JP2007174470A - Rfidリーダ/ライタ用アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに直交する2つのコイルアンテナのQ値を独立に調整でき、RFIDシステムの製造費や現地調整費が安価で、無線タグとの通信の安定性に優れたRFIDリーダ/ライタ用アンテナの提供。
【解決手段】1,2はループコイルアンテナ、aは平面形が円であるコイル導線、bは基板、mは整合回路である。ループコイルアンテナ1,2がなす角度θ=θ1は90度である。リーダ/ライタの高周波電源はアンテナ1だけに給電され、アンテナ2はアンテナ1との磁気結合により給電される。ループコイルアンテナと無線タグとがなす角度をφとすると、アンテナに関しφが直角又は直角に近い値であったとしても、アンテナ2に関しては直角又は直角に近い値である確率は少なくループコイルアンテナ1又は2の少なくとも一方で無線タグを認証できる確率は高い。
【選択図】図1
【解決手段】1,2はループコイルアンテナ、aは平面形が円であるコイル導線、bは基板、mは整合回路である。ループコイルアンテナ1,2がなす角度θ=θ1は90度である。リーダ/ライタの高周波電源はアンテナ1だけに給電され、アンテナ2はアンテナ1との磁気結合により給電される。ループコイルアンテナと無線タグとがなす角度をφとすると、アンテナに関しφが直角又は直角に近い値であったとしても、アンテナ2に関しては直角又は直角に近い値である確率は少なくループコイルアンテナ1又は2の少なくとも一方で無線タグを認証できる確率は高い。
【選択図】図1
Description
本発明は、情報の記録及び記録された情報の読み出しが無線通信により行われる無線タグと、該無線タグに情報を無線通信により記憶させ、又は該無線タグに記憶された情報を無線通信により読み取るリーダ/ライタと、リーダ/ライタで読み取ったデータを処理する上位システムとでなるRFIDシステムにおけるリーダ/ライタのアンテナに関し、特に無線タグの姿勢による通信品質の変動を受け難いRFIDリーダ/ライタのアンテナに関する。
RFID(Radio Frequency Identification)システムは、商品などの物品の認証において、非接触で複数同時認証が可能であるという特徴を有し、従来のバーコードシステムに代わって、急速に普及しつつあり、無線タグと、リーダ/ライタと、上位システムとでなる。RFIDシステムは、RFID、リモートID、移動体識別装置等とも称される。無線タグは、RFID、電子タグ、ICタグ、無線ICタグ、トランスポンダー、非接触ICカード等とも称される。また、リーダ/ライタは、質問器、インテロゲータ、コントローラ等とも称される。上位システムは、パーソナルコンピュータ等のコンピュータでなる。RFIDシステムは、リーダ/ライタと無線タグとの間の無線通信のための周波数により、誘導電磁界で送受信を行う電磁誘導方式と電波で送受信を行う電波方式とに区別される。電磁誘導方式において利用可能な誘導電磁界の周波数は、現在の日本の規格では、〜135kHz及び13.56MHzである。電波方式で利用可能な電波の周波数は、現在の日本の規格では、433MHz,900MHz及び2.45GHzである。
電磁誘導方式のリーダ/ライタにおけるアンテナとしては、ループコイルアンテナが実用されている。ループコイルアンテナは、絶縁被服された導線を円形若しくは矩形に巻回して、又は誘電体基板に貼り付けた銅箔をエッチングし、円形若しくは矩形の線状に銅箔を残すことにより製作される。誘電体基板型のループコイルアンテナは、銅箔のエッチングにより誘電体基板上に形成された線状銅箔の上には別の誘電体層を接着した多層基板でなる。ループコイルアンテナは、導線を巻回してなる巻回型又は誘電体基板型のいずれにおいても、線状の導体が少なくとも1回巻かれてなるので、本出願書類では、その導体はコイル導線と称することにする。コイル導線は、平面形が環状であり、1つの平面に概ね平行である。
RFIDシステムでは、無線タグとリーダ/ライタと上位システムとの間で次の手順により通信が行われる。以下では、電磁誘導方式のRFIDシステムについて詳しく述べる。電波方式においても、無線通信の周波数の相違に応じてアンテナ形式等が電磁誘導方式とは多少相違するが、主要な構成及び作動原理は電磁誘導方式と同様である。電磁誘導方式のRFIDシステムでは、リーダー・ライタ、無線タグ及び上位システム側の間で次の手順で通信が行われる。
(1)リーダー・ライタ側のアンテナから制御信号を含む誘導電磁界を発信。
(2)無線タグ側のアンテナ(ループコイルアンテナ)がリーダー・ライタからの誘導電磁界を受信し、無線タグ側のアンテナの共振作用により起電力が発生。
(3)無線タグでは、発生した電力により、回路を起動し、必要な処理を行い、処理結果を誘導電磁界に乗せ 無線タグ側のアンテナから送信。
(6)リーダー・ライタ側のアンテナで誘導電磁界を受信し、リーダー・ライタの制御部でデコード処理し、上位システム側インターフェイスへ送信し、上位システム側でデータを処理。
(1)リーダー・ライタ側のアンテナから制御信号を含む誘導電磁界を発信。
(2)無線タグ側のアンテナ(ループコイルアンテナ)がリーダー・ライタからの誘導電磁界を受信し、無線タグ側のアンテナの共振作用により起電力が発生。
(3)無線タグでは、発生した電力により、回路を起動し、必要な処理を行い、処理結果を誘導電磁界に乗せ 無線タグ側のアンテナから送信。
(6)リーダー・ライタ側のアンテナで誘導電磁界を受信し、リーダー・ライタの制御部でデコード処理し、上位システム側インターフェイスへ送信し、上位システム側でデータを処理。
現在、無線タグとしては、洋服に取り付けて洋服を個別に認証する分野で、銀行カードやクレジットカードの半分のサイズのハーフサイズと呼ばれるものが、市場で大量に実用されている。類似の分野で、例えば宝飾品や化粧品といった小型の商品に貼付する無線タグが求められ、本願出願人は17 mm×36mmのラベル無線タグ、23 mm×28mmの小型無線タグ、直径10mmの超小型無線タグを開発した。
無線タグを取り付けた物品をRFIDシステムで認証しようとするとき、例えばスーパーマーケットにおいて、無線タグが貼付された商品を買い物籠に入れ、その無線タグをレジのリーダ/ライタで認証しようとするとき、リーダ/ライタのループコイルアンテナにおけるコイル導体の平面と各無線タグのループコイルアンテナにおけるコイル導体の平面とは、互いにに平行であるとは限らない。両アンテナのコイル導体の平面が互いになす角度は、商品の姿勢によりさまざまである。そこで、無線タグ及びリーダ/ライタのアンテナの相対姿勢に拘わらず、両者間で安定して通信できるアンテナが求められる。
無線タグ及びリーダ/ライタのアンテナの相対姿勢に拘わらず、両者間で安定した通信を可能にすることを目的とする従来のRFIDリーダ/ライタ用アンテナとして、特許文献1(特開2000−172795)に記載のものがあり、図6は特許文献1に記載されたリーダ/ライタ用アンテナの構成を示す図である。図6のアンテナ(2)は、コイル面が互いに90度の角度をなす2つのループアンテナ[アンテナ部(A)及び(B)]からなる。そのアンテナ部(A)及び(B)は、直列に接続され、リーダ/ライタから共通の高周波電流(i1)を供給される。アンテナ部(A)[点a、b、c、dで囲まれたコイル面から構成される部分]が存在する平面をアンテナ部(B)[点a、b、e、fで囲まれたコイル面から構成される部分]が存在する平面と直角に交差させてアンテナ部(A)、(B)を配置し、アンテナ部(A)、(B)の間に無線タグ(特許文献1ではICカードと称されている)と通信を行う空間を形成する。リーダ/ライタでは、ループアンテナ(2)に高周波電流i1を流すことで各アンテナ部(A)、(B)から磁束を発生させ、アンテナ部(A)からの磁束とアンテナ部(B)からの磁束との合成により前記空間において無線タグとの通信を行う。
図7は、特許文献2(特開2005−277983)に開示されたリーダ/ライタ(特許文献2では質問器と称されている)用アンテナを示す模式図である。特許文献2では、このアンテナをチェーンアンテナと称している。図7のアンテナは、リーダ/ライタ側のアンテナ自体を大きくしなくともアンテナの面積を相対的に大きくして受信感度を向上させ、リーダと無線タグ(特許文献2ではRFIDタグと称されている)間の通信範囲を拡大させることを目的としている。図7のアンテナは、リーダ/ライタにおけるリーダ(1)のアンテナ(2)よりRFIDシステムで使用しているキャリア周波数、例えば4.915MHzや13.56MHzと同調した多数の丸型の同調アンテナ(3),(3’)を互いに重なるように若しくは極力接近させ一方向以上(該図では左右の二方向)にチェーンの如く連鎖配置してなる。アンテナ(2)の左側の同調アンテナ(3)とは磁界(4)により誘導結合し、右側の同調アンテナ(3)とは磁界(4’)により誘導結合している。磁界(4)と磁界(4’)とは磁界の向きが逆になるため同調アンテナ(3)と同調アンテナ(3’)から放射される磁界の向きも交互に逆になって連鎖的に結合する。
特開2000−172795
特開2005−277983
特許文献1のリーダ/ライタ用アンテナでは、アンテナ部(A)の平面とアンテナ部(B)の平面とは直角に交差して配置される。RFIDシステムにおけるリーダ/ライタが、スーパーマーケットのレジにおける無線タグ読取機等に適用されるときは、図6のリーダ/ライタ用アンテナのアンテナ部(A)及び(B)は、無線タグ読取機における構造材の金属などに近接して配置される。このような環境に配置されたアンテナ部(A)及び(B)の放射パターン等周波数特性は、近接金属の影響を受けて、アンテナ部(A)と(B)とで大幅に相違する。そこで、無線タグを検知するのに最適な周波数特性を得るために、アンテナ部(A)及び(B)のQ値は互いに独立に調整することが求められる。コイルのインダクタンスをL、抵抗をRとすると、角周波数ωの高周波信号に対するコイルのQ値は、Q=ωL/Rとなる。図6のリーダ/ライタ用アンテナでは、アンテナ部(A)及び(B)が直列に接続されているので、抵抗Rはアンテナ部(A)及び(B)のQ値に共通に作用する。そこで、図6のリーダ/ライタ用アンテナでは、アンテナ部(A)及び(B)のQ値を互いに独立に調整することが難しい。
また、図6のリーダ/ライタ用アンテナにおけるアンテナ部(A)及び(B)のコイル導線は、いわゆる一筆書き状に連続して巻回されている。このように構造的に連続したコイル導線の平面を互いに直交させて、立体的に配置するには、一定の位置に一定の形でコイル導線を支えるための支持構造が複雑になり、支持構造の製造費が高価となる。アンテナ部(A)及び(B)をプリント配線板で構成しようとすれば、アンテナ部(A)と(B)とを接続するジャンパーケーブル又はフレキシブル配線板という接続線路が必要となり、構造が複雑になるとともに、放射パターン等の周波数特性が接続線路の形状や近傍の金属配置状況などにより影響され、無線タグを検出するために適切な周波数特性を得るための設計や現場における調整が複雑になり、RFIDシステムの製造費や現地調整費の増大を招く。このように図6のリーダ/ライタ用アンテナには、互いに直交する2つのコイルアンテナのQ値を独立に調整することが困難であり、RFIDシステムの製造費や現地調整費の増大を招くという解決するべき課題がある。
図7のリーダ/ライタ用アンテナでは、アンテナ(2)及び同調アンテナ(3),(3’)のコイル導線が一平面に平行に配置されているので、無線タグにおけるアンテナのコイル導線がこの平面に直交する姿勢にあるときは、リーダ/ライタ用アンテナと無線タグのアンテナとの相互位置によっては、アンテナ(2)及び同調アンテナ(3),(3’)の磁束は無線タグのアンテナをほとんど貫かないことがある。そこで、図7のリーダ/ライタ用アンテナにおいては、リーダ/ライタ用アンテナと無線タグのアンテナとの通信の可否が無線タグの姿勢に依存し、通信が不安定である。無線タグにおけるアンテナのコイル導線がリーダ/ライタ用アンテナの平面に直交する姿勢にあるときに、通信品質が劣化する現象については、前述の特許文献1の段落0006から0008に詳しい説明がある。このように、図7のリーダ/ライタ用アンテナには、通信品質が劣るという解決するべき課題がある。
そこで、本発明の目的は、互いに直交する2つのコイルアンテナのQ値を独立に調整でき、RFIDシステムの製造費や現地調整費が安価で、無線タグとの通信の安定性に優れたRFIDリーダ/ライタ用アンテナの提供にある。
前述の課題を解決するために、本発明は次の手段を提供する。
(1)複数のループコイルアンテナでなり、
前記複数のループコイルアンテナのうちの1つのループコイルアンテナだけが、給電端に給電される受電アンテナであり、
前記各ループコイルアンテナのコイル導体は、少なくとも1つの他の該ループコイルアンテナのコイル導体に近接して配置され、
前記受電アンテナ以外の前記各ループコイルアンテナは、直接に、又は他の該ループコイルアンテナを介して間接に、前記受電アンテナに磁気結合されており
前記複数のループコイルアンテナは第1及び第2のループコイルアンテナを含み、
前記第1のループコイルアンテナにおける前記コイル導線は平面Pに平行であり、
前記第2のループコイルアンテナにおける前記コイル導線は、前記平面Pに対し角度をなす平面Qに平行である
ことを特徴とするRFIDリーダ/ライタ用アンテナ。
前記複数のループコイルアンテナのうちの1つのループコイルアンテナだけが、給電端に給電される受電アンテナであり、
前記各ループコイルアンテナのコイル導体は、少なくとも1つの他の該ループコイルアンテナのコイル導体に近接して配置され、
前記受電アンテナ以外の前記各ループコイルアンテナは、直接に、又は他の該ループコイルアンテナを介して間接に、前記受電アンテナに磁気結合されており
前記複数のループコイルアンテナは第1及び第2のループコイルアンテナを含み、
前記第1のループコイルアンテナにおける前記コイル導線は平面Pに平行であり、
前記第2のループコイルアンテナにおける前記コイル導線は、前記平面Pに対し角度をなす平面Qに平行である
ことを特徴とするRFIDリーダ/ライタ用アンテナ。
上述の構成の本発明によれば、互いに直交する2つのコイルアンテナのQ値を独立に調整でき、RFIDシステムの製造費や現地調整費が安価で、無線タグとの通信の安定性に優れたRFIDリーダ/ライタ用アンテナを提供できる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のRFIDリーダ/ライタ用アンテナを示す斜視図、図2はその図1の実施例の別の態様を示す斜視図、図3は図1の実施の形態におけるループコイルアンテナを示す平面図、図4は図1の実施形態におけるループコイルアンテナを示す回路図である。図1の実施形態は、ループコイルアンテナ1及び2を備えてなり、両ループコイルアンテナにおけるコイル導線aの面をそれぞれ平面P及びQとすると、この実施形態では平面P及びQがなす角度θは可変である。θは、0度から180度の範囲で任意の値に設定できる。平面P及びQの角度を可変にするために、ループコイルアンテナ1に対するループコイルアンテナ2の回転を可能にする機構は図では省略してある。この機構は、例えば図1において、ループコイルアンテナ1の右側の辺縁とループコイルアンテナ2の左側の辺縁とに蝶番を取り付け、両者を連結することにより実現できる。図1及び図2は、θが90度及び135度であるときの該実施形態の態様をそれぞれ示す。図において、1,2はループコイルアンテナ、aは平面形が円であるコイル導線、bは基板、mは整合回路、cv1,cv2は可変コンデンサ、c2はコンデンサ、R1は抵抗、cn1−1,cn1−2は13.56MHzの高周波電流の給電端である。
図3に示すように、ループコイルアンテナ1のコイル導線aは、内側コイル導線a1及び外側コイル導線a2でなる。外側コイル導線a2の外縁の径は100mmである。基板bは、誘電体製の第1及び第2の基板を張り合わせてなる。コイル導線a1,a2は、第1の基板上に貼り付けた銅箔にエッチングを施すことにより形成されている。そこで、コイル導線a1,a2の導体面は1つの平面に平行である。図3において破線で示す導線は、第1の基板の裏側に設けられており、スルーホールにより外側コイル導線a2及び整合回路mに接続されている。第1の基板の裏面に貼り付けた銅箔にエッチングを施すことにより、その破線で示す導線および整合回路m用の導体パターンが形成される。整合回路mは、第1の基板の裏面の導体パターンに個別部品の可変コンデンサcv1,cv2、コンデンサc2及び抵抗R1を半田付けしてなる。給電端cn1−1は第1の基板の裏側に固着されており、整合回路mを経由して外側コイル導線a2にスルーホールで接続されている。給電端cn1−2は第2の基板の表面に固着されており、整合回路mを経由してコイル導線a1にスルーホールで接続されている。図における整合回路mは、図の簡略化のために、単なるブロックでもって模式的に表現してある。第2の基板は透明であり、図では、第1の基板上のコイル導線a1,a2は実線で描いてある。ループコイルアンテナ2の構成はループコイルアンテナ1と全く同じである。
整合回路mは、リーダ/ライタの高周波電源とコイル導線aとのインピーダンスマッチングをとるために設けてある。図4に示すように、整合回路mは、可変コンデンサcv2、コンデンサc2及び抵抗R1でなる並列回路に可変コンデンサcv1を直列に接続してなる。可変コンデンサcv1及びcv2の調整により、ループコイルアンテナ1の同調周波数は13.56MHzに設定してある。抵抗R1は、整合回路mのQを小さくし、ループコイルアンテナ1のゲイン等の特性が周辺の金属により影響を受け難くし、ループコイルアンテナ1の特性の安定化を図るために設けてある。
本実施の形態は、ループコイルアンテナ1及び2でなり、ループコイルアンテナ1を受電アンテナとし、2つのループコイルアンテナ1及び2の内の一方のループコイルアンテナ1における給電端cn1−1,cn1−2にリーダ/ライタから給電される。ループコイルアンテナ1,2のコイル導体は、近接しているので、両者は磁気結合されている。ループコイルアンテナ1及び2のコイル導体を互いに磁気結合させるために、ループコイルアンテナ1の上面(図3に関して記述した第2の基板の上面)にループコイルアンテナ2の下端部(図3に関して記述した第1及び第2の基板の端部)を当接させ、ループコイルアンテナ1のコイル導体a1,a2上にループコイルアンテナ2のコイル導体a1,a2が位置するように配置してある。このようなループコイルアンテナ1及び2の配置により、ループコイルアンテナ1が前述の受電アンテナとして作用し、ループコイルアンテナ2は受電アンテナに直接に磁気結合している。ループコイルアンテナ1による磁束は、θに拘わらず、ループコイルアンテナ2と交差するから、両ループコイルアンテナの磁気結合は任意のθにおいて十分に強く維持される。
複数のループコイルアンテナ(2)、(3)、(3’)を平面状に配列してなる図7のリーダ/ライタ用アンテナを用いると、リーダ/ライタ側のループコイルアンテナにおけるコイル導体の平面と無線タグのループコイルアンテナにおけるコイル導体の平面とがなす角度φは、全てのループコイルアンテナ(2)、(3)、(3’)に関しほぼ一定であり、角度φが直角又は直角に近い値になることがあり得る。例えば、スーパーマーケットにおいて、無線タグが貼付された商品を買い物籠に入れ、その無線タグをレジのリーダ/ライタで認証しようとするとき、角度φは商品の姿勢によりさまざまな値をとり得る。角度φが直角又は直角に近い値であると、リーダ/ライタと無線タグとが通信可能な両者のアンテナ距離は、角度φが0度又は0度近傍である場合に比べ、相当に小さくなり、リーダ/ライタ側のアンテナと無線タグとの距離が大きいと、リーダ/ライタによる無線タグの認証ができない場合がある。このような使用形態において、図1に示した態様のRFIDリーダ/ライタ用アンテナは有用であり、ループコイルアンテナ1に関し角度φが直角又は直角に近い値であったとしても、ループコイルアンテナ2に関しては直角又は直角に近い値である確率は少なくループコイルアンテナ1又は2の少なくとも一方で無線タグを認証できる確率は高い。図2の態様においても、図1の態様と同様に、高い確率で無線タグを認証できる。すなわち、図1又は図2の態様において、本実施の形態は、特許文献1のアンテナと同様に、無線タグが任意の姿勢をとり得る場面で使用するのに好適である。
また、本実施形態のRFIDリーダ/ライタ用アンテナを採用すると、リーダ/ライタ側のループコイルアンテナ1及び2におけるコイル導体aの平面が2つあるので、ループコイルアンテナ1及び2に挟まれた空間を通信空間とし、その通信空間に無線タグを配置することにより、ループコイルアンテナ1及び2のコイル導体aの平面が無線タグのループコイルアンテナのコイル導体となす角度φ=φ1が90度であったとしても、ループコイルアンテナ1と無線タグとの距離D1がφ=φ1における通信可能距離より大きいとき、ループコイルアンテナ2と無線タグとの距離D2はD1より通常小さくなるから、リーダ/ライタと無線タグとの通信はループコイルアンテナ2を介して可能となる。
図1に示す実施の形態では、角度θを変えて、無線タグが置かれる空間、即ち通信空間に応じてループコイルアンテナ1,2の相対位置、姿勢を選択しても、その相対位置、姿勢ごとに受電アンテナ(ループコイルアンテナ1)の入力インピーダンスはほとんど変動しない。そこで、リーダ/ライタの給電部の出力インピーダンスを、所要の通信空間ごとに受電アンテナに整合させる必要がなく、その給電部の設計が簡単となるので、リーダ/ライタが安価に製造できる。
図1の実施形態では、互いに直交する2つのコイルアンテナ1,2は電気的に分離しており、両コイルアンテナにおけるコイル導線の抵抗は互いに独立に定まるので、コイルアンテナ1及び2のQ値を独立に調整できる。また、図1のように構造的に独立した2つのコイル導線の平面を互いに直交させて、立体的に配置し、一定の位置に一定の形でコイル導線を支えるための支持構造は簡単であり、支持構造の製造費が安価となる。コイルアンテナ1及び2をプリント配線板で構成しても、両者を接続するジャンパーケーブル又はフレキシブル配線板という接続線路が不要である。また、その接続線路がないので、放射パターン等の周波数特性が接続線路の形状や近傍の金属配置状況などにより影響されるという図6のアンテナの欠点は、図1の実施形態にはない。そこで、無線タグを検出するために適切な周波数特性を得るための設計や現場における調整が簡単となり、RFIDシステムの製造費や現地調整費は、図6のアンテナ(特許文献1)に比べ、大幅に軽減される。このように図6のリーダ/ライタ用アンテナは、互いに直交する2つのコイルアンテナのQ値を独立に調整でき、RFIDシステムの製造費や現地調整費が安価であるいう利点を有し、これらの点において図6の従来のアンテナに比べ極めて優れているといえる。
図5は、図3の円形ループコイルアンテナ1に代えて、本発明のRFIDリーダ/ライタ用アンテナで用いうる矩形ループコイルアンテナ11を示す平面図である。図5に示すように、ループコイルアンテナ11のコイル導線dは、内側コイル導線d1及び外側コイル導線d2でなる。外側コイル導線d2の外縁の1辺は100mmである(コイル導線dの角はRを持たせて円弧曲線に仕上げてあるが、面取りをしないときの1辺が100mm)。図5のループコイルアンテナ11は、図3のループコイルアンテナ1とは、コイル導線の平面形において相違するが、その他の点では図3のループコイルアンテナ1と同じである。このループコイルアンテナ11を図1におけるループコイルアンテナ1に代えて用いても、図1の実施の形態と同様のRFIDリーダ/ライタ用アンテナを構成できる。性能的にも図1のものと同様となる。
以上には、図面を参照して本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、勿論本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。例えば、図1の実施形態では、ループコイルアンテナ1及び2のコイル導体を互いに近接させる態様として、ループコイルアンテナ1の上面(図3に関して記述した第2の基板の上面)にループコイルアンテナ2の下端部(図3に関して記述した第1及び第2の基板の端部)を当接させ、ループコイルアンテナ1のコイル導体a1,a2上にループコイルアンテナ2のコイル導体a1,a2が位置するように配置しているが、本発明において隣の2つのループコイルアンテナを近接させる態様は図1の態様に限定されるものではなく、両者の間で所要の磁気結合が可能な範囲で、各種の態様が可能である。
図1に示す実施の形態では、ループコイルアンテナは2箇である。しかしながら、本発明では、ループコイルアンテナの数を3箇とし、これらアンテナのコイル導体の平面相互の角度を90度近傍にすれば、通信可能な空間を一層拡大できる。本発明では、リーダ/ライタにおける所要の通信空間が、任意の数のループコイルアンテナを任意の形態に配置し、ループコイルアンテナを単に順次に隣接して配置するだけで実現でき、しかも受電アンテナの入力インピーダンスはループコイルアンテナの増減によりほとんど変化しない。このように、本発明のRFIDリーダ/ライタ用アンテナは、通信空間の拡張および変更において極めて融通性に富む。
1,2 平面形が円であるループコイルアンテナ
11 平面形が矩形であるループコイルアンテナ
a 平面形が円であるコイル導線
b 基板
d 平面形が矩形であるコイル導線
m 整合回路
cv1,cv2 可変コンデンサ
c2 コンデンサ
R1 抵抗
cn1−1,cn1−2 13.56MHzの高周波電流の給電端
11 平面形が矩形であるループコイルアンテナ
a 平面形が円であるコイル導線
b 基板
d 平面形が矩形であるコイル導線
m 整合回路
cv1,cv2 可変コンデンサ
c2 コンデンサ
R1 抵抗
cn1−1,cn1−2 13.56MHzの高周波電流の給電端
Claims (1)
- 複数のループコイルアンテナでなり、
前記複数のループコイルアンテナのうちの1つのループコイルアンテナだけが、給電端に給電される受電アンテナであり、
前記各ループコイルアンテナのコイル導体は、少なくとも1つの他の該ループコイルアンテナのコイル導体に近接して配置され、
前記受電アンテナ以外の前記各ループコイルアンテナは、直接に、又は他の該ループコイルアンテナを介して間接に、前記受電アンテナに磁気結合されており
前記複数のループコイルアンテナは第1及び第2のループコイルアンテナを含み、
前記第1のループコイルアンテナにおける前記コイル導線は平面Pに平行であり、
前記第2のループコイルアンテナにおける前記コイル導線は、前記平面Pに対し角度をなす平面Qに平行である
ことを特徴とするRFIDリーダ/ライタ用アンテナ。
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JP2005371640A JP2007174470A (ja) | 2005-12-26 | 2005-12-26 | Rfidリーダ/ライタ用アンテナ |
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