JP2007171539A - 光学フィルム、液晶パネル及び液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、液晶パネル及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】広視野角に亘って視野角補償効果を高めることができる光学フィルム、液晶パネル及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶パネル2の前面に、法線方向に対して一定以上の角度をなす光の出射を制限する制限層31と、この制限層31を透過した光を拡散する拡散層33とを有する光学フィルム10を配置する。拡散層33は、レンズ要素33Aを有するレンズ面が制限層31に対向して配置されている。このように、拡散層33を構成するレンズ面を制限層31に対向配置することで、レンズ面を制限層31と反対側に配置する構成に比べて光の拡散性を高めることができる。従って、本発明に係る光学フィルム10を前面に配置した液晶パネルや液晶表示装置によれば、視野角依存性が改善されて広視野角に亘って優れた視野角補償を得ることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、視野角依存を改善することができる光学フィルム、液晶パネル及び液晶表示装置に関する。
近年、大型の液晶表示装置がTV(Television)用として広く用いられるようになっている。図15は、従来の液晶表示装置101の概略構成を示す断面図である。図15に示すように、この液晶表示装置101は、バックライト107、プリズムシート108、偏光分離膜109及び液晶パネル102を備える。
液晶パネル102は、スペーサ105により所定間隔を離して対向配置された第1及び第2の基板103,104と、第1及び第2の基板103,104の間に液晶を注入してなる液晶層106とを備える。液晶自体は誘電率異方性を有し、その分子の誘電率と電極が形成する電界との相互作用で液晶が駆動される。
第1の基板103は、ガラス基板121と、ガラス基板121の一主面に積層された透明電極122、配向膜123と、ガラス基板121の他主面に積層された偏光子(偏光フィルム)125とを備える。第2の基板104は、ガラス基板111と、ガラス基板111の一主面に積層されたカラーフィルタ112、透明電極113、配向膜114と、ガラス基板111の他主面に積層された偏光子(偏光フィルム)116とを備える。
このような構成を有する液晶表示装置101では、まず、バックライト107から出射された光は、プリズムシート108によりパネル全面への指向性が向上された後、偏光分離膜109により偏光面がバックライト107側にある偏光子125に合致するように統一される。そして、偏光子125で平面偏光となった光は液晶層106に入り、電場によって制御された液晶の配向によって画素毎に偏光面が制御され、カラーフィルタ112を介して偏光子116を通過する。これにより、液晶パネル2の前面側に画像が形成される。
従来の液晶表示装置では、これまでのCRT(Cathode-Ray Tube)と比べ、いくつかの欠点が指摘されている。その内の一つに視野角の狭さがある。上述したように、液晶表示装置は、液晶層に隣接する電極により液晶の配向状態を制御することにより、すなわち、液晶層を通る光の偏光状態を制御することにより、表示側偏光板を通る光のオン・オフを行う構成を有している。
このため、屈折率が液晶分子を見る方向によって異なってしまう(屈折率異方性)。すなわち、液晶層を通過した光はその角度により異なった偏光状態を持つことになり、液晶パネルを斜め方向から見た場合には、コントラストの低下や階調の反転を招いてしまう。
例えば、ノーマリーブラック表示の液晶表示装置において黒表示する場合には、液晶層の屈折率異方性のために以下のような問題が生じる。すなわち、液晶表示装置を法線方向から見た場合には暗状態となるが、斜めから見た場合には、複屈折が生じて偏光が変化してしまう。その結果、光漏れが生じ、実際には液晶表示画像が黒とはならないという問題が生じる。
そこで、液晶表示装置の視野角を改善するために、下記特許文献1には、液晶パネルの前面側に、液晶パネルの法線方向に対して一定以上の角度をなす光の出射を制限するルーバーフィルムからなる制限層と、この制限層を透過した光を拡散するレンズフィルムからなる拡散層とを配置した構成が開示されている。レンズフィルムは、レンズ面が光出射側(前面側)に配置され、レンズ面と反対側の平坦面が制限層側に対向して配置されている。
上記構成によれば、液晶パネルを斜めに透過する光の出射を上記制限層により制限でき、更に制限層を透過した光を拡散層で拡散出射することで広視野角化を図ることを可能としている。
特開昭62−56930号公報
近年、液晶表示装置においては画面の大型化、高画質化に伴って、広視野角化の要求が益々高まっている。しかしながら、上記特許文献1に記載の液晶表示装置においては、視野角が大きくなるにつれて画像光の色差が大きくなり、視野角補償が十分でないという問題がある。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、広視野角に亘って視野角補償効果を高めることができる光学フィルム、液晶パネル及び液晶表示装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明者らは鋭意検討した結果、制限層から出射した光を拡散する拡散層の構成を改良することで、広視野角に亘って視野角補償を高めることができることを見出した。
すなわち、本発明に係る光学フィルムは、フィルムの法線方向に対して一定以上の角度をなす光の出射を制限する制限層と、この制限層に積層され制限層を透過した光を拡散する拡散層とを有する光学フィルムであって、上記拡散層は、少なくとも一方の面が多数のレンズ要素を有するレンズ面として形成されているとともに、レンズ面が制限層に対向して配置されていることを特徴とする。
上述のように、拡散層を構成するレンズ面を制限層の光出射側に対向配置することで、レンズ面を制限層と反対側に配置する構成に比べて光の拡散性を高めることができる。従って、本発明に係る光学フィルムを前面に配置した液晶パネルや、当該液晶パネルを備えた液晶表示装置に適用することにより、視野角依存性が改善されて広視野角に亘って優れた視野角補償を得ることが可能となる。
制限層は、フィルム法線方向に対して一定以上の角度をなす光の出射を制限できる構成であれば特に制限されず、例えば、光透過層内に光吸収性又は光反射性の障壁が配列されたルーバーフィルムが好適である。制限層の開口形状は特に制限されず、直線状のほか、円形や多角形状等でもよい。
拡散層は、複数のレンズ要素が面内に一次元又は二次元配列されたレンズ面を有するレンズフィルムで構成できる。レンズ面は、レンズフィルムの一方の面に形成されていてもよいし両方の面に形成されていてもよい。レンズ要素の大きさ、形状、ピッチは特に制限されず、例えば断面曲面形状とし、少なくとも1つのレンズ要素が制限層の開口内に位置するように形成することができる。
一方、拡散層において、レンズ面上のレンズ要素とレンズ要素の間に平坦部を介在させることで、視野角補償を確保しながら正面輝度の向上を図ることが可能となる。この平坦部は形成幅が大きいほど正面輝度を向上させることができる。
また、拡散層と制限層との間に光透過性の粘着層を介在させることで、少なくとも各レンズ要素の頂部と制限層との間に空気層を介在させることなく光を出射させることが可能となるので輝度の向上を図ることができる。
以上述べたように、本発明によれば、拡散層を構成するレンズ面を制限層に対向配置させたので、広視野角に亘って視野角依存による色差をなくし、優れた視野角補償を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
図1は本発明の液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。図1に示すように、液晶表示装置1は、いわゆる透過型液晶表示装置であって、バックライト(面発光光源)7、プリズムシート8、偏光分離膜9、液晶パネル2及び本発明に係る光学フィルム10を備えている。
なお、以下の説明では、液晶表示装置1の表示画面となる側を前面側と称し、それとは反対の側を背面側と称する。また、図中L1は、プリズムシート8により出射制御された光を示し、L2は、光学フィルム10の制限層31により制限されず透過する光を示す。そして、L3は、制限層31により吸収され透過を制限される光を示す。
液晶表示装置1は、種々の方式の液晶表示装置が適用可能であるが、特に、開口部が大きく高輝度のパネルが得られやすいTN(Twisted Nematic)方式又はVA(Vertical Alignment)方式の液晶表示装置に適用することが好ましい。
バックライト7は、例えば冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)又はLED(Light Emitting Diode)であり、液晶パネル2の背面側に配置されている。ここでは、液晶パネル2の直下にバックライトを配置する方式(直下式)の場合を例として示すが、液晶パネル2の一端側(エッジ側)に冷陰極管又はLED等の光源を配置し導光板を介して液晶パネル2の全面に光を行き渡らせる方式(エッジ式)を用いてもよい。なお、液晶パネル2がテレビ用途などの大型液晶パネルである場合には、バックライトを直下式とすることが好ましい。
プリズムシート8は、液晶パネル2全面への光の指向性を向上させるためのものである。偏光分離膜9は、偏光面が液晶パネル2のバックライト7側にある偏光子25に合致するように統一させるためのものである。
液晶パネル2は、スペーサ5により所定間隔を離して対向配置された第1及び第2の基板3,4と、第1及び第2の基板3,4の間に液晶を注入してなる液晶層6とを備える。スペーサ5は、第1及び第2の基板3,4間を所定距離保持するためのものである。液晶層6を構成する液晶は、例えばネマティック液晶であり、透明電極13,22間に印加された電圧に応じてその配列が変化する。
第1の基板3は、透明基板としてのガラス基板21と、ガラス基板21の一主面に積層された透明電極22、配向膜23と、ガラス基板21の他主面に積層された光学補償フィルム24、偏光子(偏光フィルム)25とを備える。第2の基板4は、透明基板としてのガラス基板11と、ガラス基板11の一主面に積層されたカラーフィルタ12、透明電極13、配向膜14と、ガラス基板11の他主面に積層された光学補償フィルム15、偏光子(偏光フィルム)16とを備える。
透明電極13,22は、例えば、インジウムと錫との合金酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)である。配向膜14,23は、液晶分子を一定方向に並べるための膜であり、例えばポリイミドなどの高分子から構成される。
カラーフィルタ12は、表示画像をカラー表示するためのものであり、ガラス基板11の一主面に、マトリックス状にパターニングされた遮光膜(ブラックマトリックス)と、この遮光膜の開口部分、すなわち画素となる部分に対応して配列されたR(赤)、G(緑)、B(青)の各サブ画素と、遮光膜及び各要素を保護する保護膜とを備える。各画素はR,G,Bの3つのサブ画素からなり、そのサブ画素のサイズは画面サイズと画素数によるが、例えば、およそ数十ミクロン(30〜100μm)である。
光学補償フィルム15,24は、液晶パネル2の前面側及び背面側の両方に配置されている。この光学補償フィルム15,24は、屈折率を補償するためのフィルムであり、例えば、光学的に負の一軸性化合物を、配向角度が厚み方向で連続的に変化するように配列してなるフィルムである。具体的には例えば、支持体と、この支持体上に設けた配向膜と、その上に負の一軸性化合物である円盤状化合物をハイブリッド配向させた光学異方性層とから構成される。円盤状化合物としては、例えばディスコティック液晶タイプの化合物を使用できる。なお、これら光学補償フィルム15,24の設置は任意であり、必要に応じて何れか一方又は両方を省略してもよい。
偏光子16,25は、入射する光のうち直交する偏光成分の一方のみを通過させ、他方を吸収または反射するフィルムであり、例えば、光学補償フィルム15,24上に透過軸が互いに直交するようにして配置される。
光学フィルム10は、液晶表示装置1の視野角改善手段として液晶パネル2の前面側に配置されている。光学フィルム10は、フィルム法線方向(すなわち液晶パネル2の法線方向)に対して一定値以上の角度をなす光を低減する制限層31と、制限層31を透過した光を効率よく拡散する拡散層33とから構成される。
制限層31は、拡散層33から離して配置してもよいが、拡散層33の近傍に配置することが好ましく、例えば、制限層31を拡散層33の背面側と接するようにして配置する。また、光線の角度制御の観点からすると、制限層31は偏光子16の表示面側近傍又は背面側近傍に配置することが好ましく、例えば、制限層31を偏光子16の表示面側又は背面側に接するように配置する。
制限層31は、光透過性を有する材料からなる光透過層(セル)31A内に、所定構造の障壁31Bを、面内において規則的に配列して構成される。また、障壁31Bは、液晶パネル2の表示面と直角をなすように配列される。障壁31Bの形状は、一次元的なものでもよいし二次元的なものでもよい。一次元的な形状としては所定の間隔をおいて並列された直線的なものであり、二次元的な形状としては、例えば、三角形、四角形もしくは六角形などの多角形、円形状又は楕円形状のうちの一つ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。なお、光透過層31Aの内部は中空状としてもよい。
光透過層31Aを構成する光透過性の材料としては、上述した構造及び性質を実現できるものであればよく、特に材料は限定されるものではないが、例えば種々の光学用プラスチック、ガラス(スピンオンガラスを含む)などを使用できる。
障壁31Bは、光吸収性又は光不透過性を有する。障壁31Bの厚さは例えば均一であり、障壁31Bの高さ、すなわち制限層31の厚さは、例えば均一である。障壁31Bを構成する材料は、光吸収性又は光不透過性を有するものであれば特に限定されず、例えば、黒色塗料、カーボン粉末、金属の蒸着膜又は広い光吸収性を示すナノ微粒子などを使用できる。
制限層31により透過を制限される光は、プリズムシート8による光の集光角度に応じて規定することが好ましい。例えば、プリズムシート8による集光角度以上の角度をなして制限層31に入射する光を制限層31において制限するようにする。より具体的には、例えば、プリズムシート8により液晶層6に入射する光を液晶パネル2の法線方向に対して約±45度の範囲内に絞る場合には、液晶パネル2の法線方向に対して±45度以上の角度をなす光を制限層31にて低減することが好ましい。
このように制限層31により透過する光を制限することにより、液晶パネル2の前面から広角度側に漏れてくる光学特性の悪い光を有効に遮断することができる。制限層31の入射制限角度を大きくすると、光学特性を改善できるが、輝度が低下するため、バックライト7の性能と所望の表示品質とを考慮しながら入射制限角度を調整することが好ましい。
個々のセル(光透過層31A)のサイズは、光線の入射角を制限できる範囲内において自由に設計することができる。但し、液晶パネル2のサブ画素の大きさが数十ミクロン(30〜100μm)であることを考慮すると、セルのサイズをサブ画素の大きさに合わせて形成するのが好適である。また、モアレの発生が問題となる場合には、セルのサイズは、サブ画素の大きさの半分から、サブ画素の大きさから一桁小さい大きさまでの範囲とすることが好ましい。
制限層31の厚さは、透過を制限する光の入射角度を満足するように、パターンの大きさから計算して設計することができる。例えば、液晶パネル2の法線方向に対して±45度以上の角度をなす光を低減したい場合、セルの開口幅が100μmのときは制限層31の厚さ(セルの高さ)を100μmに設定する。また、液晶パネル2の法線方向に対して±30度以上の角度をなす光を低減したい場合、セルの開口幅が100μmのときは制限層31の厚さ(セルの高さ)を173μmに設定する。
なお、障壁31Bの構成材料は上述した光吸収性のものに限らず、光反射性のものや光散乱性のものも適用可能であり、これらの材料を用いることで条件により輝度の向上を図ることができる。また、光透過性部分と屈折率の異なる微粒子等を障壁に補填するようにしてもよい。さらに、高出力レーザーを用いて例えばガラス板などの光透過層中に直接障壁を形成するようにしてもよい。
一方、拡散層33は、レンズフィルムで構成されている。拡散層33を構成するレンズフィルムは、一方の面が多数のレンズ要素を有するレンズ面として形成されており、当該レンズ面が制限層31と対向するように配置されている。また、当該レンズフィルムの他方の面は平坦な面とされているが、必要に応じて当該他方の面にも同様なレンズ要素を設けてもよい。
図2は、拡散層33の構成の一例を示す要部断面図である。拡散層33を構成する各レンズ要素33Aはそれぞれ同一の形状を有しており、その断面の外形形状は球面、非球面あるいは双曲面などの曲面形状とされている。特に本実施の形態では、図示するXYZ直交座標系をとったときに、以下の式を満たすように、断面形状が左右対称な非球面形状に形成されている。
Z=X2/(R+√(R2−(1+K)X2))+AX4+BX5+CX6+・・・[μm]
なお式中、Rは先端頂点の曲率半径、Kは円錐係数、A,B,C,・・・は高次の非球面係数である。この場合、
R≧0、K<−1、R−K≧5、0<A<10-3、0≦B,C,・・・≦10-3
であることが特に好ましい。
具体的に、本実施の形態においてレンズ要素33Aは、以下の式で表される非球面形状で形成されている。
Figure 2007171539
各レンズ要素33Aは、制限層31内の光透過層31A(又は障壁31B)の形状に合わせて、XY平面内に一次元的に又は二次元的に周期的に配列されている。すなわち、光透過層31AがY軸方向に延びる直線的な形状である場合、図8に示すようにレンズ要素33AはY軸方向に稜線方向をもつシリンドリカルレンズ状に形成される。また、光透過層31Aが二次元的な形状である場合、レンズ要素33Aは光透過層31Aの形状に合致したフライアイレンズ状に形成される。
レンズ要素33Aの大きさは特に限定されず、光拡散の性能と所望の表示品質とに応じて適宜設定することができる。好適には、制限層31の障壁31Bによって囲まれる光透過層31A(セル)の開口幅内において少なくとも1つ(図の例では2つ)のレンズ要素33Aが配置できる大きさに構成されている。本実施の形態では、光透過層31Aの開口幅が100μmで、レンズ要素33Aが50μmピッチで配列されている
拡散層33を構成するレンズフィルムは、光透過性を有する例えばポリカーボネート、ポリビニル、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリα−オレフィン、繊維素系樹脂、ガラス等の透明フィルムあるいは透明シートで形成されている。レンズ面は、これらの透明フィルムの上に一体的に形成されているが、透明フィルムの上にレンズ面が形成された層を後工程で一体化してもよい。この場合、レンズ面形成層は透明フィルムと異なる光透過性の材料で構成することができる。
更に、図2に示すように、制限層31と拡散層33との間に光透過性のある粘着層34を介在させている。これにより、制限層31と拡散層33とを強固に接着保持できるとともに、少なくともレンズ要素33Aの頂部と制限層31との間に空気層を介在しないようにすることができるので、界面反射を抑えて、液晶パネル2の正面輝度の向上を図ることができる。
粘着層34を構成する粘着剤は、光透過性を有し、かつ制限層31の光透過層31Aと拡散層33のレンズ要素33Aとの間の屈折率差を小さくできる材料であれば特に制限されない。具体的には、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを用いることができる。
また、図3に示す拡散層33は、隣接するレンズ要素33Aの間にフィルム面に平行な平坦部33Bを設けた構成例を示している。平坦部33Bは、制限層31から出射し平坦部33Bへ入射するパネル法線方向の光の直線性に影響を与えることなく、そのままパネル前面側へ出射させることが可能となるので、平坦部33Bがない構成(図2)と比較して正面輝度の向上を図ることが可能となる。
平坦部33Bの形成幅は特に制限されないが、平坦部33Bの形成幅が大きいほどパネル法線方向へ出射する光の量が多くなるため正面輝度を向上させることができる。好適には、平坦部33Bの形成幅の上限は、制限層31の障壁31Bによって囲まれる光透過層(セル)31Aの開口幅内において少なくとも1つのレンズ要素33Aを配置できる程度の大きさとする。平坦部33Bの形成幅の下限は例えば10μm以上とする。なお、レンズ要素33Aの形態によっては広視野角側での出射光量が低下するので、要求される表示特性に応じて設定される。本実施の形態では、平坦部33Bの形成幅をレンズ要素33Aの形成幅よりも小さくしている。
次に、上述した構成を有する本実施の形態の液晶表示装置1の作用について説明する。
まず、バックライト7から出射された光は、プリズムシート8によりパネル全面への指向性が向上された光L1に変換された後、偏光分離膜9により偏光面がバックライト7側にある偏光子25に合致するように統一され、偏光子25を透過する。
次に、偏光子25で平面偏光となった光は液晶層6に入り、電場によって制御された液晶の配向によって画素毎に偏光面が制御される。これにより、液晶パネル2上面の偏光子16を通過する光量が制御される。そして、カラーフィルタ12を透過した光は、光学補償フィルム15により屈折率が補償され、偏光子16を通過する。
その後、液晶パネル2の法線方向に対して一定以上の角度をなす光L3が光学フィルム10の制限層31にて低減され、制限層を透過した一定以下の角度をなす光L2のみが拡散層33において拡散出射される。
本実施の形態によれば、液晶パネル2を斜め方向に一定以上の大きな角度をもって透過した光が制限層31によって低減されるので、液晶パネル2の前面から広角度側に漏れてくる光学特性の悪い光を有効に遮断することができるとともに、光学特性のよい光を拡散層33において広い角度範囲にわたって拡散させることができる。これにより、広視野角範囲に亘って視野角依存性が改善され、高画質の画像光を広い視野角範囲に亘って観賞することが可能となる。
特に本実施の形態によれば、拡散層33のレンズ面が制限層31に対向して配置されているので、レンズ面とは反対側の平坦面が制限層31に対向して配置される場合と比較して、拡散層33に入射する制限層31からの光の界面反射を抑制でき、これにより拡散層33を透過する光量を増加させて輝度の向上を図ることができる。また、広視野角側への出射光量も高まり、視野角補償効果を改善することができる。更に図3に示したように、レンズ要素33Aの間に平坦部33Bを設けたり、制限層31と拡散層33との間に透明粘着層34を介在させることで、輝度向上効果を更に高めることが可能となる。
ここで、制限層31を構成する障壁31Bが図2においてY軸方向に直線的に延在しX軸方向に等ピッチで形成されている場合、X軸方向(例えば画面左右方向)の視野角依存性が解消されて広視野角範囲に亘って色差のない良好な視野角特性を得ることができる。また、障壁31Bが図2においてX,Y軸方向に2次元的に形成されている場合は、X軸方向及びY軸方向(画面左右及び上下方向)の視野角依存性が解消されることになる。
一方、本実施の形態によれば、拡散層33のレンズ面が制限層31に対向して配置されてることで、このレンズ面とは反対側の平坦面が図1に示したように液晶パネル2の前面側に位置することになるので、当該平坦面に対するAR膜(反射防止膜)やAG膜(防眩膜)の塗布又は積層が容易となる。
また、本実施の形態によれば、非常に簡便な方法で、広視野角と良好な光学特性(コントラスト・階調・色調)を実現できる。更に、光学補償フィルムを何枚も積層する必要が無くなることでコストを低下させることができ、また光軸を合わせて光学補償フィルムを貼り合わせる必要も無くなるので生産効率を大幅に向上できる。
更に、本実施の形態によれば、従来の広視野角の光学補償フィルムは必要なくなり光学補償フィルムの使用枚数を減らすことができるため、画面の輝度を上げることが可能となる。入射角制限内において特性が合致した光学補償フィルム15,24を用いることで更に光学特性を上げることができる。この場合、従来の広視野角の光学補償フィルムよりも狭い角度に特化した光学補償を考慮すればよいので、光学補償フィルムの簡素化又は高性能化が容易となるという利点がある。
続いて、本発明に係る光学フィルム10の製造方法の一例について説明する。
図4は、拡散層33の製造方法を説明する模式図である。
透明フィルム41を金型ロール(転写ロール)47に巻き付けて、加圧ロール42と剥離ロール45でニップする。金型ロール47は、その表面にレンズ要素を形成するための微細形状(凹部)が形成されており、ロール一周分の表面でレンズ面を作製する。
金型ロール47の材質としては、微細形状を精密に形成するのに適した金属材料が好ましい。例えば、加工的に実績のあるアルミニウム合金や銅合金がよく、最も好ましくは無酸素銅がよい。鉄系材料は、ダイヤモンドバイトによる精密切削が困難であるが、表面に銅めっきやニッケルめっき等の加工層を形成することで使用することが可能となる。
樹脂ディスペンサ44からは、エネルギーを吸収して硬化する樹脂43を金型ロール47に滴下して、樹脂だまりを形成し、透明フィルム41に圧着する。
エネルギーを吸収して硬化する樹脂43としては、光学的透明性を有する紫外線硬化型樹脂が好適である。紫外線硬化型樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、シリコーン樹脂等の各種樹脂が用いられる。
そして、各ロールを回転させて、金型ロール47の下方から紫外線ランプ46より紫外線を照射して透明フィルム41に圧着された紫外線硬化型樹脂43を硬化させるとともに、透明フィルム41に接合させる。硬化後、回転している剥離ロール45で巻き取り、剥離ロール45から透明フィルム41を剥がすことで、表面に微細なレンズ要素が2次元の広がりをもって多数配列されたレンズ面を有するレンズフィルム(拡散層33)を製造することができる。
また、図5に模式的に示すように、熱プレス法にて拡散層33を製造することも可能である。この例では、透明フィルム50の表面(上面)側に、レンズ面を加圧転写するための微細形状が形成された平板状の金型49を配置し、透明フィルム50の裏面(下面)側に鏡面板51を配置する。そして、これら金型49および鏡面板51を一対の加熱冷却プレート48で加熱プレスする。一定時間経過後、加熱冷却プレート48の内部で冷却し型開きすることで、表面に所望のレンズ面が形成された輝度向上フィルムを作製することができる。
ここで用いられる透明フィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ゼオノア(商品名)等が挙げられる。
その他、溶融押し出し加工等の他の加工方法を用いて拡散層33を製造することができる。
制限層31の製造方法としては、例えば、光透過性を有するUV硬化性樹脂フィルム上に障壁31Bの形状に対応するマスク形状のフォトマスクを積層して紫外光を照射する。そして、フォトマスクにより架橋されなかった部分を溶剤により除去する。次に、このフィルムにアクリル樹脂にカーボンを分散した黒色塗料のペーストをスキージにてパターンの奥まで黒色塗料が行き渡るように塗布する。そして、塗料の乾燥後、表面に残存する塗料をウエスにて拭き取ることで、制限層31を作製する。なお、黒色塗料としては、硬化性及び非硬化性のどちらのものも使用することができる。
また、制限層31の他の製造方法としては図6及び図7に示す例がある。
図6に示す制限層31の製造方法は、まず図6Aに示すように光透過層31Aを構成する所定厚の透明板体61と障壁31Bを構成する所定厚の黒色板体62とを交互に積み重ねて一体化して、図6Bに示す第1積層体63を作製する。
次いで、積層体63を切断線C1−C1に沿って積層面と直交する方向に切断して図6Cに示す複数の積層片64に分割する。
そして、各積層片64の間に図6Dに示す黒色板体65が介在するように再積層化して図6Fに示す第2積層体66を作製する。
最後に、積層体66を切断線C2−C2に沿って積層面と直交する方向に切断することで、図6Fに示すように障壁31Bで囲まれた四角形状の光透過層(セル)31Aを有する制限層(ルーバーフィルム)31を作製することができる。
なお、図6Bに示した第1積層体63を図6Eに示した切断線C2−C2に沿って切断することで、光透過層31Aが直線状に延在する制限層31を作製することができる。
一方、図7に示す制限層31の製造方法は、図7Aに示すように光透過層31Aの開口形状に合致する断面形状を備えた複数本の柱状透明体71を準備し、これらを図7Bに示すように互いに所定の間隔をおいて二次元的に配列させる。そして、これら柱状透明体71の間に黒色樹脂72を注入して障壁31Bを形成した後、切断線C3−C3で切断することで図7Dに示す制限層(ルーバーフィルム)31Bを作製することができる。
更に他の例として、例えばPET等のフィルムに引張強度を超えるテンションを加えてクレージング(微小クラック)を生じさせたフィルムとクレージングの生じていないフィルムとを交互に複数層積層した後、層厚方向に切断することで、一次元方向のルーバーフィルムを容易に作製することができる。クレージング層は樹脂分子がメゾポーラスな構造をもち、設計により光学的、電気的、機械的に固有な特性をもたせることができる。そこで、クレージング層に光遮蔽機能をもたせるように例えば色素を取り込ませることで、上述したような障壁31Bと同様な作用をもたせることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
上述の実施形態のように、液晶パネル2の前面に、制限層31と拡散層33とからなる光学フィルム10を積層した。表1に示す混色データを全面に表示し、各色の水平方向の視野角依存の色差違いを下記の条件で試験した。得られた結果を図9に示す。
Figure 2007171539
(試験条件)
・液晶パネル2:TN型ディスプレイ Diamond crysta RDT159V(NEC三菱電機ビジュアルシステムズ(株)製)
・制限層31:セキュリティ/プライバシーフィルターPF15EN(3M社製)
光透過層31A及び障壁31Bが直線的に延在するルーバーフィルムで、光透過層31A及び障壁31Bの延在方向を液晶パネル2の上下方向に向けて配置した。
・拡散層33:上記(1)式で示した断面非球面形状のシリンドリカルレンズフィルム
レンズ要素33Aの形成ピッチは50μmで、図8に示すようにレンズ面が制限層31と対向するように稜線方向を液晶パネル2の上下方向に向けて配置した。
・色度計:EZ-contrast XL88(ELDIM社製)
拡散層33を構成するレンズフィルムは以下の方法で作製した。
熱プレス用の金属製エンボスを原盤として、横断面形状が(1)式で示した非球面状凹、ピッチ50μmで連続して彫刻されたものを用いた。熱可塑性樹脂として、200μmポリカーボネート樹脂シート(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製FE2000)を180℃、10分間、100kgf/cm2(9.8MPa)のプレス条件でサンプルを得た。
(比較例1−1)
制限層31及び拡散層33を備えていない液晶パネルを用いて実施例1と同様な試験を行った。その結果を図10に示す。
(比較例1−2)
制限層31及び拡散層33を備えていない液晶パネルを用いて実施例1と同様な試験を行った。液晶パネルはVA方式(ハッピーベガKDL−S19A10(ソニー(株)製)のものを用いた。その結果を図11に示す。
(比較例1−3)
実施例1の条件において拡散層33を構成するレンズフィルムの表裏を反転し、レンズ面とは反対側の平坦面を制限層31と対向するように配置させて(レンズ面を観察者側に向けて)実施例1と同様な試験を行った。その結果を図12に示す。
図10及び図11に示すように、液晶パネルに制限層及び拡散層からなる光学フィルムを積層しない比較例1−1及び比較例1−2の場合、各色で視野角違いによる色差が著しく大きい。これに対し、図9に示すように、本発明を用いた実施例1においては、視野角依存による色差がほとんどなく広角度範囲に亘って良好な視野角補償を実現している。
一方、図12に示すように、レンズ面を観察者側に向けて配置した比較例1−3においては、視野角補償の効果は認められるものの、黒や赤などで色差が大きく、実施例1に比べて視野角補償が十分でないことが確認される。
(実施例2−1)
上述の実施形態のように、液晶パネル2の前面に、制限層31と拡散層33とからなる光学フィルム10を積層し、下記の試験条件で白表示時及び黒表示時における輝度分布を測定した。得られた結果を図13A,Bに示す。なお、図13Aは白表示時、図13Bは黒表示時を示している。
(試験条件)
・液晶パネル2:TN型ディスプレイ Diamond crysta RDT159V(NEC三菱電機ビジュアルシステムズ(株)製)
・制限層31:セキュリティ/プライバシーフィルターPF15EN(3M社製)
光透過層31A及び障壁31Bが直線的に延在するルーバーフィルムで、光透過層31A及び障壁31Bの延在方向を液晶パネル2の上下方向に向けて配置した。
・拡散層33:上記(1)式で示した断面非球面形状のシリンドリカルレンズフィルム
レンズ要素33Aのピッチは50μm、レンズ面が制限層31と対向するように稜線方向を液晶パネル2の上下方向に向けて配置した(図8参照)。
・輝度色度計:EZ-contrast XL88(ELDIM社製)
拡散層33を構成するレンズフィルムは以下の方法で作製した。
熱プレス用の金属製エンボスを原盤として、横断面形状が上記(1)式で示した非球面状凹、ピッチ50μmで連続して彫刻されたものを用いた。熱可塑性樹脂として、200μmポリカーボネート樹脂シート(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製FE2000)を180℃、10分間、100kgf/cm2(9.8MPa)のプレス条件でサンプルを得た。
(実施例2−2)
上述の実施形態のように、液晶パネル2の前面に、制限層31と拡散層33とからなる光学フィルム10を積層し、下記の試験条件で白表示時及び黒表示時における輝度分布を測定した。得られた結果を図13A,Bに示す。
(試験条件)
・液晶パネル2:TN型ディスプレイ Diamond crysta RDT159V(NEC三菱電機ビジュアルシステムズ(株)製)
・制限層31:セキュリティ/プライバシーフィルターPF15EN(3M社製)
光透過層31A及び障壁31Bが直線的に延在するルーバーフィルムで、光透過層31A及び障壁31Bの延在方向を液晶パネル2の上下方向に向けて配置した。
・拡散層33:上記(1)式で示した断面非球面形状のシリンドリカルレンズフィルムで図3に示したようにレンズ要素33A間に平坦部33Bが設けられている。
レンズ要素33Aのピッチは50μm、平坦部33Bの形成幅は7μm、レンズ面が制限層31と対向するように稜線方向を液晶パネル2の上下方向に向けて配置した(図8参照)。
・輝度計:RISA−COLOR(有限会社ハイランド製)
拡散層33を構成するレンズフィルムは以下の方法で作製した。
熱プレス用の金属製エンボスを原盤として、横断面形状が上記(1)式で示した非球面状凹(底辺50μm)と幅7μmの平坦部との組み合わせを間隔57μmで規則的に連続して彫刻されたものを用いた。熱可塑性樹脂として、200μmポリカーボネート樹脂シート(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製FE2000)を180℃、10分間、100kgf/cm2(9.8MPa)のプレス条件でサンプルを得た。
(実施例2−3)
上述の実施形態のように、液晶パネル2の前面に、制限層31と拡散層33とからなる光学フィルム10を積層し、下記の試験条件で白表示時及び黒表示時における輝度分布を測定した。得られた結果を図13A,Bに示す。
(試験条件)
・液晶パネル2:TN型ディスプレイ Diamond crysta RDT159V(NEC三菱電機ビジュアルシステムズ(株)製)
・制限層31:セキュリティ/プライバシーフィルターPF15EN(3M社製)
光透過層31A及び障壁31Bが直線的に延在するルーバーフィルムで、光透過層31A及び障壁31Bの延在方向を液晶パネル2の上下方向に向けて配置した。
・拡散層33:上記(1)式で示した断面非球面形状のシリンドリカルレンズフィルムで図3に示したようにレンズ要素33A間に平坦部33Bが設けられている。
レンズ要素33Aのピッチは50μm、平坦部33Bの形成幅は17μm、レンズ面が制限層31と対向するように稜線方向を液晶パネル2の上下方向に向けて配置した(図8参照)。
・輝度計:RISA−COLOR(有限会社ハイランド製)
拡散層33を構成するレンズフィルムは以下の方法で作製した。
熱プレス用の金属製エンボスを原盤として、横断面形状が上記(1)式で示した非球面状凹(底辺50μm)と幅17μmの平坦部との組み合わせを間隔67μmで規則的に連続して彫刻されたものを用いた。熱可塑性樹脂として、200μmポリカーボネート樹脂シート(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製FE2000)を180℃、10分間、100kgf/cm2(9.8MPa)のプレス条件でサンプルを得た。
(比較例2−1)
制限層31及び拡散層33を備えていない液晶パネルを用いて実施例2−1と同様な試験を行った。その結果を図13A,Bに示す。
(比較例2−2)
制限層31のみを備えた液晶パネルを用いて実施例2−1と同様な試験を行った。その結果を図13A,Bに示す。
従来技術に相当する比較例2−1においては、白表示時で正面方向に最も輝度が高く、広視野角になるにつれて輝度の低下が著しくなる。また、黒表示時では斜め方向(約60度)からの光漏れが確認される。一方、制限層(ルーバーフィルム)のみ液晶パネルに設置された比較例2−2においては、白表示時で正面方向の指向性が高く、30度以上の斜め方向では輝度がほぼゼロである。また、黒表示時においても光漏れは確認されない。
これに対して、本発明に係る光学フィルム(制限層31+拡散層33)を備えた実施例2−1〜実施例2−3においては、斜め方向にも正面方向とぼぼ同レベルの輝度レベルが得られることから、広視野角化が確保されていることが確認できる。また、黒表示時における光漏れも殆ど認められない。
更に、拡散層33においてレンズ要素33Aの谷部に平坦部33Bを設けた実施例2−2及び実施例2−3においては、特に、幅17μmの平坦部33Bを設けた実施例2−3において実施例2−1に比べて正面輝度の効果が顕著に認められた(破線で囲む円P参照)。なお、幅7μmの平坦部33Bを設けた実施例2−2においては、実施例2−1に比べて正面輝度の向上は殆ど認められなかった。
(実施例3)
上述の実施形態のように、液晶パネル2の前面に、制限層31と拡散層33とからなる光学フィルム10を積層し、下記の試験条件で白表示時及び黒表示時における輝度分布を測定した。得られた結果を図14A,Bに示す。なお、図14Aは白表示時、図14Bは黒表示時を示している。図14A,Bには、上述した実施例2−1、比較例2−1及び比較例2−2の測定結果を併せて示している。
(試験条件)
・液晶パネル2:TN型ディスプレイ Diamond crysta RDT159V(NEC三菱電機ビジュアルシステムズ(株)製)
・制限層31:セキュリティ/プライバシーフィルターPF15EN(3M社製)
光透過層31A及び障壁31Bが直線的に延在するルーバーフィルムで、光透過層31A及び障壁31Bの延在方向を液晶パネル2の上下方向に向けて配置した。
・拡散層33:上記(1)式で示した断面非球面形状のシリンドリカルレンズフィルムで制限層31と拡散層33とを粘着層34を介して積層した。
レンズ要素33Aのピッチは50μm、レンズ面が制限層31と対向するように稜線方向を液晶パネル2の上下方向に向けて配置した(図8参照)。
・粘着層34:厚さ約0.01mm、ノンキャリアLS0280(リンテック(株)製)
・輝度計:RISA−COLOR(有限会社ハイランド製)
拡散層33を構成するレンズフィルムは以下の方法で作製した。
熱プレス用の金属製エンボスを原盤として、横断面形状が上記(1)式で示した非球面状凹、ピッチ50μmで連続して彫刻されたものを用いた。熱可塑性樹脂として、200μmポリカーボネート樹脂シート(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製FE2000)を180℃、10分間、100kgf/cm2(9.8MPa)のプレス条件でサンプルを得た。
図14A,Bに示すように、粘着層34をを設けた実施例3においても実施例2−1と同様な視野角補償効果が得られた。また、図14Aに示すように、実施例2−1に比べて正面輝度の効果が顕著に認められた(破線で囲む円R参照)。
本発明の実施の形態による液晶表示装置1の概略構成を示す断面図である。 本発明に係る光学フィルム10を構成する制限層31及び拡散層33の要部断面図である。 拡散層33の構成の変形例を示す図2と同様な断面図である。 拡散層33を構成するレンズフィルムの一製造方法を説明する図である。 拡散層33を構成するレンズフィルムの他の製造方法を説明する図である。 制限層31の一製造方法を説明する工程図である。 制限層31の他の製造方法を説明する工程図である。 本発明の実施例において説明する液晶パネル2と制限層31と拡散層33との関係を示す斜視図である。 本発明の実施例において説明する実施例1に係る液晶パネルの視野角特性を示す図である。 本発明の実施例において説明する比較例1−1に係る液晶パネルの視野角特性を示す図である。 本発明の実施例において説明する比較例1−2に係る液晶パネルの視野角特性を示す図である。 本発明の実施例において説明する比較例1−3に係る液晶パネルの視野角特性を示す図である。 本発明の実施例2において説明する各液晶パネルの輝度分布特性を示す図であり、Aは白表示時、Bは黒表示時をそれぞれ示している。 本発明の実施例3において説明する各液晶パネルの輝度分布特性を示す図であり、Aは白表示時、Bは黒表示時をそれぞれ示している。 従来の液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1…液晶表示装置、2…液晶パネル、3…第1の基板、4…第2の基板、5…スペーサ、6…液晶層、7…バックライト、8…プリズムシート、9…偏光分離膜、10…光学フィルム、11,21…ガラス基板、12…カラーフィルタ、13,22…透明電極、14,23…配向膜、15,24…光学補償フィルム、16,25…偏光子、31…制限層、31A…光透過層(セル)、31B…障壁、33…拡散層、33A…レンズ要素、33B…平坦部、34…粘着層

Claims (7)

  1. フィルムの法線方向に対して一定以上の角度をなす光の出射を制限する制限層と、
    この制限層に積層され前記制限層を透過した光を拡散する拡散層とを有する光学フィルムであって、
    前記拡散層は、少なくとも一方の面が多数のレンズ要素を有するレンズ面として形成されているとともに、
    前記レンズ面が前記制限層に対向して配置されている
    ことを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記レンズ要素は、断面が非球面形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記制限層は、光透過層と、この光透過層内に配列された光吸収性又は光反射性を有する障壁とを備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  4. 前記レンズ面には、前記レンズ要素の間に平坦部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  5. 前記拡散層は前記制限層に対して光透過性の粘着層を介して積層されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  6. 液晶層を挟んで対向する一対の透明基板を備えた液晶パネルにおいて、
    前記透明基板の法線方向に対して一定以上の角度をなす光の出射を制限する制限層と、この制限層に積層され前記制限層を透過した光を拡散する拡散層とを有する光学フィルムを備え、
    前記拡散層は、少なくとも一方の面が多数のレンズ要素を有するレンズ面として形成されているとともに、
    前記レンズ面が前記制限層に対向して配置されている
    ことを特徴とする液晶パネル。
  7. 液晶パネルの背面に光を照射して画面表示する液晶表示装置において、
    前記液晶パネルの前面側には、当該液晶パネルの法線方向に対して一定以上の角度をなす光の出射を制限する制限層と、この制限層に積層され前記制限層を透過した光を拡散する拡散層とを有する光学フィルムが配置されており、
    前記拡散層は、少なくとも一方の面が多数のレンズ要素を有するレンズ面として形成されているとともに、
    前記レンズ面が前記制限層に対向して配置されている
    ことを特徴とする液晶表示装置。


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