JP2007187741A - 位相差板 - Google Patents
位相差板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007187741A JP2007187741A JP2006003870A JP2006003870A JP2007187741A JP 2007187741 A JP2007187741 A JP 2007187741A JP 2006003870 A JP2006003870 A JP 2006003870A JP 2006003870 A JP2006003870 A JP 2006003870A JP 2007187741 A JP2007187741 A JP 2007187741A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- wavelength
- phase difference
- plate
- retardation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
Abstract
【課題】λ/2層の遅相軸とλ/4層の遅相軸とを直線偏光板の吸収軸に対して最適な角度で配置することにより、異なる2つの波長の直線偏光を円偏光へと良好に変換する。
【解決手段】位相差板10は、位相差が1/4波長となるλ/4層2と、当該λ/4層2に対向して配置され、位相差が1/2波長となるλ/2層1とを備えている。位相差板10のλ/2層1の遅相軸11とλ/4層2の遅相軸12は、直線偏光板の吸収軸14に対して交差しており、直線偏光を円偏光に変換する。異なる2つの波長での位相差の平均値となる波長をλ0とした時、λ/2層はλ0で1/2波長となり、λ/4層はλ0で1/4波長となる位相差板であって、λ/2層は遅相軸11と直線偏光板の吸収軸14のなす角度をθ1、λ/4層2の遅相軸12と直線偏光板の吸収軸14のなす角度をθ2とした時、λ/2層の遅相軸11とλ/4層の遅相軸12とのなす角度をθ2-θ1とする。
【選択図】図4
【解決手段】位相差板10は、位相差が1/4波長となるλ/4層2と、当該λ/4層2に対向して配置され、位相差が1/2波長となるλ/2層1とを備えている。位相差板10のλ/2層1の遅相軸11とλ/4層2の遅相軸12は、直線偏光板の吸収軸14に対して交差しており、直線偏光を円偏光に変換する。異なる2つの波長での位相差の平均値となる波長をλ0とした時、λ/2層はλ0で1/2波長となり、λ/4層はλ0で1/4波長となる位相差板であって、λ/2層は遅相軸11と直線偏光板の吸収軸14のなす角度をθ1、λ/4層2の遅相軸12と直線偏光板の吸収軸14のなす角度をθ2とした時、λ/2層の遅相軸11とλ/4層の遅相軸12とのなす角度をθ2-θ1とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、異なる2つの波長の直線偏光を円偏光へと良好に変換することのできる位相差板に関する。
λ/4板及びλ/4板と直線偏光板からなる円偏光板は、非常に多くの用途を有しており、反射型LCD、半透過LCD、光ピックアップ素子などに使用されている。このような素子に使われるλ/4板は、可視光領域全域もしくは使用波長領域において、λ/4板として働くことが望ましい。しかしながら、従来のλ/4板はある特定波長においてのみλ/4板として働くものがほとんどであった。
また広い波長領域において、直線偏光を円偏光に変換する位相差板(広帯域円偏光板)として、λ/2板とλ/4板を重ねるものが知られている。例えば、光学異方性を有する2枚のポリマーフィルムを積層する方法(例えば、特許文献1)、液晶性化合物を含む光学異方性層を2層積層する方法(例えば、特許文献2)などがある。また、λ/2板とλ/4板に限らず、波長分散の異なる液晶化合物を含む光学異方性層を2層積層する方法(例えば、特許文献3)、共重合体もしくは添加剤を加えたポリマーを延伸し、ポリマーフィルム1枚で実現する方法(例えば、特許文献4)などが知られている。
特開平10−68816号公報
特開2001−91741号公報
特開2000−206331号公報
特開2000−580031号公報
しかしながら、このような広い波長領域において円偏光に変換する位相差板であっても、設定波長周辺でのみ円偏光化させることができるだけであり、レーザーなどを用いて発生する任意の2つの波長に対して、完全な円偏光を実現することは困難である
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、λ/2層の遅相軸とλ/4層の遅相軸を直線偏光板の吸収軸に対して最適な角度で配置することにより、異なる2つの波長の直線偏光を円偏光へと良好に変換することのできる位相差板を提供することを目的とする。
本発明は、位相差が1/4波長となるλ/4層と、当該λ/4層に対向して配置され、位相差が1/2波長となるλ/2層とを備え、λ/2層の遅相軸とλ/4層の遅相軸が、直線偏光板の吸収軸に対して交差し、直線偏光を円偏光に変換する位相差板であって、λ/2層は、
を満たす波長λ0に対して、位相差が1/2波長となるとともに、遅相軸と直線偏光板の吸収軸のなす角度が、
となり、λ/4層は、前記波長λ0に対して位相差が1/4波長となるとともに、遅相軸と直線偏光板の吸収軸のなす角度が
となり、λ/2層の遅相軸とλ/4層の遅相軸とのなす角度は、θ2-θ1となることを特徴とする位相差板である。
本発明は、λ/2層の、波長λ1に対する位相差Re_H(λ1)と、λ/4層の、波長λ1に対する位相差Re_Q(λ1)と、λ/2層の、波長λ2に対する位相差Re_H(λ2)と、λ/4層の、波長λ2に対する位相差Re_Q(λ2)は、|Re_H(λ1)/Re_H(λ2) - Re_Q(λ1)/Re_Q(λ2)|<0.03 …式(6)の関係を満たすことを特徴とする位相差板である。
本発明は、第一の基材と、第一の基材上に配置され、配向能を有する第一の配向膜と、第一の配向膜上に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/2層と、λ/2層上に配置された第二の基材と、第二の基材上に配置され、配向能を有する第二の配向膜と、第二の配向膜上に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/4層と、を備えたことを特徴とする位相差板である。
本発明は、基材と、基材上に配置され、配向能を有する第一の配向膜と、第一の配向膜上に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/2層と、λ/2層上に配置され、配向能を有する第二の配向膜と、第二の配向膜上に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/4層と、を備えたことを特徴とする位相差板である。
本発明は、異なる2つの波長λ1,λ2に対して、円偏光の楕円率が0.84以上であることを特徴とする位相差板である。
本発明は、異なる2つの波長λ1,λ2の直線偏光は、単色光であることを特徴とする位相差板である。
本発明は、上述の位相差板を用いたことを特徴とする光ピックアップ装置である。
本発明によれば、λ/2層の遅相軸とλ/4層の遅相軸を直線偏光板の吸収軸に対して最適な角度で配置することにより、異なる2つの波長の直線偏光を、円偏光へと良好に変換することができる。
発明の実施の形態
以下、本発明に係る位相差板10の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図10は本発明の実施の形態を示す図である。また、本発明の位相差板10に照射される2つの異なる波長を、λ1とλ2として以下説明する。
以下、本発明に係る位相差板10の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図10は本発明の実施の形態を示す図である。また、本発明の位相差板10に照射される2つの異なる波長を、λ1とλ2として以下説明する。
図1に示すように、本発明による位相差板10は、位相差が1/2波長となるλ/2板1と、λ/2板1上に配置され、位相差が1/4波長となるλ/4板2と、を備えている。
また図1に示すように、λ/2板1は、第一の基板(基材)21と、第一の基板21上に配置され、配向能を有する第一の配向膜25と、第一の配向膜25上に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/2位相差層(λ/2層)26とを有しており、λ/4板2も同様に、第二の基板21と、第二の基板21上に配置され、配向能を有する第二の配向膜25と、第二の配向膜25上に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/4位相差層(λ/4層)27とを有している。
なお、位相差板10として、基板21と、基板21上に配置され、配向能を有する第一の配向膜25と、第一の配向膜上25に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/2位相差層26と、λ/2位相差層26上に配置され、配向能を有する第二の配向膜25と、第二の配向膜25上に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/4位相差層27と、からなるものを用いることもできる。
このうちλ/2位相差層26の遅相軸11と、λ/4位相差層27の遅相軸12は、図4に示すように、直線偏光板の吸収軸14に対して交差しており、λ/2板1とλ/4板2とを有する位相差板10によって直線偏光を円偏光に変換することができる。なお、直線偏光板の吸収軸14とは直線偏光の偏光軸(図示せず)と直交する軸であり、吸収型の直線偏光板がない系であっても入射光が直線偏光していれば、直線偏光の偏光軸に直交する軸である。
また図4に示すように、λ/2位相差層26の遅相軸11とλ/4位相差層27の遅相軸12とのなす角度は、θ2-θ1となっている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
まず、偏光状態を説明するために用いられるポアンカレ球について説明する。
図11及び図12に示すように、ポアンカレ球上の座標は偏光状態に対応している。例えば、(S1,S2,S3)=(1,0,0)にある点は水平偏光にあること(水平偏光状態)を示し、(S1,S2,S3)=(-1,0,0)にある点は、(1,0,0)に直行する垂直偏光にあること(垂直偏光状態)を示す。このようにS1−S2平面上にある点は直線偏光にあること(直線偏光状態)を示す。
また、図11及び図12に示すように、(S1,S2,S3)=(0,0,±1)上にある点は完全な円偏光にあること(円偏光状態)を示す。さらに、S1−S2平面上でなく、かつ(S1,S2,S3)≠(0,0,±1)にある点は、円偏光でも、直線偏光でもない、楕円偏光であること(楕円偏光状態)を示す。
すなわち、図11及び図12において、ポアンカレ球上の座標と中心(0,0,0)を結ぶ直線と、S1−S2平面とがなす角をポアンカレ球上での位相角とすると、ポアンカレ球上での位相角が90°となる場合には、偏光状態は完全な円偏光となり、位相角が0°となる場合には、直線偏光となる。
次に、本発明による位相差板10の構造をより良く理解するために、一般の位相差板10(参考例)について図13乃至図21を用いて、ポアンカレ球によって説明する。
図14において、位相差板10の波長λにおける位相差をRe(λ)(波長λにおける位相差)とする。位相差板10は、ポアンカレ球上のある点を所定の軸を中心に回転させて、別のポアンカレ球上の点に移動させる効果を持つ。
すなわち図13及び図14に示すように、位相差板10のλ/4位相差層27の遅相軸12が直線偏光板の吸収軸14に対してθになる際に、ポアンカレ球上でS1軸からθ×2の角度である回転軸51を中心に偏光状態を示す点はポアンカレ球上をRe(λ)/λ回転する。
例えば、Re(λ)=λの場合はポアンカレ球上を1回転(360°)し、Re(λ)=λ/2の場合は、ポアンカレ球上を1/2回転(180°)し、Re(λ)=λ/4の場合は、ポアンカレ球上を1/4回転(90°)する。そして、ポアンカレ球上を1回転させる位相差板10はλ板と呼ばれ、1/2回転させる位相差板10はλ/2板1と呼ばれ、1/4回転させる位相差板10はλ/4板2と呼ばれる。
図13及び図14に示すように、位相差板10のλ/4位相差層27は、位相差板10のλ/4位相差層27の遅相軸12が直線偏光板の吸収軸14に対して45°になるように設計されているため、ポアンカレ球上でS1軸から45°×2の角度に回転軸51がくる。このとき、(S1,S2,S3)=(1,0,0)の点は、回転軸51を中心に偏光状態はポアンカレ球上を1/4(90°)回転し、(S1,S2,S3)=(0,0,1)の点に移動する。このため、波長λの直線偏光は、完全な円偏光になる。
しかし、位相差板10の位相差は波長によって異なるので、例えば、655nmに対してλ/4位相差層27として設計されたλ/4板2を用いた場合、設定波長655nmでの位相差は655/4nmとなるが、655nmと異なる波長の405nmに対しては、405/4とはならない。
ある波長λでの位相差をRe(λ)とした場合、波長λでの位相角D(λ)をD(λ)=Re(λ)/λ×360 [°]と定義すると、図15に示す波長分散を持つ位相差板10(655nmに対するλ/4板2)を用いた場合、ポアンカレ球上での波長405nmの直線偏光と波長655nmの直線偏光の軌道は、図16に示したようになる。
すなわち、波長655nmの直線偏光については、図16に示したように位相角D(655nm)が90°になるため、(S1,S2,S3)=(1,0,0)にある直線偏光を示す点は、λ/4板2によって(S1,S2,S3)=(0,0,1)の点に移動し、直線偏光が円偏光になる。しかし波長405nmの直線偏光については、図16に示したように位相角D(405nm)がほぼ180°となる点に移動する。このため、波長405nmの直線偏光は、ほぼ直線偏光に近い楕円偏光になってしまう。
各波長におけるポアンカレ球上での位相角を図17に示す。図17に示すように、ポアンカレ球上での位相角≒90°(円偏光状態)になるのは、655nm近傍に限られる。
また位相差板10が円偏光板となりうる領域を広くするため(広帯域円偏光板を得るため)、λ/2板1とλ/4板2を重ね合わせることもできる(図20参照)。このとき図18乃至図20に示すように、位相差板10のλ/2位相差層26の遅相軸11が直線偏光板の吸収軸14に対してθ1となる際には、λ/2位相差層26の回転軸56はポアンカレ球上でS1軸からθ1×2の角度に位置し、位相差板10のλ/4位相差層27の遅相軸12が直線偏光板の吸収軸14に対してθ2となる際には、λ/4位相差層27の回転軸56がポアンカレ球上でS1軸からθ2×2の角度に位置する。
このとき図18及び図19に示すように、設定波長655nmを円偏光させるには、直線偏光板の吸収軸14に対するλ/2位相差層26の遅相軸11の角度θ1[°]と、λ/4位相差層27の遅相軸12の角度θ2[°]は、λ/4位相差層27についての回転軸55と、(S1,S2,S3)=(1,0,0)がλ/2位相差層26で移動した先の点(S1,S2,S3)=(cos4θ1,sin4θ1,0)とS3=0を通る平面18とが、垂直、すなわちθ2×2=θ1×2×2+90 [°]を満たす必要がある。
さらに、λ/2位相差層26によってポアンカレ球上の偏光状態を示す点が動く距離とλ/4位相差層27によってポアンカレ球上の偏光状態を示す点が動く距離が等しくなるように設計することで、位相角の理想値からのずれを打ち消しあい、位相差板10が円偏光板となりうる領域を広くすることができる。
このときλ/2位相差層26によって回転された際のポアンカレ球上の移動距離は、sin(θ1×2)×πとなり、λ/4位相差層27によって回転された際のポアンカレ球上の移動距離はπ/2となるため、λ/2位相差層26による移動距離とλ/4位相差層27による移動距離とが等しくなるようにするには、sin(θ1×2)×π=π/2となる必要があり、この際θ1が15°となる。この結果をθ2×2=θ1×2×2+90 [°]に代入することにより、θ2は75°となることがわかる(図20参照)。このため、ポアンカレ球上でのλ/2位相差層26の回転軸56は15×2=30°となり、λ/4位相差層27の回転軸55は75×2=150°の位置になる。
上述した方法で、設定波長655nmのλ/2位相差層26とλ/4位相差層27を重ねたとき(広帯域円偏光板をもちいたとき)のポアンカレ球上での位相角の変化を図21に示す。λ/4板2のみを用いて位相差板10を形成した場合に比べ、広い範囲でポアンカレ球上での位相角が90°に近くすることができる。しかし655nmと異なる波長405nmである直線偏光については、円偏光にはならず、ほとんど直線偏光のままになってしまう。
次に、上述した図13乃至図21を用いて説明した参考例と比較して、本発明における位相差板10について図2乃至図10を用いて、ポアンカレ球によって説明する。
2つの異なる波長λ1,λ2に対して、Re(λ0)/λ0=[Re(λ1)/λ1+Re(λ2)/λ2]/2(式(1))を満たす波長をλ0とする。ここで、2つの波長は、Re(λ1)/λ1>Re(λ2)/λ2(式(2))を満たすように設定する。
ここで波長λ1として405nmを用い、波長λ2として655nmを用いると、波長λ0=490nmとなる。
以下、図4に示すように波長λ0に対するλ/2位相差層26の遅相軸11を直線偏光板の吸収軸14に対して所定の角度θ1ずらして設けた場合について考える。
図2及び図3に示すように、λ/2位相差層26によって波長λ0に対する偏光を示す点はS1−S2平面上の点Scに移動し、波長λ1に対する偏光を示す点Sbと、波長λ2に対する偏光を示す点Saは、式(1)の関係から波長λ0の点から同じだけ離れた点に移動することになる。
このときの各波長λ0、λ1及びλ2の偏光を示す点のポアンカレ球上での回転角は、波長λ0については、Re(λ0)/λ0×360=Re(490)/490×360=1/2×360=180 [°]となり、波長λ1については、Re(λ1)/λ1×360=Re(655)/655×360=180-γとなり、波長λ2については、Re(λ2)/λ2×360=Re(405)/405×360=[2×Re(λ0)/λ0−Re(λ1)/λ1]×360=180+γとなる。
このため、図2及び図3に示すように、波長λ1に対する直線偏光を偏光した状態を示す点Sbと、波長λ2に対する直線偏光を偏光した状態を示す点Saと、S3軸とは同一平面52上に存在する(図3参照)。この平面52とS1=0とのなす角度ψをとすると、tanψ=(1- cosα)cos(2θ1)sin(2θ1)/[1-(1- cosα)sin2(2θ1)]となる。
ここで図4において、λ/4位相差層27の遅相軸12を直線偏光板の吸収軸14に対してθ2=(ψ+90)/2の角度になるよう設けることで、波長λ1に対するλ/2位相差層26による偏光を示す点Sbと、波長λ2に対するλ/2位相差層26による偏光を示す点Saは、は、λ/4位相差層27によって前記平面52上を移動することになる。
さらに図2において、波長λ1の直線偏光を示す点(S1,S2,S3)=(1,0,0)から、波長λ1の直線偏光がλ/2位相差層26によって偏光された状態を示す点Sbまでのポアンカレ球上の移動量と、波長λ1の直線偏光がλ/2位相差層26によって偏光された状態を示す点Sbから、λ/2位相差層26による偏光がλ/4位相差層27によって偏光された状態を示す(S1,S2,S3)=(0,0,1)までのポアンカレ球上の移動量の比が、波長λ2の直線偏光を示す点(S1,S2,S3)=(1,0,0)から、波長λ2の直線偏光がλ/2位相差層26によって偏光された状態を示す点Saまでのポアンカレ球上の移動量と、波長λ2の直線偏光がλ/2位相差層26によって偏光された状態を示す点Saから、λ/2位相差層26による偏光がλ/4位相差層27によって偏光された状態を示す(S1,S2,S3)=(0,0,1)までのポアンカレ球上の移動量の比と等しくなるようにθ1を調整することで、波長λ1に対する直線偏光を示す点と波長λ2に対する直線偏光を示す点をともに、(S1,S2,S3)=(0,0,1)に移動させることができる。ここで、λ/2位相差層26とλ/4位相差層27の波長分散はほぼ同じものとする。
ここで、λ/2位相差層26による波長λ1に対する直線偏光の移動量は、cos(sin(2θ1)sin(180-γ))となり、λ/4位相差層27による波長λ1に対する直線偏光の移動量は、sin(2θ1)×(180-γ)となり、λ/2位相差層26による波長λ2に対する直線偏光の移動量は、cos(−sin(2θ1)sin(180-γ))となり、λ/4位相差層27による波長λ2に対する直線偏光の移動量は、sin(2θ1)×(180+γ)となる。
従って、これらの移動量をもとに計算すると、
を満たすとき、2つの波長λ1の直線偏光と波長λ2の直線偏光が、λ/2位相差層26とλ/4位相差層27によってポアンカレ球上で移動した際の位相角は90°となり、完全な円偏光に変換することができる。
なお、λ/2位相差層26の波長λ1に対する位相差Re_H(λ1)と、λ/4位相差層27の波長λ1に対する位相差Re_Q(λ1)と、λ/2位相差層26の波長λ2に対する位相差Re_H(λ2)と、λ/4位相差層27の波長λ2に対する位相差Re_Q(λ2)が、|Re_H(λ1)/Re_H(λ2) - Re_Q(λ1)/Re_Q(λ2)|<0.03(式(6))の関係を満たしている場合には、波長λ1に対する直線偏光と波長λ2に対する直線偏光を、(S1,S2,S3)=(0,0,1)近傍に移動させることができる。
図6に示すような波長分散のλ/2位相差層26とλ/4位相差層27を用いた場合、図4に示すように、直線偏光板の吸収軸14に対するλ/4位相差層27の遅相軸12の角度θ2は、72.6°となり、直線偏光板の吸収軸14に対するλ/2位相差層26の遅相軸12の角度θ1は、17.4°となる。
図7に、この場合におけるポアンカレ球上での位相角を示す。本発明の位相差板10によると、図7からあきらかなように、λ1=405nmとλ2=655の異なる2つの波長の直線偏光を、良好な円偏光に偏光することができる。
なお、上述した方法で各パラメータを設定することにより、λ1=405nm、λ2=655nm以外の任意の2波長の直線偏光を、ほぼ完全な円偏光に変換することができる。
なお位相差板10は、異なる2つの波長λ1,λ2の直線偏光を、楕円率が0.84以上の円偏光に偏光することが好ましい。これは楕円率が0.84以上であれば、位相差板10を円偏光板として問題なく使用することができるためである。ここで、楕円率とは楕円偏光の長辺と短辺の比であり、楕円率が1の場合には完全な円偏光になり、楕円率が0の場合には完全な直線偏光になる(図5参照)。
また、異なる2つの波長λ1,λ2の直線偏光を精度良く円偏光に変換するため、直線偏光は単色光であることが好ましい。
なお本発明による位相差板10は、特定の異なる2つの波長の直線偏光を良好に円偏光に変換することができるので、光ピックアップ装置に用いることが好ましい。
次に、位相差板10のλ/2板1及びλ/4板2を構成する各構成部分の材料について説明する。
まずλ/2板1及びλ/4板2を構成する基板21の材料としては、ガラス、プラスチックなどが使用できるが、できるだけ透明で位相差がないものが望ましい。ガラスとしては、シリカガラス、石英ガラス、ソーダガラス、ライムガラス、ホウ酸ガラス、酸化鉛ガラスなどを用いることができる。また、プラスチックとしては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリビニルアルコール(PVA)やトリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル、エポキシ系、尿素樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。
また、λ/2板1及びλ/4板2を構成する配向膜25の材料としては、市販の材料を用いる事ができる。具体的には日産化学(株)製のサンエバー、日立化成デュポンマイクロシステムズ(株)製のQL,LXシリーズ、JSR(株)製のALシリーズ、チッソ(株)製のリクソンアライナーなどを用いる事ができる。
λ/2板1及びλ/2板2を構成する重合型の位相差層26,27としては、ネマティック液晶を用いることができ、かかる材料としては、重合性モノマー分子、重合性オリゴマー分子または液晶ポリマー等を単体もしくは2種以上の化合物を含んでもよい。具体的には、特表平11-513019で示されるような重合性液晶を使用できる。
具体的には、下記の一般式(1)で表わされる化合物
(式中、R1及びR2はそれぞれ水素又はメチル基を表し、Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、ニトロ基を表し、a及びbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数を表す。)
や、下記に列挙した化合物
を好適に使用することができる。また、上記一般式(1)で表される化合物や、上記の下記化合物を二種以上混合して用いても良い。
や、下記に列挙した化合物
一般式(1)で表される化合物において、液晶相を示す温度範囲の広さからR1及びR2は共に水素であることが好ましい。また、Xは塩素又はメチル基であることが好ましい。更に、分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と、芳香環とのスペーサーであるアルキレン基の鎖長を示すa及びbは、それぞれ個別に4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a及びbのいずれもが0である一般式(1)の化合物は、安定性に欠け、加水分解を受け易く、また、化合物自体の結晶性が高い。また、a及びbがそれぞれ13以上であると、アイソトロピック転移温度(等方相転移温度)が低い。この理由から、a及びbが2〜12の範囲にない上記化合物は液晶性を示す温度範囲が狭く好ましくない。ここで液晶分子の複屈折率Δnと膜厚により位相差量および配向特性が決定されるため、Δnは0.03〜0.20程度が好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.15程度が好ましい。
λ/2板1及びλ/4板2を構成する重合性の位相差層26,27を形成する場合には、液晶の配向を大きく損なわない範囲で光重合開始剤を添加することが好ましい。光重合開始剤としては、ラジカル重合性開始剤を使用することができる。ラジカル重合性開始剤は、例えば紫外線のエネルギーによりフリーラジカルを発生する化合物であって、ベンゾイン、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体又はそれらのエステルなどの誘導体;キサントン並びにチオキサントン誘導体;クロロスルフォニル、クロロメチル多核芳香族化合物、クロロメチル複素環式化合物、クロロメチルベンゾフェノン類などの含ハロゲン化合物;トリアジン類;フルオレノン類;ハロアルカン類;光還元性色素と還元剤とのレドックスカップル類;有機硫黄化合物;過酸化物などを挙げることができる。好ましくは、イルガキュアー184、イルガキュアー369、イルガキュアー651、イルガキュアー907(いずれもチバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアー(メルク社製)、アデカ1717(旭電化工業株式会社製)、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,5,4’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール(黒金化成株式会社製)などのケトン系及びビイミダゾール系化合物等を挙げることができる。
これらの開始剤を1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を併用する場合には、吸収分光特性を阻害しないようにするのがよい。このような重合開始剤の添加量としては、一般的に0.01〜15重量%、好ましくは0.1〜12重量%、より好ましくは0.5〜10重量%の範囲で重合性液晶材料に添加することができる。
なお、光重合開始剤の他に増感剤を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加することもできる。
λ/2板1及びλ/4板2を構成する重合性の位相差層26,27を形成する場合には、液晶の配向を大きく損なわない範囲で界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン・ポリオキシフ゜ロヒ゜レン・フ゛ロック共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどの非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンセ゛ンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリエキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等の陰イオン性界面活性剤を用いる事ができる。
このような界面活性剤の添加量としては、一般的に0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲で重合性液晶材料に添加することができる。
重合性の液晶は各種有機溶媒に溶解させて塗布することができる。有機溶媒としては、液晶を溶解させれば特に制限はないが、基板21上に均一に塗布できることが好ましい。
次に本発明の具体的実施例について述べる。
1.配向膜25の形成
まず配向膜25材料としてAL1254(JSR製)を用い、100mm×100mmのガラス基板21に、スピンコートにより膜厚0.065μmの配向膜25を形成し、230℃のオーブンにて1時間焼成した。
まず配向膜25材料としてAL1254(JSR製)を用い、100mm×100mmのガラス基板21に、スピンコートにより膜厚0.065μmの配向膜25を形成し、230℃のオーブンにて1時間焼成した。
引き続いて当該配向膜25を、既知の手法によりラビング処理して、配向能を有する配向膜25を得た。なお本実施例では配向膜25としてラビング処理による配向膜25を使用したが、配向能を持たすことができればこれに限られるわけではなく、光配向膜25でもよく、特に限定されない。
2.位相差層26,27用のインキの調整
位相差層26,27に用いるインキとして、RMM34(メルク社製)22.5重量部、光重合開始材としてイルガキュアーIrg184(Chiba Speciality ChemicalS製)を2.5重量部、溶剤としてジエチレングリコールジメチルエーテルを75重量部混合して、重合性液晶インキを製作した。
位相差層26,27に用いるインキとして、RMM34(メルク社製)22.5重量部、光重合開始材としてイルガキュアーIrg184(Chiba Speciality ChemicalS製)を2.5重量部、溶剤としてジエチレングリコールジメチルエーテルを75重量部混合して、重合性液晶インキを製作した。
3.波長分散測定用の位相差層の形成
調整したインキを、スピンコーティング法を用いて配向膜25を形成したガラス基板21上に塗布した。なお本実施例ではスピンコーティング法を適用したが、ガラス基板21上に均一に塗布が可能であればこれに限られるわけではなく、ダイコーティング、スリットコーティング、およびこれらを組み合わせた手法であってもよく、特に限定されない。
調整したインキを、スピンコーティング法を用いて配向膜25を形成したガラス基板21上に塗布した。なお本実施例ではスピンコーティング法を適用したが、ガラス基板21上に均一に塗布が可能であればこれに限られるわけではなく、ダイコーティング、スリットコーティング、およびこれらを組み合わせた手法であってもよく、特に限定されない。
続いて当該ガラス基板21をホットプレート上で80℃、3分間加熱し、残存溶剤を除去し液晶構造を発現させた。その後、紫外線照射を行い、液晶構造が配向状態を保ったままで硬化させた(20J/cm2×5sec、365nm)。こうして、ガラス基板21上に位相差層を1.4μm厚で得た。
4.位相差板10の設計
上述のようにして形成された波長分散測定用の位相差層の位相差を大塚電子製RETSの回転検光子法にて測定した。その結果を図8及び表1に示す。下記表1に示すように、波長405nmと波長655nmでの位相差の値に対して、その平均値と等しい位相差になる設定波長は488.6nmであった。そこで、波長488.6nmに対するλ/2板1とλ/4板2の作製を行った。
上述のようにして形成された波長分散測定用の位相差層の位相差を大塚電子製RETSの回転検光子法にて測定した。その結果を図8及び表1に示す。下記表1に示すように、波長405nmと波長655nmでの位相差の値に対して、その平均値と等しい位相差になる設定波長は488.6nmであった。そこで、波長488.6nmに対するλ/2板1とλ/4板2の作製を行った。
5.λ/2板1の作製
上記方法と同様の方法でガラス基板21上に配向膜25を形成した。次に、上記方法において、スピンコーティング法の回転数だけ変えて、1.9μmのλ/2位相差層26を形成した。図9及び下記表2に示したように、大塚電子製RETSの回転検光子法で位相差を測定した結果、波長488.6nmにおける位相差の値は244.2nmであり、波長488.6nmに対してλ/2位相差層26として機能することが確認された。
上記方法と同様の方法でガラス基板21上に配向膜25を形成した。次に、上記方法において、スピンコーティング法の回転数だけ変えて、1.9μmのλ/2位相差層26を形成した。図9及び下記表2に示したように、大塚電子製RETSの回転検光子法で位相差を測定した結果、波長488.6nmにおける位相差の値は244.2nmであり、波長488.6nmに対してλ/2位相差層26として機能することが確認された。
6.λ/4板2の作製
上記方法と同様の方法でガラス基板21上に配向膜25を形成した。次に、上記方法において、スピンコーティング法の回転数だけ変えて、1.1μmのλ/4位相差層27を形成した。図9及び上記表2に示したように、大塚電子製RETSの回転検光法で位相差を測定した結果、波長488.6nmにおける位相差の値は123.9nmであり、波長488.6nmに対してλ/4位相差層27として機能することが確認された。
上記方法と同様の方法でガラス基板21上に配向膜25を形成した。次に、上記方法において、スピンコーティング法の回転数だけ変えて、1.1μmのλ/4位相差層27を形成した。図9及び上記表2に示したように、大塚電子製RETSの回転検光法で位相差を測定した結果、波長488.6nmにおける位相差の値は123.9nmであり、波長488.6nmに対してλ/4位相差層27として機能することが確認された。
7.λ/2位相差層26とλ/4位相差層27の重ね合わせ
実施の形態において記述した方法を用いて、λ/2位相差層26の遅相軸11に対する直線偏光板の吸収軸14の角度θ1と、λ/4位相差層27の遅相軸12に対する直線偏光板の吸収軸14の角度θ2とを計算すると、各々、17.4°、72.6°となった。そこで図10に示すように、この条件を満たすようにして、直線偏光板と、λ/2板1と、λ/4板2とを順次重ね合わせた。これを大塚電子製RETSにて偏光子方向を偏光板の軸とそろえ、大塚電子製RETSの楕円偏光で楕円率を測定したところ、図7及び下記表4に示すように、405nm及び655nmで楕円率は0.968と0.967となり、良好な楕円率が得られた。
実施の形態において記述した方法を用いて、λ/2位相差層26の遅相軸11に対する直線偏光板の吸収軸14の角度θ1と、λ/4位相差層27の遅相軸12に対する直線偏光板の吸収軸14の角度θ2とを計算すると、各々、17.4°、72.6°となった。そこで図10に示すように、この条件を満たすようにして、直線偏光板と、λ/2板1と、λ/4板2とを順次重ね合わせた。これを大塚電子製RETSにて偏光子方向を偏光板の軸とそろえ、大塚電子製RETSの楕円偏光で楕円率を測定したところ、図7及び下記表4に示すように、405nm及び655nmで楕円率は0.968と0.967となり、良好な楕円率が得られた。
本実施例では、位相差板10として、ガラス基板21と、ガラス基板21上に配置された配向膜25と、配向膜25上に配置されたλ/2位相差層26からなるλ/2板1に、ガラス基板21と、ガラス基板21上に配置された配向膜25と、配向膜25上に配置されたλ/4位相差層27とからなるλ/4板2を重ね合わせたものを用いたが、これに限らず、λ/2位相差層26にλ/4位相差層27を直接積層してもよく、またλ/2位相差層26に配向膜25を介してλ/4位相差層27を積層してもよい。
なお、本発明による位相差板10のλ/4位相差層27及びλ/2位相差層26としては、位相差フィルムを用いることもできるが、位相差フィルムではなく、重合性液晶を用いた場合の利点としては、以下のような事項を挙げることができる。
まず、重合性液晶自体の耐熱性が高いため、重合性液晶を用いた場合には200℃1hにも耐えることができる。また、重合性液晶を用いた場合には、位相差フィルムでは必要となる粘着層を用いる必要がないため、粘着層界面での乱反射が無くなる。また、重合性液晶の屈折率が高いため、位相差層26,27自体の厚みが数μmオーダーで良く、薄膜化できる(位相差フィルムの厚みは10〜100μm程度である)。また、位相差フィルムを貼りあわせ工程を設ける必要ないため、製造工程数を少なくすることができる。さらに、位相差フィルムを用いた場合には、位相差フィルムを貼りあわせる角度によって、λ/2位相差層26の遅相軸11と、λ/4位相差層27の遅相軸12とにより形成される角度θ2―θ1が決まるため、その角度を正確に合わせることが難しい。これに対して、重合性液晶を用いた場合には、λ/2位相差層26の遅相軸11と、λ/4位相差層27の遅相軸12とにより形成される角度θ2―θ1は、配向膜25への配向処理によって決まるため、その角度を容易かつ正確に合わせることができる。
なお、2層の位相差層26,27を直接重ねて積層する場合には、上述した利点はより一層明確になる。ただし、2層の位相差層26,27を別々の基板21に形成して張り合わせる場合は、上述した利点は少なくなる。
本発明による位相差板10は、λ/2位相差層26の遅相軸11と、λ/4位相差層27の遅相軸12とにより形成される角度θ2―θ1が所定の値からずれると、楕円率が低下する。このため、上述した利点の内、λ/2位相差層26の遅相軸11と、λ/4位相差層27の遅相軸12とにより形成される角度θ2―θ1を正確に合わせられることは特に重要となる。このため、この点について以下詳述する。
遅相軸11,12の方向を決める配向処理としては、ポリイミド膜を擦ることで、擦った方向に配向規制力を発現するラビング法と、UVを当てることで配向規制力を発現する光配向法とが知られている。
このうちラビング法を用いる場合には、ラビング装置の機械精度によって、λ/2位相差層26の遅相軸11と、λ/4位相差層27の遅相軸12とにより形成される角度θ2―θ1の精度が決まる。
一方、光配向法、例えば、偏光UVの振動方向のみ分子が二量化し、振動方向に配向規制力を発現する光二量化による光配向法を用いる場合には、偏光の軸精度、つまり偏光板の設定位置精度によってλ/2位相差層26の遅相軸11と、λ/4位相差層27の遅相軸12とにより形成される角度θ2―θ1の精度が決まる。
これに対して、貼りあわせた位相差フィルムを用いる場合には、位相差フィルムを貼りあわせる角度によって、λ/2位相差層26の遅相軸11と、λ/4位相差層27の遅相軸12とにより形成される角度θ2―θ1の精度が決まる。ここで、位相差フィルムを用いる場合には、切断した位相差フィルムを基材に貼るため、フィルムの切断精度や貼りあわせ精度による影響を大きく受け、その精度が出しにくい。
このため、λ/4位相差層27及びλ/2位相差層26として重合性液晶を用いた場合には、位相差フィルムを用いた場合と比べ、/2位相差層26の遅相軸11と、λ/4位相差層27の遅相軸12とにより形成される角度θ2―θ1を正確に設定することができ、好ましい。
1 λ/2板
2 λ/4板
10 位相差板
11 λ/2位相差層の遅相軸
12 λ/4位相差層の遅相軸
14 直線偏光板の吸収軸
21 基板
25 配向膜
26 λ/2位相差層
27 λ/4位相差層
2 λ/4板
10 位相差板
11 λ/2位相差層の遅相軸
12 λ/4位相差層の遅相軸
14 直線偏光板の吸収軸
21 基板
25 配向膜
26 λ/2位相差層
27 λ/4位相差層
Claims (7)
- λ/2層の、波長λ1に対する位相差Re_H(λ1)と、
λ/4層の、波長λ1に対する位相差Re_Q(λ1)と、
λ/2層の、波長λ2に対する位相差Re_H(λ2)と、
λ/4層の、波長λ2に対する位相差Re_Q(λ2)は、
|Re_H(λ1)/Re_H(λ2) - Re_Q(λ1)/Re_Q(λ2)|<0.03 …式(6)
の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の位相差板。 - 第一の基材と、第一の基材上に配置され、配向能を有する第一の配向膜と、第一の配向膜上に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/2層と、λ/2層上に配置された第二の基材と、第二の基材上に配置され、配向能を有する第二の配向膜と、第二の配向膜上に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/4層と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の位相差板。
- 基材と、基材上に配置され、配向能を有する第一の配向膜と、第一の配向膜上に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/2層と、λ/2層上に配置され、配向能を有する第二の配向膜と、第二の配向膜上に配置され、配向状態のまま硬化可能な重合性液晶を含むλ/4層と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の位相差板。
- 異なる2つの波長λ1,λ2に対して、円偏光の楕円率が0.84以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の位相差板。
- 異なる2つの波長λ1,λ2の直線偏光は、単色光であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の位相差板。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の位相差板を用いたことを特徴とする光ピックアップ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006003870A JP2007187741A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 位相差板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006003870A JP2007187741A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 位相差板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007187741A true JP2007187741A (ja) | 2007-07-26 |
Family
ID=38342972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006003870A Withdrawn JP2007187741A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 位相差板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007187741A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013242508A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-12-05 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学フィルム、光学フィルム用転写体、画像表示装置及び光学フィルムの製造用金型 |
JP2015129882A (ja) * | 2014-01-08 | 2015-07-16 | 大日本印刷株式会社 | 光学フィルム、画像表示装置及び光学フィルムの製造方法 |
JP2016012134A (ja) * | 2014-06-27 | 2016-01-21 | 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. | 光学フィルム、その製造方法及び表示装置 |
JP2017058659A (ja) * | 2015-09-16 | 2017-03-23 | 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. | 光学フィルム、その製造方法および表示装置 |
CN106547123A (zh) * | 2015-09-16 | 2017-03-29 | 三星电子株式会社 | 光学膜、其制造方法和显示器件 |
KR20170055968A (ko) * | 2014-09-17 | 2017-05-22 | 니폰 제온 가부시키가이샤 | 원편광판, 광대역 λ/4 판, 및, 유기 일렉트로루미네선스 표시 장치 |
WO2021056331A1 (zh) * | 2019-09-26 | 2021-04-01 | 京东方科技集团股份有限公司 | 光学组件、液晶显示装置、以及电子设备 |
WO2022104538A1 (zh) * | 2020-11-17 | 2022-05-27 | 京东方科技集团股份有限公司 | 光学膜片及其制备方法、反射式液晶显示面板和显示装置 |
-
2006
- 2006-01-11 JP JP2006003870A patent/JP2007187741A/ja not_active Withdrawn
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013242508A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-12-05 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学フィルム、光学フィルム用転写体、画像表示装置及び光学フィルムの製造用金型 |
JP2017083896A (ja) * | 2012-04-26 | 2017-05-18 | 大日本印刷株式会社 | 光学フィルム、光学フィルム用転写体、画像表示装置及び光学フィルムの製造用金型 |
JP2015129882A (ja) * | 2014-01-08 | 2015-07-16 | 大日本印刷株式会社 | 光学フィルム、画像表示装置及び光学フィルムの製造方法 |
JP2016012134A (ja) * | 2014-06-27 | 2016-01-21 | 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. | 光学フィルム、その製造方法及び表示装置 |
JP2021051316A (ja) * | 2014-09-17 | 2021-04-01 | 日本ゼオン株式会社 | 円偏光板、広帯域λ/4板、及び、有機エレクトロルミネッセンス表示装置 |
KR102571446B1 (ko) * | 2014-09-17 | 2023-08-25 | 니폰 제온 가부시키가이샤 | 원편광판, 광대역 λ/4 판, 및, 유기 일렉트로루미네선스 표시 장치 |
KR20170055968A (ko) * | 2014-09-17 | 2017-05-22 | 니폰 제온 가부시키가이샤 | 원편광판, 광대역 λ/4 판, 및, 유기 일렉트로루미네선스 표시 장치 |
JP7067600B2 (ja) | 2014-09-17 | 2022-05-16 | 日本ゼオン株式会社 | 円偏光板、広帯域λ/4板及びその製造方法、並びに、有機エレクトロルミネッセンス表示装置 |
JP2017058659A (ja) * | 2015-09-16 | 2017-03-23 | 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. | 光学フィルム、その製造方法および表示装置 |
CN106547123A (zh) * | 2015-09-16 | 2017-03-29 | 三星电子株式会社 | 光学膜、其制造方法和显示器件 |
CN112997112A (zh) * | 2019-09-26 | 2021-06-18 | 京东方科技集团股份有限公司 | 光学组件、液晶显示装置、以及电子设备 |
WO2021056331A1 (zh) * | 2019-09-26 | 2021-04-01 | 京东方科技集团股份有限公司 | 光学组件、液晶显示装置、以及电子设备 |
US11526053B2 (en) | 2019-09-26 | 2022-12-13 | Beijing Boe Optoelectronics Technology Co., Ltd. | Optical assembly, liquid crystal display device, and electronic equipment |
CN112997112B (zh) * | 2019-09-26 | 2023-09-01 | 京东方科技集团股份有限公司 | 光学组件、液晶显示装置、以及电子设备 |
WO2022104538A1 (zh) * | 2020-11-17 | 2022-05-27 | 京东方科技集团股份有限公司 | 光学膜片及其制备方法、反射式液晶显示面板和显示装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10816711B2 (en) | Optical device and display device | |
JP2007187741A (ja) | 位相差板 | |
JP4187616B2 (ja) | 積層位相差光学素子、その製造方法及び液晶表示装置 | |
US8902398B2 (en) | Optical film laminate, method for producing the same, and liquid crystal display panel using the same | |
KR101310467B1 (ko) | 필름 및 필름의 제조 방법, 그리고 그 이용 | |
KR20070092723A (ko) | 광학 필름, 타원 편광판, 원 편광판, 액정 표시 소자, 및그 광학 필름의 제조 방법 | |
CN101410737B (zh) | 膜和膜的制造方法及其利用 | |
JP2006085128A (ja) | 負cプレート及びそれを備えた光学補償フィルム | |
WO2006090520A1 (ja) | 楕円偏光板の製造方法および楕円偏光板を用いた画像表示装置 | |
KR20060050506A (ko) | 액정성 디〔메트〕아크릴레이트 화합물, 위상차 필름, 광학필름, 편광판, 액정 패널 및 액정 표시 장치 | |
JP5209223B2 (ja) | フィルムおよびフィルムの製造方法、並びにその利用 | |
JP2005189632A (ja) | 広視野角偏光フィルム | |
JP2014174468A (ja) | 円偏光層、円偏光層の積層体、メガネおよび3d画像鑑賞システム | |
JP2009276761A (ja) | 複合位相差板およびその製造方法 | |
JP4297436B2 (ja) | 液晶性ジ(メタ)アクリレート化合物及びこれを用いた位相差フィルム、光学フィルム、偏光板、液晶パネル並びに液晶表示装置 | |
JP2007232935A (ja) | 光学フィルム、およびこの光学フィルムを用いた楕円偏光板、楕円偏光板の製造方法 | |
JP2008122885A (ja) | 位相差フィルム、および、偏光板 | |
JP2007225744A (ja) | 偏光変換素子 | |
US9846266B2 (en) | Liquid crystalline polymer film with diffractive optical noise removed and method of manufacturing the same | |
US8184246B2 (en) | Transparent film, polarizing plate, and liquid crystal display device | |
JP5049705B2 (ja) | 透明フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP2005215631A (ja) | 光学素子及びその製造方法、並びに液晶配向用基板及び液晶表示装置 | |
JP2006058546A (ja) | 位相差フイルム、光学フィルム、偏光板、液晶パネル及び液晶表示装置 | |
US11886094B2 (en) | Optical element, varifocal element and head mounted display | |
WO2023176585A1 (ja) | 光学フィルムの評価方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090407 |