JP2007178780A - レーザ装置およびそれを用いるホログラム記録再生装置 - Google Patents

レーザ装置およびそれを用いるホログラム記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ホログラム記録媒体の温度に応じて、レーザ装置からのレーザ光の波長を変化させる。
【解決手段】マルチモードで発振するレーザ・ダイオード11と、1次回折光をレーザ・ダイオード11に戻すグレーティング13と、ミラー14と、グレーティング表面13aとミラー表面14aとのなす角度を一定に保ちながら、グレーティング13とミラー14とを歯車機構41b、41cとモータ41aとによって回転させ、所定波長のレーザ光25を得る。そして、制御部30は、ホログラム記録媒体の温度を検出する温度検出器からの温度に基づいてレーザ光25の波長を制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、レーザ装置およびそれを用いるホログラム記録再生装置に関する。
次世代の記録再生装置として、ホログラム記録媒体(ホログラムメモリ)に情報を記録し、ホログラム記録媒体から記録された情報を再生するホログラム記録再生装置(ホログラム記録装置またはホログラム再生装置並びにホログラム記録および再生装置)の開発が進んでいる。
ホログラム記録装置では、ページ単位に構成された記録すべき情報(記録データ)によって変調された信号光と、その信号光を生成する同一のレーザ光源からの参照光とを発生させ、ホログラム記録媒体に照射する。それによって、ホログラム記録媒体上で信号光と参照光とが干渉してホログラム記録媒体中に干渉縞が形成され、その干渉縞をホログラム記録媒体の屈折率または透過率の変化による回折格子(ホログラム)として形状化して記録データが記録される。
また、このようにして記録された回折格子(ホログラム)から記録データを再生するホログラム再生装置では、記録済みの記録媒体に形成された回折格子(ホログラム)に参照光を照射して発生された回折光(再生光)を受光素子で検出して記録データを再生できる。
このようなホログラム記録再生装置に用いるレーザ光源としては、シングルモードにちかいレーザ光源が望ましいところから、例えば、図15に示すように、マルチモードで発振するレーザ・ダイオード(LD:Laser Diode)101をレンズ103で平行光として、グレーティング102に照射して、支点105を中心としてグレーティング102をねじ104によって回転させて、グレーティング102とレーザ・ダイオード101との相対角度を調整して、グレーティング102で回折してレーザ・ダイオード101に戻る1次光のレーザ波長と等しい特定の波長を選択して発振させ、0次光を得るリトロウ型レーザ装置についての提案もなされている(例えば、非特許文献1を参照)。図15に記載されているレーザ・ダイオード101に戻らない1次光は、上述の特定の波長とは異なる波長のレーザビームである。また、別の構成としては、回折格子とレーザ・ダイオードとを固定し、ミラーを用いて回折光をレーザ・ダイオードに戻すリットマン型レーザ装置も知られている。
一方、ホログラム記録再生装置の温度の変化が生じた場合において、レーザの波長、参照光の入射角度を変化させることによって、記録再生特性を改善する手法が提案されている(非特許文献2を参照)。
Tomiji.Tanaka, et al. 「Littrow-type blue laser for holographic data storage」, Technical digest of Optical Data Storage 2004 p311 Mitsuru.Toishi, et al. 「Temperature tolerance improvement with wavelength tuning laser source in holographic data storage」, Technical digest of Optical Data Storage/International Symposium on Optical Memory 2005 ThE5(特許法第30条第1項の適用を受けようとする刊行物)
ホログラム記録媒体の温度が変わったときに、ホログラム記録再生媒体に信号を記録する場合に、レーザの波長が一定である場合には、良好なる記録再生特性を得ることができなかった。
本発明は、上述の課題を解決し、ホログラム記録媒体の温度に応じて、波長を可変とするとともに、レーザ光の波長を変えても光ビームの出射方向が変化しないレーザ装置を提供し、さらに、このようなレーザ装置を用いるホログラム記録再生装置を提供することを目的とするものである。
本発明のレーザ装置は、ホログラム記録媒体に記録データを記録し、または、前記ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム記録再生装置に用いるレーザ装置であって、ホログラム記録媒体に記録データを記録し、または、前記ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム記録再生装置に用いるレーザ装置であって、マルチモードで発振する特性を有するレーザと、前記レーザから出射されるレーザ光を受光して、回折光を前記レーザに戻すグレーティングと、前記レーザに戻る回折光の波長を変化させる機構部と、前記ホログラム記録媒体の温度に応じて前記機構部を制御する制御部と、を備え、前記レーザに戻る回折光の波長に応じた記録または再生のための光ビームを所定方向に出射するものである。
このレーザ装置では、ホログラム記録媒体に記録データを記録し、または、ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム記録再生装置に用いるレーザ装置であって、レーザと、グレーティングと、機構部と、制御部と、を備えるものである。レーザはマルチモードで発振する特性を有し、グレーティングはレーザから出射されるレーザ光を受光して、回折光をレーザに戻し、機構部はレーザに戻る回折光の波長を変化させ、制御部はホログラム記録媒体の温度に応じて機構部を制御する。このようにして、グレーティングからの回折光のうちから所定の波長の回折光をレーザに戻して、この回折光の波長に応じた波長の記録または再生のための光ビームを得て、所定方向に出射するものである。
本発明のホログラム記録再生装置は、ホログラム記録媒体に記録データを記録し、または、前記ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム記録再生装置であって、マルチモードで発振する特性を有するレーザと、前記レーザから出射されるレーザ光を受光して、回折光を前記レーザに戻すグレーティングと、前記レーザに戻る回折光の波長を変化させる機構部と、前記機構部を制御する制御部と、を具備し、前記レーザに戻る回折光の波長に応じた記録または再生のための光ビームを所定方向に出射するレーザ装置と、前記ホログラム記録媒体の温度を検出する温度検出器と、前記温度検出器で検出された前記温度に基づき前記レーザ装置の前記制御部を制御して、前記記録または再生に用いる光ビームの波長を所定波長とするコントローラと、を備えるものである。
このホログラム記録再生装置では、ホログラム記録媒体に記録データを記録し、または、ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム記録再生装置であって、レーザ装置と、温度検出器と、コントローラと、を備えるものである。レーザ装置は、レーザと、グレーティングと、機構部と、制御部と、を具備し、レーザはマルチモードで発振する特性を有し、グレーティングはレーザから出射されるレーザ光を受光して、回折光をレーザに戻し、機構部はレーザに戻る回折光の波長を変化させ、制御部は機構部を制御する。このようにして、グレーティングからの回折光のうちから所定の波長の回折光をレーザに戻して、回折光の波長に応じた波長の記録または再生のための光ビームを得て、所定方向に出射する。温度検出器は、ホログラム記録媒体の温度を検出し、コントローラは、温度検出器で検出された温度に基づきレーザ装置の制御部を制御して、記録または再生に用いる光ビームの波長を所定波長とする。
本発明によれば、ホログラム記録媒体の温度に応じて、波長を可変とするとともに、レーザ光の波長を変えても光ビームの出射方向が変化しないレーザ装置を提供し、さらに、このようなレーザ装置を用いるホログラム記録再生装置を提供できる。
(レーザ装置)
図1を参照して、実施形態のレーザ装置10について、説明する。レーザ装置10は、マルチモードのレーザ・ダイオード11、コリメートレンズ12、グレーティング13、ミラー14、第1の波長検出ディテクタ15、オプティカルウェッジ16および第2の波長検出ディテクタ17を備えるものである。
さらに、ミラー14とグレーティング13とは固着され、回転軸27を中心に紙面内の矢印で示す方向に回転可能とされている。ここで、グレーティング表面とミラー表面との延長線が交わる線を回転軸27としている。この回転軸27を中心として回転をさせるために、回転機構が歯車機構41b、歯車機構41cおよびモータ41aから構成されている。すなわち、歯車機構41bがミラー14とグレーティング13とに固着され、この歯車機構41bと噛み合うように、歯車機構41cが配されており、歯車機構41cはモータ41aの回転軸に連結されている。これによって、モータ41aの回転応じて、グレーティング表面13aとミラー表面14aとのなす角度を一定に、例えば、90°の一定の角度に保ちながら、ミラー14とグレーティング13とを回転軸27を中心として回転させることができる。また、モータ41aの制御をおこなうための制御部30を備える。
制御部30は、処理器30cと第1の演算器30aを有する。処理器30cは、ハードウエアとして、RAM、ROM、外部回路とのインターフェイス(例えば、A/D変換器、D/A変換器、電力増幅器)およびCPU、並びに、ROMに記憶され、CPUが処理する処理手順を記載したソフトウエアを有するマイコンで構成される。また、第1の演算器30aは差、和の演算をおこなう演算増幅器と割り算をおこなう割り算器とを有している。
図1に示すレーザ装置10の作用を説明する。レーザ・ダイオード11から出射された光ビーム20はコリメートレンズ12で平行光とされ、平行光とされた光ビーム21はグレーティング13で、波長ごとに異なった方向へ向かう回折光である1次光を発する。グレーティング13は、その波長ごとに異なった方向へ回折するが、それらの1次光のうち、レーザ・ダイオード11に戻る1次光もあり、レーザ・ダイオード11に戻る方向の1次光が該当する波長が優勢となり、レーザ・ダイオード11は、その波長でシングルモードの発振をおこなうこととなる。また大半の光はグレーティング13がミラーであるかのように反射して0次光22として、最終的には0次光25として、出射されるので、この0次光25として出射される光ビームを種々の機器、たとえばホログラム記録再生装置に使用することができる。
グレーティング13のレーザ・ダイオード11に対する角度を変えると、レーザ光の波長を変えることができるが、そうすると、0次光方向の出射方向も変わって、種々の機器に適用することは困難である。そこで、本実施形態のレーザ装置10では、グレーティング13と協調して動くミラー14を採用している。グレーティング13からの0次光22はミラー14でも反射することにより、0次光24として、出射方向を変えることができる。
0次光24は、さらにオプティカルウェッジ16を通過して0次光25が最終的に得られる。ここで、0次光25の出射光方向を常に一定方向となすことができれば、種々の機器に、このレーザ装置10を用いるに際して、好都合であるので、以下にどのようにして、0次光25の出射光方向を常に一定方向となすかについて説明をする。ここで、ミラー14は、ミラー表面14aに照射される光ビームの一部がミラー14の背面に透過する透過型ミラーとされている。
0次光25の出射光方向を常に一定方向となす条件は、ミラー14を形成するミラー表面14aとグレーティング13を形成するグレーティング表面13aの延長面の交点に回転軸27を配置することである。すなわち、回転軸27を中心にミラー14およびグレーティング13の相対関係を維持したままで、回転させることによって、所望の周波数で共振するレーザ、所謂、チューナブルレーザとして機能させることができることとなる。
所望の周波数でレーザを発振させる目的を達成するために、上述したように第1の波長検出ディテクタ15、制御部30、モータ41a、歯車機構41bおよび歯車機構41cが配されている。すなわち、モータ41aおよび歯車機構41b、歯車機構41cは、レーザ光の波長を変えるための回転機構として機能するものであり、第1の波長検出ディテクタ15および制御部30は、レーザ光の波長を検出する機能を有するものである。
まず、レーザ光の波長をこのような構成によってどのように検出するかについて説明する。グレーティング13で反射した0次光22のうちの5%ほどの光ビーム23がミラー14を透過して第1の波長検出ディテクタ15を照射する。このとき、グレーティング13およびミラー14の回転によって第1の波長検出ディテクタ15における光ビーム23の照射位置が変わる。
第1の波長検出ディテクタ15は、この照射位置の変化をとらえる方向に配置される2分割ディテクタとして構成されている。そして、この2つのディテクタ15aとディテクタ15bとから検出される電気信号の各々の差の電気信号である第1の差信号を検出することによって、光ビーム23の波長、すなわち、0次光25の波長と、対応関係を有する第1の差信号が得られる。
図2に第1の差信号から後述するようにして求める第1の規格化差信号S15dnと、光ビーム23の波長、すなわち、0次光25の波長との関係を表す。
図2に示すグラフの横軸は、第1の規格化差信号S15dnを表す。第1の規格化差信号S15dnは以下のようにして求める。まず、第1の波長検出ディテクタ15を構成するディテクタである、ディテクタ15aからの電気信号である電圧V15aおよびディテクタ15bからの電気信号である電圧V15bを求める。次に、この両者の差の信号である第1の差信号S15dを求め、電圧V15aと電圧V15bの和の信号である第1の和信号S15sで割る。以下の式1は、第1の規格化差信号S15dnを表すものである。
S15dn=S15d/S15s
=(V15a―V15b)/(V15a+V15b)・・・(式1)
ここで、第1の規格化差信号S15dnは、第1の演算器30aにおいて得ることができ、これを用いることによって、光ビーム23の強度によらず、波長のみに依存する信号を得ることができるものとなる。
一方、図2に示すグラフの縦軸は、オプティカル・スペクトラム・アナライザで測定した0次光25の波長である。図2から明らかなように、このグラフで示される第1の規格化差信号S15dnと0次光25の波長との関係は、単調減少(増加)関数であり、双方のいずれを変数とした場合も、一価関数であるので、後述するフィードバック制御におこなうに際して、フィードバック制御系が好適なる特性を有するものとできる。
図1に沿って、より具体的に、所望の共振周波数を得るためのレーザ装置10のおこなう作用を説明する。
まず、演算器30aから第1の規格化差信号S15dnを得る。
次に、この第1の規格化差信号S15dnを制御部30における処理器30cに配されたRAMの所定領域に格納された換算テーブルを参照してレーザ光の波長に換算する。ここで換算テーブルは、図2のグラフに基づいて作成されている。すなわち、上述した換算テーブルは、オプティカル・スペクトラム・アナライザで測定した0次光25の波長と、第1の規格化差信号S15dnとの対応関係を関係づけるテーブルである。
次に、所望の光ビーム(0次光25)のレーザ波長と、換算テーブルから参照した現在の光ビーム23のレーザ波長との波長の誤差である誤差波長を演算する。
次に、誤差波長に対して、ゲインを掛け、周波数補正をおこない制御系の最適化をおこなう。この制御系の最適化は通常行う技術である。
さらに、D/A変換器で処理器30cからのデジタル信号をアナログ信号に変換した後、電力増幅をおこないモータ駆動信号Smdを得る。
制御部30からモータ41aに対してモータ駆動信号Smdを出力する。
このように、フィードバックを構成し、誤差波長が零となるように、モータ41aを制御する。この結果、グレーティング13およびミラー14の位置は、所望の波長の0次光25を常時、出射するように制御される。すなわち、このレーザ装置10は、ミラー14の背面に透過した光ビーム23を受光して、光ビーム23の波長に応じた電気信号を検出する2分割ディテクタとして構成される第1の波長検出ディテクタ15を具備し、制御部は、ホログラム記録媒体の温度に応じた所望の波長(所定波長)と、電気信号である第1の規格化差信号S15dnから検出したミラー14の背面を透過した光ビーム23の波長(第1の規格化差信号S15dnに基づき換算テーブルから参照した現在の光ビーム23のレーザ波長)とを一致させるように回転機構を制御するものである。ここで、ホログラム記録媒体の温度に応じた所望の波長(所定波長)は、コントローラ40が制御部30に対して出力するようにしても、制御部30が直接に温度検出器(図1には図示しない、図4を参照)からの信号を受け取り、制御部30の中で所定波長を演算するものであっても良い。
さらに、レーザ装置10には、モードホップモニタも組み込まれている。モードホップモニタは光路中に置かれたオプティカルウェッジ16と、第2の波長検出ディテクタ17と、制御部30の演算器30bおよび処理器30cと、を有して構成されるものである。
オプティカルウェッジ16の表面、裏面で反射した光は第2の波長検出ディテクタ17の受光面上で干渉縞を形成する。光ビーム26の波長が変わるとき、言い換えるとモードホップが生じた場合には、この干渉縞が移動するので、それを検知することによってモードホップを検出できる。ここで、光ビーム26の光強度(光量)は、例えば、0次光24の光強度(光量)の10%以下とされている。
第2の波長検出ディテクタ17は、上述した干渉縞の変化をとらえる方向に2分割ディテクタとして構成されており、2つのディテクタ17aとディテクタ17bとから検出される電気信号の各々の差の電気信号である第2の差信号を検出することによって、光ビーム26の波長に応じた信号が得られる。
第2の差信号は、具体的には、ディテクタ17aからの電気信号である電圧V17aおよびディテクタ17bからの電気信号である電圧V17bとの差の信号である差信号S17dを、電圧V17aと電圧V17bの和の信号である第2の和信号S17sで割り、規格化した第2の規格化差信号S15dnとして演算器30bによって得られるものである。
図3は、第2の規格化差信号とダイオード電流との関係を示すものである。グラフの横軸は、レーザ・ダイオード11に流れるダイオード電流Idを示し、図3に示すグラフの縦軸は、第2の規格化差信号S17dnを示すものである。図3に示すグラフの縦軸の第2の規格化差信号S17dnの急激な変化は、チップモードのモードホップを示すものであり、第2の規格化差信号S17dnの緩慢な階段状の変化は外部共振器モードのモードホップを示すものである。このような、光ビーム26の波長の変化を検出することによって、外部共振器モードの小さなモードホップとチップモードの大きなモードホップを検出できるものである。
なお、このモードホップモニタは、レーザ装置10におけるモードホップおよび、そのモードホップが、外部共振器モードのモードホップであるかチップモードのモードホップであるかを検出するために配されているものであって、チューナブルレーザとしての機能を確保するについては必須のものではない。
(ホログラム記録再生装置)
図4は、上述したレーザ装置10を用いる本実施形態のホログラム記録再生装置50の光学系を中心にした概念図である。
図4に示すのは、二光束方式の記録再生装置であり、光学系としては、レーザ装置10、空間フィルタ51、ビームスプリッタ52、記録すべきデジタル情報を表示した液晶等によって構成され、空間的に光ビームに変調を施す空間光変調器53、固定ミラー54、比較的にNAの高い(0.6程度)の対物レンズ55、角度可変ミラー56、比較的にNAの低い対物レンズ57およびアレイ型受光素子58を有している。さらに、ホログラム記録媒体60の温度を検出する温度検出器59およびこの装置の全体の動作を制御するコントローラ40を有している。
温度検出器59は、例えば、サーミスタ、温度ホログラフィで構成され、ホログラム記録媒体の近傍に配置されて、ホログラム記録媒体の温度を直接的または間接的に検出するものである。
ホログラム記録再生装置50は、コントローラ40を介して他の装置である外部装置に接続されるようになされている。また、コントローラ40は、CPUと、このCPUおよび他のコントローラ構成部にバスラインで相互に接続されRAM、ROMおよびインターフェイス回路を具備するマイコンで構成されている。そして、コントローラ40が、ホログラム記録再生装置50における記録および再生の動作の全体を管理し、制御しており、管理の基準、制御の手順(ソフトウエア)は、コントローラ40に配されたROMに記憶されている。
図4に示すホログラム記録再生装置50の記録の動作について説明をする。上述したようにして、レーザ装置10からは、レーザ光のうちから特定された所定波長のレーザ光(光ビーム)を得、空間フィルタ51で、波面を均一化したレーザ光を得て、ビームスプリッタ52で光ビームを二方向に分離し、一方向に分離された光ビームに空間光変調器53で空間変調を施して、信号光を得て、この信号光を固定ミラー54で反射させ、対物レンズ55によって、ホログラム記録媒体60の所定領域に信号光71を集光する。
一方、ビームスプリッタ52で他方向に分離された光ビームは、角度可変ミラー56によって反射され、角度可変ミラー56の反射面に入射する光ビームの角度に応じた所定角度で対物レンズ57に参照光を入射させ、対物レンズ57によってホログラム記録媒体60の所定領域に参照光70を集光する。ここで、角度可変ミラー56の角度を変化させることによって参照光70のホログラム記録媒体への入射角度を調整できる。
角度可変ミラー56の角度の制御はコントローラ40によっておこなわれる。角度可変ミラー56には、図示しない角度制御機構、例えば、モータとラック・アンド・ピニオンおよび角度センサとを組み合わせた角度制御機構、が配されており、コントローラ40からの制御信号に応じて角度可変ミラー56で反射してホログラム記録媒体60へ入射する光ビームの入射角度が設定できるようになされている。
参照光70と信号光71はホログラム記録媒体60のフォトポリマー等で構成された記録層において干渉縞を形成し、これにより光の強い部分ではメディア内のモノマーがより多くポリマーとなり、屈折率の縞(ホログラム)が形成される。このようにして、空間光変調器53に表示される記録データに応じて1ページ単位ごとにホログラムの形成という態様で記録がおこなわれる。ここで、角度多重方式による多重化をおこなう場合には、角度可変ミラー56の角度を1ページごとに変化させ、参照光70のホログラム記録媒体60に対する入射角度を1ページごとに変化させる。
図4に示すホログラム記録再生装置50の再生の動作について説明をする。再生においては、記録時の参照光とほぼ同じ方向から参照光70を照射すると、記録されたホログラムによって回折した再生光72を生じる。再生光72の回折方向にCCD等のアレイ型受光素子58を配置することによって、このアレイ型受光素子58からの電気信号をコントローラ40で処理して記録データを再生できる。
(記録再生特性)
以下、実施形態のホログラム記録再生装置50における具体的な記録再生の特性について説明する。
図5を参照して、ホログラム記録媒体の温度の一例として、25℃において、光ビームの波長として405nmで記録した場合の記録再生特性について説明する。なお、ホログラム記録媒体60を構成する基板がガラスの場合の計算結果を図5は示すものである。基板がポリカーボネイトの場合には、具体的に得られる数値は異なるが、定性的には、同様な結論が得られる。
ここで、信号光が対物レンズ55に入射する方向はホログラム記録媒体60の記録平面の法線に対して30°に固定されているが、この信号光は、N.Aが0.6の対物レンズで絞られているため、実際には30°±37°、つまり対物レンズの最外周部から入射する光線のホログラム記録媒体60の記録面の法線を基準とする入射角度の限界の値は、−7°と67°とになる。すなわち、信号光の入射角度は、−7°から67°に分布している(図6を参照、符号B1を付した線が−7°の光線を表し、符号B2を付した線が67°の光線を表す)。
なお、信号光を−7°から67°に分布する細い光線の集合として捉える光線追跡の手法がわかりやすいので、これ以降の説明においては、信号光の角度という場合は、特に断らない場合には、その一本の光線の意味で使うものとする。また、入射角度は、ホログラム記録媒体の記録平面の法線に対する角度で表すものとする。
図5は、記録時における参照光の入射角度が-30°として、再生時の参照光の波長は、記録時と同じ波長の405nmで再生をおこなった場合を示すものである。図5の横軸は記録時の信号光の入射角であり、上述の−7°から67°の間を計算した。縦軸は、記録時と同じ入射角度でホログラム記録媒体60に参照光70を入射させる場合において、回折光効率を最良とするための理想入射角からのずれ角度(ホログラム記録媒体における膨張収縮がなかった場合の回折光のブラッグ条件からのずれ角度)である。縦軸の0°は記録時の参照光と同じ角度、つまり−30°を意味する。
温度が変化しない場合には(図5のΔT=0℃を示す曲線を参照)、原理的には、曲線の縦軸の値は、0°となる筈であるが、0°から少しずれている。この理由は、記録時にメディアが0.1%前後収縮するからである。しかしながら、この記録時における収縮の特性に与える影響は少なく、大きな問題とはならない。一方、図5に示す+10℃ずれたときの特性の曲線((図5のΔT=+10℃で表す曲線)が示すように、記録時と再生時の温度が異なる場合には、理想入射角からのずれ角度が、+0.13°から−0.1°程度まで分布してしまい、記録再生特性に対して影響を与えてしまい問題となる。
理想入射角からのずれ角度が、+0.13°から−0.1°程度まで分布してしまう場合、すなわち、再生時の温度が記録時よりも10℃高い場合(ΔT=+10℃の場合)に再生できるのは信号光(上述した光線の意味である)の入射角が30°付近のみであり、このような状態で、ホログラムとして記録されている記録データを再生する場合には、記録データが正しく再生できない。所謂、データの欠落を生じてしまう。その結果、メモリー装置としての機能を十分に果たすことができないものである。この理想入射角からの許容ずれ角度(再生時において、記録データの再生が可能である範囲の最大のずれ角度)は、0.05°程度と小さいものであるからである。なお、この許容ずれ角度のおおきさは、ホログラム記録媒体の記録層の厚さ、誤り訂正を用いる場合には誤り訂正の方式にも依存するものであり、上述した0.05°は一例である。
このように、記録時と再生時とでホログラム記録媒体の温度が異なると、記録時における再生光の入射角度と同じ入射角度で、再生時に参照光を入射させる場合において、回折効率が劣った再生光が得られるという再生特性の悪化の現象が起きる理由は、ガラス基板の熱膨張率と記録層の材料(例えば、フォトポリマー)の熱膨張率とが異なるためにホログラム記録媒体内に記録によって形成された回折格子(ホログラム)の角度および間隔が変化するためである。
図6を参照して、この現象を解析的に以下に説明する。すなわち、後述する図7、図8のグラフをどのようにして得たかを説明する。図6は、温度変化が生じた場合におけるホログラムの形状の変化を模式的に示しており、符号φ0、φ1は回折格子の角度、符号Λ0、Λ1の各々は回折格子間隔であり、φ0、Λ0のように添字0を付した符号が変化前(記録時)を表し、φ1、Λ1のように添字1を付した符号が変化後(再生時)を表す。なお、図6では、符号θsは、各々の角度で入射する光線の入射角度、符号θRは、参照光の入射角度を表すものである。
また、以下の式における符号n0、n1は屈折率、符号λ0、λ1の各々はレーザ波長を表し(いずれも図6には図示せず)、添字0を付した符号が変化前(記録時)を表し、添字1を付した符号が変化後(再生時)を表す。また紙面の右方向がx軸方向の正方向であり、紙面の下方向がz軸方向の正方向である。また。ホログラム記録媒体の記録面(x軸方向でかつ紙面の表裏に伸びる面)の法線(z軸方向)に対して紙面の左手方向が正の角度とし、紙面の右手方向が負の角度としている。また、図6に示した破線はホログラム記録媒体の温度に依存した変形を模式的に示すものであり、破線は変位後のx軸方向、z軸方向の位置を各々表している。
図7、図8に示す結果を得るために、温度変化後の回折光効率を最良とするための理想入射角からのずれ角度(回折光のブラッグ条件からのずれ角度)ΔΘBとレーザ光の波長の変化量Δλとの関係を示す式12を求める過程を順に示す。
記録時における回折格子の角度は、式2で表される。
φ0=(θsR)/2・・・(式2)
格子間隔Λ0は、式3で表される。
Λ0=(λ0/n0)/2|Sin(θR−θS)/2|・・・(式3)
温度による線膨張率をAとすると、温度変化後の膨張率Γは、x軸方向、z軸方向に、各々ΓX、ΓZとして、式4、式5で表される。ここで、x軸方向の線膨張率AXは主として基板の熱膨張率に依存し、z軸方向の線膨張率AZは主として記録層の熱膨張率に依存するものである。
ΓX=AX×ΔT・・・(式4)
ΓZ=AZ×ΔT+ΔW・・・(式5)
なお、式5における、第2項のΔWは記録時における収縮率であるが、第1項のAZ×ΔTに較べて小さい。
回折格子の角度φ0とφ1との関係は、最終的には、式6で表される。なお、式6は、ΓX<<1、Γz<<1の関係を用いて近似した近似式である。
φ1≒arctan{(1+ΓXz)tanφ0}・・・(式6)
格子間隔Λ0とΛ1との関係は、式7、式8を用いて、CosΔΘ=1、SinΔΘ=0の近似式を代入して、最終的に近似式として式9を得る。ここで、L0は変化前(記録時)における格子間隔Λ0のx軸方向の距離、L1は変化後(再生時)における格子間隔Λ1のx軸方向の距離であり、Δφはφ0とφ1との差分である。
Λ0=L0|Cosφ0|・・・(式7)
Λ1=L1|Cosφ1|・・・(式8)
Λ1≒Λ0{1+ΓX−(tanφ0) Δφ}・・・(式9)
回折格子に対するブラッグ角をΘBとすると、変化前と変化後とでは、各々、式10、式11で表される。
SinΘB0=λ0/(2×n0×Λ0)・・・(式10)
SinΘB1=λ1/(2×n1×Λ1)・・・(式11)
式11の左辺にΘB1B0+ΔΘを代入して、展開し、さらに、CosΔΘB=1、SinΔΘB=0の近似式を代入して、最終的に近似式として式12を得ることができる。ここで、ΔΘBはΘB1とΘB0との差分で微小な角度である。
ΔΘB≒tanΘB0(Δλ/λ0-Δn/n0-ΔΛ/Λ1) ・・・(式12)
図7に示すグラフは、25℃において、光ビームの波長として405nmで記録し、再生時には、それよりも10℃高い35℃で再生する場合において、再生のための参照光の波長を変化させる場合の上述の式12に基づく、再生特性の計算結果である。図7の横軸は、信号光(信号光の各々の角度に該当する光線)の入射角度、縦軸は、理想的な特性が得られるとした場合(ブラッグ条件を満たす場合)の、記録時における参照光の入射角度に加算される角度である参照光の補正角である。
図7に示すグラフにおいて、符号aを付した曲線は、記録時と同じ波長405nmを示し、符号bを付した曲線は、波長404nmを示し、符号cを付した曲線は、波長403nmを示し、符号dを付した曲線は、波長402nmの場合を各々示すものである。
図7に示す各々の曲線のうちで注目すべきは、符号cを付した403nmの曲線が略平坦な形状となっていることである(数値計算の結果は、402.8nmで最も平坦となる)。この場合の最適な参照光の方向、すなわち、参照光の補正角は0.18°ずれる。なお、図7の参照光の補正角は、参照光の入射角として−30°を基準とする場合における必要とされる補正角である。
ここで、角度多重のホログラムの記録再生を目的とする図4に示すような光学系は元々、参照光の入射角を変えられるのでその補正は容易である。一方、角度多重記録方式ではこの角度を1ページごとに変えるので、この1ページごとの角度変化がどのような影響を与えるかを図8に沿って説明する。図8において、符号eで示す曲線は、参照光が、0°で入射する場合であり、符号fで示す曲線は参照光が、−10°で入射する場合であり、符号gで示す曲線は参照光が、−20°で入射する場合であり、符号hで示す曲線は参照光が−30°で入射する場合であり、符号iで示す曲線は参照光が、−40°で入射する場合の各々を示すものである。
図8に示すのは、いずれも記録は405nmの波長でおこない、再生は402.8nmでおこなう場合における計算結果である。図8から、わかることは、参照光のホログラム記録媒体への入射角度に応じて参照光の補正角は異なるものの、再生時点における温度上昇の値が、記録時点におけるものに対して10℃である場合には、いずれも同じ402.8nmの波長において再生する場合に各々の曲線はフラットとなることである。
このようにして、数値解析と実験とを重ね、本特許出願の願書に記載の発明者ら(以下、本願発明者ら、と省略する)は、記録時と再生時においてホログラム記録媒体の温度が異なる場合において、記録時と再生時との温度差が一定の値である場合には、最適な再生のためのレーザ波長は、記録時の参照光の角度に依存せず、一定の波長となるということを見出した。
また、本願発明者らは、同様の計算をポリカーボネイト基板の場合についてもおこなって、基板の熱膨張率の異なりによって、上述した特定の波長である402.8nmの波長とは異なる波長であるが、同様に、別の特定の波長において再生する場合に、各々の曲線はフラットとなるという計算結果を得た。そして、一般に、再生時における最適なる、上述した特定の波長は、ホログラム記録媒体の温度(記録時と再生時の温度差)、基板の熱膨張率および記録材の熱膨張率で決まるとの結論を導いた。
以上は、記録時におけるホログラム記録媒体の温度およびレーザ光の波長を固定とし、再生時において、記録時とは温度が異なった場合において、レーザ波長を変化させる場合の説明であるが、逆に、記録時に35℃の環境(再生時の温度よりも10℃高い場合、以下、ΔT=+10℃と表記する)において402.8nmの波長のレーザ光で記録しておけば25℃の環境(ΔT=0℃)においては405nmの波長のレーザ光で再生する場合に最適な再生条件とすることができる。
さらに、本願発明者らは、この事実をさらに一般化して、式12に基づき以下の結論を導いた。すなわち、ホログラム記録媒体が特定され、その時点における、ホログラム記録媒体の温度と入射角度とレーザ波長との間の相互の関係が、一の温度において定められると、他の温度における、この三者の関係は、別の値の、ホログラム記録媒体の温度と入射角度とレーザ波長との間の相互の関係として、一義的に定まるものである。
すなわち、記録時の温度(記録時温度)、記録時の参照光の入射角度(記録時入射角度)、記録時のレーザ波長(記録時レーザ波長)が特定されれば、この特定された条件の下で記録データが記録されたホログラム記録媒体からの記録データを最も誤りがなく読み出すための、再生時の参照光の入射角度(再生時入射角度)、再生時時のレーザ波長(再生時レーザ波長)は、再生時の温度(再生時温度)に対して一義的に特定される。ここで、記録時の温度に応じて、記録時に定める記録時レーザ波長、再生時入射角度は、ホログラム記録媒体の特性、記録再生装置の特性に応じて適宜定め得るものである。
ここで、上述したホログラム記録媒体の特性とは、基板の熱膨張率、 記録材の熱膨張率に関係したホログラム記録媒体の一般的性質に基づくものである。よって、本実施形態として説明する二光束光学系を用いて記録再生する場合に限らず、コリニア方式でも、上述の理論は適用でき、同様な結果を期待できるものである。
(ホログラム記録媒体における記録再生方法)
上述したレーザ装置10、これを用いるホログラム記録再生装置50、さらには、本願発明者らが見出した記録再生特性に関する知見に基づく、本実施形態のホログラム記録再生装置で採用するに好適なる記録再生方法について説明する。ここで、記録と再生の方法は、種々の組み合わせが可能であり、以下に挙げるのは代表的な例にすぎず、この他の組み合わせも可能である。なお、角度多重をおこなうことを前提として説明をするが、角度多重をおこなわない場合には、参照光の入射角度が、ひとつに限定される以外は以下の説明において相違する点はない。
(第1実施形態の記録再生方法)
図9、図10は、第1実施形態の記録方法と再生方法とを、各々、フローチャートで示すものである。
図9に示すフローチャートを参照して、ホログラム記録媒体60への記録データの記録方法をコントローラ40におけるCPUの処理として説明する。
コントローラ40のCPUは、以下の処理を順次おこなう。
まず、ホログラム記録媒体60の近傍に配された温度検出器59を介してホログラム記録媒体60の現在の温度を取得する。また、多重化のための処理のループ回数である回数nを1に設定する(ステップST100)。
次に、この現在の温度に基づき、コントローラ40のRAMの所定領域に配されたテーブルから、記録時における温度に対応した入射角度(以下のフローチャートでは、記録時入射角度と省略する)と、記録時における温度に対応したレーザ波長(以下のフローチャートでは、記録時レーザ波長と省略する)とを決定する(ステップST101)。
ここで、記録時入射角度は、予め定められた多重方式における基準となる入射角度に対して、記録時点での温度に応じた補正角度で補正がされた入射角度である。また、記録時レーザ波長は、予め定められた基準となるレーザ波長に対して、記録時の温度に応じて補正がされたレーザ波長である。
次に、レーザ装置10の制御部30に対して記録時レーザ波長に設定するように指令を送る(ステップST102)。
レーザ装置10は上述したように、制御部30を主要部としてフィードバック制御系を構成するので、この指令に基づいて記録時レーザ波長のレーザ光を出射する。なお、このときに、空間光変調器53においては、レーザビームの透過を阻止するようなパターン(全面、黒のパターン)が表示されており、この段階で、ホログラム記録媒体60に信号光71が照射され記録がおこなわれることはない。
次に、角度可変ミラー56に対して記録時入射角度に設定するように指令を送る(ステップST103)。
次に、制御部30に構成された第2の波長検出ディテクタ17およびモードホップモニタからの信号を取得する(ステップST104)。
次に、モードホップモニタからの信号に基づいて、記録可能モードであるか否かを検出する(ステップST105)。
ここで、記録可能モードとは、図3に示すモードホップのパターンのうち、外部共振器モードの小さなモードホップのモード(領域)を隣接領域とするモード(領域)を指し、チップモードの大きなモードホップの領域、および、チップモードの大きなモードホップの領域に隣接する領域を除外するものである。
その理由は、外部共振器モードの領域においては、安定した記録再生ができ、チップモードの領域では、記録再生特性が劣ることが知られているためである。
ステップST105における判断結果がYes(肯定)である場合には、処理はステップST107に移り、ステップST105における判断結果がNo(否定)である場合には、処理はステップST106に移る。
ステップST106では、記録を開始することが適当ではない旨の警告を発する。
ステップST107では、記録データを書き込む。
次に、n=Nか否か、すなわち、角度多重記録をおこなう場合において、所定の多重回数、ループが繰り返した否かを判断する(ステップST108)。ステップST108における判断がYes(肯定)である場合には、多重化すべき回数の記録は終わっているので処理は、ここで終了する。
ステップST108における判断結果がNo(否定)である場合には、処理はステップST109に移る。
ステップST109では、n=n+1に設定して、処理はステップST101に再び戻る。
ここで、上述のステップST101において参照したRAMの所定領域に配されたテーブルについて説明をする。このテーブルは、各々の温度に対する、レーザ波長と、多重記録の多重化回数nの値対する参照光入射角度とを記憶したテーブルである。このテーブルは、基板の熱膨張率および記録材の熱膨張率に応じて上述した式2から式12までの演算結果に基づいて構成されたものである。
テーブルの具体的な内容を説明する。多重回数nに対して、各々の温度に対する補正角度を加味した入射角度が記憶されている。また各々の温度に対するレーザ波長が記憶されている。例えば、温度25℃では、多重回数1回目の欄を見ると、-30°が記憶されており、温度35°では、多重回数1回目の欄を見ると、-28.82°(-30°+0.18°、図8を参照)が記憶されている。また、温度25℃では、レーザ波長の欄を見ると、405nmが記憶されており、温度35℃では、レーザ波長の欄を見ると402.8nmが記憶されている。このように記憶されているテーブルを参照して、記録時点での温度検出器から検出したホログラム記録媒体の記録時温度に応じて、記録時レーザ波長を決定し、さらに、記録時温度と多重回数に応じて、記録時入射角度が決定できる。
図10は、図9のフローチャートに沿った処理によって記録がおこなわれたホログラム記録媒体から、記録データを再生する再生方法を示すものである。図10に示すフローチャートを参照して、ホログラム記録媒体60からの記録データの再生方法をコントローラ40におけるCPUの処理として説明する。
コントローラ40のCPUは、以下の処理を順次おこなう。
まず、多重化をおこなう場合の処理のループ回数である回数nを1に設定する(ステップST200)。
次に、この現在の温度に基づき、コントローラ40のRAMの所定領域に配されたテーブルから、再生時における温度に対応した入射角度(以下のフローチャートでは、再生時入射角度と省略する)と、再生時における温度に対応したレーザ波長(以下のフローチャートでは、再生時レーザ波長と省略する)とを決定する(ステップST201)。
ホログラム記録媒体が同一であれば、このテーブルは記録時に用いたテーブルと同一のものであり、例えば、再生時温度25℃では、多重回数1回目の欄を見ると、再生時入射角度として、-30°が記憶されており、再生時温度35°では、多重回数1回目の欄を見ると、再生時入射角度として、-28.82°(-30°+0.18°、図8を参照)が記憶されている。また、再生時温度25℃では、再生時レーザ波長の欄を見ると、405nmが記憶されており、再生時温度35℃では、再生時レーザ波長の欄を見ると402.8nmが記憶されている。
次に、レーザ装置10の制御部30に対して、再生時レーザ波長に設定するように指令を送る(ステップST202)。
レーザ装置10は上述したように、制御部30を主要部としてフィードバック制御系を構成するので、この指令に基づいて再生時レーザ波長のレーザ光を出射する。
次に、コントローラ40は、角度可変ミラー56に対して、ステップST201でRAMテーブルから読み出した再生時入射角度に設定するように指令を送る(ステップST203)。
次に、記録データを読み取る(ステップST204)。
次に、n=Nか否か、すなわち、多重化された記録データを所定の回数、角度を変えて読み取ったか否かを判断する(ステップST205)。角度多重記録をおこなわない場合には、Nの値が1であり、処理は、ここで終了する。
また、角度多重記録をおこなう場合であっても、ステップST205における判断がYes(肯定)である場合には、多重化すべき回数の記録は終わっているので処理は、ここで終了する。
ステップST205における判断結果がNo(否定)である場合には、処理はステップST206に移る。
ステップST206では、n=n+1に設定して、処理はステップST201に再び戻る。
上述した、第1実施形態の記録再生方法を採用する場合には、記録時におけるホログラム記録媒体の温度がどのような温度であったとしても、テーブルに該当する範囲である限りは、記録時においては、記録時の温度で補正した記録時入射角度と記録時レーザ波長を得、再生時においても同様にテーブルを参照して、再生時の温度で補正した再生時入射角度と再生時レーザ波長を得て、記録再生の互換性をたもつことができる。
(第2実施形態の記録再生方法)
実施形態の別の変形例として、第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、ステップST101において、コントローラ40のRAMの所定領域に配されたテーブルから参照光の記録時入射角度を決定することなく、ホログラム記録媒体60を構成する基板(例えば、ガラスまたはポリカーボネイト)の熱膨張率と記録層(例えば、フォトポリマー)の熱膨張率とを、式4、式5に代入して順次、コントローラ40で演算し最終的に式12で記録時入射角度を得て、この計算によって得られた、参照光の記録時入射角度を用いて記録をおこなうものである。
具体的には、以下のように計算する。記録時の温度と基準時温度(予め定める所定温度)の温度差であるΔT、参照光の入射角度θS、基板の熱膨張率と屈折率および記録材の熱膨張率と屈折率で定まる線膨張率AX、AZと、基準時温度におけるレーザ波長であるレーザ波長λ1とを既知数とし、記録時レーザ波長λ0を変数として、様々な角度で入射する信号光の各々の光線について、式2ないし式12に示す演算をおこなって、一の記録時レーザ波長λ0についての信号光に対する参照光の補正角の曲線を得る。
次に、この一の記録時レーザ波長λ0で形成される曲線の平坦度を、例えば、最小二乗法を用いて演算する。このようにして、記録時レーザ波長λ0を変化させることによって得られる複数の曲線のうちで、最も曲線が平坦となる記録時レーザ波長λ0を求める。そして、この場合における参照光の記録時の補正角度を式12から求めて、この補正角度で再生時入射角度に補正を加え記録時入射角度を得る。以上の過程を経て得られた、記録時レーザ波長λ0と参照光の記録時入射角度が、記録において用いられる。以上の演算は、ソフトウエアとして記載された処理手順に沿ってコントローラ40においておこなわれる。
このようにコントローラ40において、逐次計算をおこなう場合においては、ホログラム記録媒体を構成する基板の熱膨張率と記録層の熱膨張率とが分れば、如何なる基板と記録層の組み合わせであっても、第1実施形態におけるようなRAMの所定領域に配されたテーブルを用いる場合に較べて、より広範な、記録時におけるホログラム記録媒体の温度変化に対応が可能となるという効果を生じるものである。また、上述した演算はコントローラ40でおこなうのみでなく、制御部30の処理器31cでおこなうこともでき、さらには、コントローラ40と処理機31cとで分担しておこなうことができるものである。
このようにして記録された、ホログラム記録媒体は、再生時においては、再生時の温度を検出し、多重回数を設定して、記録におけると同様の演算をコントローラ40においておこない(上述の記録時の演算の説明において、記録時レーザ波長λ0を再生時波長に読み替え、参照光の記録時入射角度を参照光の再生時入射角度に読み替える)、再生時レーザ波長、再生時入射角度を求め、これに基づいて再生をおこなうことができる。
第2実施形態では、計算によって、記録時レーザ波長、記録時入射角度、再生時レーザ波長、再生時入射角度を求めるので、RAMの所定領域に配されたテーブルからこれらを求める場合に較べて、汎用性を高くできるとともに、温度設定の範囲、多重回数を大きくできる。
(レーザ装置の変形例)
上述した、実施形態のレーザ装置10においては、所望の光ビーム(0次光25)のレーザ波長と、換算テーブルから演算した現在の光ビーム23のレーザ波長との誤差である誤差波長を演算し、フィードバック制御系を構成することによって、誤差波長が零となるように、モータ41aを制御し、グレーティング13およびミラー14の回転の位置は、所望の波長の0次光25を常時、出射するように制御されるようにした。しかしながら、所望の波長を得るためには、以下に示すように、別のタイプのフィードバック系による構成としても良く、さらに、フィードフォワード構成としても良いものである。
図11に別のタイプのフィードバック系による構成を有するレーザ装置10aを示す。レーザ装置10aは、回転軸27の回転角度を検出できる回転角度検出器(図示せず、例えば、ロータリーエンコーダ)を有しており、回転角度検出器から検出する回転軸の角度に応じた角度信号Sdaと光ビーム(0次光25)のレーザ波長との関係を予め求め、制御部31の処理器31cの有するRAM(図示せず)に、角度信号Sdaの値に対する光ビーム(0次光25)のレーザ波長を記憶している。光ビーム(0次光25)の所定レーザ波長を決定後に、この決定された所定レーザ波長に対応する角度信号の値をRAMから読み取り、現在の角度信号Sdaの値が、この決定されたレーザ波長に対応する角度信号の値に一致するようにモータ41aを回転させる。
ここで、上述したように、グレーティング13の回折格子の設計によって、1次光の回折角度と波長との関係を定めることができるので、回転角度検出器を用いれば、第1の波長検出ディテクタ15を用いることなく、光ビーム(0次光25)のレーザ波長を所定の波長とすることができる。また、ミラー14は透過性ミラーではなく、全反射のミラーとすることができ、光量の損失も生じないものとできる。
さらに、歯車機構41bに回転突起41dを固着し、回転突起停止ピン41eを回転軸27が取り付けられた光学装置の基準面に取り付け、モータ41aをステッピングモータとして、フィードフォワード構成として、より簡単なレーザ装置を構成することもできる。
モータ41aがステッピングモータである場合には、正確にモータ41aに印加されるステップ数に応じてモータ41aの回転角が定まるので、ステップ数に応じて正確に回転軸27を中心として回転するグレーティング13およびミラー14の回転角度を定めることができる。このようにして、第1の波長検出ディテクタ15および回転角度検出器のいずれをも設けることなく、これらに替えて回転突起41dと回転突起停止ピン41eとを設けることによって、レーザの波長を所定の値とすることができる。
光ビーム(0次光25)のレーザ波長の設定は以下の手順で行う。まず、最初に光ビーム(0次光25)のレーザ波長を決定後に、この決定されたレーザ波長に対応する回転軸27の、初期角度からの角度の値をRAMから読み取る。次に、回転軸27を中心として、回転突起41dと、回転突起停止ピン41eとが接触する位置まで図11に示す矢印の反対方向に回転させる。この位置の回転軸27の角度を初期角度として、制御部31の処理器31cに配されたRAMから読み取った所定の角度となるまで、モータ41aに対してパルスを出力する。この場合に、回転軸27の回転すべき初期角度からの変化分の角度(設定角度)とパルス数との対応関係は、処理器31cにおいて計算するようになされており、モータ駆動信号Smdは、所定数のパルス信号とされている。
本実施形態のホログラム記録再生装置に用いるレーザ装置としては、上述したリトロウ型レーザ装置に限ることなく、リットマン型レーザ装置であっても良く、マルチモードで発振する特性を有するレーザと、レーザから出射されるレーザ光を受光して、回折光をレーザに戻すグレーティングと、レーザに戻る回折光の波長を変化させる機構部と、機構部を制御する制御部と、を具備し、レーザに戻る回折光の波長に応じた記録または再生のための光ビームを所定方向に出射するものであれば、他の構造を有するものであっても良い。
図12ないし図14にいくつかの別の構成を有するレーザ装置を挙げる。図12、図13は、リットマン型レーザ装置で、図14は、別の実施形態のリトロウ型レーザ装置である。図12に示すリットマン型レーザ装置では、レーザ・ダイオード81と、コリメートレンズ82aおよびコリメートレンズ82bと、レーザ・ダイオード81との相対位置を固定された、グレーティング表面83aを有するグレーティング83と、回転軸27aを中心として回転する、ミラー表面84aを有するミラー84と、を有しており、ミラー84の回転角度に応じて波長が変化する記録再生に用いる光ビーム85aを得ることができる。
図13に示すリットマン型レーザ装置では、レーザ・ダイオード11と、コリメートレンズ12と、グレーティング表面86aを有するグレーティング86と、回転軸27bを中心として回転するミラー表面87aを有するミラー87と、を有しており、ミラー87の回転角度に応じて波長が変化する記録再生に用いる光ビーム85bを得ることができる。
図14に示すリトロウ型レーザ装置では、レーザ・ダイオード81と、コリメートレンズ82aおよびコリメートレンズ82bと、回転軸27cを中心として回転するグレーティング表面88aを有するグレーティング88と、を有しており、グレーティング88の回転角度に応じて波長が変化する記録再生に用いる光ビーム85cを得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、開示された技術的思想の範囲内におよぶものである。また実施形態についても、上述の実施形態に限られず、これらを様々に変形し、組み合わせた実施形態が実施可能であることは言うまでもない。
実施形態のレーザ装置の構成を説明する図である。 実施形態のレーザ装置における規格化差信号と光ビームの波長との関係を示す図である。 実施形態のレーザ装置における規格化差信号とダイオード電流との関係を示すグラフである。 本実施形態のホログラム記録再生装置の光学系を中心にした概念図である。 ホログラム記録媒体の温度が25℃、光ビームの波長が405nmにおいて記録し、ホログラム記録媒体の温度が25℃または35℃において再生するときの記録再生特性を示す図である。 温度変化が生じた場合におけるホログラムの形状の変化を模式的に示す図である。 ホログラム記録媒体の温度が25℃、光ビームの波長が405nmにおいて記録し、ホログラム記録媒体の温度35℃において再生する場合において、参照光の波長を変化させるときの記録再生特性を示す図である。 光ビームの波長が405nmにおいて、参照光の角度を変化させて記録し、光ビームの波長が402.8nmにおいて再生するときの記録再生特性を示す図である。 ホログラム記録媒体への記録データの記録方法をコントローラにおけるCPUの処理として説明するフローチャートである。 ホログラム記録媒体からの記録データの再生方法をコントローラにおけるCPUの処理として説明するフローチャートである。 実施形態のレーザ装置の構成を説明する図である。 実施形態のレーザ装置の構成を説明する図である。 実施形態のレーザ装置の構成を説明する図である。 実施形態のレーザ装置の構成を説明する図である。 背景技術のレーザ装置の模式図である。
符号の説明
10、10a レーザ装置、11、81 レーザ・ダイオード、12、82a コリメートレンズ、13、83、86、88 グレーティング、13a、83a、86a、88a グレーティング表面、14、84、87 ミラー、14a、84a、87a ミラー表面、15 第1の波長検出ディテクタ、15a、15b ディテクタ、16 オプティカルウェッジ、17 第2の波長検出ディテクタ、17a、17b ディテクタ、25 0次光、27、27a、27b、27c 回転軸、30、31 制御部、30a、30b 演算器、30c、31c 処理器、40 コントローラ、41a モータ、41b、41c 歯車機構、41d 回転突起、41e 回転突起停止ピン、50 ホログラム記録再生装置、51 空間フィルタ、52 ビームスプリッタ、53 空間光変調器、54 固定ミラー、55 対物レンズ、56 角度可変ミラー、57 対物レンズ、58 アレイ型受光素子、59 温度センサ、60 ホログラム記録媒体、70 参照光、71 信号光、72 再生光

Claims (7)

  1. ホログラム記録媒体に記録データを記録し、または、前記ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム記録再生装置に用いるレーザ装置であって、
    マルチモードで発振する特性を有するレーザと、
    前記レーザから出射されるレーザ光を受光して、回折光を前記レーザに戻すグレーティングと、
    前記レーザに戻る回折光の波長を変化させる機構部と、
    前記ホログラム記録媒体の温度に応じて前記機構部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記レーザに戻る回折光の波長に応じた波長の記録または再生のための光ビームを所定方向に出射するレーザ装置。
  2. さらに、前記グレーティングで反射した光ビームを所定方向に反射するミラーを具備し、
    前記機構部は、前記グレーティングの光ビーム照射面であるグレーティング表面と前記ミラーの光ビーム照射面であるミラー表面とのなす角度を一定に保ちながら、前記グレーティング表面と前記ミラー表面との延長線が交わる線を回転軸として、前記グレーティングと前記ミラーとを回転させる回転機構を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
  3. 前記ミラーは、ミラー表面に照射される光ビームの一部が前記ミラーの背面に透過する透過型ミラーとして形成され、
    前記制御部は、前記ミラーの背面を透過した光ビームを受光して、光ビームの波長に応じた電気信号を検出する2分割ディテクタを具備し、
    前記ホログラム記録媒体の温度に応じた所定波長と、前記電気信号に基づき検出した前記ミラーの背面を透過した光ビームの波長とを一致させるように前記回転機構を制御することを特徴とする請求項2に記載のレーザ装置。
  4. ホログラム記録媒体に記録データを記録し、または、前記ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム記録再生装置であって、
    マルチモードで発振する特性を有するレーザと、前記レーザから出射されるレーザ光を受光して、回折光を前記レーザに戻すグレーティングと、前記レーザに戻る回折光の波長を変化させる機構部と、前記機構部を制御する制御部と、を具備し、前記レーザに戻る回折光の波長に応じた波長の記録または再生のための光ビームを所定方向に出射するレーザ装置と、
    前記ホログラム記録媒体の温度を検出する温度検出器と、
    前記温度検出器で検出された前記温度に基づき前記レーザ装置の前記制御部を制御して、前記記録または再生に用いる光ビームの波長を所定波長とするコントローラと、
    を備えるホログラム記録再生装置。
  5. 前記温度検出器で検出された前記温度に基づき、前記コントローラに配されたテーブルを参照して、前記記録または再生に用いる光ビームの波長を所定波長とすることを特徴とする請求項4に記載のホログラム記録再生装置。
  6. 前記ホログラム記録媒体を構成する基板の熱膨張率と、記録層の熱膨張率と、前記温度検出器で検出された前記温度と、に基づいて、前記記録または再生に用いる光ビームの波長を所定波長とすることを特徴とする請求項4に記載のホログラム記録再生装置。
  7. さらに、参照光の前記ホログラム記録媒体への入射角度を変化させる角度可変ミラーを備え、前記温度検出器で検出された前記温度に基づき、前記コントローラに配されたテーブルを参照して、前記入射角度を所定入射角度とすることを特徴とする請求項4に記載のホログラム記録再生装置。
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