以下、本発明に係る実施例について図面を用いて具体的に説明する。なお、以下で説明する各種構成は本発明の思想の範囲内において適宜変更可能であり以下の具体例だけに限定されるものではない。
[実施例1]
(画像形成装置)
実施例1に係るトナー補給容器(所謂、トナーカートリッジ)が装着されるトナー受け入れ装置が搭載された画像形成装置の一例として、電子写真方式を採用した複写機の構成について図1を用いて説明する。
同図において、100は電子写真複写機本体(以下「装置本体100」という)である。また、101は原稿であり、原稿台ガラス102の上に置かれる。そして、画像情報に応じた光像が光学部103の複数のミラーMとレンズLnにより、像担持体としての電子写真感光体ドラム104上に結像する。105〜108はカセットである,これらカセット105〜108に積載された記録媒体(以下、「シート」という)Sのうち、操作部から使用者が入力した情報もしくは原稿101のシートサイズから最適なシートをカセット105〜108のシートサイズ情報から選択する。ここで、記録媒体としては、用紙に限定されずに、例えばOHPシート等適宜選択できる。
そして、給送分離装置105A〜108Aにより搬送された1枚のシートSを、搬送部109を経由してレジストローラ110まで搬送し、感光体ドラム104の回転と、光学部103のスキャンのタイミングを同期させて搬送する。なお、111,112は転写放電器、分離放電器である。ここで、転写放電器111によって、感光体ドラム104上に形成されたトナーによる像をシートSに転写する。そして、分離放電器112によって、トナー像の転写されたシートSを感光体ドラム104から分離する。
この後、搬送部113により搬送されたシートSは、定着部114において熱と圧によりシート上のトナー像を定着させた後、片面コピーの場合には、排出反転部115を通過し、排出ローラ116により排出トレイ117へ排出される。また、多重コピーの場合には、排出反転部115のフラッパ118の制御により、再給送搬送部119,120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排出トレイ117へ排出される。
また、両面コピーの場合には、シートSは排出反転部115を通り、一度排出ローラ116により一部が装置外へ排出される。そして、この後、シートSの終端がフラッパ118を通過し、排出ローラ116にまだ挟持されているタイミングでフラッパ118を制御すると共に排出ローラ116を逆回転させることにより、再度装置内へ搬送される。さらにこの後、再給送搬送部119,120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排出トレイ117へ排出される。
上記構成の装置本体100において、感光体ドラム104の回りには現像手段としての現像装置201、クリーニング手段としてのクリーナ部202、帯電手段としての一次帯電器203等の画像形成プロセス機器が設置されている。なお、クリーナ部202は、感光体ドラム104に残留しているトナーを除去するためのものである。また、一次帯電器203は、感光体ドラム104上に所望の静電像を形成するため感光ドラム表面を一様に帯電するためのものである。
(現像装置)
図2は、現像装置201並びに感光ドラム104を示す図である。
現像装置201は原稿101の情報を光学部103により感光体ドラム104に形成された静電潜像をトナーを用いて現像するものである。そして、この現像装置201へトナーを補給するためのトナー補給容器1が装置本体100に使用者によって着脱可能に設けられている。
また、現像装置201は、トナー補給容器1を取り外し可能に装着するトナー受け入れ装置10と現像器201aとを有しており、更に現像器201aは、現像ローラ201bと、送り部材201cを有している。トナー補給容器1から補給されたトナーは、送り部材201cにより現像ローラ201bに送られて、この現像ローラ201bにより感光体ドラム104に供給される。なお、現像ローラ201bには、図2に示すように、ローラ上のトナーコート量を規制する規制部材としての現像ブレード201d、現像器201aとの間のトナーの漏れを防止するために現像ローラに接触配置されたトナー漏れ防止部材としての吹き出し防止シート201eが設けられている。
また、図1に示すように、外装カバーの一部であるトナー補給容器の交換用カバー15が設けてあり、使用者がトナー補給容器1を装置本体100に装脱着を行う際は、図1の矢印W方向に交換用カバー15を開けて行う。
(トナー補給容器)
次に本例におけるトナー補給容器1の構成について図3を用いて説明する。図3の(a)はトナー補給容器の斜視図であり、(b)はトナー補給容器を充填口から見た図である。
トナー補給容器1のトナーを収容する収容部(円筒部)としての容器本体1aは略円筒形状とされている。そして、この容器本体1aの周面には容器1の長手方向に延びるスリット状のトナー排出口1bが設けられている。なお、後述するトナー補給容器のセット/取り外し動作に伴う回動は中空状の円筒容器とされた容器本体1aの中心を回動中心として行われる。
なお、トナー排出口1bは、後述するようにトナー補給容器を画像形成装置本体に装着し所定角度回動させた時点(トナー補給が可能なトナー補給位置へのトナー補給容器の回動動作が完了した時点)で側方を向く構成とされている。
更に、容器本体1aには、使用前の物流時に内部のトナーを保護すること、また、トナーの漏れが無いように、ある程度の剛性が求められ、本例では材質にポリスチレンを用いて射出成型にて成型されている。
また、容器本体1aの外面には、ユーザー(操作者)がトナー補給容器1の補給操作時に掴む把手部材であるハンドル2が設けられている。このハンドル2は、容器本体1aと同様の理由で、十分な剛性が求められ、容器本体1aと同じ材質を用いて射出成形にて成型されている。
なお、容器本体1aとハンドル2との固定については、機械的な嵌合、ねじ止め、接着、溶着による固定等、補給操作時に外れない十分な強度を確保できれば良い。可能ならば、強度、コストの観点から容器本体1aとハンドル2を一体成型するのが望ましい。
更に、容器本体1aの第1のギア5を設けた側とは反対側(長手方向に)の端面にはトナー充填口1cが設けられており、トナー充填後、封止部材としてのキャップにより封止される。
また、容器本体1aの一端面にはトナー補給容器のトナー受け入れ装置への装着姿勢(角度)を規制する規制部材としての規制凸部100(図3)が設けられている。一方、トナー受け入れ装置には、トナー補給容器の装着姿勢を規制するためこの規制凸部をガイドする被規制部材としての規制凹部10f(図5)が設けられている。なお、この凹部はトナー補給容器がトナー受け入れ装置内に適正に装着された時点で凸部と干渉しないように設けられている。
(トナー補給容器の搬送部材)
次に排出部材としての搬送部材4の構成について図4を用いて説明する。図4はトナー補給容器の内部を横から見た透視図である。
容器本体1aの内部には、容器本体1aに対して相対回転することで容器内のトナーを撹拌しながら、トナー排出口1bに向けて下方から上方にトナーを搬送するための搬送部材4(排出部材)が設置されている。
この搬送部材4は、図4に示すように、主に撹拌軸4aと撹拌翼4bで構成されている。撹拌軸4aの長手方向一端は容器本体1aに回転自在に設けられ且つ攪拌軸方向への移動が不可となるように設けられている。一方、撹拌軸4aの長手方向他端は第1のギア5と同軸的に連結している。具体的には、容器本体内部において第1のギア5の軸部と撹拌軸4aの他端とを係止することで両者の連結が為されている。
また、第1のギア5の軸部の周りから容器の外へトナーが漏れ出してしまうのを防止するため、この軸部の周りにシール部材が設けられている。なお、第1のギア5と撹拌軸4aは、上述のように互いに直結させる構成ではなく、両者をある部材を介して同軸的な駆動連結関係にすることも可能である。
撹拌軸4aは容器内部のトナーが固まっている場合にも、これを解して現像装置側へと搬送・排出することが可能なだけの剛性を有していることが求められ、本例では攪拌軸の材質としてポリスチレン、ポリアセタール等を用いることが望ましい。
撹拌翼4bは、撹拌軸4aに固定されており、撹拌軸4aの回転に伴い容器内部のトナーを解して撹拌しトナー排出口1bに向けて搬送するためのものである。また、攪拌翼4bは、トナー補給容器内に残留してしまうトナーの量を低減するべく、動作時、容器内面と摺動するように構成されている。つまり、攪拌翼の攪拌軸からの張り出し長さは容器の内径を考慮して設定されている。
また、撹拌翼は、図4に示すように、その一部をL字状に傾斜するように傾斜部(図4のア)を有し、この傾斜部はトナーを容器の長手方向に搬送する機能を奏している。つまり、この傾斜部は容器端部側に内包されたトナーを中央側に位置するトナー排出口1bに向けて搬送する機能を有している。本例では攪拌翼としてポリエステルシートを用いた。
なお、搬送部材4の構成としては、回転することでトナーを攪拌しながら搬送する機能を果たすことができるのであれば、上述した例に限らず、種々の構成を採用することが可能である。例えば、上述した攪拌翼の材料や形状などを変更したり、または、異なる搬送機構を採用しても何ら構わない。
(トナー補給容器のシャッタ)
トナー排出口1bを開閉する容器シャッタ3は、図3(a)に示すように、トナー補給容器1の外周面に沿った曲率を有する形状とされている。この容器シャッタ3は、トナー排出口1bの長手方向の両端側に設けられた2つのガイド部1dと係合している。このガイド部1dは、トナー排出口1aの開閉時、容器シャッタを容器の外周面に沿ってスライド移動するのをガイドする構成とされている。また、このガイド部1dには容器シャッタ3の封鎖位置を規定するためのストッパ部1d’が設けられている。
また、容器シャッタはその開封方向先端側の部位が後述するトナー補給容器のセット動作時にはトナー受け入れ装置のストッパ部に突き当たることで、それ以上のトナー補給容器との連れ回りが阻止され停止される。従って、移動が阻止された状態にある容器シャッタに対しトナー補給容器が相対回転することによりトナー排出口が容器シャッタから露出し開封されることになる。
さらに、容器シャッタはその封鎖方向先端側の部位が後述するトナー補給容器の取り出し動作時にはトナー受け入れ装置のストッパ部に突き当たることで、それ以上のトナー補給容器との連れ回りが阻止され停止される。従って、移動が阻止された状態にある容器シャッタに対しトナー補給容器が相対回転することによりトナー排出口が容器シャッタにより遮蔽される位置へ移動し再封されることになる。
なお、トナーの漏れを防止するために、容器シャッタ3のトナー排出口1bに対向する面にシール部材を設けることが好ましく、あるいは逆に、容器本体1aのトナー排出口1b周辺にシール部材を設けても構わない。もちろん、容器シャッタ3と容器本体1aの双方にシール部材を設けても構わない。このようなシール部材は容器シャッタと容器本体外面間において所定量圧縮されるように構成される。
なお、本例では、トナー排出口1bを開閉可能な容器シャッタ3を設けた構成を用いているが、容器シャッタ3を設けずに、樹脂製のシールフィルムをトナー排出口の周りの容器本体部分に熱溶着などの方法で取り付け完全密封し、トナー補給時に引き剥がして開封する構成としても構わない。
ただし、この構成の場合には、トナー補給後、容器交換時にトナー排出口1bを再封することができず、トナー飛散による汚れが生じる可能性があるため、本例のように容器シャッタ3を設けトナー排出口を再封できるように構成する方が望ましい。
もちろん、容器の排出口の形状や容器内のトナー充填量により、トナー補給前の物流時等でトナーの漏れが生じる可能性がある場合には、前述したシールフィルムと共に容器シャッタの双方を設け、より強固なシール性能を確保することもできる。なお、この構成の場合、容器シャッタにシールフィルムの一部を貼り付け、容器シャッタの開封移動に伴いシールフィルムが取り外されるように構成するのが好ましい。
(トナー補給容器の現像器シャッタ連動機構)
容器本体1aの周面上には、トナー補給容器の回転動作に伴い現像器シャッタ11(図5)を開閉させるための開封突起1e(連動部(係合部))と封止突起1f(連動部(係合部))が設けられている。
具体的には、後述するトナー補給容器1のセット動作時に、開封突起1eは現像器シャッタ11を押し下げてトナー受け入れ口10b(図5)を開封させる。また、後述するトナー補給容器の取り出し動作時に、封止突起1fは現像器シャッタ11を押し上げてトナー受け入れ口10bを再封させる。なお、当然ながら、開封突起1e、封止突起1fが突き当たる現像器シャッタ11の両部位もトナー補給容器の回動動作と現像器シャッタの開閉移動動作を連動させる機能を果たしている。
この開封突起1eは、トナー補給容器1をトナー受け入れ装置10(図5)に装着した際に、現像器シャッタ11の開封時の移動方向に対して上流側に、封止突起1fは下流側に位置するように構成されている。
(トナー補給容器の駆動伝達手段)
次に、トナー受け入れ装置10に設けられた駆動部材としての駆動ギア12(図5)と駆動連結し、駆動ギア12による回転駆動力を搬送部材4へ伝達するトナー補給容器の駆動伝達手段の構成について図3を用いて説明する。
本例では後述するように駆動伝達手段は並置されたギア列を有しており、それぞれのギアの回転軸はトナー補給容器の端面に直接的に回転自在に支持されている。
この駆動伝達手段と駆動ギア12は、ユーザー操作によりトナー補給容器1がトナー受け入れ装置10に装着された装着位置にある時点(図10の(C))では駆動連結せずに周方向に互いに離れた位置(非係合状態)にある。この装着位置にあるトナー補給容器はトナー受け入れ装置からの取り外しが許容された状態となっている。
このような構成とすることによって、駆動ギア12やこれと噛合するトナー補給容器の駆動伝達手段(後述する第2のギア6)が、トナー補給容器の装着時に互いに歯当たりすることによる劣化や破損を抑制することが可能となる。
その後、ユーザー操作によりトナー補給容器1が装着位置から所定角度回動したセット位置へ回動した時点(図11(C))で、この駆動伝達手段と駆動ギア12が対面し互いに駆動連結する構成となっている(係合状態)。
さらに、その後、後述するが、トナー補給容器は、セット位置から、トナー補給が可能な補給位置に向けた回動動作が駆動伝達手段を利用して自動的に行われる構成となっている。
本例の駆動伝達手段は、容器本体1aの長手方向一端面に設置された第1のギア5と第2のギア6を有している。
図3に示すように、第1のギア5(反転部材とも言う)は、その回転軸が、搬送部材4と同軸的に且つ搬送部材4と係合した状態で容器本体の端面に軸支されている。第1のギア5の回転中心は、ユーザーがハンドル2をもってトナー補給容器を所定角度回動させるセット動作時(装着位置→セット位置)のトナー補給容器の回動中心とほぼ一致するように取り付けられている。
図3に示すように、第2のギア6(駆動伝達部材、駆動力受け部材)は、その回転軸がトナー補給容器1の回動中心から離れた(偏心した)位置にて、容器本体の端面に回転自在に軸支され、且つ、第1のギア5と駆動連結した状態で設置されている。つまり、第2のギア6の回転中心はトナー補給容器の回転中心から偏心した位置となっている。
第1のギア5及び第2のギア6はトナー受け入れ装置10からの駆動を十分に伝達することができれば良く、本例では材質にポリアセタールを用い、射出成型した歯車とされている。本例では第1のギア5は、φ(直径)が40mm、歯数が40、第2のギア6はφ(直径)が20mm、歯数が20とされている。また、駆動ギア12はφ(直径)が17mm、歯数が17とされている。なお、ギア(歯車)の直径、モジュール、歯数等の設定値は、噛合い時に駆動伝達が適正に行われるように適宜設定すれば良く、このような値だけに限られるものではない。
また、第1のギア5の容器本体1aに回転自在に支持されている軸部の周りには容器本体1a内からのトナー漏れを防止するため、オイルシール(シール部材)が取り付けられている。一方、第2のギア6は容器本体1aの外面にて回転自在に支持されているので、上述したオイルシールは取り付けられていない。
第2のギア6は、トナー補給容器1の回動中心から偏心した位置に軸支されているので、トナー補給容器1が装着位置にある時点では駆動ギア12から周方向に離れている(図10(c))。
そして、この第2のギア6は、トナー補給容器の回動に伴い、トナー受け入れ装置10に設けられた駆動ギア12と駆動連結する構成とされている。つまり、ユーザー操作によりトナー補給容器1がセット位置に到達した時点で、第2のギア6が駆動ギア12と駆動連結(噛合い)開始するように構成されている(図11(c))。
本例では、このような構成が満たされるように、第2のギア6の容器本体1aに対する回転方向における位置が設定されている。
その後、トナー補給容器が補給位置に位置している状態のとき、第2のギア6が駆動ギア12より回転力を受けると、第2のギア6と駆動連結関係にある第1のギア5も回転する。その結果、トナー受け入れ装置によって実質的に回転不可に固定された状態にある容器本体1aに対して、搬送部材4が相対回転し、トナーの搬送・排出が行われることになる。なお、第2のギア6は、トナー補給時には、図12のハ方向に回転する駆動ギア12により、トナー補給容器1のセット動作時の回動方向と同じ方向であるロ方向(図12)へ回動する。
本例では、容器の形状が略円筒状であるので、搬送部材の回転中心と容器本体の回転中心は略一致しており、搬送部材4に直結している第1のギア5の回転中心も容器本体1aの回転中心と略一致している。これに対し第2のギア6は第1のギア5と回転中心が異なっており、トナー補給容器1の回転に伴い、容器本体1aの回転中心に対し公転することで、トナー受け入れ装置10の駆動ギア部12部材と連結する構成になっている。
このように、本例では、第2のギア6は、トナー補給工程において駆動ギア12から受けた駆動力によりトナー補給容器に対して相対回転する、即ち、「自転」する構成とされる。さらに、第2のギア6は、トナー補給容器のセット工程において駆動ギア12から受けた駆動力によりトナー補給容器の回転軸線の周りをトナー補給容器と共に回転する、即ち、「公転」する構成ともされている。
このような例に対し、搬送部材の回転中心を容器の回転中心と異ならせる構成であっても構わない。例えば、搬送部材の回転中心を容器のトナー排出口寄りに位置させても良い。この場合、第1のギア5も搬送部材の回転中心と対応して容器本体の回転中心と異なる位置にて軸支され、上記の例と同様に、容器の回転に伴い、第2のギア6が容器本体1aの回転中心に対し公転し、トナー受け入れ装置10の駆動ギア12と連結する構成となる。
さらに、搬送部材の回転中心を容器本体の回転中心と異ならせた場合、第1のギア5を設けず、駆動伝達手段を第2のギア6のみにて構成しても良い。具体的には、第2のギア6を搬送部材4と同軸的に設け、そして、第2のギア6の軸部と搬送部材4の軸部を連結させる構成である。なお、この構成の場合、搬送部材4の回転方向が上述した例とは逆方向になり、側方(時計で言うと約3時方向)を向いているトナー排出口に向けて上方から下方へとトナーを搬送する構成となってしまう。つまり、トナーの排出性能が低下してしまう恐れがある。
そこで、このような場合、搬送部材を次のような構成にするのが望ましい。つまり、自らの回転により容器内のトナーを上方へ持ち上げる高硬度の樹脂板と、この樹脂板により持ち上げたトナーを下方に位置するトナー排出口に向けてガイドするガイド突起をこの樹脂板の両面にそれぞれ複数設けた構成とするのが望ましい。この構成の場合、樹脂板の長手方向両端に回転軸が設置されており回転軸の一端側が上述の第2のギア6と直接もしくは間接的に接続される。
なお、このような樹脂板にて構成された搬送部材の場合、容器内のトナー残量が多くなってしまう恐れがあるので、本実施例のように第1のギア5、第2のギア6の双方を設ける構成の方がより望ましい。
つまり、後述するように、搬送部材によるトナー搬送・排出性を考慮して、搬送部材の回転方向が図10においてB方向とは逆方向に設定するのが望ましい。
一方、後述するように、トナー補給容器の駆動伝達手段を利用してトナー補給容器の自動回転を達成するには、図10において、第2のギア6の回転方向がB方向、駆動ギア12の回転方向がB方向とは逆方向に設定するのが望ましい。
本例では、このような2つの機能(トナー搬送・排出性とトナー補給容器の自動回転)を満足するために、駆動伝達手段として第1のギア5と第2のギア6の2つのギアを設けているのである。つまり、第1のギア5が、第2のギア6による回転力を搬送部材の回転方向への回転力へと変換する回転方向変換機構(反転機構)としての機能を果たしているのである。
なお、回転方向変換機構(反転機構)としては、上述した第1のギア5のような構成に限らず、次のような構成でも構わない。具体的には、第1のギア5の代わりに、駆動伝達ベルトと、搬送部材と同軸的に回転するように(回転中心がトナー補給容器の回転中心と一致)プーリー(支持部材)を設ける。このプーリーは搬送部材と直接もしくは間接的に接続された関係にある。そして、第2のギア6の回転軸を容器の長手方向に(図10(c)において紙面上手前側に)延出させるとともに、この延出された回転軸の部分とプーリー間に駆動伝達ベルトを8の字状に縣回する。
また、本例では、容器の形状を円筒状としているが、容器の形状はこの形態だけに限定されない。例えば、トナー補給容器を机や床に置いた際の転がりを防止するために、図6に示したような円筒を一部カットしたような断面構成とされた容器でも構わない。この場合、トナー補給容器の回転中心はトナー排出口周辺の円弧に対する中心位置になり、各シャッタの略回動中心になる。それにより、容器回動時に精度良く、各シャッタ類を移動させることができる。
(回転抵抗付与手段)
本例では、第2のギアは、駆動ギアから駆動力を受けた際にトナー補給容器をセット位置から補給位置に向けて自動的に回転させるための負荷が直接的もしくは間接的に付与されている。そこで、このような第2のギアに負荷を与える回転抵抗付与手段(ブレーキ部材)について説明する。本例では、回転抵抗付与手段(ブレーキ部材)を構成する要素は後述するバネ62、加圧板63、リング部材64がメインとなる。
図7に示すように、第2のギア6の軸部6aは容器本体1aの端面に突設された突設部1a’に嵌められている。第2のギア6は外側が桶状とされており、その桶部にはシリコンゴム製のリング部材(摺動部材、弾性体)64が所定量圧縮された状態で設置されている。詳細には、このシリコンゴム製のリング部材64は加圧板63(付勢部材)を介してバネ(付勢部材)62により第2のギア6の桶部の底面との間で圧縮された状態となっている。この加圧板63は突設部1a’に固定されている。そして、このバネ62が加圧板63との間で圧縮されるようにキャップ状部材61(付勢部材)が突設部1a’に固定されている。
このように、本例では、第2のギア6がリング部材64と面接触する関係となっており、第2のギア6は容器本体1aに対して回り難い構成とされている。つまり、第2のギア6の容器本体1aに対する回動抵抗は十分に大きな値に設定されている。
一方、第1のギア5の部分にはこのような回転抵抗付与手段は設けられておらず、第1のギア5だけに着目した場合、容器本体1aに対する回転抵抗は十分小さくなっている。
つまり、搬送部材へ回転力を伝達する機能を持つ第1のギア5と第2のギア6は、回転抵抗付与手段により共に容器本体1aに対して回り難い構成とされており、これによって後述するトナー補給容器の自動回転を達成している。
なお、回転抵抗付与手段としては上述した構成だけに限らず他の周知の構成を採用しても構わない。例えば、シリコンゴムの代わりにウレタンゴムを使用しても構わない。また、シリコンゴムの代わりにエラストマーなどの弾性の樹脂を使用することも可能である。また、攪拌翼4bの剛性を高くしつつその張り出し長さを十分に長くする(攪拌翼と容器内面との摺擦度合いを大きくする)ことにより、これをもって回転抵抗付与手段としても構わない。また、上述した第1のギア5の部分に設置されたオイルシールのようなトナー漏れを防止するシール部材のシール性を強化することによって、これを回転抵抗付与手段としても構わない。
また、回転抵抗付与手段を設置する箇所についても、第2のギア6の部分ではなく、第1のギア5の部分に設置しても良く、駆動伝達手段がトナー補給容器に対して回転し難くなる構成であれば構わない。例えば、攪拌軸4aの充填口側の端部を軸支する容器の部分(軸受け)に回転抵抗付与手段を設置するなどの手法を採用することも可能である。
このように、後述するトナー補給容器の自動回転を行うことができるのであれば、回転抵抗付与手段の具体的な構成や設置位置については上述した例だけに限られない。
また、回転抵抗付与手段による第1のギア5、第2のギア6に生じさせる回転抵抗については大き過ぎると、装置10の駆動モータにとって搬送部材を駆動してトナー搬送・排出するのに要するトルクが大きくなってしまう恐れがある。つまり、本例では、この点も考慮しつつ、トナー補給容器の自動回転が達成されるように、回転抵抗付与手段による第1のギア5、第2のギア6に生じさせる回転抵抗を設定している。
(トナー補給容器の組み立て方法)
本例のトナー補給容器1は、次のような工程を経て組み立てられる。
まず、容器本体1aを用意する。この容器本体1a内に搬送部材4を固定する。その後、第1のギア5を容器本体1aの一端面に組付けた後、第2のギア6を組付ける。そして、更に容器シャッタ3、ハンドル2を組付ける。
その後、充填口1cからトナーを充填し、最後に封止部材によって充填口を封止する。
なお、トナーの充填と、第2のギア6、容器シャッタ3、ハンドル2の組立順番は、組立しやすいように適宜変更可能である。
本例では、容器本体1aとしてφ(外径)が60mm、長さが320mmの円筒容器を用いている。この容器の容積は約600ccとなり、上記例ではトナーを300g充填した。
(トナー受け入れ装置)
次に本例におけるトナー受け入れ装置10の構成について、図5を用いて説明する。トナー受け入れ装置10には、トナー補給容器1を取り外し可能に装着する装着部10aと、トナー補給容器1から排出されたトナーを受け入れるトナー受け入れ口10bが設けられている。トナー受け入れ口から補給されたトナーは上述した現像器に供給され画像形成に使用される。
更に、トナー補給容器1及び装着部10aの周面形状に沿った略半円筒面の形状を有する現像器シャッタ11が設けられている。この現像器シャッタは、装着部10aの下縁に設けられたガイド部10cと係合して、トナー受け入れ口10bを開閉可能に円周方向に沿ってスライド移動することが可能である。
更に、トナー受け入れ装置10には、現像器シャッタ11の開封移動の終了位置を規制するためのストッパ10e(図11(b))が設けてある。これにより、現像器シャッタ11の開封時には、トナー受け入れ口10bの下端と現像器シャッタ11の上端を精度良く合致させてトナー受け入れ口10bが完全に開口するようになる。このストッパ10eはトナー排出口1bがトナー受け入れ口10bと対向した位置にて容器本体1aの回動を停止させる停止部としても機能する。つまり、連動部としての開封突起によって現像器シャッタ11と係合関係にあるトナー補給容器1の回動が、現像器シャッタ11の開封移動がストッパ10eによって停止するのに伴い停止することになる。
(現像器シャッタのロック機構)
現像器シャッタ11は、図8(a)に示した通り、トナー補給容器1を装着部10aに装着していない時は、トナー受け入れ口10bを密閉した位置でロックされた状態にある。すなわち、現像器シャッタ11は、一端がトナー受け入れ装置10に設けたストッパ10dに、他端がロック手段としてのロック部材13に当接しており、トナー受け入れ口10bを密閉した位置で移動が阻止された状態にある。
これにより、現像器201へのゴミ、異物の混入や現像器201から装着部10a側へのトナーの逆流を防止している。
このロック部材13は、図9に示した通り、現像器シャッタ11の一部とロック部13aが当接することにより、現像器シャッタ11の開封方向への移動を規制している。また、ロック部材13はA方向(図9)へのスライド移動が可能な構成になっている。
そこで、本例では、交換用カバー15が閉じられた状態にあるときに限って現像器シャッタ11のロックを解除するように構成している。
つまり、ユーザーによる交換用カバー15の閉じ動作に伴い、交換用カバー15のロック解除部材15a(ロック解除手段)がロック部材13の受け部13bと係合して、ロック部材13を長手方向(図8の矢印A方向)にスライド移動させる。すると、ロック部13aが現像器シャッタ11と干渉しないロック解除位置に移動するため、現像器シャッタ11の開封方向への移動が可能な状態となる。
また、図9に示した通り、ロック部材13の長手方向奥側にはバネ部材14(付勢部材)が設けられている。ロック部材13は、バネ部材14により、常に長手方向手前側(図9の矢印A方向と反対方向)に付勢されている。つまり、ロック部材はロック解除部材15aの退避に伴いロック位置へ復帰するように付勢されている。
(トナー受け入れ装置の駆動ギア)
図5に示すように、装着部10aの長手方向の一端には、画像形成装置本体100に設置された駆動モータからの回転駆動力を伝達する駆動部材としての駆動ギア12が設けてある。この駆動ギア12は、トナー補給容器の第2のギア6の歯先と干渉し噛合わない場合が生じても、周知のカップリング部材のように第2のギア6から退避するような構成とはされておらず、トナー受け入れ装置にその位置が固定されている。
また、この駆動ギア12は、後述するように、セット動作時にトナー補給容器を自動回転させるための回転力をトナー補給容器に付与する機能も果たしている。つまり、駆動ギア12の回転方向は駆動モータにより図12の「ハ」方向(トナー補給容器のセット動作時の回転方向とは逆方向)に回転する構成とされている。なお、本例では、駆動ギア12は、図2に示す、現像器の送り部材201c、現像ローラ201b、感光体ドラム104を回転駆動するための駆動ギア列と繋がっている。
(トナー補給容器のセット動作)
次に、図10〜図12を参照して、トナー補給容器のセット動作について説明する。
なお、図10はトナー補給容器が装着された時点のものであり、図11はトナー補給容器がセット位置に回動した時点のものである。図12は、トナー補給容器が補給位置(現像剤排出位置)に回動した時点のものである。
また、図10〜図12において、(a)はトナー補給容器とトナー受け入れ装置を示す概略図である。(b)は主にトナー排出口1bとトナー受け入れ口10bと現像器シャッタ11との関係を説明するための断面図である。(c)は主に各駆動力伝達手段の関係を説明するための断面図である。(d)は主に現像器シャッタ11と容器本体の連動部との関係を説明するための断面図である。
本例のトナー補給容器のセット動作は、ユーザーにより行われる手動工程と、トナー受け入れ装置により行われる自動工程を併せ持つ構成とされている。
つまり、トナー補給容器をトナー受け入れ装置の装着位置(トナー補給容器の着脱を許容する位置)への装着動作と、この装着位置からセット位置(第2のギア6と駆動ギア12が噛合う位置)へのトナー補給容器の回動動作が手動工程となる。なお、このセット位置はトナー補給容器の開封突起が現像器シャッタと係合する位置でもある。また、ユーザーによる回動操作が所定角度(2〜3°程度)進むと連動部(開封突起)がトナー受け入れ装置に規制されることによりトナー補給容器の取り出しが不可とされる構成となっている。従って、トナー補給容器がセット位置や補給位置にあるときはトナー補給容器の取り出しが禁止された状態となっている。
一方、このセット位置から補給位置(トナー補給が可能な位置)へのトナー補給容器の回動動作が自動工程となる。これらのトナー補給容器の回動動作はいずれも同じ所定の回転方向(図10のB方向)とされている。なお、トナー補給容器が補給位置にあるときも、トナー補給容器の取り出しが不可となるように規制されている。
また、本例では、装着位置〜セット位置間のトナー補給容器の回転角度は60°、セット位置〜補給位置間のトナー補給容器の回転角度は12°となっている。
以下、詳述する。
(セット動作の装着工程)
まず、ユーザーが交換用カバー15を開け、トナー補給容器1をトナー受け入れ装置10へ図10(a)の矢印A方向(トナー補給容器の長手方向と実質的に直交する方向)から挿入装着する。
なお、このとき、トナー補給容器1の回転方向における装着姿勢が規制されるように構成されている。つまり、ユーザーは、トナー補給容器の規制凸部100(図3)とトナー受け入れ装置の規制凹部10f(図5)の位置が合うようにしながら、トナー補給容器1をトナー受け入れ装置に装着する。その結果、トナー補給容器のトナー排出口が鉛直方向上向き(時計で言うと12時の方向)となるように装着されることになる。これは、後述するようにトナー補給容器をトナー受け入れ装置から取り出す際に、内部に残留したトナーが容器本体周面と容器シャッタとの間から漏れ出てしまうのを抑制するためである。
なお、ユーザー操作による装着時(取り出し時)のトナー排出口の向きは鉛直方向上向きだけに限らず、鉛直方向略上向きであれば構わない。つまり、トナー排出口の向きは鉛直線を基準に±30°の範囲内(時計で言うと11時〜1時)であれば構わない。なお、トナー排出口の向きとはトナー補給容器の回転方向におけるトナー排出口の中心となる位置とトナー補給容器の回転中心を結ぶ直線に沿う方向を指し、この直線と上記鉛直線とのなす角度が±30°の範囲内であれば構わない。
また、このとき、図10(c)に示すように、トナー受け入れ装置10側の駆動ギア12とトナー補給容器1側の第2のギア6は、互いに噛合することなく、容器1の回転方向に離れた位置関係となっており、駆動伝達は不可能な状態になっている。
(セット動作の手動回転工程)
次に、トナー受け入れ装置10の装着位置にあるトナー補給容器1は、ユーザーがハンドル2を操作することにより、図10のB方向(搬送部材4の回転方向と逆方向)へ回動される。すると、トナー補給容器1の回動に伴い、第2のギア6がトナー補給容器1の回転中心(搬送部材4の回転中心)に対して公転し、トナー受け入れ装置10の駆動ギア12に向かって移動する。そして、このユーザー操作によりトナー補給容器1がセット位置に到達すると、トナー補給容器はこれ以上の回転が阻止されて停止する(図11)。つまり、このトナー補給容器の開封突起1eが、ロック部材13により移動を阻止された状態にある現像器シャッタ11に突き当たることにより、このトナー補給容器のこれ以上の回転が阻止されるのである。即ち、この開封突起1eがトナー補給容器の手動回転を停止させる停止部としての機能を果たしている。
また、トナー補給容器の装着位置からセット位置への回動動作に伴い、第2のギア6はトナー受け入れ装置の駆動ギア12と噛合することになる。そして、これ以降、駆動ギア12から第2のギア6への駆動伝達が可能な状態となる。
一方、トナー排出口とトナー受け入れ口はトナー補給容器がセット位置にある時点ではいずれも未開封の状態となっている。つまり、トナー排出口とトナー受け入れ口は容器シャッタと現像器シャッタによっていずれも閉塞された状態となっている。
(セット動作の自動回転工程)
このようにトナー補給容器がセット位置に位置した状態においてユーザーが交換用カバー15を閉じる。すると、これに連動して、ロック部材13による現像器シャッタ11のロックが解除される。また、交換用カバー15の閉じ動作に連動して、駆動ギア12が駆動モータにより回転を開始する。
この駆動ギア12の回転に伴い、これと噛合している第2のギア6を介してトナー補給容器にニ方向(図12)への回動力(以下、引き込み力とも言う)が作用し、トナー補給容器がセット位置から補給位置へ自動的に回動することになる。なお、トナー補給容器が自動回転する原理については後述する。
また、トナー補給容器1が補給位置に到達すると、トナー補給容器はこれ以上の回転が阻止されて停止する。つまり、現像器シャッタ11が開封移動の終了位置を規定するためのストッパ10e(図12(b))に突き当たって止まるため、トナー補給容器も現像器シャッタ11に突き当たっている開封突起1eを通じてこれ以上の回転が阻止されるのである。即ち、この開封突起1eがトナー補給容器の自動回転を停止させる停止部としての機能も果たしている。
そして、このトナー補給容器のセット位置から補給位置への回動動作に連動して、トナー排出口とトナー受け入れ口が開封されると共に、トナー排出口とトナー受け入れ口の位置が完全に合致した状態となる(図12(b))。つまり、このトナー補給容器が補給位置に回動した時点でトナー補給容器からトナー受け入れ装置へのトナー補給が可能な状態となるのである。
具体的には、このトナー補給容器のセット位置から補給位置への回動動作に連動して、容器シャッタ3がトナー受け入れ装置10のストッパ部に突き当たりこれ以上の回動が規制されることにより徐々に開封される。そして、トナー補給容器が補給位置へ回動した時点でトナー排出口1bが完全に開封した状態となる。
一方、このトナー補給容器のセット位置から補給位置への回動動作(容器シャッタの開封動作)に連動して、現像器シャッタ11がトナー補給容器1の開封突起1eに押し下げられてトナー受け入れ口10bが徐々に開封される。そして、現像器シャッタ11は、開封移動の終了位置を規定するためのストッパ10e(図12(b)参照)に突き当たって止まるため、トナー受け入れ口10bの下端と現像器シャッタ11の上端が精度良く合致する。つまり、トナー補給容器が補給位置へ回動した時点でトナー受け入れ口10bが完全に開封した状態となる。
その結果、このトナー補給容器が補給位置に回動した時点で、トナー排出口とトナー受け入れ口が共に開封し、互いが対面し位置が合致した状態となる。
その後、駆動ギア12が回転すると、第2のギア6→第1のギア5→搬送部材4へと回転力が伝達されて、トナー補給容器からトナー受け入れ装置へのトナー補給が行われる。
なお、本例では、上述したタイミングで各種動作が連動して精度良く行われるように、トナー補給容器1に対するトナー排出口1b、開封突起1e、第2のギア6などの設置位置(周方向)を調整している。
このように、本例では、トナー補給容器の回動動作を行うための駆動系を別途設けること無しに、トナー補給容器の最終回動位置、即ち、トナー補給工程において重要な補給位置を確定、保証するための自動回転を行うことができる。その結果、トナー補給容器の構成の簡易化を図りながらも、ユーザビリティ性の向上を図ることができる。
つまり、搬送部材駆動用の第2のギア6を利用してトナー補給容器の自動回転を行うことにより、トナー補給工程において重要な要素となるトナー補給容器の最終回動位置を確定、保証することができる。そして、搬送部材駆動用の第2のギア6をトナー補給容器の自動回転に利用する構成において、トナー補給容器の装着時に駆動ギア12と歯当たりすることによる第2のギア6の劣化や破損を防止することが可能となる。
もちろん、トナー受け入れ装置の駆動ギア12にとってもこのような歯当たりによる劣化や破損といった不具合が生じてしまうのを防止することが可能となる。言い換えると、本例のトナー補給容器の構成を採用することにより、トナー受け入れ装置の駆動ギア12の劣化や破損の防止に寄与することができる。
従って、その後のトナー補給が円滑に行われ、トナーの補給量不足による画像濃度ムラや画像濃度不足といった画像不良の発生を防止することができる。
なお、本例の構成であれば、トナー補給工程においても駆動ギア12が回転することにより第2のギア6を通じてトナー補給容器にB方向への回動力X(以下、引き込み力とも言う)が作用している。また、トナー補給工程においてはトナー補給容器(の内面)が搬送部材との摺擦によりトナー補給容器にB方向とは逆方向への回動力Yが作用することになるが、この回動力Yよりも回動力Xの方が十分に大きな値に設定されている。
従って、万が一、トナー補給容器の自動回転量の不足(1〜2°)によりトナー補給容器が補給位置に到達する直前で止まってしまう事態が生じたとしても、これを自動的に補正することも可能である。つまり、トナー補給工程が進むに連れてトナー補給容器を補給位置へと徐々に回動させ位置させることが可能となる。つまり、現像器シャッタ11の開封不足を自動的に補正することが可能となる。
(トナー補給容器の自動回転の原理)
以下、トナー補給容器が自動回転する原理を詳細に説明する。図13は駆動ギア12の回転に伴いこれと駆動連結している第2のギア6を通じてトナー補給容器が自動回動する原理を説明するための図である。
本例では、第2のギア6と容器本体1a間において所定量圧縮されているシリコンゴム製のリング部材により、搬送部材へ回転力を伝達する機能を持つ第1のギア5と第2のギア6は容器本体1aに対して回り難い構成とされている。
つまり、駆動ギア12が回転を開始すると、これと噛み合い関係にある第2のギア6の軸部Pに回動力fが作用する。従って、この回動力fが容器本体1aに作用する。一方、この時、セット位置にあるトナー補給容器が補給位置に向けて回動しようとすると、トナー補給容器はトナー受け入れ装置の装着部から受ける回動抵抗力F(トナー補給容器の外周面がトナー受け入れ装置との摺動により受ける回動抵抗力)を受けることになる。なお、本例では、トナー補給容器の開封突起によって現像器シャッタ11をスライド移動させているので、この回動力Fには現像器シャッタ11のトナー受け入れ装置に対するスライド移動抵抗も含まれている。
本例では、駆動ギア12の回転に伴いトナー補給容器に作用する回動力fがトナー補給容器がトナー受け入れ装置から受ける回動抵抗力Fよりも大きくなるように設定されている。
従って、セット位置にあるトナー補給容器は、駆動ギア12の回転に伴い、補給位置に向けて回動し、最終的に補給位置に位置することになる。
このように、本例では、力f、Fの大小関係(F<f)が、トナー補給容器がセット位置から補給位置に回動する工程において成り立っている。なお、トナー補給容器の自動回転工程において、瞬間的にF>fの関係となることがあっても最終的にトナー補給容器が補給位置に到達するのであれば、このような力の関係を一時的に有していても構わない。
回動力fは、第2のギア6と噛合った状態の駆動ギア12を回動(図13に図示した方向)させた際の、駆動ギア12の回転トルクを後述するトルク自動測定器により測定し、演算することにより求めることができる。具体的には、駆動ギア12の回転軸に測定用の軸を同軸的に固定し、この測定用の軸にトルク変換器と駆動モータ(ステッピングモータ)を直列的に接続して測定が行われる。その際の測定条件は、測定用の軸の回転数が30rpmを維持するように駆動モータへの通電をコントロールした状態で行われる。この測定用の軸の回転数は、トナー補給容器の自動回転時並びにトナー補給工程時の駆動ギア12の回転数と同じ値に設定されておりこの値が変更された場合にはこの変更後の値に応じて適宜設定すれば良い。本例では、駆動ギア12の回転トルクは0.29N・mであった。
この駆動ギア12の回転トルクは後述する「A」に相当し、これを後述する式に代入することにより、回動力fを求めることができる。なお、トルク変換器から得られた検出データが周期的に変動している場合にはこの変動周期を無視することができるように複数の検出データを平均化処理したものを最終的に「A」とするのが好ましい。
なお、上述の測定において共和電業(株)製のトルク変換器(PP−2−KCE)を使用した。
一方、回動抵抗力Fは、セット位置にあるトナー補給容器(現像器シャッタと係合している)を補給位置に向けて回動させた際の、トナー補給容器の回動中心の回動トルクを上述したトルク自動測定器により測定し、演算することにより求めることができる。具体的には、駆動ギア12をトナー受け入れ装置から外し、そして、トナー補給容器の回動中心に測定用の軸を同軸的に固定し、この測定用の軸に上述の同様のトルク自動測定器を接続して測定が行われる。その際の測定条件は、測定用の軸の回転数が6.4rpmを維持するように駆動モータへの通電をコントロールした状態で行われる。この測定用の軸の回転数は、トナー補給容器の自動回転時に駆動ギア12が30rpmで回転しているのに対応して設定した値である。従って、測定用の軸の回転数はこの値が変更された場合にはこの変更後の値に応じて適宜設定すれば良い。本例では、トナー補給容器の回動中心の回動トルクは0.58N・mであった。
このトナー補給容器の回動中心の回動トルクは後述する「D」に相当し、これを後述する式に代入することにより回動抵抗力Fを求めることができる。なお、トルク変換器からの検出データが周期的に変動する場合には上述と同様に平均化処理を施したものを「D」とするのが好ましい。
図13に示したモデルを用いて詳しくその原理を説明する。駆動ギア12、第2のギア6、第1のギア5の各々のピッチ円の半径をa、b、c、各ギアの軸中心のトルクをA、B、C(図13の各ギアの軸中心もA、B、Cで表示している。)とする。また、駆動ギア12の回転に伴いトナー補給容器に作用する回動力(引き込み力)をE、トナー補給容器の回動中心抵抗トルクをDとする。
トナー補給容器が自動回動するためには、f>Fが必要な条件となる。
回動抵抗力:F=D/(b+c)
回動力:f={(c+2b)/(c+b)} × E
= {(c+2b)/(c+b)} ×(A/a)
={(c+2b)/(c+b)} ×(C/c+B/b)
従って、
(c+2b)/(c+b)×(C/c+B/b)>D/(b+c)
(C/c+B/b)>D/(c+2b)
となる。
これより、引き込み力によりトナー補給容器を自動回転させるためには、上記式を満たすことが求められる。例えば、CやBを大きくする、Dを小さくするといった手段が考えられる。
つまり、搬送部材に直結している第1のギア5や第2のギア6の回転トルクを大きくし、トナー受け入れ装置10の装着部10aとの間で生じるトナー補給容器の回動抵抗力を小さくすれば、トナー補給容器の自動回転を行わせることができる。
また、トナー補給容器の回動抵抗力については、トナー補給容器が装着部10aに対する摺動面積を小さくしたり、トナー補給容器の外周面に低摺動性部材を設けるなどの方法で対応することができる。なお、トナー受け入れ装置の収納部10a内面に低摺動性部材や回転抵抗抑制部材としての回転コロを設けるなどの方法でも対応することができる。
また、第2のギア6が駆動ギア12から回転力を受けた際に生じる力Eの方向を考慮することも重要なファクターである。
第2のギア6の軸部Pに生じる回動力fは、駆動ギア12から第2のギア6が受ける力Eの分力に相当する。
図13のモデルにおいて、トナー補給容器の回動中心C点(本モデルでは第1のギア5の回転中心と一致している)と第2のギア6の回転中心B点とを結んだ直線を基準線とする。この基準線と、B点と駆動ギア12の回転中心A点とを結んだ直線とのなす角度θ(基準線を0°とし時計回りの方向に測定した角度)としては、90°よりも大きく270°よりも小さくするのが好ましい。特に、第2のギア6と駆動ギア12との噛合いにより生じた力Eに対し、この力Eのf方向成分(第2のギア6と駆動ギア12との噛合い部での容器本体の接線方向の分力)を効率良く活用するためには、θを120°以上240°以下に設定するのが好ましい。なお、力Eのf方向成分を更に有効に活用するには、θを180°近傍に設定するのが好ましく、本モデルではθが180°の例となっており、上述の測定時もこのような条件で行っている。
本例では、以上のような点を考慮して、各ギアの配置位置などの構成を設定している。
なお、実際には、各ギアの駆動伝達時のロス等があるが、本モデルではこれを省略して説明している。従って、このようなロスを考慮した上で、トナー補給容器の自動回転が引き込み力により適正に行われるようトナー補給容器の各種構成を設定すれば良いのは言うまでもない。
また、上述したように、搬送部材を駆動することによりトナーを補給している間において、第2のギア6には常に引き込み方向(D方向とは逆方向)の力が作用している。一方、搬送部材を駆動することによりトナーを補給している間において、搬送部材4がトナー補給容器内面と摺擦することに伴い、トナー補給容器には戻し方向(D方向(図13))への力が作用している。
本例では、トナー補給容器に作用する引き込み方向への力が戻し方向への力よりも大きくなるように設定しているため、トナー補給工程中において補給位置にあるトナー補給容器がセット位置に向けて回動してしまうのを防止することができる。
つまり、トナー補給工程中において、トナー排出口やトナー受け入れ口は適正に開口した状態を維持し、互いの位置が合致した状態を維持することができる。
具体的には、トナー補給中においては、図12(c)に示すように、駆動ギア12は(ハ)の方向、第2のギア6は(ロ)の方向、第1のギア5は(イ)の方向に回転している。このとき、トナー補給容器に引き込み方向(図12(c)の(ニ)方向)への回転力が作用するため、トナー排出口1bとトナー受け入れ口10bがずれたりすることなく、安定したトナーの補給が可能となる。
(トナー補給容器の取り出し動作)
次にトナー補給容器を交換もしくは何らかの理由でトナー受け入れ装置から取り出す工程について説明する。
まず、ユーザーが交換用カバー15を開ける。そして、ユーザーがハンドル2を操作して図10の矢印B方向とは逆方向へトナー補給容器を回動させる。つまり、補給位置にあるトナー補給容器は、ユーザー操作により、セット位置を経て装着位置に至るまで回動される。
このとき、現像器シャッタ11はトナー補給容器1の封止突起1fに押し上げられトナー受け入れ口10bが閉じられる。これと並行して、トナー排出口1bも容器シャッタ3により遮蔽される位置へ回動し閉じられる(図11(b))。
具体的には、容器シャッタがトナー受け入れ装置のストッパ部に突き当たり移動を阻止されており、この状態でトナー補給容器が回動することによりトナー排出口が容器シャッタにて再閉鎖されるように構成されている。また、現像器シャッタを再封するためのトナー補給容器の回動は、容器シャッタ3のガイド部1dに設けられたストッパ部が容器シャッタ3と突き当たることでこれ以上の回転が阻止され停止するように構成されている。
また、このようなトナー補給容器の回動に伴い、第2のギア6は公転し駆動ギア12との噛合い係合が解かれ駆動ギア12から噛合い不能な、図10(c)の状態になる。
次に、装着位置にあるトナー補給容器1は、ユーザー操作により、トナー受け入れ装置10から取り出される。
このように、トナー補給容器の取り出し動作が終了する。その後、ユーザーは用意した新しいトナー補給容器をトナー受け入れ装置の装着部へ装着する。そして、ユーザーは上述のトナー補給容器のセット動作の手動回転工程までを行い、交換用カバー15を閉じれば済むのである。
なお、トナー補給容器の補給位置からセット位置への回動動作をも自動的に行う構成としても良い。
具体的には、トナー補給容器が補給位置にあるとき、駆動ギア12をセット動作時とは逆方向に回転させることにより上述の引き込み力とは逆方向の力をトナー補給容器に作用させる。
その結果、この力によるトナー補給容器の回動に伴い現像器シャッタがトナー受け入れ口を再封する位置に向けて移動する。そして、このとき、トナー排出口も容器シャッタにて再封される。
なお、この例の場合にも、トナー補給容器に作用する力(上述の引きこみ力とは逆方向の力)が、容器本体1aの回動抵抗力よりも大きくなるように設定されている。
このように、トナー補給容器のセット位置〜補給位置間の回動動作を共に自動的化すればユーザビリティ性をより向上することができる。
本例のトナー補給容器を用いて、補給テストを行ったが、トナーの補給に関する問題は生じず、長期に亘って安定した画像を得ることができた。
なお、本例で用いた各部材の材質、成型方法、形状等は、本例に限定されるものではなく、上記効果が得られる範囲内で、自由に変更することができるのは言うまでもない。
また、本例のトナー補給容器を装着するトナー受け入れ装置は、画像形成装置本体に固定されていても、画像形成装置本体に対し容易に着脱可能な画像形成ユニットであっても構わない。なお、画像形成ユニットの例としては、感光体、帯電器、現像器等の画像形成プロセス手段を有するプロセスカートリッジや、現像器を有する現像カートリッジを挙げることができる。
[実施例2]
次に実施例2に係るトナー補給容器1について図14を用いて説明する。なお、本例の容器の基本構成は前述した実施例と同じであるため重複する説明は省略し、ここでは実施例1とは異なる構成について説明する。
上述した実施例1ではトナー補給容器の連動部として開封突起と封止突起を採用しているが、本例ではこの代わりにスナップフィット方式のものを採用している。また、上述した実施例1ではトナー補給容器をその長手方向と直交する方向に実質的に沿ってトナー受け入れ装置に装着しているが、本例ではトナー補給容器をその長手方向に実質的に沿ってトナー受け入れ装置に装着する構成となっている。
つまり、これらの点が実施例1と異なる構成となるが、これら以外の構成は実施例1と同様である。従って、前述した実施例と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
本例では、図14、図17に示すように、トナー補給容器1の周面に現像器シャッタ11と係合解除自在に係合する連動部(係合部)としてのスナップフィット部1eが設けられている。このスナップフィット部1eは、トナー補給容器の装着位置からセット位置への手動回転に伴う現像器シャッタ11とのオーバーラップ動作に伴い、現像器シャッタ11にフック係合する構成とされている。このとき、現像器シャッタ11はロック部材13によりその移動が阻止された状態にある。
つまり、トナー補給容器の手動回転に伴い、スナップフィット部1eの先端にある爪部は現像器シャッタに突き当たることで変位し、その後、変位した状態から弾性復帰することにより、フック係合する(図17(a)→図17(b))。
このように、本例では、スナップフィット部1eによる変位/復帰を簡易に達成すべく、スナップフィット部1eは弾性変形自在な樹脂製とされている。
そして、トナー補給容器のセット動作時における自動回転に伴い、このスナップフィット部1eと係合し一体化した状態にある現像器シャッタ11が押し下げられてトナー受け入れ口が開封される。
一方、トナー補給容器の取り出し動作時における手動回転に伴い、現像器シャッタ11はスナップフィット部1eによって引き上げられてトナー受け入れ口が再封鎖される。
このように、スナップフィット部1eは、トナー補給容器の回動動作と、現像器シャッタ11の開動作/閉動作を連動させる機能を果たしている。
なお、スナップフィット部1eの先端爪とフック係合する現像器シャッタ11の部分はスナップフィット受け部11aであり先端爪の形状に対応した形状とされている。そして、現像器シャッタ11を引き上げる際に両者の係合が外れないようにそれぞれが構成されている。
一方、現像器シャッタ11の再封後は、スナップフィット部1eがトナー補給容器の回動に伴い現像器シャッタ11との係合解除が容易に行われるように構成されている。
つまり、このスナップフィット部1eはこのような2つの機能を同時に果たすことができるように構成されている。
また、本例では、図14に示すように、トナー補給容器をその長手方向に実質的に沿ってトナー受け入れ装置へ挿入装着するためのハンドル2が容器本体1aのギア5、6が設けられている面とは長手方向反対側の端面に設けてある。
そして、図15に示すように、トナー補給容器を交換するための交換用カバー15は装置本体手前側に開閉する機構になっている。そして、トナー補給容器1をその長手方向(搬送部材の軸方向)に沿ってギア5、6を先頭に、ハンドル2を持って画像形成装置本体100のトナー受け入れ装置10に挿入して装着する構成とされている。
また、トナー補給容器1の挿入方向先端側には規制部材としての位置決めガイド突起1gが設けられており、一方、トナー受け入れ装置にはこの位置決めガイド突起1gに対応して凹部形状のガイド部10gが設けられている。これは、トナー補給容器1の回転方向における装着姿勢(装着角度)を規制するためのものである。
なお、トナー補給容器1の回転方向における装着姿勢を規制するための規制部材は、前述のようなガイド突起1gの形状に限定されるものではない。例えば、前述した連動部としてのスナップフィット部1eや容器シャッタ3のガイド部1dを利用して、トナー補給容器の装着姿勢を規制するように構成しても構わない。この場合、トナー受け入れ装置の装着部入口の断面形状が、スナップフィット部1eや容器シャッタ3のガイド部1dの形状に対応させて設ければ良い。
トナー受け入れ装置10は、図16に示すように、現像器シャッタ11のトナー補給容器(スナップフィット部1e)と係合する部位を除きほぼ同様な構成とされている。
なお、図18に示すように、このような円筒の一部を切り欠いた形状の容器であっても実施例1と同様に適用することができる。
以下、このスナップフィット部1eを用いた場合のトナー補給容器のセット動作並びに取り出し動作について説明する。
(トナー補給容器のセット動作)
次に、図19〜図21を用いて、トナー補給容器1のセット動作について説明する。本例においても、装着位置からセット位置へのトナー補給容器1の回動動作はユーザーにより行われ、セット位置から補給位置へのトナー補給容器1の回動動作はトナー受け入れ装置により自動的に行われる。
なお、図19はトナー補給容器が装着位置にあるときを示しており、図20はトナー補給容器がセット位置にあるときを示しており、図21はトナー補給容器が補給位置にあるときを示している。
図19〜21は、各々、(a)は容器シャッタ3と現像器シャッタ11、トナー排出口1bとトナー受け入れ口10bの位置関係を示している。(b)は、第2のギア6とトナー受け入れ装置10側の駆動ギア12との位置関係を示している。(c)は、スナップフィット部1eとスナップフィット受け部11aとの位置関係を示している。
(セット動作の装着工程)
まず、ユーザーが交換用カバー15を開ける。そして、ユーザーが、位置決めガイド突起1gとガイド部10gの位置が合うようにトナー補給容器1をトナー受け入れ装置の装着部へ挿入装着する。
この時点では、図19(a)に示すように、トナー排出口1bは容器シャッタ3に、トナー受け入れ口10bは現像器シャッタ11に共に閉鎖されている。また、現像器シャッタ11はロック部材13によりロックされ、開封移動が阻止された状態になっている。また、図19(b)に示すように、トナー受け入れ装置10の駆動ギア12とトナー補給容器1の第2のギア6は離れており、駆動連結が不可能な状態となっている。また、図19(c)に示すように、トナー補給容器のスナップフィット部1eと現像器シャッタのスナップフィット受け部11aも離れており、係合が不可能な状態となっている。
(セット動作の手動回転工程)
次に、装着位置にあるトナー補給容器1は、ユーザー操作により図19に示す矢印R方向(搬送部材4の回転方向と逆方向)へセット位置に向けて回動される。
このトナー補給容器1の手動回転に伴い、第2のギア6ははじめて駆動ギア12と噛合うことになる。このように、トナー補給容器がセット位置に到達した時点で、第2のギア6は駆動ギア12との噛合いが開始され、これ以降駆動ギア12から第2のギア6への駆動伝達が可能な状態となる。なお、図20はユーザーのハンドル回転操作終了時の位置を示しており、(b)にて第2のギア6と駆動ギア12が係合し、駆動伝達可能な状態を示している。
また、このトナー補給容器1の手動回転に伴い、図17(a)に示すように、スナップフィット部1eが矢印B方向に変形してスナップフィット受け部11aに入り込んでフック係合する(図17(b))。
このとき、ユーザー操作によりスナップフィット部1eが現像器シャッタ11を更に押す(図17(b)のC部)ことになる。しかしながら、この時点では現像器シャッタ11はロック部材13によりロックされているためトナー補給容器のこれ以上の回転が阻止され、ユーザー操作が終了となる(図20(c))。
本例では、以上のように、現像器シャッタ11がロックされているので、スナップフィット部1eがスナップフィット受け部11aに嵌り込む前にスナップフィット部1eが現像器シャッタ11を押し下げてしまうのを防止している。従って、トナー補給容器と現像器シャッタとの連動不良を防止することができる。
なお、トナー補給容器がセット位置にあるとき、トナー排出口1bとトナー受け入れ口10bはまだ閉じられた状態となっている(図20(a))。
次に、ユーザーが交換用カバー15を閉じる。一方、この交換用カバー15には突起状のロック解除部材15a(規制解除部材)が設けられているので、カバーの閉動作に連動して現像器シャッタのロックが解除される。
具体的には、図9に示すように、ユーザーが交換用カバー15を閉じると、カバー部材15のロック解除部材15aが、現像器シャッタ11のロック部材13の受け部13bを長手方向奥側へと押す。このとき、ロック部材13にはバネ部材14の付勢がかかっているが、その付勢力に抗してロック解除部材15aがロック部材13を押し込むので現像器シャッタのロックが解除される。その結果、これ以降、現像器シャッタ11の開封方向への移動が可能な状態となる。
(セット動作の自動回転工程)
ユーザーによる交換用カバー15の閉じ動作に連動して駆動ギア12が駆動モータにより回転を開始する。
すると、セット位置にあるトナー補給容器に第2のギア6を通じて引き込み力(図21(b)のニ)が作用し、トナー補給容器が補給位置に向けて自動的に回動を始める。
このトナー補給容器の自動回転に伴い、現像器シャッタ11の開封移動がスナップフィット部1eにより開始される。
最終的にトナー補給容器が補給位置に到達すると、現像器シャッタ11からトナー排出口1bが完全に露出し、容器シャッタからトナー受け入れ口10bも完全に露出し、両開口の位置が合致する(図21(a))。
なお、このトナー補給容器1の自動回転は、現像器シャッタがストッパ10e(図21(a))に突き当たって止まることにより停止される。
その後、駆動ギア12が回転を続けると、回転が停止された状態にあるトナー補給容器に対し搬送部材4が相対回転することによりトナー搬送・排出が行われる。
(トナー補給容器の取り出し動作)
次にトナー補給容器を交換もしくは何らかの理由でトナー受け入れ装置から取り出す工程について説明する。
まず、ユーザーが交換用カバー15を開ける。そして、ユーザーがハンドル2を操作して図21の矢印R方向とは逆方向へトナー補給容器を回動させる。つまり、補給位置にあるトナー補給容器は、ユーザー操作により、セット位置を経て装着位置に至るまで回動される。
このとき、現像器シャッタ11はトナー補給容器1のスナップフィット部1eにより引き上げられトナー受け入れ口10bが閉じられる。これと並行して、トナー排出口1bも容器シャッタ3により遮蔽される位置へ回動し閉じられる(図20(a))。具体的には、容器シャッタがトナー受け入れ装置のストッパ部に突き当たり移動を阻止されており、この状態でトナー補給容器が回動することによりトナー排出口が容器シャッタにて再閉鎖されるように構成されている。
そして、トナー補給容器がセット位置から装着位置に向かう際、スナップフィット部1eが現像器シャッタ11とのフック係合が解かれ、その後、トナー補給容器は現像器シャッタに対し相対回転する。
さらに、トナー補給容器のセット位置から装着位置に向けた回動に伴い、第2のギア6は公転し駆動ギア12との噛合い係合が解かれ駆動ギア12とは噛合い不能なの状態になる図19(b)。
また、補給位置から装着位置へのトナー補給容器の回動は、容器シャッタ3のガイド部1dに設けられたストッパ部が容器シャッタ3と突き当たることでこれ以上の回転が阻止され停止するように構成されている。
次に、装着位置にあるトナー補給容器1は、ユーザー操作により、トナー受け入れ装置10から取り出される。
このように、トナー補給容器の取り出し動作が終了する。
なお、本例においても、トナー補給容器の補給位置からセット位置への回動動作をも自動的に行う構成としても良い。
具体的には、トナー補給容器が補給位置にあるとき、駆動ギア12をセット動作時とは逆方向に回転させることにより上述の引き込み力とは逆方向の力をトナー補給容器に作用させる。
その結果、この力によるトナー補給容器の回動に伴い現像器シャッタがトナー受け入れ口を再封する位置に向けて移動する。そして、このとき、トナー排出口も容器シャッタにて再封される。
なお、この例の場合にも、トナー補給容器に作用する力(上述の引きこみ力とは逆方向の力)が、容器本体1aの回動抵抗力よりも大きくなるように設定されている。
このように、トナー補給容器のセット位置〜補給位置間の回動動作を共に自動的化すればユーザビリティ性をより向上することができる。
以上のように、トナー補給容器と現像器シャッタの連動機構や、トナー補給容器の装着方向を異ならせた場合であっても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
[実施例3]
次に実施例3について図22、図23を用いて説明する。本例の説明においても基本構成は前述した実施例1、2と同じであるため重複する説明は省略し、ここでは実施例1、2とは異なる構成について説明する。また、前述した実施例1、2と同一機能を有する部材には同一符号を付す。図22の(a)はトナー補給容器全体の斜視図であり、(b)は内筒の斜視図である。図23の(a)は外筒が装着位置にあるとき、(b)は外筒がセット位置にあるとき、(c)は外筒が補給位置にあるときを示している。
上述した実施例1、2ではトナーを収容する容器本体1aを回動させる構成としているが、本例ではトナー収容部として機能していない部分を回動させる構成としている。
図22に示すように、トナー補給容器は、トナーを収容した内筒800と、この内筒の周りを回転可能に設けられた筒部としての外筒300とにより構成された2重筒構造とされている。また、外筒には後述するセット動作時にユーザーにより操作するためのハンドルが設けられている。
そして、内筒にはトナーを排出するためのトナー排出口900が設けられており、外筒にもトナーを排出するためのトナー排出口400が設けられている。また、内筒にはトナー受け入れ装置に実質的に回転不可となるように係止される係止部が設けられている。
これら内筒と外筒に設けられたトナー排出口は、トナー補給容器を装着する前の時点では少なくとも位置がずれており連通した状態とはなっていない(図23(a))。つまり、本例では、この外筒が上述した容器シャッタ3の役割を果たしている。
また、この内筒のトナー排出口900は、このトナー排出口900の周りの内筒外周面に溶着されたシールフィルム600によって密閉されている。このシールフィルム600は、トナー補給容器が装着位置にあるとき(トナー補給容器を回動させる前に)、ユーザーによって内筒から引き剥がされるように構成されている。
さらに、内筒と外筒との間にトナーが漏れ出さないように内筒のトナー排出口900の周囲(シールフィルムの溶着部よりも内側)に弾性シール部材が設けられており、この弾性シール部材は内筒と外筒によって所定量圧縮されている。
そして、駆動伝達手段としてのギア5、6やスナップフィット部1eは有底円筒状の外筒に設けられている。具体的には、ギア5、6は外筒の長手方向一端面(円筒部底面)に設けられており、スナップフィット部1eは外筒の外周面に設けられている。
また、本容器は、内筒に設けられた被ガイド部材として凸部500が外筒に設けられたガイド部材としての凹部(長穴)700に嵌り込むように組立てられている。これは、トナー補給容器の長手方向における内筒に対する外筒の位置を規制するためのものである。なお、ガイド部材と被ガイド部材の凹凸の関係を逆にした構成にしても何ら構わない。
次にこのトナー補給容器を使用した場合のセット動作並びに取り出し動作について図23を用いて説明する。
(トナー補給容器のセット動作)
ユーザーが交換用カバー15を開けてこのトナー補給容器をトナー受け入れ装置内に装着する。
トナー補給容器が装着位置にある時点では、内筒のトナー排出口は外筒と現像器シャッタを介してトナー受け入れ口と対向した位置にあり、一方、外筒のトナー排出口はトナー受け入れ口と対向しておらず、略鉛直上方を向いている。また、第2のギア6は、実施例1、2と同様に駆動ギア12と噛合せず離れた位置にある(図23(a))。
次に、ユーザー操作によりシールフィルムが引き剥がされる。
その後、トナー受け入れ装置に非回転となるように係止固定された内筒に対し、ユーザー操作により外筒がセット位置に向けて回転する。
トナー補給容器がセット位置にある時点では、トナー補給容器のスナップフィット部が現像器シャッタにフック係合された状態にある。もちろん、現像器シャッタはロックされているのでトナー受け入れ口は閉じられた状態にある。また、このとき、外筒のトナー排出口も内筒のトナー排出口とは連通していない(図23(b))。
その後、ユーザー操作により、交換用カバー15が閉じられる。
この交換用カバー15の閉じ動作に連動して駆動ギア12が回転を開始すると、実施例1、2と同様の原理により、外筒(のトナー排出口)がトナー受け入れ装置に係止固定された内筒に対し補給位置に向けて自動回転する。このトナー補給容器の自動回転に伴い現像器シャッタもスナップフィット部により押し下げられる。
そして、トナー補給容器(外筒のトナー排出口)が補給位置に到達すると、トナー受け入れ口が開封された状態となり、また、外筒のトナー排出口が内筒のトナー排出口の位置と合致する。その結果、内筒のトナー排出口、外筒のトナー排出口、トナー受け入れ口の位置が合致しトナー補給が可能な状態となる(図23(c))。
トナー補給容器の取り出し動作については、ユーザー操作により補給位置にある外筒を装着位置に向けてセット動作時とは逆方向に回動させることにより、第2のギア6が駆動ギア12から離れた位置へ公転する。また、このとき、内筒のトナー排出口とトナー受け入れ口の再封動作が連動して行われる。
なお、トナー補給容器が補給位置から装着位置へ移動した時点では、外筒のトナー排出口400については開封されたままであるが、内筒のトナー排出口900は外筒によって再封されている。また、このとき、外筒のトナー排出口400は鉛直上方を向いていることから、トナー補給容器の取り出し時に生じる可能性のあるトナー飛散は極微量であった。
以上のように、本例の構成であっても実施例1、2と同様な効果を奏することができる。
なお、以上では、内筒に対し外筒が回動する例を説明したが、例えば、トナー受け入れ装置に回転不可に係止固定された外筒に対し有底円筒状の内筒を回動させるといった構成であっても構わない。具体的には、スナップフィット部1eを内筒の周面に設け、そして、第1のギア5、第2のギア6を内筒の端面(円筒部底面)に設ける。一方、外筒にはスナップフィット部1eを貫通させつつスナップフィット部の移動をガイドするガイド穴を設ける。このような構成の場合、トナー補給容器が装着位置にある時点では、外筒のトナー排出口はトナー受け入れ口と位置が合致しており、内筒のトナー排出口は鉛直上方を向いている。その後、ユーザーによるトナー補給容器(内筒)の手動回転後、駆動ギア12の回転に伴うトナー補給容器(内筒)の自動回転が行われ、内筒のトナー排出口が外筒のトナー排出口とトナー受け入れ口と位置が合致する。トナー補給容器を取り出す際は、上述した実施例と同様に、ユーザーがトナー補給容器を補給位置から装着位置へ回動操作することにより可能となる。
[実施例4]
次に実施例4に係るトナー補給容器1について図24を用いて説明する。なお、本例の容器の基本構成は前述した実施例1、2と同じであるため重複する説明は省略し、ここでは実施例1、2とは異なる構成について説明する。また、前述した実施例と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
本例では、図24に示すように、上述した実施例1、2とは異なり、第2のギア6を段ギア化している。つまり、第2のギア6の下方にギア6’が設けられている。このギア6’は第2のギア6と同軸的に回転するように固定されている。そして、このギア6’が第1のギア5と噛合うように構成されている。
これは、駆動ギア12の回転速度を維持しながら、搬送部材と直結している第1のギア5を実施例1、2に比して大径化(歯数も多くする)することにより搬送部材の回転速度を遅めに設定するためである。一方、第2のギア6は、セット動作時におけるトナー補給容器の自動回転量を考慮して、小径化する(歯数を少なくする)ことなく、実施例1、2と同様の構成としている。そこで、本例では、第2のギア6を段ギア化し、第2のギア6から第1のギア5へ回転力を伝達するためのギア6’を設けているのである。
本例では、第1のギア5は、φ(直径)が31mm、歯数が62、第2のギア6はφ(直径)が23mm、歯数が23、ギア6’はφ(直径)が11mm、歯数が22、とされている。なお、駆動ギア12は実施例1、2と同様である。
このように、本例のような構成を採用する場合でも、実施例1、2と同様な効果を奏することができる。
[実施例5]
次に実施例5について図25を用いて説明する。本例の説明においても基本構成は前述した実施例1、2と同じであるため重複する説明は省略し、ここでは実施例1、2とは異なる構成について説明する。また、前述した実施例1、2と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
上述した実施例では駆動ギア12と噛合うトナー補給容器の駆動伝達手段として歯車状の第2のギア6を使用しているが、図25に示すように、本例では駆動ギア12と噛合う駆動伝達手段として駆動伝達ベルト1000を使用する構成としている。また、駆動伝達ベルトと噛合い関係にあるギア5は上記実施例と同様に搬送部材4と同軸的に回転するように互いが接続されている。
この駆動伝達ベルト1000は外周面に、駆動ギア12の歯と噛合う外歯が設けられている。そして、この駆動伝達ベルト1000は回転支持部材としての2つのプーリー1100、1200により所定の張力となるように懸架されている。この2つのプーリーの軸部はトナー補給容器の端面にそれぞれ回転自在となるよう支持されている。
また、トナー補給容器の自動回転工程時においてこの駆動伝達ベルトと各プーリー間において滑りが生じないように、駆動伝達ベルトの内周面と各プーリーの外周面の少なくとも一方に高摩擦処理を施すのが好ましい。本例では、駆動伝達ベルトの内周面と各プーリーの外周面の双方に粗面化処理を施している。なお、この駆動伝達ベルトと各プーリー間における滑りを防止するため、高摩擦処理を施す必要が無い高摩擦性の材料にて駆動伝達ベルトと各プーリーを構成するようにしても構わない。また、駆動伝達ベルトの内周面にも歯部を設け、これと対応するように各プーリーの外周面にも歯部を設けることにより両者間のスリップを高レベルに防止する構成としても構わない。
このように、駆動伝達ベルト1000を懸架する外側のプーリー1200の回転中心がトナー補給容器の回転中心から偏心した位置にあるので、実施例1、2と同様に、トナー補給容器の自動回転を行うことができる。
なお、本例では、搬送部材によるトナーの搬送・排出性を考慮して駆動伝達ベルトによる回転力の回転方向を反転させるギア5を設けているが、これを省く構成としても構わない。具体的には、プーリー1200の位置(回転中心)は変えずに、プーリー1100の位置(回転中心)をトナー補給容器の回転中心と合致させる。そして、このプーリー1100を搬送部材4と同軸的に接続させ、さらに、駆動伝達ベルト1000をこれらプーリーにより8の字状に懸架させる。
このように駆動伝達ベルト1000を8の字状に縣回することにより、ギア5(反転機構)を別途設けること無くトナーの搬送・排出性を満足することが可能となる。つまり、実施例1、2と同様に、トナーの搬送・排出性を満足させつつ、トナー補給容器の自動回転を行うことができる。
また、本例では第2のギア6の代わりに駆動伝達ベルト1000を設けているが、例えば、第1のギア5の代わりに駆動伝達ベルト1000を設ける構成であっても構わない。この場合、第2のギア6は上述した実施例1、2と同様である。
[実施例6]
次に実施例6に係るトナー補給容器について図26を用いて説明する。なお、本例の容器の基本構成は前述した実施例1、2と同じであるため重複する説明は省略し、ここでは実施例1、2とは異なる構成について説明する。また、前述した実施例と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
本例のトナー補給容器1は、図26に示すように、実施例1、2に対して第1のギア5と第2のギア6の大きさを逆にしたものであり、第1のギア5をφ20mmに、第2のギア6をφ40mmに変更させたものである。
本例においても、実施例1、2と同様な作用を奏するように、第2のギア6の容器本体1aにおける周方向における取り付け位置が設定される。
つまり、トナー補給容器1が装着位置にある時点では第2のギア6が駆動ギア12と噛合せず、トナー補給容器1がセット位置にある時点で第2のギア6が駆動ギア12と噛合するように構成されている。
本例の場合は、実施例1に対し、駆動ギア12による回転力を第2のギア6が受けて第1のギア5に伝達する際に、上記ギア比により約2倍の回転速度で伝達することができる。従って、搬送部材の回転速度を大きくすることができるのでトナー補給容器1からのトナー排出速度を大きくすることができる。
一方、本例の場合、トナーを撹拌搬送するためのトルクが上昇する可能性があるため、収容するトナーの種類(磁性、非磁性等の種類による比重差)、充填量、更には、駆動モータの出力等を考慮して2個のギア比を選択するのが好ましい。
トナー排出速度を更に上げるためには、第1のギア5をより小径にし、第2のギアをより大径にすれば良い。
逆に、トルク重視の場合には、実施例1、2のように、第1のギア5を大径化し、第2のギアを小径化するのが好ましい。
[実施例7]
次に実施例7に係るトナー補給容器1について図27を用いて説明する。本例の説明においても容器の基本構成は前述した実施例と同じであるため重複する説明は省略し、ここでは実施例1、2とは異なる構成について説明する。また、前述した実施例と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
本例は、上記した実施例1、2に比して、駆動伝達手段としての駆動伝達ギアの個数を増やした例である。
つまり、実施例1、2では2つのギア5、6により搬送部材4へ駆動力を伝達する構成とされているが、図27に示すように、本例では4つのギア5、6a、6b、6cにより搬送部材4へ駆動力を伝達する構成とされている。
このようにギアの数を増やした場合であっても、上記実施例1、2と同様の効果を得ることができる。なお、ギア6a、6b、6cはそれぞれ容器に回転軸支されている。
図27に示すように、第1のギア5に駆動を伝達するギアが奇数個であるので、駆動ギア12から直接回転駆動を受けるギア6a(駆動伝達部材、駆動力受け部材)の回転方向が第1のギア5の回転方向と逆になる。従って、搬送部材4の回転方向を図12にて反時計周りに設定することが可能となる。従って、搬送部材4により側方に位置したトナー排出口に向けてトナーを下方から上方へ搬送する構成を採用することができるのでトナー搬送、排出効率を高めることが可能となる。
また、トナー補給容器が駆動ギア12から回転駆動力を受けたとき、ギア6a〜6cのうちトナー補給容器の回動中心から最も離れた位置に軸支されたギア6aの回転方向がトナー補給容器の自動回転方向と同方向に設定されている。
従って、本例においても、実施例1、2と同様に、トナー補給容器のセット動作時に自動回転を適正に行うことができる。
以上のように、トナー補給容器に3個以上の駆動伝達ギアを設ける場合、搬送部材によるトナー搬送・排出性、即ち、搬送部材の回転方向を考慮してその個数を設定するのが望ましい。即ち、本例では、トナー補給容器に設ける駆動伝達ギアの個数を偶数個に設定するのが望ましい。
なお、トナー補給容器の構成部品を少なくして製造コストを低減させるという観点からは、第1のギア5に駆動力を伝達するギアを1つだけ設けている実施例1、2の構成の方がより望ましい。
[実施例8]
次に実施例8に係るトナー補給容器について図28を用いて説明する。本例の説明においても容器の基本構成は前述した実施例と同じであるため重複する説明は省略し、ここでは実施例1、2とは異なる構成について説明する。また、前述した実施例1と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
上記実施例1、2では駆動伝達手段(第1のギア5、第2のギア6)として歯車を用いている。一方、本例では、図28に示すように、駆動伝達手段として、互いに駆動連結する当接面が摩擦抵抗の高い材料Xで構成された第1の摩擦車5’、第2の摩擦車6’を用いている。なお、トナー受け入れ装置の駆動ギア12は上記実施例と同様である。
摩擦抵抗の高い材料Xとしては、例えば、ゴム、粗面の紙やすり、粘着テープ類等を用いることができ、本例では摩擦抵抗の高い弾性体であるゴム材を用いている。また、各摩擦車間において適正に駆動力が伝達できるよう一定以上の圧力が加えられた構成とされている。なお、各摩擦車が空回りをしないようにするため各摩擦車間に与えるべき圧力は、使用する摩擦抵抗材料の抵抗レベルに応じて適宜調整するのが好ましい。
本例の第2の摩擦車6’は駆動ギア12と係合する表面がゴム製とされているので、そのゴム面に駆動ギア12の歯が食い込むことにより実質的に歯車と同様な噛合い関係を構築することができる。従って、本例のような構成であっても、トナー受け入れ装置からトナー補給容器へ回転駆動力を適正に伝達することができる。
このように、本例では駆動伝達手段として摩擦車を用いているが、実施例1、2と同様にトナー補給容器のセット動作時に自動回転を行うことができる。また、トナー補給容器の装着時に摩擦車が駆動ギア12との衝突により劣化もしくは破損してしまうのを防止することができる。
なお、上述した引き込み力を効率良く生じさせることができる点で、実施例1、2のような歯車を用いた方がより好ましい。
[実施例9]
次に実施例9に係るトナー補給容器について図29を用いて説明する。なお、本例の容器の基本構成は前述した実施例1、2と同じであるため重複する説明は省略し、ここでは実施例1、2とは異なる構成について説明する。また、前述した実施例と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
前述した実施例1、2(図3)ではトナー補給容器をその長手方向から見たとき、第2のギア6が容器本体1aの外周よりも突出した構成になっている。一方、本例では、図29に示すように、トナー補給容器をその長手方向から見たとき、第2のギア6がトナー補給容器の外周から突出しないように設置している。これに伴い、第1のギア5や第2のギアの大きさを変更している。
一方、駆動ギア12は容器本体1aの外周よりも容器本体1a内部側に侵入する構成となる。
なお、本例においても、第2のギア6の回転中心がトナー補給容器の回転中心から径方向に離れており、その軸部が偏心した位置にてトナー補給容器に軸支されている。従って、実施例1、2と同様に、セット動作時にトナー補給容器の自動回転を行うことができる。
このように、第1のギア5、第2のギア6が容器本体1aの外周から突出しないように構成すれば、トナー補給容器1の包材への梱包性が良く、物流時や補給操作時に誤って落下させて破損してしまう等の事故の発生確率を低くすることができる。
[実施例10]
次に実施例10に係るトナー補給容器について図30を用いて説明する。なお、本例の容器の基本構成は前述した実施例1、2と同じであるため重複する説明は省略し、ここでは実施例1、2とは異なる構成について説明する。また、前述した実施例と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
上述の実施例1、2では第2のギア6の回転軸が容器本体1aに軸支された構成とされているが、本例では図30に示すように第2のギア6の穴部が容器本体1aに支持された構成とされている。
具体的には、第2のギア6の回転中心に軸受け部(軸受け穴)を設け、この軸受け部を貫通させた状態でキャップ状部材61を容器本体1aに嵌め込む構成とされている。
詳細には、図30に示すように、第2のギア6の軸受け部は嵌合軸部材65により容器本体1aの端面に設けられた穴部に係止固定されている。そして、第2のギア6は外側が桶状とされており、その桶部には回転抵抗付与手段としてのシリコンゴム製のリング部材(摺動部材、弾性体)64が所定量圧縮された状態で設置されている。そして、このシリコンゴム製のリング部材64は加圧板63(付勢部材)を介してバネ(付勢部材)62により第2のギア6の桶部の底面との間で圧縮された状態となっている。この加圧板63は嵌合軸部材65に固定されている。そして、このバネ62が加圧板63との間で圧縮されるようにキャップ状部材61(付勢部材)が嵌合軸部材65に固定されている。
従って、第2のギア6の容器本体1aに対する回動抵抗は十分に大きな値に設定されている。
このような構成とすることにより、リング部材64と第2のギア6間が高摺動化され、第2のギア6が容器本体1aに対し回転し難くなっている。
なお、上述した嵌合軸部材65が嵌り込む容器本体1aの穴部は容器本体1aの回動中心から偏心した位置に設けられている。つまり、第2のギア6は、その回転中心が容器本体1aの回動中心から偏心した位置にあり、嵌合軸部材65を介して容器本体1aに支持される構成となっている。また、第1のギア5は実施例1、2と同様の構成とされている。また、回転抵抗付与手段の構成についても実施例1と同様に適宜変更可能である。
このような構成を採用する本例であっても、実施例1、2と同様な効果を奏することができる。
[実施例11]
次に実施例11に係るトナー補給容器1について図31を用いて説明する。本例の説明においても容器の基本構成は前述した実施例1、2と同じであるため重複する説明は省略し、ここでは実施例1、2と異なる構成について説明する。また、前述した実施例2と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
上述した実施例2では、ギア5、6を先頭にしてトナー補給容器1をトナー受け入れ装置10へ挿入する構成とされているが、本例では図31に示すようにギア、5、6を手前にしてZ方向に挿入する構成とされている。
具体的には、トナー補給容器1の挿入方向後端側にギア5、6を設け、そして、操作用のハンドル2をギア6の駆動ギア12との連結部が露出するように取り付けられている。
このような構成の場合、ハンドル2にて駆動伝達手段(ギア5、6)を保護することができる点で実施例2の構成に比して優れていると言える。
トナー受け入れ装置側の構成についても、このトナー補給容器の変更に伴い、駆動ギア12などが手前側に設けられている。
以上のように、トナー受け入れ装置に対するトナー補給容器の挿入装着方向を変更した本例においても、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。
なお、各実施例の構成について上述したが、本発明の技術思想の範囲内において、各実施例の構成同士を適宜組合わせたり、各実施例の構成同士を置換えたりすることが可能である。例えば、実施例2のトナー補給容器を実施例1のようにトナー受け入れ装置の上方から装着する構成としても構わない。また、実施例3のトナー補給容器の外筒に設けられた駆動伝達手段を実施例4のトナー補給容器の駆動伝達手段に置換えても構わない。
さらに、上述した各実施例において、本発明の技術思想の範囲内であるならば、種々の構成を変更可能であることは言うまでもない。
〔比較例〕
ここで、実施例1のトナー補給容器1と、実施例1のようにギア6を設けずにギア5のみを設けた本比較例に係るトナー補給容器(図32)を比較する。
この比較例は、実施例1とは異なり、図32に示す如く、トナー補給容器1を画像形成装置本体100に挿入した時点で、ギア5がトナー受け入れ装置10側の駆動ギア12と連結する構成となる。また、トナー補給容器のセット動作に必要なトナー補給容器の回動方向は図中B方向であり、ギア5(搬送部材4)の回転方向は図中A方向である。
このような本比較例の場合、トナー補給容器のギア5がトナー受け入れ装置の駆動ギア12に対して直線的に移動し突き当たる構成となるため、装着動作時の歯当たり現象により、トナー補給容器のギア5やトナー受け入れ装置の駆動ギアが劣化したり破損してしまうことがあった。
また本比較例の構成の場合には、トナー補給容器の回動方向Bと、ギア5(搬送部材4)の回転方向Aとが互いに逆方向とされている。このため、ユーザーによるトナー補給容器の回動不足が生じてしまった場合には上記実施例1のように対処することができない。
さらに、ユーザーによるトナー補給容器の回動動作が適正に行われたとしても、本比較例の場合には、トナー補給工程中に、搬送部材4が回転することによる負荷に起因してトナー補給容器のセット動作時の回転方向とは逆方向にトナー補給容器が回動してしまい、その結果、トナー補給量が不足し種々の問題が発生してしまった。特に、高温高湿環境等の環境条件や、トナーの物性等により、トナーの流動性が悪くなっている場合には、トナー補給量の低下が顕著であった。これは次のように考えることができる。
即ち、本比較例の場合、トナー補給工程時(図33のギア5へ矢印A方向の回転駆動力を伝達している時)、搬送部材4と容器本体1aについて、撹拌軸4aと容器本体1aの軸支持部(不図示)や撹拌翼4bと容器本体1aの内面との摺動摩擦力や、搬送部材4に駆動を伝えるギア5が駆動ギア12から搬送部材4の回転方向と同じ方向の回転力(具体的には図33の矢印C方向)を受けるためであると考えられる。
これを解決するには、容器本体1aのA方向への回転を規制する機構を設けなければならず、コストアップの要因となってしまう。
また本比較例の場合には、トナー排出口1bとトナー受け入れ口10bが未開封もしくはズレている場合であっても物理的に駆動伝達することが可能な状態となっている。従って、万が一、この状態で駆動伝達が行われてしまうと、トナー受け入れ装置10に対してトナーの補給ができない。さらに、容器シャッタ3でトナー排出口1bが封止されているためにトナーの行き場が無く、容器内部のトナーが必要以上に搬送部材4と摺擦して、粗大粒子が発生することがあった。