本発明の実施例であり、チタン管にMgFeを、50.7mg充填したときの特性を示し、線122は、本発明の比較例であり、チタン管にSrFeを56.8mg充填したときの特性を示す。
図5の線121より、チタン管とMgFeの組み合わせでは、癌等治療に必要な温度に生体加熱針を加熱することができることが分かる。また、SrFeを用いたときには、温度上昇が発現せず、治療に十分な加熱温度を得ることができないことが分かる。
図6は、金属被覆部3となるチタン管に、発熱部2となるNiFe及びSrFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果を示す。ここでは、生体加熱針を10mlの水に浸漬し、370kHz、140Wの条件で交流磁場を印加し、水温を測定した。また、ここで使用したチタン管は、上記図3の線102で用いたチタン管である。
線123は、本発明の実施例であり、チタン管にNiFeを67.1mg充填したときの特性を示し、線122は、本発明の比較例であり、図5と同じくチタン管にSrFeを充填したときの特性を示す。
図6の線123より、チタン管とNiFeの組み合わせでも、癌等治療に必要な温度に生体加熱針を加熱することができることが分かる。
図7は、金属被覆部3となるチタン管に発熱部2となるFeFe及びSrFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果を示す。ここでは、生体加熱針を10mlの水に浸漬し、370kHz、140Wの条件で交流磁場を印加し、水温を測定した。また、ここで使用したチタン管は、上記図3の線102で用いたチタン管である。
線124は、本発明の実施例であり、チタン管にFeFeを75.4mg充填したときの特性を示し、線122は、本発明の比較例であり、図5と同じくチタン管にSrFeを充填したときの特性を示す。
図7の線124より、チタン管とFeFeの組み合わせでも、癌等治療に必要な温度に生体加熱針を加熱することができることが分かる。
図8は、金属被覆部3となるチタン管に発熱部2となるCuFe及びSrFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果を示す。ここでは、生体加熱針を10mlの水に浸漬し、370kHz、140Wの条件で交流磁場を印加し、水温を測定した。また、ここで使用したチタン管は、上記図3の線102で用いたチタン管である。
線125は、本発明の実施例であり、チタン管にCuFeを72.8mg充填したときの特性を示し、線122は、本発明の比較例であり、図5と同じくチタン管にSrFeを充填したときの特性を示す。
図8の線125より、チタン管とCuFeの組み合わせでも、癌等治療に必要な温度に生体加熱針を加熱することができることが分かる。また、図5乃至図8より、MgFe、NiFe、FeFe、CuFeは、ほぼ同じ温度特性を有することが分かる。
以上、図3乃至図8の実験結果より、金属被覆部3にチタン管を用い、発熱部2に、フェライト材料として、MgFe、NiFe、FeFe、CuFeの何れかを用いることによって、治療に必要な適当な温度に加熱が可能であることが確認できる。すなわち、本発明が適用された生体加熱針1では、交流磁界が印加されることで、高透磁率のフェライト材料でなる発熱部2に磁界が収束されることによって発熱部2が発熱し、更に、金属被覆部3に渦電流が発生し、金属被覆部3自身も発熱することによって、全体として発熱効率を高めることができる。
なお、金属被覆部3は、純チタンの他、チタン合金であっても、上述の効果を得ることができる。
また、本発明では、金属被覆部3として、チタン管に代わって鉄を主成分とする合金、例えばステンレス管を用いても同様な効果を得ることができる。図9は、金属被覆部3となるステンレス管に発熱部2となるMgFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果を示す。ここでは、生体加熱針を10mlの水に浸漬し、370kHz、140Wの条件で交流磁場を印加し、水温を測定した。また、ここで使用したステンレス管は、次の通りである。
SUS304(組成:Cr・・・18%,Ni・・・8%)
長さ:20mm,重量:50.2mg,外径:1.74mm,内径:1.6mm
厚さ:0.07mm
線131は、SUS304のステンレス管にMgFeを95.9mg充填したときの特性を示す。線131より、ステンレス管とMgFeの組み合わせでも、金属被覆部3にチタン管を用いたときと同様又はそれ以上に昇温し、癌等治療に必要な温度に生体加熱針を加熱することができることが分かる。また、線132は、フェライト材料を充填していない空芯のステンレス管の特性を示している。線132によれば、ステンレス管も、チタン管と同様な温度特性を示していることが分かる(図4の線112参照)。したがって、金属被覆部3にステンレス管を用い、内部にフェライト材料を充填した生体加熱針も、チタン管にフェライト材料を充填した生体加熱針と同様な原理で発熱していることが分かる。
なお、ステンレス管としては、SUS304L、SUS316、SUS316L等であってもSUS304と同様な効果を得ることができる。
次に、本発明を適用した生体加熱針1の具体的構成について図10を参照して説明する。図10(A)に示すように、本発明を適用した生体加熱針1aは、中空の金属被覆部3aの内部にフェライト材料を充填して発熱部2を形成し、一端を、フッ素系樹脂(テフロン、登録商標)等の生体適合性材料で形成された先鋭の針部4aで閉塞し、他端を、同じく生体適合性材料で形成された蓋部5aで閉塞して設けることができる。なお、生体適合性材料としては、他に、塩化ビニール樹脂、シリコーンゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、4−メチルペンテン−1樹脂、ポリカーボネート等を用いても良い。
また、図10(B)に示すように、本発明を適用した生体加熱針1bは、金属被覆部3bの周囲6及び針部4bを一体的に生体適合性材料を成形等により覆い、金属被覆部3bの他端部を、別体の生体適合性材料で形成された蓋部5bで閉塞するようにしても良い。
更に、図10(C)に示すように、本発明を適用した生体加熱針1cは、金属被覆部3cの一端部を斜めに切断し、針部4cとし、一端部の開口部を生体適合性材料を充填して蓋体7とし、他端を、生体適合性材料で形成された蓋部5cで閉塞するようにしても良い。
更に、図10(D)に示すように、本発明を適用した生体加熱針1dは、金属被覆部3dの一端を絞り加工して針部4dとし、金属被覆部3dの他端部を、別体の生体適合性材料で形成された蓋部5dで閉塞するようにしても良い。
更に、図10(E)に示すように、本発明を適用した生体加熱針1eは、金属被覆部3eの両端部を絞り加工によって閉塞し、一端部を針部4eとし,他端部を蓋部5eとしても良い。
以上のように、図10(A)〜図10(E)に示した生体加熱針1a〜1eは、例えば、肝臓癌に穿刺するために用いられるものであり、患部の大きさ、形状等に応じて長さ、太さは決定され、更に、湾曲されたものであっても良い。
図11は、生体適合性樹脂で形成された基台部21に、本発明が適用された生体加熱針1を複数本立設した治療器具20である。この治療器具20は、例えば子宮の出口付近(膣に近い部分)の子宮頚部に発生した子宮頚癌の治療に用いることができる。すなわち、治療器具20は、膣から挿入し、子宮の出口付近の子宮頚癌に基台部21の生体加熱針1を穿刺することができる。基台部21に立設される生体加熱針1の本数は、子宮頸癌の大きさによって適宜決定される。
なお、以上の例では、肝臓癌及び子宮頚癌に用いる生体加熱針1及びこれを用いた治療器具20を説明したが、本発明の生体加熱針及び治療器具が用いられる患部は、これらの腫瘍に限定されるものではない。
本発明を適用した生体加熱針を示す図であり、(A)は、斜視図、(B)は、断面図である。 本発明を適用した生体加熱針を用いて治療を行う際に用いられる加熱装置を示す図である。 各種金属管にフェライト材料であるMgFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果を示す図である。 空芯のスーパーインバー合金管とチタン管の加熱実験結果を示す図である。 チタン管にフェライト材料としてMgFe及びSrFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果を示す図である。 チタン管にフェライト材料としてNiFe及びSrFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果を示す図である。 チタン管にフェライト材料としてFeFe及びSrFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果を示す図である。 チタン管にフェライト材料としてCuFe及びSrFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果を示す図である。 ステンレス管にフェライト材料としてMgFeを充填した生体加熱針の加熱実験結果及び空芯のステンレス管の加熱実験結果を示す図である。 生体加熱針の変形例を示す断面図である。 本発明を適用した治療器具の斜視図である。
符号の説明
1,1a〜1e 生体加熱針、2 発熱部、3 金属被覆部、10a 生体、10b 患部、11 加熱装置、12 誘導コイル

Claims (5)

  1. 生体内の患部に穿刺して交流磁場で患部を加熱する生体加熱針において、
    上記交流磁場で発熱するフェライト材料で形成された発熱部の周囲に、生体適合性のある金属材料で形成された金属被覆部を設けたことを特徴とする生体加熱針。
  2. 上記フェライト材料は、MFe(但し、Mは、Mg、Ni、Fe、Cuから選択された少なくとも一の金属である。)であることを特徴とする請求項1記載の生体加熱針。
  3. 上記金属被覆部は、チタン、チタン合金、鉄を主成分とする合金の何れかであることを特徴とする請求項1又は2記載の生体加熱針。
  4. 該生体加熱針の端部は、生体適合材料によって閉塞されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の内何れか1項記載の生体加熱針。
  5. 生体内の患部に穿刺した生体加熱針を交流磁場で発熱させ、患部を加熱する治療器具において、
    請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の生体加熱針を複数本基台部に立設してなることを特徴とする治療器具。
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