JP2007175928A - 低透過ホース - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性に優れ、冷媒に対する低透過性に優れる低透過ホースを提供する。
【解決手段】ゴムや樹脂からなる管状の内層1の外周面に、適宜、プラズマ処理により粗面化し、その面に、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸の少なくとも一方を用いた樹脂塗膜からなるガス低透過層2を塗膜形成する。
【選択図】図1
【解決手段】ゴムや樹脂からなる管状の内層1の外周面に、適宜、プラズマ処理により粗面化し、その面に、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸の少なくとも一方を用いた樹脂塗膜からなるガス低透過層2を塗膜形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、流体輸送用のホースに関するものであり、詳しくは、エアコン等に用いられるフロン(フレオン),代替フロン,プロパン,二酸化炭素等の冷媒に対する耐透過性に優れた低透過ホースに関するものである。
一般に、気体等の流体を輸送するために用いられるホースは、これらの流体が透過しない性質、即ち耐透過性が要求される。例えば、自動車等のエアコンに使用される冷媒輸送用ホースは、耐冷媒透過性(冷媒に対するバリア性)が要求される。この点に関し、例えば金属配管は、冷媒の透過を完全に遮断することが可能であるため有用である。しかし、金属配管は、高価で、重く、しかも、硬質であることから、組み付け性に難があり、更には、長期使用するにあたり、金属疲労、腐食等の問題を抱えている。そのため、一般的には、ゴム製や樹脂製のホースが多く用いられており、このホースに耐透過性能を付与する。このような耐透過性能の高いホースとしては、例えば、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)等の低透過樹脂層を備えた多層構造のホースや、さらに、金属箔・金属蒸着ラミネートが施されたホースが、既に提案されている(特許文献1および2参照)。
特開2002−181253公報
特開2003−74758公報
しかしながら、EVOH等の低透過樹脂層を備えたホースは、柔軟性に劣る傾向がみられる。他方、金属箔等のラミネートが施されたホースは、耐久使用により、そのラミネートの剥離等が生じやすく、このことに起因し、低透過性が不安定となりやすい問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、柔軟性に優れ、冷媒に対する低透過性に優れる低透過ホースの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の低透過ホースは、ゴムおよび樹脂の少なくとも一方によって形成された複数の構成層を備えた低透過ホースであって、その複数の構成層における少なくとも一層が、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸の少なくとも一方を用いた樹脂塗膜からなるガス低透過層であるという構成をとる。
すなわち、本発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その過程で、ゴム層や樹脂層が積層されてなるホースの外周に、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸の少なくとも一方を用いて塗膜形成したところ、その塗膜が薄膜であっても、冷媒に対するガス低透過性に優れるようになることを突き止めた。そして、上記塗膜が薄膜であれば、ホースの柔軟性に支障をきたすこともないため、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
このように、本発明の低透過ホースは、そのガス低透過層が、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸の少なくとも一方を用いて形成された樹脂塗膜層であることから、柔軟性に優れ、また、冷媒に対して優れた低透過性能を得ることができる。
また、上記ガス低透過層の厚みが、1〜100μmの範囲に設定されていると、柔軟性と低透過性とのバランスに、より優れるようになる。
さらに、上記ガス低透過層の内周面に接する層が、プラズマ処理により粗面化され、その粗面上に上記ガス低透過層が直接形成されていると、その層間の濡れ性と接着性(塗膜接着性)がさらに向上する。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の低透過ホースは、例えば、図1に示すように、管状の内層1の外周面に、ガス低透過層2が塗膜形成され、構成されている。そして、本発明では、上記ガス低透過層2が、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸の少なくとも一方を用いて形成された樹脂塗膜であることが最大の特徴である。
上記内層1の形成材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド樹脂(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等)、アクリル系ゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム(NBR−PVC)、ヒドリンゴム、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が用いられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。また、必要に応じて、上記内層1の形成材料中に、カーボンブラック、滑材(ステアリン酸等)、酸化亜鉛、軟化剤(プロセスオイル等)、加硫剤(硫黄等)、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤等を、適宜に配合しても差し支えない。
上記内層1の外周面に形成されるガス低透過層2の形成材料は、先に述べたように、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸の少なくとも一方が用いられる。したがって、これらポリアクリル酸またはポリメタクリル酸は、単独で用いても、併せて用いてもよい。なお、上記のものには、変性したものは含まれない。
また、上記ガス低透過層2の形成材料には、必要に応じ、イソシアネート系、ポリエステル系、ポリウレタン系、フェノール系、レゾルシン系等の硬化剤を配合してもよい。これにより、塗膜(ガス低透過層2)の結晶化度や重合度を高めることができ、膜強度、低透過性および塗膜接着性(層間接着性)をより高めることができる。
なお、上記ガス低透過層2の形成材料には、上記各成分以外にも、必要に応じて、架橋剤、充填剤、老化防止剤等の、他の添加剤を適宜に配合することができる。
そして、上記ガス低透過層2の形成材料は、水やアルコールに溶解等することにより、コーティング液として使用に供される。上記溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、純水等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。特に、上記ガス低透過層2の形成材料に対する溶解性の点で、水を溶剤として用いることが好ましい。そして、このようにして得られるコーティング液は、粘度を40〜200000(mPa・s/25℃)にすることが、塗工性(濡れ性や作業性)等の点で好ましい。上記粘度は、より好ましくは、45〜30000(mPa・s/25℃)の範囲である。
ここで、前記図1に示すような、本発明の低透過ホースは、特に限定はないが、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、先に述べた内層1用材料およびガス低透過層2用材料(コーティング液)をそれぞれ準備する。つぎに、上記内層1用材料をホース状に押し出し成形して、管状の内層1を形成する。なお、この時、マンドレルを用いても差し支えない。ついで、この内層1の表面に、上記ガス低透過層2用のコーティング液を塗工する。この塗工法は、特に制限するものではなく、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、刷毛塗り等の従来の方法が適用できる。そして、塗工後、加熱処理(100〜180℃×3〜60分)を行うことにより、ガス低透過層2を形成する。このようにして、図1に示すような二層構造の低透過ホースを作製することができる。
なお、上記ガス低透過層2の成膜前に、上記内層1の表面に、接着下地処理として、紫外線照射処理,プラズマ処理,コロナ放電処理等のエッチング処理を施しても差し支えない。これらのなかでも、塗膜接着性(層間接着性)が向上する点で、内層1の外周面をプラズマ処理により粗面化し、その粗面上に上記ガス低透過層2を直接形成することが好ましい。
本発明の低透過ホースにおいて、ホース内径は2〜40mmの範囲内が好ましく、特に好ましくは2.5〜36mmの範囲内である。また、上記内層1の厚みは、0.02〜2.0mmの範囲内が好ましく、特に好ましくは0.05〜1.5mmの範囲内である。
そして、上記ガス低透過層2の厚みは、1〜100μmの範囲内が好ましい。特に好ましくは、2〜50μmの範囲内である。すなわち、上記ガス低透過層2の厚みが1μm未満であれば、ピンホールの発生を起こすおそれがあり、逆に、上記ガス低透過層2の厚みが100μmを超えると、コーティング膜が硬くなり割れるおそれがあるからである。
なお、本発明の低透過ホースは、前記図1に示したような二層構造に限定されるものではなく、例えば、上記内層1を、樹脂層やゴム層からなる複数の層とすることにより、三層以上の多層構造にしてもよい。また、上記ガス低透過層2は、図1に示すようにホースの最外層として形成することが好ましいが、これに限定されず、例えば中間層や内層として形成することもできる。また、必要に応じ、これら各層の層間に補強糸を介在させても差し支えない。
本発明の低透過ホースは、エアコン・ラジエター等に用いられるフロン,代替フロン,プロパン,二酸化炭素等の冷媒輸送用ホースに好適に用いられる。なかでも、フロン輸送用ホースとして、より好ましく用いられる。そして、上記冷媒輸送用ホースは、自動車や輸送機器(飛行機,フォークリフト,ショベルカー,クレーン等の産業用輸送車両、鉄道車両等)等に用いられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
TPX(合成樹脂)製のマンドレル(外径24mm)上に、PA6(宇部興産社製、ナイロン6 1030B)をホース状に押し出し成形して、管状の内層(厚み0.15mm)を形成した。つぎに、この内層の外周面に、プラズマ処理を行い、内層の外周面を粗面化した。続いて、この粗面化した内層の表面に、ポリアクリル酸(日本純薬社製、ジュリマーAC−10P)を水に溶解してなるコーティング液(粘度:100mPa・s/25℃)をディッピングした。その後、100℃×20分間加熱処理を行うことにより、塗膜層(厚み10μm)を形成し、二層構造の低透過ホース(内径24mm)を作製した。
TPX(合成樹脂)製のマンドレル(外径24mm)上に、ポリエチレンテレフタレート(PET)(東洋紡社製、EMC−1232)をホース状に押し出し成形して、管状の内層(厚み0.15mm)を形成した。つぎに、この内層の外周面に、プラズマ処理を行い、内層の外周面を粗面化した。続いて、この粗面化した内層の表面に、ポリアクリル酸(日本純薬社製、ジュリマーAC−10P)を水に溶解してなるコーティング液(粘度:100mPa・s/25℃)をディッピングした。その後、100℃×20分間加熱処理を行うことにより、塗膜層(厚み10μm)を形成し、二層構造の低透過ホース(内径24mm)を作製した。
PA製の内層の表面にディッピングするコーティング液として、ポリメタクリル酸(日本純薬社製、ジュリマーAC−30H)を水に溶解してなるコーティング液(粘度:100mPa・s/25℃)を用いた。それ以外は実施例1と同様にし、二層構造の低透過ホース(内径24mm)を作製した。
〔比較例1〕
プラズマ処理およびコーティングを行わず、それ以外は実施例1と同様にし、単層構造のPA6ホースを作製した。
プラズマ処理およびコーティングを行わず、それ以外は実施例1と同様にし、単層構造のPA6ホースを作製した。
〔比較例2〕
プラズマ処理およびコーティングを行わず、それ以外は実施例2と同様にし、単層構造のPETホースを作製した。
プラズマ処理およびコーティングを行わず、それ以外は実施例2と同様にし、単層構造のPETホースを作製した。
このようにして得られた実施例1〜3および比較例1,2のホースを用い、下記の基準に従って、フロンガス透過係数の測定を行った。その結果を、後記の表1に併せて示した。
〔フロンガス透過係数〕
実施例および比較例の各ホースを長手方向に切り開いた後、円盤状に打ち抜き、サンプルシートを作製した。そして、低温(−35℃以下)でフロンガス(HCF−134)を封入したカップの開口部を、そのサンプルシートで閉鎖し、これを90℃のオーブン中に放置した。そして、カップ内のフロンガス減量を時間とともにプロットし、その傾きにより、サンプルシートの透過面積に対する、1日あたりのフロンガス透過量(フロンガス透過係数、mg・mm/cm2 ・day)を算出した。
実施例および比較例の各ホースを長手方向に切り開いた後、円盤状に打ち抜き、サンプルシートを作製した。そして、低温(−35℃以下)でフロンガス(HCF−134)を封入したカップの開口部を、そのサンプルシートで閉鎖し、これを90℃のオーブン中に放置した。そして、カップ内のフロンガス減量を時間とともにプロットし、その傾きにより、サンプルシートの透過面積に対する、1日あたりのフロンガス透過量(フロンガス透過係数、mg・mm/cm2 ・day)を算出した。
上記結果から、塗膜層を設けた全実施例品は、これを設けなかった比較例品に対し、フロンガス透過量が著しく低減(一桁レベルで低減)していることがわかる。
本発明の低透過ホースは、エアコン・ラジエター等に用いられるフロン,代替フロン,プロパン,二酸化炭素等の冷媒輸送用ホース等に好適に用いることができる。
1 内層
2 ガス低透過層
2 ガス低透過層
Claims (4)
- ゴムおよび樹脂の少なくとも一方によって形成された複数の構成層を備えた低透過ホースであって、その複数の構成層における少なくとも一層が、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸の少なくとも一方を用いた樹脂塗膜からなるガス低透過層であることを特徴とする低透過ホース。
- 上記ガス低透過層の厚みが、1〜100μmの範囲に設定されている請求項1記載の低透過ホース。
- 上記ガス低透過層の内周面に接する層が、プラズマ処理により粗面化され、その粗面上に上記ガス低透過層が直接形成されている請求項1または2記載の低透過ホース。
- 冷媒輸送用ホースである請求項1〜3のいずれか一項に記載の低透過ホース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005374746A JP2007175928A (ja) | 2005-12-27 | 2005-12-27 | 低透過ホース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005374746A JP2007175928A (ja) | 2005-12-27 | 2005-12-27 | 低透過ホース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007175928A true JP2007175928A (ja) | 2007-07-12 |
Family
ID=38301604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005374746A Pending JP2007175928A (ja) | 2005-12-27 | 2005-12-27 | 低透過ホース |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007175928A (ja) |
-
2005
- 2005-12-27 JP JP2005374746A patent/JP2007175928A/ja active Pending
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