JP2007179763A - 中心座標の決定方法及び荷電粒子線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2次元分布を考慮して中心座標を決定する方法を提供する。
【解決手段】 電子線の偏向量を(Xi,Yj)(i=1〜128,j=1〜128)とし、そのときにブランキングアパーチャ12に流れる電流をI(Xi,Yj)とする。まず、I(Xi,Yj)を、以下に示すようにY軸方向に積算してB(Xi)を求める。このようにして求まったB(Xi)を図に示す。B(Xi)の差分をとり、差分データのゼロクロスポイントを求めると、I(Xi,Yj)のX方向中心値が求まる。
【選択図】 図3
【解決手段】 電子線の偏向量を(Xi,Yj)(i=1〜128,j=1〜128)とし、そのときにブランキングアパーチャ12に流れる電流をI(Xi,Yj)とする。まず、I(Xi,Yj)を、以下に示すようにY軸方向に積算してB(Xi)を求める。このようにして求まったB(Xi)を図に示す。B(Xi)の差分をとり、差分データのゼロクロスポイントを求めると、I(Xi,Yj)のX方向中心値が求まる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、中心座標の決定方法及び荷電粒子線装置に関するものである。
電子線露光装置、電子線検査装置等の荷電粒子線装置においては、荷電粒子線のチャージアップ等に起因する磁場の影響等により、荷電粒子線のビーム中心位置が光軸からずれて、ドリフトを起こすことがある。このため、従来は、人間がビーム中心位置を測定し、その測定値に基づいて、ビーム中心を光軸に合わせる作業を行っていた。
例えば、電子線露光装置においては、レチクルに形成された位置合わせ用マークの像の位置をウエハ面位置に設けられた測定装置により測定し、その中心を求めていた。この方法は、光軸をZ軸とするX−Y−Z直交座標系において、偏向器により電子線をX軸方向に走査して、検出器の出力を観察し、それからX軸方向のビーム中心を求め、同様、偏向器により電子線をY軸方向に走査して、検出器の出力を観察し、それからY軸方向のビーム中心を求めるものであった。
しかしながら、前述のような従来の方法では、X軸方向、Y軸方向について、それぞれ1回の走査しか行っておらず、2次元平面に分布する電子線を、X軸方向、Y軸方向についてそれぞれ1断面で測定して、ビーム中心を求めていることになり、分布全体を考慮していないため、測定が不正確になるという問題点があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、2次元分布を考慮して中心座標を決定する方法、及びこの方法を使用して荷電粒子線ビームの中心位置を求めることが可能な荷電粒子線露光装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、x−y平面上に分布する量のx軸方向の中心座標xcを決定する方法であって、前記x−y平面状の点を(xi,yj)(i=1〜M,j=1〜N)とし、点(xi,yj)における前記量の値をA(xi,yj)とするとき、
を求め、B(xi)を連続した関数C(x)に当てはめ、C(x)を最大又は最小とするxの値をx軸方向の中心座標xcとすることを特徴とする中心座標の決定方法である。
前記課題を解決するための第2の手段は、x−y平面上に分布する量のx軸方向の中心座標xcを決定する方法であって、前記x−y平面状の点を(xi,yj)(i=1〜M,j=1〜N)とし、点(xi,yj)における前記量の値をA(xi,yj)とするとき、
を求め、B(xi)を最大又は最小とするxの値を内挿によって求め、この値をx軸方向の中心座標xcとすることを特徴とする中心座標の決定方法である。
前記課題を解決するための第3の手段は、荷電粒子線装置の光軸をZ軸とするX−Y−Z直交座標系をとるとき、偏向器により荷電粒子線をX−Y2次元方向に走査してアパーチャに当たるようにし、前記偏向器による偏向量を(X,Y)、そのときの前記アパーチャに流れる電流をI(X,Y)とするとき、前記第1の手段又は第2の手段である中心座標の決定方法によりI(X,Y)のX軸方向中心座標Xc、Y軸方向中心座標Ycを求め、(Xc,Yc)の値を荷電粒子線のビーム中心とするビーム中心測定機能を有することを特徴とする荷電粒子線装置である。
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第3の手段の荷電粒子線装置であって、求まった荷電粒子線のビーム中心に基づいて偏向器を操作し、荷電粒子線のビーム中心を前記光軸に合わせる機能を有することを特徴とする荷電粒子線装置である。
本発明によれば、2次元分布を考慮して中心座標を決定する方法、及びこの方法を使用して荷電粒子線ビームの中心位置を求めることが可能な荷電粒子線露光装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例である電子線露光装置の概要を示す図である。光学系の最上流に配置されている電子銃1は、下方に向けて電子線を放射する。電子銃1の下方には、1段目のコンデンサレンズ2が配置されている。このコンデンサレンズ2の下方には、トリムアパーチャ4が配置されている。
電子銃1から放射された電子線は、コンデンサレンズ2によって収束され、トリムアパーチャ4にクロスオーバーを結像する。トリムアパーチャ4は、クロスオーバーのうち中央部のみを通過させ、周辺部はカットする。
トリムアパーチャ4の下方には、2段目のコンデンサレンズ5が配置されている。このコンデンサレンズ5の下方には、成形開口10が配置されている。成形開口10の下方には、2段の照射レンズ6A、6Bが配置されている。これら照射レンズ6A、6Bの間には、ブランキングアパーチャ12が配置されている。なお、トリムアパーチャ4と成形開口10間には、ブランキング偏向器17が配置されている。このブランキング偏向器17により電子線を偏向させ、ブランキングアパーチャ12で遮蔽することにより、ブランキングが行われる。
照射レンズ6Bの下方には、レチクル14が配置されている。レチクル14は、光軸Zに対する垂直面内(X−Y面)に広がっており、多数のサブフィールドを有する。レチクル14上には、全体として一個の半導体デバイスチップをなすパターン(チップパターン)が形成されている。
トリムアパーチャ4を通過した電子線は、コンデンサレンズ5によって平行ビーム化される。この平行ビームは成形開口10で成形され、レチクル14の一つのサブフィールド(単位露光パターン領域)を照明する照明ビームのみを通過させる。この成形開口10の像は、2段の照射レンズ6A、6Bによってレチクル14に結像される。
レチクル14の下方には、2段の投影レンズ7A、7Bが配置されている。これら投影レンズ7A、7Bの間には、コントラストアパーチャ15が配置されている。投影レンズ7Bの下方には、ウエハ9が配置されている。
レチクル14のあるサブフィールドに照明ビームが当てられ、レチクル14のパターン部を通過した電子線は、投影レンズ7A、7Bによって縮小され、ウエハ9上の所定の位置に結像される。ウエハ9上には、適当なレジストが塗布されており、レジストに電子ビームのドーズが与えられてレチクル14上のパターンが縮小されてウエハ9上に転写される。この際、レチクル14の非パターン部を通過した照明ビームは大きく散乱されるが、散乱された電子線は、コントラストアパーチャ15で遮断され、取り除かれる。これにより、投影像のコントラストが得られる。
ここで、ブランキングアパーチャ12は、ケーブル18を介して電流検出器19に接続されている。なお、20は電子線を偏向させる偏向器である。偏向器は複数設けられているが、図1においては1つのみを図示している。
以下、図1に示したような電子線露光装置において、電子線ビームの中心位置を測定する方法の例を説明する。以下の説明においては、電子線露光装置の光軸をZ軸とするX−Y−Z直交座標系をとり、それに基づいて説明を行う。偏向器のうち1つのみ(例えば偏向器20)を駆動して、電子線をX−Y方向に2次元に走査し、電子線がブランキングアパーチャ12にかかるようにし、電流検出器19でブランキングアパーチャ12を流れる電流を測定する。
電子線の偏向量を(Xi,Yj)(i=1〜128,j=1〜128)とし、そのときにブランキングアパーチャ12に流れる電流をI(Xi,Yj)とする。但し、偏向量が0のときi=j=64とする。
このようにして測定されたI(Xi,Yj)を画像化したものを図2に示す。図2において横方向がX軸、縦方向がY軸に対応する。図2の元画像はカラー画像であり、カラーにより階調を示しているが、出願の制約上、グレースケールに変化してしまっているので、明度とI(Xi,Yj)とは対応していない。
もし、電子線の中心が光軸と一致しているならば、図2における分布の中心が(64,64)の点に来るはずであるが、図2を見ると分かるように、分布の中心は(64,64)の点(図の中央)からずれており、電子線中心が光軸からずれていることを示している。
このような分布から、X軸方向の電子線中心を求める方法を以下に示す。まず、I(Xi,Yj)を、以下に示すようにY軸方向に積算してB(Xi)を求める。
このようにして求まったB(Xi)を図3に示す。図3において横軸はiである。ただし、図3においては、B(Xi)の最大値が0となるように正規化している。図3に示すデータの差分をとったデータを図4に示す。図4におけるデータのゼロクロスポイントを求めると、図3においてB(Xi)の最小値を与えるXが求まる。差分データは離散的であるので、ゼロクロスポイントを与えるXは内挿によって求めるか、ゼロクロスポイント近くのデータを連続関数(例えば1次式)に当てはめ、この連続関数がゼロクロスするXの値を求めるようにしてもよい。
図4の場合、ゼロクロスポイント近くのデータを1次式に当てはめ、この一次式がゼロクロスするXの値を求めたところ、59.2[pixel]となった。同様にして、Y方向についても図3、図4に対応するデータを求め、図4に対応するデータがゼロクロスするYの値を求めたところ、Y=61.1[pixel]となった。すなわち、電子線の中心位置は(−4.8,2.9)[pixel]だけ光軸からずれていることになる。
この電子線を光軸に合わせるには、ずれ分を補正するだけの電流を偏向器にバイアスとして加えてやればよい。例えば、128[pixel]だけ電子線を偏向させるのに20mAの電流を流す必要がある場合には、X方向偏向器に0.75mA,Y方向偏向器に0.45mAのバイアス電流を加えればよい。バイアス電流付加後の、図2に対応する電子線位置画像を図5に示す。電子線中心が(64,64)の位置(図の中央)にきていることが分かる。
なお、以上の説明において、図4のデータを求めるとき、図3に示したデータの差分をとったが、図3に示すデータを連続関数に当てはめ、それを微分することによって図4に対応するデータを求め、微分値を0とする方程式を解くことによって、図4のゼロクロス点を求めるようにしてもよい。
図1に示す電子線露光装置に、上述のようにして偏向器を駆動してブランキングアパーチャ12の電流を測定し、それから上述のような計算により電子線中心を求めて、それから電子線を光軸に合わせるのに必要な電流値を求めて偏向器にバイアスとして与えるような制御装置を付加すれば、自動的に電子線ビームを光軸に合わせることが可能となる。
なお、以上の説明においては、ブランキングアパーチャ12に電子線ビームを当て、ブランキングアパーチャ12に流れる電流を測定したが、投影光学系のコントラストアパーチャ15等、他のアパーチャをブランキングアパーチャ12の代わりに使用してもよい。
又、以上の説明は電子線露光装置を例として行ったが、電子線検査装置等、他の荷電粒子線装置にも同様に適用が可能である。
1…電子銃、2…コンデンサレンズ、4…トリムアパーチャ、5…コンデンサレンズ、6A,6B…照射レンズ、7A,7B…投影レンズ、9…ウエハ、10…成形開口、12…ブランキングアパーチャ、14…レチクル、15…コントラストアパーチャ、17…ブランキング偏向器、18…ケーブル、19…電流検出器、20…偏向器
Claims (4)
- x−y平面上に分布する量のx軸方向の中心座標xcを決定する方法であって、前記x−y平面状の点を(xi,yj)(i=1〜M,j=1〜N)とし、点(xi,yj)における前記量の値をA(xi,yj)とするとき、
- x−y平面上に分布する量のx軸方向の中心座標xcを決定する方法であって、前記x−y平面状の点を(xi,yj)(i=1〜M,j=1〜N)とし、点(xi,yj)における前記量の値をA(xi,yj)とするとき、
- 荷電粒子線装置の光軸をZ軸とするX−Y−Z直交座標系をとるとき、偏向器により荷電粒子線をX−Y2次元方向に走査してアパーチャに当たるようにし、前記偏向器による偏向量を(X,Y)、そのときの前記アパーチャに流れる電流をI(X,Y)とするとき、請求項1又は請求項2の中心座標の決定方法によりI(X,Y)のX軸方向中心座標Xc、Y軸方向中心座標Ycを求め、(Xc,Yc)の値を荷電粒子線のビーム中心とするビーム中心測定機能を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
- 請求項3に記載の荷電粒子線装置であって、求まった荷電粒子線のビーム中心に基づいて偏向器を操作し、荷電粒子線のビーム中心を前記光軸に合わせる機能を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
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JP2005373976A JP2007179763A (ja) | 2005-12-27 | 2005-12-27 | 中心座標の決定方法及び荷電粒子線装置 |
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