以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本実施形態の配線システムは、図12および図13に示すように建物内の適所において埋込配設している1乃至複数のスイッチボックス2を基本ベースとして用いる。これらのスイッチボックス2間には壁面内に先行配線した電力線L1と情報線L2とを送り配線してある。また始端のスイッチボックス2に対しては、屋外より配線ボックス1内に引き込まれた電力線L1が、主幹ブレーカMBおよび分岐ブレーカBBを介して導入されるとともに、外部のインターネット網NTにゲートウェイGW(必要に応じてルータ、ハブ)を介して接続されている情報線L2を導入してある。
これらのスイッチボックス2は、例えばJISで規格化された大角形連用配線器具の1個モジュール寸法に形成された埋込型配線器具を3個取り付けることができる1連の取付枠4(図1参照)に対応して規格化されており、配線ボックス1又は他のスイッチボックス2から送り配線されてくる電力線L1及び情報線L2をボックス内に導入するとともに、他のスイッチボックス2へ送り配線するための電力線L1及び情報線L2をボックス外へ導出している。そして、各スイッチボックス2には取付枠4を介してゲート装置3を夫々取り付けてあり、このゲート装置に本発明の機能装置を構成する基本機能モジュール8を接続してある。
取付枠4は、図1に示すように器具取付用の窓孔4aを中央に設けてあって、この窓孔4aに取付対象の器具本体の前部を背方から嵌め、左右両側の枠片に設けた係止手段に器具本体の両側に設けた被係止部を係止させて、器具本体を固定するようになっている。そして、取付枠4の上下両側の枠片に設けた取付孔4bに取付ねじ(図示せず)を挿通し、この取付ねじをスイッチボックス2のねじ孔(図示せず)に締結することで、取付枠4が器具本体ごとスイッチボックス2に取り付けられる。また、スイッチボックス2を用いずに、埋込孔を開口した壁パネルに取付枠4を取り付ける場合には、所謂挟み金具で壁パネルを挟持させて取り付けたり、木ねじを用いて取り付けることもできるようになっている。
ゲート装置3は、図6(b)に示すように器体3aの背面部に速結端子構造の接続端子部5a,5b及び送り配線用の接続端子部5a’、5b’を設け、夫々に対応する電力線L1および情報線L2を接続するようになっている。また器体3aの前面部には、図1に示すようにそれぞれ弧状に開口する2個の電源用栓刃挿入口40,40が約180度おきに形成されている。また器体3aの前面部には、それぞれ弧状に開口する2個の情報用栓刃挿入口41,41が約180度おきに形成されており、電源用栓刃挿入口40と情報用栓刃挿入口41とは同一の円周上に形成されている。
そして、一対の電源用栓刃挿入口40,40にそれぞれ対応する部位で、器体3aの内部には、電力線L1に電気的に接続されるとともに、各電源用栓刃挿入口40の一端側(左回転方向の端部)の幅広部40aから挿入される後述の電源用引掛栓刃44が各電源用栓刃挿入口40の他端側に移動したときに各電源用引掛栓刃44をそれぞれ保持する一対の電源用引掛刃受部材42,42を配設してある。電源用引掛刃受部材42は図14に示すように器体3aの前面部と垂直な方向に並べて配置される一対の挟持片42aを有し、一対の挟持片42aの間にL字形に形成された電源用引掛栓刃44の横片44aを挟持することで、電気的な接続と抜け止めとを行うようになっている。ここに、電源用引掛刃受部材42と電源用引掛栓刃44とで、基本機能モジュール8の抜け止めを行う抜止手段が構成される。なお本実施形態では基本機能モジュール8側に引掛栓刃44を設けるとともに、ゲート装置3側に引掛刃受部材42を設けているが、ゲート装置3側に引掛栓刃を設けるとともに、基本機能モジュール8側に引掛刃受部材を設けても良い。
また、一対の情報用栓刃挿入口41,41にそれぞれ対応する部位で、器体3aの内側には、情報線L2に電気的に接続されるとともに、各情報用栓刃挿入口41の一端側(左回転方向の端部)から挿入される後述の情報用栓刃45が各情報用栓刃挿入口41の他端側に移動したときに各情報用栓刃45をそれぞれ保持する一対の情報用刃受部材43,43を配設してある。情報用刃受部材43は、器体3aの内部位置であって栓刃挿入口41を間にした両側位置に配置される一対の接触片43aを有し、一対の接触片43aの間に短冊状に形成された情報用栓刃45を挟持することで、電気的な接続を行うようになっている。ここに、各栓刃挿入口40,41の開口部の形状や各刃受部材42,43の形状はシステムとして定形化(規格化)されている。
基本機能モジュール8は、後述する拡張機能モジュール9と共に機能装置を構成するもので、図1〜図3に示すように合成樹脂製の扁平なモジュール本体8Aを備えている。モジュール本体8Aの背面には、ゲート装置3前面部に設けた一対の電源用栓刃挿入口40に対応する部位に、各電源用栓刃挿入口40に挿入されるL字形の一対の電源用引掛栓刃44が突設されるとともに、一対の情報用栓刃挿入口41に対応する部位に、各情報用栓刃挿入口41に挿入される短冊状の一対の情報用栓刃45が突設されている。
この基本機能モジュール8をゲート装置3に取り付けるに当たっては、基本機能モジュール8のモジュール本体8Aをゲート装置3の前面部に前面側から近付けて、電源用引掛栓刃44をゲート装置3に設けた対応する栓刃挿入口40の一端側(幅広部40a)に、情報用栓刃45をゲート装置3に設けた対応する栓刃挿入口41の一端側にそれぞれ挿入する。その後、モジュール本体8Aを右回りに回転させると、各栓刃44,45が各栓刃挿入口40,41の他端側に移動して、各栓刃44,45が対応する刃受部材42,43に電気的に接続されるとともに、電源用引掛栓刃44が電源用引掛刃受部材42に引掛係止されて、モジュール本体8Aがゲート装置3に対して機械的に接続される(図6及び図14参照)。なおこの時、基本機能モジュール8の各栓刃44,45が対応する刃受部材42,43に電気的に接続されるので、基本機能モジュール8がゲート装置3を介して電力線L1および情報線L2に電気的に接続されることになる。また、上述のようにしてモジュール本体8Aをゲート装置3の前面側に取着させると、モジュール本体8Aがスイッチボックス2の前面開口を覆うとともに、周部のフランジをスイッチボックス2の前面開口周辺の壁面に重ねた状態となり、モジュール本体8Aが取付枠4を介してスイッチボックス2に取り付けられるようになっている。
またモジュール本体8Aの前面部には、図3(a)に示すように上下の両端位置において、モジュール本体8Aの幅方向に延びる幅広溝81aと幅狭溝81bとからなる連結用溝部81を形成してあり、幅広溝81aおよび幅狭溝81bは中央の仕切壁82で左右に二分されている。この仕切壁82の左側又は右側の連結用溝部81には、図3(b)に示すように合成樹脂製の連結体10の片側半分を仕切壁82に当たる位置まで嵌め込み、この連結体10の残り半分を図4に示すように拡張機能モジュール9側に同様に設けてある連結用溝部81に嵌め込むことで、基本機能モジュール8と拡張機能モジュール9とを機械的に結合できるようになっている。連結体10は、幅広溝81aと幅狭溝81bとを仕切る仕切壁81cが嵌る溝10aを背面に設け、両溝81a,81bに跨るように挿入される。そして基本機能モジュール8では前面部側から化粧カバー8Bを着脱自在に被着することで、また拡張機能モジュール9では蓋部83を閉じることで、両者の連結用溝部81に跨るように嵌め込んである連結体10を脱落しないように保持して、両機能モジュール8,9の連結状態を維持するようになっている。而して、連結体10と連結用溝部81とにより、基本機能モジュール8と拡張機能モジュール9とを水平方向に並べた状態で連結する連結手段が構成され、各機能モジュール8,9の接続方向が1方向に限定されないから、接続方向の自由度が向上するという効果がある。
次に基本機能モジュール8の内部回路を図7の回路構成図に基づいて説明する。基本機能モジュール8は、電源用引掛栓刃44を介して接続される商用電源ACを所定電圧に降下させるとともに周波数を高くし、この高い周波数に変換した低圧交流電源をコア11に巻装したコイル12に印加するAC/ACコンバータ13と、低圧交流電源を整流平滑後、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源+Vを得る直流電源部14と、情報用栓刃45を介して接続される情報線L2を通じて情報信号を双方向に伝送する送受信部15と、送受信部15が受信した情報信号をE/O変換し、発光素子LEDを通じて送出するE/O変換部16と、後述する拡張機能モジュール9側から送られくる光信号からなる情報信号を受光素子PDで受光しO/E変換して送受信部15に渡すO/E変換部17と、送受信部15で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該基本機能モジュール8から拡張機能モジュール9宛にデータを送る場合のデータ生成処理を行う演算処理部26と、I/Oインターフェース27を介して演算処理部26との間でデータの授受を行って動作する機能部30とを備え、この機能部30の構成は基本機能モジュール8に付加した機能に応じて異なっている。なお図6に示すように基本機能モジュール8が、拡張機能モジュール9への電力供給機能および情報信号の伝達機能以外の機能を持たない場合には機能部30は不要である。
コイル12及びコア11は基本機能モジュール8と連結する拡張機能モジュール9に電力を非接触で供給するための給電手段を構成するトランスの一次側となる電磁結合部を構成するもので、連結する拡張機能モジュール9(図8参照)側に設けたコイル18を巻回したコア19にコア11が磁気結合してトランス作用によりコイル18側に低圧交流電源電圧を誘起させて電源供給を行うようになっている。ここでAC/ACコンバータ13により商用周波数よりも周波数が高い交流電源に変換することで、電磁結合部によるトランス構成の小型化を図っている。
一方E/O変換部16の発光素子LEDは隣接する拡張機能モジュール9に情報信号を光信号により非接触で伝達するためのもので、連結された拡張機能モジュール9側のO/E変換部20に設けた受光素子PDに対置される。またO/E変換部17の受光素子PDは隣接する拡張機能モジュール9から光信号により伝達されてくる情報信号を受け取るためのもので、連接する拡張機能モジュール9側のE/O変換部21の発光素子LEDに対置される。
ここにコア11とコイル12とからなる電磁結合部は図7では1組しか示していないが実際には電気的に並列な2組備え、またE/O変換部16の発光素子LED、O/E変換部17の受光素子PDも夫々に別の発光素子LED、受光素子PDを接続しており、モジュール本体8Aの両側において側壁に近接する内部位置に夫々1組ずつ夫々配置してあるので、基本機能モジュール8に対して左右両側に拡張機能モジュール9を連設できるようになっている。
ここで発光素子LEDの発光部及び受光素子PDの受光部が対向するモジュール本体8Aの側壁部位は光信号が透過可能なように透明部Yとしてある。尚、モジュール本体8Aの両側では、受光素子PDと発光素子LEDの位置が上、下で逆になるように配置され、例えば右側では受光素子PDを上、発光素子LEDを下とし、左側では受光素子PDを下、発光素子LEDを上としてある。そして電磁結合部を構成するコア11の先端部の配置位置と、受光素子PD及び発光素子LEDの配置位置の上下間隔はシステムとして規格化してある。
本実施形態の配線システムでは、機能の違いによって複数種類の拡張機能モジュール9が準備されているが、基本的には図5(a)に示すようにモジュール本体9Aの高さ寸法を基本機能モジュール8と同じ高さ寸法に規格化すると共に、横幅寸法を規格化された単位モジュール寸法の整数倍に規格化してある。またモジュール本体9Aの左右両側面の形状は基本機能モジュール8の側面と同形状とし、また背面を図5(b),(c)に示すように平坦面に形成して壁面に沿わせることができるようにしている。そして、モジュール本体9Aの上下位置には上述の連結体10を基本機能モジュール8と同様に挿入するための連結用溝部81(幅広溝81aおよび幅狭溝81bからなる)を設けるとともに、この連結用溝部81を開閉する蓋部83を設けてあり、連結体10を装着する際や外す場合にはこの蓋部83を開き、連結体10の装着状態を保持する際には蓋部83を閉じるようになっている(図5(c)参照)。
モジュール本体9A内には図8に示すように上述のコイル18、コア19からなる電磁結合部を2組備えて、モジュール本体9Aの両側壁に近接する内部に配置するとともに、夫々のコイル18同士を電気的に接続し、片側の電磁結合部が隣接する基本機能モジュール8又は拡張機能モジュール9の電磁結合部と電磁結合して電力を受け取る側(二次側)となると、他方の電磁結合部が電力供給側(一次側)となるようになっている。これらの電磁結合部を構成するコア19の先端が近接配置されるモジュール本体9Aの側面位置が磁気結合部Xとなる。また両電磁結合部のコイル18,18間を接続する線路には直流電源部22を接続し、内部回路の動作電源+Vを得るようになっている。
更に情報信号を授受するために、モジュール本体9A内には連結する基本機能モジュール8又は拡張機能モジュール9から送られてくる光信号からなる情報信号を受光素子PDで受光して電気的な信号に変換するO/E変換部20と、電気信号からなる情報信号を隣接する基本機能モジュール8又は拡張機能モジュール9へ光信号からなる情報信号として発光素子LEDで送り出すためのE/O変換部21と、O/E変換部20からの電気信号からなる情報信号を受け取るとともに、電気信号からなる情報信号をE/O変換部21へ送り出す情報信号送受信部23とからなる情報信号送受信手段を二組設け、一方の組の発光素子LEDおよび受光素子PDをモジュール本体9Aの左側側壁近傍の内部に、また他方の組の発光素子LEDおよび受光素子PDをモジュール本体9Aの右側側壁近傍の内部に配置してある。ここで左側に配置される発光素子LEDの位置は受光素子PDの下側に、また右側に配置される発光素子LEDの位置は受光素子PDの上側に夫々を配置し、左側に連結される基本機能モジュール8又は拡張機能モジュール9の右側に配置されている発光素子LED、受光素子PDに、左側配置した受光素子PD、発光素子LEDが夫々対向し、また右側に連結される基本機能モジュール8又は拡張機能モジュール9の左側に配置されている発光素子LED、受光素子PDに右側配置した受光素子PD、発光素子LEDが夫々対向するようになっている。そして発光素子LED、受光素子PDが対向しているモジュール本体9Aの側壁は光信号が透過できるように基本機能モジュール8と同様に透明部Yとなっている。そして両側の情報信号送受信部23,23間をモジュール本体9A内において、双方向の信号ライン24で接続して、両側に隣接する基本機能モジュール8又は拡張機能モジュール9に対して情報信号を中継できるようになっている。
またモジュール本体9A内には、信号ライン24上の情報信号を受信するとともに、信号ライン24上に情報信号を送出する送受信部25と、この送受信部25で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該拡張機能モジュール9から他の拡張機能モジュール9宛にデータを送る場合のデータ生成処理を行う演算処理部26と、I/Oインターフェース27を介して演算処理部26との間でデータの授受を行って動作する機能部30とから構成され、この機能部30の構成が拡張機能モジュール9の種類によって異なるのである。
ここで拡張機能モジュール9のモジュール本体9Aの側面に磁気結合部X及び透明部Yが形成される位置は、図1および図2で示す基本機能モジュール8の側面の磁気結合部X及び透明部Yの位置と合うように規格化され、拡張機能モジュール9、9同士を連結させたとき或いは基本機能モジュール8と拡張機能モジュール9とを連結させたときに、面接する側面に設けた磁気結合部X、X同士および透明部Y,Y同士が夫々対向するようになっている。つまり夫々の給電手段の接続口同士、情報信号の伝達手段の接続口同士が接続された状態となる。
次に図6に示す設置例に基づいて拡張機能モジュール9の種類別の構成を説明する。この図1の場合、空調機器の運転操作器を構成する拡張機能モジュール9aと、空調機器の温度設定器を構成する拡張機能モジュール9bと、インターホンの親機を構成する拡張機能モジュール9cとが設置されている。
まず空調機器の運転操作器を構成する拡張機能モジュール9aの機能部30は、図9に示すように押釦スイッチからなる運転操作スイッチSWa及び停止操作スイッチSWbと、これら操作スイッチSWa,SWbの操作データを生成して演算処理部26にI/Oインターフェース27を介して送るデータ生成機能を有するCPU部33とで構成され、モジュール本体9Aの前面部には図6に示すように各操作スイッチSWa,SWbの操作釦を露出させている。なお照明器具をオン/オフするための壁スイッチを構成する機能モジュール(図示せず)も、空調機器の運転操作器である拡張機能モジュール9aと同様の構成になる。
一方、この拡張機能モジュール9aに併設された空調機器の温度設定器を構成する拡張機能モジュール9bは、図10に示すように温度設定用の電子ボリュームからなる温度設定部VR1と、空調機器を一定時間動作させるタイマ動作の指示と解除を行うための押釦型の操作スイッチSW1と、温度設定部VR1の回転操作ダイヤル31に組み込まれて、表示面を回転操作ダイヤル31の表面に露出させた設定温度表示用の液晶表示器32と、温度設定部VR1の抵抗値で決まる設定温度の設定データや押釦スイッチSW1の押操作に応じた操作データを生成して演算処理部26へI/Oインターフェース27を介して送るデータ生成機能、及び、設定された温度値を液晶表示器32で表示させるための表示制御機能を備えたCPU部33とで機能部30を構成し、モジュール本体9Aの前面部には図6に示すように回転操作ダイヤル31、押釦スイッチSW1の操作釦を露出させている。
また、インターホンの親機を構成する拡張機能モジュール9cは、図11に示すように音量調整用電子ボリュームVR2と、受話/送話兼用のスピーカSPと、スピーカSPの機能を受話用スピーカ又は送話用マイクの何れかに切り替える切替回路35と、切替回路35に切替えを指示する押釦スイッチからなる通話スイッチSW2と、押釦スイッチからなる電気錠の解錠操作用スイッチSW3と、デジタル映像信号から映像を再生表示する液晶表示器34と、演算処理部26からI/Oインターフェース27を介して取り込んだ情報信号から伸張復号して得た受話音声データをD/A変換し、アンプAP1と切替回路35を通じてスピーカSP側へ送出するとともに、スピーカSPから切替回路35とアンプAP2を通じて取り込んだ送話音声信号をA/D変換し、圧縮符号化した後I/Oインターフェース27を介して演算処理部26へ送出する音声処理機能、演算処理部26からI/Oインターフェース27を介して取り込んだ情報信号から伸張復号して得た画像データをデジタル映像信号として液晶表示器34に送出する映像信号処理機能、及びスイッチSW3の操作信号に基づいて電気錠解錠のデータを生成しI/Oインターフェース27を介して演算処理部26へ送出したり、通話スイッチSW2の操作により切替回路35の切替制御を行う信号を生成する機能を有するCPU部33とで機能部30を構成し、モジュール本体9Aの前面部には図6に示すように液晶表示器34の表示面を露出するとともに、音量調整用電子ボリュームVR2の操作部、通話スイッチSW2の操作釦、解錠操作用スイッチSW3の操作釦を夫々露出するとともに、スピーカSPに対応する音声入出力用孔36を開口している。
なお拡張機能モジュール9としては以上の他に照明器具のオン/オフ操作用の壁スイッチや、電力供給を利用した電気カミソリ、電動歯ブラシ、携帯オーディオプレーヤ等の充電器等がある。また前記のインターホンの親機に対応する子機は、玄関に埋設されたスイッチボックス2に取り付けられたゲート装置3に連結される拡張機能モジュール9として構成され、インターホンの通話機能と、訪問者撮影のTVカメラと、このTVカメラで撮影される画像を、情報信号として伝送するためのデータ処理を行うCPU部などからなる機能部30を備えている。また解錠操作用スイッチSW3に対応した電気錠の施/解錠の制御信号を生成して電気錠へ出力する機能を備えた拡張機能モジュール9を玄関内の壁面に埋設したスイッチボックス2に取り付けたゲート装置3に連結する形で設置する。
また例えば図13に示すように建物内の適所において埋込配設された複数のスイッチボックス2の内、室内の天井面のようなハイポジションHPに設けられたスイッチボックス2のゲート装置3には引掛栓刃接続部38を備えた基本機能モジュール8が接続され、この基本機能モジュール8には人感センサ等のセンサ39が設けられた拡張機能モジュール9などが連結される。壁スイッチ等で推奨される高さ位置(ミドルポジションMP)に設けられたスイッチボックス2のゲート装置3には、スイッチ手段Sが備わった基本機能モジュール8に、インターホン機能部Hを持つ拡張機能モジュール9や、空調用コントローラCRが備わった拡張機能モジュール9が連結される。更に足元付近(ローポジションLP)に設けられたスイッチボックス2のゲート装置3には、電源コンセント部37を備えた基本機能モジュール8が接続され、更に足下灯LLを構成する機能モジュール9が連結されている。またハイポジションHPやローポジションLPのスイッチボックス2のゲート装置3には、スピーカSPなどを備えたBGM用の機能等を併せ持つ基本機能モジュール8を接続したり、ミドルポジションMPのスイッチボックス2のゲート装置3には、モニタ装置Mを備えた基本機能モジュール8を接続している。またミドルポジションMPやハイポジションHPのスイッチボックス2に配設されるゲート装置3に接続された基本機能モジュール8には、照明器具や空調機器等を遠隔操作するために赤外線信号よりなるリモコン信号を送信するリモコン機能を有する拡張機能モジュール9を接続して良く、室内の壁面に配設した操作器側の拡張機能モジュール9からリモコン機能を有する拡張機能モジュール9宛に操作や設定のデータからなる情報信号を送信することで、リモコン機能を有する拡張機能モジュール9から受信したデータに対応する赤外線リモコン信号を、手持ち操作のリモコン発信器と同様に発信させ、リモコン信号の受光部を備えた照明器具や空調機器を制御することが可能になる。
ところで、ゲート装置3に接続される情報線L2は複数種の機器に用いられる情報信号の信号伝送を行うものであり、例えば電話、LANなどのネットワーク機器、TV、インターホン、各種センサなどに用いられる情報信号や、照明器具などの機器を制御するための制御信号の信号伝送に用いられる。したがって、ゲート装置3を介して基本機能モジュール8や拡張機能モジュール9に複数種類の情報信号を伝達することができるから、各機能モジュール8,9では情報線L2を通じて対応する情報信号を授受することにより所定の機能を実現でき、したがって所望の機能を有する機能モジュール8,9を接続して使用することにより、多種多様な機能をもつシステムを実現することができる。
なお、本配線システムにおいて情報信号を伝送する方式としては、ベースバンド伝送又はブロードバンド伝送の何れを採用しても良く、またプロトコルも何れでも良いが、音声、映像などを用いるインターホンの親機、子機との間にはJT−H232パケットに基づいて音声・映像を相互に伝送することとし、また制御系にあっては操作側からの操作データにより1乃至複数の負荷を操作できるような1対1又は1対Nの対応が可能なユニキャスト或いはブロードキャストに対応する経路制御プロトコルを採用すれば良く、特に限定されるものではないので、説明は省略する。またゲート装置3間の使用プロトコルと、ゲート装置3に連なる機能モジュール8,9での使用プロトコルを異ならせ、例えばゲート装置3にプロトコル変換を行うようにしても良い。
本配線システムに用いる各機能モジュール8,9は上記のような構成を有しており、これらの機能モジュール8,9を使用するに当たっては、まず建物の適所の壁面に予め埋設してあるスイッチボックス2から電力線L1および情報線L2を引き出して、これら電力線L1および情報線L2をゲート装置3に取り付けた後、このゲート装置3を取付枠4を介してスイッチボックス2に取り付ける。そして、ゲート装置3の前面部に設けた栓刃挿入口40,41の一端側(左回り方向の端部)に、基本機能モジュール8の背面に設けた栓刃44,45を挿入した後、基本機能モジュール8のモジュール本体8Aを右回りに回転させて、各栓刃44,45を栓刃挿入口40,41の他端側へ移動させると、各栓刃44,45がゲート装置3の刃受部材42,43に電気的に接続されるとともに、電源用引掛栓刃44が電源用引掛刃受部材42に機械的に接続されることで、基本機能モジュール8がゲート装置3の前面部を覆うようにして取付枠4に取り付けられる。この取付状態において基本機能モジュール8は壁面よりも前面部が突出し、両側面が室内側に露出することになる。ここで、本配線システムでは電源用引掛栓刃44を栓刃挿入口40の一端側(幅広部40a)から挿入して、栓刃挿入口40の他端側へ移動させると、電源用引掛栓刃44が電源用引掛刃受部材42によって引掛保持されるので、基本機能モジュール8がゲート装置3から脱落するのを防止できる。しかも電源用引掛栓刃44を栓刃挿入口40の他端側から一端側(幅広部40a)へ移動させると、電源用引掛栓刃44と電源用引掛刃受部材42との保持状態が解除されるので、基本機能モジュール8をゲート装置3から容易に取り外すことができる。さらに電源用引掛栓刃44と電源用引掛刃受部材42とで電気的な接続と機械的な保持の両方を行うことができるから、電気的な接続を行う部材で機械的な保持を行う部材を兼用でき、部品数を削減してゲート装置3や基本機能モジュール8の小型化を図ることができる。
基本機能モジュール8と共に機能装置を構成する拡張機能モジュール9は、基本機能モジュール8の露出した両側側面の一方に片側の側面を面接させ、この状態で連結体10を用いて拡張機能モジュール9と基本機能モジュール8とを機械的に連結する。このとき拡張機能モジュール9の背面はスイッチボックス2の側方の壁面に沿うことになり、例えば壁面にクロス貼り等が施されている場合、拡張機能モジュール9の背面の位置が多少ずれていてもそれを吸収して背面を壁部に密接させた状態に配設することができ、拡張機能モジュール9の前面部から操作力等が加わっても連結部位に加わる荷重を軽減することができる。
更に先に連結した拡張機能モジュール9に別の拡張機能モジュール9を連結する場合には、対向側面を面接させた状態で連結体10により互いに機械的に連結する。このようにして図1に示すように順次拡張機能モジュール9(9a〜9c)を側方に連結することができる。上述のように機能装置を構成する基本機能モジュール8および拡張機能モジュール9は、造営面への取付状態において左右両画面に給電手段と情報伝達手段を備えており、各機能モジュール8,9に対して左右両側に他の機能モジュール8,9を連結することができるので、基本機能モジュール8の両側方向に1乃至複数台の拡張機能モジュール9を連結しても良く、両機能モジュール8,9の接続方向が1方向に限定されないから、接続方向の自由度が向上するという利点がある。また先行配線された電力線L1から電力を得るとともに、情報線L2を介して情報信号の授受を行う基本機能モジュール8に対して拡張機能モジュール9を接続するだけで、基本機能モジュール8及び拡張機能モジュール9において電力路と情報路とを両方共に確保することができるから、多種多様な機能を持つシステム構築が可能であり、しかも各機能モジュール8,9の追加や変更に特別な施工が不要であるから、一般ユーザーの好みに合わせて機能モジュール8,9を連結して使用することで、システムの拡張性が確保される。
そして、基本機能モジュール8に1乃至複数台の拡張機能モジュール9を連結した後、両端に位置する拡張機能モジュール9又は基本機能モジュール8の反連結部位の側部に着脱自在にエンドカバー28を被着することで、拡張機能モジュール9の連結施工が完了することになる。なお基本機能モジュール8に連結できる拡張機能モジュール9の台数は連結部位に加わる荷重の大きさによって制限があり、また基本機能モジュール8のAC/ACコンバータ13の電力供給能力によっても制限される。また基本機能モジュール8に対して拡張機能モジュール9を連結しない場合にはエンドカバー28を基本機能モジュール8の両側部に被着すれば良い。
上述のように拡張機能モジュール9を連結した基本機能モジュール8では、AC/ACコンバータ13によって商用電源ACを所定電圧に降圧し且つ周波数を高い周波数に変換した低圧交流電源を生成し、この低圧交流電源を隣接する拡張機能モジュール9に非接触で給電している。また基本機能モジュール8から電力供給を受けた拡張機能モジュール9では、更に別の拡張機能モジュール9が連結されている場合、内部回路を経て磁気結合による非接触給電で電力を更に供給するのである。このようにして基本機能モジュール8側から最外端に存在する拡張機能モジュール9まで低圧交流電源を非接触で供給する電力路が構築されることになる。
また基本機能モジュール8および拡張機能モジュール9において、情報信号をE/O変換を経て送り出すとともに、情報信号をO/E変換を経て取り込むことにより、連結した基本機能モジュール8と拡張機能モジュール9との間、或いは、拡張機能モジュール9,9の間で、光信号からなる情報信号を発光素子LED、受光素子PDを用いて非接触で双方向に伝送することができる情報路が構築されることになる。
以上のようにして配設施工が終了し、システムが完成した後は、対応する機能モジュール8,9間で情報信号の授受を行い、拡張機能モジュール9が図6に示すようにインターホンの親機を構成する拡張機能モジュール9cであれば子機の拡張機能モジュール9との間でインターホンシステムを構成し、両者間での通話を可能とするとともに、子機側のカメラで撮像する来訪者を親機側の拡張機能モジュール9cでモニタすることができる。また玄関の電気錠の解錠操作も遠隔により行えることになる。また拡張機能モジュール9が図6に示すように空調機器の運転操作器を構成する拡張機能モジュール9aや温度設定器を構成する拡張機能モジュール9bの場合には、上述したリモコン機能を有する拡張機能モジュール9を通じて空調機器の遠隔制御システムを構成し、拡張機能モジュール9aの操作スイッチSWa,SWbにより空調機器の運転/停止の遠隔制御が行え、また拡張機能モジュール9bの温度設定部VR1による温度設定や、押釦スイッチSW1の操作によるタイマ運転等も同様に遠隔で行えることになる。
なお本実施形態に用いるゲート装置3は取付枠4を介してスイッチボックス2に取り付けているが、スイッチボックス2の奥壁にゲート装置3を直接取り付け、基本機能モジュール8をスイッチボックス2に取り付ける構成としても勿論良い。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図15および図16に基づいて説明する。尚、ゲート装置3と基本機能モジュール8とを電気的且つ機械的に接続する構成以外は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
上述の実施形態1では、ゲート装置3に設けた電源用引掛刃受部材42と基本機能モジュール8に設けた電源用引掛栓刃44とで抜止手段を構成しているのに対して、本実施形態では図15に示すように、基本機能モジュール8の背面部に、側面視の形状が略L字形に形成されて先端が下向きに突出する各一対の引掛端子48,49を設けるとともに、ゲート装置3の器体3a前面部に造営面への取付状態において鉛直方向に沿って延びる端子挿入口46,47を設け、各端子挿入口46,47の上端側から挿入された引掛端子48,49の下端側への移動時に引掛端子48,49をそれぞれ各一対の挟持片50a,51aの間に挟持する被接続端子50,51を器体3a内部に収納してある。なお基本機能モジュール8の背面部に設けた各一対の引掛端子48,49の内、上側の2つの引掛端子48は電力用の接続端子となり、下側の2つの引掛端子49は情報用の接続端子となっている。
ここで、基本機能モジュール8をゲート装置3に取り付けるに当たっては、基本機能モジュール8をゲート装置3の前面側から近付けて、基本機能モジュール8の背面に設けた引掛端子48,49をそれぞれ対応する端子挿入口46,47に挿入した後、基本機能モジュール8を下側に移動させると、図16に示すように各引掛端子48,49の基部が端子挿入口46,47の下端側へ移動し、引掛端子48,49の先端から下向きに突出する接触片48a,49aが、それぞれ、被接続端子50,51の備える各一対の挟持片50a,51aの間に挟持されることによって、各引掛端子48,49が被接続端子50,51にそれぞれ電気的に接続される。このとき、各引掛端子48,49の接触片48a,49aが端子挿入口46,47の下側の周部に引掛係止され、基本機能モジュール8の自重により各引掛端子48,49には下向きの力が加わるので、被接続端子50,51との接続状態が維持される。ここに、基本機能モジュール8の引掛端子48,49とゲート装置3の被接続端子50,51とで抜止手段が構成される。
一方、基本機能モジュール8をゲート装置3から取り外す際には、基本機能モジュール8を上側に移動させると、各引掛端子48,49が端子挿入口46,47内を上端側へ移動して、被接続端子50,51との接続状態が解除され、その後基本機能モジュール8を前方へ移動させると、各引掛端子48,49を端子挿入口46,47から外側へ抜き出すことができるので、基本機能モジュール8をゲート装置3から容易に取り外すことができる。また本実施形態においても、引掛端子48,49が被接続端子50,51に電気的に接続されるとともに、端子挿入口46,47の孔縁に引掛係止することで、引掛端子48,49により電気的な接続と機械的な保持の両方を行うことができるから、電気的な接続を行う部材で機械的な保持を行う部材を兼用でき、部品数を削減してゲート装置3や基本機能モジュール8の小型化を図ることができる。
ところで、本実施形態では基本機能モジュール8側に引掛端子48,49を設けるとともに、ゲート装置3側に各引掛端子48,49が挿入される端子挿入口46,47と、端子挿入口46,47から挿入される引掛端子48,49に電気的に接続される被接続端子50,51とを設けているが、ゲート装置3側に引掛端子48,49を設けるとともに、基本機能モジュール8側に各引掛端子48,49が挿入される端子挿入口46,47と、端子挿入口46,47から挿入される引掛端子48,49に電気的に接続される被接続端子50,51とを設けても良い。
また、接続端子や端子挿入口や被接続端子の形態を、図15および図16に示す形態に限定する趣旨のものではなく、例えば図17に示すように基本機能モジュール8の背面部に、棒状であって先端部に大径部54a,55aを有する各一対の引掛端子54,55を突設するとともに、ゲート装置3の器体3a前面部において、各引掛端子54,55と対応する部位に、長孔52b,53bの上端部に長孔52b,53bよりも大径の丸孔52a,53aが連続するだるま孔形状の各一対の端子挿入口52,53を設け、さらに端子挿入口52,53の丸孔52a,53aから挿入された引掛端子54,55の下端側への移動時に引掛端子54,55を引掛保持する被接続端子56,57を器体3a内部に収納するようにしても良い。
この場合も上述と同様に、基本機能モジュール8をゲート装置3の前面側から近付けて、基本機能モジュール8の背面に設けた引掛端子54,55をそれぞれ対応する端子挿入口52,53の丸孔52a,53aに挿入した後、基本機能モジュール8を下側に移動させると、各引掛端子54,55が端子挿入口52,53の長孔52b,53b内に挿入されて、ゲート装置3内部に収納された被接続端子56,57に電気的に接続される。このとき引掛端子54,55の大径部54a,55bが、それぞれ、端子挿入口52,53の長孔52b,53bの周部に引掛係止され、基本機能モジュール8の自重により各引掛端子54,55には下向きの力が加わるので、被接続端子50,51との接続状態が維持される。この取付状態においては引掛端子54,55が被接続端子56,57に電気的に接続されるとともに、端子挿入口52,53の長孔52b,53bの孔縁に引掛係止することで、引掛端子54,55により電気的な接続と機械的な保持の両方を行うことができるから、電気的な接続を行う部材で機械的な保持を行う部材を兼用でき、部品数を削減してゲート装置3や基本機能モジュール8の小型化を図ることができる。ここに、基本機能モジュール8の引掛端子54,55とゲート装置3の被接続端子56,57とで抜止手段が構成される。
なお、基本機能モジュール8をゲート装置3から取り外す際には、基本機能モジュール8を上側に移動させると、各引掛端子54,55の大径部54a,55aが端子挿入口52,53内を上側へ移動して、被接続端子56,57との接続状態が解除される。そして、各引掛端子54,55の大径部54a,55aを端子挿入口52,53の丸孔52a,53a側に移動させた後、基本機能モジュール8を前方へ移動させると、各引掛端子54,55を端子挿入口52,53から外側へ抜き出すことができ、基本機能モジュール8をゲート装置3から容易に取り外すことができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図18に基づいて説明する。尚、ゲート装置3と基本機能モジュール8とを電気的且つ機械的に接続する構成以外は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施形態ではゲート装置3の器体3a前面部に、電力線L1が接続される端子部5a,5a’に電気的に接続された接触部(図示せず)を備える電力路接続口6Aと、情報線L2が接続される端子部5b,5b’に電気的に接続された導電部(図示せず)を備える情報路接続口6Bとを有してモジュール化した接続口6を設けてある。また器体3a前面部には接続口6の上下両側にそれぞれ係止孔58,58を形成してある。
一方、基本機能モジュール8のモジュール本体8A背面部には、ゲート装置3の各接続口6A,6Bに接続される被接続部7A、7Bを有したコネクタ7を設けてあり、コネクタ7の被接続部7A、7Bをゲート装置3の各接続口6A,6Bに結合することによって、ゲート装置3のボディ前面部を覆うようにして基本機能モジュール8を取着するようになっており、ゲート装置3と基本機能モジュール8とが各接続口6A,6Bと各被接続部7A,7Bとを介して電気的に接続されるようになっている。またモジュール本体8Aの背面には、ゲート装置3の係止孔58,58内に挿入される弾性係止爪片59,59を突設してあり、各弾性係止爪片59の先端の爪59aが係止孔58の周縁部と係止することで、基本機能モジュール8の抜け止めを行うようになっている。
ここで、基本機能モジュール8をゲート装置3に取り付けるに当たっては、基本機能モジュール8をゲート装置3の前面側から近付けて、基本機能モジュール8の背面に設けたコネクタ7の被接続部7A,7Bをそれぞれ対応する接続口6A,6Bに挿入するとともに、弾性係止爪片59を係止孔58内に挿入して、先端の爪59aを係止孔58の周部背面と係止させることで、基本機能モジュール8をゲート装置3に取り付けてある。この取付状態において、コネクタ7の被接続部7A,7Bが各接続口6A,6Bに挿入されるので、基本機能モジュール8がゲート装置3を介して電力線L1および情報線L2に電気的に接続されることになる。また電気的な接続を行う接続口6および被接続口(コネクタ7)とは別に設けた弾性係止爪片59の爪59a(係止部)が係止孔58(被係止部)の周部と係止することで、基本機能モジュール8の抜け止めが行われるので、基本機能モジュール8がゲート装置3から脱落するのを防止することができる。
(実施形態4)
上述の実施形態1〜3では共に電力(電源)の送りと、情報信号の受け渡しは別系統で行っているが、本実施形態では、システム全体の情報信号の伝送方式を電力線搬送で行うことにより、電力路と情報路との共通化を図ったものである。
つまり各スイッチボックス2での先行配線は電力線L1のみとし、これに対応して図19に示すようにゲート装置3の端子部5b,5b’および刃受部材43,43を無くして、器体3a前面部の栓刃挿入口は図1に示す電源用栓刃挿入口40のみとしてある。また、これに対応する基本機能モジュール8の栓刃も電源用栓刃挿入口40に対応した電源用引掛栓刃44のみとしている。
そして、基本機能モジュール8において、電源用引掛栓刃44を介して電力線L1に接続され、電力線搬送通信により情報信号を授受するPLCモデム(電力線搬送通信手段)15aを設けており、送受信部15では、PLCモデム15aを介して受信された情報信号をE/O変換部16により光信号で送信させるとともに、O/E変換部17が受光した光信号よりなる情報信号を、PLCモデム15aから電力線搬送通信によって電力線L1に送信させている。また送受信部15は、PLCモデム15aを介して受信された情報信号を演算処理部26に出力して、演算処理部26によりデータ処理を行わせるとともに、演算処理部26から入力された情報信号をPLCモデム15aからゲート装置3を介して電力線L1へ電力線搬送通信によって送信させている。このように、基本機能モジュール8に設けたPLCモデム15aが電力線L1を通じて電力線搬送通信により信号伝送を行っているので、電力線L1で情報線L2を兼用することができ、配線の数を減らして、配線施工の手間を少なくできる。
尚、本実施形態では基本機能モジュール8にPLCモデム15aを設け、このPLCモデム15aにより電力線L1を通じて電力線搬送通信を行い、基本機能モジュール8と拡張機能モジュール9との間では光信号により情報信号を送受信しているが、ゲート装置3にPLCモデムを設け、ゲート装置3のPLCモデムにより電源波形から分離された情報信号を実施形態1で説明した刃受部材43および栓刃45を介して基本機能モジュール8に出力するとともに、基本機能モジュール8から栓刃45および刃受部材43を介してゲート装置3に入力された情報信号をPLCモデムが電源波形に重畳して電力線L1に出力するようにしても良い。また、機能モジュール8,9にそれぞれPLCモデムを設け、各機能モジュール8,9を電力線L1に接続して、各機能モジュール8,9のPLCモデムにより電力線搬送通信で情報信号を送受信するようにしても良い。
なお本実施形態で採用する電力線搬送の変調方式としては広帯域スペクトラム拡散方式、マルチキャリア方式、OFDM方式等各種方式の何れでも良いので、ここでは特に説明はしない。