JP2007189180A - 工具物体、計測装置及び露光装置、並びに計測方法及び調整方法 - Google Patents

工具物体、計測装置及び露光装置、並びに計測方法及び調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】露光装置において、高精度な像振動計測を実現する。
【解決手段】工具ウエハWT上に空間像計測器25A〜25Eを設け、実際に露光で用いられるウエハと交換してウエハホルダWH上に工具ウエハWTを搭載することにより、実際に露光するときにウエハが存在する位置において、像振動計測のための空間像計測を行うことができる。これにより、実際に露光するときと同一のステージ状態で空間像を計測できるので、露光時と同様の環境下で正確な像振動計測を実現することが可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、工具物体、計測装置及び露光装置、並びに計測方法及び調整方法に係り、更に詳しくは、ステージ上に保持装置を介して保持された物体に対して、投影光学系を介してパターンを投影する露光装置に用いられる工具物体、該工具物体を備える計測装置及び該計測装置を用いた計測を行う露光装置、並びに露光装置におけるパターンの像の情報を計測する計測方法及び該計測方法を用いた調整方法に関する。
従来より、半導体素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、パターンを投影光学系を介して感光材料が塗布された基板上に形成するために、種々の露光装置が用いられ、最近では、投影光学系の大型化を引き起こすことなく、大面積の回路パターンを基板上に形成するために、スキャニング・ステッパ(スキャナと呼ばれる)などの逐次移動型露光装置が用いられている。また、最近の半導体素子等の集積度の向上及び微細化に対応して、投影露光装置の解像度や重ね合わせ精度等の露光精度の向上も求められている。
この露光精度に大きな影響を与える要因の一つが、パターンが形成されたマスクを保持して移動するマスクステージや、基板を保持して移動する基板ステージの位置決め精度や、マスクステージと基板ステージの投影光学系を介しての相対的な位置精度(例えば走査型露光装置における同期精度)等のステージ性能である。このステージ性能の評価方法としては、例えば、実際に両ステージを移動しながら、基板上に評価用のパターンを形成し、その基板を現像した後に得られる像の位置を計測する方法が挙げられるが、このような方法を採用した場合、現像プロセスに起因する様々な計測誤差が影響したり、計測に長時間を要することが懸念されている。
このため、最近においては、走査露光中のマスクパターンの位置を計測するために、基板ステージに設けられた撮像装置でその像を撮像する方法(以下、「空間像計測法」と呼ぶ)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この空間像計測法では、一例として、マスクステージに設けたマークの像を投影光学系を介して投影した状態で、基板ステージを移動して、撮像素子でそのマークの像を撮像していた。
しかしながら、ステージ性能に影響を与える要因としては、更に、外乱やステージを駆動する際の反力による振動が考えられる。そのため、ステージ性能を向上するためには、その振動によるパターン像の振動(以下、「像振動」と呼ぶ)を測定して、該振動に対する対策を施すことが望ましい。
また、ステージ上の一部に設けられた撮像装置を用いた計測では、実際には、その撮像装置の位置にパターン像が形成されたときの空間像しか計測できず、実際の露光時においてステージ上に形成される空間像及び像振動を正確に計測できていない可能性がある。
特開平9−50955号公報
本発明は、上述した事情の下になされたものであり、第1の観点からすると、ステージ上に保持装置を介して保持された物体に対して、投影光学系を介してパターンを投影する露光装置に用いられる工具物体であって、前記物体及び前記保持装置の少なくとも一方と交換することにより、前記ステージに搭載可能で、その一部にスリットスキャン方式の空間像計測器の少なくとも一部を有することを特徴とする工具物体である。
これによれば、パターンが投影されるステージ上の位置において、スリットスキャン方式で空間像計測を行うことができるので、実際に物体にパターンが投影されるときと同一のステージの状態で空間像を計測することができる。したがって、露光時と同様の環境下で高精度な空間像計測を行うことが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、ステージ上で物体を保持する保持装置であって、その一部にスリットスキャン方式の空間像計測器の少なくとも一部を有することを特徴とする保持装置である。
これによれば、その一部にスリットスキャン方式の空間像計測器の少なくとも一部があるため、物体を保持する位置で、空間像計測を行うことができる。これにより、保持した物体を処理する際と同様の環境下で空間像計測を行うことが可能となる。
本発明は、第3の観点からすると、本発明の工具物体と;所定のタイミングで、信号を出力する送信部と;前記工具物体において空間像計測器に接続され、前記送信部からの信号を受信し、その受信タイミングで前記空間像計測器による計測を実行する受信部と;を備える第1の計測装置である。
これによれば、本発明の工具物体が有する空間像計測器が、送信部から所定のタイミングで出力される信号を受信部で受信して、そのタイミングで計測を実行するので、送信部における信号出力と同期した空間像計測を行うことができる。したがって、送信部からの信号出力タイミングを制御することにより、的確なタイミングで空間像計測を行うことが可能となる。
本発明は、第4の観点からすると、本発明の工具物体と;所定のタイミングで、信号を出力する第1の送信部と;前記工具物体において空間像計測器に接続され、前記第1の送信部からの信号を受信する第1の受信部と;前記空間像計測器により計測された計測結果を、前記第1の受信部による信号受信のタイミング毎に取得する取得部と;を備える第2の計測装置である。
これによれば、本発明の工具物体の空間像計測器が、第1の送信部から所定のタイミングで出力される信号を第1の受信部で受信することによって、取得部がそのタイミングで計測された結果を取得するので、第1の送信部における信号出力と同期した空間像計測結果の取得を実現することができる。したがって、第1の送信部からの信号出力タイミングを制御することにより、的確なタイミングで空間像計測結果を取得することが可能となる。
本発明は、第5の観点からすると、ステージ上に保持装置を介して保持された物体に対して、投影光学系を介してパターンを投影する露光装置であって、レーザ光を射出する光源と;前記ステージの位置を計測するステージ計測系と;前記ステージ上に本発明の第1の計測装置を構成する前記工具物体を搭載した状態で、前記光源からのレーザ発光タイミングと、前記ステージ計測系による前記ステージの位置検出タイミングと、前記送信部による信号出力タイミングと、を同期させる制御装置と;を備える第1の露光装置である。
これによれば、制御装置により、光源からのレーザ発光と、ステージ計測系によるステージの位置検出と、送信部による信号出力(及びこれに伴う空間像計測)とが同期して行われるので、レーザの所定数のパルス毎の空間像計測を高精度に行うことが可能となる。
本発明は、第6の観点からすると、ステージ上に保持装置を介して保持された物体に対して、投影光学系を介してパターンを投影する露光装置であって、レーザ光を射出する光源と;前記ステージの位置を計測するステージ計測系と;前記ステージ上に本発明の第2の計測装置を構成する前記工具物体を搭載した状態で、前記光源からのレーザ発光タイミングと、前記ステージ計測系による前記ステージの位置検出タイミングと、前記第1の送信部による信号出力タイミングと、を同期させる制御装置と;を備える第2の露光装置である。
これによれば、制御装置により、光源からのレーザ発光と、ステージ計測系によるステージの位置検出と、送信部による信号出力(及びこれに伴う空間像計測結果の取得)とが同期して行われるので、レーザの所定数のパルス毎の空間像計測を高精度に行うことが可能となる。
本発明は、第7の観点からすると、光源を含む照明系によりパターンにレーザ光を照射して、ステージ上に保持装置を介して保持された物体上に前記パターンの像を形成する露光装置で、前記パターンの像に関する情報を計測する計測方法であって、本発明の第1の計測装置を構成する工具物体を、前記ステージ上に搭載する第1工程と;前記光源からのレーザ発光タイミングと同期して、前記送信部から信号を出力し、該信号を前記受信部が受信したタイミングで、前記空間像計測器による計測を実行する第2工程と;前記レーザ発光タイミングと同期して、前記ステージの位置検出を実行する第3工程と;前記空間像計測器による計測結果と、前記ステージの位置検出結果とを用いて、前記パターンの像の情報を算出する第4工程と;を含む第1の計測方法である。
これによれば、光源からのレーザ発光と、ステージ計測系によるステージの位置検出と、送信部による信号出力(及びこれに伴う空間像計測)とが同期して行われるので、それぞれを用いてパターンの像の情報を算出することにより、レーザの所定数のパルス毎のパターンの像の情報の算出を高精度に行うことが可能となる。
本発明は、第8の観点からすると、光源を含む照明系によりパターンにレーザ光を照射して、ステージ上に保持装置を介して保持された物体上に前記パターンの像を形成する露光装置で、前記パターンの像に関する情報を計測する計測方法であって、本発明の第2の計測装置を構成する工具物体を、前記ステージ上に搭載する第1工程と;前記光源からのレーザ発光タイミングと同期して、前記送信部から信号を出力し、該信号を前記受信部が受信したタイミングで、前記空間像計測器による計測を実行する第2工程と;前記レーザ発光タイミングと同期して、前記ステージの位置検出を実行する第3工程と;前記空間像計測器による計測結果と、前記ステージの位置検出結果とを用いて、前記パターンの像の情報を算出する第4工程と;を含む第2の計測方法である。
これによれば、光源からのレーザ発光と、ステージ計測系によるステージの位置検出と、送信部による信号出力(及びこれに伴う空間像計測結果の取得)とが同期して行われるので、それぞれを用いてパターンの像の情報を算出することにより、レーザの所定数のパルス毎のパターン像の情報の算出を高精度に行うことが可能となる。
本発明は、第9の観点からすると、本発明の第1又は第2の計測方法を用いて、前記パターンの像の情報を計測する計測工程と;前記計測工程における計測結果に基づいて、露光装置を調整する調整工程と;を含む露光装置の調整方法である。
これによれば、本発明の第1又は第2の計測方法を用いて精度良く計測されたパターンの像の計測結果を用いて露光装置を調整するので、露光装置の高精度な調整を実現することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置100の構成が概略的に示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。
この露光装置100は、レーザ装置12及び照明光学系14を含む照明系、この照明系により照明されるレチクルRを保持して所定の走査方向(ここでは図1の紙面内左右方向であるY軸方向とする)に移動するレチクルステージRST、レチクルRのパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PL、ウエハWを保持して水平面(XY平面)内を移動するウエハステージWST及びこれらの制御系等を含んでいる。
前記レーザ装置12としては、一例として、KrFエキシマレーザ(発振波長248.385nm)が用いられているものとする。なお、レーザ装置12として、KrFエキシマレーザに代えて、ArFエキシマレーザ(発振波長193nm)やF2レーザ(発振波長157nm)は勿論、金属蒸気レーザやYAGレーザ、あるいは半導体レーザの高調波発生装置等のパルス光源を使用することも可能である。
レーザ装置12は、図1に示されるように、ビームモニタ機構12a、ビームモニタ機構12aからの出力信号が入力されるレーザ制御装置12bを含み、レーザ光源12から射出されたレーザビームLBは照明光学系14に入射する。
ビームモニタ機構12aは、ビームモニタ(スペクトルモニタ)を含み、レーザのパルス発光に応じた受光信号をレーザ制御装置12bに出力する。
レーザ制御装置12bは、主制御装置20からの発光命令に基づいて、レーザ光源12の発光(レーザ発振)を制御する。また、ビームモニタ機構12aからの信号に基づいて、後述する同期信号(トリガ信号)を露光装置100を構成する各部に送信する。
前記照明光学系14は、ビーム整形光学系、エネルギ粗調器、オプティカルインテグレータ、リレーレンズ、レチクルブラインド機構、コンデンサレンズ等を含み、レチクルR上の照明領域IARを照明光ILで照明する。
この照明光学系14の一部には、照明光を分岐するビームスプリッタ26が設けられ、該ビームスプリッタ26で反射された照明光ILは、不図示の集光レンズを介してインテグレータセンサ46で受光され、インテグレータセンサ46の光電変換信号が、不図示のホールド回路及びA/D変換器48、メモリ49などを介して出力DS(digit/pulse)として主制御装置20に出力される。なお、インテグレータセンサ46としては、例えば遠紫外域で感度があり、且つレーザ装置12から射出されるパルス光を検出するために高い応答周波数を有するPIN型のフォトダイオード等が使用できる。
前記レチクルステージRST上にレチクルRが載置され、不図示のバキュームチャック等を介して吸着保持されている。レチクルステージRSTは、水平面(XY平面)内で微小移動可能であるとともに、レチクルステージ駆動系51Rによって走査方向(Y軸方向)に所定ストローク範囲で走査される。レチクルステージRSTの位置は、レチクル干渉計41Rによって計測され、このレチクル干渉計41Rの計測値が主制御装置20に供給される。
前記投影光学系PLとしては、例えば両側テレセントリックな縮小系であり、共通のZ軸方向の光軸AXを有する複数枚のレンズエレメントを含む屈折系が用いられている。また、この投影光学系PLの投影倍率βは、例えば1/4、1/5又は1/8である。このため、照明光ILによりレチクルR上の照明領域IARが照明されると、そのレチクルRに形成されたパターンが投影光学系PLによって投影倍率βで縮小された像が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上のスリット状の露光領域(照明領域IARに共役な領域)IAに形成される。
前記ウエハステージWSTは、ウエハステージ駆動系51WによってXY面内で走査方向であるY軸方向及びこれに直交するX軸方向(図1における紙面直交方向)に2次元移動される。このウエハステージWST上に、ウエハホルダWHを介してウエハWが真空吸着や静電吸着等により保持されている。ウエハステージWSTの位置は、ウエハ干渉計41Wにより計測され、このウエハ干渉計41Wの計測値がA/D変換器148、メモリ149等を介して主制御装置20に供給される。
さらに、図示は省略されているが、レチクルRの上方には、例えば特開平7−176468号公報等に開示されるような露光波長の光(本実施形態では照明光IL)をアライメント用照明光とする画像処理方式の一対のレチクルアライメント顕微鏡が配置されている。この場合、一対のレチクルアライメント顕微鏡は、投影光学系PLの光軸AXを含むYZ平面に関して対称(左右対称)な配置で設置されている。
制御系は、図1中、主制御装置20を含み、主制御装置20は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はミニコンピュータ)を含む。主制御装置20は、露光動作が的確に行われるように、例えばレチクルRとウエハWの同期走査、ウエハWのステッピング、露光タイミング、及び後述する像振動の計測動作等を統括して制御する。
具体的には、主制御装置20は、例えば走査露光時には、レチクルRがレチクルステージRSTを介して+Y方向(又は−Y方向)に速度Vrで走査されるのに同期して、ウエハステージWSTを介してウエハWが露光領域IAに対して−Y方向(又は+Y方向)に速度β・Vr(βはレチクルRからウエハWに対する投影倍率)で走査されるように、レチクル干渉計41R、ウエハ干渉計41Wの計測値に基づいてレチクルステージ駆動系51R、ウエハステージ駆動系51Wをそれぞれ介してレチクルステージRST、ウエハステージWSTの位置及び速度をそれぞれ制御する。また、ステッピングの際には、主制御装置20ではウエハ干渉計41Wの計測値に基づいてウエハステージ駆動系51Wを介してウエハステージWSTの位置を制御する。
また、主制御装置20では、制御情報(発光命令など)をレーザ装置12に供給することによって、前述の如く、レーザ装置12の発光タイミング等を制御する。また、主制御装置20は、照明光学系14内の駆動部分(例えば、レチクルブラインド機構を構成する可動レチクルブラインドなど)を制御する。
本実施形態の露光装置100では、上記露光動作の合間などの適宜なタイミングで、レチクルRに形成されたパターン像(空間像)の、ウエハステージWSTとレチクルステージRSTとが同期移動する間における振動を、計測することとしている。
以下、本実施形態の露光装置100で行われる空間像の振動計測(以下、「像振動計測」と呼ぶ)に用いられる工具ウエハWTについて図2に基づいて説明する。この工具ウエハWTは、図2に示されるように、図1のウエハWと交換することにより、ウエハホルダWH上で保持可能とされている。すなわち、ウエハWと外形がほぼ同一で、重量及び重心もほぼ同一となっている。また、工具ウエハWTの材料としては、シリコンウエハを用いることができる。ただし、これに限らず、ウエハWとほぼ同一の重量で、ほぼ同一の重心を有する金属(アルミニウムなど)から成る円板状部材を用いることとしても良い。
工具ウエハWTを上記のような大きさ、形状等にすることにより、ウエハWをロードするウエハローダ(不図示)を用いて、ウエハホルダWH上に搬送することが可能であり、かつウエハWをアンロードするウエハアンローダ(不図示)を介してウエハホルダWH上から回収することも可能である。
図2に示されるように、工具ウエハWT上には、5つの空間像計測器25A〜25Eと、これら空間像計測器25A〜25Eに対して電流を供給する電池27と、外部との通信を行う第1の送受信装置29とが設けられている。また、工具ウエハWT上には、これら各部の間を接続する配線(電源線、及び信号線)が配設されている。
前記空間像計測器25Aは、図3に拡大して示されるように、その一部にスリット32a,32bが形成されたクロム膜32と、該クロム膜32に表面が覆われた状態の受光素子34と、受光素子34からの出力電流を電圧に変換し、かつ増幅するI−V変換・増幅部36と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器38と、メモリ40とを含んでいる。前記受光素子34としては、シリコンフォトダイオード等を採用することができる。また、前記スリット32a、32bは、受光素子34上にクロム膜32を成膜した後、エッチング等を行うことにより形成することができる。また、空間像計測器25Aを構成する各部は、半導体製造技術を用いてシリコンウエハ上に直接製造することが可能である。
図2に戻り、その他の空間像計測器25B〜25Eも上記空間像計測器25Aと同様の構成となっている。
前記第1の送受信装置29は、第1の送信機29A及び第1の受信機29Bを含んでいる。
前記第1の送信機29Aは、図4に拡大して示されるように、メモリ42A、信号変換部42B、変調器42C、送光素子42Dを含み、送光素子42Dからは、空間像計測器による計測結果を、例えば、赤外線にのせて出力することとすることができる。なお、赤外線に代えて、電波、光、音波などを用いることとしても良い。メモリ42Aは、空間像計測器25A〜25Eを構成するメモリと配線を介して接続されている。
前記第1の受信機29Bは、受光素子52A、受光素子52Aからの出力電流を電圧に変換し、かつ増幅するI−V変換・増幅部52B、及び復調器52Cを含んでいる。復調器52Cからの出力は、配線を介して空間像計測器25A〜25Eに送られるようになっている(図2参照)。
図2に戻り、本実施形態では、上記第1の送受信装置29に対応して、工具ウエハWTと機械的に分離した状態で第2の送受信装置129が設けられている。
前記第2の送受信装置129は、第2の送信機129A及び第2の受信部129Bを含んでいる。
前記第2の送信機129Aは、図4に示されるように、送光素子142D、変調器142C、及び信号変換部142Bを含み、送光素子142Dからは、例えば、赤外線を出力する。なお、赤外線に代えて、電波、光、音波などを用いることとしても良い。前記信号変換部142Bには、図1に示されるように、レーザ制御装置12bからの同期信号が送られ、変調器142Cを介して送光素子142Dから同期信号に応じたタイミングで赤外線が出力されるようになっている。
前記第2の受信部129Bは、図4に示されるように、受光素子152A、該受光素子152Aからの出力電流を電圧に変換し、かつ増幅するI−V変換・増幅部152B、及び復調器152Cを含んでいる。増幅器152Cからの出力(空間像計測器による計測結果)は、主制御装置20に送られるようになっている(図2参照)。
次に、図5(A)、図5(B)を用いて、本実施形態の像振動計測に用いられる計測用レチクルRTx、RTyについて説明する。
図5(A)に示される計測用レチクルRTxは、例えば、略正方形のレチクル基板の中央部に設けられたパターン領域PAxの+X側の半分にクロム(Cr)膜Pが塗布され、半空間が形成された状態とされている。このようなレチクルRTxを用いることにより、露光領域IA内には、図6(B)などに示されるような像P’が形成されることになる。
一方、図5(B)に示される計測用レチクルRTyは、例えば、略正方形のレチクル基板の中央部に設けられたパターン領域PAy内に、X軸方向を長手方向とする長方形状の開口パターンがY軸方向に沿って所定間隔でn個形成された状態とされている。このようなレチクルRTyを用いることにより、露光領域IA内には、図10(A)〜図10(D)などに示されるような像P1’,P2’…Pn’が形成されることになる。
ここで、計測用レチクルRTx,RTyを用いた像振動計測の原理について説明する。
図6(A)には、例えば、図6(B)に示されるように、露光領域IA内に形成された半空間の像P’に対して、例えば空間像計測器25Aのスリット32aをX軸方向に移動したときに検出される検出信号が示されている。この図6(A)のグラフは横軸がスリット32aのX軸方向の位置であり、縦軸がそのX軸方向の位置に対応する検出信号(相対値)である。
図6(A)から分かるように、検出信号はX軸方向の位置の変化に対して幅dの範囲内でほぼ一次関数的に大きく変化している。この幅dの範囲は、スリット32aがX軸方向に移動している間に、半空間の像P’のエッジ部を横切った範囲である。したがって、スリット32aを幅dの範囲内に固定することによって、スリット32aとエッジ部のX軸方向に関する位置関係の変化を、検出信号の一次関数として(比例関係にあるとみなして)計測することができる。
なお、例えば検出信号が最小値と最大値との中央のレベルにあるときの位置Xを0として、検出信号が上下に変化したときの変化量の関数として位置Xを算出することとしても良い。
なお、計測用レチクルRTyについても、各パターンの像のエッジ部に対してスリット32bをY軸方向にスキャンすることにより、同様の信号が得られるようになっている。
したがって、本実施形態における像振動計測は、以下のようにして行う。なお、この像振動計測は、露光装置の設置段階や、前ロットのウエハと次ロットのウエハとの間などの適宜な時期に実行するようになっている。
まず、計測用レチクルRTxをレチクルステージRST上にロードするとともに、工具ウエハWTをウエハステージWST上にロードし、一対のレチクルアライメント顕微鏡等を用いたレチクルアライメントを行うことにより、工具ウエハWTとレチクルRとの位置関係を検出する。そして、その検出結果に基づいて、工具ウエハWT上の空間像計測器25Aと計測用レチクルRTxを用いた計測を実行するためウエハステージWSTとレチクルステージRSTとを所定位置に位置決めする。
次いで、空間像計測器25Aのスリット32aと計測用レチクルRTxに形成された半空間の像P’との位置関係を、図7(A)に示されるような位置関係(スリット32a内に像P’のエッジ部が入った状態)に維持しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを露光時と同一の速度で同期スキャンする。具体的には、レチクルステージRSTを+Y方向に速度Vrで駆動するとともに、ウエハステージWSTを−Y方向に速度β×Vrで駆動することにより、半空間の像P’とスリット32aとが、図7(B)〜図7(D)に示されるように、−Y方向に移動するようにする。
この移動中に、主制御装置20からの発光命令に基づいて、レーザ装置12から発光(レーザ発振)されるが、本実施形態では、以下のようにして、発光(レーザ発振)と同期を取りつつ、各部からの信号を出力する。
すなわち、図1に示されるように、主制御装置20からレーザ制御装置12bに向けて発光命令が出されると、レーザ制御装置12bは、所定の時間遅れ(ジッタ)を経て発光を開始するが、この発光に伴って、ビームモニタ機構12aからの受光信号がレーザ制御装置12bに出力される。
したがって、レーザ制御装置12bは、この受光信号が入力されたタイミングで、同期信号(トリガ信号)を、インテグレータセンサ46の出力をA/D変換するA/D変換器48、第2の送受信装置129の第2送信機129A、及びウエハ干渉計41Wの出力をA/D変換するA/D変換器148に向けて出力する。
この場合、A/D変換器48では、同期信号を受信したタイミングで、インテグレータセンサ46の出力をA/D変換し、メモリ49内に格納する。また、A/D変換器148でも、同期信号を受信したタイミングで、ウエハ干渉計41Wの出力をA/D変換し、メモリ149内に格納する。すなわち、レーザ光源12からのパルス発光毎のタイミングで、インテグレータセンサ46とウエハ干渉計41Wとの計測結果を取得することができる。
また、第2の送受信装置129の第2の送信機129Aからは、第1の送受信装置29の第1の受信機29Bに対し、同期信号を受光したタイミングで赤外線を介して信号が出力されるので、そのタイミングで、第1の受信機29Bでは、空間像計測器25Aを構成するA/D変換器38に信号を出力する。空間像計測器25Aでは、その信号を受信したタイミングで受光素子34の出力をA/D変換し、メモリ40に格納する。すなわち、同期信号が出されるタイミングで、空間像計測器25Aによる計測を実行する。このようにしてメモリ40内に格納された検出信号は、第1の送信機29A内のメモリ42Aに適宜格納される。
なお、空間像計測器25Aにメモリ40を設けずに、第1の送信機29A内のメモリ42Aに検出信号を直接格納するようにすることもできる。
このように各メモリにデータを格納することにより、主制御装置20が、各メモリ49,42A,149から適宜検出結果を取り出すことにより、インテグレータセンサ46、空間像計測器25A、及びウエハ干渉計41Wによる各パルス発光と同期した計測結果を取得することができる。
これらの検出結果のうち、各パルス毎の空間像計測器25Aの計測結果を、これに対応するインテグレータセンサ46の計測結果で割り算することにより、パルス強度にバラツキがある場合であっても、その影響を受けることがないように、検出信号を規格化することが可能である。
また、空間像計測結果(像振動計測結果)をウエハステージWSTの位置(ウエハ干渉計41Wの位置パルス)と対応付ける(同期させる)ことが可能なため、正確な像振動計測結果を取得することが可能となっている。
このようにして検出された信号の一例が、図8に示されている。この図8からわかるように、スリット32aが露光領域IA内に入った状態の点A〜点Bまでの間に、検出信号が大きくなるが、その信号強度は一定ではない。これは、半空間の像P’がステージRST,WSTの同期移動中に両ステージの振動等の影響を受けて、X軸方向に関する像振動が検出信号に反映されたためである。
したがって、この検出信号を解析することにより、X軸方向に関する像振動を算出することができる。なお、図8の検出結果には、ウエハステージWSTとレチクルステージRSTとの同期誤差も含まれている可能性があるが、これについてはレチクル干渉計41R、ウエハ干渉計41Wの検出結果に基づいて、補正を行うこととすれば良い。
その後は、図9(A)に示されるように、半空間の像P’とスリット32aとの位置関係をずらした状態(図7(A)〜図7(D)よりも像P’に対するスリット32aの位置を+Y側に移動した状態)で、上記と同様の計測を行う。そして、これ以降も、図9(B)に示されるように、次々と像P’に対するスリット32aの位置を+Y方向にずらしつつ、同様の計測を行う。
このようにして、計測用レチクルRTxの半空間の像P’のY軸方向全域における像振動を計測することが可能となっている。
なお、上記各位置関係での計測をステージを往復移動して2回ずつ行うこととしても良い。これにより、ウエハステージWSTを+Y方向にスキャンした場合の像振動と−Y方向にスキャンした場合の像振動との差異を検出することができる。
その後は、他の空間像計測器25B〜25Eを用いた同様の計測を実行することにより、工具ウエハWT上の複数点におけるX軸方向の像振動計測を行うことが可能である。
次に、Y軸方向に関する像振動計測を行う。この計測に際しては、工具ウエハWTはウエハステージWST上に載置したままの状態で、計測用レチクルRTxを計測用レチクルRTyに交換する。そして、レチクルアライメント等の準備動作を経て、図10(A)に示されるように、スリット32bが計測用レチクルRTyのパターンの像P1’のエッジ部にかかるようにした状態で、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを露光時と同一の速度で同期移動する。この移動により、図10(B)に示されるように、スリット32bとパターンの像P1’とが−Y方向に移動する。
この場合においても、前述したように発光(レーザ発振)と同期して、インテグレータセンサ46、空間像計測器25A、及びウエハ干渉計41Wにおける計測結果を取得することにより、前述した計測用レチクルRTxを用いたX軸方向に関する像振動計測と同様に、図8のような検出信号を得ることができる。
したがって、この検出信号を解析することにより、スリット32aが像P1’のエッジ部にかかった位置関係での、Y軸方向に関する像振動を計測することが可能となっている。なお、この場合においても、検出信号に、ウエハステージWSTとレチクルステージRSTとの同期誤差が含まれている場合があるので、検出信号をウエハ干渉計41Wとレチクル干渉計41Rの検出結果に基づいて補正をすることとしても良い。
その後は、上述したパターン像P1’の計測と同様にして、図10(C)及び図10(D)の位置関係でパターンの像P2’のエッジ部における計測を行い、さらにその後、パターンP3’、…Pn’のエッジ部における計測を実行する。
なお、図10(A)〜図10(D)では、各パターン像の+Y側のエッジ部にて計測を行うこととしているが、これに限らず、−Y側のエッジ部で計測を行うこととしても良いし、両方のエッジ部で計測を行うこととしてももちろん良い。
また、各エッジ部の計測を、レチクルステージRST及びウエハステージWSTをY軸方向に往復させて2度ずつ計測することとしても良い。
その後は、他の空間像計測器25B〜25Eを用いた同様の計測を実行することにより、工具ウエハWT上の複数点におけるY軸方向の像振動計測を行うことが可能である。
本実施形態では、上記のようにして計測された像振動に基づいて、両ステージの加速プロファイルを変更するなどの調整を行うことが可能である。特に、本実施形態では、工具ウエハ上の5箇所において像振動を計測することができるので、ウエハステージWSTが各計測位置にあるときの像振動を計測可能であり、ウエハステージWSTの各計測位置での加速プロファイルを調整することが可能となっている。
以上詳細に説明したように、本実施形態によると、工具ウエハWT上に空間像計測器が設けられ、ウエハWと交換してウエハホルダWH上に搭載することにより、実際に露光するときにウエハが存在する位置において、像振動計測のための空間像計測を行うことができるので、実際に露光するときと同一のステージ状態で空間像を計測できる。したがって、露光時と同様の環境下で正確な像振動計測を実現することが可能である。
また、本実施形態によると、工具ウエハWT上に複数の空間像計測器が設けられていることから、ウエハの各位置における像振動を計測することができるので、各位置での像振動の差異を計測することが可能である。
また、本実施形態によると、レーザ制御装置12bから出力される同期信号を、第2の送受信装置129内の第2の送信機129Aを介して受信し、その受信タイミングで像振動計測に必要な信号を取得することとしているので、像振動とウエハステージWSTの位置とを正確に関連付けることができ、高精度な像振動計測を行うことが可能となる。また、各パルス毎に照明光学系14内のインテグレータセンサ46の出力を取得することとしているので、同一パルスにおけるインテグレータセンサ46の出力と空間像計測器の出力とを用いて、空間像計測器の出力を規格化することにより、パルス毎の発光バラツキの影響を抑制することができ、この点においても高精度な像振動計測を実現することが可能となっている。
また、本実施形態によると、上記のような像振動計測結果に基づいて、加速プロファイルを調整するなどの露光装置の調整を行うこととしているので、高精度な調整をすることができ、ひいては、露光精度の向上を図ることが可能となっている。
また、本実施形態では、工具ウエハWTと第2の送受信装置129とが無線接続(コードレスにて接続)されているので、像振動計測中における配線等の引きずりがなく、該ひきずりによるウエハステージWSTの位置決め精度の低下、及び像振動計測精度の低下を回避することができる。ただし、コードの影響が低い場合などには、工具ウエハWTにコード等を接続して、レーザ制御装置12bからの同期信号を工具ウエハWTに送るようにしても良い。
なお、上記実施形態では、レーザ制御装置12bからの同期信号に応じたタイミングでデータの取得をすることとしたが、これに限らず、主制御装置20からの発光命令からレーザ発光までの時間が短い場合には、主制御装置20からの発光命令を同期信号としてデータの取得をすることとしても良い。
また、レーザ制御装置12bは、同期信号を毎パルス毎に出力するようにしても良いし、所定数のパルス毎に出力することとしても良い。
なお、上記実施形態では、第1の送受信装置29の第1の送信機29A内にメモリ42Aが設けられ、同期信号を受信するとともに、該メモリ42Aに空間像計測器の検出信号を取り込み、適宜なときに、主制御装置20がメモリ42Aから検出信号のデータを第2の送受信装置129を介して取得する場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、空間像計測器25A〜25E内や第1の送信機29内にメモリを設けずに、図11に示されるように、A/D変換器158及びメモリ159を外部に設けることとしても良い。この場合、レーザ制御装置12bからの同期信号をA/D変換器158が受信するたびに、該受信の際に空間像計測器25A〜25Eのいずれかで検出され、第2の送受信装置129の第2の受信機129Aを介してA/D変換器159まで来ている検出信号をA/D変換器158がA/D変換して、メモリ159に取り込むこととすることもできる。この場合にも上記実施形態と同様の検出を行なうことが可能となる。
なお、上記実施形態では、工具ウエハWT上に空間像計測器を複数(図2では5つ)設けることとしたが、これに限らず、工具ウエハWT上に空間像計測器を1つのみ設けることとしても良い。この場合においても、ウエハWが配置されている位置とは別の位置に空間像計測器を設けるよりは、露光時の像振動を正確に計測することが可能となる。
なお、上記実施形態では、工具ウエハに直接半導体製造技術を用いて空間像計測器を作りこむ場合について説明したが、これに限らず、例えば、空間像計測器を別に製造し、工具ウエハに組み込むようにすることも可能である。この場合、空間像計測器のスリットが工具ウエハの他の部分と面一となるように、工具ウエハに凹部を設け、その凹部に空間像計測器を嵌め込むようにすることも可能である。
なお、上記実施形態では、空間像計測器25A〜25Eが設けられた工具ウエハを用いて像振動の計測を行う場合について説明したが、これに限らず、空間像計測器が設けられたウエハホルダ型の工具ホルダを用いることとしても良い。この場合には、工具ウエハの上面(+Z側表面)の高さが、露光時のウエハWの表面の高さと一致するように設定することが望ましい。また、工具ホルダとしてはウエハホルダとほぼ同一の外形を有し、ほぼ同一の重量で、ほぼ同一の重心となるように設定することができる。これにより、例えば、実際に露光時に用いられるウエハホルダを搬送する搬送装置がある場合には、この搬送装置を用いて工具ホルダを搬送することが可能となる。この工具ホルダ上への空間像計測器の設置も、直接半導体製造技術を用いて作りこむこととしても良いし、別途空間像計測器を製造し、工具ホルダに設置することとしても良い。
また、工具ホルダを用いることなく、実際に露光に用いられるウエハホルダに、空間像計測器を設けて像振動計測を行うこととしても良い。この場合、例えば、ウエハを例えば真空吸着する保持するチャック部分以外の部分に空間像計測器を埋め込むなどすることが可能である。
なお、上記実施形態では、空間像計測器を用いて像振動の計測を行う場合について説明したが、これに限らず、単に空間像計測を行い、該計測結果に基づいて、投影光学系の調整などを行うこととしても良い。
なお、上記実施形態では、レーザ制御装置から同期信号が出力される場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、ビームモニタ機構12aから直接同期信号が出力されるようにしても良い。
なお、上記実施形態及び変形例では、信号取得の同期をとる手段として図1、図11の構成について説明したが、本発明がこれに限られるものではない。同期信号に応じて同期を取ることができる構成であれば、構成の変更はもちろん可能である。
なお、上記実施形態では、空間像計測器の全てが工具ウエハ上に設けられた構成について説明したが、これに限らず、空間像計測器の一部を工具ウエハに設けることとしても良い。例えば、スリットと光学系のみを工具ウエハ上に配置して、工具ウエハとは離れた位置に受光素子を設けることとしても良い。
なお、国際公開第2004/53955号パンフレットに開示される液浸露光装置に本発明を適用することも可能である。この場合、工具ウエハWTを用いた計測の際に、工具ウエハWT上に液体(水)が保持されることがあるため、工具ウエハWTの表面を撥液コート(撥水コート)することとしても良い。
以上説明したように、本発明の工具物体及び計測装置は、物体に対して、投影光学系を介してパターンを投影する露光装置に用いるのに適している。また、本発明の露光装置は、物体に対して投影光学系を介してパターンを投影するのに適している。また、本発明の計測方法は、露光装置におけるパターンの像の情報の計測に適している。また、本発明の調整方法は露光装置の調整に適している。
一実施形態に係る露光装置を示す概略図である。 図1の露光装置で用いられる工具ウエハをウエハステージとともに示す平面図である。 空間像計測器の構成を示す平面図である。 第1、第2の送受信装置の構成を示す図である。 図5(A)は、一実施形態で用いられる計測用レチクルRTxを示す図であり、図5(B)は、一実施形態で用いられる計測用レチクルRTyを示す図である。 図6(A)、図6(B)は、像振動計測の原理について説明するための図である。 図7(A)〜図7(D)は、像振動計測(X軸方向の像振動)について説明するための図(その1)である。 像振動計測において検出される検出信号の一例を示すグラフである。 図9(A),図9(B)は、像振動計測(X軸方向の像振動)について説明するための図(その2)である。 図10(A)〜図10(D)は、像振動計測(Y軸方向の像振動)について説明するための図である。 変形例に係る露光装置を示す図である。
符号の説明
12…レーザ装置(光源)、14…照明光学系、20…主制御装置(制御装置、規格化装置)、25A〜25E…空間像計測器、29A…第1の送信機(第2の送信機、取得部の一部)、29B…第1の受信機(受信部、第1の受信部)、32a,32b…スリット、34…受光素子、41W…ウエハ干渉計(ステージ計測系)、100…露光装置、129A…第2の送信機(送信部、第1の送信部)、129B…第2の受信機(第2の受信部、取得部の一部)、PL…投影光学系、R…レチクル(マスク)、RST…レチクルステージ(マスクステージ)、W…ウエハ(物体)、WH…ウエハホルダ(保持装置)、WST…ウエハステージ(ステージ)、WT…工具ウエハ(工具物体、計測装置の一部)。

Claims (27)

  1. ステージ上に保持装置を介して保持された物体に対して、投影光学系を介してパターンを投影する露光装置に用いられる工具物体であって、
    前記物体及び前記保持装置の少なくとも一方と交換することにより、前記ステージに搭載可能で、その一部にスリットスキャン方式の空間像計測器の少なくとも一部を有することを特徴とする工具物体。
  2. 前記物体と交換可能で、前記物体とほぼ同一の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の工具物体。
  3. 前記物体と交換可能で、前記物体とほぼ同一の重量、及びほぼ同一の重心を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の工具物体。
  4. 半導体基板を含み、
    前記空間像計測器の少なくとも一部は、前記半導体基板の一部に、半導体製造プロセスを用いて形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の工具物体。
  5. 前記空間像計測器は、スリット及び受光素子を有し、
    前記スリットは、前記半導体基板に設けられた受光素子の表面に金属膜を蒸着し、エッチングにて形成されていることを特徴とする請求項4に記載の工具物体。
  6. 前記保持装置と交換可能で、前記保持装置とほぼ同一の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の工具物体。
  7. 前記物体及び前記保持装置と交換可能で、前記物体の厚さ及び前記保持装置をあわせた厚さとほぼ同一の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の工具物体。
  8. 前記空間像計測器の少なくとも一部を複数有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の工具物体。
  9. 前記空間像計測器に対する液体の付着を防止する撥液処理が施されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の工具物体。
  10. ステージ上で物体を保持する保持装置であって、
    その一部にスリットスキャン方式の空間像計測器の少なくとも一部を有することを特徴とする保持装置。
  11. 前記空間像計測器の少なくとも一部を、複数有することを特徴とする請求項10に記載の保持装置。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の工具物体と;
    所定のタイミングで、信号を出力する送信部と;
    前記工具物体において空間像計測器に接続され、前記送信部からの信号を受信し、その受信タイミングで前記空間像計測器による計測を実行する受信部と;を備える計測装置。
  13. 前記送信部と前記受信部とは、無線接続されていることを特徴とする請求項12に記載の計測装置。
  14. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の工具物体と;
    所定のタイミングで、信号を出力する第1の送信部と;
    前記工具物体において空間像計測器に接続され、前記第1の送信部からの信号を受信する第1の受信部と;
    前記空間像計測器により計測された計測結果を、前記第1の受信部による信号受信のタイミング毎に取得する取得部と;を備える計測装置。
  15. 前記第1の送信部と前記第1の受信部とは、無線接続されていることを特徴とする請求項14に記載の計測装置。
  16. 前記取得部は、
    前記信号受信のタイミングで前記空間像計測器により計測された計測結果を送信する第2の送信部と、
    前記第2の送信部から送信された計測結果を受信して取得する第2の受信部と、を有することを特徴とする請求項14又は15に記載の計測装置。
  17. 前記第2の送信部と前記第2の受信部とは、無線接続されていることを特徴とする請求項16に記載の計測装置。
  18. ステージ上に保持装置を介して保持された物体に対して、投影光学系を介してパターンを投影する露光装置であって、
    レーザ光を射出する光源と;
    前記ステージの位置を計測するステージ計測系と;
    前記ステージ上に請求項12又は13に記載の計測装置を構成する前記工具物体を搭載した状態で、前記光源からのレーザ発光タイミングと、前記ステージ計測系による前記ステージの位置検出タイミングと、前記送信部による信号出力タイミングと、を同期させる制御装置と;を備える露光装置。
  19. ステージ上に保持装置を介して保持された物体に対して、投影光学系を介してパターンを投影する露光装置であって、
    レーザ光を射出する光源と;
    前記ステージの位置を計測するステージ計測系と;
    前記ステージ上に請求項14〜17のいずれか一項に記載の計測装置を構成する前記工具物体を搭載した状態で、前記光源からのレーザ発光タイミングと、前記ステージ計測系による前記ステージの位置検出タイミングと、前記第1の送信部による信号出力タイミングと、を同期させる制御装置と;を備える露光装置。
  20. 前記光源から射出されたレーザ光を前記物体に照射する照明光学系を更に備え、
    前記制御装置は、前記照明光学系内に設けられた光センサによるレーザ光の強度信号検出のタイミングをも同期させることを特徴とする請求項18又は19に記載の露光装置。
  21. 前記空間像計測器による計測結果を、該計測結果と同一のタイミングで前記光センサによって取得された強度信号検出結果を用いて規格化する規格化装置を更に備える請求項20に記載の露光装置。
  22. 前記空間像計測器は、前記ステージの移動中における前記パターンの投影像の振動に関する情報を計測することを特徴とする請求項18〜21のいずれか一項に記載の露光装置。
  23. 前記パターンが形成されたマスクを保持するマスクステージを更に備え、
    前記空間像計測器は、前記マスクステージと前記ステージとの同期移動中における前記パターンの投影像の振動に関する情報を計測することを特徴とする請求項18〜22のいずれか一項に記載の露光装置。
  24. 光源を含む照明系によりパターンにレーザ光を照射して、ステージ上に保持装置を介して保持された物体上に前記パターンの像を形成する露光装置で、前記パターンの像に関する情報を計測する計測方法であって、
    請求項12又は13に記載の計測装置を構成する工具物体を、前記ステージ上に搭載する第1工程と;
    前記光源からのレーザ発光タイミングと同期して、前記送信部から信号を出力し、該信号を前記受信部が受信したタイミングで、前記空間像計測器による計測を実行する第2工程と;
    前記レーザ発光タイミングと同期して、前記ステージの位置検出を実行する第3工程と;
    前記空間像計測器による計測結果と、前記ステージの位置検出結果とを用いて、前記パターンの像の情報を算出する第4工程と;を含む計測方法。
  25. 光源を含む照明系によりパターンにレーザ光を照射して、ステージ上に保持装置を介して保持された物体上に前記パターンの像を形成する露光装置で、前記パターンの像に関する情報を計測する計測方法であって、
    請求項14〜17のいずれか一項に記載の計測装置を構成する工具物体を、前記ステージ上に搭載する第1工程と;
    前記光源からのレーザ発光タイミングと同期して、前記送信部から信号を出力し、該信号を前記受信部が受信したタイミングで、前記空間像計測器による計測を実行する第2工程と;
    前記レーザ発光タイミングと同期して、前記ステージの位置検出を実行する第3工程と;
    前記空間像計測器による計測結果と、前記ステージの位置検出結果とを用いて、前記パターンの像の情報を算出する第4工程と;を含む計測方法。
  26. 前記第2工程では、前記光源からのレーザ発光タイミングと同期して、前記照明系内の光センサによるレーザ光の強度信号の検出をも行い、
    前記第3工程では、前記光センサの検出結果を更に用いて、前記パターンの像の情報を算出することを特徴とする請求項24又は25に記載の計測方法。
  27. 請求項24〜26のいずれか一項に記載の計測方法を用いて、前記パターンの像の情報を計測する計測工程と;
    前記計測工程における計測結果に基づいて、露光装置を調整する調整工程と;を含む露光装置の調整方法。
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