以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、3次元画像を示す3次元画像データに基づいて当該3次元画像の断面画像を表示する断面画像表示システムに適用した場合について説明する。
まず、図1を参照して、本発明が適用された断面画像表示システム10の構成を説明する。
同図に示すように、本実施の形態に係る断面画像表示システム10は、当該システム10全体の動作を司るパーソナル・コンピュータ(以下、「PC」という。)12と、タブレット16と、平板状とされた小型の表示装置18と、を含んで構成されている。
本実施の形態に係る表示装置18は、液晶ディスプレイによる表示面18Aを備えている。なお、表示装置18の表示媒体としては液晶ディスプレイに限らず、現存する各種のディスプレイを適用することができるが、表示装置18は断面位置を連続的に指定するために用いるものである(詳細は後述。)ため、この際の操作性を考慮すると、有機ELディスプレイ、プラズマ・ディスプレイ等の薄型のものを適用することが好ましい。
また、表示装置18の両端部には、各々タブレット16によって先端部による指定位置の位置座標を検出することのできる一対のペン18Bが、当該先端部が表示装置18を正立させた状態で鉛直下方を向く状態で固定されている。従って、タブレット16は、表示装置18をペン18Bの先端部が下方を向く姿勢(以下、「通常姿勢」という。)とし、タブレット16の位置検出面16A上の空間の予め定められた位置検出許容範囲以内にペン18Bの先端部が位置される状態とされているときに、表示装置18の下端両端部における位置検出面16A上の位置座標(以下、「指定断面位置座標」という。)を検出することができる。
なお、タブレット16の位置検出面16Aは、断面画像の表示対象とする3次元画像の平面画像、側面画像、斜視画像、当該3次元画像の所定位置における断面画像等の2次元画像(以下、「提示2次元画像」という。)が描画されたパネルが載置されることにより当該提示2次元画像を提示する、本発明の載置面としての役割も有している。
タブレット16はPC12に電気的に接続されており、PC12は、タブレット16の作動の制御を行う一方、タブレット16によって検出された指定断面位置座標を取得することができる。また、表示装置18もまたPC12に電気的に接続されており、PC12は、表示装置18の表示面18Aに対して任意の画像を表示させることができる。なお、PC12には、後述するようにキーボード、ディスプレイ等の周辺機器が備えられているが、図1では、これらの周辺機器の図示を省略する。
本実施の形態に係る断面画像表示システム10では、上記パネルの所定の位置に、所定の情報が予め記憶された少なくとも1つのICタグが設けられる一方、当該ICタグに記憶されている情報を読み出し可能に構成された少なくとも1つのタグリーダが、上記パネルが載置される載置面(位置検出面16A)における、当該パネルが当該載置面に所定状態で載置された場合にのみICタグから情報を読み出すことができる位置に設けられる。
そして、断面画像表示システム10では、上記タグリーダによる情報の読み出し結果に基づいて上記パネルの上記載置面に対する載置状態を特定する。
ここで、本実施の形態に係る断面画像表示システム10では、ICタグの上記パネルにおける設置位置及び数と、タグリーダの上記載置面における設置位置及び数とが、上記パネルが上記載置面に載置されていない状態を除く特定対象とされている全ての載置状態における各載置状態間で、タグリーダによるICタグからの情報の読み出し可否状態が互いに異なるように予め定められており、タグリーダによるICタグからの情報の読み出し可否状態に応じて上記載置状態を特定するものとしている。
また、本実施の形態に係る断面画像表示システム10では、ICタグに記憶する情報に上記パネルを特定することのできる特定情報(後述するタグID情報)を含むものとし、ICタグの上記パネルにおける設置位置及び数と、タグリーダの上記載置面における設置位置及び数とが、更に、上記パネルが上記載置面に載置されていない状態を除く特定対象とされている全ての載置状態において、タグリーダの少なくとも1つによりICタグの何れか1つから上記特定情報を読み出すことができるように予め定められている。
図2には、本実施の形態に係るタブレット16及びパネル40の構成が示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係るパネル40は平面視長方形のものとされる一方、タブレット16の位置検出面(載置面)16Aにおけるパネル40の載置領域がパネル40の形状及び寸法に対応するものとされている。従って、当該載置領域もまた、パネル40と同様に平面視長方形とされている。なお、本実施の形態に係るタブレット16には、上記載置領域の外枠にエッジ部が位置されるガイド16Bが設けられており、パネル40のエッジ部をガイド16Bのエッジ部に当接させるようにパネル40を載置することにより、当該パネル40を上記載置領域に正確に位置決めすることができる。
また、パネル40には、当該パネル40の一方の対角線上における角部近傍の2箇所にICタグ42A及びICタグ42Bが貼り付けられている。なお、各ICタグ42A,42Bには、パネル40を特定するための情報としての役割を有し、かつ各タグ別に異なる情報とされたタグID(Identification)情報(本実施の形態では、各ICタグの製造番号を示す情報)が予め記憶されている。
一方、タブレット16には、上記載置領域の短辺の両端部近傍の2箇所に、ICタグ42A,42Bに記憶されている情報を読み出し可能に構成されたタグリーダ17A及びタグリーダ17Bが埋設されている。
なお、本実施の形態に係る断面画像表示システム10では、表面がタブレット16の載置面と同一方向を向き、かつ正立の状態として、パネル40のエッジ部をガイド16Bのエッジ部に当接させるようにパネル40をタブレット16に載置した際に、タグリーダ17Aに内蔵されたアンテナ(図示省略。)にICタグ42Aが最接近するように、タグリーダ17A及びICタグ42Aが位置決めされる一方、裏面がタブレット16の載置面と同一方向を向き、かつ正立の状態として、パネル40のエッジ部をガイド16Bのエッジ部に当接させるようにパネル40をタブレット16に載置した際に、タグリーダ17Bに内蔵されたアンテナ(図示省略。)にICタグ42Bが最接近するように、タグリーダ17B及びICタグ42Bが位置決めされている。また、各タグリーダ17A,17Bは、ICタグ42A,42Cに対する情報の読み出し範囲が同時に複数のICタグの情報が読み出されない範囲内で最大となるように、各々の読み出し感度が予め調整されている。
タグリーダ17A,17BはPC12に電気的に接続されており、PC12は、タグリーダ17A,17Bの作動の制御を行う一方、タグリーダ17A,17BによってICタグから読み出された情報を取得することができる。
次に、図3を参照して、本システムにおいて特に重要な役割を有するPC12の電気系の要部構成を説明する。
同図に示すように、本実施の形態に係るPC12は、PC12全体の動作を司るCPU(中央処理装置)20Aと、CPU20Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM20Bと、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM20Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)20Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード20Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ20Fと、外部装置等との間の各種信号の授受を司る入出力I/F(インタフェース)20Gと、が備えられており、これら各部はシステムバスBUSにより電気的に相互に接続されている。
従って、CPU20Aは、RAM20B、ROM20C、及び二次記憶部20Dに対するアクセス、キーボード20Eを介した各種入力情報の取得、ディスプレイ20Fに対する各種情報の表示、及び入出力I/F20Gを介した外部装置等との間の各種信号の授受を各々行うことができる。なお、入出力I/F20Gには、前述したタブレット16、タグリーダ17A,17B、及び表示装置18が電気的に接続されると共に、図示しないプリンタも接続されている。
一方、図4には、PC12に備えられた二次記憶部20Dの主な記憶内容が模式的に示されている。同図に示すように、二次記憶部20Dには、各種データベースを記憶するためのデータベース領域DBと、各種処理を行うためのプログラム等を記憶するためのプログラム領域PGと、が設けられている。
なお、データベース領域DBには、断面画像表示システム10において断面画像の表示対象としている3次元画像を示す3次元画像データを記憶するための3次元画像データベースDB1と、タブレット16に対するパネル40の載置状態を検出するために用いる情報を記憶するための載置状態情報データベースDB2と、パネル40と上記3次元画像データとの対応関係等を示す情報を記憶するための画像対応情報データベースDB3とが含まれている。また、プログラム領域PGには、後述する断面画像表示処理プログラムの他、汎用のコンピュータ・グラフィクス用のアプリケーション・プログラム(以下、「CGプログラム」という。)が予め記憶(インストール)されている。
なお、本実施の形態に係る断面画像表示システム10では、上記3次元画像データとして、3次元物体の3次元形状を座標で表現した座標データと、当該3次元物体の表面及び内部の少なくとも一方の色データ及び形状の画像データを含むデータを適用しているが、これに限らず、例えば、上記座標データのみにより構成されたデータを適用してもよい。
また、本実施の形態に係る載置状態情報データベースDB2は、図5に示すように、各タグリーダ17A,17BによるICタグ42A,42Bの情報の読み出し結果を示す読み出し結果情報と、これに対応する載置状態情報が各載置状態毎に記憶されている。例えば、タグリーダ17AによりICタグ42Aの情報を読み出すことができ、かつタグリーダ17Bにより何れのICタグからも情報を読み出すことができなかった場合は、パネル40の載置状態が、表面が載置面と同一方向を向き、かつ正立状態(図2に示される載置状態)となっていることを示している。また、例えば、タグリーダ17Aにより何れのICタグからも情報を読み出すことができず、かつタグリーダ17BによりICタグ42Aの情報を読み出すことができた場合は、パネル40の載置状態が、裏面が載置面と同一方向を向き、かつ倒立状態となっていることを示している。
一方、本実施の形態に係る画像対応情報データベースDB3は、図6に示すように、上述したタグID情報、対応画像情報、及び画像種別情報が各パネル毎に記憶されている。
ここで、上記対応画像情報は、対応するタグID情報により示されるICタグが設けられたパネルに描画されている画像の3次元画像データを特定するための情報であり、本実施の形態に係る画像対応情報データベースDB3では、当該3次元画像データのファイル名が適用されている。すなわち、本実施の形態に係る3次元画像データベースDB1では、記憶されている3次元画像データをファイル名で管理するようにしている。なお、これに限らず、例えば、3次元画像データが格納されているリンク先を示すリンク情報により3次元画像データを管理するものとすることもできる。また、上記画像種別情報は、対応するICタグが設けられているパネルの表面及び裏面に描画されている画像の種別を示す情報である。例えば、タグID情報として‘10010’及び‘10011’が各々記憶されているICタグが設けられているパネルには、‘建物A’とのファイル名とされた3次元画像データにより示される2次元画像が、表面には平面画像が、裏面には天井伏画像が、各々描画されていることを示している。
一方、本実施の形態に係るCGプログラムは、3次元画像データベースDB1に記憶されている3次元画像データに基づいて、当該画像データにより示される3次元画像の、予め設定された断面位置を示す位置データにより示される断面位置における断面画像を示す2次元画像データを作成する機能(以下、「断面画像作成機能」という。)を有している。なお、本実施の形態に係るCGプログラムの断面画像作成機能では、後述する仮想的なカメラ24(図8(B)も参照。)の位置を示す座標(xc,yc,zc)及び当該カメラ24の注視点を示す座標(xt,yt,zt)が設定されることにより上記断面画像を示す2次元画像データが作成されるものとされている。また、CGプログラムは、3次元画像データベースDB1に記憶されている3次元画像データに基づいて、当該画像データにより示される3次元画像の平面画像、側面画像、斜視画像、天井伏画像、当該3次元画像の所定位置における断面画像等の2次元画像を示す2次元画像データを作成する機能(以下、「2次元画像作成機能」という。)も有している。なお、これらの機能はCGプログラムにおいて従来既知の一般的な機能であるので、これ以上のここでの説明は省略する。
次に、図7を参照して、本実施の形態に係る断面画像表示システム10の作用を説明する。なお、図7は、利用者により、キーボード20Eを介して断面画像表示処理の実行を指示する指示入力が行われた際にPC12のCPU20Aによって実行される断面画像表示処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
当該断面画像表示処理プログラムの実行に先立ち、利用者は、3次元画像データベースDB1に登録されている3次元画像から断面画像の表示対象とする3次元画像を指定し、CGプログラムの2次元画像作成機能を利用して、タブレット16の位置検出面16Aにより提示する提示2次元画像(ここでは、平面画像、側面画像、斜視画像、天井伏画像、上記3次元画像の所定位置における断面画像の何れか2つ)が所定サイズで描画された用紙を不図示のプリンタにより作成する。
そして、利用者は、ICタグ42A,42Bが図2に示される状態で予め貼り付けられたパネルに、作成した用紙を貼り付けることによってパネル40を作成すると共に、作成したパネル40に対応する情報を画像対応情報データベースDB3に登録する。そして、利用者は、作成したパネル40のエッジ部をガイド16Bのエッジ部に当接させるようにタブレット16に載置した後、上記断面画像表示処理の実行を指示する指示入力を行う。これに応じて、CPU20Aは、図7に示される断面画像表示処理プログラムの実行を開始する。
まず、同図のステップ100では、タブレット16に対する検出座標軸の初期値化等を行う初期設定を行い、次のステップ102では、タグリーダ17A,17Bに対してICタグから情報を読み出すように制御することにより、ICタグ42A,42Bに記憶されている情報(ここでは、タグID情報)の読み出しを試みる。
次のステップ104では、上記ステップ102による読み出し結果に対応する載置状態情報を載置状態情報データベースDB2から読み出すことによって載置状態を特定する。ここで、例えば、タグリーダ17Aにより何れのICタグからも情報が読み出すことができず、かつタグリーダ17BによりICタグ42Aの情報を読み出すことができた場合は、前述したように、パネル40の載置状態が、裏面が載置面と同一方向を向き、かつ倒立状態となっているものと特定される。
次のステップ106では、上記ステップ104において特定した載置状態が、パネルが載置されていない状態(何れのタグリーダでもICタグの情報が読み出せなかった場合に対応する状態)であったか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ108に移行して、パネルが載置されていないことを示す情報をディスプレイ20Fにより表示し、その後に本断面画像表示処理プログラムを終了する。
一方、上記ステップ106において否定判定となった場合にはステップ110に移行し、上記ステップ104の処理によって特定された載置状態を示す情報を二次記憶部20Dの所定領域に記憶し、次のステップ112にて、上記ステップ102の処理によって読み出したタグID情報に対応する対応画像情報を画像対応情報データベースDB3から読み出すことによって断面画像の表示対象とする画像(以下、「処理対象画像」という。)を特定する。
次のステップ114では、利用者により表示装置18の位置により指定された断面位置を導出する断面位置導出処理を実行する。
このとき、利用者は、タブレット16の位置検出面16A上の空間に、処理対象画像の3次元画像を当該位置検出面16Aにおいて提示されている提示2次元画像に対応する寸法かつ位置で仮想的に構成した状態で、当該構成した3次元画像における表示対象とする断面位置に表示装置18の表示面18Aを位置させることにより、当該断面位置を指定する。
そこで、上記断面位置導出処理では、タブレット16から指定断面位置座標を取得し、当該指定断面位置座標を、以下に示すように3次元画像の座標系に換算する。
なお、ここでは、図8(A)に示すように、タブレット16の座標系における位置検出面16Aの水平方向サイズ及び垂直方向サイズを各々Tw及びThとし、表示装置18の表示面18Aの水平方向サイズ及び垂直方向サイズを各々Sw及びShとする。また、図8(B)に示すように、3次元画像の座標系における位置検出面16Aに対応する仮想的な矩形面20Aの水平方向サイズ及び垂直方向サイズを各々Vw及びVhとし、3次元画像の座標系における表示面18Aに対応する仮想的な矩形面20Bの水平方向サイズ及び垂直方向サイズを各々Svw及びSvhとする。更に、矩形面20Aの原点を(α,β,γ)とし、3次元画像の座標系に対して、矩形面20Bの中心点を撮影領域の中心位置とするように仮想的に設けたカメラ24の矩形面20Bに対する画角をθとする。また、ここで、位置検出面16Aのサイズと矩形面20Aのサイズの比率は1:a、すなわち、Tw×a=Vw,Th×a=Vhとする。
そして、本実施の形態に係る断面画像表示システム10では、以上の各パラメータ(位置検出面16Aの水平方向サイズTw及び垂直方向サイズTh、表示面18Aの水平方向サイズSw及び垂直方向サイズSh、矩形面20Aの水平方向サイズVw及び垂直方向サイズVh、矩形面20Bの水平方向サイズSvw及び垂直方向サイズSvh、原点(α,β,γ)、画角θ、及びa)は固定値とされており、これらのパラメータの値が予め二次記憶部20Dの所定領域に記憶されている。
タブレット16から取得された指定断面位置座標のうち、一方のペン18Bの先端部の位置座標を(xp1,yp1,zp1)とし、他方のペン18Bの先端部の位置座標を(xp2,yp2,zp2)とすると、パネル40が正立状態でタブレット16に載置されている場合における矩形面20Bの中心位置を示す座標(xt,yt,zt)は次の(1)式により算出することができる。
ここで、各ペン18Bの先端部間の距離Lは次の(2)式により示される。
従って、カメラ24の位置を示す座標(xc,yc,zc)は次の(3)式により算出することができる。
一方、パネル40が倒立状態でタブレット16に載置されている場合における矩形面20Bの中心位置を示す座標(xt,yt,zt)は次の(4)式により算出することができる。
従って、カメラ24の位置を示す座標(xc,yc,zc)は次の(5)式により算出することができる。
そこで、CPU20Aは、予め記憶されているパラメータの値と、タブレット16から取得した指定断面位置座標を、パネル40の載置状態が正立状態である場合は(1)式〜(3)式に、パネル40の載置状態が倒立状態である場合は(4)式〜(5)式に、各々代入することにより、各座標(xt,yt,zt)、(xc,yc,zc)を算出する。
ところで、本実施の形態に係るCGプログラムに搭載された断面画像作成機能では、一例として図9に示されるように、処理対象とする3次元物体30を仮想的なカメラ24で撮影することを想定し、カメラ24の前方にフロント・カット・オフ・プレーン(Front Cut Off Plane)32を設けると共にカメラ24のフロント・カット・オフ・プレーン32より遠方にバック・カット・オフ・プレーン(Back Cut Off Plane)34を設け、カメラ24の水平視野角(画角)をθとし、カメラ24による撮影位置からフロント・カット・オフ・プレーン32までの距離をLfcとし、カメラ24による撮影位置からバック・カット・オフ・プレーン34までの距離をLbcとして、カメラ24からの距離dが、Lfc≦d≦Lbcの関係を満足する画像が作成対象とする断面画像として抽出される。
従って、当該断面画像作成機能では、画角θとして‘0’を設定することにより、距離Lfc及び距離Lbcが座標(xt,yt,zt)に置かれる結果、断面を示す画像を示す2次元画像データが生成される。また、距離Lfcとして‘0’を、距離Lbcとして‘∞’(無限大)を、各々設定することにより、透視画像を示す2次元画像データが生成され、距離Lfcとして(Svw/tanθ)を、距離Lbcとして‘∞’(無限大)を、各々設定することにより、透視画像と断面を示す画像が組み合わされた画像を示す2次元画像データが生成される。
従って、上記ステップ100の処理によって実行される初期設定では、断面のみを示す画像を表示したい場合には画角θとして‘0’を設定し、透視画像を表示したい場合には距離Lfcとして‘0’を設定すると共に距離Lbcとして‘∞’を設定し、透視画像と断面を示す画像が組み合わされた画像を表示したい場合には距離Lfcとして(Svw/tanθ)を設定すると共に距離Lbcとして‘∞’を設定する。
次のステップ116では、上記ステップ114の処理によって導出された座標(xt,yt,zt)及び座標(xc,yc,zc)をCGプログラムに設定し、次のステップ118にて、当該CGプログラムの断面画像作成機能を実行することにより、導出した断面位置に対応する断面画像を示す2次元画像データを作成させ、次のステップ120にて、作成された2次元画像データを用いて当該画像データにより示される断面画像が表示面18Aにより表示されるように表示装置18を制御し、その後にステップ122に移行する。なお、上記ステップ118では、上記ステップ104の処理によって特定したパネル40の載置状態が、裏面が載置面と同一方向を向く状態(ここでは、天井伏図が露出している状態)である場合には、処理対象画像に対応する3次元画像データを、当該3次元画像データにより示される画像の上下が逆となるように座標変換し、これによって得られた3次元画像データを処理対象とする画像データとして適用するようにする。
ステップ122では、本断面画像表示処理プログラムの実行を終了するタイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ114に戻り、肯定判定となった時点で本断面画像表示処理プログラムを終了する。なお、本実施の形態に係る断面画像表示処理プログラムでは、上記終了するタイミングを、利用者によって本断面画像表示処理プログラムの実行の停止を指示する指示入力が行われたタイミングを適用しているが、これに限らず、PC12の電源スイッチがオフ状態とされたタイミング、タブレット16によって表示装置18の位置が検出できなくなったタイミング等、他のタイミングを適用することもできることは言うまでもない。
このように、本断面画像表示処理プログラムは、ステップ114〜ステップ120の処理を所定のタイミングが到来するまで繰り返し実行しているので、利用者が表示装置18をタブレット16の位置検出面16A上の検出可能範囲内において移動させることにより、その時点における表示装置18の表示面18Aの位置に対応する断面画像が、当該表示面18Aによりリアルタイムで連続的に表示されることになる。
そして、このとき、表示面18Aに連続的に表示される断面画像は、一例として図10や図11に示されるように、タブレット16の位置検出面16A上に載置されたパネルに描画されている画像(図10、図11では平面画像)に対応する寸法かつ位置で位置検出面16A上の空間に仮想的に3次元画像を構成させた状態での、当該構成させた3次元画像における断面画像となるため、より現実味の高い状態で当該断面画像を表示することができる。なお、図10、図11はペン18Bの図示は省略している。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、載置状態の検出対象とされたパネルの所定の位置に設けられ、所定の情報が予め記憶された記憶手段(ここでは、ICタグ42A,42B)に記憶されている情報を読み出し可能に構成され、前記パネルが載置される載置面における、前記パネルが前記載置面に所定状態で載置された場合にのみ前記記憶手段から情報を読み出すことができる位置に設けられた読出手段(ここでは、タグリーダ17A,17B)による情報の読み出し結果に基づいて前記パネルの前記載置面に対する載置状態を特定しているので、パネルの載置面に対する載置状態を自動的に検出することができる。
また、本実施の形態では、前記記憶手段の前記パネルにおける設置位置及び数と、前記読出手段の前記載置面における設置位置及び数とを、前記パネルが前記載置面に載置されていない状態を除く特定対象とされている全ての載置状態における各載置状態間で、前記読出手段による前記記憶手段からの情報の読み出し可否状態が互いに異なるように予め定められたものとし、前記読出手段による前記記憶手段からの情報の読み出し可否状態に応じて前記載置状態を特定しているので、特定対象とされている全ての載置状態を確実に検出することができる。
特に、本実施の形態では、前記記憶手段に予め記憶される情報が、前記パネルを特定することのできる特定情報(ここでは、タグID情報)を含み、前記記憶手段の前記パネルにおける設置位置及び数と、前記読出手段の前記載置面における設置位置及び数とを、更に、前記パネルが前記載置面に載置されていない状態を除く特定対象とされている全ての載置状態において、前記読出手段の少なくとも1つにより前記記憶手段の何れか1つから前記特定情報を読み出すことができるように予め定められたものとしているので、特定対象とされている全ての載置状態において、載置面に載置されたパネルを自動的に特定することができ、利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、前記特定対象とされている載置状態を、前記パネルの表面が前記載置面と同一の方向を向く載置状態と、前記パネルの裏面が前記載置面と同一の方向を向く載置状態と、前記パネルが正立状態となる載置状態と、前記パネルが倒立状態となる載置状態としているので、これらの載置状態を自動的に検出することができる。
特に、本実施の形態では、前記パネルが平面視長方形のものであり、前記載置面における前記パネルの載置領域が前記パネルの形状及び寸法に対応するものであり、前記記憶手段が、前記パネルの一方の対角線上における角部近傍の2箇所に設けられ、かつ互いに異なる情報が予め記憶されたものであり、前記読出手段が、前記載置領域の短辺の両端部近傍の2箇所に設けられたものとしているので、平面視長方形のパネルの載置面に対する載置状態として、パネルの表面が載置面と同一方向を向いている状態、パネルの裏面が載置面と同一方向を向いている状態、パネルが正立状態とされている状態、及びパネルが倒立状態とされている状態の4種類の状態を、2つの記憶手段及び2つの読出手段のみにより確実に検出することができる。
また、本実施の形態では、前記読出手段によって前記記憶手段から前記特定情報を読み出すことができない場合に前記パネルが前記載置面に載置されていない状態であるものと特定しているので、パネルが載置されていない状態も自動的に検出することができる。
また、本実施の形態では、前記記憶手段としてICタグを適用しているので、近年、低コスト化及び小型化が進んでいるICタグを用いて本発明を実現することができる結果、本発明を低コストで実現できると共に、本発明のパネルを小型・軽量に構成することができる。
更に、本実施の形態では、前記パネルを、予め定められた画像が描画されたものとしているので、本発明を、パネルに描画された画像に関する処理を、パネルの載置面に対する載置状態を用いて実行するシステムに利用することができる。
一方、本実施の形態では、3次元画像を示す3次元画像データに基づいて前記3次元画像の断面画像を表示するに当たり、前記3次元画像データを第2記憶手段(ここでは、二次記憶部20D)によって予め記憶しておき、予め定められた載置面(ここでは、位置検出面16A)において前記3次元画像の2次元画像(ここでは、平面画像等)を提示し、前記載置面上の空間に前記3次元画像を当該載置面において提示されている前記2次元画像に対応する寸法かつ位置で仮想的に構成させた状態で、当該構成させた3次元画像における前記断面画像の表示対象とする断面位置を指定手段(ここでは、表示装置18)により指定させ、指定された前記断面位置を検知し、検知した前記断面位置を前記3次元画像における座標系の断面位置に換算し、換算した前記断面位置における前記3次元画像の断面画像を示す断面画像データを当該断面位置、前記3次元画像データ及び前記載置状態に基づいて作成し、作成した前記断面画像データを用いて前記断面画像を表示するように表示手段(ここでは、表示装置18)を制御しているので、断面位置を連続的かつ効率的に設定することができる。
また、本実施の形態では、前記2次元画像を前記3次元画像の平面図又は側面図又は斜視図又は天井伏図又は当該3次元画像の所定位置における断面図としているので、当該3次元画像の平面図又は側面図又は斜視図又は天井伏図又は断面図を参照した状態で断面位置を設定することができる。
また、本実施の形態では、前記指定手段を、板状のもので、かつ表示対象とする断面に当該板状における表面を対応させるように位置させることにより前記断面位置を指定するものとし、前記断面画像データを前記仮想的に構成させた3次元画像における前記指定手段の前記表面が位置された領域の断面画像を示すものとして作成しているので、実際の3次元画像に対して直接切断する状態で、より自然な動作により断面位置を指定することができる結果、断面位置を、より効率的に設定することができる。
特に、本実施の形態では、前記表示手段と前記指定手段を兼用するものとし、前記指定手段の前記板状における表面を、前記断面画像を表示する表示面としているので、板状とされた指定手段により3次元画像を実際に切断する状態で断面位置を指定し、この状態において当該断面位置における断面画像を指定手段の表示面によって表示することが可能となり、より現実味の高い状態で当該断面画像を表示することができるようになる。
更に、本実施の形態では、本発明の検知手段として、指定位置を検知することによって前記断面位置を検知するタブレット(ここでは、タブレット16)を適用し、本発明の指定手段として、前記タブレットによって指定位置が検知される複数のペン(ここでは、ペン18B)が固定的に設けられたものを適用しているので、近年、市場に広く供給されている安価なタブレット及びペンを利用して本発明を構成することができ、本発明を低コストで実現することができる。
なお、上記実施の形態では、表示装置18とPC12とを有線で電気的に接続した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、無線で接続する形態とすることもできる。この場合、上記実施の形態に比較して表示装置18の移動が容易となるため、操作性を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、本発明の表示手段として、断面画像データに基づいて生成された映像信号により電気的に前記断面画像を表示するものを適用した場合の形態例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の表示手段として、断面画像データにより示される断面画像を担持した光を投影することにより断面画像を表示するもの(プロジェクタ方式)を適用する形態とすることもできる。
以下、この場合の形態例について説明する。
まず、図12を参照して、この形態に係る断面画像表示システム10’の構成例を説明する。なお、図12における図1と同一の構成要素については図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
図12に示されるように、この形態に係る断面画像表示システム10’は、上記実施の形態に係る断面画像表示システム10に比較して、表示装置18に代えて板状のスクリーン26を適用している点、及びスクリーン26の表示面26Aに画像を投影するプロジェクタ22が新たに設けられている点のみ相違している。
同図に示すように、本形態に係るスクリーン26の両端部には、上記実施の形態に係る表示装置18と同様に、各々タブレット16によって先端部による指定位置の位置座標を検出することのできる一対のペン26Bが、当該先端部がスクリーン26を正立させた状態で鉛直下方を向く状態で固定されている。従って、タブレット16は、スクリーン26をペン26Bの先端部が下方を向く姿勢(以下、「通常姿勢」という。)とし、タブレット16の位置検出面16A上の空間の予め定められた位置検出許容範囲以内にペン26Bの先端部が位置される状態とされているときに、スクリーン26の下端両端部における位置検出面16A上の位置座標(指定断面位置座標)を検出することができる。
また、プロジェクタ22はPC12に電気的に接続されており、PC12は、プロジェクタ22の作動の制御を行うことができる。なお、プロジェクタ22は、表示すべき画像を担持した光をスクリーン26に投影することにより当該画像を表示するものであり、スクリーン26が指定断面位置座標を検出することができる範囲内の何れの位置に位置されていても、当該スクリーン26の表示面26Aに画像を投影できる予め定められた位置に設置されている。
本形態に係る断面画像表示システム10’では、利用者によって断面画像表示処理の実行を指示する指示入力が行われた際に上記実施の形態に係る断面画像表示処理プログラム(図7参照。)と略同様の処理が実行されるが、3次元画像の座標系に仮想的に設けたカメラ24の位置とプロジェクタ22の設置位置の相対的な違いを考慮して、1枚の断面画像を表示するために、CGプログラムが断面画像作成機能を2度実行させる点が異なっている。
すなわち、この場合、CGプログラムでは、上記実施の形態と同様に断面画像を示す2次元画像データを作成し、当該2次元画像データにより示される断面画像を矩形面20B(図8(B)も参照。)に対してマッピングする。
そして、CGプログラムは、カメラ24を、矩形面20Bに対する位置が、スクリーン26の表示面26Aに対するプロジェクタ22の位置と同一の位置関係となるように仮想的に設置し、この状態で矩形面20Bにマッピングされた断面画像をカメラ24により撮影して得られた画像を示す2次元画像データをスクリーン26による表示画像を示すものとして作成する。
なお、CPU20Aは、断面画像表示処理プログラムのステップ120の処理において、以上の処理によって作成された2次元画像データを用いて、当該画像データにより示される断面画像をスクリーン26の表示面26Aに投影するようにプロジェクタ22を制御することになる。
本形態においても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができると共に、スクリーン26に対して通信を行うことなく断面画像を表示することができ、利便性を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、ICタグ及びタグリーダを各々2つずつ用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ICタグ及びタグリーダの数は、特定対象とする載置状態の種類に応じて適宜変更することができることは言うまでもない。
図13(A)には、ICタグが1つで、タグリーダが2つである場合のタブレット16及びパネル40の構成例が示されている。
同図に示されるように、この形態では、パネル40が平面視長方形のものとされる一方、タブレット16の位置検出面(載置面)16Aにおけるパネル40の載置領域がパネル40の形状及び寸法に対応するものとされている。従って、当該載置領域もまた、パネル40と同様に平面視長方形とされている。
また、パネル40には、当該パネル40の平面視左下の角部近傍の1箇所にICタグ42Aが貼り付けられている。なお、ICタグ42Aには、上記実施の形態と同仕様のタグID情報が予め記憶されている。
一方、タブレット16には、上記載置領域の短辺の両端部近傍の2箇所に、ICタグ42Aに記憶されている情報を読み出し可能に構成されたタグリーダ17A及びタグリーダ17Bが埋設されている。
なお、本形態では、表面がタブレット16の載置面と同一方向を向き、かつ正立の状態として、パネル40のエッジ部をガイド16Bのエッジ部に当接させるようにパネル40をタブレット16に載置した際に、タグリーダ17Aに内蔵されたアンテナにICタグ42Aが最接近するように、タグリーダ17A及びICタグ42Aが位置決めされる一方、裏面がタブレット16の載置面と同一方向を向き、かつ倒立の状態として、パネル40のエッジ部をガイド16Bのエッジ部に当接させるようにパネル40をタブレット16に載置した際に、タグリーダ17Bに内蔵されたアンテナにICタグ42Aが最接近するように、タグリーダ17B及びICタグ42Aが位置決めされている。
なお、図13(B)には、タブレット16及びパネル40の構成が図13(A)に示すものである場合の載置状態情報データベースDB2のデータ構造が示されている。
一方、図14(A)には、ICタグが3つで、タグリーダが2つである場合のタブレット16及びパネル40の構成例が示されている。
同図に示されるように、この形態では、パネル40が平面視正方形のものとされる一方、タブレット16の位置検出面(載置面)16Aにおけるパネル40の載置領域がパネル40の形状及び寸法に対応するものとされている。従って、当該載置領域もまた、パネル40と同様に平面視正方形とされている。
また、パネル40には、当該パネル40の3つの角部近傍にICタグ42A,42B,42Cが貼り付けられている。なお、ICタグ42A〜42Cには、上記実施の形態と同仕様のタグID情報が予め記憶されている。
一方、タブレット16には、上記載置領域の平面視左辺の両端部近傍の2箇所に、各々ICタグ42A〜42Cに記憶されている情報を読み出し可能に構成されたタグリーダ17A及びタグリーダ17Bが埋設されている。
なお、本形態では、表面がタブレット16の載置面と同一方向を向き、かつ正立の状態として、パネル40のエッジ部をガイド16Bのエッジ部に当接させるようにパネル40をタブレット16に載置した際に、タグリーダ17Aに内蔵されたアンテナにICタグ42Aが最接近するように、タグリーダ17A及びICタグ42Aが位置決めされる一方、裏面がタブレット16の載置面と同一方向を向き、かつ倒立の状態として、パネル40のエッジ部をガイド16Bのエッジ部に当接させるようにパネル40をタブレット16に載置した際に、タグリーダ17Bに内蔵されたアンテナにICタグ42Cが最接近するように、タグリーダ17B及びICタグ42Cが位置決めされ、かつ裏面がタブレット16の載置面と同一方向を向き、かつ正立の状態として、パネル40のエッジ部をガイド16Bのエッジ部に当接させるようにパネル40をタブレット16に載置した際に、タグリーダ17Bに内蔵されたアンテナにICタグ42Bが最接近するように、タグリーダ17B及びICタグ42Bが位置決めされている。また、各タグリーダ17A,17Bは、ICタグ42A〜42Cに対する情報の読み出し範囲が同時に複数のICタグの情報が読み出されない範囲内で最大となるように、各々の読み出し感度が予め調整されている。
なお、図14(B)には、タブレット16及びパネル40の構成が図14(A)に示すものである場合の載置状態情報データベースDB2のデータ構造が示されている。
一方、図15(A)には、ICタグが4つで、タグリーダが1つである場合のタブレット16及びパネル40の構成例が示されている。
同図に示されるように、この形態では、パネル40が平面視正方形のものとされる一方、タブレット16の位置検出面(載置面)16Aにおけるパネル40の載置領域がパネル40の形状及び寸法に対応するものとされている。従って、当該載置領域もまた、パネル40と同様に平面視正方形とされている。
また、パネル40には、当該パネル40の4つの角部近傍にICタグ42A,42B,42C,42Dが貼り付けられている。なお、ICタグ42A〜42Dには、上記実施の形態と同仕様のタグID情報が予め記憶されている。
一方、タブレット16には、上記載置領域の1つの角部近傍にICタグ42A〜42Dに記憶されている情報を読み出し可能に構成されたタグリーダ17Aが埋設されている。
なお、本形態では、表面がタブレット16の載置面と同一方向を向き、かつ載置面に垂直な軸を中心として、正立状態を基準(0度)とした90度毎の4種類の回転角度状態の各々別に、パネル40のエッジ部をガイド16Bのエッジ部に当接させるようにパネル40をタブレット16に載置した際に、タグリーダ17Aに内蔵されたアンテナにICタグ42A〜42Dが各々最接近するように、タグリーダ17A及びICタグ42A〜42Dが位置決めされている。また、タグリーダ17Aは、ICタグ42A〜42Dに対する情報の読み出し範囲が同時に複数のICタグの情報が読み出されない範囲内で最大となるように、各々の読み出し感度が予め調整されている。
なお、図15(B)には、タブレット16及びパネル40の構成が図15(A)に示すものである場合の載置状態情報データベースDB2のデータ構造が示されている。同図に示すように、この場合は、パネルが前記載置面に垂直な軸を中心として90度回転された状態となる載置状態が自動的に検出することができる。
これらの形態でも、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態では、パネル40の載置状態が正立状態及び倒立状態である場合の座標(xt,yt,zt)及び座標(xc,yc,zc)を導出する演算式を各載置状態別に予め用意しておき、これらの演算式からパネル40の載置状態に応じたものを選択的に適用することによって各載置状態に対応する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、処理対象画像に対応する3次元画像データを当該3次元画像データにより示される画像がパネル40の載置状態に応じた状態となるように座標変換することにより各載置状態に対応する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態では、本発明のパネル載置手段としてタブレット16を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、テーブルや机等、パネルを載置することができるものであれば如何なるものも適用できることは言うまでもない。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態では、表示装置18にタブレット16によって検出可能なペン18Bを設けることにより、表示装置18の位置(指定断面位置)を検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、表示装置18に超音波を発する音源と光を射出する光源とを設けると共に、位置検出装置(上記実施の形態では、タブレット16)に上記超音波及び光を検知する検知手段を設け、当該検知手段による検知結果に基づいて3角測量の原理で指定断面位置を検出する形態や、表示装置18に複数の光源を設けると共に、位置検出装置に表示装置18を撮像する撮像装置を設け、当該撮像装置による撮像画像から上記複数の光源からの光の位置を特定することにより指定断面位置を検出する形態等とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態では、PC12によってタブレット16の座標系を3次元画像の座標系に換算する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、タブレット16においてタブレット16の座標系を3次元画像の座標系に換算する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態で説明した断面位置座標の換算手法は一例であり、他の従来既知の換算手法を適用できることは言うまでもない。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態では、表示装置18を1台(1枚)のみ用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の表示装置18を用いる形態とすることもできる。この場合、複数の表示装置18に対して、自身の位置が断面位置とされた断面画像が表示されることになる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態で説明したパネルの作成手順も一例であり、他の手順を適用できることは言うまでもない。
その他、上記実施の形態で説明した断面画像表示システム10の構成(図1〜図4参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、上記実施の形態で示した断面画像表示処理プログラムの処理の流れ(図7参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。