JP2007181970A - インク受容性粒子、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、記録装置、及びインク受容性粒子収納カートリッジ - Google Patents

インク受容性粒子、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、記録装置、及びインク受容性粒子収納カートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】種々のインクを利用しても、多様な記録媒体に対して高速で記録が可能となるインク受容性粒子を提供すること。また、本発明は、このインク受容性粒子を利用した、インク受容性粒子、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、記録装置、インク受容性粒子収納カートリッジを提供すること。
【解決手段】インクを受容するインク受容性粒子であり、少なくとも有機・無機ハイブリッド粒子102が集合した複合体粒子100とする。このインク受容性粒子を利用した、インク受容性粒子、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、記録装置、インク受容性粒子収納カートリッジである。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクを受容させて記録媒体に転写し、例えば画像やデータ等を記録するためのインク受容性粒子に関する。また、本発明は、このインク受容性粒子を利用した、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、記録装置、インク受容性粒子収納カートリッジに関する。
インクを利用した画像やデータ等を記録の一つとして、インクジェット記録方式がある。インクジェット記録方式の原理は、ノズル、スリット、或いは多孔質フィルム等から液体或いは溶融固体インクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録を行うものである。インクを吐出する方法については、静電誘引力を利用してインクを吐出させる、いわゆる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用してインクを吐出させる、いわゆるドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、高熱により気泡を形成、成長させることにより生じる圧力を利用してインクを吐出させる、いわゆる熱インクジェット方式等、各種の方式が提案されており、これらの方式により、極めて高精細の画像やデータの記録物を得ることができる。
このインクジェット記録方式も含め、インクを利用した記録方式では、浸透媒体や非浸透媒体などの多様な記録媒体に対し高画質で記録を行うために、中間体に記録した後、記録媒体に転写する方式が提案されている。
例えば、特開2000−343808には、吸水性の異なるポリマー、サイズの異なる吸水ポリマー、架橋度の異なる吸水ポリマー等、複数種の粉末混合体を中間体上に供給しつつ記録を行う方式が提案されている。
また、特開2000−94654には、中間体上にインクとの接触でインクを増粘させる固体粒子(多糖高分子、アルギン酸、カラギーナン等の粒子)を供給しつつ記録を行う方式が提案されている。
また、特開2003−57967には、中間体上に疎水性樹脂粒子層を形成し、疎水性樹脂粒子層の空隙にインク(例はSD型染料インクスロードライ型(Slow Dry型))を保持させて記録媒体に転写する方式が提案されている。
また、特開2002−370347には、中間体(シート)に湿式で無機粒子、親水性ポリマー等を塗布した空隙型インク吸収層を設け、そこに染料インクを噴射し、記録媒体に転写する方式が提案されている。
さらに、特開2002−321443には、熱可塑性樹脂粒子と非熱可塑性粒子とを含有し、熱可塑性樹脂粒子のMFT以下の温度で乾燥されて形成された多孔質インク吸収層を有するインクジェット中間転写媒体が提案されている。
特開2000−343808 特開2000−94654 特開2003−57967 特開2002−370347 特開2002−321443
しかしながら、上記提案では、多様な記録媒体に対し高画質で記録を行うことができるが、昨今の高速記録化への要求に対しては、未だ不十分であるのが現状であり、改善が望まれている。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、種々のインクを利用しても、多様な記録媒体に対して高速で記録が可能となるインク受容性粒子を提供することである。また、本発明は、このインク受容性粒子を利用した、インク受容性粒子、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、記録装置、及びインク受容性粒子収納カートリッジを提供することを目的としている。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明のインク受容性粒子は、インクを受容するインク受容性粒子であって、
有機材料及び無機材料を含む有機・無機ハイブリッド粒子を有することを特徴としている。
本発明のインク受容性粒子は、少なくとも前記有機・無機ハイブリッド粒子が集合した複合体粒子であることが好ましい。
本発明のインク受容性粒子において、前記複合体粒子は、少なくとも、前記有機・無機ハイブリッド粒子に加え、有機樹脂粒子及び/又は無機粒子が集合した複合体粒子であることがよい。
本発明のインク受容性粒子において、前記複合体粒子を構成する粒子間の間隙が最大口径で0.1〜5μmであることがよい。
また、本発明のマーキング材料は、インクと、上記本発明のインク受容性粒子と、を備えることを特徴としている。
また、本発明のインク受容方法は、上記本発明のインク受容性粒子にインクを受容する方法であって、
前記有機・無機ハイブリッド粒子における有機材料と前記無機材料との界面部の間隙に少なくとも前記インクの液体成分をトラップするトラップ工程を有することを特徴としている。
また、本発明の記録方法は、
インクと、上記本発明のインク受容性粒子と、を用いた記録方法であって、
前記インクを、インク受容性粒子に受容する工程と、
前記インクを受容した前記インク受容性粒子を記録媒体に転写する工程と、
を有することを特徴としている。
本発明の記録方法において、前記記録媒体上に転写された前記インク受容性粒子を定着する工程を、さらに有することがよい。
また、本発明の記録装置は、
インクと、上記本発明のインク受容性粒子と、を用いた記録装置であって、
前記インクを、インク受容性粒子に受容する吐出手段と、
前記インクを受容した前記インク受容性粒子を記録媒体に転写する転写手段と、
を有することを特徴としている。
本発明の記録装置において、前記記録媒体上に転写された前記インク受容性粒子を定着する定着手段を、さらに有することがよい。
また、本発明のインク受容性粒子収納カートリッジは、記録装置に脱着可能に配設され、上記本発明のインク受容性粒子を収納することを特徴としている。
本発明によれば、種々のインクを利用しても、多様な記録媒体に対して高速で記録が可能となるインク受容性粒子を提供することができる。また、本発明は、このインク受容性粒子を利用した、インク受容性粒子、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、記録装置、及びインク受容性粒子収納カートリッジを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(インク受容性粒子)
本発明のインク受容性粒子は、インクを受容するものである。ここで、インク受容性とは、インク成分の少なくとも1部(少なくとも液体成分)を保持することを示す。そして、本発明のインク受容性粒子は、少なくとも有機材料及び無機材料を含む有機・無機ハイブリッド粒子を有する。
本発明のインク受容性粒子は、有機・無機ハイブリッド粒子単独の粒子であってもよく、少なくとも有機・無機ハイブリッド粒子が集合した複合体粒子であってもよいが吸液性の点から当該複合体粒子であることが好ましい。
本発明のインク受容性粒子が有機・無機ハイブリッド粒子単独の粒子である場合、インク受容性粒子がインクを受容する際(インク受容方法)、インクがインク受容性粒子に付着すると、少なくともインクの液体成分を有機・無機ハイブリッド粒子における有機材料と無機材料との界面部によってインク液体成分が捕獲(トラップ)される。このため、吸液速度が従来よりも早く、且つ吸液したインクの液体成分の保持能が向上する。これは、有機・無機ハイブリッド粒子は、無機材料が一部露出しており、有機材料と無機材料との界面部に間隙を有するため、この間隙により、インク液体成分が捕獲(トラップ)されるためと考えられる。
このようにして、インク受容性粒子はインクを受容する。そして、インクを受容したインク受容性粒子を記録媒体に転写することで、記録が行われる。従って、種々のインクを利用しても、多様な記録媒体に対して高速で記録が可能となる。
一方、本発明のインク受容性粒子が少なくとも有機・無機ハイブリッド粒子を含む複合体粒子である場合、インク受容性粒子がインクを受容する際(インク受容方法)、まず、インクがインク受容性粒子に付着すると、少なくともインクの液体成分を複合体粒子を構成する粒子(少なくとも有機・無機ハイブリッド粒子)間の間隙(以下、粒子間間隙(空隙)をトラップ構造と称する場合がある)によりトラップする。このとき、インクの成分のうち記録材は顔料や染料などを問わず、インク受容性粒子表面に付着又はトラップ構造によりトラップされる。このようにして、インク受容性粒子はインクを受容する。そして、インクを受容したインク受容性粒子を記録媒体に転写することで、記録が行われる。
このトラップ構造によるインク液体成分のトラップは、物理的な粒子壁構造による捕獲なので、吸液速度が早く、乾燥時間が短縮される。このため、インクを受容したインク受容性粒子は浸透媒体や非浸透媒体など問わず多様な記録媒体へ短時間で転写が可能となる。
そして、インク受容性粒子として、少なくとも有機・無機ハイブリッド粒子が集合した複合体粒子を適用することで、当該複合体粒子を構成する粒子間の間隙(物理的な粒子壁構造)による捕獲(トラップ)に加え、上述のように有機・無機ハイブリッド粒子における有機材料と無機材料との界面部によってもインク液体成分が捕獲(トラップ)されるため、吸液速度が従来よりも早く、且つ吸液したインクの液体成分の保持能が向上する。
従って、種々のインクを利用しても、多様な記録媒体に対して高速で記録が可能となる。
本発明のインク受容性粒子は、その構成する粒子に、吸液性樹脂や多孔質体を適用した場合、トラップされたインクの液体成分は吸液性樹脂や多孔質体によりインクの液体成分が吸収、保持される。このため、より保持安定性が向上し、転写の際、インクを受容したインク受容性粒子へ物理的な力が加わっても、液体成分が漏れ出すこともなく滲みなどが生じることない。
また、インクの液体成分が完全にトラップされた状態で、インク受容性粒子は記録媒体に転写されるので、記録媒体のカール、カクル、さらには吸液による記録媒体強度低下も防止される。
また、インク受容性粒子の転写後、インク受容性粒子を構成する有機樹脂成分は、インクに含まれる記録材の結着樹脂や被覆樹脂として機能するので、定着性や記録物の定着性(耐擦性)をも向上させ、記録物のグロス制御も可能となる。さらに、インク受容性粒子が複合体粒子の場合、そのトラップ構造に記録材をトラップするので、記録材として顔料や染料問わず、高発色が得られる。特に、インク受容性粒子を構成する有機樹脂成分として、透明樹脂を適用することで、より高発色が得られる。
なお、記録材として顔料等の不溶成分、分散粒子状物を用いたインク(例えば顔料インク)の定着性(耐擦性)を改善するためにはインクに多量のポリマー添加が必要だが、インク(その処理液含む)中に多量のポリマーを添加すると、インク吐出手段のノズル目詰り等の信頼性が悪化してしまう。これに対し、本発明では、インク受容性粒子を構成する有機樹脂成分が当該ポリマーの機能を果たすので、高画質・高定着とシステムの高信頼の両立が可能となる。
ここで、「前記複合体粒子を構成する粒子間の間隙」、即ち「トラップ構造」は、少なくとも液体を保持し得る物理的な粒子壁構造である。そして、この間隙の大きさは、最大口径で、0.1〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1μmである。特に、間隙の大きさは、記録材、特に例えば体積平均粒径100nmの顔料をトラップし得る大きさであることがよい。なお、最大開口径が50nm未満の微細孔が同時に存在してもよい。また、吸液性向上の観点から、空隙や毛細管は粒子内部で連通していることがよい。
この間隙の大きさは、次のようにして求める。粒子表面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置に読み取り、2値化処理により間隙を検出し、間隙の大きさ、及び、分布を解析することで求めることが可能である。
このように、トラップ構造は、インクの成分のうち液体成分のみならず、記録材もトラップすることがよい。インク液体成分と共に記録材、特に顔料をトラップ構造にトラップさせると、即ちインク受容性粒子内部に記録材が偏在することなく保持・固定され、高速記録と高画質化との両立が好適に図れる。なお、インクの液体成分は、主にインク溶媒や分散媒(ビヒクル液体)である。
また、「有機・無機ハイブリッド粒子」とは、有機材料と無機材料とを含む粒子であるが、具体的には、例えば、有機樹脂中に無機材料(内添用無機粒子)が分散状態で内添された粒子を示す。有機・無機ハイブリッド粒子において、有機樹脂が記録媒体とインク中の色材の結着樹脂としての機能を果し、一方、内添用無機粒子は、有機材料との界面に微小な空隙を形成し、記録液体(インク)を有機・無機ハイブリッド粒子内に吸液する機能を果すと考えられる。
ここで、有機・無機ハイブリッド粒子において、有機樹脂と内添用無機粒子との質量比は、33:67〜99:1であることを好ましく、より好ましくは50:50〜95:5、さらに好ましくは67:33〜95:5である。この質量比を上記範囲とすることで、高速乾燥性と定着性の両立が可能となる。高速乾燥性は、有機・無機ハイブリッド粒子内の空隙、及び、粒子間の空隙に液体が浸透することによって達成されると推定している。一方、定着性は、インク受容性粒子中の有機樹脂比率に依存し、有機樹脂比率が多いほど定着性には有利となる傾向にある。
有機・無機ハイブリッド粒子における内添用無機粒子の粒径としては、体積平均粒径で、5nm〜1μmであることが好ましく、より好ましくは10nm〜750nmであり、さらに好ましくは、10nm〜500nmである。この粒径を上記範囲とすることで、高速乾燥性の達成が可能となる。高速乾燥性は、有機・無機ハイブリッド粒子内の空隙に液体が浸透することによって達成されると推定している。従って、ハイブリッド粒子内に添加する無機粒子の粒径を調整することで、粒子内に形成される空隙を調整することが可能となる。
有機・無機ハイブリッド粒子は、例えば、次のような手法により得ることができる。 有機材料と無機材料をエクストルーダー等を用いて溶融混練することで、有機材料中に無機材料が分散したハイブリッド材料が得られる。このハイブリッド材料を、粉砕機を用いて一次粉砕を行った後、ジェットミル等の微粉砕機に掛けることで、微粒子が得られる。これを、更に、気流式の分級機などで分級すること、有機・無機ハイブリッド粒子を得ることができる。この際、有機・無機ハイブリッド粒子の粒径は、使用する有機材料・無機材料の特性(硬度・結晶構造など)、粉砕時の粉砕条件、及び、分級時の分級条件によって調整することが可能となる。
また、有機材料と無機材料をそれぞれ分散した分散液を作成し、これらの分散液を混合する。この混合液に凝集剤を添加し、凝集させることで、有機材料中に無機材料が取り込まれた有機・無機ハイブリッド粒子が得られる。この際、有機・無機ハイブリッド粒子の粒径は、使用する有機材料・無機材料の特性(酸価、分子量など)、有機材料分散液、及び、無機材料分散液の濃度、凝集剤の量、凝集剤添加後の撹拌時の温度、時間などにより調整することが可能となる。
本発明のインク受容性粒子は、上述のように複合化されなり有機・無機ハイブリッド粒子を含んで構成(即ち、一次粒子として利用する構成)してもよく、複合化して複合体粒子としても適用することができる。インク受容性粒子を複合体粒子で構成する場合、上記トラップ構造を持たせるため、例えば、図1に示すように、有機・無機ハイブリッド粒子102が集合した複合体粒子100であることが好適である。また、本発明のンク受容性粒子は、図2に示すように、有機・無機ハイブリッド粒子102に加え、有機樹脂粒子又は無機粒子104が集合した複合体粒子100であることが好適である。これら複合体粒子は各粒子間の間隙により空隙構造が形成される。
なお、有機樹脂粒子又は無機粒子は、多孔質粒子、非孔質粒子のいずれでもよい。非孔質粒子を適用した場合、より吸液性が向上する。また、有機樹脂粒子を適用した場合、より高い定着性を付与でき、さらに有機樹脂粒子として吸液性樹脂粒子を適用するとより高い吸液性を付与することが可能となる。一方、無機粒子を適用した場合、吸液性に加え、帯電・導電性付与など種々の機能を付与可能となる。
ここで、複合体粒子における有機・無機ハイブリッド粒子と無機粒子との重量比率(有機・無機ハイブリッド粒子:無機粒子)は、5:1〜1:10の範囲内であることが好ましく、より好ましくは3:1〜1:5の範囲内、さらに好ましくは2:1〜1:3の範囲内である。上記範囲内とすることで、高速乾燥性と定着性の両立が可能となる。これは、高速乾燥性は、有機・無機ハイブリッド粒子内の空隙、及び、粒子間の空隙に液体が浸透することによって達成されると考えられる。一方、定着性は、有機・無機ハイブリッド粒子中の有機樹脂の比率に依存し、有機樹脂比率が多いほど定着性には有利となる傾向にある
一方、複合体粒子における有機・無機ハイブリッド粒子と有機樹脂粒子との重量比率(有機・無機ハイブリッド粒子:有機樹脂粒子)は、10:1〜1:5の範囲内であることが好ましく、より好ましくは5:1〜1:3の範囲内、さらに好ましくは3:1〜1:2の範囲内である。上記範囲内とすることで、高速乾燥性と定着性の両立が可能となる。これは、高速乾燥性は、有機・無機ハイブリッド粒子内の空隙、及び、粒子間の空隙に液体が浸透することによって達成されると考えられる。一方、定着性は、複合粒子中の有機樹脂比率に依存し、有機樹脂比率が多いほど定着性には有利となる傾向にある。
複合体粒子における有機・無機ハイブリッド粒子の粒径は、体積平均粒径で0.1nm〜50μmが好ましく、より好ましくは0.5μm〜25μm、さらに好ましくは1μm〜10μmである。
一方、有機樹脂粒子(多孔質、非孔質粒子)の粒径は、体積平均粒径で50nm〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1μm〜5μm、さらに好ましくは0.2μm〜2μmである。また、無機粒子(多孔質、非孔質粒子)の粒径は、体積平均粒径で10nm〜30μm、好ましくは50nm〜10μm、さらに好ましくは0.1μm〜5μmである。なお、有機樹脂粒子及び多孔質粒子は一次粒子であってもよく、一次粒子を造粒した集合体であってもよい。
そして、これらの複合体粒子は、例えば、粒子が半焼結状態で造粒されることで得られる。半焼結状態とは、粒子形状がある程度の残っており、当該粒子間で空隙を保持している状態を示す。なお、複合体粒子は、トラップ構造にインク液体成分がトラップされたとき、粒子の一部が解離する、即ち複合体粒子が解体され、これを構成する粒子がばらけてもよい。
本発明のインク受容性粒子の粒径は、球換算の平均粒子径(球換算平均粒径)が0.1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは0.5μm〜25μm、さらに好ましくは1μm〜10μmである。上記範囲であると、高画質が達成される。即ち、平均粒子径が大きい場合、画像面上で粒子の存在する部分と、存在しない部分で高さ方向の段差が生じるため、画像の平滑性に劣る。一方、平均粒子径が小さい場合には、粉体のハンドリング性が低下し、転写体上の所望の位置に粉体を供給することが出来なくなる傾向にある。従って、画像上において吸液粒子が存在しない箇所が生じ、高速記録、高画質が達成されなくなる。
ここで、球換算の平均粒子径は次のように求められる。粒子サイズによって最適方法は異なるが、例えば粒子を液体中に分散し光散乱原理で粒径を求める、粒子の投影像を画像処理で求める等多種の方法が利用できる。汎用的に使用できる方法としては、マイクロトラックUPA法やコールターカウンター法が挙げられる。
本発明のインク受容性粒子は、そのBET比表面積(N2)が1〜500m2/gであることが好ましく、より好ましくは2〜100m2/g、さらに好ましくは5〜10m2/gである。上記範囲であると、高速乾燥性で優れる傾向にある。これは、本範囲の特性を満たす粒子は、粒子内、及び、粒子間の空隙が充分に存在し、この空隙に液体を高速にトラップすることが可能となるためと推測している
また、本発明のインク受容性粒子は、そのBET比表面積(CO2)/BET比表面積(N2)の値が1〜50であることが好ましく、より好ましくは、1〜40、さらに好ましくは、5〜30である。上記範囲であると、高速乾燥性で優れる傾向にある。これは、本特性を満たす粒子は、粒子表面が親水性となるため、粒子表面の濡れ性の観点から、液体トラップ速度を速くすることが可能となるためと推測している
ここで、BET比表面積(N2)はベータソープ自動表面積計(MODEL4200、日機装株式会社製)を用いて測定した。
また、BET比表面積(CO2)はベータソープ自動表面積計(MODEL4200、日機装株式会社製)を用いて測定した。
次に、上記有機・無機ハイブリッド粒子、有機樹脂粒子を構成する有機樹脂について説明する。有機樹脂は、非吸液性樹脂、吸液性樹脂のいずれも使用することができる。
以下、非吸液性樹脂について説明する。非吸液性樹脂としては、疎水性モノマーの単独若しくは複数種の共重合体が挙げられる。疎水性モノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン化合物、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステルなどが挙げられる
非吸液性樹脂はその単独樹脂を液体(インク)に添加した場合の溶解度が3質量%以下である材料を言う。
以下、吸液性樹脂について説明する。吸液性樹脂は、吸液したインク液体成分(例えば水、水性溶媒)が樹脂(ポリマー)の可塑剤として作用するため、軟化して定着性が向上する。
このため、インク受容性粒子は記録媒体としての普通紙には加圧だけでも転写(定着)可能である(但し、記録物の高グロス化のためには加熱・加圧が有効である。)。一方、吸液しすぎて高膨潤してしまうと、滲みが生じたり定着性が低下してしまうため、吸液性樹脂は弱吸液性樹脂であることが好適である。この弱吸液性樹脂とは、例えば液体として水を吸収する場合、樹脂質量に対して数%(≒5%)から数百%(≒500%)、好ましくは5%〜100%程度の吸液が可能な親液性樹脂を意味する。
ここで、吸液性が約5%を下回る場合は、空隙にトラップされた液体が転写(更には定着)時に空隙部から溢れ出たり、画像劣化させたりしやすくなることがある。また、樹脂の可塑化が不十分なため定着に高エネルギーが必要となる。逆に吸液能力が高すぎる場合は、吸液だけでなく吸湿も活発なため、インク受容性粒子のハンドリングの環境依存が大きくなり使用困難となることがある。例えば、樹脂を高度に架橋し吸湿しても粒子相互の融着が起こらない様にすることも可能である(例えば、市販の吸水性樹脂)。しかし、その場合は記録媒体に対して定着が困難となる。そして弱吸液性樹脂の場合、強吸液性樹脂よりも当然樹脂自体の吸液速度は遅くなるため、初期的に液体を空隙構造にトラップし次いで樹脂中に吸液する形でインク受容性粒子の構造と物性を設計することが重要なポイントとなる。
このような観点から、吸液性樹脂は、例えば、親水性モノマー単独重合体、或いは親水性モノマーと疎水性モノマーとの両モノマーから構成された共重合体で構成することができるが、弱吸水性樹脂とするためには当該共重合体が好ましい。なお、モノマーだけでなく、ポリマー/オリゴマー構造などのユニットをスタートに他のユニットを共重合させるグラフト共重合体やブロック共重合体でもよい。
ここで、親水性モノマーとしては、−OH、−EOユニット(エチレンオキサイド基)、−COOM(Mは例えば水素、Na、Li、K等のアルカリ金属、アンモニア、有機アミン類等である。)、−SO3M(Mは例えば水素、Na、Li、K等のアルカリ金属、アンモニア、有機アミン類等)、−NR3(Rは例えば、H、アルキル、フェニル等である。)、−NR4X(Rは例えば、H、アルキル、フェニル等であり、Xは例えば、ハロゲン、硫酸根、カルボン酸等の酸アニオン類、BF4、等々である。)等を含むモノマーが挙げられる。具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、不飽和カルボン酸、クロトン酸、マレイン酸等が挙げられる。また、親水性ユニットもしくはモノマーとしては、セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、でんぷん誘導体、単糖類・多糖類誘導体、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、等の重合性カルボン酸類やこれらの(部分)中和塩類、ビニルアルコール類、ビニルピロリドン、ビニルピリジンやアミノ(メタ)アクリレート及びジメチルアミノ(メタ)アクリレートの如き誘導体、更にはこれらのオニウム塩類、アクリルアミドやイソプロピルアクリルアミド等のアミド類、ポリエチレンオキサイド鎖含有ビニル化合物類、水酸基含有ビニル化合物類、多官能カルボン酸と多価アルコールから構成されるポリエステル類、特にトリメリット酸の如き3官能以上の酸を構成成分として含有し末端カルボン酸や水酸基を多く含む分岐ポリエステル、ポリエチレングリコール構造を含むポリエステル、等も挙げられる。
疎水性モノマーとしては、疎水性基を有するモノマーが挙げられ、具体的には、例えばオレフィン(チレン、ブタジエン等)、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。疎水性ユニットもしくはモノマーとしてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニルやポリプロピレン等のポリオレフィン類等、及びこれらの誘導体も挙げられる。
このような親水性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体からなる吸液性樹脂として、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン/(メタ)アクリル酸/(無水)マレイン酸類共重合体、エチレン/プロピレン等のオレフィン系ポリマー(又はこの変性体、又は共重合によるカルボン酸ユニット導入物)、トリメリット酸等で酸価を向上した分岐ポリエステル、ポリアミド等が好適に挙げられる。
吸液性樹脂には、中和塩構造(例えばカルボン酸など)を含むことが好ましい。このカルボン酸などの中和塩構造は、カチオン(例えばNa,Li等の一価金属カチオン等)を含むインクを吸液したとき、当該カチオンとの相互作用で、アイオノマーを形成し、最終記録物の定着強度が向上する。また、カルボン酸などの中和塩構造は、アニオン基を有する記録材(例えば顔料や染料)の凝集を促進するので、画質も向上する。
吸液性樹脂には、置換或いは未置換アミノ基や、置換或いは未置換ピリジン基を含むことも好ましい。当該基は、殺菌効果や、アニオン基を有する記録材(例えば顔料や染料)との相互作用を及ぼすので、画質や定着性が向上する。
ここで、吸液性樹脂において、親水性ユニット(親水性モノマー)と疎水性ユニット(親水性モノマー)とのモル比(親水性モノマー:疎水性モノマー)は、5:95〜70:30が好ましく、より好ましくは7:93〜60:40、さらに好ましくは10:90〜50:50である。特に、親水性ユニットは全体に対し5〜70モル%であることが好ましく、より好ましくは10〜50モル%であることが好ましい。親水性モノマーを上記範囲とすることで、インク受容性粒子が水性液体を吸液する場合の吸水速度の向上、吸水量の向上と高湿〜低湿環境での受容性粒子のハンドリング性、転写・定着性のバランスが鼎立可能となる。
以下、非吸液性樹脂及び吸液性樹脂(以下、まとめて有機樹脂と称する)の共通の特性について説明する。
有機樹脂は、直鎖構造でもよいが、分嵯構造がよい。また、有機樹脂は、非架橋もしくは低架橋であることが好ましい。また、有機樹脂は直鎖構造のランダム共重合体やブロック共重合体でも良いが、分岐構造の重合体(分岐構造のランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体を含む)が更に好適に使用できる。例えば、重縮合で合成されるポリエステルの場合、分岐構造で末端基を増加させると、親水性、吸水性と粒子ハンドリングや定着性の制御ラチチュードを拡張しやすくなる。付加重合系であれ重縮合系であれ、分岐部に例えばカルボン酸基を配置するとインクからカチオンを供給することで最終的にイオン架橋型の強固な定着画像形成が可能となりやすい。このような分岐構造は、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリレート類等のいわゆる架橋剤を合成時に微量添加したり(例えば1%未満の添加)、架橋剤と共に開始剤を多量添加することで合成することがポピュラーな手法の一つである。この時、注意すべきことは、いわゆる市販の吸水性樹脂の様に架橋度を高め3次元ネットワークが形成されると記録像の定着が困難になったり定着に要するエネルギーが増大してしまうことである。定着特性を確保するためには、架橋反応が起こってもそれは一部に留め、全体としては熱可塑性が十分維持されるように調製する必要がある。
また、吸収性樹脂は、インクから供給されるイオンによりイオン架橋してもよい。吸水性樹脂中が(メタ)アクリル酸やマレイン酸等のカルボン酸を含む共重合体やカルボン酸を有する(分岐)ポリエステル等、樹脂中にカルボン酸を含むユニットを存在させた場合、定着後の樹脂像の強度が高まる傾向がある。これは樹脂中のカルボン酸と水性インク等の液体から供給されるアルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、有機アミン・オニウムカチオン等との間にイオン架橋や酸・塩基相互作用等が生じ、定着像が強化されるためだろう、と推測している。
また、有機樹脂は、極性基を含むことで、親水性、帯電・導電性を付与できる観点からよい。例えば、親水性を付与する極性基としては、親水性モノマーと同じで、例えば、水酸基、エチレンオキサイド基、カルボン酸、アミノ基、等が挙げられる。帯電・導電性を付与する極性基の導入は、正帯電性付与の場合、例えば(置換)アミノ基、(置換)ピリジン基やそのアミン塩、4級アンモニウム塩等の造塩化構造の導入、負帯電付与の場合、カルボン酸(塩)、スルホン酸(塩)等の有機酸(塩)構造の導入が有効である。更には低分子の4級アンモニウム塩類や有機ホウ酸塩類、サリチル酸誘導体の造塩化合物類等、電子写真トナー用帯電制御剤を有機樹脂に添加してもよい。導電性制御は酸化スズや酸化チタン等の導電性、半導電性の無機物質添加が有効である。
有機樹脂は、非結晶樹脂であることがよく、そのガラス転移温度(Tg)は、40℃〜90℃が好ましく、より好ましく50〜70℃である。ガラス転移温度を上記範囲とすることで、粒子ハンドリング性、画像ブロッキング性と画像定着性の両立が可能となる。ガラス転移温度(及び融点)は、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
有機樹脂の重量平均分子量は、3000〜30万が好ましく、より好ましくは10000〜10万である。この重量平均分子量を上記範囲とすることで、吸液性樹脂の場合速やかな吸液、低エネルギーでの定着実現と定着後の画像強度両立が可能となる。重量平均分子量は、以下の条件で行ったものである。例えば、GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
有機樹脂の酸価は、カルボン酸基(−COOH)換算で50〜1000mgKOH/gであり、より好ましくは150〜500mgKOH/gであり、さらに好ましくは50〜500mgKOH/gであり、特に好ましくは100〜300mgKOH/gである。酸価を上記範囲とすることで、粒子のハンドリング性と吸水性、定着性の制御が可能となる。このカルボン酸基(−COOH)換算での酸価の測定は次のように行った。
酸価は、JIS K0070に従って行い、中和滴定法を用いた測定で行った。即ち、適当量の試料を分取し、溶剤(ジエチルエーテル/エタノール混合液)100ml、及び、指示薬(フェノールフタレイン溶液)数滴を加え、水浴上で試料が完全に溶けるまで充分に振り混ぜる。これに、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が30秒間続いた時を終点とした。酸価をA、試料量をS(g)、滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液をB(ml)、fを0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクターとした時、A=(B×f×5.611)/Sとして算出した。
次に、上記有機・無機ハイブリッド粒子、無機粒子を構成する無機材料(以下、無機粒子と標記)について説明する。
無機粒子としては、非多孔質粒子、多孔質粒子のいずれも使用することができる。無機粒子としては、無色、淡色或いは白色の粒子(例えば、コロイダル・シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ等)が挙げられる。これら無機粒子は、表面処理(部分疎水化処理、特定官能基導入処理等)を施されてもよい。例えば、シリカの場合には、シリカの水酸基をトリメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシランなどのシリル化剤で処理してアルキル基を導入する。シリル化剤によって脱塩酸が生じ、反応が進む。この際、アミンを添加すると塩酸を塩酸塩にして反応を促進することもできる。疎水性基としてアルキル基やフェニル基を有するシランカップリング剤やチタネート系、ジルコネート系等のカップリング剤の処理量や処理条件を制御することでコントロールできる。また、同様に脂肪族アルコール類や高級脂肪酸及び同誘導体類での表面処理も可能である。また、(置換)アミノ基や四級アンモニウム塩構造を有するシランカップリング剤等のカチオン性官能基を有するカップリング剤類、フルオロシランの様なフッ素系官能基を有するカップリング剤、その他カルボン酸等のアニオン性官能基を有するカップリング剤類での表面処理も可能である。
次に、本発明のインク受容性粒子のその他添加剤について説明する。まず、本発明のインク受容性粒子には、インクの成分を凝集又は増粘させる成分を含むことが好ましい。当該成分を含むと、インクに含まれる記録材(例えば顔料や染料)が凝集したり、ポリマーなどが増粘するので、画質や定着性が向上する。
このような機能を有する成分は、上記有機樹脂粒子を構成する樹脂(樹脂吸水性樹脂)の官能基として含んでもよいし、化合物として含んでもよい。当該官能基としては、例えば、カルボン酸、多価金属カチオン、ポリアミン類等などが挙げられる。
また、当該化合物としては、無機電解質、有機酸、無機酸、有機アミンなどの凝集剤が好適に挙げられる。
無機電解質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン及び、アルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオン等の多価金属イオンと、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、チオシアン酸、及び、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等の有機カルボン酸及び、有機スルホン酸の塩等が挙げられる。
具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸カリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸カリウム等のアルカリ金属類の塩、及び、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオシアン酸バリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、蓚酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸スズ、塩化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等の多価金属類の塩等が挙げられる。
有機酸としては、具体的にはアルギニン酸、クエン酸、グリシン、グルタミン酸、コハク酸、酒石酸、システイン、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、マレイン酸、マロン酸、リシン、リンゴ酸、及び、一般式(1)で表される化合物、これら化合物の誘導体などが挙げられる。
ここで、式中、Xは、O、CO、NH、NR1、S、又はSO2を表す。R1はアルキル基を表し、R1として好ましくは、CH2,C25、C24OHである。Rはアルキル基を表し、Rとして好ましくは、CH2,C25、C24OHである。なお、Rは式中に含んでいてもよいし、含んでいなくても構わない。Xとして好ましくは、CO、NH、NR,Oであり、より好ましくは、CO、NH、Oである。Mは、水素原子、アルカリ金属又はアミン類を表す。Mとして好ましくは、H、Li、Na、K、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等であり、より好ましくは、H、Na,Kであり、更に好ましくは、水素原子である。nは、3〜7の整数である。nとして好ましくは、複素環が6員環又は5員環となる場合であり、より好ましくは、5員環の場合である。mは、1又は2である。一般式(1)で表される化合物は、複素環であれば、飽和環であっても不飽和環であってもよい。lは、1〜5の整数である。
一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリドン、ピロン、ピロール、チオフェン、インドール、ピリジン、キノリン構造を有し、更に官能基としてカルボキシル基を有する化合物が挙げられる。具体的には、2−ピロリドン−5−カルボン酸、4−メチル−4−ペンタノリド−3−カルボン酸、フランカルボン酸、2−ベンゾフランカルボン酸、5−メチル−2−フランカルボン酸、2,5−ジメチル−3−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、4−ブタノリド−3−カルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、2−ピロン−6−カルボン酸、4−ピロン−2−カルボン酸、5−ヒドロキシ−4−ピロン−5−カルボン酸、4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、チオフェンカルボン酸、2−ピロールカルボン酸、2,3−ジメチルピロール−4−カルボン酸、2,4,5−トリメチルピロール−3−プロピオン酸、3−ヒドロキシ−2−インドールカルボン酸、2,5−ジオキソ−4−メチル−3−ピロリン−3−プロピオン酸、2−ピロリジンカルボン酸、4−ヒドロキシプロリン、1−メチルピロリジン−2−カルボン酸、5−カルボキシ−1−メチルピロリジン−2−酢酸、2−ピリジンカルボン酸、3−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、ピリジントリカルボン酸、ピリジンペンタカルボン酸、1,2,5,6−テトラヒドロ−1−メチルニコチン酸、2−キノリンカルボン酸、4−キノリンカルボン酸、2−フェニル−4−キノリンカルボン酸、4−ヒドロキシ−2−キノリンカルボン酸、6−メトキシ−4−キノリンカルボン酸等の化合物が挙げられる。
有機酸としては、好ましくは、クエン酸、グリシン、グルタミン酸、コハク酸、酒石酸、フタル酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩である。より好ましくは、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩である。さらに好ましくは、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、フランカルボン酸、クマリン酸、若しくは、これらの化合物誘導体、又は、これらの塩である。
有機アミン化合物としては、1級、2級、3級及び4級アミン及びそれらの塩のいずれであっても構わない。具体例としては、テトラアルキルアンモニウム、アルキルアミン、ベンザルコニウム、アルキルピリジウム、イミダゾリウム、ポリアミン、及び、それらの誘導体、又は、塩等が挙げられる。具体的には、アミルアミン、ブチルアミン、プロパノールアミン、プロピルアミン、エタノールアミン、エチルエタノールアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチルメチルアミン、エチルベンジルアミン、エチレンジアミン、オクチルアミン、オレイルアミン、シクロオクチルアミン、シクロブチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジ2−エチルヘキシルアミン、ジエチレントリアミン、ジフェニルアミン、ジブチルアミン、ジプロピルアミン、ジヘキシルアミン、ジペンチルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルエチレンジアミン、ジメチルオクチルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ジメチルヘキシルアミン、アミノ−ブタノール、アミノ−プロパノール、アミノ−プロパンジオール、N−アセチルアミノエタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)−エタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン、セチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリイソペンチルアミン、トリエタノールアミン、トリオクチルアミン、トリチルアミン、ビス(2−アミノエチル)1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、ビス(トリメチルシリル)アミン、ブチルアミン、ブチルイソプロピルアミン、プロパンジアミン、プロピルジアミン、ヘキシルアミン、ペンチルアミン、2−メチル−シクロヘキシルアミン、メチル−プロピルアミン、メチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、ラウリルアミン、ノニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレシジアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムク口ライド、ステアラミドメチルビリジウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体等が挙げられる。
より好ましくは、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、エタノールアミン、プロパンジアミン、プロピルアミンなどが使用される。
これら凝集剤の中でも、多価金属塩(Ca(NO3)、Mg(NO3)、Al(OH3)、ポリ塩化アルミニウム等)が好適に用いられる。
凝集剤は単独で使用しても、あるいは2種類以上を混合して使用しても構わない。また、凝集剤の含有量としては、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.1質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは、1質量%以上15質量%以下である。
本発明のインク受容性粒子には、離型剤が含まれていることがよい。これにより、インク受容性粒子の記録媒体への転写や定着をオイルレスで行うことが可能となる。離型剤は、上記有機樹脂に含ませてもよいし、有機・無機ハイブリッド粒子と共に離型剤の粒子を複合化して含ませてもよい。
このような離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;及びそれらの変性物などが挙げられる。これらの中でも結晶性化合物を適用することがよい。
本発明のインク受容性粒子には、外添剤を外添してもよい。外添剤を外添することで、インク受容性粒子の粉体流動性付与、帯電性・導電性制御、吸液性制御、等が行える。外添剤としては、無機粒子(無色、淡色或いは白色の粒子、例えば、コロイダル・シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化セリウム、カーボンブラック等)、樹脂粒子(ビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーン、等の粒子)が挙げられる。また、これら外添剤としての粒子は、疎水性、親水性のいずれでもよく、カップリング剤(例えばシランカップリング剤等)で表面処理して表面に特定の官能基(例えばアミノ基、フッ素系等)を導入していてもよい。また、外添剤としての粒径は、体積平均粒径で、5nm〜100nm、好ましくは10〜50nmであることがよい。
(マーキング材料)
本発明のマーキング材料は、少なくとも記録材を含むインクと、上記本発明のインク受容性粒子と、を備える。マーキング材料は、インク受容性粒子にインクを受容させた後、当該インク受容性粒子を記録媒体に転写することで記録を行う材料である。
以下、インクについて詳細に説明する。インクは水性インク、油性インク共に使用することができるが、環境性の点で水性インクが使用される。水性インク(以下、単にインクと称する)は、記録材に加え、インク溶媒(例えば、水、水溶性有機溶媒)を含んでいる。また、必要に応じて、その他、添加剤を含んでいてもよい。
まず、記録材について説明する。記録材としては、主に色材が挙げられる。色材としては、染料、顔料のいずれも用いることができるが、顔料であることがよい。顔料としては有機顔料、無機顔料のいずれも使用でき、黒色顔料ではネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用しても良い。また、本発明のために、新規に合成した顔料でも構わない。
また、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等を顔料として使用することも可能である。
黒色顔料の具体例としては、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet −19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
黄色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、色材として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることが望ましい。使用可能な顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの付加重合体が挙げられる。親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーと疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーを適宜組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独重合体も用いることができる。
親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有するモノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として用いられる、好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有するモノマーを適宜共重合させてもよい。
上記高分子分散剤としては、顔料の分散性及びインク吐出性の両立の観点から、重量平均分子量で2000〜50000のものが好ましい。より好ましくは3000〜20000、さらに4000〜8000であるものがより好ましい。
これら顔料分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。顔料分散剤の添加量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、一般に顔料に対し、合計で0.1〜100質量%、好ましくは1〜70質量%、さらに好ましくは3〜50質量%の割合で添加されることが好ましい。
色材として水に自己分散可能な顔料を用いることもできる。水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で安定に分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、水に自己分散可能な顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cabot260、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
自己分散顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料であることが好ましい。より好ましくは、表面に官能基として少なくともカルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料である。
更に、樹脂により被覆された顔料等を使用することもできる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などの市販のマイクロカプセル顔料だけでなく、本発明のために試作されたマイクロカプセル顔料等を使用することもできる。
また、高分子物質を上記顔料に化学的に結合させた樹脂分散型顔料を用いることもできる。
記録材としては、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フェライトやマグネタイトのような強磁性体等の磁性体類、酸化チタン、酸化亜鉛のような半導体や光触媒類、その他有機、無機の電子材料粒子類などが挙げられる。
記録材の含有量(濃度)は、インクに対して5〜30質量%が好ましく、7〜25質量%が好ましく、さらに好ましくは10〜20質量%である。含有量(濃度)が5質量%未満の場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、含有量が30質量%よりも多い場合には、インクの噴射特性が不安定となる場合が存在した。
記録材の体積平均粒径は、10nm以上1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは30nm以上250nm以下であり、さらに好ましくは50nm以上200nm以下であり、最も好ましくは60nm以上120nm以下である。体積平均粒径が小さすぎると、光学濃度が低くなる場合が存在し、一方、大きすぎると、保存安定性が確保できない場合が存在した。
記録材の体積平均粒径とは、記録材そのものの粒径、又は記録材に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。本発明において、体積平均粒径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計 9340 ( Leeds&Northrup社製 )を用いた。その測定は、インク4mlを測定セルに入れ、所定の測定法に従って行った。なお、測定時に入力するパラメーターとして、粘度にはインクの粘度を、分散粒子の密度には記録材の密度を入力した。
次に、水溶性有機溶媒について説明する。水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
水溶性有機溶媒の具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることもできる。
水溶性有機溶媒は、少なくとも1種類以上使用することが好ましい。水溶性有機溶媒の含有量としては、1質量%以上70質量%以下、好ましくは、10質量%以上65質量%以下、更に好ましくは20質量%以上60質量%以下で使用される。インク中の水溶性有機溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、70質量%よりも多い場合には、液体の粘度が大きくなり、液体の噴射特性が不安定になる場合が存在した。
次に、水について説明する。水としては、特に不純物が混入することを防止するため、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することが好ましい。
次に、その他の添加剤について説明する。インクには、界面活性剤を添加することができる。
これら界面活性剤の種類としては、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、好ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が用いられる。
以下、界面活性剤の具体例を列挙する。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が使用でき、好ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が用いられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、好ましくは、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物が用いられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
これらの界面活性剤は単独で使用しても混合して使用してもよい。また界面活性剤のHLBは、溶解安定性等を考慮すると3〜20の範囲であることが好ましい。
これらの界面活性剤の添加量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%が特に好ましい。
また、インクには、その他、浸透性を調整する目的で浸透剤、インク吐出性改善等の特性制御を目的でポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等や、導電率、pHを調整するために水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属類の化合物等、その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート化剤等も添加することができる。
次に、インクの好適な特性について説明する。まず、インクの表面張力は、20〜45mN/mであることが好ましく、より好ましくは、25〜38mN/mである。表面張力が上記範囲であると、噴射安定性とインク受容性粒子に対する吸液性及び高画質形成の両立が可能となる。表面張力が低いと噴射不安定、高いと吸液性と高画質形成が悪化する場合がある。
ここで、表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用した。
インクの粘度は、1.5〜30mPa・sであることが好ましく、より好ましくは3〜20mPa・sである。インクの粘度が上記範囲であると、噴射安定と吸液性・画質が両立できる。高粘度だと高速噴射、高速吸液共に困難となり、低粘度だと噴射が不安定化し、同時にインク受容性粒子上及び粒子中でのインク像が乱れやすくなることがある。
ここで、粘度としては、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は1400s-1の条件で測定した値を採用した。
なお、インクは、上記構成に限られず、記録材以外に、例えば、液晶材料、電子材料など機能性材料を含むものであってもよい。
(インク受容性粒子収納カートリッジ)
本発明のインク受容性粒子収納カートリッジは、記録装置に脱着可能に配置され、上記本発明のインク受容性粒子を収納すると共に、記録装置の粒子塗布装置(粒子供給装置)に当該インク受容性粒子を供給するためのものである。当該カートリッジを記録装置から脱着することで、容易にインク受容性粒子を記録装置に追加補充可能となる。
以下、本発明のインク受容性粒子収納カートリッジの実施形態ついて図面を参照しつつ説明する。図3は、実施形態に係るインク受容性粒子収納カートリッジを示す斜視図である。図4は、図3のA−A断面図である。
実施形態に係るインク受容性粒子収納カートリッジ50は、図3及び図4に示すように、円筒状の粒子収納カートリッジ本体51と、この粒子収納カートリッジ本体51の両端に嵌合する側壁部52、54とから構成されている。
そして、一端側の粒子収納カートリッジ本体51の周面にはインク受容性粒子を記録装置の粒子塗布装置(粒子供給装置:不図示)に向けて搬出するための搬出口60が設けられている。また、粒子収納カートリッジ本体51に対してスライド自在に帯部56が取付けられている。この帯部56には、搬出口60の外側に搬出口60を格納する格納部58が設けられている。
従って、粒子収納カートリッジ50が記録装置に装着されていない状態(或いは装着直後)は、搬出口60は格納部58に格納され、搬出口60から粒子収納カートリッジ本体51内のインク受容性粒子が外に漏れ出ないようになっている。
また、粒子収納カートリッジ本体51の他端側の側壁部54の中央部分には孔62が開けられており、カップリング部64の連結部66が、この側壁部54の孔62から粒子収納カートリッジ本体51内部に貫通している。また、これにより、カップリング部64は側壁部54に対して、回転自在となっている。
そして、アジテーター68が、粒子収納カートリッジ本体51の略全域に亘って配設されている。アジテーター68は、断面円形の金属製の線状部材、例えば、ステンレス(SUS304WP)からなり、螺旋状に形成されている。また、一方のアジテーターの一端部は、回転軸(回転中心)に向かって垂直方向に曲げられ、カップリング部64の連結部66に連結されている。尚、他方の端部の先は、拘束されていない自由端となっている。
アジテーター68はカップリング部64の連結部66から回転力を付与されて回転し、粒子収納カートリッジ本体51内のインク受容性粒子を攪拌しながら搬出口60の方に搬送する。このようにして、粒子を搬出口60から排出することで、インク受容性粒子を記録装置に追加補充可能となる。
なお、本発明のインク受容性粒子収納カートリッジは、上記構成に限られるものではない。
(記録方法、記録装置)
本発明の記録方法(記録装置)は、記録材を含むインクと、上記本発明のインク受容性粒子と、を用いた記録方法(記録装置)であり、インクをインク受容性粒子に受容する工程(受容手段)と、インクを受容したインク受容性粒子を記録媒体に転写する工程(転写手段)と、を有する。また、記録媒体上に転写されたインク受容性粒子を定着する工程(定着手段)をさらに有していてもよい。
具体的には、例えば、まず、供給手段により中間体(中間転写体)にインク受容性粒子を層状に供給する。層状に供給されたインク受容性粒子(以下、インク受容性粒子層)に対して、インク吐出手段によりインクを吐出して受容させる。インクを受容したインク受容性粒子層を転写手段により中間体から記録媒体へ転写する。この転写は、インク受容性粒子層の全部或いは記録部(インク受容部)のみを選択的に行われる。その後、必要に応じて、記録媒体に転写されたインク受容性粒子層に対し、定着手段により加圧(或いは加熱・加圧)を施し、定着させる。このようにして、インクを受容したインク受容性粒子による記録が行われる。なお、転写と定着は同時に行ってもよい。
ここで、インク受容性粒子はインクを受容する際、例えば、層状に形成されるが、そのインク受容性粒子層の厚さは、1μm〜100μmが好ましく、より好ましくは3μm〜60μm、さらに好ましくは5μ〜30μmである。また、インク受容性粒子層中の空隙率(即ち、インク受容性粒子間空隙率+インク受容性粒子内空隙率(トラップ構造))は、10%〜80%であることが好ましく、より好ましくは30〜70%、さらに好ましくは40%〜60%である。
また、インク受容性粒子は、吸液性樹脂を含んで構成した場合、当該吸液樹脂が吸液(水)し、液体(水)等が樹脂の可塑剤として作用するため、低エネルギーで定着可能であり、かつ液体(水)が時間と共に蒸発するとインクから供給される金属カチオン(クラスター)と樹脂のカルボン酸間に形成されるイオン架橋により定着強度を向上させることができる。
また、中間体の表面には、インク受容性粒子供給前に予め、離型剤を塗布してもよい。これにより、インク受容性粒子層の転写性が向上する。このような離型剤としては、(変性)シリコーン・オイル、フッ素系オイル、炭化水素オイル、鉱物油、植物油、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、アルカンジオール、溶融ワックス類などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、浸透媒体(例えば、普通紙や、コート紙等)、非浸透媒体(例えば、樹脂フィルムなど)、いずれも適用することができる。また、記録媒体は、これらに限られず、その他、半導体基板など工業製品も含まれる。
以下、本発明の記録装置の実施形態ついて図面を参照しつつ説明する。図5は、実施形態に係る記録装置を示す概略構成図である。図6は、実施形態に係る記録装置の主要部を示す概略構成図である。図7は、実施形態に係るインク受容性粒子層を示す概略構成図である。なお、以下の実施形態では、インク受容性粒子として複合体粒子を適用した場合を説明している。
実施形態に係る記録装置10は、図5に示すように、無端ベルト状の中間転写体12、中間転写体12表面を帯電させる帯電装置28、中間転写体12上の帯電された領域にインク受容性粒子16を均一かつ一定厚に付着させ粒子層を形成する粒子塗布装置18、粒子層上にインク滴を吐出し画像を形成するインクジェット記録ヘッド20、記録媒体8を中間転写体12と重ね合わせ、圧力及び熱を加える事により記録媒体8上にインク受容性粒子層を転写及び定着する転写定着装置22を含んで構成されている。そして、粒子塗布装置18には、供給管19Aを介してインク受容性粒子収納カートリッジ19が脱着可能に連結されている。
帯電装置28の上流側には、中間転写体12表面から記録媒体8へインク受容性粒子層16Aの転写効率を向上させる為、中間転写体12表面よりインク受容性粒子層16Aを離形促進させる為の離形層14Aを形成する離形剤塗布装置14が配置される。
帯電装置28により表面に電荷を形成した中間転写体12の表面は粒子塗布装置18にてインク受容性粒子16を均一な層として形成され、粒子層上には各色ごとのインクジェット記録ヘッド20すなわち20K、20C、20M、20Yから各色のインク滴が吐出されカラー画像が形成される。
表面にカラー画像が形成された粒子層は転写定着装置(転写定着ローラ)22にて記録媒体8にカラー画像ごと転写される。転写定着装置22の下流には、中間転写体12表面に残留しているインク受容性粒子16の除去、粒子以外の異物(記録媒体8の紙粉等)の中間転写体付着物の除去を行うためのクリーニング装置24が配置されている。
カラー画像を転写された記録媒体8はそのまま搬出され、中間転写体12は再度帯電装置28で表面に電荷を形成される。このとき、記録媒体8に転写されたインク受容性粒子はインク滴20Aを吸収・保持するので速やかに搬出が可能であり、記録媒体8にインクを吸収させる従来の方法に比較して装置全体の生産性を高めることができる。
また、必要に応じて、クリーニング装置24と離形剤塗布装置14の間に、中間転写体12表面に残留する電荷を除去する為の除電装置29を配置しても良い。
本実施形態においては、中間転写体12は、厚さ1mmからなるポリイミドフィルムからなるベース層の上に厚さ400μmのエチレンプロピレンゴム(EPDM)からなる表面層が形成されている。ここでは表面抵抗値が1013Ω/□程度、体積抵抗値が1012Ω・cm程度(半導電性)であることが望ましい。
中間転写体12が周動搬送され、まず離形剤塗布装置14により中間転写体12表面に離形層14Aが形成される。離形剤塗布装置14の塗布ローラー14Cにより中間転写体12表面に離形剤14Dが塗布され、ブレード14Bで層厚を規定する。
このとき、連続的に画像形成及びプリントを行えるようにするために、離形剤塗布装置14を中間転写体12に連続的に接触するようにしても良いし、中間転写体12から適宜離間するような構成としても良い。
離形剤塗布装置14に、独立した液体供給システム(図示せず)より離形剤14Dを供給して、離形剤14Dの供給がとぎれないようにしてもよい。本実施形態においては、アミノシリコーンオイルを離形剤14Dとして使用する。
次に、帯電装置28によって正の電荷を中間転写体12表面に付与することにより、中間転写体12表面に正の電荷が帯電される。ここでは、粒子塗布装置18の供給ローラ18Aと中間転写体12表面とで形成しうる電界による静電力により、インク受容性粒子16が中間転写体12表面に供給/吸着可能な電位を形成すればよい。
本実施形態においては、帯電装置28を用いて、帯電装置28と中間転写体12を挟んで配置されている従動ロール31(グラウンドに接続)間に電圧を印加し、中間転写体12表面を帯電させる構成としている。
帯電装置28は、ステンレスを材料とする棒状の外周面に、導電性付与材を分散させた弾性層(発泡ウレタン樹脂)を形成し、体積抵抗率106〜108Ω・cm程度に調整したロール形状の部材とする。さらに、弾性層の表面を厚さ5〜100μmの撥水撥油性のスキン層(PFA)で被覆する。これにより装置内の湿度変化や帯電層表面への離形剤の付着などによる特性変化(抵抗値変化)を抑えるのに効果がある。
帯電装置28にはDC電源が接続され、従動ロール31はフレームグランドに電気的に接続されている。帯電装置28は、従動ロール31との間で中間転写体12を挟みつつ従動し、押圧位置では、接地された従動ロール31との間に所定の電位差が生じるため、中間転写体12の表面に電荷を与えることができる。ここでは帯電装置28により中間転写体12表面に電圧1kv(定電圧制御)を印加し、中間転写体12表面を帯電させる。
また、帯電装置28をコロトロンやブラシで構成しても良い。この場合の印加電圧も上記とほぼ同様な条件で行う。特にコロトロンは中間転写体12に非接触で電荷を与える事が可能となる。
次に粒子塗布装置18により、中間転写体12表面にインク受容性粒子16が供給され、インク受容性粒子層16Aを形成する。粒子塗布装置18は、インク受容性粒子16が収容される容器の、中間転写体12と向合う部分に供給ローラ18Aが配され、供給ローラ18Aに押圧するように帯電ブレード18Bが配される。この帯電ブレード18Bは供給ローラ18A表面に付着するインク受容性粒子16の層厚を規制する機能も併せ持つ。
供給ローラ18A(導電性ロール)にインク受容性粒子16を供給し、帯電ブレード18B(導電性ブレード)でインク受容性粒子層16Aを規制するとともに中間転写体12表面の電荷と逆極性である負に帯電する。供給ローラ18Aはアルミ製の中実ロール、帯電ブレード18Bは圧力をかけるためにウレタンゴムが獲り付けられた金属板(SUSなど)を用いることができる。帯電ブレード18Bはドクター方式で供給ローラ18Aと接する。
帯電されたインク受容性粒子16は供給ローラ18A表面に例えば略1層の粒子層を形成し、中間転写体12表面と対向する部位に搬送され、これと近接すると供給ローラ18Aと中間転写体12表面との電位差により形成された電界により、帯電したインク受容性粒子16は静電力により中間転写体12表面に移動する。
この時、中間転写体12表面に略1層の粒子層を形成するように中間転写体12の移動速度と供給ローラ18Aの回転速度を相対的に設定する(周速比)。この周速比は、中間転写体12の帯電量やインク受容性粒子16の帯電量、供給ローラ18Aと中間転写体12の位置関係等、他のパラメータに依存する。
上記の、略1層のインク受容性粒子層16Aを形成する周速比を基準に、供給ローラ18Aの周速を相対的に早くすることにより、中間転写体12上に供給される粒子数を増加させる事ができる。これによって中間転写体12上に形成されるインク受容性粒子層16Aの層厚をコントロールすることが可能となる。すなわち、転写される画像濃度が低い(インク打ち込み量が少ない)場合には、層厚を必要最小限の厚さとし、また、画像濃度が高い(インク打ち込み量が多い)場合には、インク液体成分(溶媒や分散媒)を保持可能である充分な層厚となるように制御することが好ましい。
例えば、インク打ち込み量が少ない文字画像等の場合、中間転写体上の略1層のインク受容性粒子層に対して像形成を行った場合、インク中の画像形成材(顔料)は中間転写体上のインク受容性粒子層表面近傍にトラップされ、深さ方向に対して分布が少なくなるように、インク受容性粒子表面や内部の粒子間隙に固定される。その為、転写定着後の画像層表面に露出する記録材 (例えば顔料)は少なく、記録媒体表面に直接画像を形成した場合と比較して(顔料の殆どが表面近傍に存在する)、擦過等に対して充分な定着性を発現することができる。
例えば、最終的な画像となる画像層16Bの上に保護層となる粒子層16Cを設けたい場合は、インク受容性粒子層16Aを3層程度の厚みとし、最上層のみインクで像形成を行えば((図7(a)参照)、像形成を行わない2層分の粒子層Cが転写定着後には保護層となり画像層16Bの上に形成される(図7(b)参照)。
あるいは2次色や3次色の画像等、インク打ち込み量が高い画像を形成する場合には、インク受容性粒子層を、インク液体成分(溶媒や分散媒)が保持可能で、記録材(例えば顔料)がトラップされ、最下層まで到達しない充分な粒子数となるようにインク受容性粒子16を積層させる。この場合、転写定着後の画像層表面に画像形成材(顔料)は露出せず、像形成を行わないインク受容性粒子16が画像表面に保護層として形成してもよい。
次に、インクジェット記録ヘッド20がインク受容性粒子層16Aにインク滴20Aを付与する。インクジェット記録ヘッド20は所定の画像情報に基づき、所定の位置にインク滴20Aを付与する。
最後に、転写定着装置22により記録媒体8と中間転写体12を挟み込んで、インク受容性粒子層16Aに圧力と熱を加える事で、記録媒体8上にインク受容性粒子層16Aが転写される。
転写定着装置22は加熱源を内蔵する加熱ロール22Aと、中間転写体12を挟んで対向する加圧ロール22Bとから構成され、加熱ロール22A及び加圧ロール22Bは当接されてニップを形成する。加熱ロール22A及び加圧ロール22Bには、電子写真の定着器(フューザー)と同様、アルミコアの外表面にシリコーンゴムを被覆し、更にその上をPFAチューブにて被覆された物を使用することができる。
加熱ロール22Aと加圧ロール22Bのニップ部において、ヒーターによりインク受容性粒子層16Aが加熱され、かつ圧力が加わる為、記録媒体8にインク受容性粒子層16Aが転写されると同時に定着される。
このとき、非画像部におけるインク受容性粒子16を構成する有機樹脂粒子が軟化点(Tg)以上に加熱されることにより軟化し(あるいは溶融され)、圧力により中間転写体12表面に形成された離形層14Aからインク受容性粒子層16Aが離形され、記録媒体8上に転写定着される。そして、圧力により中間転写体12表面に形成された離形層14Aからインク受容性粒子層16Aが離形され、記録媒体8上に転写される。この時、加熱によって転写定着性が向上する。本実施例では加熱ロール22Aの表面を160℃に制御している。この時、インク受容性粒子層16Aに保持されたインク液体成分(溶媒や分散媒)は、転写後もそのままインク受容性粒子層16A内に保持され、定着される。また転写定着装置22より前に、中間転写体12に予備加熱を行う事で、転写定着の効率を向上させても良い。
以下、実施形態に係る記録装置の画像形成のプロセスをより詳細に説明する。本実施形態に係る記録装置では、図6に示すように、中間転写体12の表面には転写時の離形性確保及び表面への水分付着によるインク受容性粒子16の付着阻害を防止するために離形層塗布装置14にて離形層14Aを形成する。中間転写体12の素材がアルミやPETベースであれば特に離形層14Aの効果は大きい。あるいはフッ素樹脂・シリコーンゴム系の素材を用いて、中間転写体12の表面自体に離形性を持たせるようにしてもよい。
次に帯電装置28にて中間転写体12の表面をインク受容性粒子16と逆の極性に帯電させる。これにより、粒子塗布装置18の供給ローラ18Aにて供給されるインク受容性粒子16を静電的に吸着させ、中間転写体12の表面に一様なインク受容性粒子16の層を形成することができる。
次いで中間転写体12の表面に粒子塗布装置18の供給ローラ18Aにてインク受容性粒子16を均一な層として形成する。たとえば、形成されたインク受容性粒子層16Aはインク受容性粒子16が3層程度重なった厚みと成るように形成する。すなわち、上記のように帯電ブレード18Bと供給ローラ18Aの空隙によってインク受容性粒子層16Aを所望の厚さに制御することで記録媒体8に転写されるインク受容性粒子層16Aの厚さを制御する。あるいは供給ローラ18Aと中間転写体12の周速比によって制御してもよい。
形成されたインク受容性粒子層16A上に、圧電式(ピエゾ)、サーマル式などにより駆動される各色のインクジェット記録ヘッド20によってインク滴20Aが吐出され、インク受容性粒子層16Aに画像層16Bが形成される。インクジェット記録ヘッド20から吐出されたインク滴20Aは、インク受容性粒子層16Aに打ち込まれ、インクの液体成分はインク受容性粒子16間の空隙及びインク受容性粒子16を構成する間隙に速やかに吸収されるともに、記録材(例えば顔料)もインク受容性粒子16(構成する粒子)表面或いはインク受容性粒子16を構成する粒子間の間隙にトラップされる。
このときインク滴20Aに含まれるインク液体成分(溶媒や分散媒)はインク受容性粒子層16Aに浸透するが、顔料等の記録材はインク受容性粒子層16Aの表面又は粒子間間隙にトラップされる。すなわち、インク液体成分(溶媒や分散媒)はインク受容性粒子層16Aの裏面まで浸透させても良いが、顔料等の記録材はインク受容性粒子層16Aの裏面には浸透しない。これにより、記録媒体8に転写した際には顔料等の記録材が浸透していない粒子層16Cが画像層16Bの上に層を形成するため、この粒子層16Cが画像層16Bの表面を封じ込める保護層となり、表面に記録材(例えば顔料などの色材)が露出しないので擦過などに強いタフな画像を形成することができる。
次いで画像層16Bが形成されたインク受容性粒子層16Aを中間転写体12から記録媒体8上に転写/定着することにより、記録媒体8上にカラー画像が形成される。中間転写体12上のインク受容性粒子層16Aはヒータなどの加熱手段にて加熱された転写定着装置(転写定着ローラ)22によって、加熱・加圧され記録媒体8上に転写される。
このとき後述のように加熱・加圧を調節することで画像表面の凸凹を適宜調整し、光沢度を制御することもできる。また冷却剥離を行い同様の効果を得てもよい。
インク受容性粒子層16Aが剥離した後の中間転写体12表面に残った残留粒子16Dはクリーニング装置24にて回収され(図5参照)、中間転写体12の表面は再度帯電装置28にて帯電され、インク受容性粒子16が供給されインク受容性粒子層16Aが形成される。
ここで、図7には、本発明に係る画像形成に用いられる粒子層が示されている。図7(a)に示すように、中間転写体12の表面には転写時の離形性確保及び表面への水分付着によるインク受容性粒子16の付着阻害を防止するために離形層14Aが形成される。
次いで中間転写体12の表面に粒子塗布装置18にてインク受容性粒子16を均一な層として形成する。前述のように形成されたインク受容性粒子層16Aはインク受容性粒子16が3層程度重なった厚みが望ましい。インク受容性粒子層16Aを所望の厚さに制御することで記録媒体8に転写されるインク受容性粒子層16Aの厚さを制御する。このときインク受容性粒子層16Aの表面はインク滴20Aの吐出による画像形成(画像層16Bの形成)に支障がない程度に均一に均されている。
また、吐出されたインク滴20Aに含まれる顔料等の記録材は図7(a)のようにインク受容性粒子層16Aの1/3〜半分程度まで浸透し、その下には顔料等の記録材の浸透していない粒子層16Cが残存している。
転写定着装置(転写定着ローラ)22による加熱・加圧転写で記録媒体8上に形成されたインク受容性粒子層16Aは図7(b)のように画像層16B上にインクを含まない粒子層16Cが存在するので、画像層16Bが直接表面に現れず一種の保護層としての働きをする。このため少なくとも定着後のインク受容性粒子16は透明である必要がある。
粒子層16Cは転写定着装置(転写定着ローラ)22によって加熱・加圧されるので表面を十分平滑にすることが可能であり、画像表面の光沢度を加熱・加圧によって制御することもできる。すなわち、転写定着時に印加される圧力/熱の何れか(又は両方)を制御することにより、記録媒体8上に転写定着されたインク受容性粒子層16Aに画像層16Bが形成表面の状態を変化させる事が可能である。圧力/熱を増加させる事により、インク受容性粒子層16A表面の粗さが減少しグロス(光沢)が向上する。また、圧力/熱を減少させることで、インク受容性粒子層16A表面が平滑化されない(粗面)ため、グロスが低下し、マットな仕上がりとなる。
また加熱によってインク受容性粒子16内部にトラップされていたインク液体成分(溶媒や分散媒)の乾燥を促進させるようにしてもよい。
インク受容性粒子層16Aに受容/保持されたインク液体成分(溶媒や分散媒)は、転写定着後もインク受容性粒子層16A内に保持され、通常の水性インクジェット記録におけるインク液体成分(溶媒や分散媒)の乾燥と同じく、自然乾燥にて除去される。その為、記録媒体8のインク浸透性の違いや、非浸透紙に対しても同じように、水性インクにより高速で高画質な画像を形成することが可能となる。
上記の工程を経て、画像形成が終了する。中間転写体12については、インク受容性粒子16を記録媒体8に転写した後、中間転写体12上に残留した残留粒子16Dや、記録媒体8から離脱した紙粉のような異物が存在する場合には、クリーニング装置24により除去しても良い。
また、中間転写体12に帯電を繰り返した場合、帯電量が一定に保てなくなる場合がある。その場合、クリーニング装置24の下流に、除電装置29を配置しても良い。帯電装置28と同様な導電性ロールを使用して、従動ロール31(接地)と挟み込んで、中間転写体12表面に±3kV、500Hz程度の交流電圧を印加することにより、中間転写体12表面を除電することが可能である。
上記の帯電電圧や、粒子層厚、定着温度等、その他の各種装置的条件は、インク受容性粒子16あるいはインクの組成、インクの吐出量等によって最適条件が決定される為、それぞれにおいて最適化すれば所望の結果を得ることができる。
<各構成要素>
次に、実施形態の各ステップの構成要素について詳しく説明する。
<中間転写体>
インク受容性粒子層が形成される中間転写体12は実施形態のようにベルト状でも、あるいは円筒状(ドラム状)でもよい。中間転写体表面にインク受容性粒子を静電力により供給保持する為には、中間転写体外周面が半導電性あるいは絶縁性の粒子保持特性を有する必要がある。中間転写体表面の電気的特性として、半導電性の場合は表面抵抗が1010〜14Ω/□、体積抵抗値が109〜13Ω・cm、絶縁性の場合には1014Ω/□、体積抵抗値が1013Ω・cm以上の部材を用いる。
ベルト形状の場合、基材としては、装置内におけるベルト回転駆動が可能で、必要な機械強度を持ち、特に転写/定着時に熱を使用する場合には、必要な耐熱性を持つものであれば良い。具体的には、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ステンレス等が使用される。
ドラム形状の場合、基材としてはアルミやステンレス等が考えられる。
インク受容性粒子16の転写効率を向上させる(中間転写体12から記録媒体8への効率的な転写)ためには、中間転写体12の表面には離形層14Aが形成されている事が望ましい。離形層14Aは中間転写体12表面(材質)として形成されていても、外添することにより中間転写体12の表面にオン・プロセスで離形層14Aを形成しても良い。
すなわち中間転写体12の表面を離形層14Aとする場合、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂や、 弾性体としてはシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムなどが好ましい。
外添により離形層14Aを形成する場合、ドラム形状の場合には、アルミの表面を陽極酸化した物、ベルト形状の場合には上記ベルト基材その物、また弾性体を形成する場合には(ドラム形状、ベルト形状のどちらでも)、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム等が使用される。
転写定着装置(転写定着ローラ)22における定着工程において電磁誘導による加熱方式を発揮するためには、転写定着装置(転写定着ローラ)22ではなく中間転写体12に発熱層を形成しても良い。発熱層には電磁誘導作用を生じる金属が用いられる。例えばニッケル、鉄、銅、アルミニウム、クロム等が選択可能である。
<粒子供給プロセス>
中間転写体12の表面にインク受容性粒子層16Aを形成する。このときインク受容性粒子層16Aを形成する方法は一般的な電子写真のトナーを感光体に供給する方法を応用できる。すなわち、予め中間転写体12表面に一般的な電子写真の帯電方式(帯電装置28による帯電など)により、電荷を供給する。インク受容性粒子16は中間転写体12表面の電荷と逆極性に摩擦帯電(1成分摩擦帯電方式や、2成分方式)させる。
供給ローラ18Aに保持されたインク受容性粒子16は中間転写体12の表面と電界を形成し、静電力により中間転写体12上に移動/供給され、保持される。このとき、インク受容性粒子層16Aに形成される画像層16Bの厚みにより(打ち込まれるインク量に合わせて)、インク受容性粒子層16Aの厚さをコントロールすることも可能である。この際、インク受容性粒子16の帯電量としては、5μc/g〜50μc/gの範囲が望ましい。
以下、1成分供給(現像)方式相当の粒子供給プロセスについて説明する。
供給ローラ18Aにインク受容性粒子16を供給し、帯電ブレード18Bで粒子層の厚みを規制するとともに帯電する。
帯電ブレード18Bは供給ローラ18A表面におけるインク受容性粒子16の層厚を規制する働きを持ち、供給ローラ18Aへの圧力を変化させることで、供給ローラ18A表面のインク受容性粒子16の層厚を変化させることが可能である。供給ローラ18A表面上のインク受容性粒子16層厚を概1層とすることで、中間転写体12の表面上に形成されるインク受容性粒子16層厚を概1層に形成することが可能である。また、帯電ブレード18Bの押圧力を低く制御することで供給ローラ18A表面上に形成されるインク受容性粒子16層厚を増加させ、中間転写体12表面上に形成されるインク受容性粒子層厚を増加させることが可能となる。
他の方法として、中間転写体12表面上に概1層の粒子層を形成する供給ローラ18Aと中間転写体12の周速を1とした場合、供給ローラ18Aの周速を速くすることにより中間転写体12上に供給されるインク受容性粒子16の数を増加させることができ、中間転写体12上のインク受容性粒子層厚を増加させることが可能となるよう制御することができる。また上記方法を組み合わせて制御することも可能である。上記構成では例えばインク受容性粒子16を負に帯電し、中間転写体12の表面を正に帯電させている。
このようにインク受容性粒子層の層厚を制御することにより、インク受容性粒子層の消費量を抑えつつ、常に表面が保護層で覆われたパターンを形成することができる。
帯電装置28における帯電ロールとしてはアルミニウム、ステンレススチール等を材料とする棒状又はパイプ状部材の外周面に導電性付与材を分散させた弾性層を形成し、体積抵抗率106〜108Ω・cm程度に調整したφ10〜25mmのロールなどが使用できる。
弾性層は、ウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマー、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、シリコン系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ポリノルボーネンゴム等の樹脂材料が単独又は二種以上の混合物として使用され、望ましい材料としては発泡ウレタン樹脂がある。
上記発泡ウレタン樹脂としては、ウレタン系樹脂に中空ガラスビーズや熱膨張型マイクロカプセル等の中空体を混合分散して独立気泡構造を付与したものが望ましく、このような発泡ウレタン樹脂は帯電装置として望ましい低硬度弾性を有し、搬送ベルトに対する高い接触安定性が得られるとともに、ニップ形成性も良好になる。
さらに、弾性層の表面を厚さ5〜100μmの撥水性のスキン層で被覆しても良く、その場合には装置内の湿度変化や帯電層表面へのインクミストの付着などによる特性変化(抵抗値変化)を抑えるのに効果がある。
帯電装置28にはDC電源が接続され、従動ロール31はフレームグランドに電気的に接続されている。帯電装置28は、従動ロール31との間で中間転写体12を挟みつつ従動し、押圧位置では、接地された従動ロール31との間に所定の電位差が生じるため、電荷を与えることができる。
<マーキングプロセス>
中間転写体12の表面に形成されたインク受容性粒子16の層(インク受容性粒子層16A)に、画像信号に基づいてインクジェット記録ヘッド20からインク滴20Aが吐出され、画像が形成される。インクジェット記録ヘッド20から吐出されたインク滴20Aは、インク受容性粒子層16Aに打ち込まれ、インク滴20Aはインク受容性粒子16内に形成された粒子間間隙(空隙)により速やかに吸収され、記録材(例えば、顔料)はインク受容性粒子16表面又はインク受容性粒子16を構成する粒子間間隙にトラップされる。
この場合、インク受容性粒子層16Aの表面近傍に多くの記録材(例えば顔料)をトラップすることが望ましい。インク受容性粒子16内の粒子間間隙(空隙)がフィルターの効果を発揮し、インク受容性粒子層16A表面に記録材(例えば顔料)をトラップすると共に、インク受容性粒子16内の粒子間間隙にトラップされ固定される事により発現される。
インク受容性粒子層16Aの表面及びインク受容性粒子16内の粒子間間隙に記録材(例えば顔料)を確実にトラップさせるために、インクとインク受容性粒子16を反応させることにより、記録材(例えば顔料)を速やかに不溶化(凝集)させる方法を採用しても良い。具体的には、上記反応はインクと多価金属塩との反応や、pH反応型を応用することが可能である。
また、高速で画像を書き込むためには、紙幅のライン型インクジェット記録ヘッド(FWA)が望ましいが、従来のスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いて、中間転写体上に形成された粒子層に順次画像を形成しても良い。インクジェット記録ヘッド20のインク吐出手段は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、インク吐出可能な手段であれば制限はない。インク自体も従来の染料を色材としたインクを用いることができるが、顔料インクが好ましい。
インク受容性粒子16をインクと反応させる場合は、インク受容性粒子16をインクと反応して顔料を凝集させる効果を与える凝集剤(例えば多価金属塩)を含む水溶液にて処理を行い、乾燥させたものを使用する。
<転写プロセス>
インク滴20Aを受容し、画像が形成されたインク受容性粒子層16Aは、記録媒体8に転写及び定着される事により、記録媒体8上に画像を形成する。上記転写と定着は別のプロセスにて行われても良いが、好ましくは転写と定着を同時に行う方式が良い。定着はインク受容性粒子層16Aを加熱あるいは加圧することのいずれかの方法、あるいは加熱と加圧の両方を用いる方法等あるが、好ましくは加熱/加圧を同時に行う方式が良い。
また、加熱/加圧を制御することで、インク受容性粒子層16Aの表面物性を制御し、グロス(光沢度)を制御することが可能である。また加熱/加圧した後、画像(インク受容性粒子層16A)が転写された記録媒体8を中間転写体12から剥離するときに、インク受容性粒子層16Aが冷却された後に剥離されても良い。冷却方法は、自然冷却や空冷等の強制冷却などが考えられる。これらのプロセスに対しては、中間転写体12としてはベルト形状が好ましい。
インク画像は中間転写体12上に形成されたインク受容性粒子16層の表層部に形成され(記録材(顔料)がインク受容性粒子層16Aの表面近傍にトラップされる)、記録媒体8に転写される事により、インク画像がインク受容性粒子16からなる粒子層16Cにより保護されるように形成される。つまり、記録材(顔料)が記録媒体8上に転写されたインク受容性粒子層16Aの最上層に多数存在しない為、擦り等による画像乱れの影響を防止することが可能となる。
インク受容性粒子16層に受容/保持されたインク液体成分(溶媒や分散媒)は、転写定着後もインク受容性粒子16層内に保持され、通常の水性インクジェット記録におけるインク液体成分(溶媒や分散媒)の乾燥と同じく、自然乾燥にて除去される。
<離形層>
転写効率を向上させるために、インク受容性粒子16供給前に、中間転写体12表面にシリコーンオイル等の離形層14Aを形成する工程を設けることも可能である。
離形層としてはシリコーンオイル、変性シリコーンオイル、フッ素系オイル、炭化水素系オイル、鉱物油、植物油、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、アルカンジオール、溶融ワックス等が考えられる。
弾性体の材質としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどを用いることができる。ここで、シリコーンゴムを採用する場合には、潤滑剤としてシリコーンオイルを使用するとシリコーンゴムが膨潤するので、これを防ぐためにその表面をフッ素樹脂又はフッ素ゴムのコート層を設けることが好ましい。
離形層14Aの供給方法は、オイルタンクを内蔵しオイル塗布部材にオイルを供給し、塗布部材により中間転写体12表面にオイルを供給することで離形層14Aを形成する方法や、オイルを含浸した塗布部材により中間転写体12表面に離形層14Aを形成する方法等が使用される。
<クリーニングプロセス>
中間転写体12表面をリフレッシュして繰返し使用を可能にするために表面をクリーニング装置24でクリーニングする工程が必要である。クリーニング装置24はクリーニング部と粒子搬送回収部(図示せず)から成り立っており、上記クリーニングにより、中間転写体12表面に残留しているインク受容性粒子16(残留粒子16D)の除去、粒子以外の異物(記録媒体8の紙粉等)といった中間転写体12の表面に付着した付着物の除去を行う。また、回収した残留粒子16Dは再利用してもよい。
<除電プロセス>
温度や湿度の条件によっては中間転写体12の表面抵抗が適切でない値になる場合が考えられる。中間転写体12の表面が高抵抗である場合には、粒子供給動作を繰り返し行う間に、中間転写体12の表面に電荷が蓄積されて電位が上がり、粒子層の形成に影響を与える場合がある。
そこで離形層14Aを形成する前に除電装置29を用いて中間転写体12の表面を除電するようにしてもよい。これにより中間転写体12の表面に蓄積された電荷を除き、インク受容性粒子層16Aの形成への影響を抑えることができる。
<他の形態>
以上、実施形態においては、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクジェット記録ヘッド20から画像データに基づいて選択的にインク滴20Aが吐出されてフルカラーの画像が記録媒体8に記録されるようになっているが、本発明は記録媒体上への文字や画像の記録に限定されるものではない。すなわち、工業的に用いられる液滴吐出(噴射)装置全般に対して、本発明に係る液滴吐出装置を適用することができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は「質量部」を示す。
(実施例1)
−インク受容性粒子Aの作製−
・非晶質ポリエステル樹脂(酸価5mgKOH/g/重量平均分子量15,000/数平均分子量4,000/Tg=50℃/吸液性:非吸液性樹脂):80質量%
・非晶質シリカ(Aerosil TT600 / Degussa社:体積平均粒子径40nm、非孔質):20質量%
を含む有機・無機ハイブリッド粒子Aを以下のようにして作製した。
まず、非晶性ポリエステル樹脂をイオン交換水に加え、加熱しながらホモジナイザーに掛け、分散液Aを得た。一方、非晶質シリカをイオン交換水に加え、微量のアニオン界面活性剤(スチレン-アクリル酸共重合体)を分散剤として用い、ホモジナイザーに掛け、分散液Bを得た。
そして、分散液Aと分散液Bを所定の添加比率となるように添加し、更に、凝集剤として塩化カルシウム0.5質量%を加えた。この液のpHを調整し、酸性とし、撹拌後、ホモジナイザーで分散した。その後、温度90℃の加温状態で3時間撹拌を続けた。
得られた分散液を室温まで冷却した後、スプレードライヤーにて噴霧乾燥し、球換算平均径6μmの有機・無機ハイブリッド粒子Aを得た。これをインク受容性粒子Aとした。
(実施例2)
−インク受容性粒子Bの作製−
・非晶質ポリエステル樹脂(酸価5mgKOH/g/重量平均分子量75,000/数平均分子量22,000/Tg=55℃/吸液性:非吸液性樹脂):33質量%
・非晶質シリカ(Aerosil MOX80 / Degussa社:体積平均粒子径30nm、非孔質):67質量%
を含む有機・無機ハイブリッド粒子Bを以下のようにして作製した。
まず、非晶性ポリエステル樹脂をイオン交換水に加え、加熱しながらホモジナイザーに掛け、分散液Aを得た。一方、非晶質シリカをイオン交換水に加え、微量のアニオン界面活性剤(スチレン-アクリル酸共重合体)を分散剤として用い、ホモジナイザーに掛け、分散液Bを得た。
そして、分散液Aと分散液Bを所定の添加比率となるように添加し、更に、凝集剤として塩化カルシウム0.5質量%を加えた。この液のpHを調整し、酸性とし、撹拌後、ホモジナイザーで分散した。その後、温度90℃の加温状態で3時間撹拌を続けた。
得られた分散液を室温まで冷却した後、スプレードライヤーにて噴霧乾燥し、球換算平均径10μmの有機・無機ハイブリッド粒子Bを得た。これをインク受容性粒子Bとした。
(実施例3)
−インク受容性粒子Cの作製−
・非晶質ポリエステル樹脂(酸価5mgKOH/g/重量平均分子量20,000/数平均分子量8,000/Tg=55℃/吸液性:非吸液性樹脂):78質量%
・非晶質シリカ(Aerosil OX50 / Degussa社:体積平均粒子径40nm、非孔質):20質量%
・非晶質シリカ(Aerosil R972 / Degussa社:体積平均粒子径16nm、非孔質):2質量%
を含む有機・無機ハイブリッド粒子Cを以下のようにして作製した。
まず、非晶質ポリエステル樹脂及び2種の非晶質シリカを混合し、当該混合物をヘンシェルミキサーにて混合撹拌し、混練材料とした。次いで、エクストルーダーに投入し、溶融混練した。得られた混練物を冷却した後、ジェットミルを用いて粉砕した。これを超音波篩に掛け、球換算平均径5μmの有機・無機ハイブリッド粒子Cを得た。これをインク受容性粒子Cとした。
(実施例4)
−インク受容性粒子Dの作製−
・ポリブチルメタクリレート樹脂(酸価10mgKOH/g/重量平均分子量35,000/数平均分子量12,000/Tg=35℃/吸液性:非吸液性樹脂):80質量%
・アルミナ(A33F/日本軽金属社:体積平均粒子径0.7μm、非孔質):20質量%
まず、ポリブチルメタクリレート樹脂をイオン交換水に加え、加熱しながらホモジナイザーに掛け、分散液Aを得た。一方、アルミナをイオン交換水に加え、微量のアニオン界面活性剤(スチレン-アクリル酸共重合体)を分散剤として用い、ホモジナイザーに掛け、分散液Bを得た。
そして、分散液Aと分散液Bを所定量混合した後、塩化ナトリウムを濃度が10〜5mol/Lとなるように添加した。この混合液を、24時間撹拌した後、超音波ホモジナイザーに30分間掛けた。この分散液を70℃で24時間撹拌した。
このようにして得られた分散液をスプレードライヤーにて噴霧乾燥し、粒子として取り出し、更に、得られた粒子をジェットミルで粉砕した。これを超音波篩に掛け、球換算平均径7μmの有機・無機ハイブリッド粒子Dを得た。これをインク受容性粒子Dとした。
(実施例5)
−インク受容性粒子Eの作製−
・上記有機・無機ハイブリッド粒子A:100質量部
・非晶質シリカ(Aerosil OX50 / Degussa社:体積平均粒子径40nm、非孔質):5質量部
・非晶質シリカ(Aerosil TT600 / Degussa社:体積平均粒子径40nm、非孔質) : 5質量部
上記組成比で材料を混合し、さらに微量の殺菌剤水溶液(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製)を添加し、攪拌混合(サンプルミルにて約30秒間)した後、メカノフュージョンシステムにて次のようにして断続駆動条件毎に粒径を測定し、球換算平均粒径10μmとなった段階で取り出し、複合体粒子化した。このようにして球換算平均粒径10μmのベース粒子を得た。
続いて、ベース粒子100質量部に対し、
・ポリプロピレンワックス(ペレスタット300/三洋化成社製):1質量部
・ステアリン酸亜鉛:0.2質量部
・非晶質シリカ(Aerosil TT600 / Degussa社:体積平均粒子径40nm、非孔質):1質量部
を攪拌混合し、球換算平均径10μmのインク受容性粒子Eを作製した。
(実施例6)
−インク受容性粒子Fの作製−
・上記有機・無機ハイブリッド粒子B:100質量部
・スチレン/n−ブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体粒子(非孔質粒子:体積平均粒子径0.2μm/酸価240mgKOH/g/重量平均分子量13,000/数平均分子量4,000/Tg≒60℃/吸液性:弱吸液性樹脂)0.5質量部
・ポリビニルアルコール : 0.5質量部
上記組成比で材料を混合し、さらに微量の殺菌剤水溶液(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製)を添加し、攪拌混合(サンプルミルにて約30秒間)した後、メカノフュージョンシステムにて次のようにして断続駆動条件毎に粒径を測定し、球換算平均粒径8μmとなった段階で取り出し、複合体粒子化した。このようにして球換算平均粒径8μmのベース粒子を得た。
続いて、ベース粒子100質量部に対して
・パラフィンワックス(OX−3215/日本精蝋社):1質量部
・ステアリルアルコール:0.15質量部
・炭酸カルシウム(ネオライトGP−20/竹原化学工業社:体積平均粒子径30nm、非孔質):1質量部
を攪拌混合し、球換算平均径8μmのインク受容性粒子を作製した。
(実施例7)
−インク受容性粒子Gの作製−
・上記有機・無機ハイブリッド粒子C:100質量部
・n−ブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体粒子(非孔質粒子:体積平均粒子径0.5μm/酸価320mgKOH/g/重量平均分子量25,000/数平均分子量8,000/Tg≒70℃/吸液性:弱吸液性樹脂):15質量部
・アルミナ(A33F/日本軽金属社:体積平均粒子径0.7μm、非孔質):15質量部
・ポリビニルアルコール:0.5質量部
上記組成比で材料を混合し、さらに微量の殺菌剤水溶液(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製)を添加し、攪拌混合(サンプルミルにて約30秒間)した後、メカノフュージョンシステムにて次のようにして断続駆動条件毎に粒径を測定し、球換算平均粒径15μmとなった段階で取り出し、複合体粒子化した。このようにして球換算平均粒径15μmのベース粒子を得た。
(比較例1)
−インク受容性粒子Hの作製−
・アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体(非孔質粒子:カーボポールETD2020/日光ケミカル社):80質量%
・カルボキシビニルポリマー(非孔質粒子:カーボポールETD2050/日光ケミカル社):20質量%
上記アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、及び、カルボキシビニルポリマーをそれぞれジェットミルに投入し、粉砕した。得られた粒子を気流分級機に掛けて、球換算平均粒子径5μmの粒子を得た。このようにして得られた粒子を上記組成で混合し、粒子Hとした。
(比較例2)
−インク受容性粒子Iの作製−
非晶質シリカ(Aerosil OX50 / Degussa社:体積平均粒子径40nm、非孔質)を得て、これをインク受容性粒子Iとした。
(比較例3)
−インク受容性粒子Jの作製−
・非晶質ポリエステル樹脂(非孔質粒子:体積平均粒子径12μm/酸価5mgKOH/g/重量平均分子量40,000/数平均分子量12,000/Tg=50℃/吸液性:非吸液性樹脂):90質量%
・非晶質シリカ(Aerosil OX50 / Degussa社:体積平均粒子径40nm、非孔質):10質量%
上記組成比で材料を混合したものを、インク受容性粒子Jとした。
(比較例4)
−インク受容性粒子Kの作製−
・スチレン/n−ブチルメタクリレートポリマー/アクリル酸共重合体粒子(非孔質粒子:体積平均粒子径30μm/320mgKOH/g/重量平均分子量100,000/数平均分子量7,000/Tg=55℃/吸液性:弱吸液性):30質量部
・非晶質シリカ(Aerosil OX50 / Degussa社:体積平均粒子径40nm、非孔質):70質量部
・ポリビニルアルコール:0.5質量部
上記組成比で材料を混合し、さらに微量の殺菌剤水溶液(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製)を添加し、攪拌混合(サンプルミルにて約30秒間)した後、メカノフュージョンシステムにて次のようにして断続駆動条件毎に粒径を測定し、球換算平均粒径8μmとなった段階で取り出し、複合体粒子化した。このようにして球換算平均粒径8μmのインク受容性粒子Kを得た。
(評価)
上記各実施例及び比較例のインク受容性粒子、及び下記インクAを用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
−インクA−
下記インク成分を混合し、攪拌した後、ポアサイズ5μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを調製した。
−インク成分−
・シアン顔料(C.I.Pig.Blue 15−3)(体積平均粒径80nm)/分散剤樹脂(スチレン/アクリル酸エステル/アクリル酸を含む酸価150mgKOH/gの高分子分散剤を2部): 12部
・ブチルカルビトール: 5部
・ジエチレングリコール: 10部
・グリセロール: 25部
・ノニオン界面活性剤(アセチレングリコール誘導体): 1部
・pH調整剤、殺菌剤(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製): 微量
・純水: 60部
得られたインクは、表面張力=33mN/m、粘度=9.1mPa・s、pH=7.8であった。
−乾燥時間−
記録媒体としてOK金藤(王子製紙社製)を用い、100%カバレッジパターンを作成してから所定の時間経過後に印字パターン上に別のOK金藤紙を1.9×104N/m2の荷重で押し当てる。この時、押し当てたOK金藤紙側に液体が転写されなくなる時間を乾燥時間とした。
評価基準は以下の通りである。
◎:乾燥時間が0.5秒未満
○:乾燥時間が1秒未満
△:乾燥時間が1秒以上3秒未満
×:乾燥時間が3秒以上
−光学濃度−
記録媒体としてOK金藤(王子製紙社製)を用い、100%カバレッジパターンを作成し、印字部分をエックスライト404(エックスライト社製)を用いて光学濃度を測定した。
評価基準は以下の通りである。
◎:光学濃度が1.6以上
○:光学濃度が1.5以上
△:光学濃度が1.3以上1.5未満
×:光学濃度が1.3未満
−定着性−
記録媒体としてOK金藤(王子製紙社製)を用い、100%カバレッジパターンを作成し、24時間一般環境に放置した。放置後、印字面に別のOK金藤を4.9×104 N/m2の荷重で押し当てて、擦り、擦った紙側の汚れ具合を、予め定めた限度見本に照合して、官能評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
◎:汚れが発生していないもの
○:汚れが殆ど発生していないもの
△:汚れは発生しているが、許容レベルのもの
×:汚れが激しく、許容範囲外のもの
上記結果から、本実施例のように、インク受容性粒子として、有機・無機ハイブリッド粒子の一次粒子を適用した場合、有機・無機ハイブリッド粒子(当該粒子の有機材料と無機材料との界面部の間隙)による吸液が行われるので、比較例に比べ、吸液速度が早く、乾燥時間が早いことがわかる。
また、本実施例のように、インク受容性粒子として、少なくとも有機・無機ハイブリッド粒子を含む複合粒子としているため、粒子間間隙に加え、有機・無機ハイブリッド粒子(当該粒子の有機材料と無機材料との界面部の間隙)による吸液が行われるので、比較例に比べ、吸液速度が早く、乾燥時間が早いことがわかる。
また、本実施例のインク受容性粒子を用いると、光学濃度、定着性、発色性、などの種々の特性も向上することがわかる。
実施形態に係るインク受容性粒子の一例を示す概念図である。 実施形態に係るインク受容性粒子の他の一例を示す概念図である。 実施形態に係るインク受容性粒子収納カートリッジを示す斜視図である。 図3のA−A断面図である。 実施形態に係る記録装置を示す概略構成図である。 実施形態に係る記録装置の主要部を示す概略構成図である。 実施形態に係るインク受容性粒子層を示す概略構成図である。
符号の説明
8 記録媒体
10 記録装置
12 中間転写体
14 離形剤塗布装置
14A 離形層
14B ブレード
14C 塗布ローラー
14D 離形剤
16 インク受容性粒子
16A インク受容性粒子層
16B 画像層
16D 残留粒子
16C 粒子層
18 粒子塗布装置
18A 供給ローラ
18B 帯電ブレード
19 インク受容性粒子収納カートリッジ
19A 供給管
20 インクジェット記録ヘッド
20A インク滴
22 転写定着装置(転写定着ローラ)
22A 加熱ロール
22B 加圧ロール
24 クリーニング装置
28 帯電装置
29 除電装置
31 従動ロール
50 インク受容性粒子収納カートリッジ
51 粒子収納カートリッジ本体
52 側壁部
54 側壁部
56 帯部
58 格納部
60 搬出口
62 孔
64 カップリング部
66 連結部
68 アジテーター
100 複合体粒子
102 有機・無機ハイブリッド粒子
104 有機樹脂粒子又は無機粒子

Claims (10)

  1. インクを受容するインク受容性粒子であって、
    有機材料及び無機材料を含む有機・無機ハイブリッド粒子を有することを特徴とするインク受容性粒子。
  2. インク受容性粒子は、少なくとも前記有機・無機ハイブリッド粒子が集合した複合体粒子である請求項1に記載のインク受容性粒子。
  3. 前記複合体粒子は、少なくとも、前記有機・無機ハイブリッド粒子に加え、有機樹脂粒子及び/又は無機粒子が集合した複合体粒子である請求項2に記載のインク受容性粒子。
  4. インクと、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク受容性粒子と、を備えるマーキング材料。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク受容性粒子にインクを受容する方法であって、
    前記複合体粒子における前記空隙を有する有機樹脂粒子間の間隙に、少なくとも前記インクの液体成分をトラップするトラップ工程を有するインク受容方法。
  6. インクと、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク受容性粒子と、を用いた記録方法であって、
    前記インクを、インク受容性粒子に受容する工程と、
    前記インクを受容した前記インク受容性粒子を記録媒体に転写する工程と、
    を有する記録方法。
  7. 前記記録媒体上に転写された前記インク受容性粒子を定着する工程を、さらに有する請求項6に記載の記録方法。
  8. インクと、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク受容性粒子と、を用いた記録装置であって、
    前記インクを、インク受容性粒子に受容する吐出手段と、
    前記インクを受容した前記インク受容性粒子を記録媒体に転写する転写手段と、
    を有する記録装置。
  9. 前記記録媒体上に転写された前記インク受容性粒子を定着する定着手段を、さらに有する請求項8に記載の記録装置。
  10. 記録装置に脱着可能に配設され、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク受容性粒子を収納するインク受容性粒子収納カートリッジ。
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