JP2007177940A - ラック・ピニオン機構用ころ軸受 - Google Patents

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英樹 赤松
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Abstract

【課題】 組み込まれるころ本数を非脱落形式で多くできて、負荷容量の増大、耐久性の向上、および組立性の向上が可能で、かつゴリ感やガタツキを解消できるラック・ピニオン機構用ころ軸受を提供する。
【解決手段】 回転運動を直線運動に変換するラック・ピニオン機構におけるピニオンギアを支持するころ軸受に適用する。外輪1と、この外輪1の転走面1aに接する複数のころ2と、リング状の保持器3とを有する。前記外輪1がハウジングの軸受取付孔の内周面に嵌合し、前記複数のころ2が前記ピニオンギアのピニオン軸の外周に転接するものであり、前記保持器3は円周方向に並ぶ複数のポケット4を有するものである。前記保持器3の各ポケット4間の柱部5が、各ころ2の間で前記ころ2を内径側から保持するものとする。また、前記柱部5の外径d3oを、ころ配列のピッチ円直径PCDよりも小径とする。
【選択図】 図3

Description

この発明は、回転運動を直線運動に変換するラック・ピニオン機構のピニオンギア支持部に使用されるころ軸受に関する。
ラック・ピニオン機構は、旋盤等の工作機械の送り機構や、塗装機、洗浄機などの生産設備、あるいは自動車のステアリング装置等の様々な分野で広く使用されている。ピニオンギアの支持には各種軸受が使用されている。
ところで、転がり軸受は、深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受のような玉軸受と、針状ころ軸受のようなころ軸受とに大別されるが、両者には次のような一般的な特徴がある。すなわち、玉軸受は、ラジアル荷重およびアキシアル荷重の両方を受けることができるが、ころ軸受(ラジアルタイプ)は、ラジアル荷重しか受けることができない。しかし、ころ軸受は、同じ定格荷重なら玉軸受に比べコンパクトな設計が可能である。
ラック・ピニオン機構を各種機器に組み込む場合、上記両軸受の特徴を活かして、玉軸受ところ軸受とを組み合わせて使用することが多い。例えば、特許文献1、2では、ラック・ピニオン機構を収容するハウジングにおける中央部および端部でピニオン軸を支持する場合において、設置スペースの制約が比較的少ないハウジングの中央部では玉軸受でピニオン軸を支持し、かつ設置スペースの余裕がないハウジングの端部ではころ軸受で支持するようにして、ラジアル荷重を受けつつ、ハウジングのコンパクト化を図っている。なお、両文献は共に、自動車のステアリング装置にラック・ピニオン機構を使用した例である。
従来、ラック・ピニオン機構のピニオンギアをサイズの小さい軸受で支持しようとする場合、一般的には図6に示すような保持器つき針状ころ軸受30が用いられていた。また、図7に示すような滑り軸受31を用いる場合もある。
特開2001−71918号公報 特開2001−213334号公報
ラック・ピニオン機構のピニオンギアは、滑らかに回転する必要があり、ピニオンギア自体またはピニオンギアを取付けた軸が軸受によって回転自在に支持される。このピニオンギア支持部の軸受には、ラック・ピニオン機構が組み込まれる機器の用途やラック・ピニオン機構の組付け位置に応じた耐荷重性能、コンパクト性および組立性が求められる。
従来の図6に示すような保持器つき針状ころ軸受30は、同じサイズの総ころ軸受と比べて定格容量が小さいため、耐荷重性能が不足することがある。耐荷重性能が不足すると、転走面や転動面に圧痕が生じ、作動時に大きな振動音やゴリ感が発生する。
保持器を有しない総ころ軸受は、一般的には、機器への組付け前の取扱時にころが脱落する状態となっている。このため、組立性が悪く、ハウジングの奥まった位置に軸受を組付けることはほとんど不可能である。
非脱落タイプの総ころ軸受もあるが、キーストンタイプの場合、ころ本数が20本以上となると設計が困難である。
また、非脱落タイプの総ころ軸受でC端面のころタイプのものは、幅寸法が大きくなり、さらに有効接触長さも短く、かつころ端面およびころ端面との接触部が摩耗する問題がある。詳しくは、C端面ころタイプとは、ころ端面に尖り部を設けるタイプであり、その尖り部をプレス製の外輪に設けられた鍔で抱え込むことで脱落防止される。このように、ころ端面を尖り形状とするため、平面、丸面(F、A面)の端面ころと比べて高価となる。しかも、ころ端面が尖り形状であるため、誘起スラストが大きい使用形態ではころ端面の摩耗が顕著となる。また、ころ端面の尖り形状の寸法分だけ、ころの有効長さが短くなる。
なお、上記文中に記載したころの端面形状はJIS B 1506に示されたものであって、C端面はとがり形、F端面は平面形、A端面は丸面形のことをいう。
これらの他に、熱固化性グリースを充填して非脱落タイプとする総ころ軸受があるが、このタイプは回転トルクが大きくなる。さらに、熱固化性グリースの使用温度範囲内に軸受の使用温度が限られる。そして、軸受潤滑の手段であるグリースの種類、油の種類等が限られる。
図7に示すように滑り軸受31を用いた場合、耐荷重性能および組立性に優れるが、滑り軸受31は、ギア支持部の摩擦抵抗が大きいため、モータや油圧装置等の動力源の必要容量が大きく、また樹脂コーティングの被膜が剥がれたり摩耗したりして、ガタツキが発生しやすいという問題がある。
具体的な適用例として、工作機械や生産設備では以下の課題がある。
(1)例えば、旋盤等の送り装置に使用される場合、ツールの破損時にラック・ピニオン機構のピニオンギア支持部に大きな衝撃荷重が作用するため、軸受には大きな定格荷重が必要とされる。保持器つき針状ころ軸受は同じサイズの総ころ軸受に比べて定格容量が小さい。
(2)コンパクト化、軽量化のために、軸受サイズを小さくする必要がある。保持器つき針状ころ軸受は同じサイズの総ころ軸受に比べて定格容量が小さい。
(3)軸受の組付け位置が、例えばハウジングの奥となる場合、軸受のハウジングへの組立性も考慮しなければならない。脱落タイプ総ころ軸受は、同じサイズなら保持器つき針状ころ軸受より定格荷重が大きく取れるが、ころが脱落するため、組み付ける事がほとんど不可能性であり、組立性が保持器つき針状ころ軸受より著しく劣る。
(4)滑り軸受は転がり軸受と比べ、フリクションが大きく、大きな動力が必要となる。
また、ステアリング装置では以下の課題がある。
(1)すえぎりやコーナーリング中にタイヤが乗り上げると、ラック・ピニオン機構のピニオンギア支持部に大きな荷重が作用する。耐荷重性能を向上するために、軸受には大きな定格荷重が必要とされる。
(2)コンパクト化、軽量化のために、軸受サイズを小さくする必要がある。保持器つき針状ころ軸受は同じサイズの総ころ軸受に比べて定格容量が小さい。
(3)軸受の組付け位置が、例えばハウジングの奥となる場合、軸受のハウジングへの組立性も考慮しなければならない。脱落タイプ総ころ軸受は、同じサイズなら保持器つき針状ころ軸受より定格荷重が大きく取れるが、ころが脱落するため、組み付ける事はほとんど不可能であり、組立性が保持器つき針状ころ軸受より著しく劣る。
(4)滑り軸受は転がり軸受と比べ、フリクションが大きく、大きな動力が必要となる。
この発明の目的は、総ころ軸受並みのころ本数を非脱落形式で保持できて、小さな軸受サイズでありながら十分な定格荷重が得られ、耐久性の向上が可能で、さらに組立性が良好なラック・ピニオン機構用ころ軸受を提供することである。
この発明のラック・ピニオン機構用ころ軸受は、回転運動を直線運動に変換するラック・ピニオン機構におけるピニオンギアを支持するころ軸受において、外輪と、この外輪の転走面に接する複数のころと、リング状の保持器とを有し、前記外輪がハウジングの軸受取付孔の内周面に嵌合し、前記複数のころが前記ピニオンギアのピニオン軸の外周に転接するものであり、前記保持器は円周方向に並ぶ複数のポケットを有するものであって、前記保持器の各ポケット間の柱部が各ころ間で前記ころを内径側から保持し、前記柱部の外径が、ころ配列のピッチ円直径よりも小径であることを特徴とする。
この構成によると、保持器の柱部が、ころを内径側から保持するものであり、その柱部の並びの外径寸法を、ころ配列のピッチ円直径よりも小径としたため、保持器柱部がころ配列のピッチ円上に存在しないものとできる。そのため、柱部によってころの配列間隔が広がらず、保持器を用いて非脱落形式をしながら、総ころ形式と同じ程度のころ本数を有するものとできる。このため、例えば次の各利点が得られる。
・ 本発明の保持器を採用することにより、総ころ軸受並みのころ本数を保持することができる。
・ 総ころ軸受並みのころ本数を非脱落にて保持できるため、同じサイズの深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受および保持器つき針状ころ軸受に対して、定格荷重が大きく、耐荷重性能向上、コンパクト化、長寿命化が可能となる。
・ 組込みころを非脱落にて保持できるため、脱落タイプ総ころ軸受に対して、組立性が向上する。
・ 滑り軸受(樹脂コーティング品)のようにコーティング膜剥がれや摩耗することがなく、摩耗等によるガタツキが発生することがない。
・ 滑り軸受(コーティングの有無関係なし)と比べ、低トルクである。
・ 本発明の保持器により、ころを非脱落にできることから、C端面ころを使用する必要がなく、有効接触長さの長いF端面ころ、A端面ころを使用することができるため、幅寸法を小さくできる。かつ、低コストである。
・ 本発明の保持器により、ころを非脱落にできることから、熱固化性グリースにより、ころを非脱落にする必要がなく、低トルク化、低コスト化を実現できる。
この発明において、前記保持器の柱部の横断面形状を、内径部よりも外径側の部分が先狭まりとなる形状としても良い。例えば、略三角形状としても良い。
ころ配列における隣合うころ間の隙間は、内径側が次第に大きくなる三角形状の隙間となるため、ころ間の間隔を広げることなく柱部の断面積を大きくするには、柱部を外径側へ先狭まりとなる断面形状とするのが好ましい。しかし、柱部の幅が最も広がる最内径部は、ころ表面に沿って広げずに、略一定幅としてころ表面と柱部表面との隙間を広げることにより、潤滑油の流れの阻害が回避でき、潤滑性の低下を防止できる。
この発明において、前記保持器の外径面の縁部を、テーパ状または断面円弧状の先狭まり形状としても良い。先狭まり形状に構成することにより、組立時のころ配列の内側への保持器の挿入をより円滑に行うことができ、組立性がさらに向上する。
この発明において、前記保持器を合成樹脂製としてもよい。保持器が合成樹脂製であると、保持器にある程度の弾性が得られるため、軸受組立時に保持器を変形させることができ、保持器あるいはころの組込が容易に行える。
保持器を合成樹脂製とする場合に、上記合成樹脂を、非強化のもの、または強化繊維を30wt%以下添加したものとしても良い。強化繊維にはカーボンファイバやグラスファイバ等が好ましい。
この発明において、ころ本数を総ころ形式としたものと同じか、または2本以下の本数だけ少なくしても良い。
この発明のラック・ピニオン用ころ軸受は、保持器の柱部を、ころを内径側から保持するものとしたため、非脱落形式としながらも、保持器柱部がころ配列のピッチ円上に存在しないものとできる。そのため、柱部によってころの配列間隔が広がらず、総ころ形式と同じ本数、あるいは1本または2本少ない本数だけのころ数を有するものとできる。
上記保持器の内径寸法は、ころ配列の内接円径の最大径よりも0.1mm以上大きくすることが好ましい。ころ配列の内接円径は、各ころを外輪の転走面に接するように配列した場合の内接円径のことである。各ころが転接する軸表面に対して0.1mm以上の隙間があると、保持器が強く接触することがなく、保持器によって摩擦トルクが増大することが回避される。また、潤滑油の流れの阻害も回避でき、潤滑性の低下を防止できる。
また、上記保持器の柱部の並びの外径寸法を、ころ配列のピッチ円直径よりも0.1mm以上小さくすることが好ましい。これにより、保持器柱部がころ配列のピッチ円上に存在しないものとできる。そのため、柱部によってころの配列間隔が広がらず、保持器を用いて非脱落形式としながら、総ころ形式と同じ程度のころ本数を有するものとできる。また、ころと保持器の柱部との間の潤滑油の流れの阻害も回避でき、潤滑性の低下を防止できる。
この発明のラック・ピニオン機構用ころ軸受は、回転運動を直線運動に変換するラック・ピニオン機構におけるピニオンギアを支持するころ軸受において、外輪と、この外輪の転走面に接する複数のころと、リング状の保持器とを有し、前記外輪がハウジングの軸受取付孔の内周面に嵌合し、前記複数のころが前記ピニオンギアのピニオン軸の外周に転接するものであり、前記保持器は円周方向に並ぶ複数のポケットを有するものであって、前記保持器の各ポケット間の柱部が各ころ間で前記ころを内径側から保持し、前記柱部の外径が、ころ配列のピッチ円直径よりも小径であるとしたため、総ころ軸受並みのころ本数を非脱落にて保持することができ、小さな軸受サイズでありながら十分な定格荷重が得られることから、耐久性の向上が可能で、さらに組立性が良好となった。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。このラック・ピニオン機構用ころ軸受は、図1に示すラック・ピニオン機構20のピニオンギア支持部21に使用される。このラック・ピニオン機構20は、例えば旋盤等の工作機械の送り機構や、塗装機、洗浄機などの生産設備、あるいは自動車のステアリング装置等に使用されるものである。
図のラック・ピニオン機構20は、モータ22の回転力を減速部23で増幅(減速)し、その増幅された回転力をピニオンギア24およびラック25により直線動作に変換する。ピニオンギア24の軸心方向両端にピニオン軸24aが一体に形成されており、そのピニオン軸24aが、本発明のころ軸受26と図示しない別の軸受とにより回転自在に支持されている。ころ軸受26は、ラック・ピニオン機構20を収容するハウジング27の端部に設けられたものである。また、ラック25は、図示しないラックブッシュにより、軸方向に摺動自在に支持されている。
図2および図3に示すように、上記ころ軸受26は、外輪1と、この外輪1の内径面からなる転走面1aに接する複数のころ2と、リング状の保持器3とを有する。外輪1はハウジング27の軸受取付孔28の内周面に嵌合し、複数のころ2はピニオン軸24aの外周に転接している。また、保持器3は円周方向に並ぶ複数のポケット4を有し、各ポケット4間の柱部5が、各ころ2の間にあって上記ころ2の内径側から保持するものとする。
外輪1は、両側に鍔部1bを有している。外輪1は、シェル型のもの、つまり鋼板のプレス成形品とされている。ころ2は軸受鋼等の鋼製とされている。保持器3は、ポリアミド(例えばPA66,PA46)、またはポリアセタール等の合成樹脂製とされている。保持器3は、これらの合成樹脂を、非強化の状態、あるいはカーボンファイバやグラスファイバ等の強化繊維を30%以下添加した状態のものとして使用することにより、軸受寸法や軸受用途等に応じた適度の強度と柔軟性を持たせたものとしてある。
保持器3は、幅方向の両端がリング状部6とされ、両側のリング状部6の間に柱部5を円周方向に等間隔で複数設けたものである。各柱部5の間の空間が、ころ2の入るポケット4となる。保持器3の柱部形状は略三角形状とする。保持器3の内径寸法d3iは、ころ配列の内接円径の最大径d2iよりも0.1mm以上大きくする。この0.1mmの寸法は、軸受サイズにかかわらず、この値以上であることが好ましい。保持器3の柱部5の並びの外径寸法d3oは、ころ配列のピッチ円直径PCDよりも小さくする。例えば、ピッチ円直径PCDよりも0.1mm以上小さくする。このピッチ円直径PCDよりも小さくする寸法は、軸受寸法等に応じて設計される所定割合以上としても良い。保持器3の柱部5の太さBは、ころ径Dwの15〜30%とすることが好ましい。
保持器3の柱部5の横断面形状は、例えば最内径部5a(図5(A)参照)が略一定幅の部分とされ、この最内径部よりも外径側の部分5bが外径側へ先狭まりとなる形状とされる。外径側の部分5bの先端部は、例えば角部または全体が円弧状に丸められた形状とされている。外径側部分5bの側面5baは、例えば図5(A)のように横断面が直線状となる形状、または同図(B)のようなころ2の外径面に略応じた凹曲面形状、または同図(C)のような凸曲面形状等とされる。柱部5の最内径部5aの側面5aaは、横断面が直線状となる形状であっても、または円弧状等の凸曲面となる形状であっても良い。柱部5の最内径部5aは、必ずしも断面形状が略一定幅でなくても良く、例えば円弧状に湾曲していて最内径部5aにおける中間部分が最も突出する形状や、また内径側の柱幅が狭まる形状であってもよい。
上記構成のころ軸受26によると、保持器3の柱部5がころ2の内径側から保持するものとし、その柱部形状を略三角形としたため、非脱落形式としながら、保持器柱部5がころ配列のピッチ円直径PCD上に存在しないものとできる。そのため、柱部5によってころ2の配列間隔が広がらず、総ころ形式と同じころ本数あるいは1〜2本少ないころ本数を有するものとできる。例えば、保持器つき針状ころ軸受に比べて、ころ本数が10〜50%増となる。また、上記柱部5の強度が確保される。
この実施形態のころ軸受26の場合、さらに次の利点が得られる。
例えば、保持器3の内径寸法d3iを、ころ配列の内接円径d2iの最大径よりも0.1mm以上大きくしたため、軸と保持器3との間に0.1mm以上の隙間が生じる。そのため、軸に保持器3が強く接触することがなく、保持器3によって摩擦トルクが増大することが回避される。また、潤滑油の流れの阻害も回避でき、潤滑性の低下を防止できる。
保持器3の上記柱部5の並びの外径寸法d3oは、ころ配列のピッチ円直径PCDよりも小さくしたため、保持器柱部5がころ配列のピッチ円上に存在しないものとできる。そのため、柱部5によってころ2の配列間隔が広がらず、保持器3を用いて非脱落形式としながら、総ころ形式と同じ程度のころ本数を有するものとできる。また、ころ2と保持器3の柱部5との間の潤滑油の流れの阻害も回避でき、潤滑性の低下を防止できる。
また、上記保持器3の柱部5の横断面形状を、最内径部5aが略一定幅の部分とされ、この最内径部5aよりも外径側の部分5bが外径側へ先狭まりとなる形状としたため、ころ2の間の間隔を広げることなく柱部5の断面積を大きくでき、かつ潤滑性にも優れる。すなわち、ころ配列における隣合うころ2の間の隙間は、内径側が次第に大きくなる三角形状の隙間となるため、ころ2間の間隔を広げることなく柱部5の断面積を大きくするには、柱部5の外径側へ先狭まりとなる三角形状の断面形状とすることが好ましい。しかし、柱部5の幅が最も広がる最内径部5aは、ころ表面に沿って広げずに、略一定幅としてころ表面と柱部表面との隙間を広げることにより、潤滑油の流れの阻害が回避でき、潤滑性の低下が防止できる。また、柱部5に無駄部分が生じず、樹脂材料が節減される。
図4は、この発明における他の実施形態を示す。この実施形態のラック・ピニオン機構用ころ軸受26は、外輪1を鋼材の削り出し品とし、保持器3を、両側のリング部6が柱部5よりも外径側へ厚くなる形状としたものである。その他の構成は、図1ないし図3に示す実施形態と同じである。
この構成の場合も、第1の実施形態で示した各作用、効果が得られる。
この発明の第1の実施形態にかかるラック・ピニオン機構用ころ軸受を備えたラック・ピニオン機構の一部断面斜視図であり、主要部を拡大して表示してある。 (A)は同ラック・ピニオン機構の一部の断面図、(B)はIIb−IIb断面図である。 (A)はラック・ピニオン機構用ころ軸受の部分縦断面図、(B)はその部分横断面図である。 この発明における他の実施形態にかかるラック・ピニオン用ころ軸受の部分断面図である。 柱部の各種断面形状例の説明図である。 (A)は保持器つきころ軸受を用いた従来のラック・ピニオン機構の一部の断面図、(B)はVIb−VIb断面図である。 (A)は滑り軸受を用いた従来のラック・ピニオン機構の一部の断面図、(B)はVIIb−VIIb断面図である。
符号の説明
1…外輪
1a…転走面
2…ころ
3…保持器
4…ポケット
5…柱部
20…ラック・ピニオン機構
21…ピニオンギア支持部
22…モータ
23…減速部
24…ピニオン
24a…ピニオン軸
25…ラック
26…ころ軸受
27…ハウジング
28…軸受取付孔

Claims (8)

  1. 回転運動を直線運動に変換するラック・ピニオン機構におけるピニオンギアを支持するころ軸受において、
    外輪と、この外輪の転走面に接する複数のころと、リング状の保持器とを有し、前記外輪がハウジングの軸受取付孔の内周面に嵌合し、前記複数のころが前記ピニオンギアのピニオン軸の外周に転接するものであり、前記保持器は円周方向に並ぶ複数のポケットを有するものであって、
    前記保持器の各ポケット間の柱部が各ころ間で前記ころを内径側から保持し、前記柱部の外径が、ころ配列のピッチ円直径よりも小径であることを特徴とするラック・ピニオン機構用ころ軸受。
  2. 請求項1において、前記保持器の柱部の横断面形状を、内径部よりも外径側の部分が先狭まりとなる形状としたラック・ピニオン機構用ころ軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記保持器の外径面の縁部を、テーパ状または断面円弧状の先狭まり形状としたラック・ピニオン機構用ころ軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記保持器を合成樹脂製としたラック・ピニオン機構用ころ軸受。
  5. 請求項4において、前記保持器の合成樹脂を、非強化のもの、または強化繊維を30wt%以下添加したものとしたラック・ピニオン機構用ころ軸受。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、ころ本数を総ころ形式としたものと同じか、または2本以下の本数だけ少なくしたラック・ピニオン機構用ころ軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記保持器の内径寸法を、ころ配列の内接円径の最大径よりも0.1mm以上大きくしたラック・ピニオン機構用ころ軸受。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記保持器の外径寸法を、ころ配列のピッチ円直径よりも0.1mm以上小さくしたラック・ピニオン機構用ころ軸受。
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