JP2007178459A - パターン形成材料、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法 - Google Patents

パターン形成材料、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感光層の感度低下を効果的に抑制でき、高感度な感光層が得られ、かつ基体に対して凹凸追従性に優れ、より高精細なパターンを形成可能なパターン形成材料、並びに該パターン形成材料を備えたパターン形成装置及び前記パターン形成材料を用いたパターン形成方法の提供。
【解決手段】支持体上に、クッション層と感光層とをこの順に有するパターン形成材料において、該感光層が、増感剤として蛍光増白剤を含み、かつ、該感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが0.1〜50mJ/cmであることを特徴とするパターン形成材料、並びに該パターン形成材料を備えたパターン形成装置、及び該パターン形成材料を用いて露光するパターン形成方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドライ・フィルム・レジスト(DFR)等に好適なパターン形成材料、並びに該パターン形成材料を備えたパターン形成装置及び前記パターン形成材料を用いたパターン形成方法に関する。
配線パターンなどの永久パターンを形成するに際して、支持体上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより感光層を形成させたパターン形成材料が用いられている。前記永久パターンの製造方法としては、例えば、前記永久パターンが形成される銅張積層板等の基体上に、前記パターン形成材料を積層させて積層体を形成し、該積層体における前記感光層に対して露光を行い、該露光後、前記感光層を現像してパターンを形成させ、その後エッチング処理等を行うことにより前記永久パターンが形成される。
前記パターン形成材料は、保存安定性を向上させる目的や、解像度を向上させる目的で前記感光性樹脂組成物にフェノール性水酸基、芳香感、複素環、又はイミノ基等を有する化合物の重合禁止剤を添加した提案がされている(特許文献1〜4参照)。しかし、この場合、増感剤を前記感光性樹脂組成物(前記感光層)に添加することにより感度の低下を抑制できる点や、高感度なドライレジストフィルムについては何ら開示されていない。
他方、前記問題とは別に、配線パターンなどの永久パターンを形成する基体に凹凸が存在する場合や、該基体上に微少なゴミが付着する場合、更には、前記基体上にパターン形成材料を積層する場合に気泡ができてしまう場合には、前記基体と前記パターン形成材料における感光層との間に未接着部分が生じてしまい、高精細な永久パターンを形成できないという問題がある。
よって、高感度な感光層が得られ、かつ基体に対して凹凸追従性に優れ、高精細なパターンを形成可能なパターン形成材料、並びに該パターン形成材料を備えたパターン形成装置及び前記パターン形成材料を用いたパターン形成方法は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
特開2002−268211号公報 特開2003−29399号公報 特開2004−4527号公報 特開2004−4528号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高感度な感光層が得られ、かつ基体に対して凹凸追従性に優れ、高精細なパターンを形成可能なパターン形成材料、並びに該パターン形成材料を備えたパターン形成装置及び前記パターン形成材料を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体上に、クッション層と感光層とをこの順に有するパターン形成材料において、該感光層が、増感剤として蛍光増白剤を含み、かつ、該感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが0.1〜50mJ/cmであることを特徴とするパターン形成材料である。
<2> 蛍光増白剤が、非イオン性核を有する化合物である前記<1>に記載のパターン形成材料である。
<3> 非イオン性核が、スチルベン核、ジスチリルベンゼン核、ジスチリルビフェニル核、ジビニルスチルベン核、フェニルピラゾリン核、及びスチリルピラゾリン核から選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<4> 非イオン性核を有する化合物が、スチリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基から選択される少なくとも1種を有する前記<2>から<3>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<5> 蛍光増白剤の極大吸収波長が、500nm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<6> 支持体の全光線透過率が、86%以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<7> 支持体のヘイズ値、及び、支持体の全光線透過率を求める場合の光の波長が、405nmである前記<1>から<6>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<8> 露光に用いる光の最小エネルギー量を求める場合の露光波長が、405nmである前記<1>から<7>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<9> クッション層が、熱可塑性樹脂を含む前記<1>から<8>に記載のパターン形成材料である。
<10> 熱可塑性樹脂の軟化点が、80℃以下である前記<9>に記載のパターン形成材料である。
<11> クッション層が、アルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性である前記<1>から<10>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<12> クッション層が、アルカリ性液に対して不溶性である前記<1>から<10>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<13> クッション層の厚みが3〜50μmである前記<1>から<12>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<14> クッション層と感光層との間に物質の移動を抑制可能なバリア層を形成する前記<1>から<13>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<15> バリア層が、水溶性乃至水分散性である前記<14>に記載のパターン形成材料である。
<16> バリア層における酸素透過率が、温度23℃、相対湿度60%の条件下で、100cc/m2・day・atm以下である前記<14>から<15>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<17> バリア層が、ビニル重合体及びビニル共重合体の少なくともいずれかを含む前記<14>から<16>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<18> 感光層の厚みが0.1〜10μmである前記<1>から<17>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<19>感光層が、重合禁止剤と、バインダーと、重合性化合物と、光重合開始剤とを含む前記<1>から<18>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<20> 感光層が、増感剤として、縮環系化合物、並びに、少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物から選択される少なくとも1種を更に含む前記<1>から<19>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<21> 重合禁止剤が、芳香環、複素環、イミノ基及びフェノール性水酸基から選択される少なくとも1種を有する前記<19>から<20>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<22> 重合禁止剤が、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物、イミノ基で置換された芳香環を有する化合物、イミノ基で置換された複素環を有する化合物、及びヒンダードアミン化合物から選択される少なくとも1種である前記<19>から<21>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<23> 重合禁止剤が、カテコール、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒンダードアミン及びこれらの誘導体から選択される少なくとも1種である前記<19>から<22>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<24> 重合禁止剤の含有量が、重合性化合物に対して0.005〜0.5質量%である前記<19>から<23>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<25> バインダーが、酸性基を有する前記<19>から<24>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<26> バインダーが、ビニル共重合体である前記<19>から<25>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<27> バインダーの酸価が、70〜250mgKOH/gである前記<19>から<26>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<28> バインダーのI/O値が、0.30〜0.70である前記<19>から<27>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<29> 重合性化合物が、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマーを含む前記<19>から<28>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<30> 重合性化合物が、ビスフェノール骨格を有する前記<19>から<28>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<31> 重合性化合物が、分子内に重合性基を2個有する重合性化合物の少なくとも1種と、分子内に重合性基を3個以上有する重合性化合物の少なくとも1種、及び、分子内に重合性基を1個有する重合性化合物の少なくとも1種の、少なくともいずれかとを含む前記<19>から<30>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<32> 光重合開始剤が、ハロゲン化炭化水素誘導体、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、メタロセン類、及びアシルホスフィンオキシド化合物から選択される少なくとも1種を含む前記<19>から<31>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<33> 光重合開始剤が、ヘキサアリールビイミダゾールを含む前記<19>から<32>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<34> 感光層が、バインダーを10〜90質量%含有し、重合性化合物を5〜90質量%含有する前記<19>から<33>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<35> 支持体が、合成樹脂を含み、かつ透明である前記<1>から<34>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<36> 支持体が、二軸延伸ポリエステルフィルムである前記<1>から<35>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<37> 支持体が、長尺状である前記<1>から<36>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<38> パターン形成材料が、長尺状であり、ロール状に巻かれてなる前記<1>から<37>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<39> パターン形成材料における感光層上に保護フィルムを有し、該保護フィルムが、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂及びポリエチレンテレフタレート樹脂から選択される少なくとも1種を含む前記<1>から<36>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<40> 前記<1>から<39>のいずれかに記載のパターン形成材料を備えており、光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記パターン形成材料における感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置である。該<40>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記光変調手段に向けて光を照射する。前記光変調手段が、前記光照射手段から受けた光を変調する。前記光変調手段により変調した光が前記感光層に対して露光させる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<41> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<30>に記載のパターン形成装置である。該<41>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段が前記パターン信号生成手段を有することにより、前記光照射手段から照射される光が該パターン信号生成手段により生成した制御信号に応じて変調される。
<42> 光変調手段が、n個の描素部を有してなり、該n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部を、形成するパターン情報に応じて制御可能である前記<40>から<41>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<42>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段におけるn個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の描素部をパターン情報に応じて制御することにより、前記光照射手段からの光が高速で変調される。
<43> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<40>から<42>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<44> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<43>に記載のパターン形成装置である。
<45> 描素部が、マイクロミラーである前記<40>から<44>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<46> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<40>から<45>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<46>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光によって行われる。この結果、前記パターン形成材料への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<47> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する前記<40>から<46>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<47>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光が前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファーバーに結合可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記パターン形成材料への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<48> 前記<1>から<39>のいずれかに記載のパターン形成材料における感光層を、加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において基材の表面に積層した後、該感光層に対して露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とするパターン形成方法である。該<48>に記載のパターン形成方法においては、露光が前記パターン形成材料に対して行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<49> 基材が、配線形成済みのプリント配線基板である前記<48>に記載のパターン形成方法である。該<49>に記載のパターン形成方法においては、前記基材が配線形成済みのプリント配線基板であるので、該パターン形成方法を利用することにより、半導体や部品の多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの高密度実装が可能である。
<50> 基材が、ガラス板である前記<48>に記載のパターン形成方法である。該<50>に記載のパターン形成方法では、前記基材がガラス板であるので、該パターン形成方法を利用することにより、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の形成に用いることができる。
<51> 露光が、350〜415nmの波長のレーザ光を用いて行われる前記<48>から<50>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<52> 露光が、形成するパターン情報に基づいて像様に行われる前記<48>から<51>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<53> 感光層への露光が、支持体を介して行われる前記<48>から<52>に記載のパターン形成方法である。
<54> 支持体を剥離した後、感光層に対して露光を行う前記<48>から<52>に記載のパターン形成方法である。
<55> 露光が、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定する工程と、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行う工程と、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行う工程と
を含む前記<48>から<54>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<55>に記載のパターン形成方法においては、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部が指定され、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部が制御される。前記露光ヘッドを、前記感光層に対し走査方向に相対的に移動させて露光が行われることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<56> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<55>に記載の永久パターン形成方法である。該<56>に記載の永久パターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な永久パターンが形成される。
<57> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<55>から<56>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。該<57>に記載の永久パターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な永久パターンが形成される。
<58> 設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される前記<55>から<57>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<59> N重露光のNが、3以上の自然数である前記<55>から<58>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。該<59>に記載の永久パターン形成方法においては、N重露光のNが、3以上の自然数であることにより、多重描画が行われる。この結果、埋め合わせの効果により、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが、より精密に均される。
<60> 使用描素部指定手段が、
描素部により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
を備える前記<55>から<59>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<61> 使用描素部指定手段が、N重露光を実現するために使用する使用描素部を、行単位で指定する前記<55>から<60>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<62> 光点位置検出手段が、検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす実傾斜角度θ´を特定し、描素部選択手段が、前記実傾斜角度θ´と設定傾斜角度θとの誤差を吸収するように使用描素部を選択する前記<60>から<61>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<63> 実傾斜角度θ´が、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度の平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかである前記<62>に記載の永久パターン形成方法である。
<64> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における1行目から前記T行目の前記描素部を、使用描素部として選択する前記<60>から<63>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<65> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における、(T+1)行目からm行目の前記描素部を、不使用描素部として特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する前記<60>から<64>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<66> 描素部選択手段が、複数の描素部列により形成される被露光面上の重複露光領域を少なくとも含む領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、使用描素部を選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、使用描素部を選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段、及び
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段
のいずれかである前記<60>から<65>に記載の永久パターン形成方法である。
<67> 描素部選択手段が、複数の露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、及び、
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
のいずれかである前記<60>から<66>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<68> 不使用描素部が、行単位で特定される前記<67>に記載のパターン形成方法である。
<69> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<60>から<68>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<69>に記載の永久パターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<70> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部行を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<60>から<68>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<70>に記載の永久パターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<71> 使用描素部指定手段が、光点位置検出手段としてスリット及び光検出器、並びに描素部選択手段として前記光検出器と接続された演算装置を有する前記<55>から<70>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<72> N重露光のNが、3以上7以下の自然数である前記<55>から<71>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<73> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<55>から<72>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<74> パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する変換手段を有する前記<55>から<73>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<75> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<55>から<74>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<76> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<75>に記載のパターン形成方法である。
<77> 描素部が、マイクロミラーである前記<55>から<76>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<78> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<55>から<77>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。該<78>に記載のパターン形成方法においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細なパターンが形成される。
<79> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する前記<55>から<78>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。該<79>に記載の永久パターン形成方法においては、前記光照射手段により、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームが前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファイバに結合可能とすることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細な永久パターンが形成される。
<80> 露光が、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行われる前記<48>から<79>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<80>に記載のパターン形成方法においては、前記変調させた光と前記感光層とを相対的に移動させながら露光することにより、露光が高速に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<81> 露光が、感光層の一部の領域に対して行われる前記<48>から<80>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<82> 露光が行われた後、感光層の現像を行う前記<48>から<81>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<82>に記載のパターン形成方法においては、前記露光が行われた後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<83> 現像が行われた後、永久パターンの形成を行う前記<82>に記載のパターン形成方法である。
<84> 永久パターンが、配線パターンであり、該永久パターンの形成がエッチング処理及びメッキ処理の少なくともいずれかにより行われる前記<83>に記載のパターン形成方法である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、高感度な感光層が得られ、かつ基体に対して凹凸追従性に優れ、高精細なパターンを形成可能なパターン形成材料、並びに該パターン形成材料を備えたパターン形成装置及び前記パターン形成材料を用いたパターン形成方法を提供することができる。
(パターン形成材料)
本発明のパターン形成材料は、支持体上に、クッション層と感光層とをこの順に有してなり、必要に応じて、前記クッション層と前記感光層との間に物質の移動を抑制可能なバリア層を有していてもよく、更に必要に応じて、その他の層を有していてもよい。
前記クッション層は、基体の表面における凹凸や、気泡等に対する前記パターン形成材料の凹凸追従性を向上させるために設けられる層である。
また、前記パターン形成材料において、該感光層が、増感剤として蛍光増白剤を含み、かつ、該感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが0.1〜50mJ/cmである。
前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後の前後において変化させない光の最小エネルギーとしては、0.1〜50mJ/cmである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.3〜30mJ/cmが好ましく、0.5〜20mJ/cmがより好ましく、1〜10mJ/cmが特に好ましい。
前記最小エネルギーが、0.1mJ/cm未満であると、処理工程にてカブリが発生することがあり、50mJ/cmを超えると、露光に必要な時間が長くなり、処理スピードが遅くなることがある。
ここで、「該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギー」とは、いわゆる現像感度であり、例えば、前記感光層を露光したときの前記露光に用いた光のエネルギー量(露光量)と、前記露光に続く前記現像処理により生成した前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)から求めることができる。
前記硬化層の厚みは、前記露光量が増えるに従い増加していき、その後、前記露光前の前記感光層の厚みと略同一かつ略一定となる。前記現像感度は、前記硬化層の厚みが略一定となったときの最小露光量を読み取ることにより求められる値である。
ここで、前記硬化層の厚みと前記露光前の前記感光層の厚みとの差が±10%以内であるとき、前記硬化層の厚みが露光・現像により変化していないとみなす。
前記硬化層及び前記露光前の前記感光層の厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、膜厚測定装置、表面粗さ測定機(例えば、サーフコム1400D(東京精密社製))などを用いて測定する方法が挙げられる。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体は、感光層から剥離せず、該支持体を介して感光層に対して露光を行うものであってもよいが、例えば、カラーフィルター作製用のパターン形成材料の場合などは、前記感光層から支持体を剥離した後、該感光に対して露光を行う。
なお、前記支持体を剥離した後、感光層に対して露光を行う場合には、前記支持体のヘイズ値や全光線透過率は、特に制限はなく、いずれであってもよい。
これに対して、前記支持体を剥離せず、該支持体を介して感光層に対して露光を行う場合には、前記支持体のヘイズ値としては、5.0%以下であるのが好ましい。前記支持体のヘイズ値は、405nmの光に対するヘイズ値が5.0%以下であることが好ましく、4.0%以下であることがより好ましく、3.0%以下であることが特に好ましい。前記ヘイズ値が5.0%を超えると、前記感光層内の光散乱量が増加し、ファインピッチを求める際の解像性が低下することがある。
また、この場合、前記支持体の405nmの光に対する全光線透過率が86%以上であることが好ましく、87%以上であることがより好ましい。
前記ヘイズ値及び全光線透過率の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、以下に説明する方法が挙げられる。
まず、(1)全光線透過率を測定する。前記全光線透過率の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、積分球と、405nmの光を照射可能な分光光度計(例えば、島津製作所社製、UV−2400)とを用いて測定する方法が挙げられる。(2)前記全光線透過率の測定方法において、前記積分球を使用しない以外は前記全光線透過率の測定方法と同様にして平行光線透過率を測定する。次に、(3)次計算式、前記全光線透過率−前記平行光線透過率、から求められる拡散光透過率を計算し、(4)次計算式、前記拡散光透過率/前記全光線透過率×100、から前記ヘイズ値を求めることができる。
前記全光線透過率及び前記ヘイズ値を求める場合の波長は405nmであり、その際の測定サンプルの厚みは16μmである。
前記支持体は、少なくとも片面に不活性微粒子が塗布されていてもよい。前記不活性微粒子は、前記感光層が形成される面と反対の面に塗布されていることが好ましい。
前記不活性微粒子としては、例えば、架橋ポリマー粒子;炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子;ヘキサメチレンビスベヘンアミド、ヘキサメチレンビスステアリルアミド、N,N’−ジステアリルテレフタルアミド、シリコーン、シュウ酸カルシウム等の有機粒子;ポリエステル重合時に生成させる析出粒子などが挙げられ、これらの中でもシリカ、炭酸カルシウム、ヘキサメチレンビスベヘンアミドが好ましい。
前記析出粒子とは、例えば、エステル交換触媒としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物を用いた系を常法により重合させることにより反応系内に析出するものを言い、エステル交換反応又は重縮合反応時にテレフタル酸を添加することにより析出させたものでもよい。前記エステル交換反応又は重縮合反応においては、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、酸性リン酸エチル、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル等のリン化合物の1種以上を存在させてもよい。
前記不活性微粒子の平均粒子径としては、0.01〜2.0μmが好ましく、0.02〜1.5μmがより好ましく、0.03〜1.0μmがさらに好ましく、0.04〜0.5μmが特に好ましい。
前記不活性微粒子の平均粒子径が、0.01μm未満であると、前記パターン形成材料の搬送性が悪化することがあり、搬送性を得るために前記不活性微粒子を多量に含有させることによって、前記支持体のヘイズ値が上昇することがある。また、前記不活性微粒子の平均粒子径が2.0μmを超えると、露光光の散乱によって解像度が低下することがある。
前記不活性微粒子の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記支持体となる合成樹脂製フィルム製造後に公知の方法で前記不活性微粒子を含有する塗布液を塗布する方法が挙げられる。また、前記不活性微粒子を含有させた合成樹脂を溶融し、ダイから吐出して前記支持体となる合成樹脂製フィルム上に成形してもよい。さらに、特開2000−221688号公報に記載の方法により形成してもよい。
前記支持体における前記不活性微粒子を含有する塗布層の厚みは、0.02〜3.0μmが好ましく、0.03〜2.0μmがより好ましく、0.04〜1.0μmが特に好ましい。
前記支持体となる合成樹脂製フィルムは、透明であるものが好ましく、例えば、ポリエステル樹脂製フィルムが好ましく、二軸延伸ポリエステルフィルムであることが特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレン−2,6−ナフタレート等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステル樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系樹脂、ナイロン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記合成樹脂製フィルムは1層からなるものであってもよく、2層以上の層からなるものであってもよい。2層以上の層からなる場合、感光層から最も遠くに位置する層に前記不活性微粒子を含有させることが好ましい。
また、前記合成樹脂製フィルムは、機械的強度特性及び光学的特性の観点から二軸延伸ポリエステルフィルムであることが好ましい。
前記二軸延伸ポリエステルフィルムの二軸配向方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記ポリエステル樹脂をシート状に溶融押出し、急冷して未延伸フィルムをつくり、該未延伸フィルムを二軸延伸する際に延伸温度を85〜145℃、縦方向及び横方向の延伸倍率を2.6〜4.0倍とし、必要に応じて二軸延伸した後のフィルムを150〜210℃で熱固定することにより調製することができる。
前記二軸延伸は、未延伸フィルムを縦方向又は横方向に延伸して一軸延伸フィルムとし、次いで該一軸延伸フィルムを横方向又は縦方向に延伸することによる逐次二軸延伸法であってもよく、該未延伸フィルムを縦方向及び横方向に同時に延伸する同時二軸延伸法であってもよい。また、前記二軸延伸フィルムは必要に応じて縦方向及び横方向の少なくともいずれかの方向に更に延伸することができる。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2〜150μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、8〜50μmが特に好ましい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの長さのものが挙げられる。
<クッション層>
前記クッション層としては、後述の基体上に、パターン形成材料が積層されてなる積層体形成時の積層条件下において軟化し、前記感光層に凹凸追従性を提供する層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱可塑性樹脂を含むものが好ましく、該軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂を含むものがより好ましい。また、前記クッション層としては、厚みが3〜50μmであることが好ましい。
前記クッション層は、アルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性であってもよく、不溶性であってもよい。
前記クッション層がアルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体などが挙げられる。
この場合の熱可塑性樹脂の軟化点(Vicat)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、80℃以下が好ましい。
前記軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂としては、上述した熱可塑性樹脂の他、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による軟化点が約80℃以下の有機高分子の内、アルカリ性液に可溶なものが挙げられる。また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質においても、該有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して実質的な軟化点を80℃以下に下げることも可能である。
また、前記クッション層がアルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性である場合には、前記パターン形成材料の層間接着力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各層の層間接着力の中で、前記支持体と前記クッション層との間の層間接着力が、最も小さいことが好ましい。このような層間接着力とすることにより、前記積層体から前記支持体のみを剥離し、前記クッション層を介して前記感光層を露光した後、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することができる。また、前記支持体を残したまま、前記感光層を露光した後、前記積層体から前記支持体のみを剥離し、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することもできる。
前記層間接着力の調整方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記熱可塑性樹脂中に公知のポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤などを添加する方法が挙げられる。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等のアルコール類やエステル類;トルエンスルホンアミド等のアミド類、などが挙げられる。
前記クッション層がアルカリ性液に対して不溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、主成分がエチレンを必須の共重合成分とする共重合体が挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などが挙げられる。
前記クッション層がアルカリ性液に対して不溶性である場合には、前記パターン形成材料の層間接着力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各層の層間接着力の中で、前記感光層と前記クッション層との接着力が、最も小さいことが好ましい。このような層間接着力とすることにより、前記積層体から前記支持体及びクッション層を剥離し、前記感光層を露光した後、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することができる。また、前記支持体を残したまま、前記感光層を露光した後、前記積層体から前記支持体と前記クッション層を剥離し、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することもできる。
前記層間接着力の調整方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記熱可塑性樹脂中に各種のポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤などを添加する方法、以下に説明するエチレン共重合比を調整する方法などが挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体におけるエチレン共重合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、60〜90質量%が好ましく、60〜80質量%がより好ましく、65〜80質量%が特に好ましい。
前記エチレンの共重合比が、60質量%未満になると、前記クッション層と前記感光層との層間接着力が高くなり、該クッション層と該感光層との界面で剥離することが困難となることがあり、90質量%を超えると、前記クッション層と前記感光層との層間接着力が小さくなりすぎるため、該クッション層と該感光層との間で非常に剥離しやすく、前記クッション層を含むパターン形成材料の製造が困難となることがある。
前記クッション層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3〜50μmが好ましく、5〜50μmがより好ましく、10〜40μmが特に好ましい。
前記厚みが、3μm未満になると、基体の表面における凹凸や、気泡等への凹凸追従性が低下し、高精細な永久パターンを形成できないことがあり、50μmを超えると、製造上の乾燥負荷増大等の不具合が生じることがある。
<感光層>
前記感光層は、増感剤として蛍光増白剤を含み、バインダー、重合性化合物及び光重合開始剤を含み、さらに必要に応じて適宜選択したその他の成分を含んでいてもよい。
−増感剤−
本発明のパターン形成材料は、前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該現像の前後において変化させない前記光の最小エネルギー(感度)を向上させる観点から、前記増感剤を併用することが特に好ましい。前記増感剤を併用することにより、例えば、前記感光層の感度を0.1〜50mJ/cmに極めて容易に調整することもできる。
「蛍光性白化剤」(“fluorescent whitening agent”)としても知られる前記蛍光増白剤は、紫外〜短波可視である300〜450nm付近の波長を有する光を吸収可能であり、かつ400〜500nm付近の波長を有する蛍光を発光可能な無色ないし弱く着色した化合物である。蛍光増白剤の物理的原理およびおよび化学性の記述は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Sixth Edition,Electronic Release,Wiley−VCH 1998に示されている。基本的には、適する蛍光増白剤は炭素環式または複素環式核を含んでなるπ−電子系を含有する。
前記増感剤としては、蛍光増白剤であれば特に制限はなく、前記光照射手段(例えば、可視光線や紫外光・可視光レーザ等)に合わせて適宜選択することができる。
前記光照射手段として380〜420nmのレーザに合わせると、前記増感剤の極大吸収波長が500nm以下であることが好ましく、480nm以下であることがより好ましく、450nm以下であることが特に好ましい。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記蛍光増白剤としては、非イオン性核を有する化合物が好ましい。前記非イオン性核としては、例えば、、スチルベン核、ジスチリルベンゼン核、ジスチリルビフェニル核、ジビニルスチルベン核、フェニルピラゾリン核、及びスチリルピラゾリン核から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記非イオン性核を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ピラゾリン類、トリアジン類、スチルベン類、ジスチリルベンゼン類、ジスチリルビフェニル類、ジビニルスチルベン類、トリアジニルアミノスチルベン類、スチルベニルトリアゾール類、スチルベニルナフトトリアゾール類、ビス−トリアゾールスチルベン類、ベンゾキサゾール類、ビスフェニルベンゾキサゾール類、スチルベニルベンゾキサゾール類、ビス−ベンゾキサゾール類、フラン類、ベンゾフラン類、ビス−ベンズイミダゾール類、ジフェニルピラゾリン類、ジフェニルオキサジアゾール類、ナフタルイミド類、キサンテン類、カルボスチリル類、ピレン類および1,3,5−トリアジニル−誘導体などが挙げられる。これらの中でも、スチリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基から選択される少なくとも1種を有するものが好ましく、更にジスチリルベンゼン類、ジスチリルビフェニル類、又はエテニル基、芳香環基、複素環基からなる2価の連結基で連結されたビスベンゾオキサゾール類、ビスベンゾチアゾール類、などが特に好ましい。
また、前記蛍光増白剤は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルチオエチルチオエチル基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数30以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホスホノ基、などが挙げられる。
前記のそれぞれの代表的な蛍光増白剤の例は、例えば大河原編「色素ハンドブック」、講談社、84〜145頁、432〜439頁に記載されているものを挙げることができる。
前記トリアジン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、エチレンビスメラミン、プロピレン−1,3−ビスメラミン、N,N’−ジシクロヘキシルエチレンビスメラミン、N,N’−ジメチルエチレンビスメラミン、N,N’−ビス[4,6−ジ−(ジメチルアミノ)−1,3,5−トリアジニル]エチレンジアミン、N,N’−ビス(4,6−ジピペリジノ−1,3,5−トリアジニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス[4,6−ジ−(ジメチルアミノ)−1,3,5−トリアジニル]−N,N’−ジメチルエチレンジアミン、などが挙げられる。代表的な蛍光増白剤の例を下記構造式(1)〜(7)に挙げる。
より具体的には、本発明では、下記のいずれかの部分構造を有する蛍光増白剤が使用に適する。
上記の式中、Xは下記の基の1つであり、下記式中の*は上記の式中の結合の位置を示す。
ここで、上記式の各々における1個もしくはそれ以上の核は下記基により置換されていてもよい。この置換基としては、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルチオエチルチオエチル基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数30以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホスホノ基、などが挙げられる。
前記蛍光増白剤は、有機溶媒、水、アルカリ水溶液に溶解しうる化合物が好ましい。また、有機溶媒、水、アルカリ水溶液に分散、乳化しうる化合物であってもよい。前記蛍光増白剤は、単一化合物として、又は数種の物質の混合物として使用することができる。
前記蛍光増白剤の中でも、以下の部分構造を有するものが特に好ましいが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
上記式中、
a)R1=Me,R2〜R5=H;または
b)R2〜R4=OMe,R1=R5=H;または
c)R1=CN,R2〜R5=H;または
d)R3=CN,R1=R2=R4=R5=H
を表す。
上記式中、R1〜R4=H,R5=OMe
を表す。
上記式中、
a)R1〜R10=H;または
b)R1,R2,R4〜R10=H,R3=OMe;または
c)R1,R2,R4〜R7,R9,R10=H,R3,R8=OMe
を表す。
上記式中、
a)R1=R3=H,R2=SO3Ph;または
b)R1=H,R2=CN,R3=Cl
を表す。
上記式中、
a)R1=tBu,R2=H,R3=Ph;または
b)R1=Me,R2=H,R3=COOMe;または
c)R1=H,R2=H,R3=2−(4−メチル−オキサ−3,3−ジアゾール)
を表す。
上記式中、
a)X=4,4’−スチルベンジイル,R1=R2=H;または
b)X=2,5−チオフェンジイル,R1=R2=tBu;または
c)X=1,4−ナフタレンジイル,R1=R2=H;または
d)X=1,1−エテンジイル,R1=R2=Me
を表す。
上記式中、R1=R2=NEt2
を表す。
上記式中、
a)R1=R2=H,R3=SO2NH2;または
b)R1=R2=H,R3=SO2CH2CH2OCH2CH2NMe2;または
c)R1=R2=H,R3=SO2CH2CH2OCH(CH3)CH2NMe2;または
d)R1=R2=H,R3=SO2CH3;または
e)R1=R2=H,R3=SO2CH2CH2OH
を表す。
上記式中、
a)R1〜R=H、R〜R10=H、R11
;または
b)R1〜R=H、R〜R10=H、R11
;または
c)R1=R=H、R=R=H、R〜R10=H、R=t−Bu、R11
;または
d)R1=R=H、R=R=H、R〜R10=H、R=t−Bu、R11
;または
e)R1=R=H、R=R=H、R〜R10=H、R=OCH、R11
;または
f)R1=R=R=H、R=R=OCH、R〜R10=H、R11
;または
g)R1=R=H、R=R=H、R=R=H、R=R10=H、R=t−Bu、R=OCH、R11
上記式中、
a)R1〜R=H,R〜R10=H、R11
;または
b)R1〜R=H、R〜R10=H、R11
;または
c)R1=R=H、R=R=H、R〜R10=H、R=t−Bu、R11
;または
d)R1=R=H、R=R=H、R〜R10=H、R=t−Bu、R11
;または
e)R1=R=H、R=R=H、R〜R10=H、R=OCH、R11
;または
f)R1=R=R=H、R=R=OCH、R〜R10=H、R11
;または
g)R1=R=H、R=R=H、R=R=H、R=R10=H、R=t−Bu、R=OCH、R11
上記式中、
a)R1=H,R2=OMe,R3=Me;または
b)R1=R2=OEt,R3=Me
を表す。
上記式中、
a)R1=Me,R2=Me,R3=H;または
b)R1=R2=Me,R3=OCOMe
を表す。
上記式中、
a)X=1,2−エテンジイル,R1=Me;または
b)X=4,4’−スチルベンジイル,R1=Me
を表す。
上記式中、R1=Ph,R2=NEt2,R3=Etを表す。
上記式中、R1=R2=OMeを表す。
本発明に用いる前記蛍光増白剤としては、下記構造式(8)又は構造式(9)で表される化合物の少なくとも1種を含有したものを用いてもよい。該蛍光増白剤は、分光増感色素であり、ラジカル又はカチオンを発生し得る化合物(ラジカル又はカチオン発生剤)を分光増感する機能を有している。従って、該分光増感色素の吸収に対応した可視〜赤外光を照射すると、この領域に吸収を有しないラジカル又はカチオン発生剤を含有する場合であっても、該発生剤からのラジカルやカチオンの発生を促進することができる。
上記構造式(8)及び構造式(9)中、R1〜R12は夫々独立に水素原子、置換基を有してもよい飽和又は不飽和のアルキル基、アラルキル基、アリール基、飽和又は不飽和のアルキルオキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、飽和又は不飽和のアルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ハロゲン原子を表す。R1〜R12は更に不飽和の含窒素複素環基を表し、環内窒素原子がベンゼン環と結合する。またR1〜R12の基は、各々隣接する基と共に飽和乃至不飽和の環を形成してもよい。X、Y、Zは夫々独立に酸素原子、硫黄原子又は一置換窒素原子を表す。P及びL1〜L3は、置換基を有してもよい芳香環又は複素芳香環からなる2価の連結基を表す。Qは1,3,5−ベンゼントリイル基又は窒素原子を表す。nは1以上の整数を表す。a、b、cは0及び1以上の整数を表すが、Qが窒素原子のときは、1以上の整数を表す。
1〜R12が表す前記飽和アルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基が挙げられ、炭素数としては1〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。このようなアルキル基の例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、2−エチルへキシル基、シクロヘキシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
1〜R12が表す前記アルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルチオエチルチオエチル基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基などが挙げられる。
炭素数30以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホスホノ基、複素環基等が挙げられる。ここで、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、ホスホノ基は、塩の状態であってもよい。
1〜R12が表す不飽和のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルケニル基が挙げられ、該アルケニル基の炭素原子数は、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましい。また、該アルケニル基は、置換基を有する置換アルケニル基、無置換のアルケニル基のいずれであってもよく、置換アルケニル基のアルケニル部分の炭素原子数の好ましい範囲は上記アルケニル基の場合と同様である。置換アルケニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
更に、R1〜R12が表す不飽和のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキニル基が挙げられ、該アルキニル基の炭素原子数は、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましい。また、該アルキニル基は、置換基を有する置換アルキニル基、無置換のアルキニル基のいずれであってもよく、置換アルキニル基のアルキニル部分の炭素原子数の好ましい範囲は上記アルキニル基の場合と同様である。置換アルキニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
1〜R12が表す前記アラルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアラルキル基が挙げられ、炭素数としては7〜30が好ましく、7〜20がより好ましい。具体例としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。また、該アラルキル基は、置換基を有する置換アラルキル基、無置換のアラルキル基のいずれであってもよい。
1〜R12が表す前記アリール基としては、炭素数6〜30が好ましく、6〜20がより好ましい。このようなアリール基の例として、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
1〜R12が表す前記飽和アルキルオキシ基としては、炭素数1〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。このようなアルキルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、2−エチルへキシルオキシ基、フェノキシエトキシ基等が挙げられる。また、不飽和アルキルオキシ基としては、アルケニルオキシ基及びアルキニルオキシ基が挙げられ、該アルケニル基及びアルキニル基は前述の不飽和アルキル基のものと同義である。
1〜R12が表す前記アラルキルオキシ基としては、炭素数7〜12が好ましく、7〜10がより好ましい。このようなアラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等が挙げられる。
1〜R12が表す前記アリールオキシ基としては、炭素数6〜30が好ましく、6〜20がより好ましい。このようなアリールオキシ基の例として、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、α−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
1〜R12が表す前記飽和アルキルチオ基としては、炭素数1〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。このようなアルキルチオ基の例として、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ブチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基等が挙げられる。また、不飽和アルキルチオ基としては、アルケニルチオ基及びアルキニルチオ基が挙げられ、該アルケニル基及びアルキニル基は前述の不飽和アルキル基のものと同義である。
1〜R12が表す前記アラルキルチオ基としては、炭素数7〜30が好ましく、7〜20がより好ましい。このようなアラルキルチオ基の例として、ベンジルチオ基、フェネチルチオ基等が挙げられる。
1〜R12が表す前記アリールチオ基としては、炭素数6〜30が好ましく、6〜20がより好ましい。このようなアリールチオ基の例として、フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、α−ナフチルチオ基等が挙げられる。
1〜R12が表す前記ジアルキルアミノ基は、前述したアルキル基の任意の2つが置換したアミノ基であり、炭素数は1〜30が好ましい。このようなジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジデシルアミノ基等が挙げられる。
1〜R12が表す前記ジアリールアミノ基は、前述したアリール基の任意の2つが置換したアミノ基であり、炭素数は6〜30が好ましい。このようなジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジキシリルアミノ基、ジ−α−ナフチルアミノ基、ジ−β−ナフチルアミノ基等が挙げられる。
1〜R12が表す前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
1〜R12は更に不飽和の含窒素複素環基を表し、環内窒素原子がベンゼン環と結合する。該含窒素複素環は、置換基を有していてもよい5〜7員の不飽和の含窒素複素環基であり、具体例を下記に示す。尚、含窒素複素環の置換位置は、前記構造式(8)及び構造式(9)中のR2、R3、R6、R7、R10、R11のいずれかの位置が好ましい。また、好ましい置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基が挙げられる。
また、R1〜R12の基は、各々隣接する基と共に飽和乃至不飽和の環を形成してもよい。このような飽和乃至不飽和の環としては、例えばテトラヒドロキノリン環、ジュロリジン環等が挙げられる。
X、Y、Zが表す前記一置換窒素原子は、アルキル基又はアリール基が置換した窒素原子であり、該窒素原子上のアルキル基及びアリール基は、R1〜R12で表される前記アルキル基及びアリール基と同義である。
P及びL1〜L3が表す置換基を有してもよい2価の芳香環基としては、下記に示す2価芳香環基が挙げられる。
上記構造式の中でも、特に下記に示す2価芳香環基が好ましい。
また、P及びL1〜L3が表す置換基を有してもよい2価の複素芳香環基としては、下記に示す2価複素芳香環基が挙げられる。
上記構造式の中でも、特に下記に示す2価複素芳香環基が好ましい。
ここで、上述の式中のR13、R15及びR16は低級アルキル基を表し、R14は前述のR1〜R12で表される基と同義である。
nは1以上の整数を表し、特に1、2、3が好ましい。また、nが2以上の整数を表すときは、前記Pは芳香環と複素芳香環の組み合わせでもよい。a、b、cが1以上の整数を表すときは、L1〜L3が表す置換基は各々異なっていてもよい。
以下に、前記構造式(8)又は構造式(9)で表される化合物の具体例(例示化合物No.1〜57)を示すが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
前記増感剤としては、前記蛍光増白剤以外にも、更に、公知の増感剤を添加することができ、例えば、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン(例えば、2−クロロ−10−ブチルアクリドン等)など)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等があげられ、他に特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号等の各公報に記載のクマリン化合物など)、及びチオキサントン化合物(チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルオキシチオキサントン、QuantacureQTX等)などが挙げられる。これらの中でも、芳香族環や複素環が縮環した化合物(縮環系化合物)、少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物が好ましい。
前記縮環系化合物の中でも、ヘテロ縮環系ケトン化合物(アクリドン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物等)、及びアクリジン系化合物がより好ましい。前記ヘテロ縮環系ケトン化合物の中でも、アクリドン化合物及びチオキサントン化合物が特に好ましい。
前記少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物は、330〜450nmの波長域の光に対して吸収極大を有する増感剤であることが好ましく、例えば、ジ置換アミノベンゾフェノン系化合物、ベンゼン環上のアミノ基に対し、パラ位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物、ベンゼン環上のアミノ基に対し、パラ位の炭素原子にスルホニルイミノ基を含む置換基を有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物、及びカルボスチリル骨格を形成したジ置換アミノ−ベンゼン系化合物、並びに、少なくとも2個の芳香族環が窒素原子に結合した構造を有する化合物等のジ置換アミノ−ベンゼンを部分構造として有する化合物が挙げられる。
〔ジ置換アミノベンゾフェノン系化合物〕
前記ジ置換アミノベンゾフェノン系化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(I)中、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、脂肪族基及び芳香族基のいずれかを表し、R、R、R、R、及びR〜R12は、それぞれ独立して、水素原子及び一価の置換基のいずれかを表す。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、それぞれ独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。
なお、前記一般式(I)中、前記脂肪族基は、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、前記芳香族基は、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基、複素環(ヘテロ環)基を表し、前記1価の置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアミノ基、アルコキシカルボニル基、水酸基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。
前記芳香族基としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基を挙げることができ、中でも、フェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
また、これらの芳香族基は置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基が挙げられる。例えば、後述のアルキル基、置換アルキル基、又は置換アルキル基における置換基として示したものなどを挙げることができる。
また、前記複素環(ヘテロ環)基としては、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基、ベンゾピロール環基、ベンゾフラン環基、ベンゾチオフェン環基、ピラゾール環基、イソキサゾール環基、イソチアゾール環基、インダゾール環基、ベンゾイソキサゾール環基、ベンゾイソチアゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、フタラジン環基、キナゾリン環基、キノキサリン環基、アシリジン環基、フェナントリジン環基、カルバゾール環基、プリン環基、ピラン環基、ピペリジン環基、ピペラジン環基、モルホリン環基、インドール環基、インドリジン環基、クロメン環基、シンノリン環基、アクリジン環基、フェノチアジン環基、テトラゾール環基、トリアジン環基等が挙げられ、中でも、フラン環基、チオフェン環基、イミダゾール環基、チアゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、インドール環基、アクリジン環基が特に好ましい。
また、これらの複素環基は置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、水素原子を除く1価の非金属原子団からなる基が挙げられる。例えば、後述のアルキル基、置換アルキル基、又は置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。
前記1価の置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアミノ基、アルコキシカルボニル基、水酸基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましい。
また、前記非金属原子からなる1価の置換基としては、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましい。
前記置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
前記置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、水素原子を除く一価の非金属原子からなる置換基が挙げられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィイナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)およびその共役塩基基(ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))「alkyl=アルキル基、以下同」、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))「aryl=アリール基、以下同」、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、シリル基等が挙げられる。
これらの置換基におけるアルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、前記置換基におけるアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基等が挙げられる。
また、前記置換基におけるアルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、前記置換基におけるアルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
前記置換基におけるヘテロ環基としては、例えば、ピリジル基、ピペリジニル基、などが挙げられる。
前記置換基におけるシリル基としてはトリメチルシリル基等が挙げられる。
前記置換基にはアシル基(R01CO−)を含んでいてもよく、該アシル基としては、該R01が、例えば、水素原子、上記のアルキル基、アリール基のものなどが挙げられる。
アシル基(R01CO−)のR01としては、水素原子、並びに前記アルキル基、アリール基を挙げることができる。これらの置換基の内、さらにより好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスホノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。このような置換基とアルキレン基を組み合わせることで得られる置換アルキル基の、好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、s−ブトキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、ピリジルメチル基、テトラメチルピペリジニルメチル基、N−アセチルテトラメチルピペリジニルメチル基、トリメチルシリルメチル基、メトキシエチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等が挙げられる。
前記アリール基としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
前記置換アリール基としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。
前記置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基等を挙げることができる。
前記アルケニル基、前記置換アルケニル基、前記アルキニル基、及び前記置換アルキニル基(−C(R02)=C(R03)(R04)、及び−C≡C(R05))としては、R02、R03、R04、R05が一価の非金属原子からなる基のものが使用できる。
02、R03、R04、R05としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基が好ましく、これらの具体例としては、前述の例として示したものを挙げることができる。これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1から10までの直鎖状、分岐状、環状のアルキル基がより好ましい。
具体的には、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−エテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、置換アルキル基の置換基として例示したピリジル基等が挙げられる。
上記置換オキシ基(R06O−)としては、R06が水素原子を除く一価の非金属原子からなる基であるものを用いることができる。好ましい置換オキシ基としては、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、ならびにアリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基ならびに、アリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。また、アシルオキシ基におけるアシル基(R07CO−)としては、R07が、先の例として挙げたアルキル基、置換アルキル基、アリール基ならびに置換アリール基のものを挙げることができる。これらの置換基の中では、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、アリールスルホキシ基がより好ましい。好ましい置換オキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基等が挙げられる。
アミド基も含む置換アミノ基(R08NH−、(R09)(R010)N−)としては、R08、R09、R010が水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。なおR09とR010とは結合して環を形成してもよい。置換アミノ基の好ましい例としては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N’−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができ、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基おけるアシル基(R07CO−)のR07は前述のとおりである。これらの内、より好ましいものとしては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、アシルアミノ基が挙げられる。好ましい置換アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、フェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられる。
置換スルホニル基(R011−SO2−)としては、R011が一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。より好ましい例としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。このような、置換スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、クロロフェニルスルホニル基等が挙げられる。
スルホナト基(−SO )は前述のとおり、スルホ基(−SOH)の共役塩基陰イオン基を意味し、通常は対陽イオンとともに使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
置換カルボニル基(R013−CO−)としては、R013が一価の非金属原子からなる基のものを使用できる。置換カルボニル基の好ましい例としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N’−アリールカルバモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい置換カルボニル基としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基が挙げられ、さらにより好ましいものとしては、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基ならびにアリーロキシカルボニル基が挙げられる。好ましい置換カルボニル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ジメチルアミノフェニルエテニルカルボニル基、メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基等が挙げられる。
置換スルフィニル基(R014−SO−)としてはR014が一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。好ましい例としては、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい例としてはアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基が挙げられる。このような置換スルフィニル基の具体例としては、ヘキシルスルフィニル基、ベンジルスルフィニル基、トリルスルフィニル基等が挙げられる。
置換ホスホノ基とはホスホノ基上の水酸基の一つもしくは二つが他の有機オキソ基によって置換されたものを意味し、好ましい例としては、前述のジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、アルキルアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、モノアリールホスホノ基が挙げられる。これらの中ではジアルキルホスホノ基、ならびにジアリールホスホノ基がより好ましい。このような具体例としては、ジエチルホスホノ基、ジブチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基等が挙げられる。
ホスホナト基(−PO 、−PO)とは前述のとおり、ホスホノ基(−PO)の、酸第一解離もしくは、酸第二解離に由来する共役塩基陰イオン基を意味する。通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
置換ホスホナト基とは前述の置換ホスホノ基の内、水酸基を一つ有機オキソ基に置換したものの共役塩基陰イオン基であり、具体例としては、前述のモノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))の共役塩基が挙げられる。
前記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び、下記に示す構造式で表される化合物等が挙げられる。
−ジ置換アミノ−ベンゼン系化合物<1>−
前記ベンゼン環上のアミノ基に対し、パラ位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物としては、前記複素環基が、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子を含む5員環又は6員環であるものが好ましく、縮合ベンゼン環を有する5員環がより好ましく、例えば、下記一般式(II)で表される化合物が挙げられる。
ただし、前記一般式(II)中、R21及びR22は、それぞれ独立して、脂肪族基及び芳香族基のいずれかを表し、R23〜R30は、それぞれ独立して、水素原子及び1価の置換基のいずれかを表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチレン基、イミノ基、及び脂肪族基若しくは芳香族基が置換したイミノ基のいずれかを表す。R21とR22、R21とR23、及びR22とR24は、それぞれ独立して、含窒素複素環を形成していてもよく、複素環に縮合するベンゼン環は置換基を有していてもよい。
なお、前記一般式(II)中、前記脂肪族基、前記芳香族基、及び前記1価の置換基としては、上述の一般式(I)における例として示したものを挙げることができる。
前記一般式(II)で表される化合物の具体例としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔4,5〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔6,7〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、及び、下記に示す構造式で表される化合物等が挙げられる。
一方、ベンゼン環上のアミノ基に対してパラ位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物の中でも、前記一般式(II)で表される化合物以外の化合物としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。
−ジ置換アミノ−ベンゼン系化合物<2>−
前記ベンゼン環上のアミノ基に対し、パラ位の炭素原子にスルホニルイミノ基を含む置換基を有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物としては、例えば、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(III)中、R31及びR32は、それぞれ独立して、脂肪族基及び芳香族基のいずれかを表し、R33〜R37は、それぞれ独立して、水素原子及び一価の置換基のいずれかを表し、R38は、一価の置換基を表す。R31とR32、R31とR33、及びR32とR34は、それぞれ独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。
なお、前記一般式(III)中、前記脂肪族基、前記芳香族基、及び前記1価の置換基としては、上述の一般式(I)における例として示したものを挙げることができる。
前記一般式(III)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記に示す構造式で表される化合物等が挙げられる。
前記一般式(I)〜(III)で表される前記増感剤の中でも、前記一般式(I)及び(III)で表される化合物が好ましい。
また、前記増感剤としては、下記一般式(IV)〜(VI)で表される少なくとも2個の芳香族環が窒素原子に結合した構造を有する化合物等がより好ましい。
ただし、前記一般式(IV)〜(VI)中、環A〜Gは、それぞれ独立に芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかを基本骨格とするものであり、環Aと環B、環Dと環E、環Fと環Gは互いに結合してNを含む結合環を形成していても良い。
前記一般式(V)中、連結基Lは、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかを含む連結基を表し、連結基LとNとは、該芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで結合しており、nは2以上の整数を表す。
前記一般式(VI)中、Rは、置換基を有していても良いアルキル基を表す。
なお、環A〜G及び連結基Lは、置換基を有していても良く、これらの置換基同士が互いに結合して環を形成していても良い。
前記一般式(IV)〜(VI)において、環A〜Gで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、アズレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、及びインデン環などが挙げられ、これらの中でもベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
また、環A〜Gで表される芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、チアジゾール環、オキサジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環などが挙げられ、これらの中でもフラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、オキサゾール環、チアゾール環が好ましく、フラン環、チオフェン環、ピロール環がより好ましい。
また、環A、環B、環D、環E、環F、環G、及び連結基Lに含まれる環は互いに結合してNを含む縮合環を結合していても良く、この場合、各環が結合するN原子を含むカルバゾール環を形成する例が挙げられる。カルバゾール環を形成する場合は、A〜Gの環のいずれかが例外的に環構造ではなく、任意の置換基であっても良いが、その場合の該置換基としては、置換基を有していても良いアルキル基が好ましい。
環A〜Gはいずれも任意の箇所に任意の置換基を有していても良く、これらの置換基同士が互いに結合して環を形成していても良い。
前記一般式(V)において、連結基Lは、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかを1個乃至2個以上含む連結基であり、Nは、該連結基Lの芳香族炭化水素環又は芳香族複素環と直接結合している。
連結基Lに含まれる芳香族炭化水素環、芳香族複素環としては、環A〜Gの芳香族炭化水素環、芳香族複素環として例示したものと同様のものが挙げられる。
連結基Lに含まれる芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
また、連結基Lに含まれる芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、オキサゾール環、チアゾール環、チアジゾール環、オキサジアゾール環が好ましく、フラン環、チオフェン環、ピロール環がより好ましい。
連結基Lが、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかを2個以上含む場合、これらの環は直接連結していても良く、また、2価以上の連結基(なお、この連結基は、2価以上の基に限らず、2価以上の原子を含む)を介して結合しても良い。この場合、2価以上の連結基としては公知のものが挙げられ、例えば、下記式(a)で表されるアルキレン基、下記式(b)で表されるアセチレン基、アミン基、O原子、S原子、ケトン基、チオケトン基、−C(=O)O−、アミド基、Se、Te、P、As、Sb、Bi、Si、Bなどの金属原子、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基(不飽和複素環基)、非芳香族複素環基(飽和複素環基)、及びこれらの任意の組み合わせなどが挙げられる。
ただし、前記式(a)及び(b)中、mは、1以上の整数を表す。
連結基Lに含まれる芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかの間に挟まれ得る連結基としては、下記式(a)で表されるアルキレン基、下記式(b)で表されるアセチレン基、アミン基、O原子、S原子、ケトン基、−C(=O)O−、アミド基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、−C=N−、−C=N−N=、飽和もしくは不飽和の複素環基が好ましく、炭素数が1〜3のアルキレン基、−OCHO−、−OCHCHO−、−O−、ケトン基、ベンゼン環基、フラン環基、チオフェン環基、ピロール環基がより好ましい。
また、前記一般式(V)において、nは、2〜5であることが好ましい。
連結基Lにおいては、芳香族炭化水素環あるいは芳香族複素環と不飽和連結基の組み合せの調整により、350〜430nmの波長域に吸収極大および適度な吸収をもたせることが望ましい。
連結基Lに含まれる環、環同士を連結する連結基は任意の箇所に任意の置換基を有していても良く、これらの置換基が互いに連結して環を形成していても良い。
環A〜G及び連結基Lが有し得る任意の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;水酸基;ニトロ基;シアノ基;1価の有機基などが挙げられ、1価の有機基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、tert−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜18のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜18のシクロアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、アミルオキシ基、tert−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、アミルチオ基、tert−アミルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、tert−オクチルチオ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキルチオ基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜18のアラルキル基;ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ヘキセニルオキシ基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニルオキシ基;ビニルチオ基、プロペニルチオ基、ヘキセニルチオ基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニルチオ基;−COR51で表されるアシル基;カルボキシル基;−OCOR52で表されるアシルオキシ基;−NR5354で表されるアミノ基;−NHCOR55で表されるアシルアミノ基;−NHCOOR56で表されるカーバメート基;−CONR5758で表されるカルバモイル基;−COOR59で表されるカルボン酸エステル基;−SONR6061で表されるスルファモイル基;−SO62で表されるスルホン酸エステル基;−C=NR63で表される基;−C=N−NR6465で表される基;2−チエニル基、2−ピリジル基、フリル基、オキサゾリル基、ベンゾキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、ピロリジニル基、テトラヒドロチオフェンジオキサイド基等の飽和もしくは不飽和の複素環基などが挙げられる。
なお、R51〜R65は、それぞれ独立に水素原子、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いアルケニル基、置換されていても良いアリール基、又は置換されていても良いアラルキル基を表す。これらの置換基群において、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アラルキル基、アルケニルオキシ基、及びアルケニルチオ基は、更に置換基で置換されていても良い。
これらの置換基の、環A〜G、連結基Lにおける置換位置には特に制限はなく、また、複数の置換基を有する場合、これらは同種のものであっても良く、異なるものであっても良い。
環A〜G、連結基Lは、無置換であるか、或いは、置換基としてハロゲン原子、シアノ基、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いシクロアルキル基、置換されていても良いアルケニル基、置換されていても良いアルコキシ基、置換されていても良いアリール基、置換されていても良いアラルキル基、置換されていても良いアルケニルオキシ基、置換されていても良いアルケニルチオ基、置換されていても良いアミノ基、置換されていても良いアシル基、カルボキシル基、−C=NR63で表される基、−C=N−NR6465で表される基、飽和もしくは不飽和の複素環基で置換されていることが好ましい。置換基を有する場合の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いシクロアルキル基、置換されていても良いアルケニル基、置換されていても良いアルコキシ基、置換されていても良いアリール基、置換されていても良いアラルキル基、置換されていても良いアミノ基、−C=NR63で表される基、−C=N−NR6465で表される基、飽和もしくは不飽和の複素環基が好ましい。
環A〜G、及び連結基Lが有し得る上記の任意の置換基が、更に任意の置換基で置換されている場合、該置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基;メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、エトキシメトキシメトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基等の炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜12のアリール基(これらは置換基で更に置換されていても良い。);フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等の炭素数2〜12のアルケニルオキシ基;アセチル基、プロピオニル基などのアシル基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシル基;テトラヒドロフリル基;アミノ基;N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等の炭素数1〜10のアルキルアミノ基;メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、iso−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、iso−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基などの炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニル基;等が好ましい。
前記一般式(IV)〜(VI)で表される増感剤は、390〜430nmの波長域に適度な吸収を有し、330〜450nmの波長域に吸収極大をもつことが好ましく、350〜430nmの波長域に吸収極大をもつことがより好ましい。そのために、分子中に4個以上の芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかを有することが好ましく、5個以上の芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかを有することがより好ましい。
前記一般式(IV)〜(VI)で表される化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
ただし、前記式(IV−l)中、R71、R72、R73は、それぞれ独立に、以下の基のいずれかを表す。
ただし、前記式(V−g)において、結合位置は、末端の2つのフェニル基、又は末端の2つのトリル基のうちのいずれか2つのベンゼン環上である。
ただし、前記式(V−j)において、R81、R82、R83は、それぞれ独立に、以下の基のいずれかを表す。
前記光重合開始剤と前記増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
前記感光層における前記増感剤の含有量としては、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.05質量%未満となると、活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性が低下することがあり、30質量%を超えると、前記感光層から保存時に析出することがある。
−バインダー−
前記バインダーとしては、例えば、アルカリ性液に対して膨潤性であることが好ましく、アルカリ性液に対して可溶性であることがより好ましい。
アルカリ性液に対して膨潤性又は溶解性を示すバインダーとしては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。
前記酸性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、これらの中でもカルボキシル基が好ましい。
カルボキシル基を有するバインダーとしては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中でも、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さ等の観点からカルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。また、現像性の観点から、スチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかの共重合体も好ましい。
前記カルボキシル基を有するビニル共重合体は、少なくとも(1)カルボキシル基を有するビニルモノマー、及び(2)これらと共重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。
前記カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有する単量体(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)と環状無水物(例えば、無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物)との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記その他の共重合可能なモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類(例えば、スチレン、スチレン誘導体等)、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(2―アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2―アクリロイルオキシエチルエステル)、官能基(例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基)を有するビニルモノマーなどが挙げられ、これらの中でもスチレン類が好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
前記マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマル酸ジエステル類としては、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジエステル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、t-Boc等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
前記官能基を有するビニルモノマーの合成方法としては、例えば、イソシアナート基と水酸基又はアミノ基の付加反応が挙げられ、具体的には、イソシアナート基を有するモノマーと、水酸基を1個含有する化合物又は1級若しくは2級アミノ基を1個有する化合物との付加反応、水酸基を有するモノマー又は1級若しくは2級アミノ基を有するモノマーと、モノイソシアネートとの付加反応が挙げられる。
前記イソシアナート基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(11)〜(13)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(11)〜(13)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
前記モノイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、トルイルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。
前記水酸基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(14)〜(22)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(14)〜(22)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは1以上の整数を表す。
前記水酸基を1個含有する化合物としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i―プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−オクタデカノール、シクロペンタノール、シクロへキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、ナフトール等)、更に置換基を含むものとして、フロロエタノール、トリフロロエタノール、メトキシエタノール、フェノキシエタノール、クロロフェノール、ジクロロフェノール、メトキシフェノール、アセトキシフェノール等が挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、ビニルベンジルアミンなどが挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を1個含有する化合物としては、例えば、アルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i―プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン)、環状アルキルアミン(シクロペンチルアミン、シクロへキシルアミン等)、アラルキルアミン(ベンジルアミン、フェネチルアミン等)、アリールアミン(アニリン、トルイルアミン、キシリルアミン、ナフチルアミン等)、更にこれらの組合せ(N−メチル−N−ベンジルアミン等)、更に置換基を含むアミン(トリフロロエチルアミン、ヘキサフロロイソプロピルアミン、メトキシアニリン、メトキシプロピルアミン等)などが挙げられる。
また、上記以外の前記その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ヒドロキシスチレンなどが好適に挙げられる。
前記その他の共重合可能なモノマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル共重合体は、それぞれ相当するモノマーを公知の方法により常法に従って共重合させることで調製することができる。例えば、前記モノマーを適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用することにより調製することができる。また、水性媒体中に前記モノマーを分散させた状態でいわゆる乳化重合等で重合を利用することにより調製することができる。
前記溶液重合法で用いられる適当な溶媒としては、特に制限はなく、使用するモノマー、及び生成する共重合体の溶解性等に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩などが挙げられる。
前記ビニル共重合体におけるカルボキシル基を有する重合性化合物の含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜35モル%が特に好ましい。
前記含有率が、5モル%未満であると、アルカリ水への現像性が不足することがあり、50モル%を超えると、硬化部(画像部)の現像液耐性が不足することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、質量平均分子量として、2,000〜300,000が好ましく、4,000〜150,000がより好ましい。
前記質量平均分子量が、2,000未満であると、膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になることがあり、300,000を超えると、現像性が低下することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記バインダーを2種以上併用する場合としては、例えば、異なる共重合成分からなる2種以上のバインダー、異なる質量平均分子量の2種以上のバインダー、異なる分散度の2種以上のバインダー、などの組合せが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、そのカルボキシル基の一部又は全部が塩基性物質で中和されていてもよい。また、前記バインダーは、さらにポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の構造の異なる樹脂を併用してもよい。
また、前記バインダーとしては、特許2873889号等に記載のアルカリ性液に可溶な樹脂などを用いることができる。
前記感光層における前記バインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
前記含有量が10質量%未満であると、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下することがあり、90質量%を超えると、現像時間に対する安定性や、硬化膜(テント膜)の強度が低下することがある。なお、前記含有量は、前記バインダーと必要に応じて併用される高分子結合剤との合計の含有量であってもよい。
前記バインダーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、70〜250mgKOH/gが好ましく、90〜200mgKOH/gがより好ましく、100〜180mgKOH/gが特に好ましい。
前記酸価が、70mgKOH/g未満であると、現像性が不足したり、解像性が劣り、配線パターン等の永久パターンを高精細に得ることができないことがあり、250mgKOH/gを超えると、パターンの耐現像液性及び密着性の少なくともいずれかが悪化し、配線パターン等の永久パターンを高精細に得ることができないことがある。
また、前記バインダーとしては、更に、I/O値が0.30〜0.70であるのが好ましい。また、バインダーのI/O値が、0.32〜0.65であるのがより好ましく、バインターI/O値が、0.35〜0.60であるのが特に好ましい。前記バインダーI/O値が、0.30未満であると、現像性が低下することがあり、0.70超であると、解像度や密着性が低下することがある。
また、前記バインダーが共重合体を含み、該共重合体が、スチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかに由来する構造単位を有することが好ましい。
前記I/O値は、(無機性値)/(有機性値)とも呼ばれる各種有機化合物の極性を有機概念的に取り扱った値であり、各官能基にパラメータを設定する官能基寄与法の一つである。前記I/O値としては、詳しくは、有機概念図(甲田善生 著、三共出版(1984));KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725項(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111項(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82項(1981年);などの文献に詳細に説明されている。
前記I/O値の概念は、化合物の性質を、共有結合性を表わす有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、すべての有機化合物を有機軸と無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけて示すものである。
前記無機性値とは、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取ると約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて、各種置換基或いは各種結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性値である。例えば、−COOH基の無機性値は150であり、2重結合の無機性値は2である。従って、ある種の有機化合物の無機性値とは、該化合物が有している各種置換基や結合等の無機性値の総和を意味する。
前記有機性値とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準にして定めたものである。即ち、直鎖飽和炭化水素化合物の炭素数5〜10付近での炭素1個加わることによる沸点上昇の平均値は20℃であるから、これを基準に、炭素原子1個の有機性値を20と定め、これを基礎として、各種置換基や結合等の沸点への影響力を数値化した値が有機性値である。例えば、ニトロ基(−NO)の有機性値は70である。
前記I/O値は、0に近いほど非極性(疎水性、有機性の大きな)の有機化合物であることを示し、大きいほど極性(親水性、無機性の大きな)の有機化合物であることを示す。
以下において前記I/O値の計算方法の一例を説明する。
メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン共重合体(共重合体組成(モル比):2/5/3)のI/O値は、該共重合体の無機性値及び有機性値を以下の方法により計算し、次式、(前記共重合体の無機性値)/(前記共重合体の有機性値)、を計算することにより求められる。
前記共重合体の無機性値は、(前記メタクリル酸の無機性値)×(前記メタクリル酸のモル比)と、(前記メタクリル酸メチルの無機性値)×(前記メタクリル酸メチルのモル比)と、(前記スチレンの無機性値)×(前記スチレンのモル比)との合計を求めることにより計算される。
前記メタクリル酸は、カルボキシル基を1個有し、前記メタクリル酸メチルは、エステル基を1個有し、前記スチレンは、芳香環を1個有するため、
前記メタクリル酸の無機性値は、150(カルボキシル基の無機性値)×1(カルボキシル基の個数)=150、
前記メタクリル酸メチルの無機性値は、60(エステル基の無機性値)×1(エステル基の個数)=60、
前記スチレンの無機性値は、15(芳香環の無機性値)×1(芳香環の個数)=15、である。
よって、前記共重合体の無機性値は、次式、150×2(メタクリル酸のモル比)+60×5(メタクリル酸メチルのモル比)+15×3(スチレンのモル比)、を計算することにより、645であることが計算される。
前記共重合体の有機性値は、(前記メタクリル酸の有機性値)×(前記メタクリル酸のモル比)と、(前記メタクリル酸メチルの有機性値)×(前記メタクリル酸メチルのモル比)と、(前記スチレンの有機性値)×(前記スチレンのモル比)との合計を求めることにより計算される。
前記メタクリル酸は、炭素原子4個を有し、前記メタクリル酸メチルは、炭素原子5個を有し、前記スチレンは、炭素原子8個を有するため、
前記メタクリル酸の有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×4(炭素原子数)=80、
前記メタクリル酸メチルの有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×5(炭素原子数)=100、
前記スチレンの有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×8(炭素原子数)=160、である。
よって、前記共重合体の有機性値は、次式、80×2(前記メタクリル酸のモル比)+100×5(前記メタクリル酸メチルのモル比)+160×3(前記スチレンのモル比)、を計算することにより、1,140であることが計算される。
よって、前記共重合体のI/O値は、645(前記共重合体の無機性値)/1,140(前記共重合体の有機性値)、0.566であることが判る。
前記I/O値が0.30〜0.70であるバインダーとしては、例えば、共重合体を含み、該共重合体がスチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかに由来する構造単位を有するのが好ましい。また、前記スチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかに由来する構造単位の他に、共重合する成分の組合せとしては、例えば、少なくとも(メタ)アクリル酸及びアルキル(メタ)アクリレートを含む組合せ、(メタ)アクリル酸とアルキル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートを含む組合せ、(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含む組合せなどがより好ましい。
前記アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基としては、メチル基、エチル基が特に好ましい。
前記I/O値が0.30〜0.70である前記バインダーとしては、例えば、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/8/30/37)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):23/8/15/54)メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/16/35/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/39/11)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/45/5)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/10/45/20)、メタクリル酸/シクロヘキシルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/70/5)、メタクリル酸/シクロヘキシルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):23/70/7)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/60/15)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/50/25)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):23/60/17)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/70/5)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/80)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/72)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/68)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/65/10)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):30/61/9)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/60/11)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/47/24)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/22/40/13)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/47/9)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/18/50/3)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/15/40/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/15/35/25)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):31/64/5)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/15/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/46/2)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/50/6)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/36/12)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/13/38/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/5/31/35)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/29/46)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/53/27)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/19/52)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):30/13/57)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/13/59)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/8/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/31/40)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/41/34)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/56/24)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/25/45)、及びメタクリル酸/メチルスチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)などが挙げられる。
これらの中でもメタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/8/30/37)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/16/35/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/39/11)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/45/5)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/60/15)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/70/5)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/80)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/72)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/68)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/65/10)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):30/61/9)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/60/11)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/22/40/13)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/47/9)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/18/50/3)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):31/64/5)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/15/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/46/2)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/50/6)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/36/12)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/13/38/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/29/46)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/53/27)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/19/52)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):30/13/57)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/13/59)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/8/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/31/40)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/41/34)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/25/45)、及びメタクリル酸/メチルスチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)が好ましい。
更に、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/16/35/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/45/5)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/70/5)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/68)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):30/61/9)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/60/11)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/47/9)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/18/50/3)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):31/64/5)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/46/2)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/50/6)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/29/46)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/53/27)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/19/52)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):30/13/57)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/13/59)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/8/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/31/40)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/41/34)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/25/45)、及びメタクリル酸/メチルスチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):30/15/55)が特に好ましい。
−重合性化合物−
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、プロピレンオキシド基を有する化合物、エチレンオキシド基を有する化合物、ウレタン基を有する化合物、及びアリール基を有する化合物の少なくともいずれかが好適に挙げられ、現像時のスカムの発生を抑制することができる点でプロピレンオキシド基を有する化合物がより好ましい。
また、前記重合性化合物は、プロピレンオキシド基を有する化合物、ウレタン基を有する化合物、及びアリール基を有する化合物の3種を併用することが好ましく、更にはその他の重合性化合物と併用してもよい。
また、前記重合性化合物は、例えば、重合性基を1個以上有するのが好ましく、2個以上有するのがより好ましい。
前記重合性基としては、例えば、(メタ)アクリレート基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、脂環式エーテル基(例えば、エポキシ基、オキセタン基等)などが挙げられ、これらの中でも、(メタ)アクリレート基が好ましい。
−−プロピレンオキシド基を有する化合物−−
前記プロピレンオキシド基を有する化合物としては、〔−CH(CH)CHO−〕を構成単位とするポリマー基であるプロピレンオキシド基(n−プロピレンオキシド基、イソプロピレンオキシド基)を有する限り、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。
前記プロピレンオキシド基を有する化合物を使用することにより、現像後の現像液中に含まれる粒状物の粗大化を抑制することができ、また、表面張力を低く抑えることができる。
−−エチレンオキシド基を有する化合物−−
前記エチレンオキシド基を有する化合物としては、〔−CHCHO−〕を構成単位とするポリマー基であるエチレンオキシド基を有する限り、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。
−−プロピレンオキシド基及びエチレンオキシド基を有する化合物−−
前記プロピレンオキシド基をX、前記エチレンオキシド基をXとした場合、前記重合性基と、前記Xと、前記Xとのの連結の組合せとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、重合性基−(X−、重合性基−(X−(X−、重合性基−(X−(X−、などが挙げられる。前記連結の先には、更に有機基を有していてもよい。また、前記重合性基が2個以上である場合には、該重合性基は互いに隣接していてもよく、2価の有機基を介して連結されていてもよい。
前記2価の有機基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)又はこれらを組み合わせた基(例えば、ウレタン基、エステル基、ウレイド基、アミド基等)などが好適に挙げられ、これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、又は前記これらを組み合わせた基(例えば、ウレタン基、エステル基、ウレイド基、アミド基等)が好ましい。
前記重合性化合物としては、例えば、下記構造式(23)で表される化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等)、ポリアルキレングリコールジアクリレート(例えば、ポリプロピレングリコールジアクリレート等)、ポリアルキレンオキシド基変性ウレタンジ(メタ)アクリレート(例えば、ポリプロピレンオキシド基変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン及びプロピレンオキシド基変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等)などが挙げられる。
前記構造式(23)中、Rは互いに同一であっても、異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、EOはエチレングリコール鎖を表し、POはプロピレングリコール鎖を表し、m及びmはそれぞれ0〜30の整数を表し、n及びnはそれぞれ1〜30の整数を表す。
前記構造式(23)で表される2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリプロピレングリコールジアクリレートとしては、例えば、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ペンタプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレングリコールジアクリレート、ヘプタプロピレングリコールジアクリレート、オクタプロピレングリコールジアクリレート、ノナプロピレングリコールジアクリレート、デカプロピレングリコールジアクリレート、ウンデカプロピレングリコールジアクリレート、ドデカプロピレングリコールジアクリレート、トリデカプロピレングリコールジアクリレート、テトラデカプロピレングリコールジアクリレート、ペンタデカプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサデカプロピレングリコールジアクリレート、ヘプタデカプロピレングリコールジアクリレート、オクタデカプロピレングリコールジアクリレート、ノナデカプロピレングリコールジアクリレート、エイコサプロピレングリコールジアクリレートなどが挙げられ、これらの中でもプロピレングリコール単位を分子内に2〜14個有するものが好ましい。
また、前記重合性化合物としては、下記構造式(24)〜(26)で表される化合物も好適に挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記構造式(24)中、Rは互いに同一であっても、異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、EOはエチレングリコール鎖を表し、POはプロピレングリコール鎖を表し、m、m及びnはそれぞれ1〜30の整数を表す。
前記構造式(25)中、Rは互いに同一であっても、異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、EOはエチレングリコール鎖を表し、POはプロピレングリコール鎖を表し、m、n及びnはそれぞれ1〜30の整数を表す。
前記構造式(26)中、Rは互いに同一であっても、異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、EOはエチレングリコール鎖を表し、POはプロピレングリコール鎖を表し、m、及びnはそれぞれ1〜30の整数を表す。
前記構造式(23)、構造式(24)、構造式(25)及び構造式(26)における炭素数1〜3のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
前記構造式(23)、構造式(24)、構造式(25)及び構造式(26)におけるエチレングリコール鎖の総数(m+m、m、m及びm+m)はそれぞれ1〜30の整数であり、1〜10の整数であることが好ましく、4〜9の整数であることが好ましく、5〜8の整数であることが特に好ましい。この整数が30を超えると、テント信頼性及びレジスト形状が悪化する傾向がある。
前記構造式(23)、構造式(24)、構造式(25)及び構造式(26)におけるプロピレングリコール鎖の総数(n、n+n、n及びn+n)はそれぞれ1〜30の整数であり、5〜20の整数であることが好ましく、8〜16の整数であることが好ましく、10〜14の整数であることが特に好ましい。この整数が30を超えると、解像度が悪化し、現像後の現像液にスカムが発生する傾向がある。
前記重合性化合物の例としては、グリシジル基を有する化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)−アクリロイルオキシエチル−o−フタレートなども挙げられる。また、前述の構造式(15)、(18)、(20)及び、これらを原料としたウレタンモノマーなども挙げられる。
−−ウレタン基を有する化合物−−
前記ウレタン基を有する化合物としては、ウレタン基を有する限り、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特公昭48−41708、特開昭51−37193、特公平5−50737、特公平7−7208、特開2001−154346、特開2001−356476号公報等に記載されている化合物などが挙げられ、例えば、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と分子中に水酸基を有するビニルモノマーとの付加物などが挙げられる。
前記分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート等のジイソシアネート;該ジイソシアネートを更に2官能アルコールとの重付加物(この場合も両末端はイソシアネート基);該ジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート等の3量体;該ジイソシアネート若しくはジイソシアネート類と、トリメチロールプロパン、ペンタエリスルトール、グリセリン等の多官能アルコール、又はこれらのエチレンオキシド付加物等の得られる他官能アルコールとの付加体などが挙げられる。
前記分子中に水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体(ランダム、ブロック等)などの異なるアルキレンオキシド部を有するジオール体の片末端(メタ)アクリレート体などが挙げられる。
また、前記ウレタン基を有する化合物としては、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレート環を有する化合物が挙げられる。これらの中でも、下記構造式(27)、又は構造式(28)で表される化合物が好ましく、テント性の観点から、下記構造式(28)で示される化合物を少なくとも含むことが特に好ましい。また、これらの化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(27)及び構造式(28)中、R〜Rは、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。X〜Xは、アルキレンオキシドを表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキシド基としては、例えば、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、ブチレンオキシド基、ペンチレンオキシド基、ヘキシレンオキシド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、ブチレンオキシド基、又はこれらの組み合わせた基が好ましく、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基がより好ましい。
前記構造式(27)及び構造式(28)中、m1〜m3は、1〜60の整数を表し、2〜30が好ましく、4〜15がより好ましい。
前記構造式(27)及び構造式(28)中、Y及びYは、炭素原子数2〜30の2価の有機基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)又はこれらを組み合わせた基などが好適に挙げられ、これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基が好ましい。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、トリメチルヘキシレン基、シクロへキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基、又は下記に示すいずれかの基などが好適に挙げられる。
前記アリーレン基としては、炭化水素基で置換されていてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ジフェニレン基、ナフチレン基、又は下記に示す基などが好適に挙げられる。
前記これらを組み合わせた基としては、例えば、キシリレン基などが挙げられる。
前記アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基としては、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記構造式(27)及び構造式(28)中、nは3〜6の整数を表し、重合性モノマーを合成するための原料供給性などの観点から、3、4又は6が好ましい。
前記構造式(27)及び構造式(28)中、Zはn価(3価〜6価)の連結基を表し、例えば、下記に示すいずれかの基などが挙げられる。
但し、Xはアルキレンオキシドを表す。m4は、1〜20の整数を表す。nは、3〜6の整数を表す。Aは、n価(3価〜6価)の有機基を表す。
前記Aとしては、例えば、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、又はスルホニル基とを組み合わせた基が好ましく、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、酸素原子とを組み合わせた基がより好ましく、n価の脂肪族基、n価の脂肪族基とアルキレン基、酸素原子とを組み合わせた基が特に好ましい。
前記Aの炭素原子数としては、例えば、1〜100の整数が好ましく、1〜50の整数がより好ましく、3〜30の整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基としては、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記脂肪族基の炭素原子数としては、例えば、1〜30の整数が好ましく、1〜20の整数がより好ましく、3〜10の整数が特に好ましい。
前記芳香族基の炭素原子数としては、6〜100の整数が好ましく、6〜50の整数がより好ましく、6〜30の整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基、又は芳香族基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記アルキレン基の炭素原子数としては、例えば、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記アリーレン基は、炭化水素基で更に置換されていてもよい。
前記アリーレン基の炭素原子数としては、6〜18の整数が好ましく、6〜10の整数がより好ましい。
前記置換イミノ基の1価の炭化水素基の炭素原子数としては、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記Aの好ましい例は以下の通りである。
前記構造式(27)及び構造式(28)で表される化合物としては、例えば下記構造式(29)〜(51)で表される化合物などが挙げられる。
但し、前記構造式(29)〜(51)中、n、n1、n2及びmは、1〜60を意味し、lは、1〜20を意味し、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
−−アリール基を有する化合物−−
前記アリール基を有する化合物としては、アリール基を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物及び多価アミノアルコール化合物の少なくともいずれかと不飽和カルボン酸とのエステル又はアミドなどが挙げられる。
前記アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物、及び多価アミノアルコール化合物としては、例えば、ポリスチレンオキシド、キシリレンジオール、ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2、2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシエチルレゾルシノール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、2,3,5,6−テトラメチル−p−キシレン−α,α’−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ブタンジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,1’−ビ−2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、1,1’−メチレン−ジ−2−ナフトール、1,2,4−ベンゼントリオール、ビフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、カテコール、4−クロルレゾルシノール、ハイドロキノン、ヒドロキシベンジルアルコール、メチルハイドロキノン、メチレン−2,4,6−トリヒドロキシベンゾエート、フロログリシノール、ピロガロール、レゾルシノール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホンなどが挙げられる。また、この他、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、ノボラック型エポキシ樹脂やビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジル化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、フタル酸やトリメリット酸などと分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物、フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ベンゼンジスルホン酸ジアリル、重合性モノマーとしてカチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ビスフェノールAジビニルエーテル)、エポキシ化合物(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、ビニルエステル類(例えば、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート等)、スチレン化合物(例えば、ジビニルベンゼン、p−アリルスチレン、p−イソプロペンスチレン等)が挙げられる。これらの中でも下記構造式(52)で表される化合物が好ましい。
前記構造式(52)中、R4、Rは、水素原子又はアルキル基を表す。
前記構造式(52)中、X及びXは、アルキレンオキシド基を表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。該アルキレンオキシド基としては、例えば、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、ブチレンオキシド基、ペンチレンオキシド基、ヘキシレンオキシド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)、などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、ブチレンオキシド基、又はこれらを組み合わせた基が好ましく、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基がより好ましい。
前記構造式(52)中、m5、m6は、1〜60の整数が好ましく、2〜30の整数がより好ましく、4〜15の整数が特に好ましい。
前記構造式(52)中、Tは、2価の連結基を表し、例えば、メチレン、エチレン、MeCMe、CFCCF、CO、SOなどが挙げられる。
前記構造式(52)中、Ar、Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表し、例えば、フェニレン、ナフチレンなどが挙げられる。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
前記アリール基を有する化合物の具体例としては、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換しさせたエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン等)、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換させたエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン等)、又はこれらの化合物のポリエーテル部位として同一分子中にポリエチレンオキシド骨格とポリプロピレンオキシド骨格の両方を含む化合物(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物等、又は、市販品として、新中村化学工業社製、BPE−200、BPE−500、BPE−1000)、ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物などが挙げられる。なお、これらは、ビスフェノールA骨格に由来する部分をビスフェノールF又はビスフェノールS等に変更した化合物であってもよい。
前記ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物としては、例えば、ビスフェノールとエチレンオキシド又はプロピレンオキシド等の付加物、重付加物として得られる末端に水酸基を有する化合物にイソシアネート基と重合性基とを有する化合物(例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、α、α−ジメチル−ビニルベンジルイソシアネート等)などが挙げられる。
−−その他の重合性化合物−−
前記感光層には、前記パターン形成材料としての特性を悪化させない範囲で、前記プロピレンオキシド基、エチレンオキシド基、ウレタン基、及びアリール基以外の官能基を有する重合性化合物を併用してもよい。
前記その他の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜18であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2から18であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,5−ベンタンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物等)、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの少なくともいずれかを付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、キシレノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類の中でも、その入手の容易さ等の観点から、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステルなどが好ましい。
前記イタコン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネートなどが挙げられる。
前記クロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートなどが挙げられる。
前記イソクロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネートなどが挙げられる。
前記マレイン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレートなどが挙げられる。
前記多価アミン化合物と前記不飽和カルボン酸類から誘導されるアミドとしては、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、オクタメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミンビス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
また、上記以外にも、前記重合性モノマーとして、例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレートやポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー類、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなど)と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマー、アリルエステル(例えば、フタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、ジアリルアミド(例えば、ジアリルアセトアミド等)、カチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル等)、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等)、オキセタン類(例えば、1,4−ビス〔(3−エチルー3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン等)、エポキシ化合物、オキセタン類(例えば、WO01/22165号公報に記載の化合物)、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレート等の異なったエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物などが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペートなどが挙げられる。
これらの多官能モノマー又はオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記その他の重合性モノマーは、必要に応じて、分子内に重合性基を1個含有する重合性化合物(単官能モノマー)を併用してもよい。
前記単官能モノマーとしては、例えば、前記バインダーの原料として例示した化合物、特開平6−236031号公報に記載されている2塩基のモノ((メタ)アクリロイルオキシアルキルエステル)モノ(ハロヒドロキシアルキルエステル)等の単官能モノマー(例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート等)、特許2744643号公報、WO00/52529号パンフレット、特許2548016号公報等に記載の化合物が挙げられる。
前記感光層における重合性化合物の含有量としては、例えば、5〜90質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
前記含有量が、5質量%となると、テント膜の強度が低下することがあり、90質量%を超えると、保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が悪化することがある。
また、重合性化合物中における前記重合性基を2個以上有する多官能モノマーの含有量としては、5〜100質量%が好ましく、20〜100質量%がより好ましく、40〜100質量%が特に好ましい。
−光重合開始剤−
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、メタロセン類などが挙げられる。これらの中でも、感光層の感度、保存性、及び感光層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から、トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、オキシム誘導体、ケトン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が好ましい。
前記ヘキサアリールビイミダゾールとしては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−フロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(4−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(4−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−トリフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、WO00/52529号公報に記載の化合物などが挙げられる。
前記ビイミダゾール類は、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan,33,565(1960)、及びJ.Org.Chem,36(16)2262(1971)に開示されている方法により容易に合成することができる。
トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物等が挙げられる。
前記若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物としては、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記英国特許1388492号明細書記載の化合物としては、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭53−133428号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記独国特許3337024号明細書記載の化合物としては、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシスチリル)フェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物としては、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭62−58241号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−トリルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシフェニル)エチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−イソプロピルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−エチルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−281728号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−34920号公報記載化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、更に2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
前記米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロメメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール等)などが挙げられる。
本発明で好適に用いられるオキシム誘導体としては、例えば、下記構造式(53)〜(86)で表される化合物が挙げられる。
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシー2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
前記メタロセン類としては、例えば、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η−シクロペンタジエニル−η−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等)、N−フェニルグリシン等、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5-19475号、特開平7-271028号、特開2002-363206号、特開2002-363207号、特開2002-363208号、特開2002-363209号公報等に記載のクマリン化合物など)、アミン類(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(4−ジメチルアミノベンゾエート)、3−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル、ペンタメチレンエステル、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(4−ジメチルアミノベンゾイル)アセテート、4−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−4−トルイジン、N,N−ジエチル−3−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、4−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、アミノフルオラン類(ODB,ODBII等)、クリスタルバイオレットラクトン、ロイコクリスタルバイオレット等)、アシルホスフィンオキシド類(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキシド、LucirinTPOなど)などが挙げられる。
更に、米国特許第2367660号明細書に記載されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、特開2002−229194号公報に記載の有機ホウ素化合物、ラジカル発生剤、トリアリールスルホニウム塩(例えば、ヘキサフロロアンチモンやヘキサフロロホスフェートとの塩)、ホスホニウム塩化合物(例えば、(フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム塩等)(カチオン重合開始剤として有効)、WO01/71428号公報記載のオニウム塩化合物などが挙げられる。
前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の組合せとしては、例えば、米国特許第3549367号明細書に記載のヘキサアリールビイミダゾールと4−アミノケトン類との組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物の組合せ、また、芳香族ケトン化合物(例えば、チオキサントン等)と水素供与体(例えば、ジアルキルアミノ含有化合物、フェノール化合物等)の組合せ、ヘキサアリールビイミダゾールとチタノセンとの組合せ、クマリン類とチタノセンとフェニルグリシン類との組合せなどが挙げられる。
前記感光層における光重合開始剤の含有量としては、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、0.5〜15質量%が特に好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、可塑剤、発色剤、着色剤などが挙げられ、更に基体表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、顔料、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、表面張力調整剤、連鎖移動剤等)を併用してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、目的とするパターン形成材料の安定性、写真性、焼きだし性、膜物性等の性質を調整することができる。
−重合禁止剤−
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記重合禁止剤は、前記露光により前記光重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割をはたす。
前記重合禁止剤としては、孤立電子対を有する化合物(例えば、酸素、窒素、硫黄、金属等を有する化合物)、パイ電子を有する化合物(例えば、芳香族化合物)などが挙げられ、具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物、イミノ基を有する化合物、ニトロ基を有する化合物、ニトロソ基を有する化合物、芳香環を有する化合物、複素環を有する化合物、金属原子を有する化合物(有機化合物との錯体を含む)などが挙げられる。これらの中でも、フェノール性水酸基を有する化合物、イミノ基を有する化合物、芳香環を有する化合物、複素環を有する化合物が好ましい。
前記フェノール性水酸基を有する化合物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物が好ましい。該フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物において、少なくとも2個のフェノール性水酸基は、同一の芳香環に置換されていてもよく、同一分子内における異なる芳香環に置換されているもよい。
前記フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物は、例えば、下記構造式(10)で表される化合物がより好ましい。
前記構造式(10)中、Zは、置換基を表し、mは、2以上の整数を表す。nは0以上の整数を表す。該m及びnは、m+n=6となるように選ばれる整数が好ましい。また、nが2以上の整数である場合、前記Xは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
前記mが2未満となると、解像度が悪化することがある。
前記置換基としては、例えば、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル基、オクチルスルホニルアミノカルボニル基)、アリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、トルエンスルホニルアミノカルボニル基)、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基、アセチルアミノスルホニル基、ピバロイルアミノスルホニル基)、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアリールチオ基、アルキルチオ基(例えば、フェニルチオ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ドデシルチオ基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、ステアリルオキシカルボニルオキシ基、フェノキシエトキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、クロロフェノキシカルボニルオキシ基)、炭素数30以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、トルフルオロメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ドデシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、ナフタレンスルホニル基、ピリジンスルホニル基、キノリンスルホニル基)、炭素数30以下のアリール基(例えばフェニル基、ジクロロフェニル基、トルイル基、メトキシフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、t−オクチルフェニル基、ナフチル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ホスホノ基(例えば、ホスホノ基、ジエチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基)、複素環式基(例えば、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、テトラヒドロフルフリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、イソキノリル基、チアジアゾリル基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、インドリル基、イソインドリル基、チオモルホリノ基)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、ジメチルウレイド基、フェニルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、ジプロピルスルファモイルアミノ基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、エトキシカルボニルアミノ基等)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、シリル基(例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ基等)等が挙げられる。
前記構造式(10)で表される化合物としては、例えば、アルキルカテコール(例えば、カテコール、レゾルシノール、1,4−ヒドロキノン、2−メチルカテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−エチルカテコール、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−プロピルカテコール、3−プロピルカテコール、4−プロピルカテコール、2−n−ブチルカテコール、3−n−ブチルカテコール、4−n−ブチルカテコール、2−tert−ブチルカテコール、3−tert−ブチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−di−tert−ブチルカテコール等)、アルキルレゾルシノール(例えば、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、2−プロピルレゾルシノール、4−プロピルレゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、4−n−ブチルレゾルシノール、2−tert−ブチルレゾルシノール、4−tert−ブチルレゾルシノール等)、アルキルヒドロキノン(例えば、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−di−tert−ブチルヒドロキノン等)、ピロガロール、フロログルシンなどが挙げられる。
また、前記フェノール性水酸基を有する化合物は、例えば、前記フェノール性水酸基を少なくとも1個有する芳香環が互いに2価の連結基で連結された化合物も好ましい。
前記2価の連結基としては、例えば、1〜30個の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、SO、SO等を有する基が挙げられる。前記硫黄原子、酸素原子、SO、及びSOは、直接結合していてもよい。
前記炭素原子及び酸素原子は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、上述した前記構造式(10)におけるZが挙げられる。
また、前記芳香環は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、上述した前記構造式(10)におけるZが挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールM、感熱紙に顕色剤として用いられる公知のビスフェノール化合物、特開2003−305945号公報に記載のビスフェノール化合物、酸化防止剤として用いられるヒンダードフェノール化合物などが挙げられる。また、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、サリチル酸メチル、ジエチルアミノフェノール等の置換基を有するモノフェノール化合物なども挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の市販品としては、本州化学社製のビスフェノール化合物が挙げられる。
前記イミノ基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、分子量が50以上のものが好ましく、分子量が70以上のものがより好ましい。
前記イミノ基を有する化合物は、イミノ基で置換された環状構造を有することが好ましい。該環状構造としては、芳香環及び複素環の少なくともいずれかが縮合しているものが好ましく、芳香環が縮合しているものがより好ましい。また、前記環状構造では、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を有していてもよい。
前記イミノ基を有する化合物の具体例としては、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ヒドロキノリン、又は、これらの化合物を上述した前記構造式(10)におけるZで置換した化合物が挙げられる。
前記イミノ基で置換された環状構造を有する化合物としては、ヒンダードアミンを一部に有するヒンダードアミン誘導体が好ましい。
前記ヒンダードアミンとしては、例えば、特開2003−246138号公報に記載のヒンダードアミンが挙げられる。
前記ニトロ基を有する化合物又は前記ニトロソ基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、分子量が50以上のものが好ましく、分子量が70以上のものがより好ましい。
前記ニトロ基を有する化合物又は前記ニトロソ基を有する化合物の具体例としては、ニトロベンゼン、ニトロソ化合物とアルミニウムとのキレート化合物等が挙げられる。
前記芳香環を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記芳香環が孤立電子対を有する置換基(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する置換基)で置換されているものが好ましい。
前記芳香環を有する化合物の具体例としては、例えば、上述のフェノール性水酸基を有する化合物、上述のイミノ基を有する化合物、アニリン骨格を一部に有する化合物(例えば、メチレンブルー、クリスタルバイオレット等)が挙げられる。
前記複素環を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、該複素環が、窒素、酸素、硫黄等の孤立電子対を有する原子を有するものが好ましい。
前記複素環を有する化合物の具体例としては、ピリジン、キノリンなどが挙げられる。
前記金属原子を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記金属原子としては、前記重合開始剤から発生したラジカルと親和性を有する金属原子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。
前記重合禁止剤の中でも、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物、イミノ基で置換された芳香環を有する化合物、イミノ基で置換された複素環を有する化合物が好ましく、イミノ基が環状構造の一部を構成している化合物、ヒンダードアミン化合物が特に好ましい。具体的には、カテコール、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒンダードアミン、又はこれらの誘導体が好ましい。
前記重合禁止剤は、一般に市販の重合性化合物中に微量に含まれているが、本発明においては、解像度を向上させる観点から、市販の前記重合性化合物中に含まれる重合禁止剤とは別に上述の重合禁止剤を含ませるものである。よって、前記重合禁止剤は、安定性付与のために市販の前記重合性化合物中に含まれる4−メトキシフェノール等のモノフェノール系化合物を除いた化合物が好ましい。
なお、前記重合禁止剤は、パターン形成材料の製造工程において、感光性樹脂組成物溶液に予め添加してもよい。
前記重合禁止剤の含有量としては、前記感光層の前記重合性化合物に対して0.005〜0.5質量%が好ましく、0.01〜0.4質量%がより好ましく、0.02〜0.2質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.005質量%未満であると、解像度が低下することがあり、0.5質量%を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下することがある。
なお、前記重合禁止剤の含有量は、安定性付与のために市販の前記重合性化合物中に含まれる4−メトキシフェノール等のモノフェノール系化合物を除いた含有量を表す。
−−可塑剤−−
前記可塑剤は、前記感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。
前記可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
前記可塑剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%が特に好ましい。
−−発色剤−−
前記発色剤は、露光後の前記感光層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加してもよい。
前記発色剤としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレット)、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−〔4−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(4−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(2−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(4−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−4−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−2−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもつていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)が挙げられ、これらの中でも、ロイコクリスタルバイオレット等のトリアリールメタン系化合物が好ましい。
更に、前記発色剤は、前記ロイコ体を発色させるためなどの目的で、ハロゲン化合物と組み合わせることが一般に知られている。
前記ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば、四臭化炭素、ヨードホルム、臭化エチレン、臭化メチレン、臭化アミル、臭化イソアミル、ヨウ化アミル、臭化イソブチレン、ヨウ化ブチル、臭化ジフェニルメチル、ヘキサクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3トリブロモプロバン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(4−クロロフェニル)エタンなど);ハロゲン化アルコール化合物(例えば、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−t−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなど);ハロゲン化カルボニル化合物(例えば1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノン等);ハロゲン化エーテル化合物(例えば2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテル等);ハロゲン化エステル化合物(例えば、酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチル等);ハロゲン化アミド化合物(例えば、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなど);硫黄やリンを有する化合物(例えば、トリブロモメチルフェニルスルホン、4−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、4−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート等)、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールなどが挙げられる。有機ハロゲン化合物では、同一炭素原子に結合した2個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化合物が好ましく、1個の炭素原子に3個のハロゲン原子を持つハロゲン化合物がより好ましい。前記有機ハロゲン化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−フェニルトリアゾールが好ましい。
前記発色剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。また、前記ハロゲン化合物の含有量としては、前記感光層の全成分に対し0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜1質量%がより好ましい。
−−着色剤−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、例えば、赤色、緑色、青色、黄色、紫色、マゼンタ色、シアン色、黒色等の公知の顔料又は染料が挙げられ、具体的には、ビクトリア・ピュアブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・イエローGT(C.I.ピグメント・イエロー12)、パーマネント・イエローGR(C.I.ピグメント・イエロー17)、パーマネント・イエローHR(C.I.ピグメント・イエロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボンブラックが挙げられる。
また、カラーフィルタの作製に好適な前記着色剤として、例えば、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメント・バイオレット23、特開2002−162752号公報の(0138)〜(0141)に記載のもの等が挙げられる。前記着色剤の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。また、カラーフィルタを作製する場合は、前記平均粒子径として、0.5μm以下が好ましい。
−−染料−−
前記感光層には、取り扱い性の向上のために感光性樹脂組成物を着色し、又は保存安定性を付与する目的に、染料を用いることができる。
前記染料としては、ブリリアントグリーン(例えば、その硫酸塩)、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業社製)、ローダミンB、ロータミン6G、ビクトリア・ピュアブルーBOHなどを挙げることができ、これらの中でもカチオン染料(例えば、マラカイトグリーンシュウ酸塩、マラカイトグリーン硫酸塩等)が好ましい。該カチオン染料の対アニオンとしては、有機酸又は無機酸の残基であればよく、例えば、臭素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の残基(アニオン)などが挙げられる。
前記染料の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%が特に好ましい。
−−密着促進剤−−
各層間の密着性、又はパターン形成材料と基体との密着性を向上させるために、各層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。
前記密着促進剤としては、例えば、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報等に記載の密着促進剤が好適挙げられる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
前記密着促進剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が特に好ましい。
前記感光層は、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドックス系化合物、アゾ又はジアゾ化合物、光還元性色素、有機ハロゲン化合物などを含んでいてもよい。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプロベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
前記過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。
前記レドックス化合物は、過酸化物と還元剤の組合せからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。
前記アゾ及びジアゾ化合物としては、例えば、α,α’−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類が挙げられる。
前記光還元性色素としては、例えば、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンが挙げられる。
−−界面活性剤−−
本発明の前記パターン形成材料を製造する際に発生する面状ムラを改善させるために、公知の界面活性剤を添加することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素含有界面活性剤などから適宜選択できる。
前記界面活性剤の含有量としては、感光性樹脂組成物の固形分に対し、0.001〜10質量%が好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満になると、面状改良の効果が得られなくことがあり、10質量%を超えると、密着性が低下することがある。
前記界面活性剤としては、上述の界面活性剤の他、フッ素系の界面活性剤として、炭素鎖3〜20でフッ素原子を40質量%以上含み、かつ、非結合末端から数えて少なくとも3個の炭素原子に結合した水素原子がフッ素置換されているフルオロ脂肪族基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合成分として有する高分子界面活性剤も好適に挙げられる。
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜10μmが好ましい。
<<バリア層>>
前記バリア層は、物質の移動を抑制可能とし、感度、現像性等の感光性樹脂が持つ基本的性質の経時安定性を向上させる観点から、前記クッション層と前記感光層との間に設けることが好ましい。
前記バリア層は、物質の移動を抑制可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性であってもよく、水不溶性であってもよいが、水溶性乃至水分散性であることが好ましく、アルカリ性液に対して可溶性であることも好ましい。
前記バリア層が、アルカリ性液に対して不溶性である場合には、露光後、前記バリア層をアルカリ性液で除去する際に、前記バリア層を別途除去する工程が必要となり、生産工程が増えることがある。
前記物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、酸素、水、前記感光層及びクッション層の少なくともいずれかに含まれる物質が挙げられる。
前記バリア層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、樹脂を含むことが好ましい。前記樹脂としては、水溶性であってもよく、水不溶性であってもよいが、水溶性乃至水分散性の樹脂が好ましい。なお、前記水溶性の程度としては、例えば、25℃の水に対し、0.1質量%以上溶解するものが好ましく、1質量%以上溶解するものがより好ましい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各種のアルコール可溶性樹脂、水溶性樹脂、アルコール分散性樹脂、水分散性樹脂、乳化性樹脂、アルカリ性液に対して可溶性の樹脂などが挙げられ、具体的には、ビニル重合体(例えば、ポリビニルアルコール(変性ポリビニルアルコール類も含む)、ポリビニルピロリドン等)、上述のビニル共重合体、水溶性ポリアミド、ゼラチン、セルロース、これらの誘導体などが挙げられる。また、特許2794242号に記載の熱可塑性樹脂や中間層に使用されている化合物、前記バインダーなどを使用することもできる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記バリア層における酸素透過率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、温度23℃、相対湿度60%の条件下で、100cc/m・day・atm以下が好ましく、50cc/m・day・atm以下がより好ましい。
前記パターン形成材料が、前記クッション層と前記感光層との間に前記バリア層を有する場合には、前記パターン形成材料の層間接着力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各層の層間接着力の中で、前記支持体と前記クッション層との間の層間接着力が、最も小さくてもよく、前記クッション層と前記バリア層との間の層間接着力が最も小さくてもよく、前記バリア層と前記感光層との間の層間接着力が最も小さくてもよい。
前記バリア層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、10μm未満が好ましく、0.1〜6μmがより好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
前記厚みが、10μm以上となると、露光の際、前記バリア層で光散乱が生じ、解像度及び密着性の少なくともいずれかが悪化することがある。
<保護フィルム>
前記パターン形成材料は、前記感光層上に保護フィルムを形成してもよい。
前記保護フィルムに含まれる材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、及び前記支持体として使用するものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記保護フィルムは、2層以上に積層してなる積層フィルムであってもよく、該積層フィルムとしては、例えば、ポリプロピレン樹脂フィルムとエチレン−プロピレン共重合樹脂フィルムとを積層した積層フィルムが好適に挙げられる。
前記保護フィルムの市販品としては、例えば、王子製紙株式会社製、アルファンE−501、MA−410、E−200;帝人株式会社製、PSシリーズ(PS−25等);タマポリ株式会社製、GF−1、GF−3、GF−8、などが挙げられる。また、市販のフィルムをサンドブラスト加工することにより、前記保護フィルムを製造することも可能である。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
前記保護フィルムを用いる場合、例えば、前記感光層及び該感光層と隣接し、かつ前記保護フィルム以外の層の接着力Aと、前記感光層及び保護フィルムの接着力Bとが、接着力A>接着力Bの関係であることが好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、上述のような接着力の関係を満たすことができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数としては、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記パターン形成材料は、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されることが好ましい。前記長尺状のパターン形成材料の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100m〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状のパターン形成材料をシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いる事が好ましい。
前記保護フィルムは、前記保護フィルムと前記感光層との接着性を調整するために表面処理してもよい。前記表面処理は、例えば、前記保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥させることにより形成させることができる。
[パターン形成材料の製造方法]
前記パターン形成材料は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記感光層、クッション層、及び必要に応じてバリア層に含まれる材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、感光性樹脂組成物溶液、クッション層用塗布液、バリア層用塗布液を調製する。
前記感光性樹脂組成物溶液、クッション層用塗布液、又はバリア層用塗布液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
次に、前記支持体上に前記クッション層塗布液を塗布し、乾燥させてクッション層を形成し、必要に応じて該クッション層上に前記バリア層用塗布液を塗布し、乾燥させてバリア層を形成し、該バリア層上に前記感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥させて感光層を形成し、パターン形成材料を製造することができる。
前記感光性樹脂組成物溶液、クッション層用塗布液、又はバリア層用塗布液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ナイフコート法等の各種の塗布方法が挙げられる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
本発明のパターン形成材料は、前記感光層の感度低下を抑制できるため、高感度で、より小さいエネルギー量の光で露光することができ、露光スピードが上がるため処理スピードが上がる点で有利である。
本発明のパターン形成材料は、感光層の感度低下を抑制でき、高感度で、かつ、基体に対して凹凸追従性に優れ、高精細にパターンを形成可能であるため、各種パターンの形成用、配線パターン等の永久パターンの形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造用、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどのパターン形成用などに好適に用いることができ、特に本発明のパターン形成方法及びパターン形成装置に好適に用いることができる。
(パターン形成装置及びパターン形成方法)
本発明のパターン形成装置は、本発明の前記パターン形成材料を備えており、光照射手段と光変調手段とを少なくとも有する。
本発明のパターン形成方法は、支持体上に、クッション層と感光層とをこの順に有するパターン形成材料における該感光層に対し、露光を行露光工程を少なくとも含み、適宜選択したその他の工程を含む。
なお、本発明の前記パターン形成装置は、本発明の前記パターン形成方法の説明を通じて明らかにする。
[露光工程]
前記露光工程は、本発明のパターン形成材料における感光層に対し、露光を行う工程である。本発明の前記パターン形成材料については上述の通りである。
前記露光の対象としては、支持体上に、クッション層と感光層とをこの順に有するパターン形成材料における該感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基体上に、前記パターン形成材料が積層されてなる積層体に対して行われることが好ましい。
前記基体としては、特に制限はなく、公知の材料の中から表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を有するものまで適宜選択することができるが、板状の基体(基板)が好ましく、具体的には、公知のプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)、ガラス板(例えば、ソーダガラス板等)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記積層体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基体上に前記パターン形成材料を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層することが好ましい。
前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター、真空ラミネーターなどが好適に挙げられる。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製、VP−II)などが好適に挙げられる。
前記積層体への露光としては、例えば、積層された前記パターン形成材料の前記支持体及びクッション層を介して前記感光層を露光してもよく、前記支持体を剥離した後、前記クッション層を介して前記感光層を露光してもよく、前記支持体及びクッション層を剥離した後、前記感光層を露光してもよい。
また、前記パターン形成材料が、前記クッション層と前記感光層との間に物質の移動を抑制可能なバリア層を有する場合、前記積層体への露光としては、例えば、積層された前記パターン形成材料の前記支持体、クッション層及びバリア層を介して前記感光層を露光してもよく、前記支持体を剥離した後、前記クッション層及びバリア層を介して前記感光層を露光してもよく、前記支持体及びクッション層を剥離した後、前記バリア層を介して前記感光層を露光してもよく、前記支持体、クッション層及びバリア層を剥離した後、前記感光層を露光してもよい。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記デジタル露光の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、光を照射する光照射手段、形成するパターン情報に基づいて該光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段などが挙げられる。
前記デジタル露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、形成するパターン形成情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行うことが好ましく、例えば、前記感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて行う方法が好ましい。
本発明において「N重露光」とは、前記感光層の被露光面上の露光領域の略すべての領域において、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線が、前記被露光面上に照射されたN本の光点列(画素列)と交わるような設定による露光を指す。ここで、「光点列(画素列)」とは、前記描素部により生成された描素単位としての光点(画素)の並びうち、前記露光ヘッドの走査方向となす角度がより小さい方向の並びを指すものとする。なお、前記描素部の配置は、必ずしも矩形格子状でなくてもよく、たとえば平行四辺形状の配置等であってもよい。 ここで、露光領域の「略すべての領域」と述べたのは、各描素部の両側縁部では、描素部列を傾斜させたことにより、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が減るため、かかる場合に複数の露光ヘッドをつなぎ合わせるように使用したとしても、該露光ヘッドの取付角度や配置等の誤差により、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数がわずかに増減することがあるため、また、各使用描素部の描素部列間のつなぎの、解像度分以下のごくわずかな部分では、取付角度や描素部配置等の誤差により、走査方向と直交する方向に沿った描素部のピッチが他の部分の描素部のピッチと厳密に一致せず、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が±1の範囲で増減することがあるためである。なお、以下の説明では、Nが2以上の自然数であるN重露光を総称して「多重露光」という。さらに、以下の説明では、本発明の露光装置又は露光方法を、描画装置又は描画方法として実施した形態について、「N重露光」及び「多重露光」に対応する用語として、「N重描画」及び「多重描画」という用語を用いるものとする。
前記N重露光のNとしては、2以上の自然数であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上の自然数が好ましく、3以上7以下の自然数がより好ましい。
−パターン形成装置−
本発明の永久パターン形成方法に係るパターン形成装置の一例について図面を参照しながら説明する。
前記パターン形成装置としては、いわゆるフラットベッドタイプの露光装置とされており、図1に示すように、前記パターン形成材料における少なくとも前記感光層が積層されてなるシート状の感光性積層体12(以下、「感光材料12」、「感光層12」ということがある)を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。なお、このパターン形成装置10には、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(図示せず)が設けられている。
設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐようにコの字状のゲート22が設けられている。コの字状のゲート22の端部の各々は、設置台18の両側面に固定されている。このゲート22を挟んで一方の側にはスキャナ24が設けられ、他方の側には感光材料12の先端及び後端を検知する複数(たとえば2個)のセンサ26が設けられている。スキャナ24及びセンサ26はゲート22に各々取り付けられて、ステージ14の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ24及びセンサ26は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
ここで、説明のため、ステージ14の表面と平行な平面内に、図1に示すように、互いに直交するX軸及びY軸を規定する。
ステージ14の走査方向に沿って上流側(以下、単に「上流側」ということがある。)の端縁部には、X軸の方向に向かって開く「く」の字型に形成されたスリット28が、等間隔で10本形成されている。各スリット28は、上流側に位置するスリット28aと下流側に位置するスリット28bとからなっている。スリット28aとスリット28bとは互いに直交するとともに、X軸に対してスリット28aは−45度、スリット28bは+45度の角度を有している。
スリット28の位置は、前記露光ヘッド30の中心と略一致させられている。また、各スリット28の大きさは、対応する露光ヘッド30による露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。また、スリット28の位置としては、隣接する露光済み領域34間の重複部分の中心位置と略一致させてもよい。この場合、各スリット28の大きさは、露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさとする。
ステージ14内部の各スリット28の下方の位置には、それぞれ、後述する使用描素部指定処理において、描素単位としての光点を検出する光点位置検出手段としての単一セル型の光検出器(図示せず)が組み込まれている。また、各光検出器は、後述する使用描素部指定処理において、前記描素部の選択を行う描素部選択手段としての演算装置(図示せず)に接続されている。
露光時における前記パターン形成装置の動作形態はとしては、露光ヘッドを常に移動させながら連続的に露光を行う形態であってもよいし、露光ヘッドを段階的に移動させながら、各移動先の位置で露光ヘッドを静止させて露光動作を行う形態であってもよい。
<<露光ヘッド>>
各露光ヘッド30は、後述する内部のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36の各描素部(マイクロミラー)列方向が、走査方向と所定の設定傾斜角度θをなすように、スキャナ24に取り付けられている。このため、各露光ヘッド30による露光エリア32は、走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。ステージ14の移動に伴い、感光層12には露光ヘッド30ごとに帯状の露光済み領域34が形成される。図2及び図3Bに示す例では、2行5列の略マトリックス状に配列された10個の露光ヘッドが、スキャナ24に備えられている。
なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド30mnと表記し、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア32mnと表記する。
また、図3A及び図3Bに示すように、帯状の露光済み領域34のそれぞれが、隣接する露光済み領域34と部分的に重なるように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、その配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア3211と露光エリア3212との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア3221により露光することができる。
露光ヘッド30の各々は、図4及び図5に示すように、入射された光を画像データに応じて描素部ごとに変調する光変調手段(描素部ごとに変調する空間光変調素子)として、DMD36(米国テキサス・インスツルメンツ社製)を備えている。このDMD36は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた描素部制御手段としてのコントローラに接続されている。このコントローラのデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36上の使用領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。
図4に示すように、DMD36の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア32の長辺方向と一致する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源38、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系40、このレンズ系40を透過したレーザ光をDMD36に向けて反射するミラー42がこの順に配置されている。なお図4では、レンズ系40を概略的に示してある。
上記レンズ系40は、図5に詳しく示すように、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を平行光化する1対の組合せレンズ44、平行光化されたレーザ光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ46、及び光量分布が補正されたレーザ光をDMD36上に集光する集光レンズ48で構成されている。
また、DMD36の光反射側には、DMD36で反射されたレーザ光を感光層12の被露光面上に結像するレンズ系50が配置されている。レンズ系50は、DMD36と感光層12の被露光面とが共役な関係となるように配置された、2枚のレンズ52及び54からなる。
本実施形態では、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光は、実質的に5倍に拡大された後、DMD36上の各マイクロミラーからの光線が上記のレンズ系50によって約5μmに絞られるように設定されている。
−光変調手段−
前記光変調手段としては、n個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された前記描素部を有し、前記パターン情報に応じて前記描素部を制御可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空間光変調素子が好ましい。
前記空間光変調素子としては、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
以下、前記光変調手段の一例について図面を参照しながら説明する。
DMD36は図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)56上に、各々描素(ピクセル)を構成する描素部として、多数のマイクロミラー58が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。本実施形態では、1024列×768行のマイクロミラー58が配されてなるDMD36を使用するが、このうちDMD36に接続されたコントローラにより駆動可能すなわち使用可能なマイクロミラー58は、1024列×256行のみであるとする。DMD36のデータ処理速度には限界があり、使用するマイクロミラー数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、このように一部のマイクロミラーのみを使用することにより1ライン当りの変調速度が速くなる。各マイクロミラー58は支柱に支えられており、その表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、本実施形態では、各マイクロミラー58の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向ともに13.7μmである。SRAMセル56は、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのものであり、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
DMD36のSRAMセル(メモリセル)56に、所望の2次元パターンを構成する各点の濃度を2値で表した画像信号が書き込まれると、支柱に支えられた各マイクロミラー58が、対角線を中心としてDMD36が配置された基板側に対して±α度(たとえば±10度)のいずれかに傾く。図7Aは、マイクロミラー58がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7Bは、マイクロミラー58がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。このように、画像信号に応じて、DMD36の各ピクセルにおけるマイクロミラー58の傾きを、図6に示すように制御することによって、DMD36に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー58の傾き方向へ反射される。
図6には、DMD36の一部を拡大し、各マイクロミラー58が+α度又はα度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー58のオンオフ制御は、DMD36に接続された上記のコントローラによって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー58で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
‐光照射手段‐
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源、又は2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。
前記光照射手段から照射される光としては、例えば、支持体を介して光照射を行う場合には、該支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始系化合物や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ、これらの中でもレーザ光が好ましく、2以上の光を合成したレーザ(以下、「合波レーザ」と称することがある)がより好ましい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光を用いることができる。
前記紫外から可視光線の波長としては、例えば、300〜1,500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1,500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330nm〜500nmが更に好ましく、400nm〜450nmが特に好ましい。
前記合波レーザを照射可能な手段としては、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する手段が好ましい。
以下、前記合波レーザを照射可能な手段(ファイバアレイ光源)について図を参照しながら説明する。
ファイバアレイ光源38は、図8に示すように、複数(たとえば14個)のレーザモジュール60を備えており、各レーザモジュール60には、マルチモード光ファイバ62の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ62の他端には、マルチモード光ファイバ62より小さいクラッド径を有する光ファイバ64が結合されている。図9に詳しく示すように、光ファイバ64のマルチモード光ファイバ62と反対側の端部は走査方向と直交する方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部66が構成されている。
光ファイバ64の端部で構成されるレーザ出射部66は、図9に示すように、表面が平坦な2枚の支持板68に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ64の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。光ファイバ64の光出射端面は、光密度が高いため集塵しやすく劣化しやすいが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
このような光ファイバは、例えば、図25に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ62のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ64を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ64の入射端面が、マルチモード光ファイバ62の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ64のコア64aの径は、マルチモード光ファイバ62のコア62aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ62の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ64を、マルチモード光ファイバ62の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ62は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ64は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバのクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ64のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール60は、図26に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック110上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6、及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズL1、L2、L3、L4、L5、L6及びL7と、1つの集光レンズ200と、1本のマルチモード光ファイバ62と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図27及び図28に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ400内に収納されている。パッケージ400は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋410を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ400の開口をパッケージ蓋410で閉じることにより、パッケージ400とパッケージ蓋410とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ400の底面にはベース板420が固定されており、このベース板420の上面には、前記ヒートブロック110と、集光レンズ200を保持する集光レンズホルダー450と、マルチモード光ファイバ62の入射端部を保持するファイバホルダー460とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ62の出射端部は、パッケージ400の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック110の側面にはコリメータレンズホルダー440が取り付けられており、コリメータレンズL1〜L7が保持されている。パッケージ400の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線470がパッケージ外に引き出されている。
なお、図28においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズL7にのみ番号を付している。
図29は、前記コリメータレンズL1〜L7の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズL1〜L7の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズL1〜L7は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図29の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズL1〜L7に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズL1〜L7の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズL1〜L7の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ200は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズL1〜L7の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ200は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ200も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン形成装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図30に示すように、ヒートブロック110上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図31Aに示す、複数(例えば、5個)の発光点111aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ111は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザビームを合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ111に撓みが発生し易くなるため、発光点111aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ111や、図31Bに示すように、ヒートブロック110上に、複数のマルチキャビティレーザ111が各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図32に示すように、複数(例えば、3個)の発光点111aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ111を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ111と、1本のマルチモード光ファイバ62と、集光レンズ200と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ111は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aを、上記マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ200として、マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ111からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモード光ファイバ62への結合効率を上げることができる。
また、図33に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ111を用い、ヒートブロック110上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ111が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ111は、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ111に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザビームLは、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図34A及び図34Bに示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ111が、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ111のレーザ光出射側には、各チップの発光点111aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザビームの拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ62と、このマルチモード光ファイバ62の入射端にレーザビームを集光して結合する集光レンズ200と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキヤビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ200によって集光されて、マルチモード光フアイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、パターン形成装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ62の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
<<使用描素部指定手段>>
前記使用描素部指定手段としては、描素単位としての光点の位置を被露光面上において検出する光点位置検出手段と、前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段とを少なくとも備えることが好ましい。
以下、前記使用描素部指定手段による、N重露光に使用する描素部の指定方法の例について説明する。
(1)単一露光ヘッド内における使用描素部の指定方法
本実施形態(1)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、各露光ヘッド30の取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
露光ヘッド30の走査方向に対する描素部(マイクロミラー58)の列方向の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1,024列×256行の描素部を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも、若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
となる。本実施形態(1)では、上記のとおりs=256、N=2であるので、前記式3より、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図10は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、1つの露光ヘッド30の取付角度誤差、及びパターン歪みの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。以下の図面及び説明においては、各描素部(マイクロミラー)により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点について、第m行目の光点をr(m)、第n列目の光点をc(n)、第m行第n列の光点をP(m,n)とそれぞれ表記するものとする。
図10の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光材料12の被露光面上に投影される、使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示し、下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を示したものである。
なお、図10では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンを分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図10の例では、設定傾斜角度θを上記の角度θidealよりも若干大きい角度を採用した結果として、また露光ヘッド30の取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度と上記の設定傾斜角度θとが誤差を有する結果として、被露光面上のいずれの領域においても濃度むらが生じている。具体的には、奇数列のマイクロミラーによる露光パターン及び偶数列のマイクロミラーによる露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となり、描画が冗長となる領域が生じ、濃度むらが生じている。
さらに、図10の例では、被露光面上に現れるパターン歪みの一例であって、被露光面上に投影された各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」が生じている。このような角度歪みが生じる原因としては、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれ、及びDMD36自体の歪みやマイクロミラーの配置誤差等が挙げられる。
図10の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど小さく、図の右方の列ほど大きくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、露光過多となっている領域は、図の左方に示した被露光面上ほど小さく、図の右方に示した被露光面上ほど大きくなっている。
上記したような、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域における濃度むらを軽減するために、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド30ごとに実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された前記演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
実傾斜角度θ´は、光点位置検出手段が検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす角度により特定される。
以下、図11及び12を用いて、前記実傾斜角度θ´の特定、及び使用画素選択処理について説明する。
−実傾斜角度θ´の特定−
図11は、1つのDMD36による露光エリア32と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
本実施形態(1)の例では、露光エリア32の略中心に位置する第512列目の光点列と露光ヘッド30の走査方向とがなす角度を、上記の実傾斜角度θ´として測定する。具体的には、DMD36上の第1行目第512列目のマイクロミラー58、及び第256行目第512列目のマイクロミラー58をオン状態とし、それぞれに対応する被露光面上の光点P(1,512)及びP(256,512)の位置を検出し、それらを結ぶ直線と露光ヘッドの走査方向とがなす角度を実傾斜角度θ´として特定する。
図12は、光点P(256,512)の位置の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第512列目のマイクロミラー58を点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,512)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における右方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,512)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における左方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を光点P(256,512)の位置として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,512)の被露光面上における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。同様の測定により、P(1,512)の位置を示す座標も決定し、それぞれの座標を結ぶ直線と、露光ヘッド30の走査方向とがなす傾斜角度を導出し、これを実傾斜角度θ´として特定する。
‐使用描素部の選択‐
このようにして特定された実傾斜角度θ´を用い、前記光検出器に接続された前記演算装置は、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、DMD36上の1行目からT行目のマイクロミラーを、本露光時に実際に使用するマイクロミラーとして選択する処理を行う。これにより、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域と、露光不足となる領域との面積合計が最小となるようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
図13は、上記のようにして実際に使用するマイクロミラーとして選択されたマイクロミラーが生成した光点のみを用いて行った露光において、図10に示した被露光面上のむらがどのように改善されるかを示した説明図である。
この例では、上記の自然数TとしてT=253が導出され、第1行目から第253行目のマイクロミラーが選択されたものとする。選択されなかった第254行目から第256行目のマイクロミラーに対しては、前記描素部制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。図13に示すとおり、第512列目付近の露光領域では、露光過多及び露光不足は、ほぼ完全に解消され、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光が実現される。
一方、図13の左方の領域(図中のc(1)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光点列の傾斜角度が中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも小さくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーのみによる露光では、偶数列による露光パターン及び奇数列による露光パターンのそれぞれにおいて、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光量不足となる領域が互いに補完され、前記角度歪みによる露光むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
また、図13の右方の領域(図中のc(1024)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光線列の傾斜角度が、中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも大きくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーによる露光では、図に示すように、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光過多となる領域が互いに補完され、前記角度歪による濃度むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
本実施形態(1)では、上述のとおり、第512列目の光線列の実傾斜角度θ´が測定され、該実傾斜角度θ´を用い、前記式(4)により導出されたTに基づいて使用するマイクロミラー58を選択したが、前記実傾斜角度θ´の特定方法としては、複数の描素部の列方向(光点列)と、前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度をそれぞれ測定し、それらの平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかを実傾斜角度θ´として特定し、前記式4等によって実際の露光時に実際に使用するマイクロミラーを選択する形態としてもよい。
前記平均値又は前記中央値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域と露光不足となる領域とのバランスがよい露光を実現することができる。例えば、露光過多となる領域と、露光量不足となる領域との合計面積が最小に抑えられ、かつ、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるような露光を実現することが可能である。
また、前記最大値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光不足となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光過多となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
さらに、前記最小値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光不足となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光過多となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光不足となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
一方、前記実傾斜角度θ´の特定は、同一の描素部の列(光点列)中の少なくとも2つの光点の位置に基づく方法に限定されない。例えば、同一描素部列c(n)中の1つ又は複数の光点の位置と、該c(n)近傍の列中の1つ又は複数の光点の位置とから求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
具体的には、c(n)中の1つの光点位置と、露光ヘッドの走査方向に沿って直線上かつ近傍の光点列に含まれる1つ又は複数の光点位置とを検出し、これらの位置情報から、実傾斜角度θ´を求めることができる。さらに、c(n)列近傍の光点列中の少なくとも2つの光点(たとえば、c(n)を跨ぐように配置された2つの光点)の位置に基づいて求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(1)の使用描素部の指定方法によれば、各露光ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響による解像度のばらつきや濃度のむらを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(2)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<1>
本実施形態(2)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部マイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealを採用するものとする。
この角度θidealは、上記の実施形態(1)と同様にして前記式1〜3から求められる。本実施形態(2)において、パターン形成装置10は、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの角度θidealとなるように、初期調整されているものとする。
図14は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれの影響により、被露光面上のパターンに生じる濃度むらの例を示した説明図である。各露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれは、露光ヘッド間の相対位置の微調整が困難であるために生じ得るものである。
図14の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光材料12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した図である。図14の下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示したものである。
なお、図14では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図14の例では、上記したX軸方向に関する露光ヘッド3012と3021との間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な部分が生じてしまっている。
上記したような、複数の前記露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域に現れる濃度むらを軽減するために、本実施形態(2)では、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021からの光点群のうち、被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を構成する光点のいくつかについて、その位置(座標)を検出する。該位置(座標)に基づいて、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−位置(座標)の検出−
図15は、図14と同様の露光エリア3212及び3221と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光ヘッド3012と3021による露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさ、すなわち、露光ヘッド3012と3021により被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を十分覆う大きさとされている。
図16は、一例として露光エリア3221の光点P(256,1024)の位置を検出する際の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第1024列目のマイクロミラーを点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,1024)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図16における右方に相対移動させる。そして、図16において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,1024)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図16における左方に相対移動させる。そして、図16において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を、光点P(256,1024)として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,1024)の被露光面における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。
−不使用描素部の特定−
図14の例では、まず、露光エリア3212の光点P(256,1)の位置を、上記の光点位置検出手段としてスリット28と光検出器の組により検出する。続いて、露光エリア3221の第256行目の光点行r(256)上の各光点の位置を、P(256,1024)、P(256,1023)・・・と順番に検出していき、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示す露光エリア3221の光点P(256,n)が検出されたところで、検出動作を終了する。そして、露光エリア3221の光点列c(n+1)からc(1024)を構成する光点に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラー(不使用描素部)として特定する。
例えば、図14において、露光エリア3221の光点P(256,1020)が、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示し、その露光エリア3221の光点P(256,1020)が検出されたところで検出動作が終了したとすると、図17において斜線で覆われた部分70に相当する露光エリア3221の第1021行から第1024行を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
次に、N重露光の数Nに対して、露光エリア3212の光点P(256,N)の位置が検出される。本実施形態(2)では、N=2であるので、光点P(256,2)の位置が検出される。
続いて、露光エリア3221の光点列のうち、上記で本露光時に使用しないマイクロミラーに対応する光点列として特定されたものを除き、最も右側の第1020列を構成する光点の位置を、P(1,1020)から順番にP(1,1020)、P(2,1020)・・・と検出していき、露光エリア3212の光点P(256,2)よりも大きいX座標を示す光点P(m,1020)が検出されたところで、検出動作を終了する。
その後、前記光検出器に接続された演算装置において、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標とが比較され、露光エリア3221の光点P(m,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーが本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
また、露光エリア3221の光点P(m−1,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。
さらに、露光エリア3212の光点P(256,N−1)すなわち光点P(256,1)の位置と、露光エリア3221の次列である第1019列を構成する各光点の位置についても、同様の検出処理及び使用しないマイクロミラーの特定が行われる。
その結果、たとえば、図17において網掛けで覆われた領域72を構成する光点に対応するマイクロミラーが、実際の露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。これらのマイクロミラーには、常時、そのマイクロミラーの角度をオフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に使用されない。
このように、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定し、該使用しないマイクロミラーを除いたものを、実際の露光時に使用するマイクロミラーとして選択することにより、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができ、図17の下段に示すように、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光を実現することができる。
なお、上記の例においては、図17において網掛けで覆われた領域72を構成する光点の特定に際し、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標との比較を行わずに、ただちに、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
さらに、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重描画に対して露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、実際に使用するマイクロミラーを選択することとしてもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(2)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(3)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<2>
本実施形態(3)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の理想的な状態からのずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び2つの露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部(マイクロミラー58)を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、前記式1〜3を用いて上記(1)の実施形態と同様にして求められる値であり、本実施形態では、上記のとおりs=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図18は、上記のように各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度が初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の取付角度誤差、並びに各露光ヘッド3012と3021間の相対取付角度誤差及び相対位置のずれの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。
図18の例では、図14の例と同様の、X軸方向に関する露光ヘッド3012と3021の相対位置のずれの結果として、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、露光エリア3212と3221の被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な領域74が生じ、これが濃度むらを引き起こしている。
さらに、図18の例では、各露光ヘッドの設定傾斜角度θを前記式(1)を満たす角度θidealよりも若干大きくしたことによる結果、及び各露光ヘッドの取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度が上記の設定傾斜角度θからずれてしまったことの結果として、被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域以外の領域でも、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域である描素部列間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多となる領域76が生じ、これがさらなる濃度むらを引き起こしている。
本実施形態(3)では、まず、各露光ヘッド3012と3021の取付角度誤差及び相対取付角度のずれの影響による濃度むらを軽減するための使用画素選択処理を行う。
具体的には、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて、実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−実傾斜角度θ´の特定−
実傾斜角度θ´の特定は、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を、それぞれ上述した実施形態(2)で用いたスリット28と光検出器の組により検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定することにより行われる。
−不使用描素部の特定−
そのようにして特定された実傾斜角度θ´を用いて、光検出器に接続された演算装置は、上述した実施形態(1)における演算装置と同様、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出し、DMD36上の第(T+1)行目から第256行目のマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定する処理を行う。
例えば、露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255が導出されたとすると、図19において斜線で覆われた部分78及び80を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。これにより、露光エリア3212と3221のうちヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光量過多となる面積が最小になり、かつ露光量不足となる面積が生じないようになすことができる。
あるいは、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようになすことができる。
複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、本露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
その後、図19において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、図14から17を用いて説明した本実施形態(3)と同様の処理がなされ、図19において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(3)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
以上、パターン形成装置10による使用描素部指定方法ついて詳細に説明したが、上記実施形態(1)〜(3)は一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
また、上記の実施形態(1)〜(3)では、被露光面上の光点の位置を検出するための手段として、スリット28と単一セル型の光検出器の組を用いたが、これに限られずいかなる形態のものを用いてもよく、たとえば2次元検出器等を用いてもよい。
さらに、上記の実施形態(1)〜(3)では、スリット28と光検出器の組による被露光面上の光点の位置検出結果から実傾斜角度θ´を求め、その実傾斜角度θ´に基づいて使用するマイクロミラーを選択したが、実傾斜角度θ´の導出を介さずに使用可能なマイクロミラーを選択する形態としてもよい。さらには、たとえばすべての使用可能なマイクロミラーを用いた参照露光を行い、参照露光結果の目視による解像度や濃度のむらの確認等により、操作者が使用するマイクロミラーを手動で指定する形態も、本発明の範囲に含まれるものである。
なお、被露光面上に生じ得るパターン歪みには、上記の例で説明した角度歪みの他にも、種々の形態が存在する。
一例としては、図20Aに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる倍率で露光面上の露光エリア32に到達してしまう倍率歪みの形態がある。
また、別の例として、図20Bに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なるビーム径で被露光面上の露光エリア32に到達してしまうビーム径歪みの形態もある。これらの倍率歪み及びビーム径歪みは、主として、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれに起因して生じる。
さらに別の例として、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる光量で被露光面上の露光エリア32に到達してしまう光量歪みの形態もある。この光量歪みは、各種収差やアラインメントずれのほか、DMD36と被露光面間の光学要素(たとえば1枚レンズである図5のレンズ52及び54)の透過率の位置依存性や、DMD36自体による光量むらに起因して生じる。これらの形態のパターン歪みも、被露光面上に形成されるパターンに解像度や濃度のむらを生じさせる。
上記の実施形態(1)〜(3)によれば、本露光に実際に使用するマイクロミラーを選択した後の、これらの形態のパターン歪みの残留要素も、上記の角度歪みの残留要素と同様、多重露光による埋め合わせの効果で均すことができ、解像度や濃度のむらを、各露光ヘッドの露光領域全体にわたって軽減することができる。
<<参照露光>>
上記の実施形態(1)〜(3)の変更例として、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)列おきのマイクロミラー列、又は全光点行のうち1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行い、均一な露光を実現できるように、前記参照露光に使用されたマイクロミラー中、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
前記参照露光手段による参照露光の結果をサンプル出力し、該出力された参照露光結果に対し、解像度のばらつきや濃度のむらを確認し、実傾斜角度を推定するなどの分析を行う。前記参照露光の結果の分析は、操作者の目視による分析であってもよい。
図21は、単一露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図21Aに実線で示した奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図21Bに斜線で覆って示す光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点列を構成するマイクロミラー中、本露光において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列の光点列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図22は、複数の露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図22に実線で示した、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図22に斜線で覆って示す領域86及び網掛けで示す領域88内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点を構成するマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列目の画素列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に実際に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図23は、単一露光ヘッドを用い、全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図23Aに実線で示した1行目から128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図23Bに斜線で覆って示す光点群に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定され得る。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、全体のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図24は、複数の露光ヘッドを用い、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)について、それぞれ全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図24に実線で示した第1行目から第128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図24に斜線で覆って示す領域90及び網掛けで示す領域92内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
以上の実施形態(1)〜(3)及び変更例においては、いずれも本露光を2重露光とする場合について説明したが、これに限定されず、2重露光以上のいかなる多重露光としてもよい。特に3重露光から7重露光程度とすることにより、高解像度を確保し、解像度のばらつき及び濃度むらが軽減された露光を実現することができる。
また、上記の実施形態及び変更例に係る露光装置には、さらに、画像データが表す2次元パターンの所定部分の寸法が、選択された使用画素により実現できる対応部分の寸法と一致するように、画像データを変換する機構が設けられていることが好ましい。そのように画像データを変換することによって、所望の2次元パターンどおりの高精細なパターンを被露光面上に形成することができる。
[その他工程]
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のパターン形成における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、現像工程、エッチング工程、メッキ工程などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記現像工程は、前記露光工程により前記パターン形成材料における感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、パターンを形成する工程である。
前記現像工程は、例えば、現像手段により好適に実施することができる。
前記現像手段としては、現像液を用いて現像することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記現像液を噴霧する手段、前記現像液を塗布する手段、前記現像液に浸漬させる手段などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記現像手段は、前記現像液を交換する現像液交換手段、前記現像液を供給する現像液供給手段などを有していてもよい。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ性液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHとしては、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
前記エッチング工程としては、公知のエッチング処理方法の中から適宜選択した方法により行うことができる。
前記エッチング処理に用いられるエッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
前記エッチング工程によりエッチング処理した後に前記パターンを除去することにより、前記基体の表面に永久パターンを形成することができる。
前記永久パターンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配線パターンなどが好適に挙げられる。
前記メッキ工程としては、公知のメッキ処理の中から適宜選択した適宜選択した方法により行うことができる。
前記メッキ処理としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイスローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなど処理が挙げられる。
前記メッキ工程によりメッキ処理した後に前記パターンを除去することにより、また更に必要に応じて不要部をエッチング処理等で除去することにより、前記基体の表面に永久パターンを形成することができる。
本発明のパターン形成方法は、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれ、並びに前記描素部と前記感光層の被露光面との間の光学系の各種収差、及び前記描素部自体の歪み等に起因するパターン歪みによる露光量のばらつきの影響を均し、前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらを軽減し、かつ、永久パターンが形成される基体に対して凹凸追従性に優れたパターン形成材料を用いることにより、パターンを高精細に、かつ、効率よく形成することができるため、高精細な永久パターンの形成に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に使用することができる。
〔プリント配線板及びカラーフィルタの製造方法〕
本発明の前記パターン形成方法は、プリント配線板の製造、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造、及び、カラーフィルタの製造に好適に使用することができる。以下、本発明のパターン形成方法を利用したプリント配線板の製造方法及びカラーフィルタの製造方法の一例について説明する。
−プリント配線板の製造方法−
特に、スルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造方法としては、(1)前記基体としてホール部を有するプリント配線板形成用基板上に、前記パターン形成材料を、その感光層が前記基体側となる位置関係にて積層して積層体形成し、(2)前記積層体の前記基体とは反対の側から、所望の領域に光照射行い感光層を硬化させ、(3)前記積層体から前記パターン形成材料における支持体を除去し、(4)前記積層体における感光層を現像して、該積層体中の未硬化部分を除去することによりパターンを形成することができる。
なお、前記(3)における前記支持体の除去は、前記(2)と前記(4)との間で行う代わりに、前記(1)と前記(2)との間で行ってもよい。
その後、プリント配線板を得るには、前記形成したパターンを用いて、前記プリント配線板形成用基板をエッチング処理又はメッキ処理する方法(例えば、公知のサブトラクティブ法又はアディティブ法(例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法))により処理すればよい。これらの中でも、工業的に有利なテンティングでプリント配線板を形成するためには、前記サブトラクティブ法が好ましい。前記処理後プリント配線板形成用基板に残存する硬化樹脂は剥離させ、また、前記セミアディティブ法の場合は、剥離後さらに銅薄膜部をエッチングすることにより、所望のプリント配線板を製造することができる。また、多層プリント配線板も、前記プリント配線板の製造法と同様に製造が可能である。
次に、前記パターン形成材料を用いたスルーホールを有するプリント配線板の製造方法について、更に説明する。
まずスルーホールを有し、表面が金属メッキ層で覆われたプリント配線板形成用基板を用意する。前記プリント配線板形成用基板としては、例えば、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基材に銅メッキ層を形成した基板、又はこれらの基板に層間絶縁膜を積層し、銅メッキ層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。
次に、前記パターン形成材料上に保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離して、前記パターン形成材料における感光層が前記プリント配線板形成用基板の表面に接するようにして加圧ローラを用いて圧着する(積層工程)。これにより、前記プリント配線板形成用基板と前記積層体とをこの順に有する積層体が得られる。
前記パターン形成材料の積層温度としては、特に制限はなく、例えば、室温(15〜30℃)、又は加熱下(30〜180℃)が挙げられ、これらの中でも、加温下(60〜140℃)が好ましい。
前記圧着ロールのロール圧としては、特に制限はなく、例えば、0.1〜1MPaが好ましい。
前記圧着の速度としては、特に制限はなく、1〜3m/分が好ましい。
また、前記プリント配線板形成用基板を予備加熱しておいてもよく、また、減圧下で積層してもよい。
前記積層体の形成は、前記プリント配線板形成用基板上に前記パターン形成材料を積層してもよく、また、前記パターン形成材料製造用の感光性樹脂組成物溶液などを前記プリント配線板形成用基板の表面に直接塗布し、乾燥させることにより前記プリント配線板形成用基板上に感光層及び支持体を積層してもよい。
次に、前記積層体の基体とは反対側の面から、光を照射して感光層を硬化させる。なおこの際、必要に応じて(例えば、支持体の光透過性が不十分な場合など)支持体を剥離してから露光を行ってもよい。
この時点で、前記支持体を未だ剥離していない場合には、前記積層体から前記支持体を剥離する(支持体剥離工程)。
次に、前記プリント配線板形成用基板上の感光層の未硬化領域を、適当な現像液にて溶解除去して、配線パターン形成用の硬化層とスルーホールの金属層保護用硬化層のパターンを形成し、前記プリント配線板形成用基板の表面に金属層を露出させる(現像工程)。
また、現像後に必要に応じて後加熱処理や後露光処理によって、硬化部の硬化反応を更に促進させる処理をおこなってもよい。現像は上記のようなウエット現像法であってもよく、ドライ現像法であってもよい。
次いで、前記プリント配線板形成用基板の表面に露出した金属層をエッチング液で溶解除去する(エッチング工程)。スルーホールの開口部は、硬化樹脂組成物(テント膜)で覆われているので、エッチング液がスルーホール内に入り込んでスルーホール内の金属メッキを腐食することなく、スルーホールの金属メッキは所定の形状で残ることになる。これより、前記プリント配線板形成用基板に配線パターンが形成される。
前記エッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
次に、強アルカリ水溶液などにて前記硬化層を剥離片として、前記プリント配線板形成用基板から除去する(硬化物除去工程)。
前記強アルカリ水溶液における塩基成分としては、特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記強アルカリ水溶液のpHとしては、例えば、約12〜14が好ましく、約13〜14がより好ましい。
前記強アルカリ水溶液としては、特に制限はなく、例えば、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。
また、プリント配線板は、多層構成のプリント配線板であってもよい。
なお、前記パターン形成材料は上記のエッチングプロセスのみでなく、メッキプロセスに使用してもよい。前記メッキ法としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイスローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなどが挙げられる。
−カラーフィルタの製造方法−
ガラス基板等の基体上に、本発明の前記パターン形成材料における感光層を貼り合わせ、該パターン形成材料から支持体を剥離する場合に、帯電した前記支持体(フィルム)と人体とが不快な電気ショックを受けることがあり、あるいは帯電した前記支持体に塵埃が付着する等の問題がある。このため、前記支持体上に導電層を設けたり、前記支持体自体に導電性を付与する処理を施すことが好ましい。また、前記導電層を前記感光層とは反対側の前記支持体上に設けた場合は、耐傷性を向上させるために疎水性重合体層を設けることが好ましい。なお、前記ガラス板としては、具体的には、ソーダガラス板、酸化ケイ素をスパッタしたガラス板、無アルカリガラス板、石英ガラス板、などが挙げられる。
次に、前記感光層を赤、緑、青、黒のそれぞれに着色した赤色感光層を有するパターン形成材料と、緑色感光層を有するパターン形成材料と、青色感光層を有するパターン形成材料と、黒色感光層を有するパターン形成材料を調製する。赤画素用の前記赤色感光層を有するパターン形成材料を用いて、赤色感光層を前記基体表面に積層して積層体を形成した後、像様に露光、現像して赤の画素を形成する。赤の画素を形成した後、前記積層体を加熱して未硬化部分を硬化させる。これを緑、青の画素についても同様にして行い、各画素を形成する。
前記積層体の形成は、前記ガラス基板上に前記パターン形成材料を積層してもよく、また、前記パターン形成材料製造用の感光性樹脂組成物溶液などを前記ガラス基板の表面に直接塗布し、乾燥させることにより前記ガラス基板上に感光層及び支持体を積層してもよい。また、赤、緑、青の三種の画素を配置する場合は、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等どのような配置であってもよい。
前記画素を形成した面上に前記黒色感光層を有するパターン形成材料を積層し、画素を形成していない側から背面露光し、現像してブラックマトリックスを形成する。該ブラックマトリックスを形成した積層体を加熱することにより、未硬化部分を硬化させ、カラーフィルタを製造することができる。
本発明のパターン形成方法及びパターン形成装置は、前記感光層の感度低下を抑制でき高感度で、かつ基体に対して凹凸追従性に優れ、高精細なパターンを形成可能なパターン形成材料を用いるため、より小さいエネルギー量の光で露光することができ、露光スピードが上がるため、処理スピードが上がる点で有利である。
本発明の前記パターン形成方法は、本発明の前記パターン形成材料を用いるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの製造に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に使用することができる。本発明のパターン形成装置は、本発明の前記パターン形成材料を備えているため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの製造に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
−パターン形成材料の製造−
前記支持体として16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、16QS52)上に、下記の組成からなるクッション層用塗布液を塗布し乾燥させて15μmのクッション層を形成した。
[クッション層用塗布液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体(共重合組成(モル比):55/10/5/30、質量平均分子量
:100,000) 60質量部
・スチレン/アクリル酸(共重合組成(モル比):65/35、質量平均分子量:10,
000) 140質量部
・2,2−ビス(4−(メタクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(新
中村化学社製、BPE−500) 150質量部
・メチルエチルケトン 700質量部
次に、前記クッション層上に下記の組成からなるバリア層用塗布液を塗布し、乾燥させて1.6μmのバリア層を形成した。
[バリア層用塗布液の組成]
・ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA205) 13質量部
・ポリビニルピロリドン(ISP社製、K−30) 6質量部
・水 200質量部
・メタノール 180質量部
前記バリア層上に、下記の組成からなる感光性樹脂組成物溶液を塗布し乾燥させて、前記バリア層上に5μm厚の感光層を形成し、該感光層の上に、前記保護フィルムとして20μm厚のポリエチレンフィルムを積層し、パターン形成材料を製造した。
[感光性樹脂組成物溶液の組成]
・フェノチアジン 0.0049質量部
・メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合体組成(質量比):
29/19/52、質量平均分子量:60,000、酸価189mgKOH/g、I/O値0.552) 11.8質量部
・下記構造式(87)で表される重合性モノマー 5.6質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネートとテトラエチレンオキシドモノメタクリレートの1/
2モル比付加物 5.0質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 0.56重量部
・2,2−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダ
ゾール 2.4質量部
・下記構造式(88)で表される蛍光増白剤(ベンゾオキサゾリル基を有する増感剤)
0.12質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.016質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.1質量部
・メチルエチルケトン 40質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 20質量部
・フッ素系界面活性剤(大日本インキ社製、F780F) 0.021質量部
なお、前記フェノチアジンは、前記重合禁止剤であり、分子内に芳香環、複素環、及びイミノ基を有する化合物である。
但し、構造式(87)中、m+nは、10を表す。
極大吸収波長は、382nmである。
次に、前記基体として、表面を化学研磨した銅張積層板(日立化成工業社製、商品名:MCL−E−67、スルーホールなし、表面凹凸の差の最大値が2μm、銅厚み12μm)を調製した。該銅張積層板上に、前記パターン形成材料の感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記パターン形成材料の保護フィルムを剥がしながら、ラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記バリア層と、前記クッション層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された積層体を調製した。なお、前記銅張積層板における前記感光層を積層した方の面について、JIS B 0601に規定の最大高さ粗さ(Rz)を測定したところ、該Rzは3μmであった。
圧着条件は、圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力0.3MPa、ラミネート速度1m/分とした。
前記支持体について、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
また、前記製造した前記積層体について、露光感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。
<全光線透過率>
分光光度計(島津製作所社製、UV−2400)に積分球を組み込んだ装置を用いて、前記支持体に対して405nmでの全光線透過率を測定した。結果を表1に示す。
<ヘイズ値>
前記全光線透過率の測定方法において、前記積分球を使用しない以外は前記全光線透過率の測定方法と同様にして平行光線透過率を測定した。次に、次計算式、拡散光透過率=前記全光線透過率−前記平行光線透過率、を計算し、更に、次計算式、ヘイズ値=前記拡散光透過率/前記全光線透過率×100、を計算することにより求めた。結果を表1に示す。
<露光感度>
−最短現像時間の測定−
前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とした。
この結果、前記最短現像時間は、15秒であった。
−露光感度の測定−
前記調製した積層体におけるパターン形成材料の感光層に対し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)側から、以下に説明するパターン形成装置を用いて、0.1mJ/cmから21/2倍間隔で100mJ/cmまでの光エネルギー量の異なる光を照射して露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて上記の方法により求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の領域を溶解除去して、残った硬化領域の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得た。こうして得た感度曲線から硬化領域の厚さが露光前と同じ厚みとなった時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。このようにして求めた前記感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量(露光感度)を表1に示す。
<<パターン形成装置>>
前記光照射手段として図8〜9及び図25〜29に示した合波レーザ光源と、前記光変調手段として図6に概略図を示した主走査方向にマイクロミラー58が1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された内、1024個×256列のみを駆動するように制御したDMD36と、図5に示した光を前記パターン形成材料に結像する光学系とを有する露光ヘッド30を備えたパターン形成装置10を用いた。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、使用可能な1024列×256行のマイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用した。この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
であり、s=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度を採用した。
まず、2重露光における解像度のばらつきと露光むらを補正するため、被露光面の露光パターンの状態を調べた。結果を図18に示した。図18においては、ステージ14を静止させた状態でパターン形成材料12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した。また、下段部分に、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示した。なお、図18では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示したが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図18に示したとおり、露光ヘッド3012と3021の間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多な領域が生じていることが判る。
前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定した。
実傾斜角度θ´を用いて、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出した。露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255がそれぞれ導出された。その結果、図19において斜線で覆われた部分78及び80を構成するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定された。
その後、図19において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、同様にして図19において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加された。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しないように制御した。
これにより、露光エリア3212と3221のうち、複数の前記露光ヘッドで形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
<解像度>
前記最短現像時間の評価方法と同じ方法及び条件で前記積層体を作成し、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅5μm〜20μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行い、ライン幅20μm〜50μmまで5μm刻みで各線幅の露光を行った。この際の露光量は、前記感度の測定で求めた前記パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な最小の光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取った。銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去した。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。結果を表1に示す。
<エッチング性>
前記解像度の測定において形成したパターンを有する積層体を用いて、該積層体における露出した銅張積層板の表面に、塩化鉄エッチャント(塩化第二鉄含有エッチング溶液、40°ボーメ、液温40℃)を0.25MPaで、36秒スプレーして、硬化層で覆われていない露出した領域の銅層を溶解除去することによりエッチング処理を行った。次いで、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーすることにより前記形成したパターンを除去して、表面に前記永久パターンとして銅層の配線パターンを備えたプリント配線板を調製した。該プリント配線基板上の配線パターンを光学顕微鏡で観察し、該配線パターンの最小のライン幅を測定した。この最小ライン幅が小さいほど高精細な配線パターンが得られ、エッチング性に優れていることを意味する。
<エッジラフネス>
前記と同様に形成した積層体に、前記パターン形成装置を用いて、前記感光層の一部の領域を前記解像度の測定における方法と同様にして露光し、パターンを形成した。得られたパターンのうち、ライン幅30μmのラインパターンの任意の5箇所について、レーザ顕微鏡(VK−9500、キーエンス(株)製:対物レンズ50倍)を用いて観察し、視野内のエッジ位置のうち、最も膨らんだ箇所(山頂部)と、最もくびれた箇所(谷底部)との差を絶対値として求め、観察した5箇所の平均値を算出し、これをエッジラフネスとした。該エッジラフネスは、値が小さいほど、良好な性能を示すため、値が小さいのが好ましい。
(実施例2)
実施例1において、前記構造式(88)で表される蛍光増白剤(ベンゾオキサゾリル基を有する増感剤)を、下記構造式(89)で表される蛍光増白剤(ベンゾオキサゾリル基を有する増感剤)に代えた以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
極大吸収波長は、382nmである。
(実施例3)
実施例1において、前記構造式(88)で表される蛍光増白剤(ベンゾオキサゾリル基を有する増感剤)を、下記構造式(90)で表される蛍光増白剤(ジスチリルベンゼン核を有する増感剤)に代えた以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒秒であった。
極大吸収波長は、378nmである。
(実施例4)
実施例1において、前記支持体を16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル社製、R340G)に代え、前記実施例1の感光性樹脂組成物溶液中の前記構造式(88)で表される蛍光増白剤(ベンゾオキサゾリル基を有する増感剤)を、下記構造式(91)で表される蛍光増白剤(ジスチリルビフェニル核を有する増感剤)に代えた以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
極大吸収波長は、383nmである。
(実施例5)
実施例1において、前記支持体を16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、A1517)に代え、前記実施例1の感光性樹脂組成物溶液中の前記構造式(88)で表される蛍光増白剤(ベンゾオキサゾリル基を有する増感剤)を、下記構造式(92)で表される蛍光増白剤(ベンゾチアゾリル基を有する増感剤)に代えた以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
極大吸収波長は、390nmである。
(実施例6)
実施例1において、前記支持体を16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、16FB50)に代えた以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
(実施例7)
実施例1において、前記構造式(88)で表される蛍光増白剤(ベンゾオキサゾリル基を有する増感剤)を、下記構造式(93)で表される蛍光増白剤(スチリルピラゾリン核を有する増感剤)に代えた以外は実施例1と同様にして、パターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
極大吸収波長は、395nmである。
(実施例8)
実施例1において、前記フェノチアジンをt−ブチルカテコールに代えた以外は実施例1と同様にして、パターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
(実施例9)
実施例1において、前記メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合体組成(質量比):29/19/52、質量平均分子量:60,000、酸価189mgKOH/g、I/O値0.552)を、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/8/30/37、質量平均分子量:68,800、Tg:105℃、I/O値0.554)に代えた以外は実施例1と同様にして、パターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
(実施例10)
実施例1において、前記メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合体組成(質量比):29/19/52、質量平均分子量:60,000、酸価189mgKOH/g、I/O値0.552)を、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合体組成(質量比):20/56/24、質量平均分子量:75,000、Tg:123℃、I/O値0.645)に代えた以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は14秒であった。
(実施例11)
実施例1において、前記メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合体組成(質量比):29/19/52、質量平均分子量:60,000、酸価189mgKOH/g、I/O値0.552)を、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合体組成(質量比):20/80、質量平均分子量:43,700、Tg:120℃、I/O値0.328)に代えた以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は18秒であった。
(実施例12)
実施例1において、前記メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合体組成(質量比):29/19/52、質量平均分子量:60,000、酸価189mgKOH/g、I/O値0.552)を、スチレン/メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比:10/35/10/10/15/20、酸価:144mgKOH/g、重量平均分子量:62,300、I/O値:0.76)に代えた以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は14秒であった。
(実施例13)
実施例1において、前記構造式(87)で示される2官能モノマー5.6質量部のうちの4質量部を、下記構造式(94)で表される3官能モノマー2質量部及びγ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−オルト−フタレート2質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
(実施例14)
実施例1において、クッション層用塗布液を下記に示す組成のクッション層塗布液に代え、クッション層の厚みを17μmに変えたこと、及びバリア層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて積層体を調製し、パターンを形成し、実施例1と同様にして、露光感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示した。
なお、前記製造したパターン形成材料を剥離させて、剥離後のパターン形成材料の厚みを測定することにより剥離箇所を調べたところ、前記クッション層と前記感光層との界面で剥離されていることが判った。また、最短現像時間は4秒であった。
[クッション層用塗布液の組成]
・エバフレックスEEA701(軟化点(Vicat)73℃、三井・デュポンポリケ
ミカル社製) 17質量部
・トルエン 73質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
(実施例15)
実施例1において、クッション層用塗布液を下記に示す組成のクッション層塗布液に代えたこと以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて積層体を調製し、パターンを形成し、実施例1と同様にして、露光感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示した。
なお、前記製造したパターン形成材料を剥離させて、剥離後のパターン形成材料の厚みを測定することにより剥離箇所を調べたところ、前記クッション層と前記バリア層との界面で剥離されていることが判った。なお、最短現像時間は6秒であった。
[クッション層用塗布液の組成]
・エバフレックスEV45X(軟化点(Vicat)30℃以下、三井・デュポンポリ
ケミカル社製) 17質量部
・トルエン 73質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
(実施例16)
実施例1において、前記支持体を16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製、G2)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
(実施例17)
実施例1と同様にして製造したパターン形成材料、及び積層体を用いて、実施例1と同様のパターン形成装置において、前記式3に基づきN=1として設定傾斜角度θを算出し、前記式4に基づきttanθ´=1の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、N重露光(N=1)を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、パターンを形成し、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
(比較例1)
実施例1において、感光性樹脂組成物溶液中の前記構造式(88)で表される蛍光増白剤(ベンゾオキサゾリル基を有する増感剤)を、4,4’−ビス(4−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(ケトン化合物)に代えた以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を製造した。なお、4,4’−ビス(4−ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの極大吸収波長は、365nmである。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
(比較例2)
実施例1において、前記支持体を16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製、G2)に代え、前記実施例1の感光性樹脂組成物溶液中の前記構造式(88)で表される蛍光増白剤(ベンゾオキサゾリル基を有する増感剤)を、4,4’−ビス(4−ジエチルアミノ)ベンゾフェノンに代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を製造した。なお、4,4’−ビス(4−ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの極大吸収波長は、365nmである。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は15秒であった。
(比較例3)
実施例1において、クッション層及びバリア層を設けなかったこと、及び感光層の厚みを22μmとした以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を製造した。
前記支持体について、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。
前記積層体について、実施例1と同様にして、感度、解像度、及びエッチング性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、最短現像時間は18秒であった。
表1の結果より、、前記感光層に増感剤として蛍光増白剤を含む実施例1〜17のパターン形成材料は感度に優れ、レジスト面形状に優れた、高精細なパターンが形成されることが判った。一方、増感剤として蛍光増白剤を含まない比較例1〜3では、形成したパターンに欠陥がみられ、レジスト面形状に劣り、レジスト線幅のばらつきも大きいことが判った。
また、前記実施例1〜16の感光層では、本発明のパターン形成方法において、2重露光における解像度のばらつきと露光むらを補正しているので、解像度が高く、高精細なパターンが得られることが確認された。この中でも、支持体のヘイズ値が5.0%以下である実施例1〜5、7〜15では、特に感度が良好であった。
(実施例18)
[カラーフィルタパターンの形成]
<感光性転写材料の作製>
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなるクッション層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記着色感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmのクッション層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2μmの感光性樹脂層を設け、保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
以上により、仮支持体とクッション層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の感光性樹脂層とが一体となった感光性樹脂転写材料K1を作製した。
−クッション層用塗布液:処方H1の調製−
メタノール11.1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート6.36質量部、メチルエチルケトン52.4質量部、メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)5.83質量部、スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、分子量=1万、Tg≒100℃)13.6質量部、ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを2当量脱水縮合した化合物(新中村化学工業(株)製、2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン)9.1質量部、及び前記界面活性剤10.54質量部からなるクッション層用塗布液を調製した。
−中間層用塗布液:処方P1の調製−
PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550)32.2質量部、ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン(株)製、K−30)14.9質量部、蒸留水524質量部、及びメタノール429質量部からなる中間層用塗布液を調製した。
−感光性組成物K1の調製−
下記表2に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して、150rpmで10分間攪拌した。次いで、下記表2に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、B−CIM(2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、保土谷化学工業社製)、前記構造式(93)で表される蛍光増白剤(スチリルピラゾリン核を有する増感剤)、N−フェニルメルカプトベンズイミダゾール、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)、150RPMで30分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過した。以上により、感光性組成物K1を調製した。
なお、表2に記載の組成物のうち、
・K顔料分散物1の組成は、カーボンブラック(デグッサ社製)13.1質量%、下記式(1)で表される分散剤0.65質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万)6.72質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート79.53質量%からなる。
・バインダー2の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量%からなる。
・DPHA液の組成は、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)76質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート24質量%からなる。
・界面活性剤1の組成は、下記構造物1 30質量%、及びメチルエチルケトン(MEK)70質量%からなる。
ただし、前記構造物1の式中、x及びyの数値はモル比を表す。
−感光性組成物R1、G1、B1の調製−
次に、前記感光性転写材料K1の作製において用いた前記感光性組成物K1を、下記表3〜5に記載の組成よりなる下記感光性組成物R1、G1及びB1に変更した以外は、上記と同様の方法により、感光性転写材料R1、G1及びB1をそれぞれ作製した。
−感光性組成物R1の調製−
下記表3に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌した。次いで、下記表3に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、DPHA液、B−CIM(保土谷化学工業社製)、前記構造式(93)で表される蛍光増白剤(スチリルピラゾリン核を有する増感剤)、N−フェニルメルカプトベンズイミダゾール、及びフェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpmで30分間攪拌した。更に、下記表3に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過した。以上により、感光性組成物R1を調製した。
なお、表3に記載の組成物のうち、
・R顔料分散物1の組成は、C.I.ピグメントレッド254(チバスペシャリティケミカルズ社製)8質量%、前記式(1)で表される分散剤0.8質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物)8質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート83質量%からなる。
・R顔料分散物2の組成は、C.I.ピグメントレッド254(チバスペシャリティケミカルズ社製)5.3質量%、アクリル酸モノ(ジメチルアミノプロピル)アミド/メタクリル酸(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)エステル/メタクリル酸(ポリメチルメタクリレート含有アルコール)エステル1.6質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート93質量%からなる。
・バインダー1の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量%からなる。
−感光性組成物G1の調製−
下記表4に記載の量のG顔料分散物1、Y顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌した。次いで、下記表4に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー1、DPHA液、B−CIM(保土谷化学工業社製)、前記構造式(93)で表される蛍光増白剤(スチリルピラゾリン核を有する増感剤)、N−フェニルメルカプトベンズイミダゾール、及びフェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpmで30分間攪拌した。更に、下記表4に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過した。以上により、感光性組成物G1を調製した。
なお、表4に記載の組成物のうち、
・G顔料分散物1の組成は、C.I.ピグメントグリーン36(東洋インキ製造株式会社製、分散物)18質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)12質量%、シクロヘキサノン35質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート35質量%からなる。
・Y顔料分散物1の組成は、C.I.ピグメントイエロー139(東洋インキ製造(株)製、商品名:パリオロールエローL1820)18質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)15質量%、シクロヘキサノン15質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート52質量%からなる。
−感光性組成物B1の調製−
下記表5に記載の量のB顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌した。次いで、下記表5に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、B−CIM(保土谷化学工業社製)、前記構造式(93)で表される蛍光増白剤(スチリルピラゾリン核を有する増感剤)、N−フェニルメルカプトベンズイミダゾール、及びフェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm、30分間攪拌した。更に、下記表5に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30RPMで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過した。以上により、感光性組成物B1を調製した。
なお、表5に記載の組成物のうち、
・B顔料分散物1の組成は、C.I.ピグメントブルー15:6(東洋インキ製造(株)製)10質量%、分散剤1(EFKA−6745、EFKA ADDITIVES B.V社製)0.5質量%、分散剤2(ディスパロンDA−725、楠本化成(株)製)0.63質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)12.5質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート76.37質量%からなる。
(1)レッド(R)画素の形成
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業株式会社製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃にて2分加熱して次のラミネーターに送った。
前記感光性樹脂転写材料R1の保護フイルムを剥離後、ラミネーター((株)日立インダストリイズ社製、LamicII型)を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
−露光工程−
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム仮支持体を剥離後、実施例1と同様のパターン形成装置を用いて、波長が405nmのレーザ光により、露光を行った。この露光は、15段ステップウエッジパターン(ΔOD=0.15)、及び線幅の異なる多数の穴部が形成される格子パターンが得られるように行い、前記感光層の一部の領域を硬化させて、熱処理済みR画像を形成した。また、このカラーフィルタパターンの他、ブラックマトリクスを形成しない基板にカラーフィルタパターン、感度評価パターン、及び解像度評価パターンも作製した。また、露光量は15mJ/cmで、大気雰囲気下で行った。
−現像工程−
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5質量%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム株式会社製)にて30℃にて50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しクッション層及び中間層を除去した。
引き続き、炭酸Na系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム株式会社製)を用い、35℃にて35秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し感光性樹脂層を現像しパターニング画素を得た。
引き続き、洗浄剤(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−SD1、富士写真フイルム株式会社製、或いは、炭酸ナトリウム、フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名:T−SD2、富士写真フイルム株式会社製)を用い、33℃にて20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、レッド(R)の画素を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分熱処理(ベーク)した。
該R101感光層の膜厚は2.0μm、顔料(C.I.ピグメントレッド254)の塗布量は0.314g/mであった。
[評価]
ここで、形成されたレッド(R)のカラーフィルタパターン(画素)について、以下の方法により露光感度、解像度、及びムラを評価した。結果を下記表6に示す。
<露光感度>
得られた前記レッド(R)のカラーフィルタパターン(画素)において、残った前記感光層の硬化領域の厚みを測定した。次いで、レーザ光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から基板上の硬化領域の厚さが1.5μmとなり、硬化領域の表面が光沢面である時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
<解像度>
得られた前記レッド(R)の解像度評価パターン形成済みの基板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化層パターンの穴部に残膜が無い、最小の穴径を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
このレッド(R)の画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
(2)グリーン(G)画素の形成
前記感光性転写材料G1を用い、前記感光性転写材料R1と同様の工程で、熱処理済みのグリーン(G)の画素を作製した。露光量は20mJ/cmとした。
該G1の感光層膜厚は2.0μm、及び顔料(C.I.ピグメントグリーン36)の塗布量0.396g/m、顔料(C.I.ピグメントイエロー139)の塗布量は0.0648g/mであった。
このレッド(R)とグリーン(G)の画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
(3)ブルー(B)画素の形成
前記感光性転写材料B1を用い、前記感光性転写材料R1と同様の工程で、熱処理済みのブルー(B)の画素を作製した。露光量は30mJ/cmとした。
該B1感光層膜厚は2.0μm、及び顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)の塗布量は0.32g/mであった。
このレッド(R)とグリーン(G)とブルー(B)の画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
(4)ブラック(K)画像及びブラックマトリクスの形成
前記感光性転写材料K1を用い、前記感光性転写材料R1と同様の工程で、熱処理済みのブラック(K)の画像(カラーフィルタの額縁部分を形成)及びブラックマトリクス部を作製した。露光量は45mJ/cmとした。
〔評価〕
<塗布ムラ>
評価のためレッド(R)の感光層のみを形成した直後の基板を、暗室でNaランプを斜めから照射し、目視にて観察し、ムラの発生の有無を判断した。
<表示ムラ>
パターニングが終了した画素付きの基板(評価のためレッド(R)の感光層のみを形成した)を、暗室でNaランプを斜めから照射し、目視にて観察し、ムラの発生の有無を判断した。
なお、これらムラの評価はムラが観察しやすいという観点からレッド(R)の例を示した。
表6の結果より、実施例18のカラーフィルタパターンは塗布ムラ及び表示ムラが少なく、露光感度及び解像度が高く、良好なカラーフィルタが製造できることが認められた。
[液晶表示装置の作製及び評価]
実施例18のカラーフィルタを用いてLEDバックライトを有する反射、透過兼用の液晶表示装置を作製した。実施例18のカラーフィルタを用いた液晶表示装置が、良好な表示特性を示すことを確認した。
本発明のパターン形成材料は、前記感光層の感度低下を効果的に抑制でき、高感度な感光層が得られ、かつ基体に対して凹凸追従性に優れ、より高精細なパターンを形成可能であるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。本発明のパターン形成装置は、本発明の前記パターン形成材料を備えているため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。本発明のパターン形成方法は、本発明の前記パターン形成材料を用いるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に使用することができる。
図1は、パターン形成装置の一例の外観を示す斜視図である。 図2は、パターン形成装置のスキャナの構成の一例を示す斜視図である。 図3Aは、感光層の被露光面上に形成される露光済み領域を示す平面図である。 図3Bは、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す平面図である。 図4は、露光ヘッドの概略構成の一例を示す斜視図である。 図5Aは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す上面図である。 図5Bは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す側面図である。 図6は、図1のパターン形成装置のDMDの一例を示す部分拡大図である。 図7Aは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図7Bは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図8は、ファイバアレイ光源の構成の一例を示す斜視図である。 図9は、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列の一例を示す正面図である。 図10は、露光ヘッドの取付角度誤差及びパターン歪みがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図11は、1つのDMDによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図12は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図13は、選択されたマイクロミラーのみが露光に使用された結果、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図14は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図15は、隣接する2つの露光ヘッドによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図16は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図17は、図14の例において選択された使用画素のみが実動され、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図18は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれ及び取付角度誤差がある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図19は、図18の例において選択された使用描素部のみを用いた露光を示す説明図である。 図20Aは、倍率歪みの例を示した説明図である。 図20Bは、ビーム径歪みの例を示した説明図である。 図21Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図21Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図22は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図23Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図23Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図24は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図25は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図26は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図27は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図28は、図27に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図29は、図27に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図30は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 図31Aは、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例である。 図31Bは、図31Aに示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。 図32は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図33は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図34Aは、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図34Bは、図34Aの光軸に沿った断面図の一例である。
符号の説明
B1〜B7 レーザビーム
L1〜L7 コリメータレンズ
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 パターン形成装置
12 感光層(感光材料)
14 移動ステージ
18 設置台
20 ガイド
22 ゲート
24 スキャナ
26 センサ
28 スリット
30 露光ヘッド
32 露光エリア
36 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
38 ファイバアレイ光源
58 マイクロミラー(描素部)
60 レーザモジュール
62 マルチモード光ファイバ
64 光ファイバ
66 レーザ出射部
110 ヒートブロック
111 マルチキャビティレーザ
113 ロッドレンズ
114 レンズアレイ
140 レーザアレイ
200 集光レンズ

Claims (16)

  1. 支持体上に、クッション層と感光層とをこの順に有するパターン形成材料において、該感光層が、増感剤として蛍光増白剤を含み、かつ、該感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが0.1〜50mJ/cmであることを特徴とするパターン形成材料。
  2. 蛍光増白剤が、非イオン性核を有する化合物である請求項1に記載のパターン形成材料。
  3. 非イオン性核が、スチルベン核、ジスチリルベンゼン核、ジスチリルビフェニル核、ジビニルスチルベン核、フェニルピラゾリン核、及びスチリルピラゾリン核から選択される少なくとも1種である請求項2に記載のパターン形成材料。
  4. 非イオン性核を有する化合物が、スチリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基から選択される少なくとも1種を有する請求項2から3のいずれかに記載のパターン形成材料。
  5. クッション層が、熱可塑性樹脂を含む請求項1から4のいずれかに記載のパターン形成材料。
  6. 熱可塑性樹脂の軟化点が、80℃以下である請求項5に記載のパターン形成材料。
  7. クッション層が、アルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性である請求項1から6のいずれかに記載のパターン形成材料。
  8. クッション層が、アルカリ性液に対して不溶性である請求項1から6のいずれかに記載のパターン形成材料。
  9. クッション層の厚みが3〜50μmである請求項1から8のいずれかに記載のパターン形成材料。
  10. クッション層と感光層との間に物質の移動を抑制可能なバリア層を形成する請求項1から9のいずれかに記載のパターン形成材料。
  11. 感光層が、重合禁止剤と、バインダーと、重合性化合物と、光重合開始剤とを含む請求項1から10のいずれかに記載のパターン形成材料。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載のパターン形成材料を備えており、
    光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記パターン形成材料における感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置。
  13. 請求項1から11のいずれかに記載のパターン形成材料における感光層を、加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において基材の表面に積層した後、該感光層に対して露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とするパターン形成方法。
  14. 感光層への露光が、支持体を介して行われる請求項13に記載のパターン形成方法。
  15. 支持体を剥離した後、感光層に対して露光を行う請求項13に記載のパターン形成方法。
  16. 露光が、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
    前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
    前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
    前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光し、現像する請求項13から15のいずれかに記載のパターン形成方法。
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