JP2006310016A - ガス放電発光パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 蛍光体の色度変化に伴うパネルの表示特性の劣化が抑制されたガス放電発光パネルを提供する。
【解決手段】 放電空間を介して対向するように配置された前面板および背面板と、背面板における放電空間側の主面上に配置され、放電空間において発生した紫外線により発光する蛍光体を含む蛍光体層とを備えるガス放電発光パネルであって、紫外線により蛍光体が放出する光のスペクトル形状を、蛍光体の劣化に伴う当該スペクトル形状の変動を補償するように変化させる色度補正材料が、蛍光体層および蛍光体層近傍の部材から選ばれる少なくとも1つの部材に配置されているガス放電発光パネルとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス放電により発生させた紫外線による蛍光体の発光を利用した画像表示デバイスであるガス放電発光パネルに関する。
近年、高精細および高輝度を実現できる画像表示デバイスとして、ガス放電発光パネル、代表的にはプラズマディスプレイパネル(PDP)の開発が進められている。PDPは、画面の大型化が容易であるため、今後のさらなる普及が期待される。
PDPでは、いわゆる三原色(赤、緑、青)を加法混色して、フルカラーの画像が表示される。このようなフルカラー表示を行うために、PDPは、通常、赤、緑または青の各色を発光する蛍光体を含む蛍光体層(赤色蛍光体層、緑色蛍光体層または青色蛍光体層)を放電セルごとに備えている。蛍光体は、放電空間におけるガス放電により発生した紫外線(真空紫外線)の照射によって励起されて発光し、上記各色の光を放出する。放電セルは所定のパターンで配置されており、放電セルごとのガス放電のタイミング(即ち、蛍光体への紫外線照射のタイミング)を制御することにより、画像が表示される。このようなPDPの構造は、例えば、非特許文献1に開示されている。
内池平樹、御子柴茂生共著、「プラズマディスプレイのすべて」、(株)工業調査会、1997年5月1日、p79−p80
しかしPDPでは、各放電セルにおいて、パネルの駆動時間に応じた経時的な色度変化が発生することが知られている。色度変化は、放電時のイオン衝撃や、真空紫外線の照射などによる蛍光体の劣化によって、蛍光体が放出する光のスペクトル(発光スペクトル)の形状が変動して発生すると考えられる。蛍光体の色度変化が発生すると、色ムラなどによりパネルの表示特性が劣化する。また、静止画のように一定のパターンを表示し続けた場合などに起きやすいが、色度変化が重度になると、同色の蛍光体層を有する放電セルでありながら、点灯時間が異なる放電セル間で蛍光体が放出する光の色度が異なり(蛍光体の発光スペクトルの形状が異なり)、上記一定のパターンと違うパターンを表示した時に、従前のパターンが残像として見える現象(一般に「焼き付き現象」と呼ばれる)が発生することがある。
これらの理由から、蛍光体の色度変化に伴うパネルの表示特性の劣化が抑制されたガス放電発光パネルが望まれる。
本発明のガス放電発光パネルは、放電空間を介して対向するように配置された前面板および背面板と、前記背面板における前記放電空間側の主面上に配置され、前記放電空間において発生した紫外線により発光する蛍光体を含む蛍光体層とを備えるガス放電発光パネルであって、前記紫外線により前記蛍光体が放出する光のスペクトル形状を、前記蛍光体の劣化に伴う前記スペクトル形状の変動を補償するように変化させる色度補正材料が、前記蛍光体層および前記蛍光体層近傍の部材から選ばれる少なくとも1つの部材に配置されていることを特徴としている。
本発明によれば、蛍光体が放出する光のスペクトル形状を、蛍光体の劣化に伴う上記スペクトル形状の変動を補償するように変化させる色度補正材料が配置されたガス放電発光パネルとすることにより、蛍光体の色度変化に伴うパネルの表示特性の劣化を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部材に同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
本発明のガス放電発光パネルとして、プラズマディスプレイパネル(PDP)の一例を図1に示す。
図1に示すPDP51は、放電空間31を介して対向するように配置された一対の基板(前面板1および背面板2)と、背面板2における放電空間31側の主面上に配置された蛍光体層3とを備えている。蛍光体層3は、放電空間31において発生した紫外線により発光する蛍光体を含むとともに、蛍光体が放出する光のスペクトル(発光スペクトル)の形状を、蛍光体の劣化に伴う上記形状の変動を補償するように変化させる色度補正材料をさらに含んでいる。なお、色度補正材料による「補償」によって、スペクトル形状は、必ずしもその変動前の状態にまで変化しなくてもよく、少なくとも上記変動の程度が低減できればよい。
PDP51では、蛍光体から放出された光は、蛍光体層3自身および蛍光体層3近傍の部材(例えば、隔壁21や誘電体層22)において反射した後に、前面板1を透過してPDP51の外部へ進む。蛍光体層3は色度補正材料を含んでおり、上記光が色度補正材料において反射することにより、発光スペクトル形状の変動を補償できる。色度補正材料による発光スペクトル形状の補償方法は特に限定されないが、安定した補償を行うことができることから、図1に示すPDP51のように、色度補正材料における光の反射を利用する方法が好ましい。以下、反射を利用した色度補正材料について説明する。
発光スペクトル形状の変動は、パネルの駆動(放電セルの点灯)に伴う蛍光体の劣化により生じるため、色度補正材料は、パネルの駆動により、自らが有する反射特性が(例えば、反射スペクトルが)発光スペクトル形状の変動を補償する方向へ変化する材料であるともいえる。換言すれば、パネルの駆動により、発光スペクトル形状の変動を補償する方向へ自らの体色を変化させる材料であるともいえる。なお、「反射スペクトルが変化する」ということは、色度補正材料における光の反射率が、色度補正材料に入射する光の波長により異なった変化を起こすことを示している。色度補正材料における反射スペクトルの変化の例は、実施例に示す。従来のPDPには、このような変化を起こす部材は配置されていない。
色度補正材料によるスペクトル形状の変化の方向は特に限定されないが、発光スペクトルが蛍光体の劣化により長波長側にシフトする場合(例えば、発光スペクトルのピーク位置が長波長側にシフトする場合)、上記変化の方向は、発光スペクトルにおける短波長側の光に比べて長波長側の光が相対的に減少する方向である必要がある。即ち、色度補正材料の反射特性が、発光スペクトルにおける短波長側の光に比べて長波長側の光を相対的に減少させる方向へ変化する必要がある。このような変化の方向は、色度補正材料における短波長側の反射率に比べて長波長側の反射率が相対的に減少する方向である、ともいえる。
発光スペクトルが蛍光体の劣化により短波長側にシフトする場合(例えば、発光スペクトルのピーク位置が短波長側にシフトする場合)、上記変化の方向は、発光スペクトルにおける長波長側の光に比べて短波長側の光が相対的に減少する方向である必要がある。即ち、色度補正材料の反射特性が、、発光スペクトルにおける長波長側の光に比べて短波長側の光を相対的に減少させる方向へ変化する必要がある。このような変化の方向は、色度補正材料における長波長側の反射率に比べて短波長側の反射率が相対的に減少する方向である、ともいえる。
PDPなどのガス放電発光パネルでは、発光スペクトルは、蛍光体の劣化により長波長側にシフトする場合が多い。このような発光スペクトル形状の変動の一例を図2Aに示す。図2Aに示す例では、蛍光体の発光スペクトルが、初期状態(a)から劣化時(b)へと、長波長側にシフトしている。このような蛍光体に対して、例えば、図2Bに示すような反射特性を有する色度補正材料を組み合わせればよい。図2Bに示す例では、初期状態(a)から蛍光体の劣化時(b)へと、色度補正材料における短波長側の反射率に比べて長波長側の反射率が相対的に減少している。図2Aに示す特性を有する蛍光体と、図2Bに示す反射特性を有する色度補正材料とを組み合わせることにより、放電セルから得られる光のスペクトル形状の変動を、図2Cに示す状態((a)は初期状態、(b)は蛍光体の劣化時)にできる。即ち、放電セルから得られる光のスペクトル形状の変動を、図2Aに示す発光スペクトル形状の変動に比べて低減できる。
色度補正材料は、蛍光体層3および蛍光体層3近傍の部材から選ばれる少なくとも1つの部材に配置されていればよく、例えば、蛍光体層3、隔壁21および誘電体層22から選ばれる少なくとも1つの部材に配置されていればよい。なお、隔壁21は、通常、前面板1と背面板2との間に配置されており、誘電体層22は、通常、背面板2と蛍光体層3との間に配置されている。
色度補正材料を配置する具体的な構成例を図3A〜図3Dに示す。図3Aに示す例では、蛍光体層3が色度補正材料4を含んでいる。このような構成とすることにより、従来のPDP製造工程に新たな工程を追加することなく、色度補正材料4を配置することができる。また、予測される各蛍光体の色度変化の程度に応じて、蛍光体層3における色度補正材料の含有率を予め調整することが容易となる。蛍光体層3が色度補正材料4を含む場合、蛍光体層3における色度補正材料4の含有率は、通常、0.1重量%〜50重量%の範囲である。
図3Bに示す例では、色度補正材料4が蛍光体層3と誘電体層22との間に配置されている。このような構成では、色度補正材料4が、特開2001−266755号公報に記載されている反射層としても機能するため、蛍光体が放出した光の取り出し効率を向上できる。色度補正材料4が蛍光体層3と誘電体層22との間に配置されている場合、蛍光体層3の厚さは、従来のPDPにおける蛍光体層の厚さよりも薄いことが好ましく、例えば、1μm〜15μmの範囲であることが好ましい。
その他、図3Cおよび図3Dに示すように、隔壁21の表面や誘電体層22の表面に色度補正材料4を配置してもよい。なお、図3A〜図3Dでは、図を分かりやすくするために、維持電極11、走査電極12およびアドレス電極23を互いに平行としている。実際のPDP51では、図1に示すように、維持電極11および走査電極12と、アドレス電極23とは互いに直交する関係にある。
色度補正材料4の具体的な形状は特に限定されず、例えば、粒子状であってもよいし薄膜状であってもよい。粒子状の色度補正材料4の場合、その平均粒径は、1nm〜20μm程度の範囲であればよい。
図3Bに示すように、色度補正材料4を蛍光体層3と誘電体層22との間に配置する場合、光の取り出し効率をより向上できることから、色度補正材料4が薄膜状であることが好ましい。薄膜状の色度補正材料4は、例えば、蛍光体層3の形成方法と同様に、スクリーン印刷の手法により形成でき、その厚さは、通常、10nm〜50μm程度の範囲であればよい。
色度補正材料4に用いる材料は特に限定されないが、例えば、V、Mn、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、Nd、Nb、Mo、W、Ti、ZrおよびAlから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物または炭酸化物を用いればよい。なかでも、パネルの駆動(放電セルの点灯)により、その反射特性の変化が起きやすいことから、TiO2、WCO3およびMnCO3から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。TiO2、WCO3およびMnCO3は、パネルの駆動により、短波長側の反射率に比べて長波長側の反射率が相対的に減少する傾向を示す材料である。MnCO3は、波長600nm近傍の反射率の変化が小さい材料である。
酸化物を色度補正材料4に用いる場合、上記酸化物が還元処理されていてもよい。還元処理された酸化物は、酸素欠陥に基づく電子準位の存在により可視光を一部吸収する特性を有している。酸素を含む放電雰囲気下では、このような酸素欠陥は容易に補填される。このため、還元処理された酸化物は、パネルの駆動により、その反射特性の変化が起きやすい材料である、ともいえる。例えば、TiO2、ZrOあるいはAl23といった酸化物を、還元雰囲気下において加熱することにより還元処理した後に、色度補正材料4として配置すればよい。酸素を含む放電雰囲気(放電ガス中に酸素が含まれることは、パネルの製造工程において、酸素雰囲気下での焼成工程が含まれることからも類推できる)において、色度補正材料4の反射特性の変化がより容易となるため、本発明の効果をより容易に得ることができる。なお、酸化物の還元処理は、酸化物を、パネルの製造工程において各部材に加えられる温度以上の温度に加熱することにより行うことが好ましい。一般に、PDPの製造工程において、各部材に加えられる温度は500℃程度である。このため、500℃以上の温度に加熱することにより、酸化物の還元処理を行うことが好ましい。
蛍光体層3が含む蛍光体は特に限定されず、例えば、青色光を放出する蛍光体として、BaMgAl10:Eu2+(BAM)、CaMgSi24:Eu2+、Sr3MgSi28:Eu2+、(SrBa)3MgSi28:Eu2+などが挙げられる。BAMは、初期状態において、波長500nm近傍に発光スペクトルのピークを有するが、劣化により、上記ピークが長波長側にシフトする傾向を示す。
また例えば、緑色光を発光する蛍光体として、Zn2SiO4:Mn2+、YBO3Tb3+、BaMgAl1423:Mn2+、SrAl1219:Mn2+、BaAl1219:Mn2+、ZnAl1219:Mn2+、LuBO3:Tb3+、CaAl1219:Mn2+などが挙げられ、赤色光を発光する蛍光体として(Y,Gd)BO3:Eu3+、Zn2(PO42:Mn2+、YVO4:Eu3+、Y23:Eu3+、YPVO4:Eu3+、YVO3:Eu3+およびY2SiO5:Eu3+などが挙げられる。
色度補正材料4と蛍光体との具体的な組み合わせは、例えば、以下に示す組み合わせが考えられる。
色度補正材料4がTiO2およびWCO3から選ばれる少なくとも1種であり、蛍光体が、BAM、CaMgSi24:Eu2+、および、(SrBa)3MgSi28:Eu2+から選ばれる少なくとも1種である組み合わせ:これらの蛍光体は、劣化により、発光スペクトルが長波長側にシフトする傾向を示すため、パネルの駆動により、短波長側の反射率に比べて長波長側の反射率が相対的に減少する傾向を示すTiO2および/またはWCO3を組み合わせることが好ましい。
あるいは、色度補正材料4がMnCO3であり、発光スペクトルのピークが初期状態において600nm近傍にある蛍光体の組み合わせ:上述したように、MnCO3は、波長600nm近傍の反射率の変化が小さい材料であるため、このような組み合わせにより、蛍光体の色度変化に伴う表示特性の低下をより抑制できる。蛍光体の発光スペクトルのピークが、初期状態において600nm近傍にある蛍光体としては、上述した、赤色光を発光する蛍光体が挙げられる。
色度補正材料4は、本発明のガス放電発光パネルにおける全ての放電セルに配置されている必要はなく、例えば、パネルの駆動による蛍光体の色度変化量が大きい放電セルのみに配置されていてもよいし、特定の色を発色する蛍光体層を備える放電セルのみに配置されていてもよい。特に、PDPでは、青色蛍光体層の色度変化量が大きい傾向にあるため、色度補正材料4を、青色蛍光体層を備える放電セルに配置することにより、パネルの表示特性の低下を大きく抑制できると考えられる。
PDP51における各部材の構造および構成、ならびに、各部材に用いる材料などは、蛍光体層および蛍光体層近傍の部材から選ばれる少なくとも1つの部材に、上述した色度補正材料が配置されている限り特に限定されず、PDPとして一般的な構造および構成であればよい。
図1に示すPDP51では、前面板1の主面上に、維持電極11および走査電極12を含む表示電極13と、誘電体層14と、誘電体層14を放電空間31内に発生するプラズマから保護する保護層15が配置されている。背面板2の主面上には、アドレス電極23と、アドレス電極を上記プラズマから保護する誘電体層22と、隔壁21とが配置されている。PDP51は、いわゆる3電極構造を有するAC型PDPである。なお、図1では、実際のPDPにおける各電極や隔壁を、その数を省略して示している。
前面板1に用いる材料は、透光性を有する限り特に限定されず、例えば、ガラス基板を用いればよい。背面板2に用いる材料は特に限定されず、例えば、ガラスおよび/または金属を含む基板を用いればよい。通常、前面板1および背面板2には、ガラス基板が用いられる。
前面板1には、表示電極13として、ストライプ状の維持電極11および走査電極12が互いに平行に配置されている。
維持電極11および走査電極12は、それぞれ、透明電極(維持電極)11aおよび透明電極(走査電極)12aと、バス電極(維持電極)11bおよびバス電極(走査電極)12bとを積層した構造を有している。透明電極11aおよび12aには、ITO(Indium Tin Oxide)、酸化スズなどを用いればよい。バス電極11bおよび12bには、アルミニウム、銅、銀、クロムと銅との積層体などを用いればよい。維持電極11と走査電極12との間には、図示しないが、黒色の表示品質を向上させ、画像のコントラストを高めるためのブラックストライプと呼ばれる、ガラスおよび黒色顔料からなる黒色膜が配置されている。表示電極13に含まれる各電極および黒色膜は、例えば、スクリーン印刷などの手法により前面板1の主面上に形成できる。
前面板1には、表示電極13を被覆するように誘電体層14が配置されており、誘電体層14上には(誘電体層14の放電空間31側には)、保護層15が配置されている。誘電体層14は、PDP51が画像を表示する際に、電荷を蓄積するコンデンサーの役割を果たす。誘電体層14には、PDPとして一般的な材料を用いればよく、例えば、酸化鉛(PbO)、酸化ビスマス(Bi23)あるいは酸化燐(P25)などを主成分とする低融点ガラスからなる層であればよい。誘電体層14は、低融点ガラスと樹脂と溶剤とを混練して得た誘電体ペーストを、印刷(例えば、スクリーン印刷、ダイコート印刷)または転写(例えば、フィルムラミネート法)などの手法により前面板1上に塗布し、乾燥および焼成することによって形成できる。
保護層15にもPDPとして一般的な材料を用いればよく、例えば、MgOからなる層であればよい。保護層15は、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、あるいは、スパッタ法などにより誘電体層14上に形成できる。
背面板2には、誘電体層22、ストライプ状の隔壁21およびストライプ状のアドレス電極23が配置されている。誘電体層22はアドレス電極23を被覆するように配置されており、隔壁21は互いに平行となるように配置されている。隣り合う隔壁21の間には蛍光体層3が配置されており、隔壁21によって分割された、放電空間31におけるアドレス電極23および表示電極13の交点で囲まれた領域が、放電セルとなる。アドレス電極23の構成は、上述したバス電極の構成と同様であればよく、誘電体層22は、誘電体層14と同様であればよい。隔壁21は、ガラスおよび顔料などを用いて形成すればよい。
蛍光体層3は、5重量%〜10重量%の濃度でエチルセルロースおよび/またはニトロセルロースを含むα−ターピネオールなどの有機溶媒中に蛍光体を分散して得られたペーストを、スクリーン印刷またはラインジェット法によって隔壁21間に塗布し、500℃〜550℃の範囲で焼成して、形成できる。
前面板1および背面板2は、保護層15および隔壁21が放電空間31に面するように、かつ、ストライプ状の表示電極13およびアドレス電極23が、前面板1および背面板2の主面から見て直交するように、対向して配置されている。前面板1および背面板2の周縁部には、低融点ガラスからなる封着部材が配置されており、放電空間31の気密が保持されている。放電空間31内には、ネオンやキセノンなどの希ガスを含む放電ガスが充填されている。放電空間31内における放電ガスの圧力は、例えば、53kPa〜79kPa(400Torr〜600Torr)の範囲であればよい。
PDP51では、表示電極13に映像信号電圧を選択的に印加して蛍光体層3に含まれる蛍光体を励起させ、励起した蛍光体が赤色、緑色または青色を発光することによって、カラー画像を表示できる。
PDP51の製造方法には、PDPの製造方法として一般的な方法を用いればよい。
本発明のガス放電発光パネルは、図1に示すようなPDPに限られず、ガス放電により発生させた紫外線(特に、波長200nm以下の真空紫外線)を蛍光体に照射することによって、蛍光体から放出される光を利用する発光パネルである限り、特に限定されない。このような発光パネルとしては、PDPの他に、液晶パネル用バックライト、文字表示用ディスプレイ、照明用パネルなどが挙げられるが、なかでも、色度変化が表示特性に大きな影響を及ぼすPDPに本発明を適用する場合に、得られる効果が大きい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
本実施例では、色度補正材料としてTiO2、WCO3およびMnCO3(粒子状:平均粒径3μm)を準備し、これらの各材料をPDPの放電空間の雰囲気をシミュレートする環境に晒すことにより、上記材料の反射率の変化(入射する光の波長をドメインとする反射スペクトルの変化)を評価した。比較例にはSiO2(粒子状:平均粒径1μm)を用いた。
最初に、TiO2、WCO3、MnCO3およびSiO2の反射スペクトルを測定した。測定は、分光光度計(島津製作所製:UV2400PC)により行った。
次に、上記各材料を放電管中に配置し、4時間、放電に晒した。放電管内部の雰囲気は、PDPにおける放電空間内と同様にXe−Neガス(Xeが6体積%)雰囲気とし、放電のために印加する交流電圧を175Vとした。このような放電試験は、蛍光体に対して同様の試験を行った場合における蛍光体の劣化の程度から、PDPをおよそ2000時間駆動した状態を再現していると考えられる。
次に、同様の方法により、放電試験後における上記各材料の反射スペクトルを測定した。
図4に、放電試験前後における上記各材料の反射スペクトルの変化を示す。なお、図4に示す各スペクトルにおいて、(a)は初期状態、(b)は放電試験後を示している。また、図4の縦軸である反射率は、硫酸バリウム膜により規格化した値である。
図4に示すように、比較例であるSiO2では、放電試験の前後において、その反射スペクトルに変化が見られなかったのに対し、TiO2、WCO3およびMnCO3では、放電試験によって、短波長側に比べて長波長側の反射率が相対的に減少する方向へ反射スペクトルが変化した。
この結果に基づき、色度補正材料としてTiO2を用い、蛍光体としてBAMを組み合わせた場合を想定して色度変化のシミュレーションを行ったところ、2000時間駆動後の色度変化を、色度のy値を用いた値で、0.005程度低減することが可能であった(BAM自体の色度変化はy値で0.01程度であった)。なお、シミュレーションは、薄膜状のTiO2(厚さ20nm)を蛍光体層(厚さ5μm)の下層に配置し、蛍光体から放出された光の30%程度が蛍光体層(BAM層)で多重反射し、70%程度がTiO2層で多重反射すると仮定して行った。
また、図4に示すように、MnCO3は、波長にして610nm付近の反射率の変化が小さかった。このため、初期状態において、波長600nm近傍に発光スペクトルのピークを有する蛍光体と組み合わせることにより、蛍光体の色度変化に伴う表示特性の低下をより抑制できると考えられる。
本発明によれば、蛍光体が放出する光のスペクトル形状を、蛍光体の劣化に伴う上記スペクトル形状の変動を補償するように変化させる色度補正材料が配置されたガス放電発光パネルとすることにより、蛍光体の色度変化に伴うパネルの表示特性の劣化を抑制できる。
本発明のガス放電発光パネルとしてプラズマディスプレイパネル(PDP)の一例を示す模式図である。 蛍光体の発光スペクトルの変動の一例を示す模式図である。 色度補正材料の反射特性の変化の一例を示す模式図である。 図2Aに示す特性を有する蛍光体と、図2Bに示す特性を有する色度補正材料とを組み合わせた際に、得られる光のスペクトルの変動を示す模式図である。 本発明のガス放電発光パネルにおける色度補正材料の配置の一例を示す模式断面図である。 本発明のガス放電発光パネルにおける色度補正材料の配置の別の一例を示す模式断面図である。 本発明のガス放電発光パネルにおける色度補正材料の配置のまた別の一例を示す模式断面図である。 本発明のガス放電発光パネルにおける色度補正材料の配置のさらにまた別の一例を示す模式断面図である。 実施例において測定した、放電試験前後における各色度補正材料サンプルの反射スペクトルの変化を示す図である。
符号の説明
1 前面板
2 背面板
3 蛍光体層
4 色度補正材料
11 維持電極
12 走査電極
13 表示電極
14 誘電体層
15 保護層
21 隔壁
22 誘電体層
23 アドレス電極
31 放電空間
51 プラズマディスプレイパネル(PDP)

Claims (10)

  1. 放電空間を介して対向するように配置された前面板および背面板と、
    前記背面板における前記放電空間側の主面上に配置され、前記放電空間において発生した紫外線により発光する蛍光体を含む蛍光体層とを備えるガス放電発光パネルであって、
    前記紫外線により前記蛍光体が放出する光のスペクトル形状を、前記蛍光体の劣化に伴う前記スペクトル形状の変動を補償するように変化させる色度補正材料が、前記蛍光体層および前記蛍光体層近傍の部材から選ばれる少なくとも1つの部材に配置されていることを特徴とするガス放電発光パネル。
  2. 前記ガス放電発光パネルの駆動により、前記色度補正材料の反射特性が、前記スペクトル形状の変動を補償する方向へ変化する請求項1に記載のガス放電発光パネル。
  3. 前記色度補正材料は、前記スペクトルにおける短波長側の光に比べて長波長側の光を相対的に減少させる請求項1に記載のガス放電発光パネル。
  4. 前記前面板と前記背面板との間に、隔壁が配置され、
    前記背面板と前記蛍光体層との間に、誘電体層が配置されており、
    前記色度補正材料は、前記蛍光体層、前記隔壁および前記誘電体層から選ばれる少なくとも1つの部材に配置されている請求項1に記載のガス放電発光パネル。
  5. 前記色度補正材料が、V、Mn、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、Nd、Nb、Mo、W、Ti、ZrおよびAlから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物または炭酸化物である請求項1に記載のガス放電発光パネル。
  6. 前記色度補正材料が、TiO2、WCO3およびMnCO3から選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載のガス放電発光パネル。
  7. 前記蛍光体が、BaMgAl10:Eu2+、CaMgSi24:Eu2+、Sr3MgSi28:Eu2+、(SrBa)3MgSi28:Eu2+、Zn2SiO4:Mn2+、YBO3Tb3+、BaMgAl1423:Mn2+、SrAl1219:Mn2+、BaAl1219:Mn2+、ZnAl1219:Mn2+、LuBO3:Tb3+、CaAl1219:Mn2+、(Y,Gd)BO3:Eu3+、Zn2(PO42:Mn2+、YVO4:Eu3+、Y23:Eu3+、YPVO4:Eu3+、YVO3:Eu3+およびY2SiO5:Eu3+から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のガス放電発光パネル。
  8. 前記色度補正材料が、TiO2およびWCO3から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記蛍光体が、BaMgAl10:Eu2+、CaMgSi24:Eu2+、Sr3MgSi28:Eu2+および(SrBa)3MgSi28:Eu2+から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のガス放電発光パネル。
  9. 前記色度補正材料が、MnCO3であり、
    前記蛍光体が放出する光のスペクトルのピークが、初期状態において600nm近傍である請求項1に記載のガス放電発光パネル。
  10. プラズマディスプレイパネルである請求項1に記載のガス放電発光パネル。
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