JP2007170314A - 潤滑油路構造を備える内燃機関 - Google Patents

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親司 滝口
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Abstract

【課題】主油路の潤滑油が、シリンダ側油路への潤滑油が流通する第1給油路と、シリンダ側油路以外の油路への潤滑油が流通する第2給油路に分流するとき、絞り機構により第1給油路での潤滑油の流量を調整して、オイルポンプの小型化やオイルポンプを駆動するためのエネルギ損失の低減を図る。
【解決手段】内燃機関の潤滑油路構造は、オイルポンプ54からの潤滑油が流入する主油路60と、シリンダヘッド3の潤滑部位に供給される潤滑油が流通するシリンダ側油路65とを有する。主油路60の潤滑油は、シリンダ側油路65に潤滑油を導く第1給油路63と、シリンダ側油路65以外の油路に潤滑油を導く第2給油路64とに、クランクケース2bの結合面2b3にて分流し、第1給油路63での潤滑油の流量を規定するオリフィス90がシリンダブロック1の結合面1c側からの取付が可能に設けられる。
【選択図】図5

Description

本発明は、クランクケースおよびシリンダブロックに設けられて、オイルポンプから吐出された潤滑油を潤滑部位に供給する潤滑油路構造を備える内燃機関に関する。
内燃機関の潤滑油路構造として、クランクケースの割り面に設けられてオイルポンプから吐出された潤滑油が流入するケース側油路と、ケース側油路から分流した潤滑油をシリンダヘッドに配置された動弁装置に供給するシリンダ側油路とを有し、シリンダ側油路が、クランクケース、シリンダブロックおよびシリンダヘッドを締結するスタッドボルトが挿通される挿通孔により構成されるものは知られている(例えば特許文献1参照)。
実公平7−41849号公報
従来の潤滑油路構造では、ケース側油路の潤滑油が、シリンダ側油路とシリンダ側油路以外の油路(便宜上、「非シリンダ側油路」という。)とに分流したとき、両油路には潤滑油の流量を調整する機構が設けられていないので、シリンダ側油路および非シリンダ側油路間での流量の調整ができない。このため、内燃機関の各潤滑部位での潤滑油の不足が発生しないように、必要量を越える量の潤滑油をシリンダ側油路および非シリンダ側油路に導くために、オイルポンプの容量が大型化したり、オイルポンプを駆動するためのエネルギ損失が増加したりする。
例えば、シリンダ側油路を流通する潤滑油は、主にシリンダヘッドに設けられた動弁装置や吸・排気弁などの潤滑部位に供給されるが、シリンダブロックやクランクケースに設けられるクランク軸やピストンなどの潤滑部位に比べて、潤滑油の必要量は比較的一定している。このため、シリンダ側油路は、流量の最大量を一定値に設定するのに適した油路といえる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜5記載の発明は、オイルポンプからの潤滑油が流入する主油路の潤滑油が、シリンダヘッドにおける潤滑部位に潤滑油を供給するシリンダ側油路への潤滑油が流通する第1給油路と、シリンダ側油路以外の非シリンダ側油路への潤滑油が流通する第2給油路に分流するとき、絞り機構により第1給油路または第2給油路での潤滑油の流量を調整して、オイルポンプの小型化やオイルポンプを駆動するためのエネルギ損失の低減を図ると共に、絞り機構の取付や形成を容易化することを目的とし、請求項2記載の発明は、さらに、シリンダブロックおよびクランクケースでの潤滑油路構造の簡素化を図ることを目的とし、請求項3記載の発明は、さらに、ピストンの冷却効果および潤滑効果の向上を図ることを目的とし、請求項4記載の発明は、さらに、第1給油路とシリンダ側油路とを連通させる油路の形成の容易化を図ることを目的とし、請求項5記載の発明は、さらに、絞り機構の簡単化を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、クランクケースと、クランクケースにボルトにより結合されるシリンダブロックと、シリンダヘッドと、潤滑油路構造とを備える内燃機関であって、前記潤滑油路構造が、前記クランクケースに設けられてオイルポンプからの潤滑油が流入する主油路と、前記シリンダブロックに設けられて前記ボルトが挿通される挿通孔により構成されるシリンダ側油路とを有し、前記主油路の潤滑油が前記シリンダ側油路を流通して前記シリンダヘッドの潤滑部位に供給される内燃機関において、前記主油路の潤滑油は、前記シリンダ側油路に潤滑油を導く第1給油路と、前記シリンダ側油路以外の油路に潤滑油を導く第2給油路とに分流し、前記第1給油路での潤滑油の流量を規定する絞り機構が、前記クランクケースと前記シリンダブロックとの互いの結合面であるケース側結合面およびシリンダ側結合面の少なくとも一方の結合面側からの取付または形成が可能に設けられる内燃機関である。
これによれば、主油路からの潤滑油が分流する第1,第2給油路のうち、シリンダヘッドの潤滑部位に供給される潤滑油が流通する第1給油路の流量が絞り機構により規定されることで、第1給油路には、したがってシリンダ側油路には、必要量を越える量の潤滑油が流通しないので、オイルポンプから吐出される油量を減少させることができるうえ、シリンダヘッドの潤滑部位での潤滑油の必要量が比較的一定しているので、潤滑油の不足が生じないようにするためのマージン量を小さくすることができる。また、絞り機構は結合面側からの取付または形成が可能であるので、絞り機構の取付や形成が容易になる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関において、前記主油路の潤滑油は、前記シリンダブロックに設けられる前記第1給油路と、前記クランクケースに設けられる前記第2給油路とに、前記ケース側結合面にて分流し、前記絞り機構は前記第1給油路に設けられるものである。
これによれば、第1給油路および絞り機構がシリンダブロックに、主油路および第2給油路がクランクケースに振り分けて設けられる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の内燃機関において、前記主油路の潤滑油が前記第1給油路および前記第2給油路に分流するまでの油路に、前記シリンダブロックに摺動可能に嵌合するピストンに向けて潤滑油を噴射する噴射口が開口するものである。
これによれば、第1給油路での潤滑油の流量が絞り機構により制限されている分、分流するまでの油路での油圧が高められるので、噴射量を増加させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の内燃機関において、前記第1給油路の、前記絞り機構よりも下流部分と、前記シリンダ側油路とを連通させる接続油路が、前記挿通孔の前記シリンダ側結合面での開口からの加工により、前記シリンダブロックに形成されるものである。
これによれば、第1給油路とシリンダ側油路とを連通させる接続油路が挿通孔の開口からの加工により形成されるので、接続油路の形成の手間が削減される。
請求項5記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の内燃機関において、前記第1給油路は前記シリンダ側結合面に開口する有底孔により構成され、前記絞り機構は、前記シリンダ側結合面側から前記第1給油路に挿入されたオリフィスにより構成され、前記第1給油路の、前記オリフィスよりも下流部分と前記シリンダ側油路とが接続油路により連通するものである。
これによれば、絞り機構の構造が簡単で、有底孔からなる第1給油路への挿入が容易になる。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、オイルポンプから吐出される油量を減少させることができるので、オイルポンプを小型化でき、またオイルポンプを駆動するためのエネルギ損失を低減できる。そのうえ、絞り機構により潤滑油の流量が規定される第1給油路での必要量を小さい値に設定できるので、オイルポンプから吐出される油量を減少させながら、絞り機構による流量制限により生じた余剰の潤滑油を第2給油路に潤沢に流通させて、潤滑効果を向上させることができる。また、絞り機構の取付や形成が容易化される。
請求項2記載の発明によれば、第1給油路での潤滑油の流量を規定するために、シリンダブロックおよびクランクケースにおける潤滑油路構造が簡素化されるので、コストが削減される。
請求項3記載の発明によれば、噴射口からの潤滑油の噴射量が増加するので、ピストンの冷却効果および潤滑効果が向上する。
請求項4記載の発明によれば、接続油路の形成が容易になり、コストが削減される。
請求項5記載の発明によれば、絞り機構の構造が簡単で、シリンダブロックへの絞り機構の取付が容易であるので、コストが削減される。
以下、本発明の実施形態を図1〜図10を参照して説明する。
図1,図2を参照すると、本発明が適用された内燃機関Eは、動力伝達装置と共に車両としての自動二輪車に搭載される。前記動力伝達装置は、ベルト式変速装置Mと、発進クラッチとしての遠心式クラッチCと、減速機構Rと、該減速機構Rからの動力を駆動輪としての後輪に伝達する終減速機構(図示されず)とを備える。ここで、内燃機関E、変速装置M、クラッチCおよび減速機構Rは、車体に懸架されるパワーユニットを構成する。
クランク軸7の回転中心線L1が左右方向を指向する横置き配置される内燃機関Eは、空冷式の単気筒4ストローク内燃機関であり、シリンダブロック1と、シリンダ軸線L2の方向でシリンダブロック1のクランク軸7側に結合されるクランクケース2と、シリンダ軸線方向でシリンダブロック1の反クランク軸7側に結合されるシリンダヘッド3と、シリンダヘッド3に結合されるヘッドカバー4とから構成される機関本体を備える。
なお、この実施形態において、上下、前後および左右は、それぞれ、自動二輪車を基準にしたときの上下、前後および左右を意味するものとし、軸方向は、クランク軸7の回転中心線L1に平行な方向を意味し、側面視は、軸方向から見ることを意味する。また、潤滑油により潤滑される潤滑部位は潤滑油により冷却される油冷却部位でもある。
水平方向から前方斜め上方に僅かに傾斜したシリンダ軸線L2を有するシリンダブロック1には、ピストン5が往復運動可能に、かつシリンダブロック1に鋳包まれたシリンダスリーブ1aに摺動可能に嵌合し、該ピストン5がコンロッド6を介して連結されるクランク軸7は、玉軸受からなる1対の主軸受8a,8bを介してクランクケース2に回転可能に支持される。クランク軸7を収容するクランク室9を形成する左右割りのクランクケース2は、回転中心線L1に直交する平面(以下、「直交平面」という。)で二分される第1クランクケースとしての左クランクケース2aと第2クランクケースとしての右クランクケース2bとから構成される。
図3を併せて参照すると、シリンダヘッド3は、スタッドボルトからなるヘッドボルトとしての複数、ここでは4つのボルト10(図3にはそのうちの2本が示されている。)によりクランクケース2にシリンダブロック1と共締めされる。各ボルトは、シリンダブロック1およびシリンダヘッド3に形成された挿通孔Hに挿通されてクランクケース2にねじ込まれている。
シリンダヘッド3には、シリンダ軸線方向でピストン5と対向する燃焼室11と、燃焼室11に開口する吸気ポート12および排気ポート13とが形成され、点火栓14が装着される。そして、シリンダヘッド3に設けられる吸気弁15および排気弁16は、伝動機構17を介して伝達されるクランク軸7の動力により回転駆動されるカム軸18aを備える動弁装置18により、クランク軸7の回転に同期して、吸気ポート12および排気ポート13をそれぞれ開閉する。
シリンダヘッド3により形成される動弁室19に収容される動弁装置18は、シリンダヘッド3に玉軸受からなる1対の軸受20a,20bを介して回転可能に支持されるカム軸18aと、カム軸18aに設けられる吸気カム18bおよび排気カム18cによりそれぞれ駆動されて揺動する吸気ロッカアーム18dおよび排気ロッカアーム18eとを備える。伝動機構17は、クランク軸7の軸端部7aに設けられる駆動スプロケット17aと、カム軸18aの軸端部に設けられる被動スプロケット17bと、両スプロケット17a,17bに掛け渡される無端のチェーン17cとから構成される。チェーン17cは、シリンダブロック1、シリンダヘッド3、ヘッドカバー4および左クランクケース2aにより形成されるチェーン室21に収納される。
左クランクケース2aとクランクケースカバー22とにより形成される収納室23には、左クランクケース2aを貫通して左方に突出する軸端部7aと、該軸端部7aに取り付けられる交流発電機24と、始動モータ25により駆動される始動用被動ギヤ26とが収納される。収納室23には駆動スプロケット17aも収納されて、収納室23の一部分はチェーン室21を兼ねる。
右クランクケース2bには、変速装置MおよびクラッチCが収納される伝動室31を形成する伝動ケース30が結合される。伝動ケース30は、右クランクケース2bに多数のボルトにより結合される左伝動ケース30aと、左伝動ケース30aの右方に多数のボルトにより結合される右伝動ケース30bとから構成される。
右クランクケース2bと左伝動ケース30aとにより形成される収納室32には、右クランクケース2bを貫通して右方に突出するクランク軸7の軸端部7bと、クランク軸7の動力を変速装置Mに伝達する伝達機構としての減速機構33とが収納される。減速機構33は、クランク軸7と一体回転可能に設けられる駆動ギヤ33aと、該駆動ギヤ33aに噛合すると共に変速装置Mの駆動軸38に一体回転可能に設けられる被動ギヤ33bとから構成される。
図2を参照すると、内燃機関Eの吸気装置は、エアクリーナからの吸入空気の流量を制御するスロットル弁26aが設けられるスロットルボディ26と、スロットルボディ26とシリンダヘッド3とを接続するゴム材からなる吸気管27とを備える。前記エアクリーナとスロットルボディ26と吸気管27とにより形成される吸気通路を流通する吸入空気に燃料を供給する燃料噴射弁28がスロットルボディ26に取り付けられる。燃料噴射弁28から吸気ポート12を指向して噴射された燃料は、吸入空気と混合して混合気を形成し、吸気ポート12を経て燃焼室11に流入して、燃焼室11で点火栓14により点火されて燃焼する。そして、発生する燃焼ガスの圧力により駆動されて往復運動するピストン5がコンロッド6を介してクランク軸7を回転駆動する。燃焼ガスは、排気ガスとして排気ポート13を経て排気管を備える排気装置を通じて内燃機関Eの外部に排出される。
図1,図2を参照すると、シリンダブロック1およびクランクケース2の右方に配置される変速装置Mは、前記動力伝達装置の構成要素である減速機構33を介して伝達されるクランク軸7の動力により駆動される駆動軸38に一体回転可能に支持される可変式駆動プーリ35と、被動軸39に回転可能に支持されてクラッチCを介して被動軸39に一体回転可能に連結される可変式被動プーリ36と、駆動プーリ35および被動プーリ36に掛け渡される無端のVベルトからなるベルト37と、変速装置Mの変速比を制御する変速比制御手段とを備える。ここで、駆動軸38はクランク軸7の動力が入力される変速装置Mの入力軸であり、被動軸39は変速後の動力が出力される変速装置Mの出力軸である。
駆動プーリ35は、駆動軸38に相対移動不能に結合される固定プーリ半体35aおよび該固定プーリ半体35aに対して駆動軸38の回転中心線方向に移動可能な可動プーリ半体35bから構成される。被動プーリ36は、クラッチCの入力部材42aと一体回転可能な固定プーリ半体36a、および該固定プーリ半体36aにトルクカム41を介して被動プーリ36または被動軸39の回転中心線方向に移動可能にかつ僅かに相対回転可能に連結される可動プーリ半体36bから構成される。
前記変速比制御手段は、駆動軸38に固定されたカムプレート40aにより軸方向での位置が変更される複数の遠心ウエイト40bと、被動軸39と同軸に配置されて可動プーリ半体36bにベルト37を締め付ける方向の弾発力を作用させるバネ40cとを備える。駆動プーリ35においては、クランク軸7の回転速度に応じて発生する遠心力でカムプレート40aに案内されて移動する各遠心ウエイト40bにより押圧される可動プーリ半体35bが軸方向に移動して、巻掛け半径が変更される。このとき発生するベルト37の張力の変化により、被動プーリ36においては、可動プーリ半体36bがバネ40cの弾発力に抗して、またはその弾発力により、軸方向に移動して巻掛け半径が変更されて、変速装置Mの変速比が、機関回転速度に応じて自動的に変更される。
変速装置Mで変速されたクランク軸7の動力の、減速機構Rへの伝達および遮断を行うクラッチCは、クラッチウエイト42cを揺動可能に支持する入力部材42aと、被動軸39に一体回転可能に結合される出力部材42bとを備える。クラッチCは、固定プーリ半体36aと一体に回転する入力部材42aが内燃機関Eのアイドリング回転速度に対応する回転速度を越えて回転するとき、クラッチバネ42dの弾発力に抗して遠心力により飛開して出力部材42bを押圧するクラッチウエイト42cを介して、入力部材42aおよび出力部材42bが一体に回転する接続状態になる。
減速機構Rは、被動軸39と一体に回転する入力ギヤ44aと、入力ギヤ44aに噛合すると共に出力取出軸43に回転可能に支持される第1中間減速ギヤ44bと、被動軸39に回転可能に支持されると共に第1中間減速ギヤ44bと噛合する第2中間減速ギヤ44cと、出力取出軸43に一体回転可能に支持されると共に第2中間減速ギヤ44cと噛合する出力ギヤ44dとから構成される。出力取出軸43には、自動二輪車の後輪を駆動するために、例えばチェーン式伝動機構の駆動スプロケットを備える前記終減速機構が連結される。
内燃機関Eには、始動手段として、始動モータ25のほかに、該始動モータ25と択一的に使用されるキックスタータ機構45が備えられる。キックスター機構45は、運転者により操作されるキックペダルが結合されるキック軸45aと、キック軸45aに回転可能に支持される始動用駆動ギヤ45cと、キックペダルによる始動操作によりキック軸45aと共に回転しながら軸方向に移動して駆動ギヤ45cのラチェットに噛合可能なラチェットを有するクラッチ体45bと、出力取出軸43および被動軸39に回転可能に支持されて互いに噛合する第1,第2アイドルギヤ45d,45eおよび始動用被動ギヤとしての駆動ギヤ33aから構成される始動用増速ギヤ列と、キックペダルの解放時にキック軸45aを元の位置に戻す戻しバネ45fとを備える。そして、始動操作時、キック軸45aの回転が、クラッチ体45bから駆動ギヤ45c、両アイドルギヤ45d,45eおよび駆動ギヤ33aを介してクランク軸7に伝達される。
駆動軸38、被動軸39、出力取出軸43およびキック軸45aは、いずれも回転中心線L1に平行な回転中心線を有する。そして、駆動軸38は、両軸端部で、右クランクケース2bおよび右伝動ケース30bにそれぞれ軸受46a,46bを介して回転可能に支持され、中間部で、被動ギヤ33bおよび後述するオイルポンプ駆動用駆動ギヤと駆動プーリ35との間において軸受46cを介して左伝動ケース30aに回転可能に支持される。また、被動軸39は、両軸端部で、左クランクケース2aおよび右伝動ケース30bにそれぞれ軸受47a,47bを介して回転可能に支持され、中間部で、第2中間減速ギヤ44cおよび第2アイドルギヤ45eとの間において軸受47cを介して右クランクケース2bに回転可能に支持される。さらに、出力取出軸43は、両軸端部で、それぞれ左クランクケース2aおよび右クランクケース2bにそれぞれ軸受48a,48bを介して回転可能に支持され、キック軸45aは、クランクケース2および左伝動ケース30aに摺動可能に嵌合して回転可能に支持される。
また、減速機構Rはクランク室9の一部分である後部により構成されるギヤ室49に配置され、該ギヤ室49は、キック軸45aが配置される部分を通じて、第1,第2アイドルギヤ45d,45eが収納される収納室32に通じている。
図2〜図4を参照すると、内燃機関Eに備えられる潤滑系統は、所定レベルの油面A(図2,図3参照)を形成する潤滑油が溜められる油溜部50と、油溜部50から吸入した潤滑油を吐出するオイルポンプ54と、潤滑油を導く多数の油路からなる潤滑油路構造とから構成される。
左右のクランクケース2a,2bおよび左伝動ケース30aに跨って設けられる油溜部50は、鋳造により成形されるこれらケース2a,2b,30aの底部2a1,2b1,30a1により構成される。油溜部50には、オイルポンプ54に吸入される潤滑油が取り入れられる取入部51が油面A下に設けられる。シリンダ軸線方向でクランク軸7と重なる位置、この実施形態ではクランク軸7の真下に位置する取入部51により形成される油室52は、底部2a1に設けられる潤滑油の取入口52a1を有すると共に両底部2a1,2b1に跨って設けられる上流側油室52aと、両底部2b1,30a1に跨って設けられる下流側油室52bとに仕切られる。オイルストレーナ53が配置されると共に上流側油室52aよりも小さい容積の下流側油室52bは、油孔52cを通じて上流側油室52aと連通する。
シリンダ軸線方向でクランク軸7と駆動軸38との間に位置すると共にトロコイドポンプからなるオイルポンプ54は、ポンプ軸54aと、ポンプ軸54aにより回転駆動されると共にポンプ室を形成するロータ54cを収容するポンプボディ54bとを備える。ポンプ軸54aは、変速装置Mの駆動軸38に設けられる駆動ギヤ55aと、ポンプ軸54aに設けられて駆動ギヤ55aと噛合する被動ギヤ55bとから構成されるポンプ駆動用伝動機構55を介して伝達されるクランク軸7の動力により回転駆動される。右クランクケース2bに取り付けられるポンプボディ54bには、オイルストレーナ53を通過した潤滑油を前記ポンプ室に導く吸入ポート54dと、該ポンプ室から吐出された潤滑油を吐出油路57に導く吐出ポート54eとが設けられる。そして、伝動機構55およびオイルポンプ54は収納室32に配置される。
図3,図4に示されるように、右クランクケース2bには、下流側油溜室52bの潤滑油を吸入ポート54dに導く吸入油路56と、吐出ポート54eからの潤滑油が流入する吐出油路57と、吐出油路57からの潤滑油が流入する主油路60とが設けられる。それゆえ、内燃機関Eが運転されて駆動されたオイルポンプ54は、油溜部50から吸入油路56を介して吸入した潤滑油を、吐出油路57を介して主油路60に吐出する。
吐出油路57の下流端に連通すると共に右クランクケース2bおよび左伝動ケース30aに跨る主油路60は、鋳抜きにより設けられて両ケース2b,30aのそれぞれの結合面2b2,30a2に開口する有底孔が合わさって構成される。そして、主油路60は、直上流の油路および直下流の油路に比べて通路面積が拡大された油路である拡大油路であり、高圧の潤滑油を貯留する貯留室としての機能を有し、オイルポンプ54から吐出される潤滑油の油量の変動を緩和して、下流側油路への潤滑油の供給を安定化させる。
主油路60には、右クランクケース2bに設けられる油路61および左伝動ケース30aに設けられる油路62が、いずれも上流端で連通する。このため、主油路60は油路61および油路62に分岐し、主油路60の潤滑油が油路61および油路62に分流する。
図3,図5〜図7を参照すると、油路61は、シリンダブロック1と右クランクケース2bとの互いの結合面1c,2b3のうちの1つであるケース側結合面2b3に開口し、該結合面2b3にて、シリンダブロック1に設けられる円孔からなる有底孔により構成される第1給油路としての油路63と、右クランクケース2bにおいて結合面2b3に設けられる溝から構成される油路64とに分岐する。このため、主油路60の潤滑油は、油路61を流通して、結合面2b3にて油路63と油路64とに分流する。
そして、主油路60の潤滑油が油路63および油路64に分流するまでの油路61に、ピストン5を冷却するための潤滑油を噴射する噴出口61aが開口する(図6参照)。噴出口61aは、ピストン5の裏面を指向して油路の潤滑油を上方に向かって噴射し、ピストン5を冷却した後の潤滑油は、両主軸受8a,8b(図1参照)の潤滑に供される。
図3,図5,図7を参照すると、シリンダ側結合面1cに開口する油路63には、その開口63aを通じて結合面1c側から挿入されて取り付けられた絞り機構としてのオリフィス90が設けられる。油路63内でシリンダブロック1に固定されるオリフィス90は、油路63での潤滑油の流量を規定する計量孔90aを有する。油路63は、オリフィス90よりも下流部分63bの長さがオリフィス90の長さよりも短くなる長さで、シリンダ軸線L2および後述する挿通孔Haに平行に、結合面1cからシリンダヘッド3に向かって直線状に延びて、その全体が側面視で挿通孔Haと重なる(図3参照)。そして、下流部分63bの径は、計量孔90aの径よりも大きい。また、油路63がシリンダブロック1に一体成形される冷却フィン1eの基部付近に位置することにより(図7参照)、油路63の潤滑油が冷却フィン1eを通じての放熱により効果的に冷却される。ここで、挿通孔Haは、挿通孔Hにおいてシリンダブロック1に設けられる部分である。
油路63は、シリンダブロック1に設けられて4つのボルト10の1つであるボルト10aが挿通される挿通孔Haにより構成されるシリンダ側油路65に接続油路66を介して連通する。シリンダブロック1に設けられて油路63とシリンダ側油路65とを連通させる接続油路66は、その上流端66aで下流部分63bにオリフィス90の直下流で連通し、上流端66aよりもシリンダ軸線方向で結合面1cに近い位置にある下流端66bで、シリンダ側油路65に連通する。図5(B)に示されるように、油路63およびシリンダ側油路65に交差する直線状の孔により構成される接続油路66の延長上には挿通孔Haの結合面1cでの開口Ha1が位置し、該接続油路66は、開口Ha1からのドリル95(図5(B)中に二点鎖線で示される)などを使用した機械加工により形成される。
図1,図3を参照すると、オリフィス90により規定された流量の潤滑油が流通するシリンダ側油路65は、シリンダヘッド3に設けられるヘッド側油路67に連通する。シリンダ側油路65と同様に、挿通孔Hにおいてシリンダヘッド3に設けられる部分の挿通孔Hbにより構成されるヘッド側油路67は、シリンダヘッド3にヘッド側油路67に交差して設けられる孔から構成される油路68を介して、シリンダヘッド3に設けられて動弁室19に開放する凹部により形成される油路69に連通する。該油路69には、カム軸18aに設けられる軸内油路70の上流端が軸端部で開口する。そして、油路69の潤滑油は軸内油路70に流入して、吸気カム18bおよび排気カム18cのカム面にそれぞれ開口する油孔から噴出して、カム18b,18cとロッカアーム18d,18eとの摺接部や軸受20a,20bをはじめとする動弁装置18の摺動部および吸気弁15および排気弁16の摺動部などの動弁室19における各潤滑部位の潤滑に供せられる。ここで、軸内油路70は、動弁室19の左側の室壁を構成するヘッドカバー4をシリンダヘッド3に結合するボルト96が挿通される挿通孔により構成される。
動弁室19における各潤滑部位を潤滑した後の潤滑油は、シリンダヘッド3、シリンダブロック1および左クランクケース2aに形成された戻り油路としても機能するチェーン室21を経て、収納室23内の潤滑部位、例えばチェーン17c、駆動スプロケット17a、被動ギヤ26などの潤滑部位を潤滑し、さらに交流発電機24など冷却を兼ねる潤滑部位を潤滑した後に油溜部50に帰還する。そして、油溜部50において、収納室23の潤滑油は左クランクケース2aに設けられた油路59(図2参照)を経てクランク室9に流入し、その後、取入部51に流入する。
図7を参照すると、シリンダ孔1hに沿って延びる油路64は、シリンダ軸線方向から見て前記直交平面に平行な方向で挿通孔Haと対向すると共に4つのボルト10のうちのボルト10bの挿通孔Hの付近まで上方に延びている。併せて図3,図8を参照すると、油路64は、上流端が結合面2b3に開口して油路64と連通すると共に下流端が右クランクケース2bの結合面2b2に開口する油路71に連通する。油路71は、左伝動ケース30aの右クランクケース2bとの結合面30a3に設けられた溝からなる油路72に、油路64,71からの潤滑油の流量を規定する絞り機構としてのオリフィス91を介して連通する。オリフィス91は、両結合面2b2,30a3を貫通して右クランクケース2bと左伝動ケース30aとに跨るように配置され、油路71および油路72とを連通するように右クランクケース2bおよび左伝動ケース30aに取り付けられる。
図3を参照すると、油路72は、右クランクケース2bに結合面2b2に開口して設けられて右クランクケース2bを軸方向に平行に貫通する貫通孔からなる油路73に連通する。図2を参照すると、油路73は、左クランクケース2aの結合面2a2に設けられてクランク室9に沿って延びる溝から構成される油路74に連通する。油路74は、クランク室9の上部に沿って、シリンダ軸線方向で主油路60(図3参照)と重なる位置にある上流端から、上下方向でクランク室9とブリーザ室97との間を通り、シリンダ軸線方向で減速機構33の被動軸39と重なる位置にある下流端まで延びている。
図2,図9,図10を参照すると、油路74の下流端は、左クランクケース2aおよび右クランクケース2bに跨って設けられる油路75に連通する。この油路75も、前述の拡大油路であり、高圧の潤滑油を貯留する貯留室としての機能を有し、油路74からの潤滑油の油量の変動を緩和して、下流側の油路への潤滑油の供給を安定化させる。油路75の上流部は、左クランクケース2aに設けられる油路76に連通し、油路76は、左クランクケース2aに設けられて凹部により形成される油路77に連通し、該油路77に被動軸39に設けられる軸内油路78が開口する(図1も参照)。そして、油路77の潤滑油は、軸内油路78に流入して、ギヤ室49内や収納室32内の各潤滑部位、具体的には、減速機構Rの中間減速ギヤ44cや第2アイドルギヤ45eなどの摺動部の潤滑および該摺動部から流出して各ギヤ44a〜44d,45d,45eの噛合部や軸受47a,47cなどの潤滑に供給される。
また、油路75の下流部は、右クランクケース2bに設けられる油路79に連通し、該油路79は、右クランクケース2bに設けられる凹部により形成される油路80に連通し、該油路80には出力取出軸43に設けられる軸内油路81が径方向で開口する。図1を併せて参照すると、油路80の潤滑油は、軸内油路81に流入して、ギヤ室49内や収納室32内の各潤滑部位、具体的には、減速機構Rの中間減速ギヤ44bや軸受48bや第1アイドルギヤ45dなどの摺動部の潤滑および該摺動部から流出して各ギヤ44a〜44d,45d,45cの噛合部や軸受48aなどの潤滑に供給される。
したがって、オリフィス91により規定された流量の潤滑油が流通する油路72〜75は、前記動力伝達装置の潤滑部位に供給される潤滑油を導く油路である。
図1を参照すると、油路62(図3も参照)は、接続管92により形成される接続油路82を介してクランク軸7に設けられる軸内油路83に連通する。接続管92は、クランク軸7の軸端部7bにおいて軸内油路83内に相対回転可能に嵌合されると共に、左伝動ケース30aにおいて油路62の下流端が開口する部分にバネ98に付勢されて当接することにより、クランク軸7および左伝動ケース30aに接続される。
軸内油路83の一部は、クランクウェブ7cと環状のプレート93とで形成される油室84に流入し、該油室84からコンロッド6がニードル軸受からなる軸受94を介して連結されるクランクピン7d内に設けられた油孔85を通じて、軸受94に潤滑油が供給される。また、油室84の潤滑油は、プレート93に設けられた孔を通じて主軸受8b、さらに主軸受8bを通過して収納室32に供給されて、駆動ギヤ33aなどの潤滑に供される。
このように、主油路60の潤滑油は、先ず、油路63および油路64に潤滑油を導く共通給油路としての油路61と、クランク室9内の潤滑部位に潤滑油を供給するための油路62とに分流する。そして、主油路60からの潤滑油が導かれる油路61の潤滑油は、結合面2b3にて、油路63と、潤滑油を前記動力伝達装置の減速機構Rの潤滑部位に導く油路64とに分流する。それゆえ、主油路60の潤滑油は、ヘッド側油路67を介してシリンダヘッド3の動弁装置18や吸気弁15・排気弁16などにおける潤滑部位に供給される潤滑油が流通するシリンダ側油路65に潤滑油を導く第1給油路としての油路63と、シリンダ側油路65以外の油路である非シリンダ側油路に潤滑油を導く第2給油路とに分流する。ここで、第2給油路は、この実施形態では、前記動力伝達装置における潤滑部位にオリフィス90により規定された流量の潤滑油が流通する第1分岐給油路としての油路64,71,72と、クランク軸7およびピストン5など、シリンダブロック1およびクランクケース2に設けられる部材の潤滑部位に潤滑油を導く第2分岐給油路としての油路62により構成される。そして、この実施形態では、第1給油路はシリンダブロック1のみに設けられる一方、第2給油路は、クランクケース2および伝動ケース30のみに設けられる。
そして、主油路60の潤滑油が導かれる給油路を3つの給油路に分けたとき、第1給油路および第1分岐給油路は、それぞれオリフィス90,91により潤滑油の流量が規定される給油路であり、第2給油路は、オリフィスにより潤滑油の流量が規定されない給油路である。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
主油路60の潤滑油は、シリンダ側油路65に潤滑油を導く第1給油路である油路63と、シリンダ側油路65以外の非シリンダ側油路に潤滑油を導く第2給油路を構成する油路62,64とに分流し、油路63での潤滑油の流量を規定するオリフィス90が、結合面1c側からの取付が可能に設けられることにより、主油路60からの潤滑油が分流する油路63と油路62,64のうち、シリンダヘッド3の潤滑部位に供給される潤滑油が流通する油路63の流量、したがってシリンダ側油路65の流量がオリフィス90により規定されることで、油路63、したがってシリンダ側油路65には、必要量を越える量の潤滑油が流通しないので、オイルポンプ54から吐出される油量を減少させることができて、その分、オイルポンプ54から吐出される油量を減少させることができるので、オイルポンプ54を小型化でき、またオイルポンプ54を駆動するためのエネルギ損失を低減できて燃費が改善される。そのうえ、シリンダヘッド3の潤滑部位での潤滑油の必要量が比較的一定していて、潤滑油の不足が生じないようにするためのマージン量を小さくできるため、オリフィス90により潤滑油の流量が規定される油路63での必要量を小さい値に設定できるので、オイルポンプ54から吐出される油量を減少させながら、オリフィス90による流量制限により生じた余剰の潤滑油を油路62,64に潤沢に流通させて、潤滑効果を向上させることができる。また、オリフィス90は結合面1c側からの取付が可能であるので、オリフィス90の取付が容易になる。
さらに、非シリンダ側油路に潤滑油を導く油路62,64のうち、前記第1分岐給油路での潤滑油の流量がオリフィス91により規定されることにより、該第1分岐給油路、ひいては油路74,75では、前記動力伝達装置の減速機構Rおよび増速ギヤ列での必要量を越える量の潤滑油が流通しないので、オイルポンプ54の小型化およびオイルポンプ54を駆動するためのエネルギ損失の低減が促進される。さらに、オイルポンプ54から吐出される油量を減少させながら、両オリフィス90,91による流量制限により生じた余剰の潤滑油を油路62に潤沢に流通させることができる。
主油路60の潤滑油は、シリンダブロック1に設けられる油路63と、クランクケース2に設けられる油路64とに、結合面2b3にて分流し、オリフィス90は油路63に設けられることにより、油路63およびオリフィス90がシリンダブロック1に、主油路60および第2給油路を構成する油路62,64がクランクケース2に振り分けて設けられる。この結果、油路63での潤滑油の流量を規定するために、シリンダブロック1およびクランクケース2における潤滑油路構造が簡素化されるので、コストが削減される。
主油路60の潤滑油が油路63および油路62,64に分流するまでの油路61に、シリンダブロック1に摺動可能に嵌合するピストン5に向けて潤滑油を噴射する噴射口61aが開口することにより、油路63での潤滑油の流量がオリフィス90により制限されている分、分流するまでの油路61での油圧が高められるので、噴射口61aからの噴射量を増加させることができて、ピストン5の潤滑効果および冷却効果が向上する。
油路63の、オリフィス90よりも下流部分63bと、シリンダ側油路65とを連通させる接続油路66が、挿通孔Haの結合面1cでの開口Ha1からの加工により、シリンダブロック1に形成されるので、接続油路66の形成の手間が削減される。この結果、接続油路66の形成が容易になり、コストが削減される。
油路63は結合面1cに開口する有底孔により構成され、潤滑油の流量を規定する絞り機構は、結合面1c側から油路63に挿入されたオリフィス90により構成され、油路63の、オリフィス90よりも下流部分63bとシリンダ側油路65とが接続油路66で連通することにより、オリフィス90の構造が簡単で、有底孔からなる油路63への挿入が容易になる。この結果、絞り機構の構造が簡単で、シリンダブロック1への絞り機構の取付が容易であるので、コストが削減される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
絞り機構は、第1給油路および第2給油路のいずれか一方に設けられればよく、前記実施形態とは異なり、第1給油路に設けられることなく、第2給油路に設けられて、第2給油路での潤滑油の流量、したがって非シリンダ側油路を流通する潤滑油の流量を規定してもよい。
第1給油路は、主油路60に互いに独立して連通する複数の油路により構成されてもよく、またクランクケース2内で分岐してもよい。
第1給油路は、シリンダブロック1において、結合面1cから一直線状に設けられて挿通孔Haに達する貫通孔により構成され、オリフィス90が結合面1c側から該第1給油路に挿入されてもよい。また、第1給油路が結合面1cに設けられる溝により構成され、オリフィス90が結合面1c側から該第1給油路に嵌合して取り付けられてもよい。
オリフィス90は、機械加工などによる結合面1cからの加工により、シリンダブロック1に直接形成されてもよく、さらに第1給油路が結合面1cから一直線状に設けられて挿通孔Haに達する貫通孔により構成されてもよい。
油路63および油路64での潤滑油の分流は、結合面2b3以外、例えばシリンダ側結合面1c、クランクケース2の内部またはシリンダブロック1の内部で行われてもよく、その場合には、オリフィス90が結合面2b3側からの挿入により取り付けられてもよく、またはオリフィス90が結合面2b3からの機械加工などによる加工により、クランクケース2に直接形成されてもよい。
内燃機関は、シリンダヘッドがシリンダブロックに一体成形されたものであってもよく、また多気筒内燃機関であってもよい。また、変速装置は歯車式変速装置であってもよい。
本発明が適用された内燃機関の、図3の概ねI−I線での断面図である。 図1の概ねII−II線での断面図および矢視図であり、シリンダブロックおよびシリンダヘッドについてはシリンダ軸線を含む平面での断面図、クランクケースの伝動ケースとの結合面での矢視図である。 図1の概ねIII−III線での断面図および矢視図であり、シリンダブロックおよびシリンダヘッドについてはヘッドボルトの軸線を含む平面での断面図、クランクケースについては結合面での矢視図である。 図3の概ねIV−IV線での要部断面図である。 (A)は、図3の概ねV−V線での要部断面図であり、(B)は、シリンダブロックがクランクケースに結合される前の(A)の要部の図である。 図1の概ねVI−VI線での要部矢視図である。 図3の概ねVII−VII線での一部を断面で示す要部矢視図である。 油路付近については、図7の概ねVIIIa−VIIIa線での要部断面図であり、その他は、概ねVIIIb−VIIIb線での内燃機関の要部断面図である。 図2の概ねIX−IX線での内燃機関の要部断面図である。 図1の概ねX−X線での要部矢視図である。
符号の説明
1…シリンダブロック、2…クランクケース、3…シリンダヘッド、30…伝動ケース、50…油溜部、54…オイルポンプ、60…主油路、63…油路、65…シリンダ側油路、66…接続油路、90…オリフィス、E…内燃機関。

Claims (5)

  1. クランクケースと、クランクケースにボルトにより結合されるシリンダブロックと、シリンダヘッドと、潤滑油路構造とを備える内燃機関であって、前記潤滑油路構造が、前記クランクケースに設けられてオイルポンプからの潤滑油が流入する主油路と、前記シリンダブロックに設けられて前記ボルトが挿通される挿通孔により構成されるシリンダ側油路とを有し、前記主油路の潤滑油が前記シリンダ側油路を流通して前記シリンダヘッドの潤滑部位に供給される内燃機関において、
    前記主油路の潤滑油は、前記シリンダ側油路に潤滑油を導く第1給油路と、前記シリンダ側油路以外の油路に潤滑油を導く第2給油路とに分流し、前記第1給油路での潤滑油の流量を規定する絞り機構が、前記クランクケースと前記シリンダブロックとの互いの結合面であるケース側結合面およびシリンダ側結合面の少なくとも一方の結合面側からの取付または形成が可能に設けられることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記主油路の潤滑油は、前記シリンダブロックに設けられる前記第1給油路と、前記クランクケースに設けられる前記第2給油路とに、前記ケース側結合面にて分流し、前記絞り機構は前記第1給油路に設けられることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記主油路の潤滑油が前記第1給油路および前記第2給油路に分流するまでの油路に、前記シリンダブロックに摺動可能に嵌合するピストンに向けて潤滑油を噴射する噴射口が開口することを特徴とする請求項2記載の内燃機関。
  4. 前記第1給油路の、前記絞り機構よりも下流部分と、前記シリンダ側油路とを連通させる接続油路が、前記挿通孔の前記シリンダ側結合面での開口からの加工により、前記シリンダブロックに形成されることを特徴とする請求項2または3記載の内燃機関。
  5. 前記第1給油路は前記シリンダ側結合面に開口する有底孔により構成され、前記絞り機構は、前記シリンダ側結合面側から前記第1給油路に挿入されたオリフィスにより構成され、前記第1給油路の、前記オリフィスよりも下流部分と前記シリンダ側油路とが接続油路により連通することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の内燃機関。

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