JP2007186828A - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低電荷量領域で電解重合工程を実施しても、フィブリル状ポリマーの直径を十分にコントロールすることができ、その結果として、焼成後に得られる炭素繊維の繊維径を十分にコントロールすることが可能な炭素繊維の新規製造方法を提供する。
【解決手段】芳香環を有する化合物を電解酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させる工程Aと、該フィブリル状ポリマーを焼成して炭素繊維を生成させる工程Bとを含み、前記電解酸化重合に用いる重合液が、芳香環を有する化合物と2種類以上の酸とを含むことを特徴とする炭素繊維の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解酸化重合工程と焼成工程とを含む炭素繊維の製造方法に関し、特に低電荷量領域で電解酸化重合工程を実施しても、生成するフィブリル状ポリマーの直径を十分にコントロールすることができるため、焼成工程を経て得られる炭素繊維の繊維径を十分にコントロールできる炭素繊維の新規製造方法に関するものである。
従来、炭素繊維としては、液相炭素化によるピッチ系炭素繊維、固相炭素化によるポリアクリロニトリル系及びレーヨン系炭素繊維、気相炭素化による気相成長炭素繊維、並びにレーザー法やアーク放電法によるカーボンナノチューブ類等が知られている。これらのうち、ピッチ系炭素繊維、ポリアクリロニトリル系炭素繊維及びレーヨン系炭素繊維の製造工程においては、繊維状前駆体を得るために紡糸工程が必要であり、製造工程が複雑となると共に、1μmより細い繊維を得ることが困難である。また、気相成長炭素繊維の製造においては、製造設備が高価で且つ収率が高くないなど量産方法が必ずしも確立されているとはいえないという問題がある。更に、カーボンナノチューブ類の製造についても製造設備が高価である上、効率的な量産技術は検討段階にあり、0.1μmを超える繊維径のものを得ることが難しいという問題がある。
一方、特開平5−178603号公報(特許文献1)には、不融化工程を必要とせず、導電率等の電気特性を制御することが可能で、残炭率が高く且つ導電性に優れた炭素質粉末を得る方法が記載されているが、該方法ではポリアニリン粉末を原料とするため、紡糸工程を経ずに炭素繊維を得ることができなかった。
これに対して、国際公開第2004/063438号パンフレット(特許文献2)には、紡糸工程及び不融化工程を必要とせず、残炭率が高く且つ導電性に優れ、特に30〜数百nmの繊維径の炭素繊維を効率良く得ることができ、更に得られる炭素繊維の導電率等の電気特性を制御することが可能な炭素繊維の製造方法が開示されている。該方法によれば、芳香環を有する化合物を酸化重合してフィブリル状ポリマーを得、該フィブリル状ポリマーを非酸化性雰囲気中で焼成することで3次元連続状炭素繊維を得ることができる。
特開平5−178603号公報 国際公開第2004/063438号パンフレット
上記国際公開第2004/063438号パンフレットに記載の方法によれば、均一な性状を有し導電性に優れた3次元連続状炭素繊維を得ることができるが、炭素繊維の各部分の繊維径を変化させることが難しかった。
これに対して、本発明者らは、電解酸化重合工程と焼成工程とからなる炭素繊維の製造方法において、電解酸化重合工程を定電流又は定電圧で1回以上行い、各電解酸化重合工程の電流値又は印加電圧をそれぞれ変更することで、生成するフィブリル状ポリマーの各部分の直径を変化させ、更に、該フィブリル状ポリマーを焼成することで、生成する炭素繊維の各部分の繊維径を変化させられることを見出した。
しかしながら、本発明者らが更に検討を進めたところ、低電荷量領域で電解酸化重合工程を実施した場合、電流値又は印加電圧を変化させても、生成するフィブリル状ポリマーの直径が十分に変化しない事例が見受けられた。
そこで、本発明の目的は、低電荷量領域で電解酸化重合工程を実施しても、フィブリル状ポリマーの直径を十分にコントロールすることができ、その結果として、焼成後に得られる炭素繊維の繊維径を十分にコントロールすることが可能な炭素繊維の新規製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、各部分で繊維径が異なる炭素繊維を製造することが可能な炭素繊維の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、電解酸化重合工程と焼成工程とからなる炭素繊維の製造方法において、電解酸化重合に用いる重合液が原料の芳香環を有する化合物と共に2種類以上の酸を含む場合、低電荷量領域で電解重合重合工程を実施しても、印加電圧を変えることで、フィブリル状ポリマーの直径を十分に変化させられることを見出した。また、本発明者らは、該重合液を用いて、電解酸化重合工程を定電圧で複数回行い、各電解酸化重合工程の印加電圧を変更することで、生成するフィブリル状ポリマーの各部分の直径を変化させることができ、更に、該フィブリル状ポリマーを焼成することで、各部分で繊維径が異なる炭素繊維が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の炭素繊維の製造方法は、芳香環を有する化合物を電解酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させる工程Aと、該フィブリル状ポリマーを焼成して炭素繊維を生成させる工程Bとを含み、
前記電解酸化重合に用いる重合液が、芳香環を有する化合物と2種類以上の酸とを含むことを特徴とする。
本発明の炭素繊維の製造方法の好適例においては、前記電解酸化重合工程Aを定電圧で複数回行い、その少なくとも1回の電解酸化重合工程Aの印加電圧が他の電解酸化重合工程Aの印加電圧と異なる。この場合、各部分で繊維径が異なる炭素繊維を製造することができる。
本発明の炭素繊維の製造方法においては、前記焼成工程Bを非酸化性又は弱酸化性雰囲気中で行うことが好ましい。
本発明の炭素繊維の製造方法の好適例においては、前記芳香環を有する化合物がベンゼン環又は芳香族複素環を有する化合物である。ここで、前記芳香環を有する化合物が、アニリン、ピロール、チオフェン及びそれらの誘導体からなる群から選択された少なくとも一種の化合物であることが更に好ましい。
本発明の炭素繊維の製造方法においては、前記芳香環を有する化合物の電解酸化重合を導電性基板上で行い、該導電性基板上に前記フィブリル状ポリマーを生成させることが好ましい。
本発明によれば、電解酸化重合工程Aと焼成工程Bとを含む炭素繊維の製造方法において、芳香環を有する化合物と2種類以上の酸とを含む重合液を電解酸化重合工程Aに用いることで、低電荷量領域で電解重合工程Aを実施しても、印加電圧を変えることで、フィブリル状ポリマーの直径を十分に変化させることができ、最終的に得られる炭素繊維の繊維径を十分に変化させることができる。また、かかる重合液を用いて、電解酸化重合工程Aを定電圧で複数回行い、各電解酸化重合工程Aの印加電圧を変更することで、作用極上に析出するフィブリル状ポリマーの各部分の直径を変化させ、該フィブリル状ポリマーの構造に厚さ方向で変化をつけることが可能となる。また、得られたフィブリル状ポリマーを焼成することで、種々のネットワーク構造を有する3次元連続状炭素繊維を製造することができる。更に、炭素繊維のネットワーク構造をコントロールすることで、ガス透過性や表面積をコントロールして、使用目的に最適な炭素繊維を製造することが可能となる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の炭素繊維の製造方法は、芳香環を有する化合物を電解酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させる工程Aと、該フィブリル状ポリマーを焼成して炭素繊維を生成させる工程Bとを含み、前記電解酸化重合に用いる重合液が、芳香環を有する化合物と2種類以上の酸とを含むことを特徴とする。重合開始電位は、重合液に含まれる酸によって異なる。よって、2種類以上の酸を混合しても印加している電位によって、反応に使われる酸は1種類である。また、反応に関与している酸の種類によって重合で得られるポリマーの構造は変化する。以上の理由から、2種以上の酸を含む重合液を用いて、電位を掃引しながら重合を行うと、構造傾斜を有するポリマーを得ることが可能となる。
上記重合液に添加する酸としては、HBF4、H2SO4、HCl、HClO4等の無機酸を例示することができる。ここで、該酸の総濃度は、0.1〜3mol/Lの範囲が好ましく、0.5〜2.5mol/Lの範囲が更に好ましい。
本発明の炭素繊維の製造方法では、上記電解酸化重合工程Aを定電圧で複数回行い、その少なくとも1回の電解酸化重合工程Aの印加電圧が他の電解酸化重合工程Aの印加電圧と異なることが好ましい。ここで、全電解酸化重合工程Aの印加電圧がそれぞれ異なってもよいし、その内の幾つかが同一の印加電圧であってもよい。この場合、異なる印加電圧で電解酸化重合工程Aを複数回行い、印加電圧の異なる電解酸化重合工程Aで生成するフィブリル状ポリマーの直径が異なるため、焼成工程Bの後に得られる炭素繊維は、各部分の繊維径が異なる。また、本発明の方法に従い、炭素繊維の繊維径を制御することで、炭素繊維の空隙率、ガス透過性及び表面積をコントロールすることが可能となる。更に、電解酸化重合工程A後のフィブリル状ポリマーの直径が各部分で異なるため、焼成工程Bにおけるクラックの発生を抑制することができる。
上記電解酸化重合工程Aにおける印加電圧は0.6〜1.2Vの範囲が好ましい。なお、一般に、印加電圧を高くすると、生成するフィブリル状ポリマーの直径が大きくなる傾向がある。また、電圧の印加時間を長くすることで、フィブリル状ポリマーの生成量が増加する。そのため、定電圧で電解酸化重合工程Aを複数回行い、各工程Aの印加電圧及び電圧の印加時間をコントロールすることで、各工程Aで生成するフィブリル状ポリマーの直径及び生成量をコントロールすることができ、その後、焼成工程Bを経ることで、所望の繊維径の炭素繊維を所望の生成量で製造することが可能となる。
本発明の製造方法において、上記電解酸化重合工程Aで生成するフィブリル状ポリマーの直径は、30nm〜数百nmの範囲が好ましく、40nm〜500nmの範囲が更に好ましく、また、その長さは、0.5μm〜100mmの範囲が好ましく、1μm〜10mmの範囲が更に好ましい。なお、生成するフィブリル状ポリマーの直径は、上述のように印加電圧をコントロールすることでコントロールできる。
本発明の製造方法で出発物質として用いる芳香環を有する化合物としては、ベンゼン環を有する化合物、芳香族複素環を有する化合物を挙げることができる。ここで、ベンゼン環を有する化合物としては、アニリン及びアニリン誘導体が好まく、芳香族複素環を有する化合物としては、ピロール、チオフェン及びこれらの誘導体が好ましい。これら芳香環を有する化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上の混合物として用いてもよい。
本発明の炭素繊維の製造方法では、上記芳香環を有する化合物の電解酸化重合を導電性基板上で行い、該導電性基板上にフィブリル状ポリマーを生成させることが好ましい。ここで、導電性基板としては、多孔質なものが好ましく、多孔質な導電性基板としては、カーボンペーパー、多孔質カーボン布等が挙げられる。なお、印加電圧を変更することで、導電性基板上に析出したフィブリル状ポリマーの厚さ方向の構造を変化させることが可能となり、該フィブリル状ポリマーを焼成することで、厚さ方向の構造の異なる炭素繊維材料を作製することが可能となる。
上記電解酸化重合工程Aにおいては、重合液(電解溶液)中に原料の芳香環を有する化合物と共に、2種以上の酸を混在させることを要するが、重合液に酸を含ませることで、酸の負イオンがドーパントとして合成されるフィブリル状ポリマー中に取り込まれ、導電性に優れたフィブリル状ポリマーが得られ、このフィブリル状ポリマーを用いることにより焼成工程Bで得られる炭素繊維の導電性を更に向上させることが可能となる。また、芳香環を有する化合物に混在させる酸の種類及び濃度を変更することで、生成するフィブリル状ポリマーの導電性を変化させることができる。
この点について更に詳述すると、例えば、原料の芳香環を有する化合物としてアニリンを用いた場合、アニリンをHBF4及びH2SO4を混在させた状態で電解酸化重合して得られるポリアニリンは、通常、下記式(A)〜(D):
に示した6種のポリアニリンが混在した状態、即ち、ベンゾノイド=アミン状態(式A)、ベンゾノイド=アンモニウム状態(式B1及びB2)、ドープ=セミキノンラジカル状態(式C1及びC2)及びキノイド=ジイミン状態(式D)の混合状態になる。ここで、上記各状態の混合比率は特に制限されるものではないが、ドープ=セミキノンラジカル状態(式C1及びC2)を多く含んでいる方がキノイド=ジイミン状態(式D)が大部分であるよりも最終的に得られる炭素繊維の残炭率及び導電率が高くなる。
上記ドープ=セミキノンラジカル状態(式C1及びC2)の含有割合(ドーピングレベル)は適宜調節することができ、この含有割合(ドーピングレベル)を調節することにより、得られる炭素繊維の残炭率及び導電率を制御することができ、ドーピングレベルを高くすることにより得られる炭素繊維の残炭率及び導電率が共に高くなる。なお、特に限定されるものではないが、このドープ=セミキノンラジカル状態(式C1及びC2)の含有割合(ドーピングレベル)は、通常0.01〜50%の範囲とすることが好ましい。
上記電解酸化重合工程Aでは、例えば、芳香環を有する化合物及び2種以上の酸を含む重合液中に、上記導電性基板からなる作用極及び対極を浸漬し、両極間に前記芳香環を有する化合物の酸化電位以上の電圧を印加するか、または該芳香環を有する化合物が重合するのに充分な電圧が確保できるような条件の電流を通電すればよく、これにより導電性基板(作用極)上にフィブリル状ポリマーが生成する。ここで、対極としては、ステンレススチール、白金、カーボン等の良導電性物質からなる板や多孔質支持体等を用いることができる。上記電解酸化重合工程Aによるフィブリル状ポリマーの合成方法の一例を挙げると、H2SO4、HBF4等の複数種の酸及び芳香環を有する化合物を含む重合液中に導電性基板からなる作用極及び対極を浸漬し、両極間に0.1〜1000mA/cm2、好ましくは0.2〜100mA/cm2の電流を通電して、導電性基板からなる作用極側にフィブリル状ポリマーを重合析出させる方法等が例示される。ここで、芳香環を有する化合物の重合液中の濃度は、0.05〜3mol/Lの範囲が好ましく、0.25〜1.5mol/Lの範囲が更に好ましい。また、重合液には、上記成分に加え、pHを調製するために可溶性塩等を適宜添加してもよい。
上述のように、本発明の製造方法では、炭素繊維のドーピングレベルを調節することにより、得られる炭素繊維の導電率及び残炭率を制御することができるが、ドーピングレベルの調節は、上記電解酸化重合工程Aで生成するフィブリル状ポリマーを何らかの方法で還元すればよく、その手法に特に制限はない。具体例としては、アンモニア水溶液又はヒドラジン水溶液等に浸漬する方法、電気化学的に還元電流を付加する方法等が挙げられる。この還元レベルによりフィブリル状ポリマーに含まれるドーパント量の制御を行うことができ、この場合、還元処理によってフィブリル状ポリマー中のドーパント量は減少する。なお、上述のように、電解酸化重合工程Aにおいて重合液中の酸濃度を制御することによりドーピングレベルをある程度調節することもできるが、ドーピングレベルが大きく異なる種々のサンプルを得ることは難しいため、上記還元法が好適に採用される。このように含有割合を調節したドーパントは、後述する焼成工程Bの後も、その焼成条件を制御することによって生成する炭素繊維中に保持され、これにより炭素繊維の導電率及び残炭率が制御される。
次に、上記電解酸化重合工程Aで生成したフィブリル状ポリマーを、水や有機溶剤等の溶媒で洗浄し、乾燥させた後、工程Bで焼成し炭化することで、3次元連続状の炭素繊維が得られる。ここで、乾燥方法としては、特に制限されるものではないが、風乾、真空乾燥の他、流動床乾燥装置、気流乾燥機、スプレードライヤー等を使用した方法を例示することができる。また、焼成条件としては、特に限定されるものではなく、最適導電率となるように適宜設定すればよいが、特に高導電率を必要とする場合は、温度500〜3000℃、好ましくは600〜2800℃で、0.5〜6時間焼成することが好ましい。なお、本発明の製造方法では、焼成工程Bを非酸化性又は弱酸化性雰囲気中で行うことが好ましく、該非酸化性雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、ヘリウム雰囲気等を挙げることができ、場合によっては水素雰囲気とすることもできる。
本発明の製造方法で得られる炭素繊維は、直径が30nm〜数百nmの範囲であることが好ましく、40nm〜500nmの範囲であることが更に好ましく、長さが0.5μm〜100mmの範囲であることが好ましく、1μm〜10mmの範囲であることが更に好ましく、表面抵抗が106〜10-2Ωの範囲であることが好ましく、104〜10-2Ωの範囲であることが更に好ましい。また、該炭素繊維は、残炭率が95〜30%であることが好ましく、90〜40%であることが更に好ましい。該炭素繊維は、カーボン全体が3次元に連続した構造を有するため、粒状カーボンよりも導電性が高い。
上記のようにして得られた3次元連続状炭素繊維は、残炭率が高く、導電性に優れる。また、異なる印加電圧で電解酸化重合工程Aを複数回行った後、焼成して得られた3次元連続状炭素繊維は、各部分で繊維径が異なり、種々のネットワーク構造を有することができる。また、該炭素繊維は、種々の用途を有し、例えば、電極材料、各種触媒の担体として使用でき、更に、ポリマー等と複合化して補強性及び機能性を与えるフィラーとして用いることもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
アニリンモノマー 0.5mol/LとH2SO4 0.5mol/LとHBF4 0.5mol/Lとを含む酸性水溶液中に、カーボンペーパー[東レ製]からなる作用極を設置し、対極として白金板を使用し、室温にて0.75Vの定電圧を印加して電解重合を行い、ポリアニリンを作用極上に電析させた。得られたポリアニリンをイオン交換水で洗浄し、24時間真空乾燥した後、カーボンペーパーごとAr雰囲気中3℃/分の昇温速度で950℃まで加熱し、その後950℃で1時間保持して焼成処理して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維のSEM写真を図1に示す。
(実施例2)
アニリンモノマー 0.5mol/LとH2SO4 0.5mol/LとHBF4 0.5mol/Lとを含む酸性水溶液中に、カーボンペーパー[東レ製]からなる作用極を設置し、対極として白金板を使用し、室温にて0.85Vの定電圧を印加して電解重合を行い、ポリアニリンを作用極上に電析させた。得られたポリアニリンをイオン交換水で洗浄し、24時間真空乾燥した後、カーボンペーパーごとAr雰囲気中3℃/分の昇温速度で950℃まで加熱し、その後950℃で1時間保持して焼成処理して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維のSEM写真を図2に示す。
図1及び図2から明らかなように、低電位でアニリンを重合することで、細いフィブリル状ポリアニリンが生成し、それを焼成することで、繊維径の小さい炭素繊維が得られるのに対し、高電位でアニリンを重合することで、太いフィブリル状ポリアニリンが生成し、それを焼成することで、繊維径の大きい炭素繊維が得られる。
実施例1で得られた炭素繊維のSEM写真である。 実施例2で得られた炭素繊維のSEM写真である。

Claims (6)

  1. 芳香環を有する化合物を電解酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させる工程Aと、該フィブリル状ポリマーを焼成して炭素繊維を生成させる工程Bとを含む炭素繊維の製造方法において、
    前記電解酸化重合に用いる重合液が、芳香環を有する化合物と2種類以上の酸とを含むことを特徴とする炭素繊維の製造方法。
  2. 前記電解酸化重合工程Aを定電圧で複数回行い、その少なくとも1回の電解酸化重合工程Aの印加電圧が他の電解酸化重合工程Aの印加電圧と異なることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維の製造方法。
  3. 前記焼成工程Bを非酸化性又は弱酸化性雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素繊維の製造方法。
  4. 前記芳香環を有する化合物がベンゼン環又は芳香族複素環を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維の製造方法。
  5. 前記芳香環を有する化合物が、アニリン、ピロール、チオフェン及びそれらの誘導体からなる群から選択された少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項4に記載の炭素繊維の製造方法。
  6. 前記芳香環を有する化合物の電解酸化重合を導電性基板上で行い、該導電性基板上に前記フィブリル状ポリマーを生成させることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維の製造方法。
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