JP2007184123A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル Download PDF

Info

Publication number
JP2007184123A
JP2007184123A JP2006000340A JP2006000340A JP2007184123A JP 2007184123 A JP2007184123 A JP 2007184123A JP 2006000340 A JP2006000340 A JP 2006000340A JP 2006000340 A JP2006000340 A JP 2006000340A JP 2007184123 A JP2007184123 A JP 2007184123A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
layer
phosphor layer
electrode
phosphor particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006000340A
Other languages
English (en)
Inventor
Yayoi Kitamura
やよい 北村
Seigo Shiraishi
誠吾 白石
Kojiro Okuyama
浩二郎 奥山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2006000340A priority Critical patent/JP2007184123A/ja
Publication of JP2007184123A publication Critical patent/JP2007184123A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

【課題】簡易な方法で蛍光体発光光に対して反射率の高い蛍光体層を設けることにより、蛍光体層を薄くしても現行と同等以上の輝度を実現できるPDPを提供すること。
【解決手段】PDPにおいて、蛍光体層20の一部分が蛍光体粒子310と前記蛍光体粒子間の空隙部分を埋める無機バインダー300により形成されているものとする。または、PDPにおいて、蛍光体層の一部分が蛍光体粒子と前記蛍光体粒子間の空隙部分を埋める無機バインダーにより形成される第一層と、一部分が蛍光体粒子により形成される第二層が順次積層されているものとする。
【選択図】図1

Description

本発明はテレビなどの映像表示に用いられるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記載)に関し、特に、紫外線により励起されて発光する蛍光体層を有するプラズマディスプレイパネルに関するものである。
一般的な従来のPDPは、走査電極と維持電極にパルス状の電圧を印加することで、放電空間に放電を発生させる。さらに、放電に伴って発生する真空紫外線を蛍光体層が吸収し、各色の蛍光体層によって真空紫外線を可視光に変換する。PDPに表示される画像は、この可視光により構成される。
一般的な従来のPDPは赤、緑、青といった、いわゆる3原色を混色することによりフルカラー表示を行なう(例えば非特許文献1参照)。PDPには赤、緑、青の各色に発光する蛍光体層20が備えられており、上記蛍光体層20を構成する蛍光体は、画素内の放電によって発生する真空紫外線を吸収し、3原色のいずれかの可視光に変換する。そして、これら3原色の発光時間を変化させることで、フルカラー表示を実現している。
図6は、一般的な従来のAC型PDPの断面斜視図である。前面板PA1は、前面ガラス基板11と、走査電極12aと維持電極12bと、誘電体ガラス層13と保護層14とで構成される。保護層14は、一般的に放電のトリガーとなる電子の放出量が多い酸化マグネシウム(以下、MgOと記載)により構成され、誘電体ガラス層13を覆うように前面ガラス基板11上に形成される。
上記、誘電体ガラス層13は走査電極12aと維持電極12bを被覆する。画素に電荷を蓄えることによって駆動させる電圧を低下させるためである。また、上記保護層14は、誘電体ガラス層13が変質して駆動電圧が変化することを防ぐために、誘電体ガラス層13を被覆する。
背面板PA2は、背面ガラス基板16と、アドレス電極17と、電極保護層18と、隔壁19と、蛍光体層20とで構成される。電極保護層18は、アドレス電極17を覆うように背面ガラス基板16上に形成され、アドレス電極17を保護する作用と、蛍光体層20から発生した可視光を前面板PA1側に反射させる作用を担う。電極保護層18上には、隔壁19がアドレス電極17を挟むようにアドレス電極17と平行に形成される。隔壁19と電極保護層18の表面には、蛍光体層20が形成される。なお、隔壁19は井桁形状の隔壁構成の場合もありうる。井桁形状の隔壁構成とは、隔壁19がアドレス電極17と平行なだけではなく、アドレス電極17に対して垂直方向にも形成されて、一つの放電空間30を隔壁19で囲む形状となっている隔壁構成のことである。
PDPは、前面板PA1と背面板PA2が、アドレス電極17と走査電極12a及び維持電極12bとが、放電空間30を介し直交するように張り合わせられる。また、放電空間30には、放電ガスが封入される。放電ガスは、一般的にNeとXeの混合ガスが用いられる。また、放電ガス中のXeの割合を増やすことでPDPの効率が向上することが知られている。
PDPの画像表示に関する動作について以下に説明する。
図7は、PDPの駆動電圧波形を説明するタイムチャートである。セットアップ期間250は、PDPを構成する全画素を初期化する期間である。アドレス期間260は、発光させたい画素を選択する期間である。維持期間270は、アドレス期間260で選択した画素を所定の時間発光させる期間である。イレース期間280は、発光している画素の発光を停止させる期間である。
セットアップ期間250では、全画素の走査電極12aに正の電圧を徐々に印加する(初期化パルス110)。これにより、走査電極12aとアドレス電極17の間の放電空間30に微弱な放電を発生させる。この微弱な放電によって、走査電極12a付近の保護層14の表面に負の電荷が、維持電極12b付近の保護層14の表面とアドレス電極17付近の蛍光体層20の表面には正の電荷が蓄積される。セットアップ期間250はPDPを構成する全画素に対し、同じタイミングで行う。このため、全画素に対し同じ領域に同じ量の電荷が蓄積される。
アドレス期間260では、発光させたい各画素のアドレス電極17に正の電圧を順に印加する(データパルス100)。また、同時に、発光させたい各画素の走査電極12aに負の電圧を印加する(走査パルス120)。これにより、走査電極12aとアドレス電極17の間の放電空間30に微弱な放電を発生させる。この放電によって、走査電極12a付近の保護層14の表面には正の電荷が、維持電極12b付近の保護層14の表面には負の電荷が、蓄積する。発光させたくない画素のアドレス電極17には、データパルス100を印加しないため、微弱な放電が発生することなく、画素中の電荷は変化しない。すなわち、発光させたくない画素は、前述のセットアップ期間250における操作により生じさせた電荷が蓄積している状態を維持する。
維持期間270では、全画素の走査電極12aに正の電圧を印加する(維持パルス130)。維持パルス130の電圧値は、走査電極12aと維持電極12bに電荷の蓄積がない状態で、走査電極12aと維持電極12bの間の放電空間30で放電が発生するよりわずかに低い電圧に設定する。
上記アドレス期間260において、発光させたい画素(すなわち、前述のアドレス期間260でアドレス電極17にデータパルス100を印加した画素)では、走査電極12a付近の保護層14の表面に正の電荷が、維持電極12b付近の保護層14の表面に負の電荷が蓄積されている。このため、走査電極12aに維持パルス130が印加された場合、走査電極12aと維持電極12bの間の放電空間30は、印加した維持パルス130の電圧以上の電位となるため、走査電極12aと維持電極12bの間の放電空間30に放電が発生する。さらに、放電により、走査電極12a付近の保護層14の表面には負の電荷が、維持電極12b付近の保護層14の表面には正の電荷が蓄積される。
一方、上記アドレス期間260において、発光させたくない画素(すなわち、前述のアドレス期間260でアドレス電極17に電圧を印加しなかった画素)では、走査電極12a付近の保護層14の表面には負の電荷が、維持電極12b付近の保護層14の表面とアドレス電極17付近の蛍光体層20の表面には正の電荷が蓄積されている。このため、走査電極12aに維持パルス130が印加された場合、走査電極12aと維持電極12bの間の放電空間30は、印加した維持パルス130の電圧以下の電位となるため、走査電極12aと維持電極12bの間の放電空間30には放電が発生しない。
続いて、全画素の維持電極12bに正の電圧の維持パルス130を印加する。
発光させたい画素では、維持電極12b付近の保護層14の表面に正の電荷が蓄積されている。このため、維持電極12bに維持パルス130が印加された場合、走査電極12aと維持電極12bの間の放電空間30は、印加した維持パルス130の電圧以上の電位となるため、走査電極12aと維持電極12bの間の放電空間30に放電が発生する。
発光させたくない画素は、維持電極12b付近の保護層14の表面だけではなく、アドレス電極17付近の蛍光体層20の表面にも正の電荷が蓄積されている。このため、維持電極12bに維持パルス130が印加された場合、走査電極12aと維持電極12bの間の放電空間30は、放電に必要な電位よりも小さくなるため、走査電極12aと維持電極12bの間の放電空間30には放電が発生しない。
このように、維持期間270中は、走査電極12aと維持電極12bに維持パルス130を交互に印加することで、走査電極12aと維持電極12bの極性を入れ替え、発光させたい画素のみを、連続的に発光させる。
イレース期間280では、維持パルス130よりも短い時間の電圧を維持電極12bに印加する(消去パルス140)。消去パルス140は、放電に伴う電荷の移動が終了する前に電圧の印加を終了させるため、連続的な発光が停止する。
ディスプレイでは発光表示を十分明瞭に識別できるよう、輝度はできるだけ高い方が望ましいが、PDPの輝度はCRTの輝度(=約500cd/m)と比べて十分とはいえない。現行の40〜42インチクラスのNTSCの画素レベル(画素数=640×480個、セルピッチ=0.43mm×1.29mm、1セルの面積=0.55mm)のPDPにおいて、その輝度は150〜250cd/mの性能である。近年、放送業界においてハイビジョン放送の開始がアナウンスされており、これに対応するフルスペックのハイビジョンテレビの画素レベル(画素数=1920×1125個、セルピッチ=0.15mm×0.48mm、1セルの面積=0.072mm)では、1画素の幅がNTSCの約1/3となり、発光に寄与しない隔壁の本数が約3倍に増加するため、従来技術と同様の蛍光体などを使用する場合には、輝度が約70cd/mまで低下することが予想される。したがって、このような状況において一層、輝度改善が熱望される。
このため、隔壁の構造を工夫することにより、蛍光面の発光面積を広げることが提案されている。例えば、特許文献1では、1セル内に隔壁よりも高さの低い突起部を設け、その表面に蛍光体を塗布することにより、蛍光面の発光面積を広げ、パネルの発光輝度を上げることが提案されている。蛍光面の発光面積を広げることは、一般にその蛍光面に紫外線が効率よく作用する等により発光効率が改善されることとなり、輝度が高くなることにつながる。
また、蛍光体層を高密度化することにより蛍光体発光光の反射率を高め、パネルとしての発光輝度を向上させる試みがなされている。例えば、特許文献2では、現行で使用されている蛍光体の粒径を制御して球状にすることにより、蛍光体粒子間から蛍光体発光光が抜け出るのを最小限にとどめ、蛍光体層の反射率を向上させる技術が開示されている。
現状のPDPでは、図3に示すように、蛍光体層20にある程度の厚みを持たせることにより、蛍光体発光光の裏面への抜けを小さくする構造にしている。現行の蛍光体層が厚みを必要とする理由は、図4に示すように、蛍光体層20が薄いと蛍光体粒子の空隙から蛍光体発光光410が抜け出る割合が高くなるためである。そこで、図5に示すように、蛍光体層20を厚くすることで、蛍光体発光光410が蛍光体層20のより底部に位置する蛍光体粒子によって反射し、前面パネル側に戻ってくる確率が増加する。つまり、反射率を高くすることが可能となる。
一方、蛍光体からの発光光を効率よく取り出すために、セル底面と蛍光体層の間に反射層を設ける技術が、例えば特許文献3に開示されている。特許文献3に示された反射層は、各セルの蛍光体の発光波長のみを効率的に反射し、他の光を吸収する特性を持つため、この反射層を有することで、高輝度、高コントラストなPDPを実現可能であるとされている。
内池平樹、御子柴茂生共著、「プラズマディスプレイのすべて」、(株)工業調査会、1997年5月1日、p15−p159 特許第3440833号公報 特開平9−310067号公報 特許第3159250号公報
しかしながら、前述した従来のPDPにおいては以下のような課題を有していた。
蛍光体層を厚くすることによって反射率は向上するが、実際の発光に寄与しているのは蛍光体層の表面に近い領域に位置する蛍光体粒子のみであり、セル底面に近い領域に位置する蛍光体粒子は反射を高めるためのみに使われているのが現状である。蛍光体層を厚くするために多量の蛍光体を使用しなければならず、また、そのためには安くはない蛍光体原料が多く必要であるとの課題があった。
特許文献3の問題点は、蛍光体層と反射層の二層をセル底面に形成することの煩雑さにある。加えて、反射層に蛍光体層に使われていない物質を含有させており、PDP製造工程中での蛍光体との反応による蛍光体の輝度の低下等の問題点があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、蛍光体層を厚くする方法とも蛍光体層以外に反射層を設ける方法とも異なる簡易な方法で蛍光体発光光に対する反射率の高い蛍光体層を設けることにより、蛍光体層を現行より薄くしても現行と同等以上の輝度を実現できるPDPパネルを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のプラズマディスプレイパネルは、蛍光体層の一部分が蛍光体粒子と前記蛍光体粒子間の空隙部分を埋める無機バインダーにより形成される蛍光体層を有するものとする。
また、本発明のプラズマディスプレイパネルは、蛍光体層の一部分が蛍光体粒子と前記蛍光体粒子間の空隙部分を埋める無機バインダーにより形成される第一層と一部分が蛍光体粒子により形成される第二層が順次形成されている蛍光体層を有するものとする。
そして、本発明のプラズマディスプレイパネルは、前記第二層が少なくとも蛍光体粒子の平均粒径以上の厚みを持つ蛍光体層を有するものである。
また本発明のプラズマディスプレイパネルは、前記無機バインダーとしてコロイダルシリカを用いてなる蛍光体層を有するものである。
本発明のプラズマディスプレイパネルによれば、蛍光体層に無機バインダーを含ませることにより、無機バインダーにより蛍光体粒子間の空隙が埋められる。よって、従来の方法で製造された蛍光体層で見られる無数の空隙を無くすことができ、蛍光体発光光の抜けを防ぎ、蛍光体層の反射率を高めることができる。
また、本発明のプラズマディスプレイパネルによれば、蛍光体粒子と無機バインダーからなる層と、蛍光体粒子のみからなる層という2種類の層により蛍光体層を形成するという簡易な方法で蛍光体層の反射率を従来の蛍光体層よりも高くできるため、蛍光体層を現行より薄くしても同等以上の輝度を実現できる。このため、蛍光体の使用量を減らすことができ、高い蛍光体原料を削減、低コスト化が可能となる。
また、本発明における蛍光体層は、蛍光体粒子と無機バインダーとの組み合わせにより実現可能であり、製造における煩雑さはない。
更に、本発明において、使用する蛍光体の形状を球状にすることにより、より薄くても反射率の高い蛍光体層が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における蛍光体層の断面模式図であり、前記図6のAC型PDPにおける発光色毎に空間的に分離された発光領域(発光の最小単位たる放電空間)となる1つのセルの一部分を示している。図1において、16は背面ガラス基板、18は電極保護層、20は蛍光体層、300は無機バインダー、310は蛍光体粒子である。
本実施の形態1では、電極保護層18の上に蛍光体粒子310と、蛍光体発光光が透過しにくい無機バインダー300からなる蛍光体層20が設けられる。図1に示されるように、無機バインダー300が蛍光体粒子310間の空隙を補完した構造になっている。放電空間に照射される紫外線のうち、蛍光体層に照射された紫外線のみが可視光に変換されるのだが、蛍光体層20から発せられる可視光には、そのまま前面パネル側に出てくる光と、蛍光体粒子310と無機バインダー300とによって反射されて前面パネル側に出てくる光の2種類がある。本実施の形態1におけるPDPでは、前記蛍光体層20から発せられる可視光のうち、蛍光体粒子310と無機バインダー300とによって反射されて前面パネル側に出てくるという、後者の可視光を特に効率良く取り出すことができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における蛍光体層の断面模式図であり、前記図6のAC型PDPにおける発光色毎に空間的に分離された発光領域(発光の最小単位たる放電空間)となる1つのセルの一部分を示している。図2において、16は背面ガラス基板、18は電極保護層、20は蛍光体層、300は無機バインダー、310は蛍光体粒子を示している。
本実施の形態2では、電極保護層18の上に蛍光体粒子310と、蛍光体発光光が透過しにくい無機バインダー300からなる蛍光体層20が設けられる。実施の形態1と同様に、無機バインダー300が蛍光体粒子310間の空隙を補完した構造になっているが、本実施の形態2における蛍光体層20は、蛍光体粒子310と無機バインダー300からなる第一層LA1の上に蛍光体粒子310のみからなる第二層LA2を有している。紫外線の照射により蛍光体層20から発せられた可視光の一部はそのまま前面パネル側に出てくるが、残りの可視光は第二層LA2の蛍光体粒子310により反射されて前面パネル側に出てくるか、または第二層LA2を透過して第一層LA1の蛍光体粒子310と無機バインダー300とによって反射されて前面パネル側に出てくる。
本実施の形態2におけるPDPでは、蛍光体層20内の第一層LA1もしくは第二層LA2からの反射により、前記蛍光体層20から発せられる可視光を効率良く取り出すことができる。
以下、実施例により本発明の一形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例1では、蛍光体粒子310としては3SrO・0.01EuO・MgO・2SiOで表される青色蛍光体を用いた。上記蛍光体の製造法は以下の通りである。
442.8gのSrCO、3.6gのEu、40.3gのMgO、120.2gのSiO(全て日本高純度化学(株)製)を出発原料として秤量し、ボールミルを用いて純水中で湿式混合した。
上記混合物を乾燥させた後、バッチ式の電気炉を用いて窒素と水素の混合ガス中、1100〜1300℃で4〜10時間焼成して前記青色蛍光体を得た。
得られた青色蛍光体100gを20%のコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 スノーテックス)90g中に混入し、乳鉢でよくすり混ぜ、蛍光体ペーストAを作製した。
次に、この蛍光体ペーストAをガラス板にスクリーン印刷により均一に塗布した。印刷回数を変えることで様々な厚みの蛍光体膜を作り、100℃で1時間の乾燥後、最高温度520℃のトンネル炉で5〜15分焼成して試験試料塗膜を作成した。作製した各試験試料塗膜の厚みを走査型電子顕微鏡による蛍光体塗膜断面の写真を用いて計測したところ、約5〜40μmの範囲内であった。
(比較例1)
比較例1として実施例1に記載の製造方法により得られた蛍光体100gをα―ターピネオールに10%のエチルセルローズを溶解した溶液100gに混入し、乳鉢でよくすり混ぜ、溶液内に分散し混練された蛍光体ペーストBを同様に作製した。この蛍光体ペーストBについても、実施例1の蛍光体ペーストAの場合と同じ工程を経て、ガラス板に試験試料塗膜を作製し、その膜厚を同様に計測した。
可視紫外分光光度計により、作製した各試験試料塗膜に反射率測定を行った。波長452nmの可視光を照射してこのように測定した試験試料塗膜の膜厚に対する反射率を(表1)に示す。
Figure 2007184123
(表1)から明らかなように、実施例1による蛍光体層20は、従来の方法で作製した蛍光体層よりも各膜厚における反射率が高く、膜厚に対する反射率の飽和も早い。つまり、膜厚を薄くしても、反射率の高い蛍光体層となる。
したがって、本実施例1の蛍光体層をPDPに用いた場合、蛍光体層の厚みを現行より薄くしても現行と同等以上の輝度を実現できるPDPを提供できる。
また、走査型電子顕微鏡による蛍光体塗膜断面の写真をよく観察したところ、蛍光体層20の最表面に位置する蛍光体粒子310の放電空間側粒表面の半分以上は無機バインダー300が付着していない状態であることが確認できた。
なお、本実施例1における蛍光体層20の成分は蛍光体粒子310と無機バインダー300のみに限定されるものではなく、蛍光体ペースト作成時に分散を良くするための分散剤や蛍光体層の輝度劣化を抑えるような物質が混入していてもよい。
(実施例2)
本実施例2では、実施例1にて使用した青色蛍光体を用いた。
実施例1に記載の製造方法により得られた青色蛍光体100gを20%のコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 スノーテックス)90g中に混入し、乳鉢でよくすり混ぜ、蛍光体ペーストAを作製した。
次に、この蛍光体ペーストAをガラス板にスクリーン印刷により均一に塗布した。印刷回数を変えることで様々な厚みの蛍光体膜を作り、100℃で1時間乾燥させて第一層LA1とした。
更に、作製した蛍光体100gをα―ターピネオールに10%のエチルセルローズを溶解した溶液100gに混入し、乳鉢でよくすり混ぜ、溶液内に分散し混練された蛍光体ペーストBを同様に作製した。
次に蛍光体ペーストAを乾燥させた蛍光体塗膜上に蛍光体ペーストBをスクリーン印刷により均一に塗布し、100℃で1時間の乾燥後、最高温度520℃のトンネル炉で5〜15分焼成して第二層LA2とし、試験試料塗膜を作製した。
作製した各試験試料塗膜の厚みを走査型電子顕微鏡による蛍光体塗膜断面の写真を用いて計測したところ、約5〜40μmの範囲内であった。
可視紫外分光光度計により、作製した各試験試料塗膜に波長452nmの可視光を照射して反射率測定を行った。このようにして測定した試験試料塗膜の膜厚に対する反射率を比較例1とともに(表2)に示す。
Figure 2007184123
(表2)から明らかなように、実施例2による蛍光体層20は、従来の方法で作製した蛍光体層よりも各膜厚における反射率が高く、膜厚に対する反射率の飽和も早い。つまり、膜厚を薄くしても反射率の高い蛍光体層となる。
したがって、本実施例2の蛍光体層をPDPに設けた場合、蛍光体層の厚みを現行より薄くしても現行と同等以上の輝度を実現できるPDPを提供できる。
なお、本実施例2における第一層LA1の蛍光体層20の成分は蛍光体粒子310と無機バインダー300のみに限定されるものではなく、蛍光体ペースト作成時に分散を良くするための分散剤や蛍光体の輝度劣化を抑えるような物質が混入していてもよい。
なお、本発明実施の形態1、2で使用した蛍光体は特に限定されるものではなく、公知の様々な方法により製造された各色蛍光体が使用可能であるが、平均粒子径が小さいものや形状が球形のものを用いた方がより蛍光体層20を薄くすることが可能となる。
また、本発明の実施の形態1,2ではコロイダルシリカを用いたが、本発明の蛍光体層20の製造に用いる無機バインダー300は水溶性ケイ酸塩、TEOSなど従来技術による化合物を用いることができる。
本発明のプラズマディスプレイパネルによれば、簡易な方法で蛍光体層の反射率を従来の蛍光体層よりも高くできるため、蛍光体層を現行のものより薄くしても同等以上の輝度を実現できる。このため、蛍光体の使用量を減らすことができ、高い蛍光体原料を削減、低コスト化が可能となる。
本発明の実施の形態1における蛍光体層の断面模式図 本発明の実施の形態2における蛍光体層の断面模式図 従来の蛍光体層の断面模式図 従来の薄い蛍光体層における発光を示す断面模式図 従来の厚い蛍光体層における発光を示す断面模式図 従来のPDPの断面斜視図 PDPの駆動電圧波形のタイムチャート
符号の説明
11 前面ガラス基板
12a 走査電極
12b 維持電極
13 誘電体ガラス層
14 保護層
16 背面ガラス基板
17 アドレス電極
18 電極保護層
19 隔壁
20 蛍光体層
30 放電空間
100 データパルス
110 初期化パルス
120 走査パルス
130 維持パルス
140 消去パルス
250 セットアップ期間
260 アドレス期間
270 維持期間
280 イレース期間
PA1 前面板
PA2 背面板
300 無機バインダー
310 蛍光体粒子
LA1 第一層
LA2 第二層
400 紫外線
410 蛍光体発光光

Claims (4)

  1. 電極対を構成する表示電極群が配設された前面パネルと、データ電極群および隔壁群が配設された背面パネルとを対向配置し、前記前面パネルと前記背面パネルの間に真空紫外線により励起されて発光する蛍光体層を有する複数のセルを具備するプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記蛍光体層の一部分が蛍光体粒子と、前記蛍光体粒子間の空隙部分を埋める無機バインダーにより形成されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 電極対を構成する表示電極群が配設された前面パネルと、データ電極群および隔壁群が配設された背面パネルとを対向配置し、前記前面パネルと前記背面パネルの間に真空紫外線により励起されて発光する蛍光体層を有する複数のセルを具備するプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記蛍光体層の一部分が蛍光体粒子と前記蛍光体粒子間の空隙部分を埋める無機バインダーにより形成される第一層と、
    前記蛍光体層の一部分が蛍光体粒子により形成される第二層が
    順次積層されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記蛍光体層の前記第二層が少なくとも蛍光体粒子の平均粒径以上の厚みを有することを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記無機バインダーとしてコロイダルシリカを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
JP2006000340A 2006-01-05 2006-01-05 プラズマディスプレイパネル Pending JP2007184123A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006000340A JP2007184123A (ja) 2006-01-05 2006-01-05 プラズマディスプレイパネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006000340A JP2007184123A (ja) 2006-01-05 2006-01-05 プラズマディスプレイパネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007184123A true JP2007184123A (ja) 2007-07-19

Family

ID=38340034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006000340A Pending JP2007184123A (ja) 2006-01-05 2006-01-05 プラズマディスプレイパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007184123A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4129288B2 (ja) プラズマディスプレイパネルとその製造方法
JP4476334B2 (ja) プラズマディスプレイパネルとその製造方法
CN1303116A (zh) 交流驱动型等离子显示器及其制造方法
JP2007250547A (ja) 蛍光体ペースト組成物とこれを用いたプラズマディスプレイパネルとその製造方法
JPH11317170A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2011086377A (ja) 発光デバイス、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイ装置
US20060152157A1 (en) Plasma display panel
JP2006241456A (ja) プラズマディスプレイパネル用緑色蛍光体組成物及びこれより製造されたプラズマディスプレイパネル
JP2003346665A (ja) プラズマディスプレイ装置
JPH11193379A (ja) 蛍光体材料とその製造方法,蛍光体膜およびプラズマディスプレイパネル
JP2007184123A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP5028487B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
US7312575B2 (en) Plasma display panel
JP3185752B2 (ja) 蛍光体材料,蛍光体膜およびプラズマディスプレイパネル
JP2008303230A (ja) 蛍光体およびその製造方法
JP2007026793A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2010177072A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3591461B2 (ja) 蛍光体材料,蛍光体膜およびプラズマディスプレイパネル
JP4839233B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP5337079B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JPH11166178A (ja) 蛍光体材料,蛍光体膜およびプラズマディスプレイパネル
KR20040098068A (ko) 효율을 개선한 플라즈마 화상 스크린
JP2006310015A (ja) ガス放電発光パネル
WO2007013515A1 (ja) ガス放電発光パネル
JP2006310016A (ja) ガス放電発光パネル