JP2007173898A - 中継装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】映像リソースの規模に差がある二つのプライベートなマルチキャストネットワークに対し、重い負荷を掛けたり特段の性能向上を図ったりすることなく、これらマルチキャストネットワーク同士で映像リソースを相互利用できるようにする中継装置を、提供する。
【解決手段】中継装置10は、マルチキャストネットワークAについて、マルチキャストネットワークBに設定されているマルチキャストグループアドレスよりも少ない数の仮想グループアドレスを、テーブル14a,15aに登録して、ネットワークA,B間のマルチキャストパケットの中継を行い、マルチキャストネットワークAの受信端末装置23,24からの要求があったときには(S304;YES,S305)、その仮想グループアドレスに割り当てられるマルチキャストグループアドレスを、別のマルチキャストグループアドレスに変更する(S404;YES,S406;YES,S407)。
【選択図】図10

Description

本発明は、複数のネットワーク間で遣り取りされるデータを中継するための中継装置に、関する。
周知のように、官公庁等の団体が、河川や道路などの監視対象経路を遠隔監視するためのシステムを、構築して運用している。この種のシステムでは、監視対象経路上の各地点に設置された複数台の監視カメラにより生成されたストリームコンテンツデータが、プライベートネットワーク上のホストで受信できるようになっている。このため、監視者は、ホスト上で再生された幾つかのストリームコンテンツを通じて、監視対象経路を集中的に遠隔監視できる。
前述した遠隔監視システムの分野においては、ストリームコンテンツデータの通信ネットワークとして、プライベートなマルチキャストネットワークが利用されていることが多い。マルチキャストネットワークは、映像リソース(ストリームコンテンツ)の一つ一つをグループという単位で区別し、ネットワークを構成する各ルータに対し、ソース(監視カメラに接続されたエンコーダ)からのマルチキャストパケットをどのルータに流すかを定義させておき、ネットワーク上のリスナー(ホスト)から任意のグループへの参加がルータやソースに宣言されたときに、ソースからそのリスナーへ、定義した経路に沿って、そのグループの映像リソースを届けるようにするというものである。
最近、このようなプライベートなマルチキャストネットワーク内でストリーム配信サービスを運用している団体同士から、互いの映像リソースを提供しあえるようにしたいとの要望がある。互いの映像リソースを提供しあうには、プライベートネットワーク同士を何らかの手段により接続せねばならないが、マルチキャストネットワークは、一つのアドレス体系で運用されるものであることから、プライベートネットワーク同士を単純に接続するわけにはいかないという事情があった。
このような事情から、本出願人は、先に、プライベートなマルチキャストネットワーク同士を接続するための中継装置を提案した(特許文献1参照)。この中継装置は、マルチキャストネットワーク間でマルチキャストパケットを中継する際、そのパケットに記述されているマルチキャストグループアドレスとソースのプライベートIP[Internet Protocol]アドレスとを、送信元のものから、その送信元について仮想的に設定したものに書き換える処理を行うというものである。この中継装置は、このような書き換え処理のため、アドレスの対応関係を定義したテーブルを内部に保持している。
特開2005−244904号公報
前述したマルチキャストネットワークでは、サーバやルータにおいて、全てのマルチキャストグループアドレスを管理するようになっている。従って、本出願人が先に提案した技術によって映像リソースを相互利用するようにすると、どちらの団体のマルチキャストネットワークにおいても、両団体のマルチキャストグループアドレスの全てを管理せねばならない。すなわち、一方のマルチキャストネットワークにおいて、自己のマルチキャストグループアドレスの全てと、他方のマルチキャストネットワークにおけるマルチキャストグループアドレスの全てとを、ともに管理せねばならない。
しかしながら、これら団体のマルチキャストネットワークにおいて、映像リソースの規模に差がありすぎる場合、例えば、一方の団体の映像リソース数が5000個で、もう一方の団体の映像リソース数が50個であった場合、映像リソース数の少ない方のマルチキャストネットワークでは、管理すべきマルチキャストグループアドレスの数が膨大となるとともに、ネットワークに流れるストリームコンテンツデータ(マルチキャストパケット)の量も膨大となるため、サーバやルータを高性能なものに切り替える必要がある。この結果、特に規模の小さいマルチキャストネットワークにおいて、映像リソースの相互利用に掛かる導入費用が嵩んでしまうため、小規模のマルチキャストネットワークを利用する団体は、映像リソースの相互利用を躊躇せざるを得なかった。
本発明は、前述したような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、映像リソースの規模に差がある二つのプライベートなマルチキャストネットワークに対し、重い負荷を掛けたり特段の性能向上を図ったりすることなく、これらマルチキャストネットワーク同士で映像リソースを相互利用できるようにすることにある。
上記の課題を解決するために案出された中継装置は、幾つかのPIM対応ルータにより構成されている第1及び第2のマルチキャストネットワーク同士をマルチキャスト通信自在に接続するための中継装置であって、前記第1及び第2のマルチキャストネットワークのルータにそれぞれ接続される複数のネットワークインターフェース,前記第2のマルチキャストネットワークにおいてリスナーがソースからストリームコンテンツを受信するためにストリームコンテンツにそれぞれ割り当てられているマルチキャストグループアドレスのうち、幾つかのマルチキャストグループアドレスのそれぞれに対し、そのマルチキャストグループアドレスが割り当てられているストリームコンテンツを第1のマルチキャストネットワークのリスナーが受信できるようにするための第1の仮想グループアドレスを、対応付けて記憶する第1の記憶部,前記ネットワークインターフェースが前記第1のマルチキャストネットワークのルータから前記第1の仮想グループアドレス宛のマルチキャストパケットを受信すると、前記第1の記憶部から、その第1の仮想グループアドレスに対応するマルチキャストグループアドレスを読み出し、当該マルチキャストパケット内の第1の仮想グループアドレスを、読み出したマルチキャストグループアドレスに書き換える第1のアドレス変換部,前記第1のアドレス変換部がアドレスを書き換えたマルチキャストパケットを、前記ネットワークインターフェースを通じて、前記第2のマルチキャストネットワークのルータへ送信する第1の送信部,前記第1の送信部からマルチキャストパケットが送信された前記第2のマルチキャストネットワーク内のソースからの応答として、前記ネットワークインターフェースが前記第2のマルチキャストネットワークのルータからマルチキャストパケットを受信すると、前記第1の記憶部から、そのマルチキャストパケット内に記述されているマルチキャストグループアドレスに対応する第1の仮想グループアドレスを読み出して、当該マルチキャストパケット内のマルチキャストグループアドレスを、読み出した第1の仮想グループアドレスに書き換える第1のアドレス逆変換部,前記第1のアドレス逆変換部がアドレスを書き換えたマルチキャストパケットを、前記ネットワークインターフェースを通じて、前記第1のマルチキャストネットワークのルータへ送信する第2の送信部,前記ネットワークインターフェースが前記第1のマルチキャストネットワーク内の何れかのリスナーからの要求を受信すると、前記第1の記憶部において前記仮想グループアドレスにそれぞれ対応付けられているマルチキャストグループアドレスに割り当てられているストリームコンテンツのリストを表示するためのリスト情報を生成する第1のリスト生成部,前記第1のリスト生成部がリスト情報を生成すると、生成されたリスト情報を、前記ネットワークインターフェースを通じて、前記第1のマルチキャストネットワークにおける前記要求を送信してきたリスナーへ、送信する第1のリスト情報送信部,及び、前記ネットワークインターフェースが前記リスナーからリスト内容についての変更指示を受信すると、前記第1の記憶部内で第1の仮想グループアドレスに対応付けられているマルチキャストグループアドレスを、第2のマルチキャストネットワークにおけるそれ以外のマルチキャストグループアドレスに変更して、前記第1のリスト生成部にリスト情報を生成させる第1の動的アドレス変更部を備えることを、特徴としている。
このように、第1のマルチキャストネットワークについて、第2のマルチキャストネットワークに設定されているマルチキャストグループアドレスの数よりも少ない仮想グループアドレスを設定し、一方のマルチキャストネットワークと他方のマルチキャストネットワークとの間のマルチキャストパケットの中継を行うようにしておき、リスナーからの要求があったときに、その仮想グループアドレスに割り当てられるマルチキャストグループアドレスが、別のマルチキャストグループアドレスに変更されるようにすれば、第1のマルチキャストネットワークで使用される仮想グループアドレスの個数を輻輳を招かない程度に制限しつつも、第2のマルチキャストネットワークの映像リソースの全てを利用することができる。
従って、本発明によれば、映像リソースの規模に差がある二つのプライベートなマルチキャストネットワークに対し、重い負荷を掛けたり特段の性能向上を図ったりすることなく、これらマルチキャストネットワーク同士で映像リソースを相互利用できるようになる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本実施形態のコンピュータネットワークシステムの構成図である。
本実施形態のコンピュータネットワークシステムは、プライベートなマルチキャストネットワークA,プライベートなマルチキャストネットワークB,及び、中継装置10からなる。
プライベートなマルチキャストネットワークAは、複数のコンピュータを通信自在に接続してなるネットワークであり、これら各コンピュータには、外部のネットワークから独立したアドレス体系が設定されている。具体的には、本実施形態のマルチキャストネットワークAは、二台のエンコーダ(ENC_A1,ENC_A2),三台のレイヤー3スイッチ(RP_A1,RP_A2,BSE_A),一台のレイヤー2スイッチ(L2SW_A2)からなる。
二台のエンコーダ(ENC_A1,ENC_A2)は、何れも、監視カメラから出力されるビデオ信号をストリームコンテンツデータに変換してネットワークに出力する装置であり、それぞれ、監視カメラ21,22に接続されている。
三台のレイヤー3スイッチ(RP_A1,RP_A2,BSR_A)は、何れも、TCP/IP[Transmission Control Protocol/Internet Protocol]プロトコルスイートに従ってIP[Internet Protocol]パケットの中継を行う通信コンピュータである。また、これら三台のレイヤー3スイッチ(RP_A1,RP_A2,BSR_A)は、そのTCP/IPスイートを構成するPIM−SM[Protocol Independent Multicast-Sparse Mode]モジュールに従ってマルチキャストパケットの中継をも行う通信コンピュータとなっている。なお、この三台のレイヤー3スイッチ(RP_A1,RP_A2,BSR_A)のうち、一台のレイヤー3スイッチ(BSR_A)は、ネットワークA内のPIM対応ルータの中からランデブーポイント(RP)を決定するブートストラップルータとしての機能を有する。残り二台のルータ(RP_A1,RP_A2)は、このブートストラップルータ(BSR_A)によりランデブーポイントとして決定されたレイヤー3スイッチであり、何れも、ブートストラップルータ(BSR_A)に接続されている。
一台のレイヤー2スイッチ(L2SW_A2)は、イーサネット[Ethernet:米ゼロックス社,米インテル社,米コンパックコンピュータ社の商標]規格に従ってフレームの中継を行う通信機器である。このレイヤー2スイッチ(L2SW_A2)は、各エンコーダ(ENC_A1,ENC_A2)とランデブーポイントルータ(RP_A2)とを接続している。
さらに、このマルチキャストネットワークAでは、マルチキャストパケットを受信することによってストリームコンテンツデータをデコードしてストリームコンテンツを再生するための受信端末装置23,24が、それぞれ、ランデブーポイントルータ(RP_A1)とランデブーポイントルータ(RP_A2)とに接続されている。
なお、説明のため、二台のエンコーダ(ENC_A1,ENC_A2)には、それぞれ 10.0.1.1 ,10.0.1.2 というプライベートIPアドレスが設定され、二台のランデブーポイントルータ(RP_A1,RP_A2)には、それぞれ、 10.0.0.1 , 10.0.0.2 というプライベートIPアドレスが設定され、ブートストラップルータ(BSR_A)には、 10.0.0.3 というプライベートIPアドレスが設定され、受信端末装置23,24には、それぞれ、 10.1.1.1 , 10.1.2.1 というプライベートIPアドレスが設定されているものとする。
また、二台のエンコーダ(ENC_A1,ENC_A2)からマルチキャスト配信されるストリームコンテンツ(映像リソース)には、それぞれ、 230.1.1.1 , 230.1.1.2 というマルチキャストグループアドレスが設定されているものとする。
一方、プライベートなマルチキャストネットワークBも、複数のコンピュータを通信自在に接続してなるネットワークであり、これら各コンピュータには、外部のネットワークから独立したアドレス体系が設定されている。具体的には、本実施形態のマルチキャストネットワークBは、六台のエンコーダ(ENC_B1〜ENC_B6),四台のレイヤー3スイッチ(RP_B1〜RP_B3,BSE_B),三台のレイヤー2スイッチ(L2SW_B1〜L2SW_B3)からなる。
六台のエンコーダ(ENC_B1〜ENC_B6)は、何れも、監視カメラから出力されるビデオ信号をストリームコンテンツデータに変換してネットワークに出力する装置であり、それぞれ、監視カメラ31〜36に接続されている。
四台のレイヤー3スイッチ(RP_B1〜RP_B3,BSR_B)は、何れも、TCP/IPプロトコルスイートに従ってIPパケットの中継を行う通信コンピュータである。また、四台のレイヤー3スイッチ(RP_B1〜RP_B3,BSR_B)は、そのTCP/IPスイートを構成するPIM−SMモジュールに従ってマルチキャストパケットの中継をも行う通信コンピュータである。なお、この四台のレイヤー3スイッチのうち、一台のレイヤー3スイッチ(BSR_B)が、ブートストラップルータとなっており、残り三台のルータ(RP_B1〜RP_B3)が、ランデブーポイントルータとなっている。ランデブーポイントルータ(RP_B1〜RP_B3)は、相互に接続されており、ブートストラップルータ(BSR_B)は、ランデブーポイントルータ(RP_B2)に接続されている。
三台のレイヤー2スイッチ(L2SW_B1〜L2SW_B3)は、何れも、イーサネット規格に従ってフレームの中継を行う通信機器である。このうち、レイヤー2スイッチ(L2SW_B1)は、エンコーダ(ENC_B1,ENC_B2)とランデブーポイントルータ(RP_B1)とを接続し、レイヤー2スイッチ(L2SW_B2)は、エンコーダ(ENC_B3,ENC_B4)とランデブーポイントルータ(RP_B2)とを接続し、レイヤー2スイッチ(L2SW_B3)は、エンコーダ(ENC_B5,ENC_B6)とランデブーポイントルータ(RP_B3)とを接続している。
さらに、このマルチキャストネットワークBでは、受信端末装置37が、ブートストラップルータ(BSR_B)に接続されている。
ここでは、説明のため、六台のエンコーダ(ENC_B1〜ENC_B6)には、それぞれ 10.2.1.1 ,10.2.2.1 , 10.3.1.1 , 10.3.2.1 , 10.4.1.1 , 10.4.2.1 というプライベートIPアドレスが設定され、三台のランデブーポイントルータ(RP_B1〜RP_B3)には、それぞれ、 10.0.0.4 , 10.0.0.5 , 10.0.0.6 というプライベートIPアドレスが設定され、ブートストラップルータ(BSR_B)には、 10.0.0.7 というプライベートIPアドレスが設定され、受信端末装置37には、 10.5.1.1 というプライベートIPアドレスが設定されているものとする。
また、六台のエンコーダ(ENC_B1〜ENC_B6)からマルチキャスト配信されるストリームコンテンツ(映像リソース)には、それぞれ、 230.1.1.1 〜 230.1.1.6 というマルチキャストグループアドレスが設定されているものとする。
図2は、中継装置10の構成図である。
中継装置10は、マルチキャストネットワークA上の装置とマルチキャストネットワークB上の装置との間でPIM−SMに従って遣り取りされるマルチキャストパケットを、両ネットワークA,Bの間で中継する通信コンピュータである。
この中継装置10は、A用マルチキャストインターフェース(IF)10a,B用マルチキャストインターフェース(IF)10b,CPU[Central Processing Unit]10c,DRAM[Dynamic Random Access Memory]10d,及び、ストレージ10eを、内蔵している。
このうち、A用IF10aは、マルチキャストネットワークAのブートストラップルータ(BSR_A)に接続されており、B用IF10bは、マルチキャストネットワークBのブートストラップルータ(BSR_B)に接続されている。なお、説明のため、A用IF10aには、 10.0.1.1 というプライベートIPアドレスが設定されており、B用IF10bには、 10.0.1.2 というプライベートIPアドレスが設定されているものとする。
また、ストレージ10eは、CPU10cによってDRAM10dに展開される幾つかのプログラムを、記憶している。ストレージ10eが記憶するプログラムには、TCP/IPプロトコルスイート11と、コンテンツリスト提供アプリケーション12とが、含まれている。
TCP/IPプロトコルスイート11は、IPパケットの中継機能をコンピュータ上で実現するためのプログラム群である。このTCP/IPプロトコルスイート11には、PIM−SMモジュール(プログラム)11aが、含まれており、このPIM−SMモジュール11aには、後述のアドレス設定プログラムとアドレス変換プログラムとが、含まれている。
一方、コンテンツリスト提供アプリケーション12は、後述の機能をコンピュータ上で実現するためのソフトウエアである。なお、このコンテンツリスト提供アプリケーション12は、HTTP[HyperText Transfer Protocol]サーバモジュール(プログラム)を含んでいる。このHTTPサーバモジュールは、HTTPクライアントからの要求があると、指定されたURL[Uniform Resource Locator]にあるウェブページをそのHTTPクライアントへ送信するためのソフトウエアである。
また、ストレージ10eは、PIM−SMモジュール11a内のプログラム群が処理で用いるテーブル群13a〜15a,13b〜15bを、記憶している。
図3は、A用RP情報管理テーブル13aのデータ構造の一例を示す図である。
A用RP情報管理テーブル13aは、中継装置10がマルチキャストネットワークAのランデブーポイントとして持つべきRP情報を管理するためのテーブルであり、A側のブートストラップルータ(BSR_A)からランデブーポイントとして選択された際に通知される情報(ブートストラップメッセージ)に基づいて作成されるものである。
A用RP情報管理テーブル13aは、マルチキャストネットワークAにおいて設定されているマルチキャストグループアドレスと同数のレコードを、有している。各レコードは、「マルチキャストグループアドレス」及び「RP」のフィールドを、有している。「マルチキャストグループアドレス」フィールドは、マルチキャストグループアドレスが記録されるフィールドであり、「RP」フィールドは、そのマルチキャストグループアドレスが割り当てられている映像コンテンツの配信元に最も近いランデブーポイントルータのプライベートIPアドレスが記録されるフィールドである。
図4は、B用RP情報管理テーブル13bのデータ構造の一例を示す図である。
B用RP情報管理テーブル13bは、中継装置10がマルチキャストネットワークBのランデブーポイントとして持つべきRP情報を管理するためのテーブルであり、B側のブートストラップルータ(BSR_B)からランデブーポイントとして選択された際に通知される情報(ブートストラップメッセージ)に基づいて作成されるものである。
B用RP情報管理テーブル13bは、マルチキャストネットワークBにおいて設定されているマルチキャストグループアドレスと同数のレコードを、有している。各レコードは、「マルチキャストグループアドレス」及び「RP」のフィールドを有しているが、これらフィールドの意味は、図3のA用RP情報管理テーブル13aと同じである。
図5は、A向けコンテンツ情報管理テーブル14aのデータ構造の一例を示す図である。
A向けコンテンツ情報管理テーブル14aは、マルチキャストネットワークA内の受信端末装置23,24へ映像コンテンツのリストを提供する際に利用されるコンテンツ情報を管理するためのテーブルである。
A向けコンテンツ情報管理テーブル14aは、マルチキャストネットワークAにおいて設定されているマルチキャストグループアドレスと同数のレコードを、有するとともに、更に、マルチキャストネットワークB内の映像コンテンツのうちの幾つかのために設定されている仮想グループアドレスと同数のレコードを、有している。各レコードは、「マルチキャストグループアドレス」及び「タイトル」のフィールドを、有している。「マルチキャストグループアドレス」フィールドは、マルチキャストグループアドレス又は仮想グループアドレスが記録されるフィールドである。「タイトル」フィールドは、そのマルチキャストグループアドレスが設定されている映像コンテンツのタイトルが記録されるフィールドである。なお、後述するように、マルチキャストネットワークAの受信端末装置23,24向けの仮想グループアドレスには、マルチキャストネットワークBの映像コンテンツが動的に割り当てられるため、対応するタイトルは、定められない。従って、仮想グループアドレスのレコードにおいては、「タイトル」フィールドは、空欄となる。
図6は、B向けコンテンツ情報管理テーブル14bのデータ構造の一例を示す図である。
B向けコンテンツ情報管理テーブル14bは、マルチキャストネットワークB内の受信端末装置37へ映像コンテンツのリストを提供する際に利用されるコンテンツ情報を管理するためのテーブルである。
B向けコンテンツ情報管理テーブル14bは、マルチキャストネットワークBにおいて設定されているマルチキャストグループアドレスと同数のレコードを、有するとともに、更に、マルチキャストネットワークA内の全ての映像コンテンツのために設定されている仮想グループアドレスと同数のレコードを、有している。各レコードは、「マルチキャストグループアドレス」及び「タイトル」のフィールドを、有している。「マルチキャストグループアドレス」フィールドは、マルチキャストグループアドレス又は仮想グループアドレスが記録されるフィールドである。「タイトル」フィールドは、そのマルチキャストグループアドレスが設定されている映像コンテンツのタイトルが記録されるフィールドである。なお、マルチキャストネットワークBの受信端末装置37向けの仮想グループアドレスに割り当てられるマルチキャストネットワークBの映像コンテンツは、固定されているため、対応するタイトルは、定められる。従って、仮想グループアドレスのレコードにおいても、「タイトル」フィールドには、対応する映像コンテンツのタイトルが記録される。
図7は、A向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aのデータ構造の一例を示す図である。
A向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aは、仮想グループアドレスを宛先としたマルチキャストパケットがマルチキャストネットワークAから届いた場合において、そのマルチキャストパケットに記述されているマルチキャストグループアドレスをマルチキャストネットワークBのものに変換する際に利用されるアドレス対応関係情報を管理するためのテーブルである。
A向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aは、マルチキャストネットワークAの受信端末装置23,24向けの仮想グループアドレスと同数のレコードを、有している。各レコードは、「A」,「B」及び「要固定」のフィールドを、有している。「A」フィールドは、仮想グループアドレスが記録されるフィールドであり、「B」フィールドは、その仮想グループアドレスに対応付けられているマルチキャストネットワークBのマルチキャストグループアドレスが記録されるフィールドである。「要固定」フィールドは、その仮想グループアドレスを使ってマルチキャストネットワークBの何れかのソース(エンコーダ(ENC_B1〜ENC_B6)からマルチキャストパケットが配信されているか否かを示すフラグ情報が記録されるフィールドである。その仮想グループアドレスを使ってB側のソースからマルチキャストパケットが配信されている場合、「要固定」フィールドには、その旨を示す情報(図7では「○」)が記録される。
なお、このA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aは、前述した第1の記憶部に相当している。
図8は、B向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15bのデータ構造の一例を示す図である。
B向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15bは、仮想グループアドレスを宛先としたマルチキャストパケットがマルチキャストネットワークBから届いた場合において、そのマルチキャストパケットに記述されているマルチキャストグループアドレスをマルチキャストネットワークAのものに変換する際に利用されるアドレス対応関係情報を管理するためのテーブルである。
B向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15bは、マルチキャストネットワークBの受信端末装置37向けの仮想グループアドレスと同数のレコードを、有している。各レコードは、「A」及び「B」のフィールドを、有している。「A」フィールドは、マルチキャストネットワークAのマルチキャストグループアドレスが記録されるフィールドであり、「B」フィールドは、そのマルチキャストグループアドレスに対応付けられている仮想グループアドレスが記録されるフィールドである。
なお、このA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aは、第2の記憶部に相当している。
図9は、中継装置10がB側のブートストラップルータ(BSR_B)からランデブーポイントとして選択された際に当該システムで行われる処理の流れを示す図である。
まず、ブートストラップルータ(BSR_B)は、PIM−SMに従った機能として、定期的に、ランデブーポイント候補となる全てのPIM対応ルータへブートストラップメッセージを発送する処理を行うようになっている(ステップS101)。ブートストラップメッセージには、マルチキャストグループアドレスが列挙されているとともに、各マルチキャストグループアドレスに対応するランデブーポイント候補のルータのプライベートIPアドレスが列挙されている。
このようなブートストラップメッセージが、ブートストラップルータ(BSR_B)から中継装置10に送られると、中継装置10のCPU10cは、その受信をトリガとして、PIM−SMモジュール11aに含まれるアドレス設定プログラムを実行する。そして、CPU10cは、受信したブートストラップメッセージの内容に基づいて候補RP広告メッセージを生成する処理を行い(ステップS201)、その後、その生成した候補RP広告メッセージを、ブートストラップメッセージを送ってきたルータ以外の全てのPIM対応ルータ(すなわち、A側のPIM対応ルータ)へ送信する処理を行うようになっている(ステップS202)。
このとき、候補RP広告メッセージが通常のランデブーポイントルータにおいて生成されたものであれば、その候補RP広告メッセージには、ブートストラップメッセージに含まれるマルチキャストグループアドレスが列挙されることとなるが、本実施形態において中継装置10により生成される候補RP広告メッセージは、仮想グループアドレスのみが列挙されたものとなっている。また、この候補RP広告メッセージには、ランデブーポイント候補のものとしてA側のPIM対応ルータに広告するIPアドレスとして、この中継装置10のA用IF10aのプライベートIPアドレスが、記述されている。
そして、候補RP広告メッセージの送信後、CPU10cは、受信したブートストラップメッセージに記述された内容に基づいて、図4のB用RP情報管理テーブル13bを生成して、ストレージ10eに保存する処理を行う(ステップS203)。その後、CPU10cは、図9に係る処理を終了する。
このような処理が行われることにより、中継装置10には、B用RP情報管理テーブル13bが保持され、中継装置10は、マルチキャストネットワークBのランデブーポイントとして機能するようになる。
なお、図示していないが、この中継装置10には、マルチキャストネットワークAのブートストラップルータ(BSR_A)からも、ブートストラップメッセージが、定期的に送られてくるようになっている。この場合、CPU10cは、図9に示したのと同様に、その受信したブートストラップメッセージの内容に基づくことなく、仮想グループアドレス(図6の下側2個のアドレス)が列挙されるとともにB用IF10bのプライベートIPアドレスが記述された候補RP広告メッセージを生成して、B側のブートストラップルータ(BSR_B)へ送信する処理を行い、その後、ブートストラップメッセージに記述された内容に基づいて、図3のA用RP情報管理テーブル13aを生成して、ストレージ10eに保存する。このような処理により、中継装置10は、マルチキャストネットワークAのランデブーポイントとして機能するようになる。
図10は、マルチキャストネットワークAの受信端末装置23,24が映像コンテンツを取得する際に当該システムで行われる処理の流れを示す図である。
マルチキャストネットワークAの受信端末装置23,24において、ウェブブラウザが起動されて、中継装置10のドメインとコンテンツリスト提供アプリケーション12の起動コマンドとを含むURLが入力されると、ウェブブラウザが、リクエストメッセージを送信する処理を行い(ステップS301)、レスポンスメッセージが帰ってくるまで待機する状態になる。
一方、中継装置10では、マルチキャストネットワークAの受信端末装置23(又は24)のウェブブラウザからリクエストメッセージが送られてくると、コンテンツリスト提供アプリケーション12が起動し、CPU10cが、リクエストメッセージを受信する処理を行う(ステップS401)。
そして、CPU10cは、コンテンツ情報管理テーブル14a,14bとマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aとに基づいて、ウェブページデータを生成する処理を行う(ステップS402)。具体的には、CPU10cは、まず、図5のA向けコンテンツ情報管理テーブル14aにおけるマルチキャストグループアドレスに対応するタイトルを読み出す。続いて、CPU10cは、そのテーブル14aにおける仮想グループアドレスに対応するマルチキャストネットワークBのマルチキャストグループアドレスを、図7のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aから読み出し、読み出したマルチキャストグループアドレスに対応するタイトルを、図6のB向けコンテンツ情報管理テーブル14bから読み出す。そして、CPU10cは、読み出したタイトルが列挙されたウェブページを表示するためのウェブページデータを生成する。
なお、このステップS402を実行するCPU10cは、前述した第1のリスト生成部に相当している。
ウェブページデータの生成後、CPU10cは、そのデータをボディに含むレスポンスメッセージを生成して、リクエスト元の受信端末装置23(又は24)のウェブブラウザへ送信し(ステップS403)、再びリクエストメッセージが送信されてくるか、タイムアウトとなるまで待機する(ステップS404;NO,S405;NO)。
なお、このステップS403を実行するCPU10cは、前述した第1のリスト情報送信部に相当している。
これに対し、マルチキャストネットワークAにおけるリクエスト元の受信端末装置23(又は24)のウェブブラウザは、レスポンスメッセージを受信する処理を行った後(ステップS302)、ウェブページを表示装置に表示する処理を行う(ステップS303)。
図11は、映像コンテンツのタイトルリストが記述されたウェブページ41の一例を示す図である。
図11に示されるように、このウェブページ41には、タイトル名がそれぞれ記述されたクリッカブルボタン41aが、示されている。また、このウェブページ41には、次のタイトルリストを取得しようとする利用者によってクリックされる次リストボタン41bと、コンテンツリストの取得を終えようとする利用者によってクリックされる終了ボタン41cが、示されている。
そして、図11に示すようなウェブページ41を表示装置に表示した後、受信端末装置23(又は24)のウェブブラウザは、当該ページ41内のボタン41a〜41cの何れかがクリックされるまで待機する。
そして、ボタン41a〜41cのうち、次リストボタン41bがクリックされたときには(ステップS304;YES)、受信端末装置23(又は24)のウェブブラウザは、その次リストボタン41bに組み込まれているコマンド情報を含んだリクエストメッセージを、中継装置10へ送信する処理を行い(ステップS305)、レスポンスメッセージが送られてくるまで待機する状態になる。
一方、中継装置10のCPU10cは、タイムアウトとなる前に(ステップS405;NO)、レスポンスメッセージを受信すると(ステップS404;YES)、図7のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aを参照して、配信中を示す情報(図7では「○」)が全てのレコードの「要固定」フィールドに記録されているか否かを、判別する(ステップS406)。
そして、配信中を示す情報が全てのレコードの「要固定」フィールドに記録されていなかった場合(ステップS406;YES)、CPU10cは、図7のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aにおける配信中を示す情報が「要固定」フィールドに記録されていないレコードについて、それらレコードの「B」フィールド内のマルチキャストグループアドレスを、仮想グループアドレスに対応付けられていない別のものに、書き換える(ステップS407)。図7の例を使って説明すると、 230.1.1.1 の仮想グループアドレスに対応付けられているマルチキャストネットワークBのマルチキャストグループアドレス 230.1.1.1 が、固定を要する 230.1.1.2 を除く別のマルチキャストグループアドレス(例えば、図4のテーブル13b内のマルチキャストグループアドレスのうち 230.1.1.3 )に、書き換えられる。図12は、その書き換え後のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aの例を示す図である。
なお、これらステップS404,S406,S404を実行するCPU10cは、前述した第1の動的アドレス変更部に相当している。
このようにして、図7のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aにおいて、仮想グループアドレスに対応するマルチキャストネットワークBのマルチキャストグループアドレスを、別のものに切り替えた後、CPU10cは、その図12のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aと、コンテンツ情報管理テーブル14a,14bとに基づいて、ウェブページデータを作成し(ステップS402)、そのウェブページデータをボディに含むレスポンスメッセージを、マルチキャストネットワークAにおけるリクエスト元の受信端末装置23(又は24)へ送信する(ステップS403)。
リクエスト元の受信端末装置23は、このレスポンスメッセージを受信した後(ステップS302)、ウェブページを表示装置に表示する処理を行う(ステップS303)。図13は、図12に示されるアドレス変換後のテーブル15aに基づいて生成されたウェブページ41の例を示す図である。図11と比較して明らかなように、タイトルリストの内容が一部変更されている。
なお、中継装置10において、レスポンスメッセージの受信後(ステップS404)、図7のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aにおいて、配信中を示す情報が全てのレコードの「要固定」フィールドに記録されていた場合(ステップS406;NO)、CPU10cは、そのテーブル15aにおいて、仮想グループアドレスに対応するマルチキャストグループアドレスを書き換えることなく、ウェブページデータを生成して、レスポンスメッセージを送信する(ステップS402,S403)。従って、この場合、ウェブページ41にクリッカブルボタンとして列挙される映像コンテンツのタイトルリストは、その前に表示されていたもの(図11)と変わらない。
そして、このように、図11や図13のようなウェブページ41を通じて、映像コンテンツのタイトルリストが提示されているときに(ステップS303)、何れかのクリッカブルボタン41aがクリックされると(ステップS304;NO,ステップS306;NO)、受信端末装置23(又は24)のウェブブラウザは、ストリームコンテンツを表示するための後述の処理を実行し(ステップS307)、その処理を終えると、再び、タイトルリストが列挙されたウェブページ41を表示するためのウェブページデータを、中継装置10にリクエストする(ステップS301)。なお、図11や図13のようなウェブページ41において終了ボタンがクリックされれば(ステップS306;YES)、受信端末装置23(又は24)のウェブブラウザは、図10に係る処理を終了する。
一方、中継装置10では、リクエストメッセージがくる前に(ステップS404;NO)、タイムアウトとなると(ステップS405;YES)、CPU10cが、図10に係る処理(コンテンツリスト提供アプリケーション12)を終了する。
図14は、マルチキャストネットワークAの受信端末装置23(又は24)がストリームコンテンツを取得する際に当該システムで行われる処理の流れを示す図である。
受信端末装置23(又は24)は、前述した図10のステップS307を実行するにあたり、まず、マルチキャストメンバーシップレポート(IGMP[Internet Group Management Protocol] Join)を近くのランデブーポイントルータやブートストラップルータへ送信する。
すると、ランデブーポイントルータやブートストラップルータが、マルチキャストグループアドレスとIPアドレスを指定情報として含むJoinメッセージを、上流のノードへ送信する(ステップS501)。なお、このJoinメッセージに含まれる指定情報により指定されるIPアドレスは、マルチキャストネットワークA内のソース(エンコーダ(ENC_A1,ENC_A2))が提供する映像コンテンツが選択されたときには、マルチキャストネットワークAで設定されているソースに対して最も近いランデブーポイントルータやブートストラップルータのプライベートIPアドレス(図1では、 10,0.1.1 , 10.0.1.2 )となるが、マルチキャストネットワークB内のソース(エンコーダ(ENC_B1〜ENC_B6))が提供する映像コンテンツが選択されたとき(図11や図13で言えば、タイトルリストのうち、下の二つが選択されたとき)には、中継装置10のA用IF10aのプライベートIPアドレスとなる。以下、Joinメッセージが中継装置10へ送られてきた場合についての処理を説明する。
中継装置10では、マルチキャストネットワークA内からJoinメッセージが送られてくると、CPU10cが、その受信をトリガとして、PIM−SMモジュール11aに含まれるアドレス変換プログラムを実行する。そして、CPU10cは、受信したJoinメッセージ内に記述されているアドレスを変換する処理を行う(ステップS601)。具体的には、CPU10cは、図7のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aに基づいて、Joinメッセージ内の仮想グループアドレスを、それに対応するマルチキャストグループアドレスに書き換える。
なお、このステップS601を実行するCPU10cは、前述した第1のアドレス変換部に相当している。
このようなアドレス変換を行った後、CPU10cは、Joinメッセージを、B用IF10bから、マルチキャストネットワークBのソースに向けて送信する(ステップS602)。
なお、このステップS602を実行するCPU10cは、前述した第1の送信部に相当している。
そして、CPU10cは、図7のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aにおいて、このJoinメッセージに記述されているマルチキャストグループアドレスのレコードの「要固定」フィールドの値を、配信中を示す情報に切り替えて(ステップS603)、マルチキャストパケットがソースから送られてくるまで待機する。
このJoinメッセージを受信したマルチキャストネットワークBのソースは、ストリームコンテンツデータを構成するマルチキャストパケットを、順次、受信端末装置23(又は24)へ送信する処理を開始する(ステップS701)。
すると、中継装置10では、CPU10cが、マルチキャストパケットのソース側からの受信,アドレス変換,マルチキャストパケットのリスナー側への送信といった処理を、繰り返し行うようになる(ステップS604)。なお、アドレス変換では、CPU10cは、ステップS601における処理とは逆の処理を行う。すなわち、CPU10cは、図7のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aに基づいて、マルチキャストパケット内のマルチキャストグループアドレスを、それに対応する仮想グループアドレスに書き換える。
なお、このステップS604を実行するCPU10cは、前述した第1のアドレス逆変換部及び第2の送信部に相当している。
このようなマルチキャストパケットが中継装置10から送られてくると、マルチキャストネットワークBのランデブーポイントルータやブートストラップルータは、それを、受信端末装置23(又は24)間で届ける処理を行う(ステップS502)。
受信端末装置23(又は24)では、届いたマルチキャストパケットからストリームコンテンツデータが生成され、このデータがデコードされて、ストリームコンテンツが再生表示される。
なお、この受信端末装置23(又は24)において、ストリームコンテンツの再生表示を取り止める指示が入力された場合、受信端末装置23(又は24)からは、リーブグループメッセージ(IGMP Leave)が近くのランデブーポイントルータやブートストラップルータに送信される。すると、それらランデブーポイントルータやブートストラップルータは、マルチキャストパケットのストリーム送信を停止するよう指示するメッセージを、ソースに向けて送信する。このメッセージがマルチキャストネットワークBのソースへ送られるときにも、中継装置10では、図7のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル15aに基づくアドレス変換が行われる。
本実施形態において、プライベートなマルチキャストネットワークA,B同士を接続する中継装置10には、映像リソースの少ないマルチキャストネットワークAについて、マルチキャストネットワークBに設定されているマルチキャストグループアドレスの数よりも少ない仮想グループアドレス(前述した第1の仮想グループアドレスに相当)が、設定されており(図4及び図6のテーブル14a,15a)、このような設定状態において、中継装置10は、一方のネットワークから他方のネットワークへのマルチキャストパケットの中継を行うものとなっている(ステップS501,S502,S601〜S604,S701)。
そして、以上に説明したように、マルチキャストネットワークAのリスナーである受信端末装置23(又は24)からの要求があったときに(ステップS304;YES,S305)、中継装置10は、マルチキャストネットワークAについて仮想グループアドレスに割り当てられるマルチキャストネットワークBのマルチキャストグループアドレスを、別のマルチキャストグループアドレスに変更する(ステップS404;YES,S406;YES,S407)。
このため、マルチキャストネットワークAで使用される仮想グループアドレスの個数を輻輳を招かない程度に制限しつつも、マルチキャストネットワークAのリスナーが、マルチキャストネットワークBの映像リソースの全てを利用することができる。また、その結果として、マルチキャストネットワークAにおいて、レイヤー3スイッチ等の通信機器を高性能なものに変えなくて済むので、映像リソース数の規模が大きいマルチキャストネットワークBと映像リソースを相互利用できるようにする際の導入費用が嵩まなくて済む。
なお、本実施形態では、マルチキャストネットワークBの受信端末装置37がマルチキャストネットワークAの映像リソースを利用できるようにするために設定される仮想グループアドレス(第2の仮想グループアドレスに相当)は、マルチキャストネットワークA内の映像リソース数が少ないため、マルチキャストネットワークAのマルチキャストグループアドレスと同数用意され、動的に変更されることなく、固定されている(図6及び図8参照)。そして、図示していないが、図14に示した処理と同様の処理(但し、ステップS603を除く)が、行われている(第2のアドレス変換部,第3の送信部,第2のアドレス逆変換部,第4の送信部に相当)。しかし、この仮想グループアドレスも、マルチキャストネットワークAのマルチキャストグループアドレスの数よりも少なく設定されていてもよい。この場合、図10に示した処理と同様の処理が、マルチキャストネットワークBの受信端末装置37でも行われるようにすることにより、これら仮想グループアドレスに対し、マルチキャストネットワークAのマルチキャストグループアドレスを動的に割り当てることができる(第2のリスト生成部,第2のリスト情報送信部,第2の動的アドレス変更部に相当)。
本実施形態のコンピュータネットワークシステムの構成図 中継装置の構成図 A用RP情報管理テーブルのデータ構造の一例を示す図 B用RP情報管理テーブルのデータ構造の一例を示す図 A向けコンテンツ情報管理テーブルのデータ構造の一例を示す図 B向けコンテンツ情報管理テーブルのデータ構造の一例を示す図 A向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブルのデータ構造の一例を示す図 B向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブルのデータ構造の一例を示す図 中継装置がB側のブートストラップルータからランデブーポイントとして選択された際に当該システムで行われる処理の流れを示す図 マルチキャストネットワークAの受信端末装置が映像コンテンツを取得する際に当該システムで行われる処理の流れを示す図 映像コンテンツのタイトルリストが記述されたウェブページの一例を示す図 アドレス書換後のA向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブルの例を示す図 図12に示されるアドレス変換後のテーブルに基づいて生成されたウェブページの例を示す図 マルチキャストネットワークAの受信端末装置がストリームコンテンツを取得する際に当該システムで行われる処理の流れを示す図
符号の説明
10 中継装置
10a A用IF
10b B用IF
10c CPU
11 TCP/IPプロトコルスイート
11a PIM−SMモジュール
12 コンテンツリスト提供アプリケーション
13a A用RP情報管理テーブル
13b B用RP情報管理テーブル
14a A向けコンテンツ情報管理テーブル
14b B向けコンテンツ情報管理テーブル
15a A向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル
15b B向けマルチキャストグループアドレス変換定義テーブル

Claims (4)

  1. 幾つかのPIM対応ルータにより構成されている第1及び第2のマルチキャストネットワーク同士をマルチキャスト通信自在に接続するための中継装置であって、
    前記第1及び第2のマルチキャストネットワークのルータにそれぞれ接続される複数のネットワークインターフェース,
    前記第2のマルチキャストネットワークにおいてリスナーがソースからストリームコンテンツを受信するためにストリームコンテンツにそれぞれ割り当てられているマルチキャストグループアドレスのうち、幾つかのマルチキャストグループアドレスのそれぞれに対し、そのマルチキャストグループアドレスが割り当てられているストリームコンテンツを第1のマルチキャストネットワークのリスナーが受信できるようにするための第1の仮想グループアドレスを、対応付けて記憶する第1の記憶部,
    前記ネットワークインターフェースが前記第1のマルチキャストネットワークのルータから前記第1の仮想グループアドレス宛のマルチキャストパケットを受信すると、前記第1の記憶部から、その第1の仮想グループアドレスに対応するマルチキャストグループアドレスを読み出し、当該マルチキャストパケット内の第1の仮想グループアドレスを、読み出したマルチキャストグループアドレスに書き換える第1のアドレス変換部,
    前記第1のアドレス変換部がアドレスを書き換えたマルチキャストパケットを、前記ネットワークインターフェースを通じて、前記第2のマルチキャストネットワークのルータへ送信する第1の送信部,
    前記第1の送信部からマルチキャストパケットが送信された前記第2のマルチキャストネットワーク内のソースからの応答として、前記ネットワークインターフェースが前記第2のマルチキャストネットワークのルータからマルチキャストパケットを受信すると、前記第1の記憶部から、そのマルチキャストパケット内に記述されているマルチキャストグループアドレスに対応する第1の仮想グループアドレスを読み出して、当該マルチキャストパケット内のマルチキャストグループアドレスを、読み出した第1の仮想グループアドレスに書き換える第1のアドレス逆変換部,
    前記第1のアドレス逆変換部がアドレスを書き換えたマルチキャストパケットを、前記ネットワークインターフェースを通じて、前記第1のマルチキャストネットワークのルータへ送信する第2の送信部,
    前記ネットワークインターフェースが前記第1のマルチキャストネットワーク内の何れかのリスナーからの要求を受信すると、前記第1の記憶部において前記仮想グループアドレスにそれぞれ対応付けられているマルチキャストグループアドレスに割り当てられているストリームコンテンツのリストを表示するためのリスト情報を生成する第1のリスト生成部,
    前記第1のリスト生成部がリスト情報を生成すると、生成されたリスト情報を、前記ネットワークインターフェースを通じて、前記第1のマルチキャストネットワークにおける前記要求を送信してきたリスナーへ、送信する第1のリスト情報送信部,及び、
    前記ネットワークインターフェースが前記リスナーからリスト内容についての変更指示を受信すると、前記第1の記憶部内で第1の仮想グループアドレスに対応付けられているマルチキャストグループアドレスを、第2のマルチキャストネットワークにおけるそれ以外のマルチキャストグループアドレスに変更して、前記第1のリスト生成部にリスト情報を生成させる第1の動的アドレス変更部
    を備えることを特徴とする中継装置。
  2. 前記動的アドレス変更部は、
    前記第1の記憶部内で仮想グループアドレスに対応付けられているマルチキャストグループアドレスのうち、マルチキャストパケットの配信に使用中であるマルチキャストグループアドレスがあるときには、そのマルチキャストグループアドレスに対応付けられている仮想グループアドレスを除いた残りの仮想グループアドレスについて、マルチキャストグループアドレスの変更を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の中継装置。
  3. 前記第1のマルチキャストネットワークにおいてリスナーがソースからストリームコンテンツを受信するためにストリームコンテンツにそれぞれ割り当てられているマルチキャストグループアドレスのそれぞれに対し、そのマルチキャストグループアドレスが割り当てられているストリームコンテンツを第2のマルチキャストネットワークのリスナーが受信できるようにするための第2の仮想グループアドレスを、対応付けて記憶する第2の記憶部,
    前記ネットワークインターフェースが前記第2のマルチキャストネットワークのルータから前記第2の仮想グループアドレス宛のマルチキャストパケットを受信すると、前記第2の記憶部から、その第2の仮想グループアドレスに対応するマルチキャストグループアドレスを読み出し、当該マルチキャストパケット内の第2の仮想グループアドレスを、読み出したマルチキャストグループアドレスに書き換える第2のアドレス変換部,
    前記第2のアドレス変換部がアドレスを書き換えたマルチキャストパケットを、前記ネットワークインターフェースを通じて、前記第1のマルチキャストネットワークのルータへ送信する第3の送信部,
    前記第3の送信部からマルチキャストパケットが送信された前記第1のマルチキャストネットワーク内のソースからの応答として、前記ネットワークインターフェースが前記第1のマルチキャストネットワークのルータからマルチキャストパケットを受信すると、前記第2の記憶部から、そのマルチキャストグループアドレスに対応する第2の仮想グループアドレスを読み出して、当該マルチキャストパケット内のマルチキャストグループアドレスを、読み出した第2の仮想グループアドレスに書き換える第2のアドレス逆変換部,
    前記第2のアドレス逆変換部がアドレスを書き換えたマルチキャストパケットを、前記ネットワークインターフェースを通じて、前記第2のマルチキャストネットワークのルータへ送信する第4の送信部
    を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の中継装置。
  4. 前記第2の記憶部は、前記第1のマルチキャストネットワークの前記マルチキャストグループアドレスのうち、幾つかのマルチキャストグループアドレスのそれぞれに対し、第2の仮想グループアドレスを対応付けて記憶するとともに、
    更に、
    前記ネットワークインターフェースが前記第2のマルチキャストネットワーク内の何れかのリスナーからの要求を受信すると、前記第2の記憶部において前記仮想グループアドレスにそれぞれ対応付けられているマルチキャストグループアドレスに割り当てられているストリームコンテンツのリストを表示するためのリスト情報を生成する第2のリスト生成部,
    前記第2のリスト生成部がリスト情報を生成すると、生成されたリスト情報を、前記ネットワークインターフェースを通じて、前記第2のマルチキャストネットワークにおける前記要求を送信してきたリスナーへ、送信する第2のリスト情報送信部,及び、
    前記ネットワークインターフェースが前記リスナーからリスト内容についての変更指示を受信すると、前記第2の記憶部内で第2の仮想グループアドレスに対応付けられているマルチキャストグループアドレスを、第1のマルチキャストネットワークにおけるそれ以外のマルチキャストグループアドレスに変更して、前記第2のリスト生成部にリスト情報を生成させる第2の動的アドレス変更部
    を備えることを特徴とする請求項3記載の中継装置。
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