JP2007167970A - 移動式ショットブラスト装置および該装置を用いる移動式ショットブラストシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】石やタイル張りされた浴室の床面を自在に走行して滑り止め加工するにあたり、作業性および安全性を向上させることができる移動式ショットブラスト装置を提供する。
【解決手段】ショット投射手段Bとショット回収管Cとを概略V字状に接合して自走装置Aに装着し、前記ショット投射手段のショット供給口と前記ショット回収管のショット排出口とのあいだに、床面に投射したショットと異物とを相互に分離する分離装置Dを配設している移動式ショットブラスト装置であって、前記ショット回収管が、前進方向へ上り勾配状に所定の角度傾斜する傾斜部31、該傾斜部から垂直方向に延びる垂直部32および該垂直部から前記ショット排出口につながる連結部34から構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は移動式ショットブラスト装置および該装置を用いる移動式ショットブラストシステムに関する。さらに詳しくは、石やタイル張りされた浴室の床面を自在に走行して滑り止め加工を行なう移動式ショットブラスト装置および該装置を用いる移動式ショットブラストシステムに関する。
一般に、銭湯や、旅館などの浴室では、洗い場の床面を石やタイル張りにされているところが多い。この石やタイルが濡れていると、滑りやすいため、歩行のバランスを崩しやすく、安全上好ましくない。そこで、かかる滑り止め加工においては、薬品を用いると、滑り止め効果が持続しないとともに環境上好ましくないため、石やタイルにショット(鋼球などの投射材)を投射して、表面に凹凸を形成するのが好ましい。この滑り止め加工装置として、たとえば、ショット投射装置とショット回収ケース装置とを概略V字状に接合し、ショット回収ケース装置(回収管)のショット排出口とショット投射装置のショット供給口とのあいだに、ショットと粉塵とを相互に分離する分離機構を付設したショット貯蔵タンクを配設し、さらにショット貯蔵タンクを可撓性ダクトを介して集塵機に連通させて、自走可能にしたショットブラスト装置を用いることができる(特許文献1、特許文献2)。この装置は、床面上を移動し、かつ床面にショットを投射するとともに投射したショットを回収しながら床面を処理することができるため、環境上とともに作業性においても好ましい。また、このショットブラスト装置においては、ショット投射装置とショット回収ケース装置の接続開口部にシール部材が上下動可能に設けられており、投射されたショットが外部に飛び出さないようにされている。
特開昭57−8075号公報 特開平8−25222号公報
従来のショットブラスト装置を浴室で使用するとなると、全体的にコンパクトにしなければならないが、単に全体形状を小さく(高さおよび幅を低く)すると、床面に反発したショットが貫流に乗って弧状のショット回収ケース装置に沿って吸引され、該装置の頂部位置の排出口から分離装置内を通過したのち、集塵機に吸引されてしまうという問題がある。
また、運転停止により、空気吸引が停止するため、最後に投射されたショットのうち、前記ショット回収管(本体)の上部のかえり部(屈曲部)にあるショットが吸引されずに、回収管(本体)に沿って床面に戻ってしまうため、床面に残留したショットを1つ1つ拾う必要がある。
さらに通常、石やタイルを損傷を与えずに凹凸加工するショットの大きさは、約1mm程度である。これに対し、前記特許文献1記載のショットブラスト装置においては、投射されたショットが外部に飛び出さないように、シール部材が上下動可能に設けられているが、このシール部材は自重により上下動可能にされているため、幅5mm×深さ5mmの目地に沿って確実に塞ぎきれずにショットが目地を通して外部に飛び出すおそれがある。
そこで、本発明は、叙上の事情に鑑み、石やタイル張りされた浴室の床面を自在に走行して滑り止め加工するにあたり、作業性および安全性を向上させることができる移動式ショットブラスト装置を提供することを目的とする。
本願の請求項1記載の発明の移動式ショットブラスト装置は、ショット投射手段とショット回収管とを概略V字状に接合して自走装置に装着し、前記ショット投射手段のショット供給口と前記ショット回収管のショット排出口とのあいだに、床面に投射したショットと異物とを相互に分離する分離装置を配設している移動式ショットブラスト装置であって、前記ショット回収管が、前進方向へ上り勾配状に所定の角度傾斜する傾斜部、該傾斜部から垂直方向に延びる垂直部および該垂直部から前記ショット排出口につながる連結部から構成されてなることを特徴としている。
また、本発明の移動式ショットブラストシステムは、請求項1記載の移動式ショットブラスト装置と、集塵機と、該移動式ショットブラスト装置における分離装置に連結される集塵口と前記集塵機とを接続する可撓性ホースとを備えてなることを特徴としている。
本発明によれば、所定の傾斜角度で床面から反発したショットを貫流の吸引とともに、傾斜部から垂直部に沿って方向変換させるため、反発後の威力が低減されたショットがショット排出口から分離装置を通して集塵機に吸収されるのが抑えられる。
また、運転停止により貫流が止まると、従来のようにショット排出口の下流位置にある弧状のかえり部に残りやすいショットが床面に戻っていたため、後作業(回収作業)が必要であったが、本発明によれば、ショット排出口につながる連結部の上流部は垂直部であり、かえり部がないため、ショット排出口付近のショットが分離装置内に確実に吸引されやすくなり、後作業をする必要がなくなる。
したがって、石やタイル張りされた浴室の床面を自在に走行して滑り止め加工するにあたり、作業性を向上させることができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の移動式ショットブラスト装置および該装置を用いる移動式ショットブラストシステムを説明する。本発明の一実施の形態にかかわる移動式ショットブラスト装置は、図1〜5に示されるように、自走装置A、ショット投射手段B、ショット回収管Cおよび分離装置Dを備えている。このショット投射手段Bとショット回収管Cとは概略V字状に接合して前記自走装置Aに装着されている。また、この移動式ショットブラスト装置においては、作業者が牽引して、浴室の石やタイル張りの床面上を誘導しやすいように、逆L字状を呈する誘導部材Eが後述する支持具3に設けられている。また、作業者が操作しやすい位置である分離装置Dの上部位置に操作盤Fが設けられているとともに、ショット投射手段Bの上部位置に制御盤Gが設けられている。また、本実施の形態における移動式ショットブラスト装置は、小型であるため、作業者により所望の場所へと自由に持ち運べるように分離装置の側面に取っ手Hが設けられている。さらに、本実施の形態における移動式ショットブラスト装置は、前記分離装置Dに連結される後述の集塵口43と集塵機(図示せず)とを可撓性ホースIにより接続することにより、床面にショットを投射するとともに投射したショットを回収しながら床面J上を移動して床面Jをブラスト処理することができる移動式ショットブラストシステムとして用いることができる。
前記自走装置Aは、ショット回収管Cの進行方向S側に配置される駆動部とショット投射手段Bの反進行方向側に配置される従動部とからなり、前記駆動部は、ショット回収管Cに対して連結部材1を介して回動部2により回動自在である支持具3に戴置されるモータ4と該モータ4により駆動される駆動輪5とを具備しており、また前記従動部は、ショット投射手段Bとショット回収管Cとの接合部材6の両側に連結される連結部材7にそれぞれ装着される従動輪8を具備している。前記接合部材6の内部のうち、ショット投射手段Bとショット回収管Cの接続開口部9の周りに、内側のゴム製のシール部材10と外側のゴム製のシール部材11とからなる2重構造のシール部が設けられている。まら、この外側のシール部材11の高さは内側のシール部材10より高く設定されている。さらに、本実施の形態では、前記接合部材6の外周部にもゴム製のシール部材12が設けられており、投射されたショットが外部に飛び出さないようにされている。
なお、本実施の形態では、ショット投射手段Bとショット回収管Cの接続開口部9の周りが2重構造のシール部材が設けられているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、2重構造のシール部材のうち、少なくとも一方のシール部材をバネや弾性ゴムなどの弾性部材により上下動可能にすることができる。これにより、シール部材には常に床面に向かって弾性部材の付勢力が作用しているため、シール部材の下端部が石やタイル張りの目地に入り込んでショットの飛び出しを確実に防ぐことができる。
前記ショット投射手段Bとして、ショット(投射材)を遠心力により投射するインペラーまたはショットをエヤ噴射により投射するノズルを用いる手段などを適宜選定することができるが、本実施の形態では、進行方向Sに対してショットを左右方向に投射することができる遠心投射手段が用いられている。すなわち、本実施の形態における遠心投射手段は、床面Jに対してほぼ60°傾斜したショット投射管21の下側壁21aに取り付けられるモータ22と、該モータ22の出力軸(図示せず)に取り付けられ、ショット供給口23から供給されるショットを遠心力により投射するインペラー(図示せず)とを具備する構成にされている。また、前記ショット供給口23には、ショットの供給開始と供給止めを行なうための、開閉板(図示せず)が配置されており、この開閉板の操作を外部から行なうために、該開閉板に操作レバー24がリンク機構25により連結されている。
前記ショット回収管Cは、前進方向Sへ上り勾配状に所定の角度傾斜する傾斜部31、該傾斜部31から垂直方向に延びる垂直部32および該垂直部32からショット排出口33につながる連結部34から構成されている。前記傾斜部31の所定の角度θとしては、通常約60°に設定することができるが、幅方向の小型化のために、約70°に設定することができる。この傾斜部31の所定の角度θを約70°に設定しても、垂直部32により床面Jから反射されたショットを垂直方向に案内したのち、ショット排出口33へと導きやすくできる。本実施の形態では、前記傾斜部31から延びる垂直部32を設けるようにしているため、床面Jから反発したショットは、貫流の吸引により、ショット回収管Cの傾斜部31から垂直部32に沿って方向変換される。このとき、ショットの反発後の威力は低減される。また、ショット排出口33付近の下流部位には、Rの面をもった板と衝撃を抑える邪魔板35が配設されている。これにより、ショット排出口33から分離装置D内に入ったショットが集塵機に吸収されるのを抑えることができる。なお、この邪魔板35の位置は、ショット排出口33から適宜の間隔であり、とくに限定されるものではない。
また、運転停止により貫流が止まると、従来のようにショット排出口の上流位置にある弧状のかえり部に吸引されずに残ったショットが床面に戻って、後作業が必要であったが、本発明によれば、ショット排出口33につながる連結部34の上流部が垂直部32であるため、ショット排出口33付近に残るショットがなくなり、後作業をする必要がない。
前記分離装置Dは、下部に配置される漏斗状のホッパー41と上部に配置される分離部42とに区画されており、前記ショット投射手段Bのショット供給口23と前記ショット回収管Cのショット排出口33とのあいだに配設されて、床面Jに投射したショットと異物とを相互に分離する。前記分離部42は、ショット排出口33から流入したショットと異物とから異物のみを選別して、集塵口43から集塵機へと吸引しやすくするために、ショット排出口33の位置より上方に離れた上部に風洞部44が設けられている。この風洞部44は吸引力を緩和し、比重の小さい異物だけを吸引し、比重の大きいショットを吸引しない作用をする。
本実施の形態では、集塵機の送風機を駆動してショット回収管内に、上方へ向かう気流を発生させた状態のもとで、ショット投射手段Bのモータ22を駆動してインペラーを高速回転させ、たとえば直径約1mmの鋼球(ショット)を投射しながら前進させる。投射されたショットは、床面Jに当たったのち跳ね返り、床面Jから剥離された異物とともに、ショット回収管C内を貫流する気流に乗って運ばれ、ショット排出口33を通して分離装置Dへと吸い込まれる。こうして、異物を含むショットは、分離装置D内に吸い込まれると、邪魔板35に衝突したのち、集塵口43から排出する気流によって異物が吸い上げられて排出される。一方、邪魔板35に吸引が妨げられたショットは、ホッパー41内に落下したのち、ショット供給口23からショット投射手段Bに流入する。そして、かかる操作を繰り返して、石やタイル張りされた浴室の床面Jを自在に走行して凹凸形状の滑り止め加工をする。また、本実施の形態では、滑り止め加工とともに、床面のヌメリを除去してきれいな表面に仕上げることができる。
本発明の一実施の形態にかかわる移動式ショットブラスト装置の正面図である。 図1の要部断面図である。 図1の底面図である。 図1の平面図である。 図1の右側面図である。
符号の説明
1 連結部材
2 回動部
3 支持具
4、22 モータ
5 駆動輪
6 接合部材
7 連結部材
8 従動輪
9 接続開口部
10、11、12 シール部材
21 ショット投射管
21a 下側壁
23 ショット供給口
24 操作レバー
25 リンク機構
31 傾斜部
32 垂直部
33 ショット排出口
34 連結部
35 邪魔板
41 ホッパー
42 分離部
43 集塵口
44 風洞部
A 自走装置
B ショット投射手段
C ショット回収管
D 分離装置
E 誘導部材
F 操作盤
G 制御盤
H 取っ手
I 可撓性ホース
J 床面

Claims (9)

  1. ショット投射手段とショット回収管とを概略V字状に接合して自走装置に装着し、前記ショット投射手段のショット供給口と前記ショット回収管のショット排出口とのあいだに、床面に投射したショットと異物とを相互に分離する分離装置を配設している移動式ショットブラスト装置であって、前記ショット回収管が、前進方向へ上り勾配状に所定の角度傾斜する傾斜部、該傾斜部から垂直方向に延びる垂直部および該垂直部から前記ショット排出口につながる連結部から構成されてなることを特徴とする移動式ショットブラスト装置。
  2. 前記ショット排出口の下流部位に邪魔板が配設されてなる請求項1記載の移動式ショットブラスト装置。
  3. 前記傾斜部の所定の角度が約70°である請求項1または2記載の移動式ショットブラスト装置。
  4. 前記分離装置の上部に風洞部が設けられてなる請求項1、2または3記載の移動式ショットブラスト装置。
  5. 前記ショット投射手段とショット回収管の接続開口部の周りに2重構造のシール部が設けられており、かつ外側のシール部材の高さが高く設定されてなる請求項1、2、3または4記載の移動式ショットブラスト装置。
  6. 前記ショット投射手段とショット回収管の接続開口部の周りに2重構造のシール部が設けられており、かつ外側のシール部材が弾性部材により上下動可能にされてなる請求項1、2、3または4記載の移動式ショットブラスト装置。
  7. 作業者が牽引して床面上を誘導しやすいように誘導部が設けられてなる請求項1、2、3、4、5または6記載の移動式ショットブラスト装置。
  8. 操作盤と制御盤を設けてなる請求項1、2、3、4、5、6または7記載移動式ショットブラスト装置。
  9. 請求項請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載移動式ショットブラスト装置と、集塵機と、該移動式ショットブラスト装置における分離装置に連結される集塵口と前記集塵機とを接続する可撓性ホースとを備えてなる移動式ショットブラストシステム。
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