JP2007182121A - 車載電子制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の定電圧出力を生成する定電圧電源回路部111と、上記定電圧電源回路部からの電圧を基準電圧としてアナログ入力をデジタル出力に変換する多チャンネルAD変換器114と、定電圧電源回路部の近傍の温度を検出する温度検出センサ112bと、温度検出センサの温度に対応する定電圧電源回路部の出力電圧を推定する電圧推定手段125と、推定された上記出力電圧にもとづいて多チャンネルAD変換器のデジタル出力を補正する補正演算手段126を備えた構成とする。
【選択図】図2
Description
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1の構成を示す全体ブロック図である。図1において,車載電子制御装置100aは図示しない密閉筐体に収納された1枚の電子基板上に実装され,図示しない脱着コネクタを介して以下に述べる外部入出力機器と接続されるようになっている。
開閉センサ群103には例えば変速機用のシフトレバーの選択位置に応動するシフトスイッチや車速センサ等の開閉スイッチが含まれている。アナログセンサ群104にはアクセルペダルの踏込み度合いを検出するアクセルポジションセンサ,変速機用の油圧センサ,油温センサ等のアナログセンサが含まれている。
多チャンネルAD変換器114はアナログセンサ群104とマイクロプロセッサ110aのデータバス間に接続され,ノイズフィルタやデータセレクタなどを包含する例えば10ビット精度のアナログ→デジタル変換回路となっている。
ツールインタフェース119は外部ツール109とマイクロプロセッサ110aのデータバス間に接続され,外部ツール109とシリアル接続されるシリアルインタフェース回路となっている。
従って,多チャンネルAD変換器114のある入力端子に印加された入力電圧がAiであるときに,この入力電圧Aiに対するデジタル変換値Diは次式で示される。
K= 2n−1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
ただし,指数nは多チャンネルAD変換器114の分解能となるビット数であり,例えば10ビット分解能のものであればK=1023となる。
補正演算手段126は電圧推定手段125によって推定された定電圧電源回路部111の出力圧と換算処理データ124とに基づいて多チャンネルAD変換器114によるデジタル変換電圧の少なくとも一部の値を補正するようになっている。
標準特性300aは複数点のデータテーブルまたは近似算式である校正処理データ123として不揮発メモリ120aに格納されている多数の定電圧電源回路部111に関する電源電圧変動特性の平均特性であり,例えば出荷調整時の校正温度T1における出力電圧V1aや,実用時点において温度センサ112bによって測定された計測温度T2における出力電圧V2aは,上記近似算式に温度T1やT2を代入して算出したり,データテーブルの場合には補間演算によって算出される値となっている。
V2b=V2a×(V1b/V1a)・・・・・・・・・・・(3)
V2b=V2a×(α1〜α3) ・・・・・・・・・・・(4)
α1=V1b/V1a, α3=V3b/V3a・・・・・・・・・(5)
なお,係数α1〜α3の値は実用計測温度T2が校正温度T1に近づくとα1の値に接近し,実用計測温度T2が校正温度T3に近づくとα3の値に接近した値となるように補間演算されるものである。
I1aとなっている。
I0であるときの出力電圧Vは次式で示される。
V=A−B×I0 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
A=(Imax×V1a−I1a×Vmin)/(Imax−I1a)・・・(7)
B=(V1a−Vmin)/(Imax−I1a)・・・・・・・・・・(8)
検出電圧係数が算出されると,実際に得られたアナログ信号電圧のデジタル変換値に対してこの検出電圧係数を掛け合わせたものが校正された検出出力となるものである。
K2b=V2b/5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9)
T2a=T2b×(T1a/T1b)・・・・・・・・・・・(10)
検出電圧T2aが算出されると標準特性500aから実用計測温度T2の値が算出されることになる。
T2a=T2b×(β1〜β3) ・・・・・・・・・・・(11)
β1=T1a/T1b, β3=T3a/T3b・・・・・・・・・(12)
なお,係数β1〜β3の値は実用計測温度T2が校正温度T1に近づくとβ1の値に接近し,実用計測温度T2が校正温度T3に近づくとβ3の値に接近した値となるように補間演算されるものである。
このようにして,検出電圧T2aが算出されると標準特性500aから実用計測温度T2の値が算出されることになる。
校正処理データ123としては,外部設置計測装置200によって高精度に測定された車載電子制御装置100aの側近外部温度T0から推定される定電圧電源回路部111の近傍推定温度Tnと定電圧電源回路部111の実際の定電圧出力電圧Vccが外部ツール109からマイクロプロセッサ110aを介して不揮発メモリ120aに転送書込みされると共に,同一時点における温度センサ112bの温度検出電圧Tに対するデジタル変換値も多チャンネルAD変換器114からマイクロプロセッサ110aを介して不揮発メモリ120aに転送書込みされる。
また,定電圧回路部111の出力電流の増大に伴う出力電圧の変動も図3(C)で示したように標準的な垂下特性データと実際の負荷転流検出回路111cの検出信号とによって算出することができる。
しかし,図4で示したように推定される電源電圧に対応した補正係数を算出し,実測値にこの補正係数を掛けることによってより正確な物理量を検出することができるようになっている。
従って,負荷電流の変動による出力電圧の変動を推定して,デジタル変換特性を補正することができるので,安価な定電圧電源回路を使用することができる特徴がある。
従って,制御装置内部の広範囲な温度変動に対して定電圧電源回路部の出力電圧が変動しても,手軽な校正手段によってアナログセンサの入力電圧に対応して補正されたデジタル検出出力が得られるので,定電圧電源回路部を安価に構成することができる特徴がある。
従って,制御装置内部の広範囲な温度変動に対して定電圧電源回路部の出力電圧が変動しても,正確な校正手段によってアナログセンサの入力電圧に対応して補正されたデジタル検出出力が得られるので,定電圧電源回路部を安価に構成することができる特徴がある。
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。図6は、実施の形態2による発熱抑制制御ブロック図である。なお,実施の形態2における車載電子制御装置100bの全体構成は図1に示す実施の形態1と同様であるため、同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
なお,異常処理手段623による異常判定出力はCPU温度推定手段622による推定温度が第一の閾値を超過したときに作用して,上記推定温度が第一の閾値よりも小さな値である第二の閾値以下となったときに解除されるようになっている。
なお,異常処理手段633による異常判定出力は開閉素子温度推定手段632による推定温度が第一の閾値を超過したときに作用して,上記推定温度が第一の閾値よりも小さな値である第二の閾値以下となったときに解除されるようになっている。
また,上記複数のパワートランジスタの通電電流の総和に比例した積分信号出力の移動平均値620は,個々のトランジスタ115の通電電流の移動平均値630の総和によって算出されるものとなっている。
論理和手段611は異常処理手段623又は633の少なくとも一方が異常検出出力を発生しているときに作用して,報知手段である警報・表示器107を作動させ,発熱抑制手段612によってパワートランジスタ115の通電を遮断するようになっている。
消費電力P=(電源電圧Vb−出力電圧Vcc)×(負荷電流I0)
平均データ713・723・733はデータD10〜D19・D20〜D29・D30〜D39の内容を加算して10で割った値であり,熱時定数τ1・τ2・τ3の期間における通電電流の移動平均値を示している。
上記開閉素子温度推定参照データ631は上記車載バッテリ101の電源電圧Vbと,上記複数のパワートランジスタ115の通電電流の総和に比例した積分信号出力の移動平均値620と,特定のトランジスタの通電電流の移動平均値630と,上記温度検出センサ112bの温度検出出力Tとに対応した上記特定のパワートランジスタ115の周辺温度に関する相関特性について,予め実測測定して得られたデータテーブル又は近似算式となっている。
従って,マイクロプロセッサの周辺温度は定電圧電源回路部や負荷駆動用開閉素子であるパワートランジスタ等の発熱部分に比べて遅れて変化する傾向にあるが,一旦異常報知が行われると十分な温度低下回復を待って異常解除するようになっているので安全性が向上する特徴がある。
101 車載バッテリ、 102 電源スイッチ、 103 開閉センサ群、
104 アナログセンサ群、 105 電気負荷群(リニアソレノイド)、
107 警報・表示器(報知手段)、 108 自動変速機、 109 外部ツール、
110a マイクロプロセッサ、 110b マイクロプロセッサ、
111 定電圧電源回路部、 111b 電源電圧検出回路、 111c 負荷電流検出回路、
112b 温度検出センサ、 113 入力インタフェース回路、
114 多チャンネルAD変換器、
115 出力インタフェース回路(パワートランジスタ)、 116 電流検出回路、
119 ツールインタフェース、 120a 不揮発メモリ、 120b 不揮発メモリ、
121 RAMメモリ、 123 校正処理データ、 124 換算処理データ、
125 電圧推定手段、 126 補正演算手段、 200 外部設置計測装置、
201 基準温度センサ、 202 温度測定器、 203 電圧測定器、
612 発熱抑制手段、 620 積分信号の移動平均値、
621 CPU温度推定参照データ、 622 CPU温度推定手段、
623 異常処理手段、 630 通電電流の移動平均値、
631 開閉素子温度推定参照データ、
632 開閉素子温度推定手段、 633 異常処理手段、 Ai アナログ入力電圧、
T 対比データ(近傍内部温度)、 T0 外部計測データ(側近外部温度)、
Tn 換算温度データ(近傍推定温度)、 V0 外部計測データ(外部測定電圧)、
Vb 電源電圧、 Vcc 定電圧出力、 Vref 基準電圧。
Claims (11)
- 外部ツールを介して転送書込みされる制御プログラムと制御定数とを格納し、校正処理データと換算処理データと電圧推定手段と補正演算手段となるプログラムとを包含している不揮発メモリ及び演算処理用RAMメモリと協働するマイクロプロセッサを有する車載電子制御装置であって,車載バッテリから給電されて所定の定電圧出力を生成する定電圧電源回路部と、上記定電圧電源回路部の近傍に設置され、上記定電圧電源回路部から給電されて定電圧電源回路部近傍の温度に感応した温度検出電圧を発生する熱感応素子によって構成された温度検出センサと、上記温度検出センサの出力電圧が入力され,アナログ入力電圧が上記定電圧電源回路部から供給された基準電圧に等しくなったときに所定分解能の最大デジタル出力を発生すると共に,多数のアナログ入力に対するデジタル変換値を選択的に上記マイクロプロセッサに入力する変換回路素子を構成する多チャンネルAD変換器とを備え,上記校正処理データは調整操作時点における環境温度から推定される上記定電圧電源回路部の近傍推定温度と,上記定電圧電源回路部の実際の出力電圧に関する外部計測データとを上記外部ツールから転送書込みすると共に,上記多チャンネルAD変換器によってデジタル変換された上記温度検出センサの対比データとしての温度検出電圧を包含し、上記換算処理データは上記多チャンネルAD変換器に入力される多数のセンサ入力について予め実測測定して統計的に算出された電源電圧対検出出力電圧の平均的な検出変動特性データを包含し,上記電圧推定手段は上記温度検出センサの検出出力と上記校正処理データとを参照して異なる温度環境下における定電圧電源回路部の出力電圧を推定し,上記補正演算手段は上記電圧推定手段によって推定された定電圧電源回路部の出力電圧と上記換算処理データとに基づいて上記多チャンネルAD変換器によるデジタル変換電圧の少なくとも一部の値を補正するようにしたことを特徴とする車載電子制御装置。
- 上記校正処理データは更に,多数の製品について予め実測測定して統計的に算出された上記定電圧電源回路部の出力電圧対出力電流特性の平均的な電圧変動率データを包含し,上記電圧推定手段は更に負荷電流検出回路によって検出された上記定電圧電源回路部の出力電流の値と上記電圧変動率データとに対応して定電圧電源回路部の出力電圧の推定値を補正するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車載電子制御装置。
- 上記校正処理データの転送書込み時における調整操作は常温環境温度で実施され,高温環境での出力電圧の変動特性は多数の製品について予め実測測定して統計的に算出された平均的な電圧変動率データが適用されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載電子制御装置。
- 上記校正処理データの転送書込み時における調整操作時点の環境温度は常温環境での調整操作に加えて高温環境における調整操作が付加され,調整操作の対象となった現品に内蔵されている上記温度検出センサと定電圧電源回路部自体の温度特性が測定記憶されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載電子制御装置。
- 外部ツールを介して転送書込みされる制御プログラムと制御定数とを格納し、CPU温度推定参照データとCPU温度推定手段となるプログラムと異常処理手段となるプログラムを包含している不揮発メモリと,演算処理用RAMメモリと協働するマイクロプロセッサを有する車載電子制御装置であって,車載電気負荷群の電流を開閉制御する複数のパワートランジスタと車載バッテリから給電されて所定の定電圧出力を生成する定電圧電源回路部と温度検出センサと上記温度検出センサの出力電圧が入力され,アナログ入力電圧が上記定電圧電源回路部から供給された基準電圧に等しくなったときに所定分解能の最大デジタル出力を発生すると共に,多数のアナログ入力に対するデジタル変換値を選択的に上記マイクロプロセッサに入力する変換回路素子を構成する多チャンネルAD変換器とを備え,上記温度検出センサは上記定電圧電源回路部の近傍に設置され、上記定電圧電源回路部から給電されて上記定電圧電源回路部近傍の温度に感応した温度検出電圧を発生する熱感応素子によって構成され,上記CPU温度推定参照データは上記車載バッテリの電源電圧と,上記複数のパワートランジスタの平均通電電流の総和に比例した積分信号出力の移動平均値と,上記温度検出センサの温度検出出力とに対応し上記マイクロプロセッサの周辺温度に関する相関特性にもとづいて,予め実測測定して得られたデータテーブル又は近似算式であり,上記CPU温度推定手段は上記CPU温度推定参照データを参照して上記定電圧電源回路部の近傍に設置された温度検出センサの温度検出出力と車載バッテリの電源電圧と上記積分信号出力の移動平均値に対応して上記マイクロプロセッサの環境温度を推定し、上記異常処理手段は上記CPU温度推定手段による推定温度が過大であるときに作用して,報知手段による警報・表示を行うようにされていることを特徴とする車載電子制御装置。
- 上記不揮発メモリは更に,開閉素子温度推定参照データと開閉素子温度推定手段となるプログラムと異常処理手段となるプログラムとを包含し,上記開閉素子温度推定参照データは上記車載バッテリの電源電圧と,上記複数のパワートランジスタの通電電流の総和に比例した積分信号出力の移動平均値と,特定のトランジスタの通電電流の移動平均値と,上記温度検出センサの温度検出出力とに対応した上記特定のパワートランジスタの周辺温度に関する相関特性にもとづいて,予め実測測定して得られたデータテーブル又は近似算式であり,上記開閉素子温度推定手段は上記開閉素子温度推定参照データを参照して上記定電圧電源回路部の近傍に設置された温度検出センサの温度検出出力と車載バッテリの電源電圧と積分信号出力の移動平均値と特定のトランジスタの通電電流の移動平均値とに対応して上記特定のパワートランジスタの環境温度を推定するようにし、上記異常処理手段は上記開閉素子温度推定手段による推定温度が過大であるときに警報・表示を行うようにしたことを特徴とする請求項5に記載の車載電子制御装置。
- 上記特定のトランジスタの通電電流の移動平均値は、上記特定のトランジスタの熱時定数を目安とした時間を基準として旧データが廃棄され,残された最新データの時間積分値を熱時定数で割って得られる平均値であり,上記複数のパワートランジスタの通電電流の総和に比例した積分信号出力の移動平均値は,個々のトランジスタの通電電流の移動平均値の総和によって算出されることを特徴とする請求項6に記載の車載電子制御装置。
- 上記CPU温度推定参照データ又は開閉素子温度推定参照データにおける相関特性要因には上記定電圧電源回路部の負荷電流検出値が付加され,上記車載バッテリの電源電圧と上記負荷電流とによって定電圧電源回路部の自己発熱が推定され,上記積分信号出力の移動平均値によって複数のパワートランジスタの全体発熱量が推定され,上記温度検出センサの温度検出出力に包含されている大気環境温度との組合せによってCPU温度又は開閉素子温度が推定されることを特徴とする請求項6に記載の車載電子制御装置。
- 上記異常処理手段は更にヒステリシス機能を包含し,上記CPU温度推定手段又は開閉素子温度推定手段による推定温度が第一の閾値を超過したときに異常判定を行ない,上記推定温度が上記第一の閾値よりも小さな値である第二の閾値以下となったときに異常判定を解除することを特徴とする請求項6に記載の車載電子制御装置。
- 上記異常処理手段となるプログラムは更に,発熱抑制手段となるプログラムを包含し,上記異常処理手段が異常報知出力を発生しているときに発熱抑制機能が作用して,上記複数のパワートランジスタの少なくとも一部の通電を停止することを特徴とする請求項5ないし請求項9のいずれか1項に記載の車載電子制御装置。
- 上記発熱抑制手段により通電停止されるパワートランジスタは,自動変速機の変速段を切り替え制御する電磁弁駆動用トランジスタであって,上記パワートランジスタの通電停止に伴って上記自動変速機の変速段が退避走行を行うのに適した固定の変速段に保持されることを特徴とする請求項10に記載の車載電子制御装置。
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