JP2007179951A - 燃料電池用電極及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用電極及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007179951A
JP2007179951A JP2005379382A JP2005379382A JP2007179951A JP 2007179951 A JP2007179951 A JP 2007179951A JP 2005379382 A JP2005379382 A JP 2005379382A JP 2005379382 A JP2005379382 A JP 2005379382A JP 2007179951 A JP2007179951 A JP 2007179951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
conductive particles
paste
catalyst layer
fuel cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005379382A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4940657B2 (ja
Inventor
Hiroki Tsukamoto
宏樹 塚本
Koichi Shiraishi
剛一 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Equos Research Co Ltd filed Critical Equos Research Co Ltd
Priority to JP2005379382A priority Critical patent/JP4940657B2/ja
Publication of JP2007179951A publication Critical patent/JP2007179951A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4940657B2 publication Critical patent/JP4940657B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

【課題】低温起動性の向上と、通常時の性能向上とを両立し得る燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池用カソード極31は、電解質膜11a側に位置し、Pt担持カーボンと電解質とを有する触媒層23と、電解質膜11aの逆側に位置し、酸化ガスを拡散する拡散層21とを有する。触媒層23と拡散層21との間には、Pt担持カーボンブラックと電解質とを有し、触媒層23よりも低い含有率で白金が担持され、触媒層23よりも厚く、かつ触媒層23よりも積算細孔容積が大きい副触媒層22が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池用電極及びその製造方法に関する。
燃料電池スタックは、図8に示すように、複数のセル10が積層されてなる。各セル10は、セパレータ12、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)11及びセパレータ12によって構成されており、隣り合うセル10はセパレータ12を共通にしている。
各膜電極接合体11は、ナフィオン(登録商標、Nafion(Dupon社製))等の固体高分子膜からなる電解質膜11aと、この電解質膜11aの一面に接合されて酸化ガスが供給されるカソード極11bと、電解質膜11aの他面に接合されて燃料が供給されるアノード極11cとを有している。
各セパレータ12は、各膜電極接合体11を間に挟んで積層され、個々が各カソード極11b側に酸化ガス流路12bを形成するとともに、各アノード極11c側に燃料流路12cを形成するようになっている。燃料電池スタックに供給される酸化ガスは各セル10の全ての酸化ガス流路12bを流通するようになっており、燃料電池スタックに供給される燃料は各セル10の全ての燃料流路12cを流通するようになっている。
一般的なカソード極11bは、図9に示すように、電解質膜11a側に位置し、カーボン粒子に触媒が担持された触媒担持カーボンと電解質とを有する触媒層1bと、電解質膜11aの逆側に位置し、酸化ガスを拡散する拡散層2bとを有している。また、アノード極11cは、電解質膜11a側に位置し、触媒担持カーボンと電解質とを有する触媒層1cと、非電解質側に位置し、燃料ガスを拡散する拡散層2cとを有している。
また、特許文献1に記載されているように、低温環境下において、燃料電池システムを容易に起動できるようにしたカソード極11bは、図10に示すように、電解質膜11a側に位置し、触媒担持カーボンと多孔質導電性粒子と電解質とを有する水分散触媒層3aと、電解質膜11aの逆側に位置し、酸化ガスを拡散する拡散層2bとを有している。水分散触媒層3aは、多孔質導電性粒子を含んでいるため、図9に示す一般的な触媒層1bよりも積算細孔容積が大きく、水を分散させることができる。
このカソード極11bは、およそ以下のように製造される。まず、基材及び水分散触媒層用ペーストを用意する。基材は、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルト等の導電性及びガス透過性のある板状のものである。水分散触媒層用ペーストは、導電性粒子としてのカーボン粒子に触媒としての白金を担持してなる触媒担持カーボンと、多孔質導電性粒子としてのカーボンブラックと、電解質溶液との分散液である。
そして、基材の一面に水分散触媒層用ペーストを塗布し、水分散触媒層3aを形成する。基材の他の部分が拡散層2となる。こうして、カソード極11bが得られる。
また、特許文献1には、図11に示すように、電解質膜11a側に位置し、触媒担持カーボンと電解質とを有する触媒層3bと、電解質膜11aの逆側に位置し、酸化ガスを拡散する拡散層2bと、触媒層3bと拡散層2bとの間に設けられた水分散層3cとからなるカソード極11bも開示されている。この水分散層3cは、触媒層3bよりも積算細孔容積が大きく、水を分散させるものである。
このカソード極11bは、およそ以下のように製造される。まず、基材、触媒層用ペースト及び水分散層用ペーストを用意する。触媒層用ペーストは、触媒担持カーボン及び電解質溶液の分散液である。水分散層用ペーストは、多孔質導電性粒子としてのカーボンブラックと電解質溶液との分散液である。
そして、基材の一面に水分散層用ペーストを塗布し、水分散層3cを形成する。この後、水分散層3c上に触媒層用ペーストを塗布し、触媒層3bを形成する。基材の他の部分が拡散層2bとなる。こうして、カソード極11bが得られる。
このように得られたカソード極11bは電解質膜11a及びアノード極11cとともに膜電極接合体11とされ、膜電極接合体11はセパレータ12とともに燃料電池スタックとされる。
こうして、得られた燃料電池スタックにおいては、酸化ガス流路12bに供給される酸化ガスと、燃料流路12cに供給される燃料との電気化学反応により、起電力を生じる。
これらのカソード極11bを用いた燃料電池スタックにおいては、水分散触媒層3a又は水分散層3cが発電に伴って生成される生成水及び残留する水を分散するため、低温環境下において、水が凍結することによる酸化ガス流路の閉塞を防ぐことができる。このため、この燃料電池スタックは、低温環境下においても、発電に伴う自己の発熱によって暖機が促進され、長時間にわたって発電を継続することが可能になる。
また、この燃料電池スタックでは、水の凍結を防止するための加熱を抑制できるため、省エネルギー化及び省スペース化により、例えば自動車への搭載性の向上と燃料電池システムの効率の向上とを実現することもできる。
特開2005−174768号公報
しかし、発明者らの試験結果によれば、従来の水分散触媒層3a又は水分散層3cを有するカソード極11bを燃料電池スタックに用いた場合、低温起動性は向上するものの、通常時の性能が低下しやすい。このため、燃料電池スタックの発電面積を大きくしたり、膜電極接合体等の積層数を増やしたりすれば、燃料電池スタックが大型化し、例えば自動車への搭載性及び効率が損なわれてしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、低温起動性の向上と、通常時の性能向上とを両立し得る燃料電池システムを提供することを解決すべき課題としている。
第1発明の燃料電池用電極は、電解質側に位置し、導電性粒子に触媒が担持された触媒担持導電性粒子と電解質とを有する触媒層と、非電解質側に位置し、ガスを拡散する拡散層とを有する燃料電池用電極において、
前記触媒層と前記拡散層との間には、前記触媒担持導電性粒子と前記電解質とを有し、該触媒層よりも低い含有率で前記触媒を有し、該触媒層よりも厚く、かつ該触媒層よりも積算細孔容積が大きい副触媒層が設けられていることを特徴とする。
通常時の性能を高めるためには、電解質近傍にカソード極の反応場を設けることが好ましい。アノード極で発生するプロトン(H+)の移動距離が短くなることで、イオン抵抗を小さくすることができるからである。第1発明の燃料電池用電極では、触媒の含有率の小さい副触媒層を触媒層と拡散層との間に形成している。これにより、電解質から副触媒層までの距離を電解質から触媒層までの距離より遠くして、副触媒層のイオン抵抗を触媒層のイオン抵抗より大きくするとともに、副触媒層における触媒の含有率を触媒層より小さくすることで、副触媒層の反応性を触媒層の反応性より低くしている。そのため、カソード極の反応は、電解質に近く、触媒の含有率の高い触媒層で主に行われることとなる。さらに、副触媒層では、反応に伴う生成水量が少ないため、フラッディングが起き難く、触媒層への酸化ガスの供給が妨げられない。以上より、触媒層は、低温特性を確保すべく形成した副触媒層の影響を受けることなく、高い性能を確保できる。
また、副触媒層は、触媒層よりも厚く、かつ触媒層よりも積算細孔容積が大きい。このため、副触媒層は、大きな容積によって、生成水及び残留する水をより好適に分散するため、低温環境下において、水が凍結することによる酸化ガス流路の閉塞を安定して防ぐことができる。このため、この電極を用いた燃料電池スタックでは、低温環境下において、発電に伴う自己の発熱によって確実に暖機が促進され、長時間にわたって発電を継続することが可能になる。
したがって、この電極によれば、燃料電池システムの低温起動性の向上と、通常時の性能向上とを両立することができる。
また、この電極を用いた燃料電池スタックでは、発電面積を必要以上に大きくしたり、膜電極接合体等の積層数を必要以上に増やしたりしなくても、優れた性能を発揮できることから、例えば自動車への搭載性の向上と燃料電池システムの効率の向上とを安定して実現することもできる。
なお、特開平5−251086号公報には、触媒の含有率、撥水性、気孔率及び電解質濃度に勾配を設けた電極が開示されている。触媒の含有率は、電解質膜側が高く、セパレータ側が低くされている。撥水性は、電解質膜側が強く、セパレータ側が弱くされている。気孔率は、電解質膜側がセパレータ側以上とされている。また、電解質濃度は、電解質膜側がセパレータ側以上とされている。
また、特開平6−150944号公報には、触媒の含有率に勾配を設けた電極が開示されている。触媒の含有率は、電解質膜側が高く、セパレータ側が低くされている。
しかしながら、これらの電極は、勾配を設けた部分がセパレータに向かって触媒の含有率が低く、その部分が触媒層よりも厚く、かつその部分が触媒層よりも積算細孔容積が大きいものではないため、生成水及び残留する水を必ずしも好適に分散することができない。これに対し、第1発明の電極は、上記構成により、生成水及び残留する水を好適に分散することができる。
前記副触媒層は、前記触媒担持導電性粒子と、多孔質導電性粒子とから構成され得る。これにより、副触媒層の大きな積算細孔容積を確実に実現し、第1発明の作用効果を容易に実現することができる。前記多孔質導電性粒子は、カーボンブラック、活性炭、カーボンエアロゲル及びカーボンナノチュ−ブの少なくとも1種からなり得る。そして、前記多孔質導電性粒子は、前記触媒層中の前記触媒担持導電性粒子より平均粒径が大きく、該触媒層中の該触媒担持導電性粒子より平均細孔径が大きいものであることが好ましい。この場合、多孔質導電性粒子同士の間隙及び多孔質導電性粒子内の細孔により、副触媒層の大きな積算細孔容積を確実に実現し、第1発明の作用効果を容易に実現することができる。
また、前記副触媒層に用いられる前記触媒担持導電性粒子は、前記触媒層に用いられる該触媒担持導電性粒子よりも、前記触媒の担持密度が低いものであり得る。この場合、前記副触媒層中の前記触媒担持導電性粒子の平均粒径が大きく、かつ平均細孔径が大きいものであることが好ましい。この場合も、触媒担持導電性粒子同士の間隙により、副触媒層の大きな積算細孔容積を確実に実現し、第1発明の作用効果を容易に実現することができる。
発明者らの試験結果によれば、前記副触媒層は、直径1nm〜1μmの細孔の合計の容積が電極面積1cm2当り0.3μl以上であり、厚さが6μm以上であることが好ましい。
前記副触媒層は、前記触媒層から前記拡散層まで段階的又は連続的に前記触媒の前記含有率及び空孔率が変化しているものであり得る。この場合、生成水及び残留する水が段階的又は連続的に拡散層に好適に分散することから、第1発明の作用効果がより顕著になる。前記触媒層の前記積算細孔容積と前記副触媒層の該積算細孔容積との合計が電極面積1cm2当り0.5μl以上であり、厚さが10μm以上であることが特に好ましい。
第1発明の電極は、例えば以下の第2〜4発明の製造方法によって製造可能である。
第2発明の燃料電池用電極の製造方法は、導電性及びガス透過性のある板状の基材と、導電性粒子に触媒を担持してなる触媒担持導電性粒子と、多孔質導電性粒子と、電解質溶液とを用意し、該触媒担持導電性粒子及び該電解質溶液の第1触媒ペーストと、該触媒担持導電性粒子、該多孔質導電性粒子及び該電解質溶液の第2触媒ペーストとを用意する準備工程と、
該基材の一面に該第2触媒ペーストを塗布する第2触媒ペースト塗布工程と、
該第2触媒ペースト塗布工程後、該基材の一面に該第1触媒ペーストを塗布し、燃料電池用電極を得る第1触媒ペースト塗布工程とを備えていることを特徴とする。
第2発明の製造方法によれば、触媒層と拡散層との間に副触媒層を設けた電極を製造することができる。
第2触媒ペーストは、多孔質導電性粒子及び電解質溶液の無触媒ペーストを予め用意し、触媒担持導電性粒子及び電解質溶液の第1触媒ペーストとこの無触媒ペーストとを混合することにより得ることもできる。
塗布には、スクリーン印刷、スプレー法、インクジェット法等の手段を採用し得る。
第2発明の製造方法において、前記準備工程では、前記触媒担持導電性粒子、前記多孔質導電性粒子及び該電解質溶液を含み、該触媒担持導電性粒子と該多孔質導電性粒子とが所定の配合をなす中間ペーストを用意し、
前記第2触媒ペースト塗布工程と前記第1触媒ペースト塗布工程との間に、前記基材の一面に該中間ペーストを塗布する中間ペースト塗布工程を備えていることができる。
この場合、中間ペーストにおける配合を調整することにより、副触媒層における触媒の含有率及び空孔率を変化させることができる。
前記中間ペーストは、前記触媒担持導電性粒子と前記多孔質導電性粒子とが段階的に前記触媒の含有率及び空孔率が変化している複数のものであり、
前記中間ペースト塗布工程では、前記第2触媒ペースト塗布工程から前記第1触媒ペースト塗布工程までの間、該含有率が低く、かつ該空孔率の大きい該中間ペーストから順次塗布することができる。
この場合、副触媒層における触媒の含有率及び積算細孔容積を段階的に変化させることができる。
第3発明の燃料電池用電極の製造方法は、導電性及びガス透過性のある板状の基材と、導電性粒子に触媒を担持してなる触媒担持導電性粒子と、多孔質導電性粒子と、電解質溶液とを用意し、該触媒担持導電性粒子及び該電解質溶液の触媒ペーストと、該多孔質導電性粒子及び該電解質溶液の無触媒ペーストとを用意する準備工程と、
該触媒ペーストの吹き付け量と該無触媒ペーストの吹き付け量とを調整しながら、該基材の一面に該触媒ペーストを第1ノズルによって吹き付けるとともに該無触媒ペーストを第2ノズルによって吹き付け、燃料電池用電極を得る塗布工程とを備えていることを特徴とする。
この際、初めのうちは無触媒ペーストの吹き付け量が多く、かつ触媒ペーストの吹き付け量が少なく、徐々に無触媒ペーストの吹き付け量を減らしながら触媒ペーストの吹き付け量を増し、後半には触媒ペーストの吹き付け量が多く、かつ無触媒ペーストの吹き付け量が少なくなるようにする。
第3発明の製造方法によれば、触媒層と拡散層との間に触媒の含有率及び積算細孔容積を連続的に変化させた副触媒層を設けた電極を製造することができる。また、後半に触媒ペーストだけを吹き付ければ、触媒層まで連続的に変化させた電極を製造することができる。
また、第4発明の燃料電池用電極の製造方法は、導電性及びガス透過性のある板状の基材と、導電性粒子に触媒を担持してなる触媒担持導電性粒子と、多孔質導電性粒子と、電解質溶液とを用意し、該触媒担持導電性粒子及び該電解質溶液の第1触媒ペーストと、該触媒担持導電性粒子、該多孔質導電性粒子及び該電解質溶液の第2触媒ペーストとを用意する準備工程と、
該第1触媒ペーストの吹き付け量と該第2触媒ペーストの吹き付け量とを調整しながら、該基材の一面に該第1触媒ペーストを第1ノズルによって吹き付けるとともに該第2触媒ペーストを第2ノズルによって吹き付け、燃料電池用電極を得る塗布工程とを備えていることを特徴とする。
この際、初めのうちは第2触媒ペーストの吹き付け量が多く、かつ第1触媒ペーストの吹き付け量が少なく、徐々に第2触媒ペーストの吹き付け量を減らしながら第1触媒ペーストの吹き付け量を増し、後半には第1触媒ペーストの吹き付け量が多く、かつ第2触媒ペーストの吹き付け量が少なくなるようにする。
第4発明の製造方法によっても、触媒層と拡散層との間に触媒の含有率及び積算細孔容積を連続的に変化させた副触媒層を設けた電極を製造することができる。また、後半に第1触媒ペーストだけを吹き付ければ、触媒層まで連続的に変化させた電極を製造することができる。
なお、転写法で触媒層等を形成する場合には、上記と逆の順序で塗布することとなる。
以下、第1〜4発明を具体化した実施例1〜5を図面を参照しつつ説明する。
実施例1は第1、2発明を具体化したものである。まず、図1(A)に示すように、基材20としてのカーボンクロスと、カーボン粒子に白金を担持してなるPt担持カーボンと、多孔質導電性粒子としてのカーボンブラックと、電解質溶液(Aldrich製5%濃度Nafion溶液(溶媒の主成分は水及び有機溶媒))とを用意した。
Pt担持カーボンは、平均一次粒径が30nm、細孔容積基準のメディアン細孔直径が2.4μmのカーボン粒子に白金を含有率30〜80質量%で担持したものである。カーボンブラックは、平均一次粒径が30nm、細孔容積基準のメディアン細孔直径が25μmのものである。
そして、Pt担持カーボンと電解質溶液との質量比が0.1〜0.5程度となるように両者を添加、混合し、第1触媒ペーストとした。
また、カーボンブラックと電解質溶液との質量比が0.3〜1.2程度となるように両者を添加、混合し、無触媒ペーストとした。第1触媒ペーストと無触媒ペーストとを質量比2:1〜1:10の割合で混合し、第2触媒ペーストとした。
そして、まず基材20の一面に第2触媒ペーストを塗布、乾燥し、副触媒層22を形成した。
次いで、基材20のその一面に第1触媒ペーストを塗布、乾燥し、触媒層23を形成した。こうして、燃料電池用カソード極31を得た。
得られたカソード極31は、電解質膜11a側に位置する触媒層23と、触媒層23に隣接する副触媒層22と、副触媒層22に隣接する拡散層21とからなる。
このカソード極31は、図8に示すように、従来と同様に電解質膜11a及びアノード極11cとともに膜電極接合体11とされ、膜電極接合体11はセパレータ12とともにセル10とされる。
こうして、得られた実施例1のセル10においては、酸化ガス流路12bに供給される酸化ガスと、燃料流路12cに供給される燃料との電気化学反応により、起電力を生じる。
この際、図1(B)に示すように、カソード極31では、触媒層23における触媒の含有率をVca、副触媒層22における触媒の含有率をVcbとすると、副触媒層22における触媒の含有率Vcbは触媒層23における触媒の含有率Vcaより低い(Vcb<Vca)。これにより、電解質膜11aから副触媒層22までの距離を電解質膜11aから触媒層23までの距離より遠くして、副触媒層22のイオン抵抗を触媒層23のイオン抵抗より大きくするとともに、副触媒層22における触媒の含有率を触媒層23より小さくすることで、副触媒層22の反応性を触媒層23の反応性より低くしている。そのため、カソード極31の反応は、電解質膜11aに近く、触媒の含有率の高い触媒層23で主に行われることとなる。さらに、副触媒層22では、反応に伴う生成水量が少ないため、フラッディングが起き難く、触媒層23への酸化ガスの供給が妨げられない。以上より、触媒層23は、低温特性を確保すべく形成した副触媒層22の影響を受けることなく、高い性能を確保できる。
また、触媒層23の厚さをda、副触媒層22の厚さをdbとすると、副触媒層22の厚さdbは触媒層23の厚さdaより大きい(db>da)。さらに、触媒層23の積算細孔容積をVpa、副触媒層22の積算細孔容積をVpbとすると、副触媒層22の積算細孔容積Vpbは触媒層23の積算細孔容積Vpaより大きい(Vpb>Vpa)。このため、副触媒層22は、大きな容積によって、生成水及び残留する水をより好適に分散するため、低温環境下において、水が凍結することによる酸化ガス流路12bの閉塞を安定して防ぐことができる。このため、このカソード極31を用いた燃料電池スタックでは、低温環境下において、発電に伴う自己の発熱によって確実に暖機が促進され、長時間にわたって発電を継続することが可能になる。
したがって、このカソード極31によれば、燃料電池システムの低温起動性の向上と、通常時の性能向上とを両立することができる。
また、このカソード極31を用いた燃料電池スタックでは、発電面積を必要以上に大きくしたり、膜電極接合体11等の積層数を必要以上に増やしたりしなくても、優れた性能を発揮できることから、例えば自動車への搭載性の向上と燃料電池システムの効率の向上とを安定して実現することもできる。
(評価1)
実施例1の実施品1、2と比較例1、2とについて、性能の比較を行った。比較例1は上記特許文献1における従来品であり、比較例2は上記特許文献1の実施例1である図10に示す実施品である。これらの触媒層又は副触媒層のPt担持量(mg/cm2)、積算細孔容積(μl/cm2)、厚さ(μm)並びに空孔及び触媒Ptの各体積比率(vol%)を表1に示す。また、常温における0.7A/cm2での通常性能(mV)と、−20°Cにおける0.1A/cm2での発電継続時間(秒)とも表1に示す。
なお、細孔分布を調べる細孔直径の範囲は1nm〜1μmとした。そして、細孔直径30nm〜1μmの範囲の細孔は、ポアサイザ9320(マイクロメリティクス社製)を使用して、水銀圧入法により測定した。また、細孔直径30nm以下の範囲の細孔は、オムニソープ360(コールター社製)を使用して、窒素吸着法により測定した。なお、窒素吸着法では、細孔直径2nm以下の範囲の細孔はMP法による吸着等温線から、細孔直径2nm〜30nmの範囲の細孔はBJH法による脱着等温線から計算により求めた。
表1より、実施品1、2のカソード極31によれば、燃料電池システムの低温起動性の向上と、通常時の性能向上とを両立できることがわかる。
また、実施品1、2のカソード極31から、カーボンブラックは、Pt担持カーボンより平均粒径が大きく、Pt担持カーボンより平均細孔径が大きいものであるため、カーボンブラック同士の間隙及びカーボンブラック内の細孔により、副触媒層22の大きな積算細孔容積を確実に実現していることが伺える。
さらに、実施品2のカソード極31から、副触媒層22は、直径1nm〜1μmの細孔の合計の容積が0.3μl/cm2以上であり、厚さが6μm以上であることが好ましいことがわかる。
(評価2)
また、図2(A)に示すように、実施品1の膜電極接合体11について、特定部分をSEM(走査型電子顕微鏡)写真とし、図2(B)に示すように、写真中にB−B線で示す部分の白金の含有率をEDX(エネルギー分散形蛍光X線分析装置)によって求めた。図2(B)より、副触媒層22における触媒の含有率Vcbは触媒層23における触媒の含有率Vcaより低い(Vcb<Vca)ことがわかる。
実施例2は、複数の中間ペーストを用い、図3(A)に示すカソード極32を得たものである。各中間ペーストは、実施例1の第1触媒ペースト及び第2触媒ペーストを2:1〜1:10の割合で混合したものである。
基材20の一面に各中間ペーストを順次塗布した。この際、含有率が低く、かつ空孔率の大きい中間ペーストから塗布を行った。そして、基材20に各中間ペーストが塗布され、乾燥した副触媒層22a〜22eを形成した。
次いで、基材20のその一面に第1触媒ペーストを塗布、乾燥し、触媒層23を形成した。こうして、燃料電池用カソード極32を得た。
得られたカソード極32は、電解質膜11a側に位置する触媒層23と、触媒層23に隣接する副触媒層22a〜22eと、副触媒層22aに隣接する拡散層21とからなる。
このカソード極32では、図3(B)に示すように、触媒層23における触媒の含有率をVca、副触媒層22eにおける触媒の含有率をVcb1、副触媒層22dにおける触媒の含有率をVcb2、副触媒層22cにおける触媒の含有率をVcb3、副触媒層22bにおける触媒の含有率をVcb4、副触媒層22aにおける触媒の含有率をVcb5とすると、副触媒層22eにおける触媒の含有率Vcb1は触媒層23における触媒の含有率Vcaより低く、副触媒層22dにおける触媒の含有率Vcb2は副触媒層22eにおける触媒の含有率Vcb1より低く、副触媒層22cにおける触媒の含有率Vcb3は副触媒層22dにおける触媒の含有率Vcb2より低く、副触媒層22bにおける触媒の含有率Vcb4は副触媒層22cにおける触媒の含有率Vcb3より低く、副触媒層22aにおける触媒の含有率Vcb5は副触媒層22bにおける触媒の含有率Vcb4より低い(Vcb5<Vcb4<Vcb3<Vcb2<Vcb1<Vca)。
また、触媒層23の厚さをda、副触媒層22eの厚さをdb1、副触媒層22dの厚さをdb2、副触媒層22cの厚さをdb3、副触媒層22bの厚さをdb4、副触媒層22aの厚さをdb5とすると、副触媒層22a〜22eの合計の厚さdbは触媒層23の厚さdaより大きい(db>da)。
さらに、触媒層23の積算細孔容積をVpa、副触媒層22eの積算細孔容積をVpb1、副触媒層22dの積算細孔容積をVpb2、副触媒層22cの積算細孔容積をVpb3、副触媒層22bの積算細孔容積をVpb4、副触媒層22aの積算細孔容積をVpb5とすると、副触媒層22a〜22eの合計の積算細孔容積Vpbは触媒層23の積算細孔容積Vpaより大きい(Vpb=Vpb1+Vpb2+Vpb3+Vpb4+Vpb5>Vpa)。
他の構成は実施例1と同様である。このカソード極32では、生成水及び残留する水が段階的に拡散層21に好適に分散する。他の作用効果は実施例1と同様である。
実施例3は第1、3発明を具体化したものである。図4に塗布装置を示すように、水平面内でX軸及びY軸方向に移動可能なテーブル6上には、基材20が載置されている。そして、実施例1の第1触媒ペーストの吹き付け量と、実施例1の無触媒ペーストの吹き付け量とを調整しながら、基材20の一面に第1触媒ペーストを第1ノズル4によって吹き付けるとともに、無触媒ペーストを第2ノズル5によって吹き付ける。この際、テーブル6の移動によって塗布位置を調整する。なお、第1ノズル4及び第2ノズル5の移動によって塗布位置を調整することも可能である。
この際、初めのうちは、無触媒ペーストの吹き付け量が多く、かつ第1触媒ペーストの吹き付け量が少なくなるようにする。例えば、無触媒ペーストの吹き付け量と第1触媒ペーストの吹き付け量とが10:1になるようにする。これにより、無触媒ペーストと第1触媒ペーストとが気中で混合されて基材20に塗布される。なお、乾燥処理は、清浄な温風又は熱風に基材20等を当てたり、テーブル6を加熱したりすることにより行う。
そして、徐々に無触媒ペーストの吹き付け量を減らしながら第1触媒ペーストの吹き付け量を増す。例えば、無触媒ペーストの吹き付け量と第1触媒ペーストの吹き付け量とが5:1になるようにする。
引き続き、徐々に無触媒ペーストの吹き付け量を減らしながら第1触媒ペーストの吹き付け量を増す。例えば、無触媒ペーストの吹き付け量と第1触媒ペーストの吹き付け量とが1:5になるようにする。
後半には第1触媒ペーストの吹き付け量が多く、かつ無触媒ペーストの吹き付け量が少なくなるようにする。例えば、無触媒ペーストの吹き付け量と第1触媒ペーストの吹き付け量とが1:10になるようにする。こうして、カソード極33を得た。
得られたカソード極31は、図5(A)及び(B)に示すように、触媒層23と拡散層21との間に含有率及び空孔率を連続的に変化させた副触媒層22fが設けられている。
触媒層23における触媒の含有率をVca、副触媒層22fにおける触媒の含有率をVcbとすると、副触媒層22fにおける触媒の含有率Vcbは触媒層23における触媒の含有率Vcaより低い(Vcb<Vca)。
また、触媒層23の厚さをda、副触媒層22fの厚さをdbとすると、副触媒層22fの厚さdbは触媒層23の厚さdaより大きい(db>da)。さらに、触媒層23の積算細孔容積をVpa、副触媒層22fの積算細孔容積をVpbとすると、副触媒層22fの積算細孔容積Vpbは触媒層23の積算細孔容積Vpaより大きい(Vpb>Vpa)。
他の構成は実施例1と同様である。このカソード極33では、生成水及び残留する水が連続的に拡散層21に好適に分散する。他の作用効果は実施例1と同様である。
実施例2と同様の製造方法により、図6に示すカソード極34を製造することも可能である。
得られたカソード極34は、図6(A)及び(B)に示すように、副触媒層24a〜24eから触媒層24fまで含有率及び積算細孔容積を段階的に変化させており、副触媒層24a〜24eと触媒層24fとが一体化している。
このカソード極34では、触媒層24fにおける触媒の含有率をVc1、副触媒層24eにおける触媒の含有率をVc2、副触媒層24dにおける触媒の含有率をVc3、副触媒層24cにおける触媒の含有率をVc4、副触媒層24bにおける触媒の含有率をVc5、副触媒層24aにおける触媒の含有率をVc6とすると、副触媒層24eにおける触媒の含有率Vc2は触媒層24fにおける触媒の含有率Vc1より低く、副触媒層24dにおける触媒の含有率Vc3は副触媒層24eにおける触媒の含有率Vc2より低く、副触媒層24cにおける触媒の含有率Vc4は副触媒層24dにおける触媒の含有率Vc3より低く、副触媒層24bにおける触媒の含有率Vc5は副触媒層24cにおける触媒の含有率Vc4より低く、副触媒層24aにおける触媒の含有率Vc6は副触媒層24bにおける触媒の含有率Vc5より低い(Vc6<Vc5<Vc4<Vc3<Vc2<Vc1)。
また、触媒層24fの厚さをd1、副触媒層24eの厚さをd2、副触媒層24dの厚さをd3、副触媒層24cの厚さをd4、副触媒層24bの厚さをd5、副触媒層24aの厚さをd6とすると、副触媒層24a〜24e及び触媒層24fの合計の厚さは20μmより大きい(d1+d2+d3+d4+d5+d6>20(μm))。
さらに、触媒層24fの積算細孔容積をVp1、副触媒層24eの積算細孔容積をVp2、副触媒層24dの積算細孔容積をVp3、副触媒層24cの積算細孔容積をVp4、副触媒層24bの積算細孔容積をVp5、副触媒層24aの積算細孔容積をVp6とすると、副触媒層24a〜24e及び触媒層24fの合計の積算細孔容積は1.0(μl/cm2)より大きい(Vp1+Vp2+Vp3+Vp4+Vp5+Vp6>1.0(μl/cm2))。
他の構成は実施例1と同様である。このカソード極34では、生成水及び残留する水が段階的に拡散層21に好適に分散する。他の作用効果は実施例1と同様である。
実施例5は第1、4発明を具体化したものである。図4の塗布装置を用い、初めのうちは第2触媒ペーストの吹き付け量が多く、かつ第1触媒ペーストの吹き付け量が少なく、徐々に第2触媒ペーストの吹き付け量を減らしながら第1触媒ペーストの吹き付け量を増し、後半には第1触媒ペーストだけを吹き付ける。こうして、図7に示すカソード極35を得た。
得られたカソード極35は、図7(A)及び(B)に示すように、副触媒層を一体にした触媒層24gが含有率及び空孔率を連続的に変化させている。
触媒層24gにおける触媒の含有率Vcは、電解質膜11a側が高く、拡散層21側が低い(Vc(拡散層側b)<Vc(電解質膜側))。
また、触媒層24gの厚さdは20μmより大きい(d>20(μm))。さらに、触媒層24gの積算細孔容積Vpは1.0(μl/cm2)より大きい(Vp>1.0(μl/cm2))。
他の構成は実施例1と同様である。このカソード極35では、生成水及び残留する水が連続的に拡散層21に好適に分散する。他の作用効果は実施例1と同様である。
以上において、本発明を実施例1〜5に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜5に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
本発明は、電気自動車等の移動用電源、屋外据え置き用電源、ポータブル電源等の燃料電池システムに利用可能である。
図(A)は実施例1のカソード極を電解質膜とともに示す模式の部分拡大断面図であり、図(B)はそのカソード極における電解質膜からの距離と触媒の含有率との関係等を示すグラフである。 図(A)は実施例1のカソード極を電解質膜とともに示す2000倍のSEM写真であり、図(B)はそのカソード極における触媒の含有率を示すグラフである。 図(A)は実施例2のカソード極を電解質膜とともに示す模式の部分拡大断面図であり、図(B)はそのカソード極における電解質膜からの距離と触媒の含有率との関係等を示すグラフである。 実施例3のカソード極の製造方法を示す塗布装置の側面図である。 図(A)は実施例3のカソード極を電解質膜とともに示す模式の部分拡大断面図であり、図(B)はそのカソード極における電解質膜からの距離と触媒の含有率との関係等を示すグラフである。 図(A)は実施例4のカソード極を電解質膜とともに示す模式の部分拡大断面図であり、図(B)はそのカソード極における電解質膜からの距離と触媒の含有率との関係等を示すグラフである。 図(A)は実施例5のカソード極を電解質膜とともに示す模式の部分拡大断面図であり、図(B)はそのカソード極における電解質膜からの距離と触媒の含有率との関係等を示すグラフである。 セルの模式断面図である。 一般的なカソード極を電解質膜とともに示す模式の部分拡大断面図である。 従来のカソード極を電解質膜とともに示す模式の部分拡大断面図である。 従来のカソード極を電解質膜とともに示す模式の部分拡大断面図である。
符号の説明
11a…電解質膜
23、24f、24g…触媒層
21…拡散層
31、32、33、34、35…燃料電池用カソード極
22、22a〜22e、22f、24a〜24e…副触媒層
20…基材
4、5…ノズル

Claims (12)

  1. 電解質側に位置し、導電性粒子に触媒が担持された触媒担持導電性粒子と電解質とを有する触媒層と、非電解質側に位置し、ガスを拡散する拡散層とを有する燃料電池用電極において、
    前記触媒層と前記拡散層との間には、前記触媒担持導電性粒子と前記電解質とを有し、該触媒層よりも低い含有率で前記触媒を有し、該触媒層よりも厚く、かつ該触媒層よりも積算細孔容積が大きい副触媒層が設けられていることを特徴とする燃料電池用電極。
  2. 前記副触媒層は、前記触媒担持導電性粒子と、多孔質導電性粒子とから構成されている請求項1記載の燃料電池用電極。
  3. 前記多孔質導電性粒子は、カーボンブラック、活性炭、カーボンエアロゲル及びカーボンナノチュ−ブの少なくとも1種からなる請求項2記載の燃料電池用電極。
  4. 前記多孔質導電性粒子は、前記触媒層中の前記触媒担持導電性粒子より平均粒径が大きく、該触媒層中の該触媒担持導電性粒子より平均細孔径が大きい請求項2又は3記載の燃料電池用電極。
  5. 前記副触媒層は、直径1nm〜1μmの細孔の合計の容積が電極面積1cm2当り0.3μl以上であり、厚さが6μm以上である請求項1乃至4のいずれか1項記載の燃料電池用電極。
  6. 前記副触媒層は、前記触媒層から前記拡散層まで段階的又は連続的に前記触媒の前記含有率及び空孔率が変化している請求項1乃至5のいずれか1項記載の燃料電池用電極。
  7. 前記触媒層の前記積算細孔容積と前記副触媒層の該積算細孔容積との合計が電極面積1cm2当り0.5μl以上であり、厚さが10μm以上である請求項6記載の燃料電池用電極。
  8. 導電性及びガス透過性のある板状の基材と、導電性粒子に触媒を担持してなる触媒担持導電性粒子と、多孔質導電性粒子と、電解質溶液とを用意し、該触媒担持導電性粒子及び該電解質溶液の第1触媒ペーストと、該触媒担持導電性粒子、該多孔質導電性粒子及び該電解質溶液の第2触媒ペーストとを用意する準備工程と、
    該基材の一面に該第2触媒ペーストを塗布する第2触媒ペースト塗布工程と、
    該第2触媒ペースト塗布工程後、該基材の一面に該第1触媒ペーストを塗布し、燃料電池用電極を得る第1触媒ペースト塗布工程とを備えていることを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  9. 前記準備工程では、前記触媒担持導電性粒子、前記多孔質導電性粒子及び該電解質溶液を含み、該触媒担持導電性粒子と該多孔質導電性粒子とが所定の配合をなす中間ペーストを用意し、
    前記第2触媒ペースト塗布工程と前記第1触媒ペースト塗布工程との間に、前記基材の一面に該中間ペーストを塗布する中間ペースト塗布工程を備えている請求項8記載の燃料電池用電極の製造方法。
  10. 前記中間ペーストは、前記触媒担持導電性粒子と前記多孔質導電性粒子とが段階的に前記触媒の含有率及び空孔率が変化している複数のものであり、
    前記中間ペースト塗布工程では、前記第2触媒ペースト塗布工程から前記第1触媒ペースト塗布工程までの間、該含有率が低く、かつ該空孔率の大きい該中間ペーストから順次塗布する請求項9記載の燃料電池用電極の製造方法。
  11. 導電性及びガス透過性のある板状の基材と、導電性粒子に触媒を担持してなる触媒担持導電性粒子と、多孔質導電性粒子と、電解質溶液とを用意し、該触媒担持導電性粒子及び該電解質溶液の触媒ペーストと、該多孔質導電性粒子及び該電解質溶液の無触媒ペーストとを用意する準備工程と、
    該触媒ペーストの吹き付け量と該無触媒ペーストの吹き付け量とを調整しながら、該基材の一面に該触媒ペーストを第1ノズルによって吹き付けるとともに該無触媒ペーストを第2ノズルによって吹き付け、燃料電池用電極を得る塗布工程とを備えていることを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  12. 導電性及びガス透過性のある板状の基材と、導電性粒子に触媒を担持してなる触媒担持導電性粒子と、多孔質導電性粒子と、電解質溶液とを用意し、該触媒担持導電性粒子及び該電解質溶液の第1触媒ペーストと、該触媒担持導電性粒子、該多孔質導電性粒子及び該電解質溶液の第2触媒ペーストとを用意する準備工程と、
    該第1触媒ペーストの吹き付け量と該第2触媒ペーストの吹き付け量とを調整しながら、該基材の一面に該第1触媒ペーストを第1ノズルによって吹き付けるとともに該第2触媒ペーストを第2ノズルによって吹き付け、燃料電池用電極を得る塗布工程とを備えていることを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
JP2005379382A 2005-12-28 2005-12-28 燃料電池用電極 Expired - Fee Related JP4940657B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005379382A JP4940657B2 (ja) 2005-12-28 2005-12-28 燃料電池用電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005379382A JP4940657B2 (ja) 2005-12-28 2005-12-28 燃料電池用電極

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007179951A true JP2007179951A (ja) 2007-07-12
JP4940657B2 JP4940657B2 (ja) 2012-05-30

Family

ID=38304913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005379382A Expired - Fee Related JP4940657B2 (ja) 2005-12-28 2005-12-28 燃料電池用電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4940657B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009081064A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Toshiba Corp 触媒層、触媒層の製造方法、燃料電池、および燃料電池の製造方法
JP2009199987A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Equos Research Co Ltd 燃料電池
JP2010177081A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Toyota Motor Corp 燃料電池
JP2012508433A (ja) * 2008-11-07 2012-04-05 ナショナル・リサーチ・カウンシル・オブ・カナダ 燃料電池電極用触媒材料及びその製造方法
JP2013524470A (ja) * 2010-04-13 2013-06-17 コミサリア ア レネルジ アトミク エ オ ゼネルジ アルテルナティヴ プロトン交換膜を用いた燃料電池の電極構造体

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09245801A (ja) * 1996-03-11 1997-09-19 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 高分子固体電解質型燃料電池用電極及びその製造方法
JP2004192950A (ja) * 2002-12-11 2004-07-08 Mitsubishi Electric Corp 固体高分子型燃料電池及びその製造方法
WO2004095603A2 (en) * 2003-04-16 2004-11-04 Cabot Corporation Method of producing membrane electrode assemblies

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09245801A (ja) * 1996-03-11 1997-09-19 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 高分子固体電解質型燃料電池用電極及びその製造方法
JP2004192950A (ja) * 2002-12-11 2004-07-08 Mitsubishi Electric Corp 固体高分子型燃料電池及びその製造方法
WO2004095603A2 (en) * 2003-04-16 2004-11-04 Cabot Corporation Method of producing membrane electrode assemblies

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009081064A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Toshiba Corp 触媒層、触媒層の製造方法、燃料電池、および燃料電池の製造方法
JP2009199987A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Equos Research Co Ltd 燃料電池
JP2012508433A (ja) * 2008-11-07 2012-04-05 ナショナル・リサーチ・カウンシル・オブ・カナダ 燃料電池電極用触媒材料及びその製造方法
JP2010177081A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Toyota Motor Corp 燃料電池
JP2013524470A (ja) * 2010-04-13 2013-06-17 コミサリア ア レネルジ アトミク エ オ ゼネルジ アルテルナティヴ プロトン交換膜を用いた燃料電池の電極構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4940657B2 (ja) 2012-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5556434B2 (ja) ガス拡散電極およびその製造方法、ならびに膜電極接合体およびその製造方法
US20020037449A1 (en) Membrane electrode unit for polymer electrolyte fuel cells and a process for the production thereof
JP5213499B2 (ja) 燃料電池
JP5021292B2 (ja) 燃料電池
JP2008027799A (ja) 燃料電池用接合体、燃料電池、及び燃料電池の製造方法
JP2009140927A (ja) 燃料電池用独立電極触媒層及びこれを用いた膜−電極接合体の製造方法
JP2006004879A (ja) ガス拡散電極及び固体高分子電解質型燃料電池
JP2006253030A (ja) 液体燃料型固体高分子燃料電池用カソード電極及び液体燃料型固体高分子燃料電池
JP2008186798A (ja) 電解質膜−電極接合体
KR20010104638A (ko) 중합체 전해질 연료 전지용 기체 확산 구조물 및 기체확산 전극
JP4876318B2 (ja) 高分子電解質型燃料電池とその製造方法
JP4940657B2 (ja) 燃料電池用電極
JP2005026174A (ja) 固体高分子形燃料電池
JP2011119208A (ja) 燃料電池用触媒層及び膜電極接合体
JP2007273145A (ja) 燃料電池用ガス拡散電極及び燃料電池
JP2008204664A (ja) 燃料電池用膜電極接合体、およびこれを用いた燃料電池
JP2017073310A (ja) 燃料電池用触媒層及び燃料電池
JP2006344428A (ja) 固体高分子型燃料電池
JP2008027810A (ja) 燃料電池、燃料電池用膜−電極接合体、および、燃料電池の製造方法
JP4165154B2 (ja) 燃料電池用電極の製造方法および製造装置
JP2009193777A (ja) 燃料電池及び燃料電池製造方法
JP5501044B2 (ja) 膜電極接合体および燃料電池
JP2005243295A (ja) ガス拡散層、およびこれを用いた燃料電池用mea
JP2006286432A (ja) 膜−触媒層接合体の製造方法及び膜−電極接合体の製造方法
JP2007179953A (ja) 燃料電池用電極及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080929

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20091228

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4940657

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees