JP2007174963A - 生体試料培養観察装置および生体試料培養観察方法 - Google Patents

生体試料培養観察装置および生体試料培養観察方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間にわたる検出において、確実に適正露出の画像を得る。
【解決手段】内部において生体試料を培養する培養手段と、培養手段の内部で培養される生体試料を複数の領域に分けてそれぞれ撮像することにより生体試料の経時的な観察を行う観察手段と、各領域の位置に関する位置情報を取得する撮像位置情報取得手段と、撮像された各領域における生体試料の画像からそれぞれ得られる生体試料からの光の輝度に基づき、各領域において生体試料を撮像する際の露出時間を求める露出時間設定手段と、撮像位置情報取得手段からの各領域の位置情報と、露出時間設定手段が求めた各領域に対する露出時間の情報とを、それぞれ対応付けて記憶する記憶手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば培養細胞など生体試料を培養すると同時にその生体試料を経時的に観察するための生体試料培養観察装置および生体試料培養観察方法に関する。
近年、遺伝子解析技術が進み、ヒトを含む多くの生物における遺伝子配列が明らかにされ、解析された遺伝子産物(タンパク質)と疾病との因果関係についても少しずつ解明されてきた。今後さらに、各種のタンパク質や遺伝子を網羅的に統計的に解析するため、細胞などの生体試料を培養しながら経時的に観察できる生体試料培養観察装置の研究開発が鋭意進められている。
この種の生体試料培養観察装置の一つとして、下記の特許文献1には、次の装置が提案されている。
すなわち、ここに示される生体試料培養観察装置は、特定の一細胞に由来する細胞群を培養することや、細胞を培養する過程で相互作用させる細胞を特定しながら培養観察すること、細胞輝度を一定にしたまま培養している細胞群の中の特定の細胞のみにシグナル物質等の薬剤などの細胞と相互作用する物質を散布し、その細胞と他の細胞との変化の違いを観察すること等を可能とするものである。このために、基板状に設けた穴からなる細胞培養部と、細胞培養部の上面を覆う半透膜と、半透膜上部に設けた培養液交換部を有する細胞培養容器を備え、細胞培養容器への細胞培養液の供給手段と、細胞培養部内の細胞を長期観察することのできる顕微光学手段を具備している。
近年、遺伝子解析などが可能となり、ある時点での細胞内の挙動を解析する手法が確立されてきた。しかし、遺伝子解析は、細胞を破砕して解析を行うものであり、ある時点での細胞の状態しか表していない。つまり、細胞の中で実際に生じている現象のネットワークや時間的変化を捉えることは難しい。このような背景から、生きた細胞の中でどのような現象が起きているのかを解析する技術が求められている。
このように生きた細胞の中での挙動を解析する場合、蛍光や発光物質を用いて、例えば、前記した生体試料培養観察装置により、その蛍光・発光強度を測定する手法が多用される。
特開2002−153260号公報
蛍光画像、発光画像において、長期間にわたる測定中に蛍光・発光強度が変化する場合、当然のことながら、測定期間中に蛍光・発光強度が変動する。したがって、測定期間中にどの程度の蛍光強度、発光強度を示すのかを予測して、露出時間を設定する必要がある。しかし、蛍光・発光強度の変化が大きいと適正な露出を初期に設定するのは難しい。
さらに、このような撮像には高感度なカメラが用いられることが多い。その結果、設定が不適切な場合、蛍光・発光強度の変化によってスミアやブルーミングなど電荷の漏洩が生じ、観察データとしてまったく信頼性に欠く画像を得ることとなる。しかも、多量に撮像された画像一枚一枚を確認して、スミア、ブルーミングなどが生じていないかを確認するのは、非現実的であり、さらにこれらの現象が生じているか否かを判定するのも難しいことが多い。だが、スミア、ブルーミングを恐れるあまり、露出時間を短く設定すれば、いかに高感度カメラを用いていても、露出不足により撮像できないという状況が生まれ、検出対象の現象を捉えきれない可能性が高くなる。
しかも、生細胞を対象とする場合、単純に取り直しということができない。なぜなら、細胞が生きている以上、何らかの刺激を受けてから経時的に発生する現象は不可逆的な変化であるからである。仮に、再度刺激を与え直しても、その細胞は1回目の刺激を受ける前の細胞と同一の性質を有している保証がない。つまり、細胞のほかに高価な試薬、培養容器などを新たに用意し、別の細胞を用いて試料を作成し直し、遺伝子導入操作などの全工程をやり直すことが必要となるのである。仮に用意した試料がプライマリ細胞だとすれば、さらに高価な試料動物を無駄にすることになる。特に長期間における測定においては、時間的な被害も甚大である。したがって、計画された実験を1回の操作で確実に完了することが求められる。
また、細胞は刻々と変化していくので、実験者が見たい現象を的確に捉えるためには、短時間での設定が可能であることが望ましい。しかし、特に撮像対象が広範囲であるウェルプレートなどを用いて比較を行う場合、各視野ごとに露出条件を設定しなければならず、容器をセットした後、測定を開始するまでの時間が非常にかかる。
一般的に、カメラ、ビデオカメラ、顕微鏡用カメラなどでは自動露出機構が利用されているが、生体試料培養観察装置のように蛍光強度、発光強度を連続的に計測する場合、単純に自動露出機構を利用するだけでは足りず、長期間にわたって繰り返し、撮像されるデータの相対値もしくは絶対値の保証がなされなければならない。
また、一つのサンプルの中に蛍光・発光強度が様々な生体試料が含まれる場合、視野ごとに露出を変更する必要があるなど煩雑である。特に測定対象範囲が大きくなればこの問題は非常に大きなものとなる。なぜなら、サンプルをステージ上にセッティングしてから観測を行うまでに非常に時間がかかることとなり、本来観測したいタイミングを逃してしまう可能性があるからである。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたもので、長期間にわたる検出において、確実に適正露出の画像が得られる、生体試料培養観察装置および生体試料培養観察方法を提案することを目的とする。
本発明は前記の課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明の請求項1に係る生体試料培養観察装置は、
内部において生体試料を培養する培養手段と、
前記培養手段の内部で培養される前記生体試料を複数の領域に分けてそれぞれ撮像することにより前記生体試料の経時的な観察を行う観察手段と、
前記各領域の位置に関する位置情報を取得する撮像位置情報取得手段と、
撮像された前記各領域における生体試料の画像からそれぞれ得られる前記生体試料からの光の輝度に基づき、前記各領域において前記生体試料を撮像する際の露出時間を求める露出時間設定手段と、
前記撮像位置情報取得手段からの前記各領域の位置情報と、前記露出時間設定手段が求めた前記各領域に対する露出時間の情報とを、それぞれ対応付けて記憶する記憶手段と、
を備えたことを特徴とする。
この生体試料培養観察装置では、露出時間設定手段によって、撮像された各領域における生体試料の画像からそれぞれ得られる生体試料からの光の輝度に基づき、各領域において生体試料を撮像する際の露出時間を求めているから、先見情報として予測不可能な各領域の生体試料の輝度を測定し、それを露出時間の設定に用いることにより、培養手段の内部で培養される生体試料を複数の領域毎に適した露出時間で撮像することができ、これによって、経時的に観察する生体試料の画像が適正な露出で明確に観察できる。
本発明の請求項14に係る生体試料培養観察方法は、
培養手段の内部で培養される生体試料を複数の領域に分けてそれぞれ撮像することにより生体試料の経時的な観察を行う生体試料培養観察方法であって、
前記各領域を撮像する工程と、
撮像した前記各領域の位置に関する位置情報をそれぞれ取得する工程と、
撮像した画像から得られる前記生体試料からの光の輝度情報に基づき、前記各領域をそれぞれ撮像する際の露出時間を決定する工程と、
決定した露出時間により撮像した際の前記各領域の位置情報と前記各領域における露出時間の情報とを対応付けて保存する工程とを含むことを特徴とする。
この生体試料培養観察方法では、請求項1に係る生体試料培養観察装置による観察を好適に実現することができる。
本発明の請求項15に係る生体試料培養観察装置は、
内部において生体試料を培養する培養手段と、
前記培養手段の内部で培養される前記生体試料を複数の領域に分けてそれぞれ撮像す
ることにより前記生体試料の経時的な観察を行う観察手段と、
前記各領域の位置に関する位置情報を取得する撮像位置情報取得手段と、
所定の露出時間にて撮像された前記各領域における生体試料の画像のデータを、前記各領域毎に所定の回数重ね合わせる画像合成手段と、
前記撮像位置情報取得手段からの前記各領域の位置情報と、前記画像合成手段において前記画像のデータを重ね合わせた回数の情報とを、それぞれ対応付けて記憶する記憶手段と、
を備えたことを特徴とする。
この生体試料培養観察装置では、画像合成手段において画像のデータを適宜回数重ね合わせることにより、複数の画像から観察手段のダイナミックレンジを生かして露出条件の決定を行うことができ、観察する生体試料の画像を適正な露出条件で、画像処理を通じて容易に得ることができる。
本発明の請求項21に係る生体試料培養観察方法は、
養手段の内部で培養される生体試料を複数の領域に分けてそれぞれ撮像することにより生体試料の経時的な観察を行う生体試料培養観察方法であって、
前記各領域を所定の露出時間で撮像する工程と、
撮像した前記各領域の位置に関する位置情報をそれぞれ取得する工程と、
撮像した前記画像のデータを前記各領域毎に順次重ね合わせて合成する工程と、
前記各領域の位置情報と、合成された前記画像のデータを重ね合わせた回数の情報とを、それぞれ対応付けて記憶する工程とを含むことを特徴とする。
この生体試料培養観察方法では、請求項15に係る生体試料培養観察装置による観察を好適に実現することができる。
本発明によれば、細胞活性を維持可能な培養容器により細胞を培養しながら、観察を行うことが可能である。各撮像対象の視野に対して、それぞれ予測される輝度をもとに実験者が露出時間を決めるという煩雑な操作を必要とせず、生体試料を設定した後、速やかに測定に入ることができ、確実に適正な露出時間で撮像された画像を得ることができる。この結果、実験をやり直す必要がなくなり、実験効率を向上させることができる。
さらに、適正な露出条件で撮像された画像から、必要な観察データを抽出する際に、露出条件による観察データの変動を補正し、相対的もしくは絶対的な真値を得ることができる。
また、実際の細胞の蛍光・発光強度をもとに露出時間が設定されるので、ダイナミックレンジを最大限生かした解析を行うことができ、輝度の低い細胞において生じる輝度の変動も捕らえることが可能となる。
以下、本発明に係る生体試料培養観察装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
図1ないし図6は、本発明に係る生体試料培養観察装置の第1の実施形態を示し、図1は、生体試料培養観察装置のブロック図である。
図1において符号1は生体試料を培養するための培養容器である。培養容器1は、XYステージ2上に載置されていて、XYステージ制御部3からの制御信号に基づき、水平面に沿った互いに直交するX・Y方向に移動調整可能になっている。すなわち、XYステージ制御部3は、細胞等の生体試料を培養する培養容器1を、観察・計測するために所定の位置へ移動させるためのものである。
培養容器1の内部およびその周辺の培養環境4は、培養環境制御部5からの制御信号に基づき、一定条件に保たれるようになっている。細胞の培養に適した環境の要素としては、例えば、哺乳類の細胞の場合、二酸化炭素濃度、湿度、pH、塩輝度、温度等が挙げられる。これら各要素の設定は、制御コンピュータ30を通じてユーザにより行われる。基本的には、温度37℃、二酸化炭素濃度5%、pH6.8〜7.2、飽和湿度が、細胞の培養に適した環境の条件となる。また、培養環境4の内部は、周囲からの優位の環境光から遮光されており、観察・計測に必要な光以外はあたらないようになっている。
なお、前記の例では、培養容器1がXYステージ2上に沿って移動可能となっているが、培養容器1は固定されていて、代わりに、顕微鏡装置の対物レンズ6等の顕微鏡装置側が移動可能になっていてもよい。
ここで、前記培養容器1、培養環境制御部5は、生体試料を培養する培養手段7を構成する。
培養容器1内の生体試料の挙動等は、顕微鏡装置を介して観察できるようになっている。なお、図1では、顕微鏡装置の対物レンズ6しか図示していない。顕微鏡装置には、CCDカメラやホトマル等の撮像器10がセットされている。撮像器10は、撮像器制御部11によって、撮像タイミングや露出を制御される。また、撮像器10によって撮像するときあるいは実験者が直接目視により観察するときの生体試料への照明は、落射照明12を用いる場合と透過照明13を用いる場合とがあるが、いずれも照明光量制御部14によりそのときの光量が制御される。照明光量制御部14により光量を制御するときには、照明自体の強度を変更する機構や、NDフィルタなどを利用した、図示しない照明光量調整手段を介して行われる。撮像器10は、顕微鏡装置を介して得られる生体試料の像(画像)を撮像し、撮像した画像を電気信号(画像データ)に変換してメモリに保存するものである。
落射照明12は、主に蛍光観察時に用いられる。光源としては、ハロゲン、水銀、キセノン、レーザ、LEDなどが利用される。また、透過照明13は、主に形態観察時に用いられる。光源としては、ハロゲン、水銀、LEDなどが利用される。
また、観察・測定時の照明は、落射照明12、透過照明13のいずれか一方でも良い。たとえば、用途が発光や形態観察に限られる場合には、透過照明13のみでよい。蛍光色素や蛍光タンパクなどの蛍光標識を観察・測定する場合であって形態観察が不要の場合には、落射照明12のみでよい。発光測定を行う場合は、発光測定自体に照明は不要であるので、観察部位を確認する形態観察のみできればよい。
また、撮像器10によって撮像するとき等、生体試料を照明するときは、露光時間制御部15からの制御信号に基づき、図示しない露光制御手段が制御されて、生体試料への露光時間が決定される。露光制御手段としては、例えば、シャッターをオンオフする機構や、照明自体をオンオフする機構が考えられる。
さらに、撮像器10によって撮像するとき等、生体試料を照明するときは、照射波長制御部16からの制御信号に基づき、波長選択手段17が制御されて、生体試料へ刺激の少ない波長の光が選択されて照射される。波長選択手段17としては、波長選択素子でもよく、また、照明そのものが特定の波長域を有するものや、種々の波長の光を発光する照明を選択するもの等であってもよい。
なお、前記撮像器を備えた顕微鏡装置、XYステージ2、落射照明12、波長選択手段17等は、培養容器1の内部で培養される生体試料を複数の領域に分けてそれぞれ撮像することにより生体試料の経時的な観察を行う観察手段18を構成する。
また、XYステージ3は、培養容器1の内部で培養される生体試料を複数の領域に分けて撮像するときの、領域の位置に関する位置情報を取得するための撮像位置情報取得手段としても機能する。
前記撮像器10は、1視野に対して撮像された複数の画像のデータ(画像データ)を一時的に保存する一時保存メモリ20に電気的に接続されている。一時保存メモリ20は、最大輝度演算部21に電気的に接続されている。最大輝度演算部21は、一時保存メモリ20に保存された画像データの最大輝度を算出する部分である。また、最大輝度演算部21は、撮像した画像について、画像データにおける最大輝度を示す画素数が、ある一定値以上になった場合、制御コンピュータ30へ適正な露出条件での画像の撮像が完了したことを伝える信号を発する。
また、一時保存メモリ20は、データ保存メモリ22に電気的に接続される。データ保存メモリ22は、撮像器10によって撮像された画像データを保存するためのメモリであって、固定の場所でも良いし、ユーザによって指定された場所でも良い。
制御コンピュータ30は、観察・計測・培養に関するすべての制御機器を統括する。したがって、前述の各制御部3,5,11,14,15,16に指示信号を発するとともに、各制御部3,5,11,14,15,16からの情報を得て、露出の適正化を行い、円滑な観察・計測・培養を行う。
制御コンピュータ30はユーザインターフェース31に接続されており、このユーザインターフェース31を介して、ユーザが、観察・計測・培養に関する所望の条件、例えば自動露出動作や実験期間、さらには培養環境、撮像エリアなどの条件を設定できる。
ここで、最大輝度演算部21、制御コンピュータ30等は、撮像された各領域における生体試料の画像データからそれぞれ得られる生体試料からの光の輝度に基づき、各領域において生体試料を撮像する際の露出時間を求める露出時間設定手段を構成する。この露出時間設定手段の具体的内容については、後述する観測方法の説明の際に明らかにする。
また、この生体試料培養観察装置には、さらに、撮像した試料の画像データを解析するデータ解析機能が付与される。データ解析機能は必ずしも制御コンピュータ30に付属させる必要はなく、制御コンピュータに接続された別の専用コンピュータに負わせてもよい。
次に、前記構成の生体試料培養観察装置を用いた観察方法について説明する。
図2は、16ビットの画像データで、露出時間を1〜1000msecで与えたときの制御コンピュータ30での撮像時の処理を表すものである。ここでは、まず、ステップS1において露出時間を0msecにセットし、ステップS2で露出時間が1msec足されて、1msecの露出時間で撮像する(ステップS1〜S3)。そして、撮像器10によって撮像された画像のデータは、一時保存メモリ20に保存される(ステップS4)。
次に、ステップS5に移り、露光時間が10msecに達したか否か判断され、達してない場合には、前記のステップS2,S3,S4,S5が繰り返される。そして、露出時間が2msec、3msec、4msecと1msecずつ露出時間が加算され、順次その露出時間の条件で撮像される。撮像された画像のデータは、すべて一時保存メモリ20に保存される。
一方、ステップS5にて露出時間が10msecに達したと判断されると、ステップS6に移り、ここで、露出時間が100msecに達したかどうか判断される。ここで、露出時間が100msecに達しない場合には、ステップS7に移り、その後、前述のステップS3,S4,S5,S6へ移る。以下、このステップS7,S3,S4,S5,S6の処理が繰り返される。そして、露出時間が10msec、20msec、30msecと、10msecずつ露出時間が加算され、順次その露出時間条件で撮像する。撮像した画像のデータは、すべて一時保存メモリ20に保存される。
ステップS6にて露出時間が100msecに達したと判断されると、ステップS8に移り、ここで、露出時間が1000msecに達したかどうか判断される。露出時間が1000msecに達しない場合には、ステップS9に移り、その後前記のステップS3,S4,S5,S6、S8へ移る。以下、このステップS9,S3,S4,S5,S6、S
8の処理が繰り返される。そして、露出時間が150msec、200msec、250msecと、50msecずつ露出時間が加算され、順次その露出時間条件で撮像する。撮像した画像のデータは、すべて一時保存メモリ20に保存される。
そして、ステップS8にて露出時間が1000msecに達したと判断されるとこのルーチンは終了する。
以上のように、露出時間が0〜9msecでは1msecごとに、10〜90msecでは10msecごとに、150〜950msecでは50msecごとに、それぞれ、露出時間が加算されて設定される。
なお、このような処理は、必ずしも前述した例に限定されるものではなく、カメラによって、またそのレンジによって適宜変更できる。当然、すべての露出時間に対して、一定のステップごとに露出時間の設定が可能であっても良い。また、このような処理を、培養容器1において撮像可能な領域ごとに行う。
次に、このようにして一時保存メモリ20に保存された画像データに対し、図3に示すフローに沿って、それぞれ最大輝度演算部21にて最大輝度Cを求める。
すなわち、ステップS11にて露出時間exが0msecと設定されると、次に、ステップS12にて、露出時間が10msecに満たない場合には、1msecづつ露出時間が加算され、露出時間が10msecを超え100msecに満たない場合には、10msecづつ露出時間が加算され、さらに、露出時間が100msecを超えると50msecづつ露出時間が加算される。ついで、ステップS13に移り、一時保存メモリ20からそのときの露出時間に対応する画像データを読み出し、その画像上での最大輝度Cを求める(ステップS14)。
画像の最大輝度Cが65536であるかどうか判断する。ただし、65536はカメラのレンジが16ビットの場合の例であって、この値はカメラの種類により種々変更が可能である。例えば、カメラのレンジが8ビットであれば256である。
つまり、ステップS15では、読み出した画像データの画像データの最大輝度Cが、カメラのレンジ最大値に達するかどうか判断する。そして、読み出した画像データの画像の最大輝度Cが、カメラのレンジ最大値に達達するまでは、ステップS12、S13、S14,S15の処理を繰り返す。
そして、ステップS15で、読み出した画像データの最大輝度Cがカメラのレンジ最大値に達したと判断したら、ステップS16に移り、最大輝度Cの面積Aを求め、その面積Aが予め設定しておいた例えば「10」未満であるかどうか判断する。
最大輝度Cの面積Aが10未満であると、その読み出した時点での情報である、露出時間exの画像データとそのデータセットをデータ保存メモリ22へ保存する。(ステップS18)。ここで、データセットとは、撮像した際のXYステージ制御部から得られる位置情報と露出時間の情報である。データ保存メモリ22には、これら画像データを含めたデータが時系列に対応付けて記憶される。
また、最大輝度Cの面積が10以上になると、露出オーバーと判断し、その読み出した直前の露出時間exの画像データとそのデータセットをデータ保存メモリ22へ保存する(ステップS18)。そして、上記露出時間ex以外の一時保存メモリのファイルを削除する(ステップS19)。
つまり、図3に示す例では、最大輝度Cがカメラのレンジの最大値になった時点での最大輝度Cの面積Aを求め、さらにその面積Aがある閾値(図中10)未満のピクセル数となる画像データを適正な画像データと判断して、その時点での画像データを保存メモリ22に保存している。ここで、データ保存メモリ22には、結果的に、画像データのほか、位置情報に関するデータと露出時間に関するデータとが時系列に対応付けて記憶される。
なお、これに限られることなく、画像中の最大輝度Cがカメラのレンジの最大値になった時点で、その画像データを適正な画像データと判断して、それを保存メモリ22に保存してもよい。
なお、最大輝度演算部21の処理において、画像データを読み出す順は、露出時間の長いほうから読み出した方が、より処理時間が短くなる可能性が高い。蛍光強度や発光強度が低いレベルのものを撮像する可能性が高いためである。さらに、形態観察では、蛍光や発光画像データを撮像する場合に比べて、露出時間が短いので、露出時間の短い方から処理を行う方が時間的に有利である。
図4はデータ解析を行う解析コンピュータでの処理内容を示すフローチャートである。解析コンピュータは、前述した図3で示す処理の結果得られる適正な画像データから、細胞の蛍光強度・発光強度を測定する機能を果たす。
この解析コンピュータでは、データ保存メモリ22から画像データを読み出し、読み出した画像データに対して公知の二値化処理等を経て、1細胞を認識する(ステップS21,S22)。次いで、認識した細胞領域の輝度データを計測し、露出時間によって決まる係数で補正する(ステップS23,S24)。このときの補正するときの一例を図5に示す。図5は、横軸に露出時間、縦軸に真の明るさを表す真値をそれぞれとっている。図5に示すように、輝度データを露出時間によって決まる係数で補正することによって、細胞領域の真の明るさを知ることができる(ステップS25)。これにより得られた細胞領域の真の明るさの数値データを出力ファイルに記入する。
なお、図5では、露出時間と真値との関係を直線で表しているが、蛍光・発光測定に用いるプローブおよび撮像器によっては、線形補正ではなく、対数曲線、指数曲線となる場合もある。
これらの操作を全撮像領域に対して行い(ステップS27)、解析対象全てについて完了したら、各領域毎の数値データを所定の保存先に保存する(ステップS28)。
このように解析コンピュータによる処理を行うことで、各撮像タイミングでの同じ位置の画像データから、1細胞を関連付けて認識し、1細胞の追跡を行い、経時的な輝度データを計測することが可能となる。
以上説明した、図2〜図4に示す処理を要約すると、まず、撮像したい培養容器1内の一つのエリアに対して、露出時間を変えた画像を複数枚撮像し、撮像した画像の最大輝度Cを測定し、レンジ最大値が例えば予め閾値として設定した画素数未満の最大個現れた画像データを、適正な露出時間で撮像したものとして保存し、残りの画像データを破棄する。そして、画像データに付随するデータとして露出時間、撮像位置も同時に保存しておき、解析時に露出時間による輝度の変化をフィードバックして輝度解析を行うのである。
図6は、前記図2、図3に示した処理の変形例を示している。すなわち、図2、図3に示したものは、予め露出時間を変えた画像を複数枚撮像しておき、その後、それら複数枚の画像のうち適正露出時間で撮像した画像を選択する処理を行っているが、図6に示す処理は、撮像処理と画像の選択処理をリアルタイムで行う例である。
ここでは、制御コンピュータ30は、露出時間を変えて複数枚の画像を撮像する(ステップS31、S32,S33,S34,S36)。この点は、前記図2に示す処理と同様である。一方、最大輝度演算部21では、一時保存メモリ20に保存された画像データをリアルタイムで読み込み、その画像の最大輝度Cを求める(ステップS37,S38)。最大輝度Cがカメラのレンジの最大値になった時点で、適正画像データが得られたと判断して、撮像停止命令を制御コンピュータ30に出力し、同位置での撮像を停止する(ステップS39、S35)。その後、最大輝度Cの面積Aを求め、その面積Aがある閾値(図6では例えば10)未満で最大のピクセル数となる画像データを適正画像データと判断する。そして、その時点での画像データを保存メモリ22に保存し、それ以外の画像データ等ファイルを一時保存メモリから削除する(ステップS41,S42,S43,S44,S45)。
このような処理であると、撮像処理と画像の選択処理をリアルタイムで行うことができ、時間的な節約ができるほか、一保存メモリ20に一旦保存するデータの保存量が少なくて済むメリットが得られる。
<第2の実施形態>
図7および図8は、本発明に係る生体試料培養観察装置の第2の実施形態を示し、図7は生体試料培養観察装置全体のブロック図、図8は処理を表すフローチャートである。
第2の実施形態の特徴は、基本露出時間で複数回撮像し、それら撮像した画像を重ね合わせる。この重ねあわせ画像に対してリアルタイムで最大輝度Cを求め、レンジ最大値になるまで繰り返し撮像を行い、かつ画像の重ねあわせを続ける点である。
すなわち、所定の露出時間で適正画像を撮像するのではなく、適正画像となるように、画像(画像データ)を重ねあわせるのである。
図7において、前記第1の実施形態で説明した図1に示すブロック図と異なるところは、一時保存メモリが、画像合成メモリ40に代わった点である。他の構成要素は、第1の実施形態と同様なので、同一符号を付してその説明を省略する。画像合成メモリ40の内容については、図8に基づく観察方法の説明で明らかにする。
図7に示す生体試料培養観察装置を用いた観察方法について説明する。
ここでは、まず基本露出時間exを例えば1msecとし、この露出時間で撮像するとともに、得られた画像データを最大輝度演算部21へ出力する(ステップS51〜S55)。撮像は、最大輝度演算部21から撮像停止命令が発せられるまで続ける。
最大輝度演算部21では、制御コンピュータ30からの出力信号に基づいて画像nのデータを取り込み、この取り込んだ画像nとそれ以前の合成画像n−1とを合成する(ステップS58,S59)。仮に、画像nが1回目であれば、画像はそのままでステップS60に移る。ここで、合成とは、画像中、同一位置の画素における輝度情報を足しこんでいく処理をいう。ステップS60では、合成した画像をメモリに保存し、また、合成した画像に対して画像中の最大輝度Cを求める(ステップS61)。そして、最大輝度Cがカメラのレンジ最大値、例えば、16ビットの場合であれば65536に達したかどうか判断する(ステップS62)。
読み出した画像データの最大輝度Cがカメラのレンジ最大値に達してない場合には、メモリから合成画像を読み出し(ステップS63)、ステップS58〜S52の処理を繰り返す。
一方、ステップS62で、読み出した画像データの最大輝度Cがカメラのレンジ最大値に達したと判断したら、制御コンピュータ30へ撮像停止命令を出した後、最大輝度Cの面積Aを求め、その面積A(例えば、ピクセル数)が10未満であるかどうか判断する(ステップS64,S65,S66。)
最大輝度Cの面積Aが10未満であると、その時点での情報である、合成画像とそのデータセットをデータ保存メモリ22へ保存する(ステップS67)。
また、最大輝度Cの面積が10以上になると、露出オーバーと判断し、その合成した直前の合成画像とそのデータセットをデータ保存メモリ22へ保存する。
すなわち、データ保存メモリ22には、結果的に、画像データのほか、位置情報に関するデータと露出時間に関するデータとが時系列に対応付けて記憶される。
なお、撮像停止命令を受けた制御コンピュータ30は、撮像器10に撮像を停止させる(ステップS56)。また、画像の重ね合わせ回数が所定回数(例えば1000回)に達したら撮像を停止させてもよい(ステップS57)。
このような処理であると、所定の露出時間で適正な画像を撮像するのではなく、適正な画像となるように、画像を重ねあわせるのであるから、撮像する画像の数は少なくできる。その分、細胞等の生体試料への光による刺激負担を低減できる。
なお、この処理では、合成する画像を基本露出時間1msecで撮像したものを利用したが、これに限られることなく、基本露出時間を2msec、3msecあるいは10msecとして撮像した画像を利用してもよいし、また、露出時間のレンジによって変化する基本露出時間に基づき撮像した画像を利用してもよい。また、各領域毎に複数回ずつ撮像することなく、一度撮像した画像を制御コンピュータ30内に取り込み、この取り込んだ一枚の画像を重ね合わせるようにしてもよい。
<第3の実施形態>
図9および図10は、本発明に係る生体試料培養観察装置の第3の実施形態を示し、図9は生体試料培養観察装置全体のブロック図、図10は処理を表すフローチャートである。
第3の実施形態の特徴は、固定露出(ここでは10msec)で画像を撮像し、こうして得られた画像の最大輝度Cから予想される適正な露出条件を求め、得られた露出条件によって撮像を行う点である。
図9において、前記第1の実施形態で説明した図1に示すブロック図と異なるところは、一時保存メモリ20を有しない点である。他の構成要素は、第1の実施形態と同様なので、同一符号を付してその説明を省略する。
図9に示す生体試料培養観察装置を用いた観察方法について説明する。
ここでは、まず露出時間exを例えば10msecとし、この露出時間で撮像するとともに、得られた画像データを最大輝度演算部21へ出力する(ステップS71〜S73)。
一方、最大輝度演算部21では、制御コンピュータからの出力信号に基づいて画像データを取り込み、この取り込んだ画像データの画像中の最大輝度Cを求める(ステップS77、S78)。そして、最大輝度Cを基に、適正露出条件を計算により求め、求めた適正露出を制御コンピュータへ出力する(ステップS79,S80)。
適正露出条件を計算により求めるときは、例えば、図5に示すように、諸条件が定まれば、明るさの真値と露出時間との関係が予め得られるので、その関係を表したあるいは近似した式を利用して行えばよい。
制御コンピュータ30では、最大輝度演算部21から出力された適正な露出値を読み込み、この露出条件により撮像を行う。そして、撮像した画像のデータとそのデータセットを、データ保存メモリーに保存する(ステップS74〜S76)。
このような処理によれば、所定の露出時間で画像を撮像するのではなく、まず、固定露出で画像を撮像し、得られた画像の最大輝度Cから予想される適正な露出条件を求め、得られた露出値によって撮像を行うため、撮像する画像の数を少なくすることができ、したがって、細胞等の生体試料への光による刺激負担を低減できる。
なお、前記した各実施の形態はあくまで本発明の例示であり、必要に応じて適宜設計変更可能である。
例えば、前記各実施の形態では、それぞれ第1〜第3の実施形態を個別独立的に説明したが、これに限られることなく、それら実施の形態を適宜組み合わせて動作させてもよい。
本発明に係る生体試料培養観察装置の第1の実施形態を示すブロック図である。 第1実施形態の撮像時の処理を表すフローチャートである。 第1実施形態の撮像時の処理を表すフローチャートである。 第1実施形態の撮像時の処理を表すフローチャートである。 明るさの真値と露出時間の関係を表す図である。 第1実施形態の変形例の処理を表すフローチャートである。 本発明に係る生体試料培養観察装置の第2の実施形態を示すブロック図である。 第2実施形態の撮像時の処理を表すフローチャートである。 本発明に係る生体試料培養観察装置の第3の実施形態を示すブロック図である。 第3実施形態の撮像時の処理を表すフローチャートである。
符号の説明
1…培養容器 2…XYステージ 3…XYステージ制御部(撮像位置情報取得手段) 5…培養環境制御部 7…培養手段 18…観察手段 21…最大輝度演算部(露出時間設定手段) 22…データ保存メモリ(記憶手段) 30…制御コンピュータ(露出時間設定手段)、


Claims (21)

  1. 内部において生体試料を培養する培養手段と、
    前記培養手段の内部で培養される前記生体試料を複数の領域に分けてそれぞれ撮像することにより前記生体試料の経時的な観察を行う観察手段と、
    前記各領域の位置に関する位置情報を取得する撮像位置情報取得手段と、
    撮像された前記各領域における生体試料の画像からそれぞれ得られる前記生体試料からの光の輝度に基づき、前記各領域において前記生体試料を撮像する際の露出時間を求める露出時間設定手段と、
    前記撮像位置情報取得手段からの前記各領域の位置情報と、前記露出時間設定手段が求めた前記各領域に対する露出時間の情報とを、それぞれ対応付けて記憶する記憶手段と、
    を備えたことを特徴とする生体試料培養観察装置。
  2. 前記観察手段により観察が必要な前記各領域の撮像をそれぞれ行う際に、1つの前記領域に対し前記生体試料の複数の前記画像を連続的に撮像することを特徴とする請求項1記載の生体試料培養観察装置。
  3. 前記観察手段は、1つの前記領域に対し露光時間を変えた複数の前記画像を連続的に撮像し、
    前記露出時間設定手段は、前記複数の画像から1つの画像を選択するとともに前記選択した画像を撮影した際の露出時間を求めることを特徴とする請求項2記載の生体試料培養観察装置。
  4. 前記露出時間設定手段は、1つの前記領域に対して撮像された複数の画像のうち、当該画像のデータにおける前記生体試料の輝度の最大値が前記観察手段の観察可能レンジの最大値に達した画像を選択し、当該選択された画像を撮像した際の露出時間を求めることを特徴とする請求項3記載の生体試料培養観察装置。
  5. 前記露出時間設定手段は、輝度の最大値が前記観察手段の観察可能レンジの最大値以上となった部分を、予め設定された数以下で最も多く持つ画像を選択し、当該選択された画像を撮像した際の露出時間を求めることを特徴とする請求項4記載の生体試料培養観察装置。
  6. 前記露出時間設定手段は、前記選択された以外の画像のデータを廃棄することを特徴とする請求項5記載の生体試料培養観察装置。
  7. 前記露出時間設定手段は、選択された前記画像のデータ中の前記生体試料の輝度に対し、所定の係数による補正を行うことによって、前記露出時間を求めることを特徴とする請求項3記載の生体試料培養観察装置。
  8. 前記観察手段は、各前記領域に対し所定の露光時間で前記生体試料の画像を撮像し、
    前記露出時間設定手段は、撮像された前記各領域の前記画像のデータにおける生体試料の輝度の最大値をそれぞれ求めるとともに、当該最大値に基づき前記各領域における前記生体試料を撮像する際の露出時間を推定することを特徴とする請求項1記載の生体試料培養観察装置。
  9. 前記露出時間設定手段は、撮像された前記画像のデータ中の前記生体試料の輝度に対し、所定の係数による補正を行うことによって、前記露出時間を推定することを特徴とする請求項8記載の生体試料培養観察装置。
  10. 前記記憶手段に記憶された前記位置情報と前記露出時間の情報とに基づき、前記撮像手段に対し、前記各領域を撮像する際の各露出時間の設定を行う手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の生体試料培養観察装置。
  11. 前記記憶手段は、前記位置情報と前記露出時間の情報とをそれぞれ時系列に対応付けて記憶することを特徴とする請求項1記載の生体試料培養観察装置。
  12. 前記記憶手段は、前記位置情報と前記露出時間の情報とに対して、前記各領域における前記生体試料の画像のデータを、更にそれぞれ対応付けて記憶することを特徴とする請求項1記載の生体試料培養観察装置。
  13. 前記生体試料は複数の細胞を含むことを特徴とする請求項1記載の生体試料培養観察装置。
  14. 培養手段の内部で培養される生体試料を複数の領域に分けてそれぞれ撮像することにより生体試料の経時的な観察を行う生体試料培養観察方法であって、
    前記各領域を撮像する工程と、
    撮像した前記各領域の位置に関する位置情報をそれぞれ取得する工程と、
    撮像した画像から得られる前記生体試料からの光の輝度情報に基づき、前記各領域をそれぞれ撮像する際の露出時間を決定する工程と、
    決定した露出時間により撮像した際の前記各領域の位置情報と前記各領域における露出時間の情報とを対応付けて保存する工程とを含むことを特徴とする生体試料培養観察方法。
  15. 内部において生体試料を培養する培養手段と、
    前記培養手段の内部で培養される前記生体試料を複数の領域に分けてそれぞれ撮像す
    ることにより前記生体試料の経時的な観察を行う観察手段と、
    前記各領域の位置に関する位置情報を取得する撮像位置情報取得手段と、
    所定の露出時間にて撮像された前記各領域における生体試料の画像のデータを、前記各領域毎に所定の回数重ね合わせる画像合成手段と、
    前記撮像位置情報取得手段からの前記各領域の位置情報と、前記画像合成手段において前記画像のデータを重ね合わせた回数の情報とを、それぞれ対応付けて記憶する記憶手段と、
    を備えたことを特徴とする生体試料培養観察装置。
  16. 前記画像合成手段は、前記重ね合わせられる画像のデータにおける前記生体試料の輝度の最大値が前記観察手段のレンジの最大値以上になるまで、各領域毎に繰り返し前記画像のデータを重ね合わせることを特徴とする請求項15記載の生体試料培養観察装置。
  17. 前記観察手段は、前記重ね合わせられる画像のデータにおける前記生体試料の輝度の最大値が前記観察手段のレンジの最大値以上となった部分を、予め設定された数以下で最も多く持つようになるまで繰り返し前記画像のデータを重ね合わせることを特徴とする請求項16記載の生体試料培養観察装置。
  18. 前記記憶手段は、前記位置情報と前記露出回数の情報とをそれぞれ時系列に対応付けて記憶することを特徴とする請求項15記載の生体試料培養観察装置。
  19. 前記記憶手段は、前記位置情報と前記露出回数の情報とに対して、前記各領域における前記生体試料の画像のデータを、更にそれぞれ対応付けて記憶することを特徴とする請求項15記載の生体試料培養観察装置。
  20. 前記生体試料は複数の細胞を含むことを特徴とする請求項15記載の生体試料培養観察装置。
  21. 培養手段の内部で培養される生体試料を複数の領域に分けてそれぞれ撮像することにより生体試料の経時的な観察を行う生体試料培養観察方法であって、
    前記各領域を所定の露出時間で撮像する工程と、
    撮像した前記各領域の位置に関する位置情報をそれぞれ取得する工程と、
    撮像した前記画像のデータを前記各領域毎に順次重ね合わせて合成する工程と、
    前記各領域の位置情報と、合成された前記画像のデータを重ね合わせた回数の情報とを、それぞれ対応付けて記憶する工程とを含むことを特徴とする生体試料培養観察方法。
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