JP2007170472A - 免震装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】製造時において、円筒管(側面部材)5にゴム板(ゴム状弾性体)6と鋼板(金属製板材)7とを挿入して積層することで、円筒管5に囲まれてゴム板6と鋼板7との積層状態が維持される。さらに、建物等に設置した使用時において、ゴム板6と鋼板7とが円筒管5によって外周から拘束され、局部的な変形が防止されて安定した免震性能が得られる。これにより、ゴム板6と鋼板7とを加硫接着する必要がなくなり、金型装置等の大規模な製造設備を用いなくても免震装置1を製造することができ、製造コストを低減することができる。金型を用いた加硫接着を省略することで、金型へのセットや脱型に要する手間や時間をなくして製造時間の短縮化を図ることができる。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載された積層ゴムアイソレータは、上部構造および基礎構造にそれぞれ固定される上下のフランジと、これらのフランジ間に交互に積層されたゴムシートおよび鋼板(補強板)とを備えて構成され、ゴムシートおよび鋼板を介して上部構造の鉛直荷重を基礎構造に伝達するとともに、地震時にはゴムシートがせん断変形することにより地盤からの地震動を上部構造へ伝えない、つまり上部構造への地震動入力を低減することができるようになっている。
また、側面部材が有する所定の剛性としては、全体筒状の側面部材の内部にゴム状弾性体と金属製板材とを互いに接着せずに積層する場合や、積層した状態で移動させる場合に、これらのゴム状弾性体および金属製板材がずれてしまわない程度に側方から拘束可能な剛性である。さらに、製造工場から建物等の建設現場まで免震装置を運搬する際にも、ゴム状弾性体と金属製板材との積層状態を維持させることが可能な剛性を有していることが好ましい。
また、免震装置の使用時、すなわち建物等の基礎部分に設置した状態で地震等の水平力が作用した場合においても、側面部材がアイソレータ部を側方から拘束していることで、所定の免震性能を確保することができる。
ここで、せん断変形によって減衰力を発揮する減衰材料としては、所定のせん断変形量およびせん断力でせん断降伏して履歴減衰を発揮するような弾塑性材料でもよく、またせん断変形に応じた変形速度に比例する粘性減衰を発揮する粘弾性材料などでもよい。
このような構成によれば、側面部材が上下の金属製フランジに追従してせん断変形し、このせん断変形によって減衰力を発揮することで、免震装置に減衰(ダンパー)機能を付加することができる。これにより、従来の積層ゴムアイソレータでは、別置きのダンパーを設置したり、アイソレータの中央部に穴を開けて鉛ダンパー等を内蔵したりして減衰機能を付加する必要があったのであるが、このような別置きダンパーや内蔵ダンパーを省略あるいは削減することができる。従って、別置きダンパーの設置スペースを他の用途に有効利用することができるとともに、設置手間を削減することができる。あるいは、内蔵ダンパー用の穴を設ける必要がなくなることから、アイソレータ部の大きさ(平面寸法、直径)が小型化でき、製造コストをさらに低減することができる。
このような構成によれば、側面部材の上下端部を上下の金属製フランジに固定することで、上下の金属製フランジ相互の水平変位に対する追従性を高めることができ、大変形時においても安定した免震性能を確保することができる。
一方、側面部材の上下端部を上下の金属製フランジに固定しなければ、側面部材に鉛直方向の力を伝達させずに、側面部材のせん断変形を卓越させて効果的に減衰力を発揮させることができる。
このような構成によれば、免震装置に要求される性能に応じて、側面部材の構成材料(金属、樹脂、ゴム)や形態(管状体、籠状体、樽状体)が適宜選択可能となり、設計条件に応じた各種性能の免震装置を提供することができる。そして、側面部材を金属製とする場合には、アルミ合金や鋼(構造用鋼材や低降伏点鋼等)、銅、鉛等の金属あるいは合金が採用できる。側面部材を樹脂製とする場合には、各種の熱可塑性樹脂が採用でき、またゴム製とする場合には、天然ゴムや合成ゴム、あるいは高減衰ゴムなどが採用できる。
また、本発明の請求項6に記載の免震装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の免震装置において、前記アイソレータ部のゴム状弾性体と金属製板材とは、当該免震装置の製造時において、前記側面部材に囲まれた状態で加硫接着されることを特徴とする。
このような構成によれば、ゴム状弾性体と金属製板材とを接着しなくても側面部材で積層状態が維持できるとともに、ゴム状弾性体と金属製板材とを加硫接着する場合でも、側面部材で積層状態を維持した状態で接着作業が実施でき、いずれの場合であっても免震装置の製造工程を簡素化することができる。このようにゴム状弾性体と金属製板材とを接着するか否かが適宜選択することで、前述のように製造コストおよび製造手間を削減しつつ、使用条件に応じた免震装置を提供することができる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る免震装置1を示す断面図である。図2は、免震装置1の製造方法を説明する斜視図である。図3は、免震装置1の一部の動作を説明する斜視図である。
図1〜図3において、免震装置1は、建物等の基礎と上部構造との間などに設けられるものである。この免震装置1は、上部構造および基礎に各々固定される上下一対のフランジ2,3と、これら一対のフランジ2,3間に挟まれて設けられるアイソレータ部4と、一対のフランジ2,3間に渡ってアイソレータ部4の側面を囲んで設けられる側面部材としての円筒管(管状体)5とを備えて構成されている。
すなわち、図4は、本実施形態の変形例に係る免震装置1Aを示す断面図であり、この免震装置1Aでは、円筒管5の上下端部がそれぞれ上下のフランジ2,3に固着具としてのバンド8およびビス9によって固定されている。バンド8は、金属板材を環状に曲げて加工したものであって、このバンド8を円筒管5の外周面から締め付けた状態で、バンド8および円筒管5を貫通してビス9を上下のフランジ2,3の保持部2A,3Aに螺合することで、円筒管5が上下のフランジ2,3に固定される。
さらには、円筒管5の上下端部と上下のフランジ2,3とを溶接固定してもよい。
(1)すなわち、免震装置1,1Aの製造時において、円筒管5にゴム板6と鋼板7とを挿入して積層することで、円筒管5に囲まれてゴム板6と鋼板7との積層状態が維持される。さらに、建物等に設置した使用時において、ゴム板6と鋼板7とが円筒管5によって外周から拘束され、局部的な変形が防止されて安定した免震性能が得られる。これにより、ゴム板6と鋼板7とを従来のように加硫接着する必要がなくなり、金型装置等の大規模な製造設備を用いなくても製造することができ、製造コストを低減することができる。金型を用いた加硫接着を省略することで、金型へのセットや脱型に要する手間や時間をなくして製造時間の短縮化を図ることができる。また、従来の積層ゴムのように、鋼板に加硫接着されたゴム板においては、地震時の大きなせん断変形(γ≧350%)を受けるとゴム端部が破断しやすくなっているのに対し、本実施形態のように加硫接着しないゴム板6においては、端部の破断が防止でき、大きなせん断変形に対しても安定した免震性能が確保できる。
次に、本発明の第2実施形態について、図5に基づいて説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る免震装置1Bを示す断面図である。
免震装置1Bは、前記第1実施形態の免震装置1と略同一の構成を備えているが、アイソレータ部4のゴム板6と鋼板7とを加硫接着した点が第1実施形態と相違している。この免震装置1Bは、前述の免震装置1,1Aと同様に、円筒管5内部にゴム板6と鋼板7とを交互に円筒管5内部に挿入した後に、加硫接着によりゴム板6と鋼板7とを接着して製造される。この加硫接着の際、加熱により溶けたゴム板6の一部が前述のゴム板6および鋼板7と円筒管5との隙間に流れ込み、隙間がゴムで埋められるようになっている。
(4)すなわち、円筒管5内部にゴム板6と鋼板7とを積層した状態にて加硫接着することで、従来のような金型装置等の大規模な製造設備を用いなくても製造することができ、製造コストを低減することができる。さらに、金型を用いないことで、金型へのセットや脱型に要する手間や時間をなくして製造時間の短縮化を図ることができる。
例えば、前記各実施形態においては、建物の基礎部分に設置される免震装置1,1A,1Bについて説明したが、本発明の免震装置は、建築分野における建物に限らず、土木分野における橋梁や高架道路等に設置してもよい。この際、橋梁や高架道路等における橋脚と橋桁(路盤)との間に免震装置を設置して橋桁(路盤)への地震動入力を低減させるようにできる。さらに、建築や土木の構造物に限らず、美術館や博物館等の建物において、収蔵棚や展示ケース等を本発明の免震装置で支持することも可能であり、このようにすれば地震時に収蔵品や展示品の落下や破損を防止することができる。
ずなわち、図6に示す側面部材は、各々金属製の複数の縦棒材51とリング状棒材52とを互いに交差させて緊結した籠状体50Aから構成されている。このような籠状体50Aは、水平力が作用した場合に、アイソレータ部4のせん断変形に追従して全体としてせん断変形し、所定の変形量において、縦棒材51およびリング状棒材52が曲げ降伏するように設定され、これにより履歴減衰を発揮することができるように構成されている。
一方、図7に示す側面部材は、左右に並設された複数の金属製板材53と、これらの板材53を外側から拘束するリング材54とを有した樽状体50Bから構成されている。このような樽状体50Bは、水平力が作用した場合に、アイソレータ部4のせん断変形に追従して全体としてせん断変形し、所定の変形量において、板材53が曲げ降伏またはせん断降伏するように設定され、これにより履歴減衰を発揮することができるように構成されている。さらには、樽状体50Bにおいて、板材53同士が摺動することで、その摩擦力によって生じる減衰力も期待できる。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- ゴム状弾性体と金属製板材とを交互に複数積層して形成されたアイソレータ部と、
前記アイソレータ部の上下に密接して設けられた一対の金属製フランジと、
前記上下の金属製フランジ間に渡り前記アイソレータ部の側面を囲んで設けられた側面部材とを備えた免震装置であって、
前記側面部材は、少なくとも当該免震装置の製造時において、前記アイソレータ部のゴム状弾性体と金属製板材との積層状態を維持させるだけの所定の剛性を有して全体筒状に形成されていることを特徴とする免震装置。 - 請求項1に記載の免震装置において、
前記側面部材は、前記上下の金属製フランジ相互の水平変位に追従してせん断変形し、このせん断変形によって減衰力を発揮する減衰材料から構成されていることを特徴とする免震装置。 - 請求項1または請求項2に記載の免震装置において、
前記側面部材の上下端部は、各々前記上下の金属製フランジに溶接固定されているか、または当該側面部材を外側から締め付けるバンドを有した固着具で前記上下の金属製フランジに固定されていることを特徴とする免震装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の免震装置において、
前記側面部材は、金属製、樹脂製、またはゴム製であって、連続断面を有した管状体から構成されるか、複数の棒材を互いに交差させて緊結した籠状体から構成されるか、または左右に並設した複数の板材を外側から拘束した樽状体から構成されていることを特徴とする免震装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の免震装置において、
前記アイソレータ部のゴム状弾性体と金属製板材とは、互いに接着されないことを特徴とする免震装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の免震装置において、
前記アイソレータ部のゴム状弾性体と金属製板材とは、当該免震装置の製造時において、前記側面部材に囲まれた状態で加硫接着されることを特徴とする免震装置。
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CN101852263A (zh) * | 2010-03-22 | 2010-10-06 | 株洲时代新材料科技股份有限公司 | 一种球铰类橡胶弹性元件变刚度方法和橡胶弹性元件及其制作方法 |
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2005
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