JP2007171452A - 光導波路および光変調素子および光通信システム - Google Patents

光導波路および光変調素子および光通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】光通信システムに好適に用いられる変調効率の高い光変調素子に用いられる光導波路を提供し、容易な構成で所望の周波数・減衰量を実現する高周波回路素子を提供する。
【解決手段】 電気光学効果を有する材料からなる第1の基板1と第1の基板1に接するように配置された第2の基板2とからなり、第1の基板1の表面側にリッジ構造部分3を有した光導波路において、第1の基板1の裏面側のリッジ構造部分3に対向する位置に複数の溝4を有し、第1の基板1との基板2の境界部分の複数の溝4が形成された部分が中空6になっていることを特徴とする。溝4を第1の基板1の裏面側に形成することで、導波光に効果的に周期的な実効屈折率変化を与えることができ、浅い溝でも大きな効果を得ることが可能となる。さらに、導波路を用いて光変調素子を構成することによって高効率な光変調を実現する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信システムや光信号処理システムなどに好適に用いられる光変調素子と、当該光変調素子に用いられる光導波路と、当該光変調素子を備えた通信システムに関している。
光変調素子は、高速光通信や光信号処理システムにおいて基本となる素子であり、将来、超高速で動作できる光変調素子の必要性が益々増大するものと考えられる。
従来、利用されてきた半導体レーザによる直接変調では、超高速光変調に対応することが困難であるため、最近では、高速動作が可能な外部変調型の素子の開発が急がれている。中でも、特に、大きなポッケルス効果を有する誘電体結晶を用いた電気光学型の光変調素子は、超高速動作が可能であり、光変調に伴う光信号の位相の乱れも少ないことから、高速情報伝送や長距離光ファイバ通信などに非常に適している。さらに、光導波路構造を用いれば、小型化と高効率化とを一挙に実現できる可能性がある。
一般に、電気光学型の光変調素子は、電気光学結晶上に設けられた変調電極として機能する伝送導体線路と、伝送導体線路の近傍に形成された光導波路とを備えている。変調用の高周波信号を変調電極に与えることにより、変調電極の周辺に誘起される電界に応じて光導波路部分の屈折率が変化すると、光導波路中を伝搬する光波の位相が変化する。
光変調の効率を決める基本となるパラメータの1つである電気光学係数は、通常の結晶では比較的小さい。従って、電気光学効果を利用する光変調素子で高い変調効率を実現するためには、変調電界と光導波路中の光波との相互作用を増大させることが重要となる。
図10は、非特許文献1に記載されている従来の光変調素子を示す斜視図である。この光変調素子は、電気光学効果を有する結晶材料の基板8の表面に形成された光導波路(9a〜9d)と、光導波路(9a〜9d)を伝搬する光に変調用の電気信号(変調波)を印加するための変調電極10とを備えている。変調電極10は、互いに平行な2つの導体線路10a、10bによって構成されたコプレナー導体線路構造を有している。
光導波路9a〜9dは、変調されるべき光(入力光)が導入される入口側光導波路部分9c、変調光が出力される出口側光導波路部分9d、および、入口側光導波路部分9cと出口側光導波路部分9dとを結合する2つの分岐光導波路部分9a、9bを有している。
光導波路9a〜9dは、2箇所の分岐点14a、14bで2つの分岐光導波路9a、9bに分岐しており、入口側光導波路9cから入力された入力光が一方の分岐点14aで分岐して2つの分岐光導波路9a、9bを通過した後、他方の分岐点14bで共通の出口側光導波路9dを進むように構成されている。
なお、変調電極10を構成する導体線路10a、10bの内側端は、各分岐光導波路9a、9bのほぼ中央部の直上に位置しており、導体線路10a、10bの各々一端には変調用高周波の信号源11が接続され、他端には終端抵抗12が接続されている。
信号源11から高周波信号(変調波)が変調電極10に供給されると、変調波は、変調電極10上に光伝搬方向と方向に伝搬し、間隙部13に電界を形成する。このため、電気光学効果により、分岐光導波路9a、9bを構成する材料の屈折率が電界強度に応じて変化する。分岐光導波路9aと分岐光導波路9bとには互いに上下逆方向の電界が印加されるので、基板1が例えばzカットのニオブ酸リチウム結晶により構成されている場合、2つの分岐光導波路9a、9bを通る光には互いに逆の位相変化が与えられる。
IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol. QE-13, no. 4, pp287-290, 1977) 国際公開第2005/001559号パンフレット 米国特許第6529646号明細書 特開2005−275121号公報
図10に示す光変調素子によれば、変調電極10を伝搬する変調波と光導波路9を伝搬する光波とが同一方向に進行させることにより、光波と変調信号波との相互作用を増大させることを目論み、高い効率の光変調を実現しようとするものである。
しかしながら、ニオブ酸リチウムに代表される電気光学結晶の電気光学定数は非常に小さいため、変調電極10を延長して数cm程度の長さにしても、充分な変調を得るには、数ボルト程度の高い電圧を電気光学結晶に印加しなければならない。光変調素子を小型化し、また、必要な変調電圧を低減するためには、光波と変調電界との相互作用を向上させることが必要である。
一方、通常利用される光導波路は群速度分散がほとんどないので、伝搬速度(ここでは光波の群速度が意味を持つ)は光導波路の屈折率でほぼ決まる。ニオブ酸リチウムに代表される電気光学結晶の屈折率が約2.1であるのに対し、マイクロ波に対する誘電率が20〜40程度と非常に高いため、光の速度がマイクロ波の速度に対して約3倍も高く、その結果、進行波型電極を用いても光変調素子において光と信号波の完全な速度整合がとれないという問題がある。そのため、変調電極を長く設定しても、適切な変調が実現できず、変調効率が向上しない。
また、変調電極の構造を工夫し、マイクロ波の実効誘電率を下げて、速度整合をある程度実現できたとしても、光波の群速度ひ変化はないので(ニオブ酸リチウム基板の場合、真空中の光速の2.1分の1)、効率的な光変調のためには電極長を非常に長くする(光波と変調電界との相互作用長を長くする)必要があるが、そうすると、素子長が非常に大きくなる上に、変調電極でのマイクロ波伝搬損失のために、変調効率の向上にも限界がある。
このような課題に対して特許文献1では、図11に示すような、リッジ構造導波路においてリッジ構造部分3の表面に周期的な溝4を形成した光導波路を光変調素子に用いることが開示されている。この場合、リッジ構造部分3に溝4を形成することによって光導波路の実効屈折率が周期的に変化し、溝4の幅の周期を1/2波長程度に設定することによって、光波の群速度を低下させることが可能となり、高効率な光変調が実現できることが示されている。
このような、光導波路に周期的な実効屈折率変化を与え、効果的に光波の群速度を低下させるためには、大きな実効屈折率の変化を生じさせる必要がある。しかしながら、特許文献1のように、リッジ構造部分3の表面に溝4を形成した場合、溝4の深さに対して、実効屈折率の周期変化が小さいことが、本発明者らの検討によりわかった。そのため、特許文献1のように、リッジ構造部分3上に溝4を形成する場合には溝4の深さに対して大きな実行屈折率変化を生じさせるためには、深い溝を形成する必要があり、加工プロセス上の課題となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、主たる目的は、光通信システムに好適に用いられる変調効率の高い光変調素子と、それに用いられる光導波路を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、効率的に光変調が可能な小型の光変調素子を備えた通信システムを提供することにある。
上記課題を解決する光導波路は、電気化学効果を有する材料からなる第1の基板1と、第2の基板2とを有する光導波路であって、
第1の基板1の裏面と第2の基板2の表面とが接しており、
第1の基板1の表面にはリッジ3が設けられ、
第1の基板2の裏面には複数の溝4がリッジ3の長手方向(図1(a)の紙面前後方向、図1(b)の図面左右方向)と平行に設けられており、
第2の基板2の表面には凹部6がリッジ3の長手方向と平行に設けられており、
平面視において、リッジ3、複数の溝4、および凹部6が重なり合っている。
好ましい実施形態においては、前記第1の基板はニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウム材料からなる。
上記課題を解決する光変調素子は、上記の光導波路に、電気光学光変調用電界を印加するための変調電極を備えている。
光変調素子と、光変調素子から出力された変調光を伝送する光ファィバと、前記光変調素子に変調用電気信号を与える手段と、を備えた通信システムもまた、本発明の趣旨に包含される。
本発明の光導波路によれば、溝4の深さが比較的浅い場合でも大きな実効屈折率の周期的な変化を生じさせることが可能であり、同じ遅延特性の導波路を得るのに、作製プロセスが簡略化され、例えば光変調素子の導波路部分に応用することによって、小型で高効率な変調特性が実現可能である。この光変調素子を用いることにより、非常に小型な構成で、かつ、低電力な駆動回路で高速光変調が可能となるので、高速光ファイバ通信システムの高性能化、小型化が期待でき、とくに、ミリ波信号を用いた光ファイバ無線システムなどで特に有効性が高い。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
まず、図1を参照する。
第1の基板1は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)単結晶やタンタル酸リチウム(LiTaO3)単結晶などの電気光学材料から構成される。
本実施形態の光導波路は、第1の基板1上に、エッチングなどによって形成されたリッジ構造部分3によって、形成されている。
このリッジ形光導波路の第1の基板1の裏面(すなわち、リッジ部分3が形成されていない方の面)には図1(b)のように周期的に並んでいる複数の溝4が形成されている。
第1の基板1と同じ材料からなる第2の基板2が、前記第1の基板1に接するように配置されている。
リッジ構造部分3に対応する前記第1の基板1と前記第2の基板2の境界部分には中空部分5が、透過平面視により重なる位置関係となるよう形成されている。
前記第2の基板2には図1(b)のように凹部6が形成されている。
但し、図1(b)は、本構成を基板1の裏面側から斜視した図面であり、溝4が良く見えるように、本来接して配置されている基板1と基板2とを分離した状態で図示している。
溝4は、図からもわかるように、基板1の裏面に平行な断面で切断した際の溝4の断面視はほぼ長方形であり、その長手方向は、光導波路を通過する光の進行方向に対して直交している。
ここで、本リッジ型光導波路構造では、光導波路の垂直方向の光波の閉じ込めは、第1の基板1と上下の空気との間の屈折率差によって行われている。光導波路の横方向の光波の閉じ込めは、リッジ構造部分3とその両側のリッジ構造のない基板部分との間の、光波の実効屈折率差によって行われている。
導波光7の断面内の電界分布は、図2(a)に示すように、リッジ構造部分3の内部に収まっているのではなく、電界分布の中心は、リッジ構造部分3の上面よりもむしろ第1の基板1の裏面(リッジ構造部分3が形成されていない方の面)に近いところに存在する。
図2(a)の本構成に示すように、溝4を、第1の基板1の裏面(リッジ構造部分3が形成されていない方の面)に形成することによって、従来例(図11)のようにリッジ構造部分3の表面に形成するよりも、より溝4の屈折率(1)の影響を受けやすくなり、実効屈折率がより大きく変化することを本発明者らは見いだした。
このことは、同じ形状の溝4を形成した場合、リッジ構造部分3の表面によりも本構成のごとく第1の基板1の裏面の方がより大きな実効屈折率の変化を導波光7に与えることができる。
言い換えれば、同じ実効屈折率変化を実現するのに、浅い溝ですむことになり、エッチングプロセスの簡略化が可能である。
リッジ構造部分3の形成と溝4の形成がそれぞれ別々の基板表面に施すことになるので、従来例のように、溝とリッジ構造部分とを同じ面に2度エッチングするよりも高い加工精度が実現できる。
図3は、この効果を証明するために実際に計算した例である。
図3では、溝4を形成することによる導波光7の実効屈折率の変化量を表している。
実線は、本構成に関するもので、図2(a)に示したように基板1の裏面に溝4を形成した場合を示している。
波線は、従来構造に関するもので、図2(b)に示したようにリッジ構造部分2の表面に溝4を形成した場合を示している。横軸は溝4の深さである。
ここで、第1の基板1の材料はニオブ酸リチウム、リッジ構造部分3の幅は1μm、リッジ構造部分の高さ0.7μm、リッジ構造部分のない部分の基板1の厚さは0.7μmとした。
図3からわかるように、第1の基板1のリッジ構造部分3のない側の面に溝を形成する本願発明の構成では、リッジ構造部分の表面に溝を形成する従来構造に比べて、常に、大きな実効屈折率差が得られることがわかる。
例えば、0.3μm深さの溝を形成した場合、従来構造では約1.5%の実効屈折率差しか得られないのに、本願発明では約2.5%の実効屈折率差が得られることがわかる。
逆に、1.5%の実効屈折率差を得る必要がある場合には、従来例では約0.3μmの深さの溝が必要なのに比べて、本願発明では、約0.2μmの深さの溝でよいことがわかる。
現状に技術において、電気光学結晶上に、このようなサブミクロンの周期の溝を深く形成することは非常に困難であるので、構造的な制約が小さい本願発明の構成は非常に有効である。
また、図4は、実際に光波の群速度低下の効果を計算した結果である。
本願構成と図11の従来構造において、上記図3の計算の時と同じ導波路構造で、図4(a)にあるように、溝4の周期:λ/2(λは光波の基板中での波長:自由空間波長を実効屈折率で割った商)、溝4の幅:λ/4の100周期の周期構造部分を、λ/2の共振部分の両側に形成した場合を仮定した。
実際に光波の波長を1.55μmとし、光波の遅延量の波長変化を計算したものを図4(b)に示す。
溝4の深さは共に0.3μmである。図4(b)からわかるように、同じ深さの溝で構成された周期構造を有する光導波路において、本願発明の構成では、従来構造に比べて4倍以上の群遅延量が得られることがわかる。
このことは、光波の群速度が従来構造の1/4以下であり、同じ相互作用長で従来構造の4倍以上の電気光学効果が得られることを示しており、本発明の構造が非常に大きな効果があることがわかる。
本構成において、第2の基板2の存在によって、電気光学材料からなる第1の基板1を構造的に保持して機械的強度を保ち、中空部分5をリッジ構造部分3の直下に形成することが可能となる。
第2の基板2の材質については基本的に制約はないが、第1の基板1と第2の基板2の接着を考えた場合、上記実施の形態1の如く、第2の基板2が第1の基板1と同じニオブ酸リチウムあるいはタンタル酸リチウムなどの電気光学材料を用いて、両基板の結晶方位を一致させ、且つ、接着面を研磨し凹凸を極力無くしておくと、自発分極により互いに引力が生じ、自然に接着されるため、非常に有効である。
また、接着剤が必要とはなるが、第2の基板2にシリコンなどの第1の基板1と異なる材料を用いることも可能である。
中空部分5を形成するために、本実施の形態では第2の基板2に凹部6を形成する場合を述べたが、これに限ることはなく、図5に示したように、第1の基板1のリッジ構造部分3のない方の面に凹部6を形成し、前記凹部6の底の部分に溝4を形成することも可能である。
この場合、第2の基板2には凹部6を形成する必要はなくなる。図5(b)についても、図1(b)と同様に本構成を基板1の裏面側から斜視したもので、さらに、溝4が良く見えるように、本来接して配置されている基板1と基板2とを分離した状態で図示している。
溝4の幅と周期に関しては、図4の計算例では溝4の周期λ/2(λは光波の基板中での波長:自由空間波長を実効屈折率で割ったもの)、溝4の幅λ/4の場合に、最も効果的な群遅延効果が得られる。
特に、図4(a)で示したように、周期構造部分をλ/2の長さの共振部分の両側に形成することによって、上記共振部分での共振効果も追加されより大きな群遅延特性が得られる。
用いる光波の波長λについては、本発明の効果を発揮させるために制約が生じることはないが、実際に通信などの分野で良く使われている赤外光(図4(b)の計算例でも用いた1.55μm、あるいは、1.3μmを中心とした波長帯域の光波)を用いた場合、非常に有効である。この場合、溝4の幅(λ/4)が0.1〜0.5μm程度の範囲となり、現在の微細加工技術で作製は可能である。
第1の基板1の断面内の寸法について、図3の計算例では、リッジ構造部分3の、幅が1μm、高さが0.7μm、第1の基板1の厚さ(リッジ構造部分3がない場所での)が0.7μmの場合を述べたが、基本的には、光変調素子を構成するためには、光導波路はシングルモード伝搬の必要があるので、リッジ構造部分3の高さと第1の基板1の厚さは概ねλの0.5倍から3倍程度、また、リッジ構造部分3の横幅寸法は概ねλの0.5倍〜5倍程度の範囲内において有効性は高い。
また、それ以上の横幅寸法においても、光波の伝搬は可能であり、本発明は有効である。
中空部分5の高さ(凹部6の深さ)については、あまり小さいと第1の基板1中を伝搬する光波が第2の基板2の中に散乱され、伝搬損失の原因となるので、用いる光波の空気中での波長の概ね10分の1以上であることが望ましい。
第1の基板1がニオブ酸リチウム(LiNbO3)単結晶やタンタル酸リチウム(LiTaO3)単結晶から構成されている場合、リッジ構造部分3や溝4を形成するためのエッチングは、フッ素系ガスプラズマRIE(反応性イオンエッチング)やICP(誘導結合プラズマ)によって行なうことが可能である。
ICPによる場合、還元性の強いCF4、BCl3、C48などのガスを用いれば、0.5μm/分程度のレートで基板1をエッチングすることができる。この方法では、紫外線や電子線用の感光性レジストに対する選択比1を実現できる。なお、ICPによってLiNbO3をエッチングできることは、第63回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集26a−D−20に記載されている。なお、
(実施の形態2)
図6を参照する。
実施形態1で説明した光導波路を用いて構成した光変調器について説明する。実施形態1で説明した導波路のリッジ構造部分3の周囲に例えば真空蒸着とエッチングにより形成された金属膜からなる変調電極10aと10bで構成される。
ここで、前記電極間に電圧を印加することによって、リッジ構造部分3には垂直方向の電界が印加される。
第1の基板1は電気光学効果を有するので、リッジ構造部分3の屈折率が電界強度に応じて変化し、導波光7に位相変化を生じさせる。
これによって、本素子は光位相変調器として動作する。ニオブ酸リチウム結晶に代表される電気光学結晶は、電気光学係数においても大きな異方性を有しており、その最も大きな電気光学係数はγ33で、これは、結晶のc軸方向に偏光した光波が受ける屈折率が、同じくc軸方向の電界によって変化する係数である。
従って、本構成においては、第1の基板1には、c軸に垂直な面が表面になるようにカットされた結晶基板(z-cut板)を利用し、縦方向に偏光した光波(TM波)を用いた場合により有効性が高くなる。
ここで、実施形態1で説明したように、本導波路構成においては、導波する光波の群速度を低下させることができるので、電気光学効果による屈折率変化を受ける時間もそれに反比例して長くなり、結果的に光変調効果が増大する。
本構成では、変調電極10a、10b間に電圧を印加すると、リッジ構造部分3には縦方向に強い電界が生じるので、縦方向の電界に対して大きな屈折率変化が生じる第1の基板1(例えば、z-cutのニオブ酸リチウム結晶)を用いる場合に有効である。
(実施の形態3)
他の実施形態の光変調素子を図7に例示する。
本実施形態の光変調素子も光位相変調器として動作する。
本構成では、変調電極10a、10b間に電圧を印加すると、リッジ構造部分3には横方向に強い電界が生じる構成を用いている。
通常の電気光学結晶を用いた場合、横方向の電界に対して大きな屈折率変化が生じさせるためには、先の実施例とは異なり、軸を導波路に対して横方向に向いている第1の基板1(例えば、y-cutのニオブ酸リチウム結晶)を用い、同じく横方向に偏光した光波(TE波)を用いる場合に本構成は非常に有効である。
(実施の形態4)
次に、図8を参照する。
本構成では、前記実施形態2あるいは3で述べた光変調器構成を発展させ、分岐光導波路部分9a、9bによって、マッハツェンダー干渉計を構成している。この場合、変調電極10a、10b間に電圧を印加すると、2本のf構造部分3には、互いに逆方向の電界が生じるので、分岐光導波路部分9a、9bを伝搬する光波には互いに逆の位相変化が生じ、それらが合波されるときに、互いに干渉し、位相変化量に応じた光強度変化に変換される。これによって、本構成の光変調器は変調電極間の電圧に応じた光強度変調が可能となる。本構成においては、前記実施形態2あるいは3で述べた光変調器と、位相変調と強度変調の差はあるが、同様に高効率な光変調が可能である。
(実施の形態5)
次に、図9を参照しながら本発明によるファイバ無線システムの実施形態を説明する。
本実施形態のファイバ無線システム50は、第2〜4の実施形態における光変調素子を内蔵した光変復調器51を備えている。そして、アンテナ53により、通常のインターネット等のデータ通信網や、携帯端末との通信、あるいは、CATVからの信号の受信等を例えばミリ波の搬送波を用いて直接行なうことができる。なお、光変復調器51には、光変調素子とともに光復調素子(例えばフォトダイオード)が内蔵されている。
一方、ミリ波等の周波数の高い無線信号は長距離の伝送は困難であり、かつ、物体による信号の遮断を受けやすい。そこで、データ通信網61や、CATV62や、携帯電話システム63との通信を、無線装置60及び無線装置に付設されたアンテナ64を用いて行なうこともできる。その場合、ファイバ無線通信システム50と光ファイバ70を介して接続される光変復調器55と、これに付設されるアンテナ54とをさらに備えておく。そして、アンテナ54、64及び光変復調器55を介して、無線装置60との間で信号の授受を行なうことができる。光変復調器55には、光変調素子とともに光復調素子(例えばフォトダイオード)が内蔵されている。長距離伝送を行ないたい場合や、壁等で仕切られた屋内での伝送の際には、光ファイバ70を通してミリ波等の無線信号で変調された光信号を伝送することが効果的である。
本発明の光変調素子は、高速光通信や光信号処理システムなどに好適に用いられる。特に、変調信号に忠実な、位相の乱れなどが少ない光変調信号を生成できるので、高速情報伝送や長距離光ファイバ通信などに適している。
(a)は、本発明による光導波路の第1の実施形態の断面図、(b)は、第2の基板2の側(第1の基板の裏面側)から見た斜視図 (a)は本発明の構造での導波光の分布を表した断面図、(b)は従来例の構造での導波光の分布を表した断面図 溝4の部分と溝4のない部分での導波光7の実効屈折率の差を、本発明による光導波路と従来構造の導波路とで比較して計算したグラフ (a)は、光波の群遅延効果を計算した際の周期構造を表した断面図、(b)は、本発明の構造と従来構造とで、実際に(a)の周期構造を形成した場合の群遅延量を計算したグラフ (a)は、本発明による光導波路の他の実施形態の断面図、(b)は、第2の基板2の側(第1の基板の裏面側)から見た斜視図 (a)は、本発明による光変調素子の第1の実施形態の平面図、(b)は、そのA−A’線断面図 (a)は、本発明による光変調素子の第2の実施形態の平面図、(b)は、そのA−A’線断面図 (a)は、本発明による光変調素子の第3の実施形態の平面図、(b)は、そのA−A’線断面図 本発明による通信システムの実施形態を示す図 光変調素子の従来例を示す斜視図 光導波路構造の従来例を示す斜視図
符号の説明
1 第1の基板
2 第2の基板
3 リッジ構造部分
4 溝
5 中空部分
6 凹部
7 導波光
8 電気光学基板
9a 分岐光導波路部分
9b 分岐光導波路部分
9c 入口側光導波路部分
9d 出口側光導波路部分
10、10a、10b 変調電極
11 信号源
12 終端抵抗
13 間隙部
14a 分岐点
14b 分岐点

Claims (4)

  1. 電気光学効果を有する材料からなる第1の基板と前記第1の基板に接するように配置された第2の基板とからなり、
    前記第1の基板の前記第2の基板と接していない方の表面上にリッジ構造部分を有し、
    前記第1の基板の前記第2の基板と接している方の表面上の、前記リッジ構造部分に対向する位置に複数の溝を有し、
    前記第1の基板と第2の基板の境界部分の前記複数の溝が形成された部分が中空になっていることを特徴とする光導波路。
  2. 前記第1の基板はニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウム材料からなることを特徴とする請求項1記載の光導波路。
  3. 前記光導波路に、電気光学光変調用電界を印加するための変調電極を備えた請求項1、2いずれかに記載の光変調素子。
  4. 請求項3に記載の光変調素子と、前記光変調素子から出力された変調光を伝送する光ファィバと、前記光変調素子に変調用電気信号を与える手段と、を備えた通信システム。

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