JP2007182655A - 藍染め物品および染色方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】藍染めの際に染浴に残留する染料が多く、染色物の洗浄排水や残存する染浴の廃棄が難しい問題、染料原単位が他種の染料よりも大きい問題の解決が求められていた。
【解決手段】染浴に海水を混合することにより、染料藍の吸収が増加し、また染色物の色の濃さが大きくなることがわかった。これにより、排水処理コストの削減、染料原単位の削減が可能となった。

Description

本発明は、藍染めの際に染着量が増大し、色相が黒味を帯びた藍染め物品である。
本発明は、藍染めに用いる、染色物の染着量、色相を変化させる新規な添加物に関する。本発明は、藍染めにおける染料の吸収率を高める方法に関するものであり、染色排水の汚れの減少、および染料原単位の削減に有効である。
藍染めは建て染めの代表的なものであり、伝統的な染色法であると同時に、現代工業でも行われる手法である。しかし、新しい染色技術と比較すると堅牢度、とくに摩擦堅牢度に関しては十分でなく、色相の多様性も得にくい問題がある。
藍染め製品はジーンズとして広く流通しており、商品価値は高いが、最近の綿染色に用いられる反応性染料に比べると、染色時の染料の吸収率が低く、染色後に濃厚な染料溶液を残す欠点を有する。この廃液は環境汚染の原因になり、対策を要する上に、無駄な染料の使用を余儀なくさせる問題がある。
天然藍による藍染めは、堅牢度やコストに関して他の天然染料に対して優位性を持っているが、藍を建てる工程が長時間を要する問題があり、設備の効率が低い問題がある。
特開2005−200777号には種々の天然染料による綿製品などの染色において、硫酸ナトリウムの水溶液を用いて水の沸点以上の高温、高圧下で染色を行い、濃染化を達成しているが、本発明の目的としている、従来の温度領域での濃染については開示されていない。この特許には藍染めにも使用可能との記載はあるが具体的な例示はなく、通常の藍染めに用いられる室温付近からそれより数十度高い温度の範囲で硫酸ナトリウムの添加効果があることは述べられていない。
発明が解決しようとする問題
ジーンズの原料であるデニム織物は、経糸をインジゴで染めた後無色もしくは生成り色の緯糸を打ち込んでツイル構造に製織する。比較的安価な織物なので、経糸の染色のコストを可及的に低く抑えることが求められており、染色は濃厚なリュウコインジゴの溶液を用いて、少ない工程で濃色に染められる。染浴に残留する染料は回収使用されるが、経糸に付着して残った染料は液を絞る過程で酸化が進み、不溶性になるため、回収は困難である。繊維に付着して残った染料は、そのままにすると摩擦堅牢度を低下させるので洗浄される。この排水は濃い色を持ち、環境汚染の原因になるので、削減を図らなくてはいけない。
デニム織物の経糸の染色では、効率よく濃染するために染浴を多段に並べて染液の吸収と搾液を反復して染料の吸収率を高くしている。しかし搾液後の経糸に付着するリュウコインジゴが酸化されて、不溶性のインジゴ粉末として繊維の外側に付着して残留するため、摩擦堅牢度は一段で染色を行う場合よりも低下する問題がある。
ジーンズの色相は紺色を基調としているが、最近では微妙な色相の差異が求められることが多くなり、製品を改めて染色する方法や、洗い加工による脱色などで対応することが求められている。このような要求がある場合、通常の木綿の染色では異なる色の染料を混合することが通例であるが、その場合には同じタイプの染料を混合することが多い。別のタイプの染料を混合すると染め斑になり易い問題があり、同系色で鮮明度の高い染料を用いて色相を華やかにする場合を除き、あまり行われない。藍染では別の色の建て染め染料が少ないことが問題で、使える色が極めて限られている。
伝統的な工芸的藍染めでは、藍の草の葉を発酵させて製造した「スクモ」を更に微生物の作用により還元して染液を作る。微生物の導入には伝統的な技法が多数あり、微生物の餌になる物質や発酵の安定化をする物質の添加が行われる。発酵の安定化と生成するリュウコインジゴを水溶性にするために少量のアルカリが添加される。この工程を「建てる」と称しているが、建てる工程では発酵の進行とともに酸性物質が生成するのでアルカリを追加して発酵を安定化させる。この方法による染液は回収して利用することができないので、多数の容器を使用するなどの方法により薄い液から濃い液に段階的に漬けては固着させて、何回も繰り返し染色することで、薄められた染液を有効利用する。染料の吸収率が高くなれば染色回数を減らすことができ、染料等の原単位も少なくできる。
課題を解決するための手段
このような、藍を建てる工程の安定性や発酵の遅さなどの問題点を解決するために、種々検討した結果、染色工程で海水を使用したところ染料の吸収率が顕著に高まり、本発明に到達した。
海水は染色工程で添加しても効果があるが、染料の主要成分であるインジゴを還元する工程で、海水もしくは海水を希釈したものを使用すると、効果がさらに高まることを見出した。特に天然藍を建てる場合には染料の吸収率が高くなるばかりでなく、発酵の開始が顕著に早まり、短時間で染色可能になる。
海水は藍を建てる際に100%使用しても良く、従来の方法で建ててから添加しても良い。また海水を淡水で希釈してから使用しても良い。建て方としては天然藍に用いられる発酵建てばかりでなく、合成藍を使った化学薬品による建て方でも使用でき、染料の吸収率の増加と、色相の変化が認められた。
染料として、インジゴに他の建て染め染料を混合した場合でも、インジゴ成分の吸収率の増加が認められる。混合可能な染料としてはスレン染料および硫化染料である。
本発明の、染色した織物等の布帛およびその他の物品は、洗い加工などの処理を施すことが可能であり、製品の多様化に有効で、従来の加工と変わらぬ効果を示す。
発明の効果
本発明は、藍染めの染液の中に海水を混入することにより、従来の染液による染色よりも同一染料濃度で、より高い吸収率を得、より濃厚な色相を得た物品およびその製造方法に関する。本発明の染色物の耐光堅牢度は、従来の方法の染色物よりも概して高く、摩擦堅牢度も優れていた。色相は紫がかっており、繊維種類による差が大きい。絹と綿では青みが強く、レーヨンでは黒味を帯びる。
このような傾向から、本発明の染色物は従来の藍染めとは異なる色相になる利点がある。また染浴に残留するリュウコインジゴの量が少なく、排水の汚染が少ない利点がある。
デニム織物における経糸の染色のように、インジゴを含む濃厚な染液から濃い色に染める場合には、海水に、もしくは淡水で若干希釈した海水に、直接還元剤とアルカリを加えてインジゴのリュウコ化を進めることが好ましい。この場合には淡水を染液系として染色するよりも染料の吸収率が高いばかりでなく、繊維素材による色相の変化が顕著であることに特長がある。とくにレーヨン糸を用いた場合には色相が黒ずみ、紫側に変移するため、従来のジーンズに見られぬ優雅なイメージを作り出すことができる。またレーヨンの風合い的な特性から、ジーンズでは従来困難とされていたドレープ性のある製品を製造できる。
デニム織物の経糸の染色の場合、従来よりもインジゴ濃度を低めに設定することができるので、インジゴの原単位の削減ができる。インジゴ濃度は従来の8割程度にすることが可能である。
天然藍を使用する染色の場合には、海水の使用で発酵が開始するまでの時間を大幅に短縮できる。この理由ははっきりしていないが、海水の成分が微生物の栄養源になっている可能性がある。淡水を用いて藍を建て、これに海水を添加する方法では染料の吸収率の増大は見られるものの、発酵時間の短縮の利益は得られない。この方法の場合でも、海水の添加率が30%以上になると染料の吸収率が顕著に大きくなるので、染色回数の削減や染料原単位の低減が可能になる。
内容積45リットルの陶器の甕に木炭灰を蒸留水に溶かしたpH12.5の液を25リットル、瀬戸内海の海水15リットルを投入した後、この中にすくも1kg、水飴30gを混合し、30℃に保って発酵の開始を待った。木炭灰の溶液には不溶分を含有するので、木綿ネルを用いてろ過したものを使用した。発酵は24時間後には始まっており、48時間後には泡立ち等の外観から判断して染色に十分使える程度に発酵が進んでいた。これは通常の発酵立てと比較してきわめて早い立ち上がりと判断された。
この染液に綿100%、絹100%、スパンレーヨン100%の織布を浸漬し、5分間手で揉んで染液を浸透させた後5分間静置し、その後搾液し、軽く水洗した後、空気にさらしてインジゴの固定を行った。得られた織物の染色濃度を波長630μmのK/Sで評価したところ、それぞれ綿3.7、絹3.6、スパンレーヨン4.5であり、比較例と比べて染料の吸収率が大きくなっていた。
比較例
従来から行われている方法で藍染の染液を建てた。内容積45リットルの陶器の甕に木炭灰を蒸留水に溶かしたpH12.5の液を40リットル入れ、この中にすくも1kg、水飴30gを混合し、十分混合した後、30℃に保って発酵の開始を待った。発酵は48時間後には始まっており、90時間後には泡立ち等の外観から判断して染色に十分使える程度に発酵が進んでいた。
この染液に綿100%、絹100%、スパンレーヨン100%の織布を浸漬し、5分間手で揉んで染液を浸透させた後5分間静置し、その後搾液し、軽く水洗した後、空気にさらしてインジゴの固定を行った。得られた織物の染色濃度を波長630μmのK/Sで評価したところ、それぞれ綿3.1、絹2.9、スパンレーヨン3.4であった。
内容積45リットルの陶器の甕に木炭灰を蒸留水に溶かしたpH12.5の液を30リットル入れ、この中にすくも1kg、水飴30gを混合し、十分混合した後、30℃に保って発酵の開始を待った。発酵は48時間後には始まっていた。この液に瀬戸内海の海水を10リットルを加えて発酵を進めたところ、その後24時間後には泡立ち等の外観から判断して染色に十分使える程度に発酵が進んだ。これは通常の発酵立てと比較してきわめて早い立ち上がりと判断され、海水の添加が発酵の加速に有効であることがわかった。
この染液に綿100%、絹100%、スパンレーヨン100%の織布を浸漬し、5分間手で揉んで染液を浸透させた後5分間静置し、その後搾液し、軽く水洗した後、空気にさらしてインジゴの固定を行った。得られた織物の染色濃度を波長630μmのK/Sで評価したところ、それぞれ綿4.1、絹3.8、スパンレーヨン4.9であった。染色物の色相は実施例1および比較例に比べて顕著に黒味が大きく、特にレーヨンの場合には顕著であった。
内容積25リットルの琺瑯びき容器に蒸留水15リットル、合成インジゴ2.5g、ハイドロサルファイト25gを投入し、炭酸ナトリウムを投入しながらpHが11から13.5になるように調整しながらインジゴの青色が消えるまで反応させた。この液に瀬戸内海の海水5リットルを混入し、染浴とした。
この染液に綿100%、絹100%、スパンレーヨン100%の織布を浸漬し、5分間手で揉んで染液を浸透させた後5分間静置し、その後搾液し、軽く水洗した後、空気にさらしてインジゴの固定を行った。得られた織物の染色濃度を波長630μmのK/Sで評価したところ、それぞれ綿4.5、絹4.3、スパンレーヨン5.3であった。染色物の色相は比較例に比べて顕著に黒味が大きく、特にレーヨンの場合には顕著であった。

Claims (5)

  1. 染色過程で海水を混合することにより、染着量が増加し、色相が黒味を帯びた藍染め物品。
  2. 藍染めの際にインジゴのリュウコ体の形成を、海水を30%以上添加した水溶液で行うことを特徴とする染色方法。
  3. 藍染めの際に天然藍を含有するスクモおよび水溶性有機物およびアルカリを混合した、海水と淡水の混合物の中でリュウコ体の形成を行うことを特徴とする染色方法。
  4. 天然もしくは合成インジゴもしくはこれらの混合物に水および還元剤およびアルカリおよび海水を混合し、リュウコ体の形成を行うことを特徴とする染色方法。
  5. リュウコ体の形成を、海水を含有しない系で行った後、海水を添加して染色を行うことを特徴とする藍染めの染色方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010005404A3 (en) * 2008-07-10 2010-05-06 Gap Guneydogu Tekstil Sanayi Ve Ticaret Anonim Sirketi Process related to colouring of the cotton textile raw materials and products by means of using vegetable dye solution.

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