JP2007182789A - 中空吸排気バルブ冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】暖気運転の時間を短くすることのできる中空吸排気バルブ冷却装置を提供すること。
【解決手段】中空吸排気バルブの一例である排気バルブ5内に中空部18を形成し、中空部18には冷媒20を封入する。このように形成される排気バルブ5を、可変動弁機構によって往復運動をさせる。さらに、中空吸排気バルブ冷却装置1が搭載される内燃機関の暖気運転時には、可変動弁機構によって排気バルブ5のリフト量Dを調整し、通常運転時のリフト量Dよりも小さくする。これにより、暖気運転時には、通常運転時よりも冷媒20の中空部18内で移動量を小さくすることができ、冷媒20を介して燃焼室内の熱が放熱すること低減することができる。この結果、暖気運転の時間を短くすることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、中空吸排気バルブ冷却装置に関するものである。特に、この発明は、中空吸排気バルブの内部に冷媒が封入された中空吸排気バルブ冷却装置に関するものである。
車両に搭載される内燃機関が有する吸排気バルブは、傘部と軸部とを有しているが、このうち傘部は燃焼室に面しているため、燃料が燃焼室で燃焼する際に、燃焼によって発生する熱が伝わり易くなっている。特に、近年の車両に搭載される内燃機関は、高出力化を図っているものも多く、このような高出力化を図った場合には、燃焼室で発生する熱も多いため、吸排気バルブの傘部に伝わる熱も多くなっている。そこで、従来の吸排気バルブでは、傘部に伝わる熱を逃がし易くしているものがある。
例えば、特許文献1では、吸排気バルブ内に中空部を設け、中空部内に冷媒となる圧粉体を封入している。内燃機関の運転時には、吸排気バルブは往復運動をするが、このように中空吸排気バルブ内に形成された中空部内に冷媒を封入することにより、冷媒は吸排気バルブの往復運動に伴って中空部内を往復運動する。これにより、内燃機関の運転時に燃焼室から傘部が受ける熱は冷媒に伝えられ、冷媒に伝えられた熱は冷媒が中空部内を往復運動することにより、軸部に伝えられる。これにより、傘部に伝えられた熱を逃がすことができ、傘部の温度が上昇し過ぎることを抑制することができた。
特開平5−113113号公報
ここで、冷間時の内燃機関の始動直後における運転時、即ち暖気運転時には、燃焼室の温度は低くなっており、この状態では良好な燃焼状態を得ることが困難であるため、暖気運転時には、燃焼室の温度を早急に上昇させるのが好ましい。しかしながら、上記のように、吸排気バルブ内に冷媒を封入することによって傘部の温度上昇を抑制した場合には、同時に燃焼室の温度も上昇し難くなってしまう。このため、暖気運転の時間が長くなる虞があり、良好ではない燃焼状態での運転時間が長時間になる虞があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、暖気運転の時間を短くすることのできる中空吸排気バルブ冷却装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る中空吸排気バルブ冷却装置は、内燃機関に設けられ、且つ、軸部の一端に傘部を有すると共に前記軸部及び前記傘部の内部には中空部が形成されており、前記中空部には冷媒が封入される中空吸排気バルブと、前記内燃機関の運転時に前記中空吸排気バルブを往復運動させ、且つ、前記内燃機関の暖気運転時には前記中空吸排気バルブのリフト量を、前記内燃機関の通常運転時の前記中空吸排気バルブのリフト量よりも小さくする可変動弁機構と、を備えることを特徴とする。
この発明では、内燃機関の運転時に可変動弁機構によって中空吸排気バルブを往復運動させ、さらに、この中空吸排気バルブのリフト量を、内燃機関の通常運転時のリフト量よりも暖気運転時のリフト量の方が小さくなるようにする。この中空吸排気バルブの内部には冷媒が封入されているため、可変動弁機構によって当該中空吸排気バルブを往復運動させることにより冷媒は中空吸排気バルブ内を移動する。このため、上記のように暖気運転時のリフト量を通常運転時のリフト量よりも小さくすることにより、中空吸排気バルブ内における冷媒の移動量は、通常運転時よりも暖気運転時の方が小さくなる。また、中空吸排気バルブは、内燃機関に設けられている状態では、下端側に傘部が位置しているため、冷媒は通常、中空吸排気バルブの静止時には傘部側に位置しているが、内燃機関の暖気運転時と通常運転時とで中空吸排気バルブのリフト量を変えて、冷媒の移動量を通常運転時よりも暖気運転時の方が小さくなるようにすることにより、暖気運転時における冷媒は、通常運転時よりも傘部付近から離れ難くなる。この冷媒は、内燃機関の運転時に、傘部が燃焼室から受けた熱を受け、中空吸排気バルブ内を移動してこの熱を他の部分に伝える役割をしているが、このように暖気運転時の冷媒の移動量を小さくして冷媒が傘部付近から離れ難くすることにより、傘部の熱は冷媒を介して他の部分には伝わり難くなる。これにより、暖気運転時には、燃焼室の熱は他の部分に伝わり難くなり、燃焼室の温度を短時間で上昇させることができる。この結果、暖気運転の時間を短くすることができる。
また、この発明に係る中空吸排気バルブ冷却装置は、前記軸部の近傍には前記内燃機関内を循環する冷却水が流れる冷却水路が形成されており、前記可変動弁機構は、前記内燃機関の暖気運転時には、前記中空部のうちの、前記中空吸排気バルブの往復運動の方向において前記冷却水路が形成されている位置から前記傘部の内部までの間に前記冷媒が位置する前記リフト量で、前記中空吸排気バルブを往復運動させることを特徴とする。
この発明では、暖気運転時における中空吸排気バルブのリフト量が、中空部内の冷媒が往復運動時に冷却水路が形成されている位置付近から傘部の内部までの間で位置するリフト量となっているので、冷媒が傘部から受けた熱を冷却水路内の冷却水に伝え易くなる。この冷却水は、内燃機関が搭載される車両に設けられる車室ヒータの方向にも流れ、車室内に導入される空気と熱交換をすることにより車室内を暖める作用を兼ねている場合が多いが、暖気運転時に、冷媒が傘部から受けた熱は冷却水に伝わり易くなっているため、車室内の温度を早急に上昇させることができる。この結果、内燃機関が搭載される車両の暖房性能の向上を図ることができる。
また、この発明に係る中空吸排気バルブ冷却装置は、前記軸部の近傍には前記内燃機関内を循環するオイルが流れるオイル通路が形成されており、前記可変動弁機構は、前記内燃機関の暖気運転時には、前記中空部のうちの、前記中空吸排気バルブの往復運動の方向において前記オイル通路が形成されている位置から前記傘部の内部までの間に前記冷媒が位置する前記リフト量で、前記中空吸排気バルブを往復運動させることを特徴とする。
この発明では、暖気運転時における中空吸排気バルブのリフト量が、中空部内の冷媒が往復運動時にオイル通路が形成されている位置付近から傘部の内部までの間に位置するリフト量となっているので、冷媒が傘部から受けた熱をオイル通路内のオイルに伝え易くなる。このオイルは内燃機関内を循環し、内燃機関の作動部分の潤滑などを行なうが、暖気運転時に冷媒が傘部から受けた熱はオイルに伝わり易くなっているため、オイルの温度を早急に上昇させることができる。これにより、オイル粘度を早急に小さくすることができ、内燃機関の始動直後に、オイル粘度に起因するフリクションの低減を図ることができる。この結果、燃費の向上を図ることができる。
本発明に係る中空吸排気バルブ冷却装置は、暖気運転の時間を短くすることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る中空吸排気バルブ冷却装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。また、本発明に係る中空吸排気バルブ冷却装置が有する中空吸排気バルブは、吸気バルブと排気バルブとがあるが、以下の説明では、中空吸排気バルブの一例として排気バルブを有する中空吸排気バルブ冷却装置について説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る中空吸排気バルブ冷却装置を示す概略図である。同図に示す中空吸排気バルブ冷却装置1は、中空吸排気バルブとなる排気バルブ5と、バルブガイド30と、可変動弁機構40とを有しており、さらに、バルブガイド30の可変動弁機構40側には、オイルシール35が設けられている。排気バルブ5は、当該中空吸排気バルブ冷却装置1が備えられる内燃機関(図示省略)の運転時に可変動弁機構40によって往復運動をするように設けられており、排気バルブ5が往復運動をすることにより、シリンダヘッド25に形成された排気通路(図示省略)を開閉するように設けられている。なお、図1は、排気バルブ5が排気通路を閉じている状態の中空吸排気バルブ冷却装置1を示している。また。可変動弁機構40は、内燃機関の運転を制御するECU(Electric Control Unit)(図示省略)から内燃機関の運転状況の情報を取り出し、この運転状況の情報より、後述する排気バルブ5のリフト量Dを変化させることができるように形成されている。
前記可変動弁機構40は、前記内燃機関の運転時に回転し、回転カム42が形成されたカムシャフト41と、回転カム42に接触する第1ローラ52を有する第1介在部材51と、当該第1介在部材51と共に回動し、第1介在部材51に対する相対的な角度を変化させることのできる第2介在部材55と、を備えている。さらに、可変動弁機構40は、第2介在部材55に接触する第2ローラ61を有すると共に揺動し、前記排気バルブ5を押圧するロッカーアーム60と、前記ロッカーアーム60の揺動の略支点となるピボット65を有するピボット支持材66と、を備えている。
前記カムシャフト41に形成される回転カム42は、円筒形の一部の形状からなるベース部43と、前記ベース部43から連続的に形成されると共に前記円筒形の径方向に突出するノーズ部44とにより形成されている。このカムシャフト41よりも排気バルブ5寄りでカムシャフト41の近傍には、略円筒形の形状で形成された支持シャフト45が、回転しないように設けられている。この支持シャフト45の内側には、略円筒形の形状で形成されると共に円筒形の軸方向に移動可能に設けられたコントロールシャフト46が配設されている。
第1介在部材51及び第2介在部材55は、支持シャフト45の外周に、当該支持シャフト45の軸方向には移動せず、且つ、当該支持シャフト45の周方向には小角度で回動するように、支持シャフト45に設けられている。また、これらの第1介在部材51及び第2介在部材55は、支持シャフト45の径方向における中心を中心として、互いに相対する角度を変化させることができるように設けられており、第1介在部材51と第2介在部材55とが一体となって支持シャフト45の周方向に小角度で回動するように設けられている。また、第1介在部材51には、軸方向が支持シャフト45の軸方向と平行な方向になる略円筒形の形状で形成された第1ローラ52が、回動可能に設けられている。さらに、第1介在部材51には、この第1ローラ52の外周面が排気バルブ5方向から前記回転カム42の外周面に接触するように、支持シャフト45の径方向における中心を中心とした付勢力が与えられている。
前記第2介在部材55には、排気バルブ5が位置している方向に円弧面部56が設けられており、この円弧面部56の排気バルブ5側の面は押圧部57となっている。この押圧部57は、排気バルブ5の方向に凸となる曲面である凸面部58と、凹となる曲面である凹面部59とが連続的に形成されている。このうち、凸面部58は、曲率中心が支持シャフト45の径方向における中心とほぼ一致している。前記ロッカーアーム60は、この押圧部57の排気バルブ5側に設けられている。また、ロッカーアーム60には、軸方向が前記第1ローラ52の軸方向と平行な方向になる略円筒形の形状で形成された第2ローラ61が、回動可能に設けられている。また、ロッカーアーム60は、前記カムシャフト41の軸方向と直交する方向における両端部のうち、一方の端部が排気バルブ5に接触しており、他方の端部が前記ピボット65に接触している。また、第2ローラ61は、ロッカーアーム60の前記両端部の中央付近に位置しており、前記押圧部57側に突出するように設けられている。
また、排気バルブ5には軸部15が設けられており、軸部15の可変動弁機構40側の端部である動弁機構側端部17は、ロッカーアーム60に接触している。このようにロッカーアーム60に接触する排気バルブ5の軸部15の周囲にはスプリング(図示省略)が配設されており、排気バルブ5には、このスプリングによって軸方向で、且つ、可変動弁機構40方向に付勢力が与えられている。また、ロッカーアーム60の排気バルブ5側の端部の反対側の端部はピボット65に接触し、当該ピボット65によって支持されている。このピボット65は、ロッカーアーム60に接触する部分の形状が、半球面形の形状になっている。このため、ロッカーアーム60は、ピボット65に支持されている部分が略支点となって揺動可能に設けられており、ピボット65に支持されている側の端部と反対側の端部は、スプリングによって付勢力が与えられた排気バルブ5によって、前記押圧部57の方向に付勢力が与えられている。また、このようにロッカーアーム60は揺動可能に形成され、押圧部57の方向に付勢力が与えられているので、押圧部57側に突出した前記第2ローラ61は、押圧部57に接触している。
図2は、図1のA部詳細図である。前記排気バルブ5は、前記軸部15と傘部10を有している。このうち傘部10は、軸部15に軸方向において、可変動弁機構40が設けられている方向と反対方向に位置しており、排気バルブ5が内燃機関に設けられている状態においては、傘部10は排気バルブ5の下端側に位置している。また、当該傘部10は、円錐形に近い形状で形成されており、円錐形の底面はバルブ面11として形成されている。このバルブ面11は、前記内燃機関の燃焼室(図示省略)に面している。また、軸部15は、傘部10の斜面12側に位置しており、軸部15の一方の端部が円錐形の頂部に接続され、軸方向が円錐形の高さ方向と平行な方向になる向きで形成されている。
前記軸部15と前記傘部10とには、内部に連続した空洞が形成されており、この空洞は中空部18となっている。この中空部18には、例えば金属ナトリウムなどからなる冷媒20が封入されている。この冷媒20は、少なくとも前記内燃機関の運転時には液体の状態になっており、排気バルブ5が静止している状態では、冷媒20は中空部18内における傘部10の内部に位置している。
前記バルブガイド30は、前記シリンダヘッド25に固定されている。また、当該バルブガイド30は、略円筒形の形状で軸部15の周囲に設けられている。このバルブガイド30の形状である円筒形の内側の孔の径は、軸部15の径と同程度の径となっており、この孔に軸部15は挿通されている。このため、この孔がバルブガイド接触部31となって軸部15に接触している。また、このようにバルブガイド接触部31は軸部15の径と同程度の径の孔の形状で形成され、軸部15はこのバルブガイド接触部31に挿通されているため、当該軸部15はバルブガイド30によって軸方向以外の方向の動きが規制されている。即ち、軸部15は、バルブガイド30によって摺動可能に支持されている。
前記オイルシール35は、シリンダヘッド25に固定された静止部品となっており、軸部15の軸方向においてバルブガイド30よりも可変動弁機構40寄りの部分で軸部15に接触している。このオイルシール35には、軸部15の径とほぼ同じ径の孔が形成されており、この孔に軸部15は挿通されている。このため、この孔がオイルシール接触部36となって軸部15に接触している。また、このようにオイルシール接触部36は、軸部15の径と同程度の径の孔で形成されているため、オイルシール接触部36は、所定の幅で軸部15の周方向の全周に渡って接触している。また、このオイルシール35は、ゴム系の材料で形成されており、このため弾力性を有しているので、オイルシール接触部36は、ほとんど隙間が無い状態で軸部15に接触している。これにより、オイルシール35と軸部15との間をシールすることができるので、軸部15とバルブガイド30との間に、シリンダヘッド25内を流れるオイルが流れ込むことが抑制され、このオイルが排気バルブ5に沿って燃焼室方向に流れることが抑制される。
この実施例1に係る中空吸排気バルブ冷却装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。当該中空吸排気バルブ冷却装置1が設けられる内燃機関を運転した際には、可変動弁機構40が有するカムシャフト41が回転し、カムシャフト41に設けられている回転カム42も回転する。前記第1介在部材51には、第1ローラ52の外周面が排気バルブ5方向から回転カム42の外周面に接触するように付勢力が与えられており、回転カム42の回転に伴って第1ローラ52も回転しつつ第1ローラ52は回転カム42に接触し続ける。
また、回転カム42は、ノーズ部44を有しており、このノーズ部44は、円筒形の一部の形状からなるベース部43の径方向に突出している。このため回転カム42が回転すると、ノーズ部44が第1ローラ52側に位置して第1ローラ52と接触するごとに、当該第1ローラ52は排気バルブ5の方向に押される。第1ローラ52が押されると、第1介在部材51は支持シャフト45の周方向において、第1ローラ52が排気バルブ5の方向に移動する方向に回動する。前記第2介在部材55は、第1介在部材51と一体に回動するように設けられているため、第1介在部材51が回動すると、第2介在部材55も回動する。第2介在部材55が回動すると、第2介在部材55において前記ロッカーアーム60側に形成されている押圧部57が、前記支持シャフト45の径方向における中心を中心として回動しつつ、ロッカーアーム60が有する第2ローラ61を押圧する。
このように、押圧部57が第2ローラ61を押圧すると、第2ローラ61が回動しつつ、ロッカーアーム60において第2ローラ61が設けられている部分は、排気バルブ5の方向に押される。これによりロッカーアーム60は、当該ロッカーアーム60が前記ピボット65に支持されている部分を略支点として、ロッカーアーム60において排気バルブ5の動弁機構側端部17に接触している部分が排気バルブ5の方向に向かう方向に揺動する。この方向にロッカーアーム60が揺動することにより、排気バルブ5は動弁機構側端部17がロッカーアーム60によって傘部10の方向に押され、排気バルブ5は軸部15の軸方向における傘部10の方向に移動する。
この状態から、さらにカムシャフト41が回転し、回転カム42のベース部43が第1ローラ52に接触する位置まで回転をすると、第1介在部材51は、上述したように当該第1介在部材51に与えられている付勢力によって、第1ローラ52がカムシャフト41に近付く方向に回動する。第1介在部材51が回動すると、第2介在部材55も第1介在部材51と一体となって回動する。第2介在部材55がこのように回動すると、第2介在部材55に形成された押圧部57において第2ローラ61と接触している部分は、第2ローラ61から離れる方向に移動する。
この第2ローラ61を有するロッカーアーム60には、ピボット65に支持されている側の端部と反対側の端部に、前記スプリングによって排気バルブ5を介して押圧部57の方向に付勢力が与えられているため、ピボット65に支持されている部分が略支点となって、第2ローラ61が押圧部57方向に移動する方向に揺動する。これにより、排気バルブ5は、軸部15の軸方向における可変動弁機構40の方向に移動する。これらのように、内燃機関の運転時にカムシャフト41が回転し、ベース部43とノーズ部44とが形成された回転カム42が回転することにより、排気バルブ5は軸方向における傘部10の方向への移動と可変動弁機構40の方向への移動を繰り返し、当該排気バルブ5は軸部15の軸方向に往復運動をする。
また、この可変動弁機構40は、往復運動をする排気バルブ5の移動量、即ち、排気バルブ5のリフト量D(図2参照)を変化させることができる。具体的には、第1介在部材51と第2介在部材55とが、上述したように支持シャフト45の径方向における中心を中心として、互いに相対する角度を変化させることができるように設けられているため、これらの相対的な角度を変化させることにより、排気バルブ5のリフト量Dを変化させることができる。
第1介在部材51と第2介在部材55との相対する角度を変化させる場合には、支持シャフト45の内側に設けられたコントロールシャフト46を、当該コントロールシャフト46の軸方向に移動させる。このコントロールシャフト46は、第1介在部材51と第2介在部材55とを貫通するように設けられている。さらに、第1介在部材51と第2介在部材55との間には、コントロールシャフト46を軸方向に移動させることにより、支持シャフト45の径方向における中心を中心とした第1介在部材51と第2介在部材55との相対的な角度を変化させることのできる角度変化機構(図示省略)が設けられている。このため、コントロールシャフト46を軸方向に移動させることにより、第1介在部材51と第2介在部材55との相対的な角度を変化させることができる。
また、このように形成された可変動弁機構40で、排気バルブ5のリフト量Dを大きくする場合には、コントロールシャフト46を軸方向に移動させ、第1介在部材51が有する第1ローラ52と第2介在部材55に形成された押圧部57の凹面部59とが離れる方向に、第1介在部材51と第2介在部材55との相対的な角度を変化させる。
ここで、前記ロッカーアーム60が有する第2ローラ61は、第1介在部材51が有する第1ローラ52が回転カム42のベース部43に接触している状態においては、押圧部57の凸面部58に接触している。この凸面部58は、曲率中心が支持シャフト45の径方向における中心とほぼ一致しているため、第1介在部材51に対する第2介在部材55との相対的な角度を変化させた場合においても、凸面部58に接触する第2ローラ61と支持シャフト45の径方向における中心との距離は変化しない。このため、第1ローラ52が回転カム42のベース部43に接触している状態においては、排気バルブ5は往復運動の方向における可変動弁機構40側に位置し、第1介在部材51と第2介在部材55との相対的な角度が変化した場合においても、排気バルブ5の位置は変化しない。
一方、上記のように第1ローラ52と凹面部59とが離れる方向に第1介在部材51と第2介在部材55との相対的な角度を変化させた場合において、カムシャフト41が回転し、回転カム42のノーズ部44と第1ローラ52とが接触した場合には、凹面部59は第1ローラ52からの距離が大きい状態で排気バルブ5の方向に移動する。また、前記第2ローラ61は、第1ローラ52が回転カム42のノーズ部44に接触している状態においては、この凹面部59に接触する。このため、第2ローラ61は押圧部57の凹面部59によって大きく押圧され、ロッカーアーム60は、排気バルブ5側の端部が排気バルブ5の方向に移動する方向に、大きく揺動する。これにより、排気バルブ5は往復運動の方向において傘部10の方向に大きく移動する。つまり、リフト量Dが大きくなる。
これに対し、排気バルブ5のリフト量Dを小さくする場合には、コントロールシャフト46を軸方向に移動させ、第1介在部材51が有する第1ローラ52と第2介在部材55に形成された押圧部57の凹面部59とが近付く方向に、第1介在部材51と第2介在部材55との相対的な角度を変化させる。このように、第1介在部材51と第2介在部材55との相対的な角度を変化させた場合でも、上述したように第1ローラ52が回転カム42のベース部43に接触している状態においては、排気バルブ5は往復運動の方向における可変動弁機構40側に位置し、排気バルブ5の位置は変化しない。
一方、この状態でカムシャフト41が回転し、回転カム42のノーズ部44と第1ローラ52とが接触した場合には、凹面部59は第1ローラ52からの距離が小さい状態で排気バルブ5の方向に移動する。このため、回転カム42のノーズ部44と第1ローラ52とが接触した場合における凹面部59の位置は、第1ローラ52と凹面部59とが離れる方向に第1介在部材51と第2介在部材55との相対的な角度を変化させた場合の凹面部59の位置と比較して、カムシャフト41寄りの方向、或いは排気バルブ5から離れる方向の位置となる。これにより、凹面部59と接触する第2ローラ61を有するロッカーアーム60は、第1ローラ52と凹面部59とが離れる方向に第1介在部材51と第2介在部材55との相対的な角度を変化させた場合と比較して、揺動が小さくなる。従って、排気バルブ5は、往復運動の方向における傘部10の方向への移動量が小さくなり、リフト量Dが小さくなる。
図3は、図2の排気バルブが移動した状態を示す図である。前記排気バルブ5は、内燃機関の運転時に排気通路を開閉するように設けられているが、排気通路の開閉は、可変動弁機構40によって排気バルブ5が前記軸部15の軸方向に往復運動することによって行なわれる。この排気バルブ5が、オイルシール35が設けられている方向に移動(図2参照)すると排気通路は閉じられ、排気バルブ5が傘部10の方向に移動(図3参照)すると排気通路は開かれる。
また、前記内燃機関を運転した際には、内燃機関の燃焼室に面しているバルブ面11が、燃焼室内で燃料が燃焼することにより燃焼による熱を受ける。このバルブ面11が受けた熱は、その一部が前記中空部18内に封入された冷媒20に伝えられる。中空部18内の冷媒20には、このように燃焼室からの熱が伝えられるが、この冷媒20は、内燃機関の運転時における排気バルブ5の往復運動によって中空部18を移動し、慣性によって排気バルブ5の動きとは異なる動きで中空部18内を移動する。
このように、排気バルブ5は、内燃機関の運転時には燃焼室からの熱を受けながら可変動弁機構40によって往復運動をするが、可変動弁機構40は、排気バルブ5のリフト量Dを変化させることができるように設けられている。また、内燃機関の運転を制御する前記ECUは、内燃機関の運転状況に応じて可変動弁機構40を制御しており、内燃機関の通常運転時の排気バルブ5のリフト量Dよりも、内燃機関の暖気運転時の排気バルブ5のリフト量Dの方が小さくなるように制御している。即ち、可変動弁機構40は、内燃機関の通常運転時の排気バルブ5のリフト量Dよりも、内燃機関の暖気運転時の排気バルブ5のリフト量Dの方が小さくなるように設けられている。
ECUによる内燃機関の暖気運転時と通常運転時との判断は、内燃機関内を循環して内燃機関を冷却する冷却水(図示省略)の温度によって判断している。つまり、冷却水の経路には水温センサ(図示省略)が設けられており、内燃機関の運転時には水温センサによって冷却水の温度、即ち、水温を検出しているため、ECUは、この水温によって通常運転時と暖気運転時とを判断している。詳細には、ECUは、水温センサで検出した水温が所定の温度よりも低い状態での運転状態を暖気運転とし、水温がこの所定の温度よりも高い状態での運転状態を通常運転として可変動弁機構40を制御している。なお、内燃機関の通常運転とは、内燃機関の各作動部分の温度が、当該作動部分の寸法が規定の適正な寸法となる温度範囲内となっている状態での運転状態であり、暖気運転とは、冷間時の内燃機関の始動直後など、各作動部分の温度が、通常運転時の温度範囲よりも低い状態での運転状態をいう。
内燃機関の通常運転時に、可変動弁機構40によってリフト量Dが大きくなるように排気バルブ5を往復運動させた場合には、傘部10のバルブ面11から熱が伝えられ、温度が高くなった冷媒20が排気バルブ5の往復運動によって中空部18内を移動することにより、冷媒20の熱が軸部15に伝えられる。このように、軸部15に熱を伝える冷媒20は、冷媒20が傘部10方向から、動弁機構側端部17(図1参照)の方向に移動する際に軸部15に熱を伝えながら移動するため、軸部15における傘部10側の端部である傘部側端部16側から温度が高くなっていく。
温度が高くなった冷媒20が中空部18を移動することにより温度が高くなった軸部15には、バルブガイド30が接触している。このため、軸部15の熱は、バルブガイド接触部31を伝わってバルブガイド30に伝えられ、これにより、軸部15の熱の一部は、バルブガイド30に放熱され、バルブガイド30から、当該バルブガイド30が設けられるシリンダヘッド25に放熱される。
一方、内燃機関の暖気運転時に、可変動弁機構40によってリフト量Dが小さくなるように排気バルブ5を往復運動させた場合には、排気バルブ5の往復運動の方向における移動量が小さくなるのに伴い、中空部18内の冷媒20の移動量も小さくなる。このため、中空部18内の冷媒20は、中空部18内における傘部10の内部と、軸部15内の中空部18における傘部側端部16付近との間で移動する、或いは、中空部18内における傘部10の内部のみで移動する。これにより、冷媒20から軸部15には熱が伝わり難くなる。このため、冷媒20の熱は放熱し難くなるので、冷媒20の温度は低下し難くなり、燃焼室からバルブ面11が受けた熱は、冷媒20に伝わり難くなる。従って、暖気運転時に燃焼室で発生した熱は、冷媒20を介して放熱し難くなる。
図4は、実施例1に係る中空吸排気バルブ冷却装置が設けられた内燃機関の制御手順を示すフロー図である。前記中空吸排気バルブ冷却装置が設けられた内燃機関の制御手順を詳細に説明すると、まず、停止している状態の内燃機関を始動し、内燃機関の運転を開始させる(ステップST1)。次に、水温センサで、冷却水の温度である水温(T°)を検出する(ステップST2)。
次に、ECUで、水温センサで検出した水温(T°)が、通常運転時であるか暖気運転時であるかを判断する基準の温度、即ち、通常運転温度以上であるか否かを判断する(ステップST3)。このように、水温(T°)と通常運転温度とを比較し、水温(T°)が通常運転温度未満の場合、つまり、(T°<通常運転温度)の場合には、暖気運転時であると判断してステップST4に移行する。また、水温(T°)が通常運転温度以上の場合、つまり、(T°≧通常運転温度)の場合には、通常運転時であると判断してステップST5に移行する。
水温センサで検出した水温より、内燃機関が暖気運転時であるとECUで判断した場合には、可変動弁機構40によって排気バルブ5のリフト量Dを調整し、リフト量Dを小さくする(ステップST4)。暖気運転時には、このように中空吸排気バルブ冷却装置1は暖気運転時状態、つまり、排気バルブ5のリフト量Dが小さくなった状態となり、内燃機関は、この状態で運転し続け再び水温を検出する(ステップST2)。
一方、水温センサで検出した水温より、内燃機関が通常運転時であるとECUで判断した場合には、可変動弁機構40によって排気バルブ5のリフト量Dを暖気運転時におけるリフト量Dよりも大きくし、通常運転時のリフト量Dにする(ステップST5)。通常運転時には、このように中空吸排気バルブ冷却装置1は通常運転時状態、つまり、排気バルブ5のリフト量Dが暖気運転時のリフト量よりも大きくなった状態になり、通常運転に適したリフト量Dとなって内燃機関は通常運転を続ける。
以上の中空吸排気バルブ冷却装置1は、内燃機関の運転時に可変動弁機構40によって排気バルブ5を往復運動させており、また、排気バルブ5の内部には中空部18が形成され、当該中空部18には冷媒20が封入されている。このため、内燃機関の運転時には、可変動弁機構40によって排気バルブ5を往復運動させることにより、冷媒20は排気バルブ5内を移動する。さらに、可変動弁機構40で排気バルブ5のリフト量Dを、内燃機関の通常運転時のリフト量Dよりも暖気運転時のリフト量Dの方が小さくなるようにしている。これにより、排気バルブ5内における冷媒20の移動量は、通常運転時よりも暖気運転時の方が小さくなる。
また、排気バルブ5は、内燃機関に設けられている状態では、下端側に傘部10が位置しているため、排気バルブ5の静止時には、冷媒20は中空部18内の傘部10側に位置しているが、内燃機関の暖気運転時と通常運転時とで排気バルブ5のリフト量Dを変えることにより、暖気運転時における冷媒20は、通常運転時よりも傘部10付近から離れ難くなる。つまり、排気バルブ5のリフト量Dを変化させて、冷媒20の移動量を通常運転時よりも暖気運転時の方が小さくなるようにすることにより、暖気運転時における冷媒20は、通常運転時よりも傘部10付近から離れ難くなる。
この冷媒20は、内燃機関の運転時に、傘部10が燃焼室から受けた熱を受け、排気バルブ5内を移動してこの熱を他の部分に伝える役割を有しているが、暖気運転時の冷媒20の移動量を小さくして冷媒20が傘部10付近から離れ難くすることにより、傘部10の熱は冷媒20を介してシリンダヘッド25等に伝わり難くなる。これにより、暖気運転時には、燃焼室の熱は、シリンダヘッド25等を伝わって放熱し難くなり、燃焼室の温度を短時間で上昇させることができる。この結果、暖気運転の時間を短くすることができる。
また、暖気運転時に従来の内燃機関と同様に、燃料を多く燃焼させて内燃機関全体の温度を早急に上昇させ、暖気運転の時間を短くするためにアイドリングの回転数を上昇させた場合には、暖気運転時における排気バルブ5のリフト量Dを小さくすることにより、より暖気運転の時間を短くすることができる。つまり、暖気運転時にアイドリングの回転数を上昇させ、燃料を多く燃焼させることにより燃焼室で発生した多くの熱が、冷媒20を介してシリンダヘッド25等に放熱することを低減でき、燃焼室の温度をより短時間で上昇させることができる。これにより、暖気運転の時間を短くすることができ、早急にアイドリング回転数を下げて通常運転時におけるアイドリング回転数にすることができる。この結果、暖気運転時における燃料の消費量の低減を図ることができ、燃費の向上を図ることができる。
この実施例2に係る中空吸排気バルブ冷却装置は、実施例1に係る中空吸排気バルブ冷却装置と略同様の構成であるが、バルブガイドの近傍に冷却水路を設けている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略するとともに、同一の符号を付す。図5は、本発明の実施例2に係る中空吸排気バルブ冷却装置を示す概略図である。同図に示す中空吸排気バルブ冷却装置70は、シリンダヘッド25のバルブガイド30の近傍に、内燃機関内を循環する冷却水72が通る冷却水路71が、孔状の通路の形状で形成されている。この冷却水路71は、シリンダヘッド25のバルブガイド30の近傍においてバルブガイド30から離間した状態でバルブガイド30の周囲に形成されている。つまり、冷却水路71は、バルブガイド30に近接した状態でバルブガイド30の周囲に形成されている。さらに、複数の気筒(図示省略)を有する内燃機関には排気バルブ5は複数設けられているが、冷却水路71は、これらの複数の排気バルブ5の軸部15の周囲に設けられた各バルブガイド30の近傍に設けられている。また、各バルブガイド30の近傍に設けられる冷却水路71は、全て連続して形成されている。つまり、各バルブガイド30の近傍に設けられる冷却水路71は、全て連通している。
また、内燃機関は車両(図示省略)に搭載されており、当該車両には、車室内に車室ヒータ(図示省略)が配設されている。この車室ヒータは、運転中の内燃機関から熱を受けることによって温度が高くなった冷却水72と車室内に導入される空気との間で熱交換を行ない、この熱交換によって車室内の温度を上昇させることができる構造となっている。このため、前記冷却水路71内を通る冷却水72の少なくとも一部は、車室ヒータの方向に流れ、車室ヒータで車室内に導入される空気との間で熱交換を行なうことができるように設けられている。
この実施例2に係る中空吸排気バルブ冷却装置70は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。当該中空吸排気バルブ冷却装置70が設けられる内燃機関を運転した際には、上述した冷却水72が内燃機関内を循環し、この冷却水72は、バルブガイド30の近傍に形成される冷却水路71内にも供給され、冷却水路71内を流れる。
また、実施例2に係る中空吸排気バルブ冷却装置70では、内燃機関の暖気運転時には、排気バルブ5は可変動弁機構40(図1参照)によって往復運動のリフト量D(図2参照)が調整され、中空部18内の冷媒20が、中空部18のうち、排気バルブ5の往復運動の方向において冷却水路71が形成されている位置から傘部10の内部までの間に位置するリフト量Dで、排気バルブ5は往復運動をする。つまり、内燃機関の暖気運転時には、中空部18内を移動する冷媒20が、排気バルブ5の往復運動の方向において冷却水路71が形成されている位置から傘部10の内部までの間で移動するリフト量Dで排気バルブ5は往復運動をする。
このように、中空部18内を移動する冷媒20が、排気バルブ5の往復運動の方向において冷却水路71が形成されている位置から傘部10の内部までの間に位置し、この間で移動することにより、冷媒20は、傘部10が燃焼室から伝えられた熱を、排気バルブ5の往復運動の方向において冷却水路71が形成されている位置付近の軸部15に伝えることができる。つまり、冷媒20の熱が多くの部分に伝えられることを抑制し、軸部15における上記の部分に集中して伝えることができる。さらに、冷媒20から軸部15に伝えられた熱は、その軸部15の周囲に位置するバルブガイド30に伝えられる。
また、シリンダヘッド25に形成される前記冷却水路71は、バルブガイド30に近接しているため、排気バルブ5の往復運動の方向において冷却水路71が形成されている位置付近に冷媒20が位置した際に軸部15やバルブガイド30に伝えられた熱は、冷却水路71内の冷却水72に伝えられる。これにより、冷却水72の温度は上昇し、この冷却水72が車室ヒータの方向に流れることにより、車室ヒータで、車室内に導入される空気との間で熱交換を行ない、車室内の温度を上昇させる。
以上の中空吸排気バルブ冷却装置70は、可変動弁機構40によって暖気運転時の排気バルブ5のリフト量Dを調整し、暖気運転時における排気バルブ5のリフト量Dを、中空部18内の冷媒20が排気バルブ5の往復運動時に、当該往復運動の方向において冷却水路71が形成されている位置付近と傘部10の内部との間で移動するリフト量Dになるようにしている。これにより、暖気運転時に、傘部10が燃焼室から受け、さらに冷媒20が傘部10から受けた熱を、冷却水路71内の冷却水72に伝え易くすることができる。これにより、暖気運転時に、冷却水72の温度を早急に上昇させることができる。また、この冷却水72は、前記車室ヒータの方向にも流れ、車室内に導入される空気と熱交換をすることによって車室内を暖めている。従って、暖気運転時に、冷却水72の温度を早急に上昇させることにより、車室ヒータで車室内の温度も早急に上昇させることができる。この結果、内燃機関が搭載される車両の暖房性能の向上を図ることができる。
なお、実施例2に係る中空吸排気バルブ冷却装置70は、バルブガイド30の近傍に冷却水路71を形成しているが、バルブガイド30の近傍には内燃機関内を循環するオイルが流れるオイル通路(図示省略)を形成してもよい。このオイル通路は、実施例2に係る中空吸排気バルブ冷却装置70に形成された冷却水路71と同様に、孔状の通路の形状で形成し、シリンダヘッド25のバルブガイド30の近傍においてバルブガイド30から離間した状態でバルブガイド30の周囲に形成する。また、このように、バルブガイド30の周囲にオイル通路を形成した場合でも、実施例2に係る中空吸排気バルブ冷却装置70と同様に、内燃機関の暖気運転時には、可変動弁機構40で排気バルブ5のリフト量Dを調整し、排気バルブ5の往復運動の方向においてオイル通路が形成されている位置から傘部10の内部までの間に冷媒20が位置するリフト量で、排気バルブ5を往復運動させる。
これにより、内燃機関の暖気運転時に、傘部10を介して冷媒20が受けた燃焼室からの熱を、排気バルブ5の往復運動の方向においてオイル通路が形成されている位置付近の軸部15に集中して伝えることができ、さらに、この軸部15の熱をバルブガイド30及びシリンダヘッド25を介してオイル通路内のオイルに伝え易くなる。オイル通路内のオイルは、内燃機関の作動部分の潤滑などを行なうが、暖気運転時に燃焼室で発生した熱がオイルに伝わり易くなっているので、オイルの温度を早急に上昇させることができる。これにより、内燃機関内を循環するオイルの粘度を早急に小さくすることができ、当該内燃機関の始動直後に、オイル粘度に起因する各作動部分の抵抗、即ち、フリクションの低減を図ることができる。この結果、燃費の向上を図ることができる。
また、上述した中空吸排気バルブ冷却装置1、70では、ECUによって可変動弁機構40を制御し、内燃機関の運転中に自動的に排気バルブ5のリフト量Dが変化するように形成されているが、排気バルブ5のリフト量Dを、内燃機関の運転中に任意で変化させることができるように設けられていてもよい。例えば、内燃機関の運転を操作する操作部(図示省略)によって内燃機関を操作して外部から排気バルブ5のリフト量Dを変化させることができるようにし、操作部を操作することによって、内燃機関の暖気運転時には、通常運転時よりもリフト量Dが小さくなるようにしてもよい。内燃機関の暖気運転時には、通常運転時よりも排気バルブ5のリフト量Dが小さくなるようになっていれば、排気バルブ5のリフト量Dの調整は、自動的に変化させても、操作部からの操作など任意で変化させてもよい。
また、可変動弁機構40は、上述した形態や構造以外のものを用いてもよい。可変動弁機構は、内燃機関の運転中に自動的に、または任意で排気バルブ5のリフト量Dを変えることができるものであれば、上述した形態や構造以外のものでもよい。
また、上述した中空吸排気バルブ冷却装置1、70では、中空吸排気バルブ冷却装置1、70が有する中空吸排気バルブの一例として排気バルブ5を説明しているが、本発明に係る中空吸排気バルブ冷却装置1、70が有する中空吸排気バルブは、排気バルブ5以外の中空吸排気バルブでもよく、吸気バルブでもよい。排気バルブ5以外の中空吸排気バルブでも、内燃機関の暖気運転時の中空吸排気バルブのリフト量Dを、通常運転時の中空吸排気バルブのリフト量Dよりも小さくなるようにすることにより、暖気運転の時間を短くすることができる。
以上のように、本発明に係る中空吸排気バルブ冷却装置は、可変動弁機構を有する中空吸排気バルブ冷却装置に有用であり、特に、中空吸排気バルブ内に熱伝導媒体が封入された中空部が形成されている場合に適している。
本発明の実施例1に係る中空吸排気バルブ冷却装置を示す概略図である。 図1のA部詳細図である。 図2の排気バルブが移動した状態を示す図である。 実施例1に係る中空吸排気バルブ冷却装置が設けられた内燃機関の制御手順を示すフロー図である。 本発明の実施例2に係る中空吸排気バルブ冷却装置を示す概略図である。
符号の説明
1、70 中空吸排気バルブ冷却装置
5 排気バルブ
10 傘部
11 バルブ面
12 斜面
15 軸部
16 傘部側端部
17 動弁機構側端部
18 中空部
20 冷媒
25 シリンダヘッド
30 バルブガイド
31 バルブガイド接触部
40 可変動弁機構
41 カムシャフト
42 回転カム
43 ベース部
44 ノーズ部
45 支持シャフト
46 コントロールシャフト
51 第1介在部材
52 第1ローラ
55 第2介在部材
56 円弧面部
57 押圧部
58 凸面部
59 凹面部
60 ロッカーアーム
61 第2ローラ
65 ピボット
66 ピボット支持材
71 冷却水路
72 冷却水

Claims (3)

  1. 内燃機関に設けられ、且つ、軸部の一端に傘部を有すると共に前記軸部及び前記傘部の内部には中空部が形成されており、前記中空部には冷媒が封入される中空吸排気バルブと、
    前記内燃機関の運転時に前記中空吸排気バルブを往復運動させ、且つ、前記内燃機関の暖気運転時には前記中空吸排気バルブのリフト量を、前記内燃機関の通常運転時の前記中空吸排気バルブのリフト量よりも小さくする可変動弁機構と、
    を備えることを特徴とする中空吸排気バルブ冷却装置。
  2. 前記軸部の近傍には前記内燃機関内を循環する冷却水が流れる冷却水路が形成されており、
    前記可変動弁機構は、前記内燃機関の暖気運転時には、前記中空部のうちの、前記中空吸排気バルブの往復運動の方向において前記冷却水路が形成されている位置から前記傘部の内部までの間に前記冷媒が位置する前記リフト量で、前記中空吸排気バルブを往復運動させることを特徴とする請求項1に記載の中空吸排気バルブ冷却装置。
  3. 前記軸部の近傍には前記内燃機関内を循環するオイルが流れるオイル通路が形成されており、
    前記可変動弁機構は、前記内燃機関の暖気運転時には、前記中空部のうちの、前記中空吸排気バルブの往復運動の方向において前記オイル通路が形成されている位置から前記傘部の内部までの間に前記冷媒が位置する前記リフト量で、前記中空吸排気バルブを往復運動させることを特徴とする請求項1に記載の中空吸排気バルブ冷却装置。
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