JP2007172842A - リードスイッチ素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 感動値と開放値の差(応差)を小さくすることで、磁石と組み合わせて使えるリードスイッチ素子の感動値の幅が増え、リードスイッチの製造において、安定した量産性を確保出来るリードスイッチ素子を提供する。
【解決手段】 絶縁容器27内に、1対のリード片29,29が封入されている。そして、リード片29,29は、リード片29の一端(接点部)29a同士がお互いに接触する位置にオーバーラップして構成され(オーバーラップ長さL)、接点リード断面積(幅W×厚さt)の縦横比W/tを5倍以上とし、且つ、接点のオーバーラップ面積(L×W)をリード断面積の2倍以上とした。更に、リードスイッチの最適な磁気空隙10〜15μmに対し、接点めっき厚を磁気空隙の15〜30%と厚くすることで、感動値によらず、応差が3アンペアターン以下のクローズド・ディファレンシャル・リードスイッチとなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁石と組み合わせて位置および変位量を精度良く検出するヒステリシスの小さいリードスイッチ素子に関し、特に、フロートセンサ、スライドアクチュエータ、シリンダ、アミューズメント機器、車載機器、デジタル情報機器、携帯端末等に好適なリードスイッチ素子に関する。
従来、この種のリードスイッチは、駆動用磁石と組み合わせ、搭載個所の状態に合わせて使用される(たとえば特許文献1)。一般に、リードスイッチは、その特徴であるヒステリシスにより、駆動用磁石の移動量が小さい場合、OFFさせることが困難となる。このため、個々の使用状態により、リードスイッチ特性(感動値および開放値)を最適化する必要がある。
ところで、特許文献1に示される従来例1では、接点部の磁気吸引力による接触時の衝撃力による反発力を小さく抑える構造は開示されているが、感動値と開放値の差(ディファレンシャルまたは応差と呼ばれる)をコントロールし、リードスイッチ特性(感動値および開放値)を最適化することに関しては何等開示されていない。
また、一般にリードスイッチは磁気回路の最適化により、ヒステリシスが大きい状態で使用されることが一般的であるため、連続した磁石の通過検知や磁石の移動量が小さい場合には、駆動用磁石の表面磁束密度と組み合わせるリードスイッチ特性(感動値、開放値)を絞り込まなければならず、組立・検査の製造コストや部品コストが高くなり、また、リードスイッチの感動値幅が限定(1アンペアターン程度)されるため、リードスイッチ製造メーカーにおいて、リードスイッチの量産性・歩留まりが悪く、安定供給が困難になるという問題点がある。
本発明の目的は、クローズド・ディファレンシャル・リードスイッチとして、感動値と開放値の差(応差)を小さくすることで、磁石と組み合わせて使えるリードスイッチ素子の感動値の幅が増え、製造において、安定した量産性を確保出来るリードスイッチ素子を提供することにある。
本発明のリードスイッチ素子は、細長い絶縁容器内で1対のリード片の接点同士が互いに対向するように、前記1対のリード片を前記絶縁容器内に封入すると共に、前記1対のリード片の外部端子を前記絶縁容器の両端から外部へ導出して成り、外部磁界の有無により前記1対の接点同士が互いに接触・非接触状態とされるリードスイッチ素子において、接点のオーバーラップ面積を接点リード断面積の2倍以上とすることにより、リード片間の磁気吸引力が半減し、応差が小さくなったリードスイッチ素子である。
また、本発明のリードスイッチ素子は、細長い絶縁容器内で1対のリード片の接点同士が互いに対向するように、前記1対のリード片を前記絶縁容器内に封入すると共に、前記1対のリード片の外部端子を前記絶縁容器の両端から外部へ導出して成り、外部磁界の有無により前記1対の接点同士が互いに接触・非接触状態とされるリードスイッチ素子において、接点のオーバーラップ面積を接点リード断面積の1/2倍以下とすることにより、リード片間の磁気吸引力が半減し、応差が小さくなったリードスイッチ素子である。
また、本発明のリードスイッチ素子は、接点リード断面積の縦横比を5倍以上とすることにより、接点の幅方向のずれの影響を小さくしたものである。
また、本発明のリードスイッチ素子は、最適な磁気空隙10〜15μmに対し、接点めっき厚を磁気空隙の15〜30%と厚くすることにより、応差の小さいリードスイッチ素子となる。
以上のように、本発明では、リードスイッチ素子として、感動値と開放値の差(応差)を小さくし、連続した狭い間隔の位置検出や駆動用磁石の移動量が小さい場合においても、確実にON/OFF検知させることが出来、磁石と組み合わせて使用可能なリードスイッチ素子の感動値の幅が増え、製造において、安定した量産性を確保出来るリードスイッチ素子を提供出来るという効果がある。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態でのリードスイッチ素子を絶縁容器内まで透視して示し、図1(a)はその正面図、図1(b)はその平面図である。図2は本発明に係るリードスイッチ素子の磁気的性質を示し、図2(a)はオーバーラップ長さと磁気吸引力を示すグラフ、図2(b)は磁気空隙と磁気吸引力・開離力を示すグラフである。
図1(a)、図1(b)のように、本実施の形態のリードスイッチ素子25は、絶縁容器27内に、1対のリード片29,29が封入されてなる。そして、リード片29は、その一端の接点部29a同士がお互いに接触する位置にオーバーラップして構成されている。
図2(a)に示すグラフは、接点幅:W=0.7mm、接点厚さ:t=0.10mmの接点リードによるオーバーラップ長さL(図1(a)参照)と磁気吸引力との関係を示したグラフである。なお、磁気吸引力の単位はgf(グラム重)である。
接点のオーバーラップ面積Sと接点リード断面積が等しくなるオーバーラップ0.1mm近傍に、磁気吸引力のピークがあり、接点のオーバーラップ面積Sが接点リード断面積の2倍になることに相当するオーバーラップ長さ0.2mmの場合および接点のオーバーラップ面積Sが接点リード断面積の1/2倍になることに相当するオーバーラップ長さ0.05mmの場合、磁気吸引力は半減することを示している。
また、汎用リードスイッチ設計に於いて、磁気効率を最適化する(磁気回路の断面積を一定)ため、接点のオーバーラップ面積Sと接点リード断面積が等しくなる様に設計を行うことが一般的であるが、本実施形態のリードスイッチにおいては、応差を小さくすることで、連続した狭い間隔の位置検出や駆動用磁石の移動量が小さい場合においても、確実にON/OFF検知させるために、接点のオーバーラップ面積をリードスイッチとしての従来の最適設計範囲から逸脱させた。
また、接点のオーバーラップ面積をリード断面積の1/2倍以下(オーバーラップ部の磁気回路の断面積を狭くする)としても、前記のように2倍以上(オーバーラップ部の磁気回路の断面積を広くする)とした場合と同様の効果が得られる。
また、リードスイッチの製造において、接点のオーバーラップ面積を制御するに当たり、接点幅W方向の接点ずれが大きい場合、接点オーバーラップの制御効果を最大限に生かすことが出来なくなる。本実施の形態のリードスイッチ素子25は、接点リード断面(幅W×厚さt)の縦横比W/tを5以上(本実施の形態での縦横比は、約6.4、接点幅:W=0.7mm、接点厚さ:t=0.11)とすることで、接点幅W方向の接点ずれの影響を小さくした。なお、この縦横比W/tは20を超えると機械的強度などの点で問題が生じる。
次に、応差を小さくする構造についてリードスイッチ負荷に基づいて説明する。図2(b)は、リードスイッチにおける接点間の空隙に対する磁気吸引力曲線と開離力との関係を示す図で、リードスイッチ負荷曲線と呼ばれる。
外部からの起磁力がゼロの時、磁気吸引力も開離力も働かないため、起磁力がゼロの時は、開離力直線のX切片(Xoff)が磁気空隙となる。また、磁気吸引力曲線30Aは、30アンペアターンの起磁力が与えられた場合の磁気吸引力曲線であり、磁気空隙x=X0では、磁気吸引力と開離力直線が接しており、x<X0では、磁気吸引力>開離力となりリードスイッチの接点は閉成する。また、接点の開放は、開離力が吸引力に相当する起磁力に概ね連動する。
図2(b)に示すグラフでは、起磁力30アンペアターンが与えられた場合、従来の接点めっき厚1μm(A点)では、接点が開放する起磁力は20アンペアターン(開離力直線と交わる磁気吸引力曲線の交点:B点)に相当し、応差は10アンペアターンとなる。詳述すると、非磁性めっきの厚さが1μmの接点が閉成しているとき、磁気空隙は2μmとなり、起磁力30アンペアターン(30A)での磁気吸引力はA点で示される。また、磁気空隙が2μmでの開離力はB点(開離力直線上の点)で示され、B点での起磁力は20アンペアターン(20A)であり、その差10アンペアターン(10A)が応差(感応値と開放値の差)となる。
それに対し、本実施の形態の接点めっき厚2.5μm(C点)では、接点が開放する起磁力は27アンペアターン(開離力直線と交わる磁気吸引力曲線の交点:D点)に相当し、応差は3アンペアターンとなる。詳述すると、非磁性めっきの厚さが2.5μmの接点が閉成しているとき、磁気空隙は5μmとなり、起磁力30アンペアターン(30A)での磁気吸引力はC点で示される。また、磁気空隙が5μmでの開離力はD点(開離力直線上の点)で示され、D点での起磁力は27アンペアターン(27A)であり、その差3アンペアターン(3A)が応差(感応値と開放値の差)となる。こうして応差を小さくできる。
接点めっき厚は、リードスイッチの最適な磁気空隙10〜15μmに対し、接点めっき厚を15〜30%(本実施の形態の接点めっき厚は、2μm以上)の範囲で、リードスイッチの負荷曲線を基準に、得ようとする応差に従い設定すれば良い。
感動値を変えて作製した本発明のリードスイッチ素子について、感動値による応差の分布を従来のものと比較したところ、図3に示す結果となった。
図3から明らかなように、従来のリードスイッチでは、感動値が大きくなるにつれて、応差(感動値と開放値の差)が大きくなるが、発明品では、感動値が大きくなっても応差は3アンペアターン以下で一定となり、連続した狭い間隔の位置検出や駆動用磁石の移動量が小さい場合においても、確実にON/OFF検知することが出来た。
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られたものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があってもこの発明に含まれる。
25 リードスイッチ素子
27 絶縁容器
29 リード片
29a 接点部
t 厚さ(接点厚さ)
W 幅(接点幅)
L オーバーラップ長さ
S オーバーラップ面積
27 絶縁容器
29 リード片
29a 接点部
t 厚さ(接点厚さ)
W 幅(接点幅)
L オーバーラップ長さ
S オーバーラップ面積
Claims (1)
- 細長い絶縁容器内で1対のリード片の先端部に設けられた接点が対向するように、前記1対のリード片を前記絶縁容器内に封入すると共に、前記1対のリード片の外部端子を前記絶縁容器の両端から外部へ導出して成り、外部磁界の有無により前記接点が互いに接触・非接触状態とされるリードスイッチにおいて、前記接点のオーバーラップ面積を接点リード断面積の0.5倍以下または2倍以上とし、接点リード断面の縦横比W/t(ただし、Wは幅、tは厚さ)を5以上とし、前記接点の非磁性めっき厚さを外部磁界なしでの前記接点間の磁気空隙の15〜30%としたことを特徴とするリードスイッチ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005364259A JP2007172842A (ja) | 2005-12-19 | 2005-12-19 | リードスイッチ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005364259A JP2007172842A (ja) | 2005-12-19 | 2005-12-19 | リードスイッチ素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007172842A true JP2007172842A (ja) | 2007-07-05 |
Family
ID=38299155
Family Applications (1)
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JP2005364259A Pending JP2007172842A (ja) | 2005-12-19 | 2005-12-19 | リードスイッチ素子 |
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JP (1) | JP2007172842A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004305572A (ja) * | 2003-04-09 | 2004-11-04 | Nec Tokin Corp | 入賞センサ |
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2005
- 2005-12-19 JP JP2005364259A patent/JP2007172842A/ja active Pending
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