JP2007176461A - 車両補助動力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 タイヤ表面に雪や泥水等が付着して十分な駆動力を得られないとき、駆動輪以外の装着対象車輪の外径内側に収まる程度に小型、軽量化した車両用の新たな補助動力装置を提供する。
【解決手段】 車両2の駆動輪22以外の車輪3,3のハブ51に対し、外歯車部42を形成したブレーキローター4を装着し、該ハブ51を回転自在に軸支するハブベアリング5の車体固定側に相当する適所に補助駆動用モータ6を設け、該補助駆動用モータ6の出力軸61には進退機構7を有し、その進退動作の何れか一方によって外歯車部42に噛合し、また進退動作の何れか他方によって離脱可能とした補助駆動歯車8を直接または間接的に軸着した上、進退機構7ならびに補助駆動用モータ6を制御可能とする制御部9を設けてなる車両補助動力装置1である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動車に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであり、特に自動車用の駆動系部品を製造する分野は勿論のこと、それを車両に取り付るのに必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
我が国で市販されている常用車両は、一般にフロントエンジン・リアドライブ(以下FRと記す)方式、フロントエンジン・フロントドライブ(以下FFと記す)方式、ミッドシップエンジン・リアドライブ(以下MRと記す)方式、リアエンジン・リアドライブ(以下RRと記す)方式、および4ホイールドライブ(フロントエンジン・オールホイールドライブ:以下4WDと記す)方式等に分類されるが、雪道や未舗装路における走破性能を求めたときに4WD(四輪駆動)方式の車両が最も優れていると云うことができ、次いでFF(前輪駆動)方式が、外の2WD(2輪駆動)方式に比較して、操舵性の点において安定性があると云えるが、特に泥濘るんだ道や、積雪あるいは凍結のある登坂路等の途中に停車した後に、再発進するような場合の発進性能は、4WD方式の車両に到底及ばず、駆動輪が空転して発進、走破できない状態に陥ってしまうことがある。
このように最も優れた走破性能を示すフルタイム4WD方式の車両は、高い走破性能と安全性とを兼ね備えている一方、走行中は常時、4輪に駆動力を伝える必要があり、プロペラシャフトやジョイント、デファレンシャルギア等の駆動系による摩擦抵抗等がメカニカルロスとなって燃費を悪化させ、車体重量も増大してしまい、こうした複雑且つ精密な駆動系を小型、軽量化すると高価なものとなってしまうという欠点を有するものであり、こうした欠点を解消するものとして、通常走行時には2WDに設定して高燃費走行可能とし、悪路走行の際にだけ4WDに切り換えることができるパートタイム4WD方式の車両が広く普及している。
しかしながら、パートタイム4WD方式であっても、4輪を駆動させるための駆動系には、フルタイム4WD方式の車両と略同等の耐久性能をもつものを備える必要があり、車体重量の増大や、駆動系機構の複雑化を避けることができないという欠点は解決されないままであり、やはり外の2WD方式の車両に比較すると、車両価格は固より、燃料消費量も大きくなってしまい経済的にも負担の大きなものとなってしまうという欠点を有していた。
(従来の技術)
そうした中にも、その打開策となるような技術として、例えば実開昭61−70139号公報の「自動車の簡易補助駆動装置」考案として提案されているもののように、前輪と後輪の何れか一方がエンジンによって駆動される自動車において、非駆動側の車輪近傍の車体に補助駆動部材の支持部が着脱自在に設けられ、該補助駆動部材を駆動ローラと、それを駆動する駆動モータと、該駆動ローラを非駆動側車輪に押圧するシリンダ装置とから形成し、該シリンダ装置が、車載油圧機器から分岐されたオイルパイプから供給される油圧によって作動するよう組み込まれたものとすることにより、雪道等において走行不能となった際に、非駆動側車輪タイヤのトレッド面に駆動ローラを押し付け、駆動モータが発生する回転力をタイヤに伝えて駆動輪化し、自力脱出可能とするものや、特開平10−181368号公報に開示された「脱出駆動装置」発明のように、自動車の駆動、動力源をもたない車輪を支持する車体フレームの適所に、該動力駆動のないタイヤに対して起伏可能としたリンクアームを設け、該起伏リンクアームの先端に動力車輪を設けたものとすることにより、トラック等が悪路でスリップして脱出できなくなったときに、リンクアームを作動させて動力車輪を、対応するタイヤのトレッド面に押圧し、回転駆動力を伝達可能とするものとしたことにより、駆動輪化して車両の脱出、発進に貢献するようにしたもの等が散見される。
しかし、前者の「自動車の簡易補助駆動装置」考案や、後者の「脱出駆動装置」発明は、何れも駆動源をもたない車輪のタイヤトレッド面に対して接合、離脱可能とした駆動ローラを設けたものであるが、雪道や登坂路、未舗装路等で車両がスタックしてしまうときには、大抵タイヤの走行面に雪や雨水、泥等が付着しており、極端に滑り易くなっているものであり、駆動ローラとタイヤトレッド面との間に十分な摩擦力が得られない場合には、駆動ローラが容易に空転してしまい、悪路から脱出できないという情況に陥ってしまう虞があり、こうした欠点を解消するには、駆動ローラ周面の摩擦係数を高めると共にタイヤとの接触面積を大きくし、強力な押圧力を発生する押圧機構を設けなければならず、装置の大型化や重量の増大、およびそれに伴う価格の高騰等が懸念されるものとなってしまという欠点を残すものであった。
(1)実開昭61−70139号公報 (2)特開平10−181368号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある「自動車の簡易補助駆動装置」や「脱出駆動装置」等は、何れも駆動力をもたない車輪を支持する車体に対して装着されたシリンダ装置または起伏リンクアームにより、タイヤのトレッド面に直接、当接して駆動力を伝達する駆動ローラを有するものであり、雪道や泥濘みでスタックし、雪や泥水等が多量に付着して滑り易くなっているタイヤ表面に対し、回転力を伝達するという困難な構造を採用したものであると云わざるを得ず、しかもタイヤの外周表面に大きな接触面積を確保した駆動ローラを強力に圧接させるため、装置自体の大型化と重量の増大化とを避けられないものとなってしまい、特に衝突時の衝撃吸収安全性や、車体の軽量化を目指して前後端側のシャーシー強度を或程度低く設定されているような常用車両等にあっては、車体構造に許容範囲を超えた大きな負担を掛けるものとなってしまう虞がある上、比較的車高が低く、しかもホイールハウスとタイヤとの間に余裕の無い2WD乗用車両等に装着するには、車体ホイールハウス周辺への改造等、比較的大掛かりな加工を要するものとなってしまうという新たな問題を生じ兼ねないものであった。
(発明の目的)
そこで、この発明は、新たな問題を生じさせることなく、タイヤ表面に雪や泥水等が付着して滑り易くなっている場合にも駆動力を確実に伝達可能であり、しかも装着対象車輪の外径内側に収まる程度の大きさに留めて小型、軽量化を果たすことができる新たな車両用の補助駆動技術に進化させることはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の車両補助動力装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の車両補助動力装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、車両の駆動輪以外の何れかの車輪のハブに対し、外周縁に外歯車部を形成したブレーキローターを装着し、該ハブを回転自在に軸支するハブベアリングの車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所に補助駆動用モータを設け、該補助駆動用モータの出力軸には、ブレーキローター外歯車部に対して噛合、離脱自在とする進退機構を有する補助駆動歯車を直接または間接的に軸着した上、進退機構ならびに補助駆動用モータを制御可能とする制御部を設けてなるものとした構成を要旨とする車両補助動力装置である。
この基本的な構成からなる車両補助動力装置を、より具体的に示すと、車両の駆動輪以外の何れかの車輪のハブに対し、外周縁に外歯車部を形成したブレーキローターを装着し、該ハブを回転自在に軸支するハブベアリングの車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所に補助駆動用モータを設け、該補助駆動用モータの出力軸には、ブレーキローター回転軸心に平行に出没自在とする進退機構を有し、その進退動作の何れか一方によってブレーキローター外歯車部に噛合し、また進退動作の何れか他方によって離脱可能とした補助駆動歯車を直接または間接的に軸着した上、進退機構ならびに補助駆動用モータを制御可能とする制御部を設けてなるものとした構成からなる車両補助動力装置ということができる。
これを換言すれば、車両の駆動輪以外の何れかの車輪のハブに対し、外周縁に外歯車部を形成したブレーキローターを装着し、該ハブを回転自在に軸支するハブベアリングの車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所に補助駆動用モータを設け、該補助駆動用モータの出力軸には、ブレーキローター回転軸心に平行に出没自在とする進退機構を有し、その進退動作の何れか一方によってブレーキローター外歯車部に噛合し、また進退動作の何れか他方によって離脱可能とした補助駆動歯車を、直接または間接的に軸着した上、進退機構ならびに補助駆動用モータを制御可能とする制御部を設けたものとなし、悪路の発進等に際して該制御部を起動させ、ブレーキローター外歯車部に補助駆動歯車を噛合させ、補助駆動用モータを駆動して駆動輪以外の車輪に駆動力を発生するようにし、前輪駆動車または後輪駆動車を可逆的に四輪駆動車仕様に変更可能とするようにした車両補助動力装置である。
そして、これらをより具体的なものとして示すならば、車両の駆動輪以外の少なくとも左右一対もしくは複数対の車輪のハブの夫々に対し、外周縁に外歯車部を形成したブレーキローターを装着し、各ハブを回転自在に軸支するハブベアリングの車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所夫々に補助駆動用モータを設け、各補助駆動用モータの出力軸には、ブレーキローター回転軸心に平行に出没自在とする進退機構を有し、その進退動作の何れか一方によってブレーキローター外歯車部に噛合し、また進退動作の何れか他方によって離脱可能とした補助駆動歯車を直接または間接的に軸着した上、各進退機構ならびに各補助駆動用モータを制御可能とする制御部を設けてなるものとした構成の車両補助動力装置となる。
さらに具体的には、車両の駆動輪以外の少なくとも左右一対もしくは複数対の車輪のハブの夫々に対し、外周縁に外歯車部を形成したブレーキローターを装着し、各ハブを回転自在に軸支するハブベアリングの車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所夫々に補助駆動用モータを設け、各補助駆動用モータの出力軸には、ブレーキローター回転軸心に平行に出没自在とする進退機構を有し、その進退動作の何れか一方によってブレーキローター外歯車部に噛合し、また進退動作の何れか他方によって離脱可能とした補助駆動歯車を直接または間接的に軸着した上、各進退機構ならびに各補助駆動用モータを制御可能とする制御部を、その操作入力部が車室内の運転席周辺適所に配されてなるものとした構成からなる車両補助動力装置ということが可能である。
以上のとおり、この発明の車両補助動力装置によれば、車両の駆動輪以外の何れかの車輪のハブに装着されたブレーキローターの外周縁に外歯車部を形成し、該ハブを回転自在に軸支するハブベアリングの車体固定側に相当する適所であり、しかも走行に支障を来さない箇所に補助駆動用モータを設け、該補助駆動用モータの出力軸に、ブレーキローター回転軸心に平行に出没自在とする進退機構を有し、その進退動作に応じてブレーキローター外歯車部への噛合、離脱を可能とした補助駆動歯車を軸着したものとし、従来型のタイヤトレッド面に駆動ローラを圧接させる機構を設けた比較的大型で重量の嵩む脱出駆動装置よりも遙かに小型、軽量化することができ、しかも補助動力を利用するときに、ブレーキローター外周部に形成された外歯車部に対して補助駆動用モータに設けた補助駆動歯車を噛合させ、駆動力を直接的にホイールに伝達可能なものとしてあり、雪道や泥濘等の路面状況に左右されず、常に確実な動力をタイヤに伝達できるという秀れた特徴が得られるものである。
また、当該車両補助動力装置を、車両の駆動輪以外の少なくとも左右一対もしくは複数対の車輪に対して配したものとし、四輪の乗用および業務用の各種2WD方式の車両を登坂路や悪路脱出の際等に一時的に4WD方式化することが可能となり、6輪以上の車輪を有するトラックやバス、ダンプ、トラクターヘッド、コンテナー積載用シャーシー等の様々な車両に対しても左右両輪の発生駆動力を最も良くバランスさせることができ、操舵性と安全性とに優れた安定した発進を実現可能とすることができる。
さらに、進退機構ならびに補助駆動用モータを制御可能とする制御部を、その操作入力部が車室内の運転席周辺適所に配されたものとし、運転席に着座したままの運転者が、自ら進退機構および補助駆動用モータを意のままに遠隔、操作することを可能とし、従前であれば悪天候の中、車外に出て脱出不可能となった車輪に近づいてその様子を確認して直接何らかの手を下すこととなって、雪や泥で靴や手、衣類や身体等を汚してしまうという不都合もなく、全く通常の運転と変わらない操作で速やかに脱出、発進させることができることとなって、特に交通量が激しく、車外の活動に大きな危険性を伴う都市部での通勤時間帯や、高速道路走行中に発生したスタック等からの発進、操作の安全性を飛躍的に改善することができ、加えて、補助駆動用モータと補助駆動歯車との間に減速機構を配して補助駆動歯車の回転数をモータ出力軸の回転数よりも低く設定されたものとし、悪路脱出に有効な低速トルクを発生可能とした上、補助駆動用モータを更に小型、軽量化することができ、軽乗用車や軽トラック等への装着も容易になるという効果が得られる。
制御部を、その操作入力部が車室内の運転席周辺適所に配されたものとし、該操作入力部からの入力操作に応じて進退機構および補助駆動用モータに、車両用もしくは専用バッテリーからの電流を供給するものとし、進退機構の進退移動ならびに補助駆動用モータの正転・逆転動を適宜、制御可能となるようにしたものでは、車両における通常の発進操作に加えて、運転者自らが操作入力部を介して進退機構を操作し、補助駆動用モータの正転・逆転を設定すると共に、適宜タイミングで補助駆動用モータを回転駆動、制御することが可能となり、比較的簡素な構造の制御部として経済性を高めながら、十分な操作性と悪路脱出性能とを確保できるという秀れた特徴を得ることができる。
制御部を更に高度化し、それ専用の起動、停止用の操作入力部を有する制御回路と、該制御回路からの出力信号を受けて車両用もしくは専用バッテリーからの電流を、進退機構ならびに補助駆動用モータに向けて増幅、供給可能とする増幅器とからなり、当該制御回路には、ミッションの「Low」および「Reverse」の各状態を認識可能なミッションセンサー、およびアクセル開度を検出可能なアクセルセンサーが接続され、当該装置起動中にミッションが「Low」のときに補助駆動用モータを車輪の前進方向に一致するよう回転制御し、ミッションが「Reverse」のときに補助駆動用モータを車輪の後退方向に一致するよう回転制御するものとし、ブレーキローター外歯車部に補助駆動歯車を噛合させた後には、アクセル開度の検出値に略比例する電流量を補助駆動用モータに向けて供給するよう制御するものでは、悪路から脱出するとき、運転者が操作入力部を起動操作した後、通常の車両発進と同様に発進操作を行い、無事、脱出を完了した後に該操作入力部を停止操作するという非常に簡便な操作を行うことにより、制御部が補助駆動の回転方向や駆動力の発生量、駆動力の発生タイミング、および進退機構の突没作動等を自動的に判断、各部を動作させるものとなり、運転者は発進操作中、車両の運転操作に集中することができ、誤操作による不用意な発進や、駆動輪に不一致な車輪回転等の誤動作を確実に防止でき、しかも車両がミッションの「Low」および「Reverse」以外の状態で、例えば高速走行している状態では、進退機構を自動的に収納状態とし、補助駆動用モータを停止状態に制御するものとなり、安全性を更に高めることができるという効果を奏する。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
車両は、単一または複数のエンジン、モータあるいはそれ以外の原動機を搭載し、その駆動力を路面に伝えて走行可能とする駆動輪、およびそれ以外の従動輪かあるいは駆動力を有さない操舵輪かの何れか、もしくは従動輪と駆動力を持たない操舵輪との双方を有し、フルタイムおよびパートタイム4WDあるいは6輪以上の全輪駆動以外の車両であって、より具体的に示すとFR、FF、MR、RR方式の2WDか、あるいは全輪駆動以外の4輪中2輪駆動(4×2)、6輪中4輪駆動(6×4)等のトラック、バス、ダンプ、トラクターヘッドおよびそのコンテナー積載用シャーシー等、様々な車両を対象としている。
駆動輪以外の車輪は、車両が搭載する原動機、駆動系から駆動力の伝達を受けず、車両を走行可能に支持する車輪であって、必ずハブにディスクブレーキのディスクローターを備えたものとしなければならず、より具体的にはFR、FF、MR、RRの各車両、あるいは全輪駆動以外のトラック、バス、ダンプ、トラクターヘッドおよびそのコンテナー積載用シャーシー等におけるディスクブレーキを有し、駆動力を発生しない従動輪あるいは操舵輪ということができる。
ブレーキローターは、駆動輪以外の車輪に設けられたディスクブレーキの一部を形成し、且つ当該車両補助動力装置の一部を形成し、車輪と一体となって回転駆動されるものであって、後述する実施例に示すように、外周縁の全周に外歯車部を形成したものとし、車両を悪路から脱出させる駆動力の伝達に耐える十分な強度を有するものとしなければならず、ベル部一体型のもの、あるいは別体のものとすることが可能であり、その材質は一般に知られているネズミ鋳鉄や特殊カーボン、特殊ステンレス等、ブレーキ性能と駆動力伝達性能とを両立可能な様々な材質からなるものとすることができる。
外歯車部は、ディスクブレーキ用のディスクローター外周縁に歯車を形成し、補助駆動用モータの補助駆動歯車を噛合状として、該補助駆動用モータからの回転出力を、補助駆動対象となる車輪に伝達可能とする機能を果たすものであり、ブレーキローター外周縁の全周に形成されたものとしなければならず、平歯車状、はすば歯車状、ねじ歯車状、ウォームホイール状等、様々な形状の歯車とすることが可能であり、ブレーキローターの外周縁に一体に形成されたもの、あるいはブレーキローターの外周縁に別体、環状の歯車部分を結着したもの、もしくは環状を複数に分割した別体、円弧状の歯車部品をブレーキローターの外周縁に沿って連続するよう、固着したもの等とすることが可能である。
ハブベアリングは、そのハブにブレーキローター、および車輪であるタイヤ装着済みホイールを、車体側に回転自在に軸着する機能を果たすものであり、より具体的に云うと、車体(サスペンション機構を備えた懸架装置)側に固定、または操舵可能に装着されたスピンドルに対して固着される外輪または内輪と、該車体固定側の外輪または内輪に対し、ボールベアリングあるいはローラーベアリング等の各種転がり軸受け機構の何れかを介して回転自在に嵌合、装着された内輪または外輪からなり、車体固定側となる部分適所に補助駆動用モータ用の取付部を設けたものとすべきであり、必要に応じてABS(アンチロックブレーキシステム)用の回転センサーを設けたものや、車体固定側に対してブレーキキャリパーを固定可能としたもの等とすることができる。
補助駆動用モータは、装着対象となる車輪外周寸法の内側にあってブレーキローターの外周縁を介して車両を駆動補助可能とする程度の回転力を、対象車輪に向けて出力可能とする機能を果たすものであり、ハブベアリングの車体固定側に相当する適所に装着され、制御部からの電力供給を受けて正転および逆転の制御を受け、回転出力可能なものとしなければならず、出力軸には、補助駆動歯車を直接か、あるいは変速機構もしくは減速機構を介して装着したものとすべきであり、正転および逆転の制御は、電流の切換によって行うものとするのが望ましいが、出力軸に対して正逆転切換歯車機構等を設けたものとすることが可能であり、全体に防水機能か防錆機能かを有するものとするのが望ましい。
進退機構は、補助駆動歯車だけか、補助駆動歯車および出力軸か、または補助駆動歯車とその変速機構あるいは減速機構とを含む部分、もしくは補助駆動歯車から補助駆動用モータを含む範囲を、ブレーキローター外歯車部に補助駆動歯車を噛合させる位置と、補助駆動歯車がブレーキローター外歯車部から離脱した位置との双方に突没移動自在に支持し、且つ突没駆動可能とする機能を果たし、制御部からの制御を受けて突没動作に十分な移動力を発揮すると共に、外歯車部と補助駆動歯車との噛合姿勢を強固に支持可能な程度の剛性を有するものとしなければならず、その突没駆動には油圧式、機械式、電磁式、空気圧式等あらゆる駆動源を利用することが可能であり、その突没機構もスライド型、ラックアンドピニオン型、テレスコープ型、パンタグラフ型等様々な機構を採用することができ、補助駆動歯車をブレーキローターの回転軸心に対して傾斜した方向から出没するよう形成するか、またはブレーキローターの回転軸心に直交する方向から出没するよう形成したものとするか、あるいは後述する実施例にも示すように、補助駆動歯車をブレーキローターの回転軸心に平行に出没するよう形成し、補助駆動歯車をブレーキローター外歯車部に噛合および離脱させるものとすることができる。
補助駆動歯車は、補助駆動用モータの回転出力をブレーキローターの外歯車部に伝達可能とする機能を果たし、より具体的には平歯車状、はすば歯車状、ねじ歯車状、ウォーム状等、ブレーキローター外歯車部に確実に噛合可能な形状としなければならず、進退機構による突没方向への移動によって外歯車部との噛合と離脱とを円滑に行うことができる形状とすべきであり、必要に応じて進退機構による移動によって噛合する際の、始めに接触する歯車角縁部分に案内用の面取りを施す等して突没動作に伴う噛合、離脱動作を支障なく行えるよう形成したものとするのが望ましい。
制御部は、進退機構と補助駆動用モータとを的確且つ安全に制御可能とし、悪路を脱出する際に当該車両補助動力装置を有効に活用できるよう制御できるものとする機能を果たすものであり、車両の通常運転操作の障害とならず、しかも車両運転者が簡便、且つ正確に操作できる箇所に操作入力部を配したものとし、該操作入力部からの操作によって起動、停止操作可能であり、起動状態にあっては操作入力に直接的に連動し、あるいは半自動もしくは全自動的に連動し、進退機構および補助駆動用モータに対し、車両用もしくは専用バッテリーからの電力を夫々供給、制御可能とするものとしなければならず、より具体的には電気配線回路、リレー回路、集積回路、マイコン等からなる制御回路、およびその制御信号を増幅可能とする増幅器や、制御に必要な情報を検出する各種センサーやリミットスイッチ等を設けたものとすることができる。
したがって、換言すれば、制御部が車室内の運転席周辺適所に配された操作入力部を有し、車両用もしくは専用バッテリーからの電流を、該操作入力部の入力に応じて進退機構および補助駆動用モータに供給するものとし、進退機構の進退移動ならびに補助駆動用モータの正転・逆転動を適宜、制御可能としたものとすることが可能である。
また、後述する実施例に示すように制御部が、それ専用の起動、停止用の操作入力部を有する制御回路と、該制御回路からの出力信号を受けて車両用もしくは専用バッテリーからの電流を、進退機構ならびに補助駆動用モータに向けて増幅、供給可能とする増幅器とからなり、当該制御回路には、ミッションの「Low」および「Reverse」の各状態を認識可能なミッションセンサー、およびアクセル開度を検出可能なアクセルセンサーが接続され、当該装置起動中にミッションが「Low」のときに補助駆動用モータを車輪の前進方向に一致するよう回転制御し、ミッションが「Reverse」のときに補助駆動用モータを車輪の後退方向に一致するよう回転制御するものとし、ブレーキローター外歯車部に補助駆動歯車を噛合させた後には、アクセル開度の検出値に略比例する電流量を補助駆動用モータに向けて供給するよう制御するものとすることができる。
なお、当該車両補助動力装置は、車両のトランスミッションがオートマチックトランスミッションか、あるいはマニュアルトランスミッションか等の違いに関わらず適宜装着して利用することが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の縦断面化した車両補助動力装置の側面図、図2のホイールを外して観る車両補助動力装置の正面図、図3の車両補助動力装置のブロック図、および図4の車両補助動力装置の制御フローチャートに図示される事例は、車両2の駆動輪22,22以外の何れかの車輪3,3のハブ51,51に対し、外周縁41に外歯車部42を形成したブレーキローター4,4を装着し、該ハブ51,51を回転自在に軸支するハブベアリング5,5の車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所に補助駆動用モータ6,6を設け、該補助駆動用モータ6,6の出力軸61,61には、ブレーキローター4回転軸心に平行に出没自在とする進退機構7,7を有し、その進退動作の何れか一方によってブレーキローター4,4外歯車部42,42に噛合し、また進退動作の何れか他方によって離脱可能とした補助駆動歯車8,8を直接または間接的に軸着した上、進退機構7,7ならびに補助駆動用モータ6,6を制御可能とする制御部9を設けてなる、この発明の車両補助動力装置における代表的な一実施例を示すものである。
当該車両用補助動力装置1は、その全体が、図3中に示すように、車両2の前部に配されたエンジン21にトランスミッション、デファレンシャルギア、ドライブシャフト(図示せず)等を介して接続された左右前輪(駆動輪)22,22を有する、所謂FF方式の乗用車両2における左右後輪(従動輪)3,3に対して装着することが可能であり、その装着構造は左右対称的なものとなっており、図1および図2を参照して左右の中、一方だけをより具体的に示すと、車両2後部のハブベアリング5の内輪となるハブ51に、ブレーキローター4、およびタイヤ32を装着したホイール31を装着してなる従動輪3における当該ブレーキローター4の外周縁41全周に、平歯車型の外歯車部42を形成したものとする一方、該ハブベアリング5の外輪側であって図示しない懸架装置(車体側)に連結される側の適所には、図示しないシャーシーやホイールハウス、動作するサスペンション、ブレーキローター4、ブレーキキャリパー43、タイヤ32およびホイール31等の車両2各部一切に緩衝せず、しかも車両2の最低地上高よりも高い配置となるよう補助駆動用モータ6が、必要に応じてブラケットを介する等して固着されるようにしたものとしてある。
この補助駆動用モータ6は、出力軸61用の進退機構7と図示しない減速機構とを内蔵し、その出力軸61が進退機構7の作動により、ブレーキローター4外周縁、外側直近に向けて同ブレーキローター4の回転中心に平行となる方向に突没、動作するよう制御可能とされた上、同出力軸61の先端には、周辺ホイール31やブレーキキャリパー43等に緩衝しないよう、当該ブレーキローター4外歯車部42よりも遙かに小さなピッチ円直径に設定され、ブレーキローター4外歯車部42に対し、進退機構7の突出動作により噛合、後退動作によって離脱可能に形成された平歯車型の補助駆動歯車8を同心状に固着したものとなっている。
左右後輪3,3に配された各補助駆動用モータ6,6には、夫々、図3中に示されるように、マイコン91と、その出力信号を受けて制御電力を出力可能とする増幅器92とからなる制御部9が接続され、該増幅器92は、車両2用のバッテリー93から電力の供給を受けて動作するようにしてあり、マイコン91は車室内運転席周辺適所、望ましくはインスツルメントパネルかハンドル周り、センターコンソール周辺等の運転席に着座した運転者が、通常の運転操作姿勢において簡便に操作可能な箇所に配置された図示しない操作入力部からの操作入力を受けて起動(ON)および停止(OFF)操作可能なものとされている。
マイコン91は、ミッションの「Low」および「Reverse」の各状態を認識可能なミッションセンサー94、およびアクセル開度を検出可能なアクセルセンサー95が接続され、操作入力部に起動(ON)操作を受け、制御部9が起動状態にあるとき、ミッションセンサー94が「Low」の状態を検知した場合に、補助駆動用モータ6,6の夫々を左右従動輪3,3の前進方向に一致するよう回転制御し、「Reverse」の状態を検知したときに補助駆動用モータ6,6の夫々を、左右従動輪3,3の後退方向に一致するよう回転制御するものとし、夫々の出力信号を増幅器92に出力するようになっており、さらに、ミッションが「Low」か「Reverse」かに応じて各補助駆動用モータ6,6の回転方向を決定した後、直ちに進退機構7,7を起動させて各ブレーキローター4,4外歯車部41,41に補助駆動歯車8,8を自動的に噛合させ、その後にアクセルセンサー95が検出するアクセル開度の値に略比例する電流量を、増幅器92を介して各補助駆動用モータ6,6に向けて供給するよう制御するものとなっている。
また、制御部9のマイコン91には、ブレーキの踏み込みを検知するブレーキセンサー96が接続されており、各補助駆動用モータ6,6を回転駆動させている途中に、該ブレーキセンサー96の踏み込みを検知したときには、各補助駆動用モータ6,6の回転用電力の供給を緊急停止するものとし、ブレーキセンサー96によってブレーキペダルの踏み込みが無い状態を確認し、且つアクセルセンサー95の踏み込み量を検出するまで、各補助駆動用モータ6,6への回転用電力の停止状態を維持するよう制御するものとしてある。
さらに、マイコン91は、ミッションセンサー94が、「Low」か「Reverse」かの何れか以外のギアまたはレンジに設定されていることを検知したとき、直ちに進退機構7を動作させ、補助駆動歯車8,8を後退、収納してブレーキローター4,4外歯車部41,41から離脱させるよう制御できるようにしたものとすることが可能である。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明の車両補助動力装置1は、図3中に示した制御部9のマイコン91により、図4中に示すフローチャートに従って自動的に制御されるようにしてあり、積雪路や泥濘の道路、登坂路等において車両2がスタックしてしまい、駆動輪(前輪)22,22の駆動力だけでは脱出不可能な事態に陥ってしまったとき、運転者は一切車外に出ることもなく、運転席に着座したまま制御部9の図示しない操作入力部をON(図4中a)操作してマイコン91を起動させ、ミッションを「Low」か「Reverse」か、何れか脱出したい方向にセットした上、スリップしないよう静かにアクセルを踏み込み、発進操作を行うと、それに伴って以下のように作動する。
制御部9は、マイコン91が起動されると、図4に示すように、制御部9が操作入力部によってOFF操作されていないかの確認(b)を行い、制御部9がオフ操作されていれば、モーターシャフト61を後退させ、補助駆動歯車8を、ブレーキローター4外歯車部42から離脱させて収納(c)し、一切の制御動作を終了(d)する。
同4図中(b)において制御部9のOFF操作が行われていなければ、ミッションセンサー94からの検出結果(e)に基づき、ミッションが「Low」操作を受けているときには、補助駆動用モータ6,6を正転(車輪3,3を前進)させるよう電流供給方向を設定(f)し、ミッションが「Reverse」操作を受けているときには、補助駆動用モータ6,6を逆転(車輪3,3を後進)させるよう電流の供給方向を設定(g)し、ミッションが「Low」および「Reverse」以外の例えば「drive」レンジや「second」以上、「parking」あるいは「neutral」等に設定されているときには、同図4中(b)に戻ることとなる。
ミッションが「Low」か「Reverse」に設定されており、補助駆動用モータ6,6の正転あるいは逆転を設定した後、進退機構7を作動させてモーターシャフト61を突出(h)させ、図1および図2中に示すよう、ブレーキローター4外歯車部42に補助駆動歯車8を噛合させる。これに続き、ブレーキセンサー96の検出値に基づき、図4中の(j)に示すように、ブレーキ操作が行われている場合には、同図中の(b)から制御を再開し、ブレーキ操作が行われていない場合にだけ、アクセルセンサー95が検出したアクセル開度量(k)に応じて各補助駆動モータ6,6に回転用電力を供給(m)し、各従動輪3,3に所望の(前進または後進)方向の駆動力を発生させるものとなり、アクセルセンサー95が、アクセル開度ゼロ(アイドリング状態またはエンジン停止状態)を検出(k)したときには、同図4中の(b)に復帰して制御部9の(ON)(OFF)の何れかを検出するところから制御を再開することとなる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例の車両補助動力装置1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図3および図4中に示したように、制御部9のマイコン91にミッションセンサー94、アクセルセンサー95およびブレーキセンサー96を夫々接続したものとしたことにより、運転者が図示しない操作入力部を介して制御部9に電源を投入(ON)すると、それ以降は、制御部9の電源を(OFF)操作して電源を切断するまで自動的に制御を実行し、制御部9が起動状態にあるときには、トランスミッションが「Low」か「Reverse」に設定されているときだけ、「Low」設定のときには、図3中の従動輪3,3の夫々を、図4中に示すように、前進方向に設定(f)し、また、「Reverse」設定のときには、後進方向に設定(g)することとなり、その後、自動的に各補助駆動用モータ6,6の出力軸61,61が進退機構7によって突出(h)することとなり、各補助駆動用モータ6,6がアクセル操作量に略比例するよう回転力を発生(m)し、運転者は、悪路から脱出する際に行うのと同様の操作を行いさえすれば、2WD方式の車両2でありながら、4WDと略同等の脱出性能を得ることができるようになるという効果が得られることとなる。
加えて、脱出操作中にアクセルから足を離し、ブレーキを踏んだときには、図3中のアクセルセンサー95がアクセル開度ゼロを検出し、且つブレーキセンサー96がブレーキの踏み込みを検出することとなり、これらの信号を受けたマイコン91が、図4中の(k)においてアクセル開度ゼロの条件に基づき、制御部9の起動を確認する(b)に戻り、さらに、ブレーキ操作の確認(j)の段階においても再度制御部9の起動を確認する(b)に戻るよう制御されることから、各補助駆動モータ6,6への回転用電力の供給が絶たれて、不用意な発進を防止することができ、ブレーキの踏み込みを止めて、再度アクセルを踏み込み脱出操作を開始すると、図4中の(j)(k)の判断により、各補助駆動モータ6,6に回転用電力が供給され、従動輪3,3が駆動力を発生するものとなり、安全に悪路から脱出できるようになっている。
また、マイコン91を、ミッションセンサー94が、「Low」か「Reverse」かの何れか以外のギアまたはレンジに設定されていることを検知したときに、直ちに進退機構7を動作させ、補助駆動歯車8,8を後退、収納してブレーキローター4,4外歯車部41,41から離脱させるよう制御できるものとした場合には、悪路から無事に脱出した直後に、当該車両補助動力装置1制御部9の電源(OFF)操作を忘れてしまい、そのまま誤ってトランスミッションを「Low」か「Reverse」以外のギアもしくはレンジに設定し、通常の走行を開始してしまった場合であっても、補助駆動歯車8,8とブレーキローター4,4外歯車部41,41との噛合が自動的に解かれており、安全に走行することができる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の車両補助動力装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも車両への装着も容易で、従前からの脱出用、補助駆動装置等に比較して大幅に小型、軽量且つ低廉化して格段に経済的なものとすることができる上、車体側への改造も殆ど不要なことから、装着作業性を大幅に改善し得るものとなり、タイヤに比較して遙かに剛性に秀れ、雪や泥水等の付着が少ないブレーキローターの外周縁を駆動用のギアとして利用して補助駆動用モータの出力を高効率に伝達し、確実な悪路走破を達成可能なものとなることから、低燃費の2WD車両を選択してしまったものの積雪路や泥濘に遭遇したときの操作性能や登坂力不足に不満を抱くこととなる一般ドライバーは勿論のこと、同様の問題を抱えるタクシー、バス、あるいはトラック、トレーラー等の業務用車両を多数抱える旅客輸送や運輸物流業界等においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明の車両補助動力装置の技術的思想を具現化した代表的な一実施例を示すものである。
ホイールを縦断面化して示す車両補助動力装置の側面図である。 ホイールを取り外して示す車両補助動力装置の正面図である。 車両に装着された車両補助動力装置を示すブロック図である。 車両補助動力装置の制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両補助動力装置
2 車両
21 同 エンジン
22 同 駆動輪
3 車輪(駆動輪以外、従動輪)
31 同 ホイール
32 同 タイヤ
4 ブレーキローター
41 同 外周縁
42 同 外歯車部
43 同 ブレーキキャリパー
5 ハブベアリング
51 同 ハブ
6 補助駆動用モータ
61 同 出力軸(モーターシャフト)
7 進退機構
8 補助駆動歯車
9 制御部
91 同 マイコン
92 同 増幅器
93 同 バッテリー
94 同 ミッションセンサー
95 同 アクセルセンサー
96 同 ブレーキセンサー
(a) 制御部起動(制御開始)
(b) 制御部(OFF)確認
(c) 補助駆動用モータ出力軸収納
(d) 制御終了
(e) トランスミッション設定状態検出
(f) 補助駆動用モータ前進回転設定
(g) 補助駆動用モータ後進回転設定
(h) 補助駆動用モータ出力軸突出(ギア噛合)
(j) ブレーキ操作確認
(k) アクセル開度検出
(m) 補助駆動用モータ回転力発生

Claims (9)

  1. 車両の駆動輪以外の何れかの車輪のハブに対し、外周縁に外歯車部を形成したブレーキローターを装着し、該ハブを回転自在に軸支するハブベアリングの車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所に補助駆動用モータを設け、該補助駆動用モータの出力軸には、ブレーキローター外歯車部に対して噛合、離脱自在とする進退機構を有する補助駆動歯車を直接または間接的に軸着した上、進退機構ならびに補助駆動用モータを制御可能とする制御部を設けてなるものとしたことを特徴とする車両補助動力装置。
  2. 車両の駆動輪以外の何れかの車輪のハブに対し、外周縁に外歯車部を形成したブレーキローターを装着し、該ハブを回転自在に軸支するハブベアリングの車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所に補助駆動用モータを設け、該補助駆動用モータの出力軸には、ブレーキローター回転軸心に平行に出没自在とする進退機構を有し、その進退動作の何れか一方によってブレーキローター外歯車部に噛合し、また進退動作の何れか他方によって離脱可能とした補助駆動歯車を直接または間接的に軸着した上、進退機構ならびに補助駆動用モータを制御可能とする制御部を設けてなるものとしたことを特徴とする車両補助動力装置。
  3. 車両の駆動輪以外の何れかの車輪のハブに対し、外周縁に外歯車部を形成したブレーキローターを装着し、該ハブを回転自在に軸支するハブベアリングの車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所に補助駆動用モータを設け、該補助駆動用モータの出力軸には、ブレーキローター回転軸心に平行に出没自在とする進退機構を有し、その進退動作の何れか一方によってブレーキローター外歯車部に噛合し、また進退動作の何れか他方によって離脱可能とした補助駆動歯車を、直接または間接的に軸着した上、進退機構ならびに補助駆動用モータを制御可能とする制御部を設けたものとなし、悪路の発進等に際して該制御部を起動させ、ブレーキローター外歯車部に補助駆動歯車を噛合させ、補助駆動用モータを駆動して駆動輪以外の車輪に駆動力を発生するようにし、前輪駆動車または後輪駆動車を可逆的に四輪駆動車仕様に変更可能とするようにしたことを特徴とする車両補助動力装置。
  4. 車両の駆動輪以外の少なくとも左右一対もしくは複数対の車輪のハブの夫々に対し、外周縁に外歯車部を形成したブレーキローターを装着し、各ハブを回転自在に軸支するハブベアリングの車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所夫々に補助駆動用モータを設け、各補助駆動用モータの出力軸には、ブレーキローター回転軸心に平行に出没自在とする進退機構を有し、その進退動作の何れか一方によってブレーキローター外歯車部に噛合し、また進退動作の何れか他方によって離脱可能とした補助駆動歯車を直接または間接的に軸着した上、各進退機構ならびに各補助駆動用モータを制御可能とする制御部を設けてなるものとしたことを特徴とする車両補助動力装置。
  5. 車両の駆動輪以外の少なくとも左右一対もしくは複数対の車輪のハブの夫々に対し、外周縁に外歯車部を形成したブレーキローターを装着し、各ハブを回転自在に軸支するハブベアリングの車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所夫々に補助駆動用モータを設け、各補助駆動用モータの出力軸には、ブレーキローター回転軸心に平行に出没自在とする進退機構を有し、その進退動作の何れか一方によってブレーキローター外歯車部に噛合し、また進退動作の何れか他方によって離脱可能とした補助駆動歯車を直接または間接的に軸着した上、各進退機構ならびに各補助駆動用モータを制御可能とする制御部を、その操作入力部が車室内の運転席周辺適所に配されたものとして設けてなるものとしたことを特徴とする車両補助動力装置。
  6. 補助駆動用モータが、補助駆動歯車との間に減速機構を配し、補助駆動歯車の回転数をモータ出力軸の回転数よりも低く設定してなるものとした、前記請求項1ないし5何れか一項記載の車両補助動力装置。
  7. 進退機構が、補助駆動用モータ諸共、ブレーキローター回転軸心に平行に出没自在とするよう、ハブベアリングの車体固定側に相当する適所であって走行に支障を来さない箇所に設けられてなるものとした、前記請求項1ないし6何れか一項記載の車両補助動力装置。
  8. 制御部が、車室内の運転席周辺適所に配された操作入力部を有し、車両用もしくは専用バッテリーからの電流を、該操作入力部の入力に応じて進退機構および補助駆動用モータに供給するものとし、進退機構の進退移動ならびに補助駆動用モータの正転・逆転動を適宜制御可能になるものとした、前記請求項1ないし7何れか一項記載の車両補助動力装置。
  9. 制御部が、それ専用の起動、停止用の操作入力部を有する制御回路と、該制御回路からの出力信号を受け、車両用もしくは専用バッテリーからの電流を進退機構ならびに補助駆動用モータに向けて増幅供給可能とする増幅器とからなり、当該制御回路には、ミッションの「Low」および「Reverse」の各状態を認識可能なミッションセンサー、およびアクセル開度を検出可能なアクセルセンサーが接続され、当該装置起動中ミッションが「Low」のときに補助駆動用モータを車輪の前進方向に一致するよう回転制御し、ミッションが「Reverse」のときに補助駆動用モータを車輪の後退方向に一致するよう回転制御するものとし、ブレーキローター外歯車部に補助駆動歯車を噛合させた後には、アクセル開度の検出値に略比例する電流量を補助駆動用モータに向けて供給するよう制御し得るるものとした、前記請求項1ないし7何れか一項記載の車両補助動力装置。
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