次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本実施形態によるパチスロ機1の外観を示す正面図である。
パチスロ機1の本体中央部には、複数の図柄(以下、シンボルという)が外周面に描かれた3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。各リール2〜4に描かれたシンボルは、パチスロ機1の正面の表示窓5〜7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。表示窓5〜7は、各リール2〜4の外周面に描かれた複数のシンボルを表示する図柄表示部を構成している。この表示窓5〜7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技媒体であるメダルが投入されるメダル投入口8が設けられている。
遊技(ゲーム)開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入するか、後述する1貯留メダル投入ボタン26を操作すると、中央の横1本の入賞ラインL1が有効化される。また、メダル投入口8から2枚のメダルを投入するか、後述する2貯留メダル投入ボタン27を操作すると、横3本の入賞ラインL1,L2A,L2Bが有効化される。また、メダル投入口8から3枚のメダルを投入するか、後述する3貯留メダル投入ボタン28を操作すると、5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bの全てが有効化される。なお、以降有効化された入賞ラインを有効化入賞ラインという。
また、表示窓5〜7の左方には、遊技動作表示器9〜12、BETランプ13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。遊技動作表示器9〜12およびBETランプ13〜15は遊技状況に応じて点灯制御され、その時の遊技状況が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、機械内部のメダルカウンタに現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点灯する。
また、表示窓5〜7の右方には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲームの残り回数などを表示する。WINランプ19は、有効化入賞ラインに入賞組み合わせのシンボルが揃った時などに点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払出枚数などを表示する。また、インサートランプ21は、メダル投入が受付可能な時に点灯する。
また、表示窓5〜7の直ぐ下方には、液晶表示装置22が設けられている。液晶表示装置22の左側には十字キー23、「○」ボタン24、「×」ボタン25、1貯留メダル投入ボタン26、2貯留メダル投入ボタン27、および3貯留メダル投入ボタン28が設けられている。十字キー23は、上下左右の4方向のスイッチ操作を検出して、液晶表示装置22に表示される情報項目を選択する際に使用される。「○」ボタン24は十字キー23によって選択された情報項目を決定するボタンであり、「×」ボタン25は十字キー23によって選択された情報項目をキャンセルするボタンである。また、貯留メダル投入ボタン26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてメダルがクレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
また、液晶表示装置22の下方には、左側から、貯留メダル精算ボタン29、スタートレバー30および停止ボタン31,32,33が設けられている。貯留メダル精算ボタン29は、機械内部にメダルをクレジットして遊技を行うか直接メダル投入口8にメダルを投入して遊技を行うかを切り替える際と、機械内部にクレジットされている全てのメダルを払い出して精算する際とに使用される。スタートレバー30が遊技者により操作されることにより各リール2〜4の回転が一斉に開始する。停止ボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。
また、パチスロ機1の正面下部にはメダル受皿37が設けられている。このメダル受皿37はメダル払出口38から払い出されるメダルを貯めるものである。また、パチスロ機1の正面上部には、入賞成立となるシンボル組合せやこの入賞成立に対してどれだけのメダルが払い出されるかなどを示す配当表示部39が設けられており、この配当表示部39の左右には一対のスピーカ96,96が設けられている。
各リール2〜4は、図2に示す回転リールユニットとして構成されており、フレーム41にブラケット42を介して取り付けられている。各リール2〜4はリールドラム43の外周にリール帯44が貼られて構成されている。リール帯44の外周面には、複数のシンボルからなるシンボル列が描かれている。また、各ブラケット42にはステッピングモータ45が設けられており、各リール2〜4はこれらステッピングモータ45が駆動されて回転する。
各リール2〜4の構造は図3に示される。なお、同図において図2と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
同図(a)に示すように、リール帯44の背後のリールドラム43内部にはランプケース46が設けられており、このランプケース46の3個の各部屋にはそれぞれリールバックランプ47a,47b,47cが取り付けられている。これらリールバックランプ47a〜47cは、同図(b)に示すように、異なる複数の色を発光するLED47が基板48に取り付けられて構成されており、基板48はランプケース46の背面に取り付けられている。また、ブラケット42にはホトセンサ49が取り付けられている。このホトセンサ49は、リールドラム43に設けられた遮蔽板50がリールドラム43の回転に伴ってホトセンサ49を通過するのを検出する。
各リールバックランプ47a〜47cは後述するランプ駆動回路89(図6参照)によって点灯制御される。各リールバックランプ47a〜47cの点灯により、リール帯44に描かれたシンボルの内、各リールバックランプ47の前部に位置する3個のシンボルが背後から個別に照らし出され、各表示窓5〜7にそれぞれ3個ずつのシンボルが映し出される。
図4は、左,中,右の各リール2〜4のリール帯44に描かれた複数種類のシンボルが21個配列されたシンボル列を示している。各シンボルには“0”〜“20”の図柄番号(コードナンバー)が付されており、これらコードナンバーは、データテーブルとして後で説明するプログラムROM65(図5参照)に格納されている。各リール2〜4上には、“赤7”、“チェリー”、“ベル”、“スイカ”、“リプレイ”および何も書かれていない“ブランク”の6種類のシンボルで構成されるシンボル列が表されている。各リール2〜4は、シンボル列が図の矢印方向に移動するように回転駆動される。
本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「BB(ビッグボーナス)内部当籤状態」、「MB内部当籤状態」、「RB(レギュラーボーナス)遊技状態」および「CB遊技状態」がある。これら5種類の各遊技状態は、基本的に、後述する内部抽籤処理(図17,S7参照)において決定される可能性のある当籤役(内部当籤役)の種類、および、作動を実現することが可能なBBやMBなどのボーナスの種別などにより区別される。ここで当籤役とは、内部抽籤処理において決定されるものであり、この内部抽籤処理で決定された当籤役に対応するシンボルの組合せが遊技者の停止操作によって有効化入賞ライン上に実際に停止表示されると、表示役が成立する。本実施形態におけるパチスロ機1の当籤役には、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、これら3つの小役からなる「複合役」、「リプレイ(再遊技)」、「MB」、「BB」および「ハズレ」がある。
BBまたはMBのボーナスの当籤フラグは、それぞれのボーナスが当籤役として決定されてから、決定されたボーナスに対応するシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に実際に停止表示されるまでの間、次回以降の遊技に持ち越され、後述する制御RAM66(図5参照)に持越役として保持される。その他の当籤役の当籤フラグは、当籤した単位遊技においてだけ有効であり、次回以降の単位遊技には持ち越されない。なお、単位遊技とは、遊技者のスタートレバー30に対する操作に応じてリール2〜4が回転してから、遊技者の停止ボタン31〜33に対する操作に応じてリール2〜4の回転が停止し、この際に有効化入賞ライン上に揃ったシンボルの組合せに応じたメダルの払い出しが行われるまでか、次回の単位遊技の開始が許可される(次回の遊技が始まる)前までのことである。
「BB内部当籤状態」および「MB内部当籤状態」は、BBまたはMBのボーナスに内部当籤していまだそのボーナスに対応するシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に表示されずに、そのボーナスの当籤フラグが持ち越されている状態である。これらを総称して、以下「内部当籤状態(持越状態)」という。「内部当籤状態」では、当籤役として「BB」または「MB」が決定されることはない。
また、内部当籤したBBに対応するシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に表示されてBBの表示役が成立したことを契機として発生すると共に、所定の条件が成立することを条件に終了する、遊技者にとって有利な遊技を、以下「BB遊技」という。この「BB遊技」が終了する所定の条件は、本実施形態では、465枚のメダルが遊技者に払い出されることである。「BB遊技」では、遊技者にとって有利なRBゲームが行われる「RB遊技状態」が連続して発生する。RBゲームは、遊技回数12回、入賞回数8回を限度として行われる。BB作動中フラグがオンのときでは、上記の所定の条件が成立するまで、このRBゲームが連続して複数回行われるRB遊技状態になっている。
また、内部当籤したMBに対応するシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に表示されてMBの表示役が成立したことを契機として発生すると共に、所定の条件が成立することを条件に終了する、遊技者にとって有利な遊技を、以下「MB遊技」という。この「MB遊技」が終了する所定の条件は、本実施形態では、単位遊技価値のメダルが所定量の遊技価値として遊技者に付与されることである。すなわち、後述するMB作動時テーブル(図16(c)参照)で規定される1枚の単位遊技価値以上の払出枚数のメダルが単位遊技において遊技者に一度付与されると、「MB遊技」は終了することになる。「MB遊技」は、後述する第2停止制御手段により左リール2の回転の停止制御が行われる特別遊技を構成しており、この「MB遊技」では、遊技者にとって有利なCBゲームが行われる「CB遊技状態」が発生する。CBゲームでは、左リール2の停止制御が遊技者による停止ボタン31の操作タイミングだけに基づいて行われる。MB作動中フラグがオンのときでは、上記の所定の条件が成立するまで、このCBゲームが行われるCB遊技状態になっている。
また、「MB遊技」が終了すると、この「MB遊技」とは異なる遊技者にとって有利な特定遊技である「RT遊技(高確率再遊技)」が開始される(図25,S143参照)。「RT遊技」では、「一般遊技状態」における通常遊技時に比べて「リプレイ」に当籤する確率が高く設定されている(図9(b)参照)。この「RT遊技」は、遊技回数が100回に達するかBBやMBの表示役が成立することで終了する(図24,S124、図26,S158参照)。
図5および図6は、上述したパチスロ機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
図5に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定するサンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。プログラムROM65は、後述する各種テーブル(図7〜図10,図12〜図16参照)や、パチスロ機1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムなどを格納するように記憶部が区分されている。制御RAM66には、メダル投入口8へのメダル投入や貯留メダル投入ボタン26〜28によるベット操作による単位遊技におけるメダルの投入枚数を計数する投入枚数カウンタや、単位遊技におけるメダルの払出枚数を計数する払出枚数カウンタ、表示役としてリプレイが成立した単位遊技における投入枚数を一時的に記憶しておくための自動投入カウンタ、有効化される入賞ラインの本数を計数する有効ラインカウンタ、RT遊技の発生状態を示すRTフラグ(図20参照)、RT遊技におけるゲーム数を計数するRTゲーム数カウンタ(図20参照)などを記憶する領域が設けられている。
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2〜4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(BETランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)、各種表示部(遊技動作表示器9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、配当枚数表示部20)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらは、それぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ26S〜28S、および貯留メダル精算ボタン29の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ29Sがある。メダル投入口8にメダルが投入されるかまたはいずれかの貯留メダル投入ボタン26〜28が操作されると、投入メダルセンサ8Sや貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sによってベット操作が検出され(図19,S52およびS53参照)、上述したように、投入枚数に応じて入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bがそれぞれ有効化される(図19,S56参照)。また、メダルが投入された後にスタートレバー30が操作されることで、スタートスイッチ30Sから単位遊技の開始を指令する開始信号が出力され、マイコン63により当籤役が決定される。
スタートレバー30およびスタートスイッチ30Sは、メダルが投入されて遊技者のスタートレバー30に対する開始操作が行われたことに基づいて、単位遊技の開始を指令する開始信号を出力する開始信号出力手段を構成している。マイコン63は、開始信号出力手段により出力された開始信号を検知したことに基づいて、予め定められた複数の当籤役の中から抽籤により各単位遊技における当籤役を決定する当籤役決定手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、ホトセンサ49からの出力パルス信号を受けて各リール2〜4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサ49は各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサ49は各リール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびマイコン63は、開始信号出力手段により出力された開始信号を検知したことに基づいて、各リール2〜4を回転させるリール回転手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、停止ボタン31〜33が操作された時に対応するリール2〜4を停止させる停止信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、各表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。
リール停止信号回路78は、遊技者の停止ボタン31〜33に対する停止操作が行われたことに基づいて、リール回転手段により行われる各リール2〜4の回転の停止を指令する停止信号を出力する停止信号出力手段を構成している。また、ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびマイコン63は、当籤役決定手段により決定された当籤役に対応したシンボルを、後述する図柄引込量決定手段により決定される最大の引込量すなわち4コマの滑りコマ数の範囲内(図13参照)で、有効化入賞ラインによって規定される表示窓5〜7の所定領域上に引き込んで、リール2〜4の回転を停止させる制御を行う第1停止制御手段を構成していると共に、当籤役決定手段により決定された当籤役に対応したシンボルを、上記の4コマの滑りコマ数よりも少ない1コマの滑りコマ数に設定された範囲内(図13参照)で、所定領域である有効化入賞ライン上に引き込んで、リール2の回転を停止させる制御を行う第2停止制御手段をも構成している。また、ホッパー72、メダル検出部72S、ホッパー駆動回路76、払出完了信号発生回路およびマイコン63は、第1停止制御手段または第2停止制御手段により所定領域である有効化入賞ライン上に停止表示されたシンボルの組合せに基づいて、遊技者に遊技価値として所定枚数のメダルを付与する遊技価値付与手段を構成している。
また、本実施形態では、有効化入賞ライン上にMBに対応する特別のシンボルの組合せ“リプレイ−ベル−スイカ”(図7参照)が停止表示されると、特別遊技であるMB遊技が開始され、また、MB遊技が終了すると、特定遊技であるRT遊技が開始される。マイコン63は、第1停止制御手段により各リール2〜4の回転の停止制御が行われる遊技において、MBに対応する特別のシンボルの組合せ“リプレイ−ベル−スイカ”が所定領域である有効化入賞ライン上に停止表示されたことを条件に、第2停止制御手段によりリールの回転の停止制御が行われるMB遊技を発生させる特別遊技発生手段を構成していると共に、MB遊技が行われているときに、遊技価値付与手段により、所定量の遊技価値として後述するMB作動時テーブル(図16(c)参照)で規定される1枚の単位遊技価値以上のメダルが遊技者に付与されたことを条件に、このMB遊技を終了させる特別遊技終了手段をも構成している。また、マイコン63は、特別遊技終了手段によりMB遊技が終了したことを条件に、MB遊技とは異なる遊技者にとって有利なRT遊技を発生させる特定遊技発生手段を構成している。
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63は、このサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図6に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
サブ制御基板62は、メイン制御基板61からの制御信号に基づき遊技の演出処理などを行う。サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
プログラムROM83には、サブ制御基板62においてサブCPU82が制御処理を行なう際のプログラムや、演出データを決定する際に参照される演出テーブルなどが格納されている。また、制御RAM84には、パチスロ遊技に関する情報を記憶しておく作業メモリ領域が確保されている。この作業メモリ領域は、当籤役の種類を示す当籤役識別子を記憶する領域や、遊技状態を示すフラグを記憶する領域、演出テーブルによって決定される演出データである演出識別子を記憶する領域などから構成されている。これらの識別子やフラグなどの値は、メイン制御基板61から送信される種々のコマンドやサブCPU82の演算処理結果などに基づいて更新される。
マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a〜47cがある。各リールバックランプ47a〜47cの点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって点灯制御される。また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、前述した十字キー23、「○」ボタン24および「×」ボタン25がある。
また、I/Oポート87には、画像制御ワークRAM98、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)90および音源IC91が接続されている。VDP90には、キャラクタ・データが記憶されたキャラクタROM92およびカラーディスプレイ表示用バッファメモリであるビデオRAM93が接続されており、画像制御ワークRAM98も接続されている。マイコン81は、当籤フラグの種類といった情報をメイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から取り込み、取り込んだ情報などに基づいて演出識別子を決定する。そして、決定した演出識別子に応じて、液晶表示装置22に表示する演出画像を選択する。そして、VDP90を制御して選択した演出画像を液晶表示装置22に表示させる。
また、音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される情報などに基づいて、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。
次に、図7〜図16を参照して、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納されている各種テーブル、および制御RAM66内の各種格納領域などについて説明する。
図7は、後述する表示役検索処理(図17,S15参照)で用いられる表示役決定テーブルを概念的に示す図である。
同図に示すように表示役決定テーブルでは、シンボルの組合せとメダルの払出枚数と表示役とがそれぞれ対応づけられている。同図におけるシンボルの組合せの欄に表されるシンボル組合せが有効化入賞ライン上に停止表示されると、対応する表示役欄に表される表示役が決定されると共に、対応する払出枚数の欄に表される枚数のメダルが遊技者に払い出される。
同図に示すように、“チェリー−ANY−ANY”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「チェリー」の小役が表示役として決定される。このとき、メダルの投入枚数が1枚または2枚であるならば払出枚数としてメダル15枚が決定され、メダルの投入枚数が3枚であるならば払出枚数としてメダル4枚が決定される。なお、「ANY」はどのシンボルでもよいことを表す。また、“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「ベル」の小役が表示役として決定され、メダルの投入枚数にかかわらず、払出枚数としてメダル15枚が決定される。また、“スイカ−スイカ−スイカ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「スイカ」の小役が表示役として決定される。このとき、メダルの投入枚数が1枚または2枚であるならば払出枚数としてメダル15枚が決定され、メダルの投入枚数が3枚であるならば払出枚数としてメダル8枚が決定される。また、“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「リプレイ」が表示役として決定され、払出枚数としてメダル0枚が決定される。但し、「リプレイ」が表示役として決定された場合には、その単位遊技で遊技に投入された枚数と同じ枚数のメダルが、次の単位遊技で自動投入される(図26,S152参照)。また、“リプレイ−ベル−スイカ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「MB」が表示役として決定され、払出枚数としてメダル0枚が決定される。「MB」が表示役として決定された場合には、上述したように、MB遊技が作動する。また、また、“赤7−赤7−赤7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「BB」が表示役として決定され、払出枚数としてメダル0枚が決定される。「BB」が表示役として決定された場合には、上述したように、BB遊技が作動する。上記以外のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並ぶと「ハズレ」が表示役として決定され、払出枚数としてメダル0枚が決定される。
図8は、後述する内部抽籤処理(図17,S7参照)で用いられる内部抽籤テーブル決定テーブルを概念的に示す図である。
内部抽籤テーブル決定テーブルでは、上述した各遊技状態と、内部抽籤処理で用いられる内部抽籤テーブルの種別と、内部抽籤処理で実行される抽籤回数とが対応づけられている。同図に示すように、一般遊技状態における内部抽籤処理では、内部抽籤テーブルとして後述する一般遊技状態Aまたは一般遊技状態B用の一般遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、抽籤回数に“6”がセットされる。また、内部当籤状態における内部抽籤処理でも、内部抽籤テーブルとして一般遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、抽籤回数に“4”がセットされる。また、CB遊技状態における内部抽籤処理でも、内部抽籤テーブルとして一般遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、抽籤回数に“3”がセットされる。また、BB遊技中のRB遊技状態における内部抽籤処理では、内部抽籤テーブルとしてRB遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、抽籤回数に“3”がセットされる。
図9は、図8に示す内部抽籤テーブル決定テーブルが参照されて決定される内部抽籤テーブルを概念的に示す図であり、同図(a)は一般遊技状態A用内部抽籤テーブル、同図(b)は一般遊技状態B用内部抽籤テーブル、同図(c)はRB遊技状態用内部抽籤テーブルである。一般遊技状態B用内部抽籤テーブル(図9(b)参照)は、「MB遊技」が終了して「RT遊技」が行われている場合(図25,S142〜S144参照)に用いられる。
各内部抽籤テーブルは、後述する内部抽籤処理(図17,S7参照)において、当籤役を決定する際に用いられる。内部抽籤テーブルでは、乱数発生器69で発生してサンプリング回路70で抽出された所定の範囲の乱数を各当籤番号に区分けする数値データが、メダルの投入枚数毎に設定されている。
一般遊技状態A用内部抽籤テーブルは、上述したように、一般遊技状態、内部当籤状態およびCB遊技状態で用いられる一般遊技状態用内部抽籤テーブルである。同図(a)に示すように、一般遊技状態A用内部抽籤テーブルには、“0”〜“65535”の範囲の乱数を各当籤番号「1」〜「6」に区分けする抽籤値が記憶されている。
当籤番号「1」には、メダルの投入枚数が1枚のときには抽籤値“1”、メダルの投入枚数が2枚のときには抽籤値“4”、メダルの投入枚数が3枚のときには抽籤値“1024”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「1」に決定される当籤確率は、メダルの投入枚数が1枚のときは“1/65536”、メダルの投入枚数が2枚のときは“4/65536”、メダルの投入枚数が3枚のときは“1024/65536”である。
また、当籤番号「2」には、メダルの投入枚数が1枚のときには抽籤値“1”、メダルの投入枚数が2枚のときには抽籤値“4”、メダルの投入枚数が3枚のときには抽籤値“4695”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「2」に決定される当籤確率は、メダルの投入枚数が1枚のときは“1/65536”、メダルの投入枚数が2枚のときは“4/65536”、メダルの投入枚数が3枚のときは“4695/65536”である。
また、当籤番号「3」には、メダルの投入枚数が1枚のときには抽籤値“1”、メダルの投入枚数が2枚のときには抽籤値“4”、メダルの投入枚数が3枚のときには抽籤値“512”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「3」に決定される当籤確率は、メダルの投入枚数が1枚のときは“1/65536”、メダルの投入枚数が2枚のときは“4/65536”、メダルの投入枚数が3枚のときは“512/65536”である。
また、当籤番号「4」には、メダルの投入枚数が1枚〜3枚のいずれの場合にも、抽籤値“8980”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「4」に決定される当籤確率は、メダルの投入枚数にかかわらず“8980/65536”である。
また、当籤番号「5」および当籤番号「6」には、メダルの投入枚数が1枚のときには抽籤値“12”、メダルの投入枚数が2枚のときには抽籤値“24”、メダルの投入枚数が3枚のときには抽籤値“96”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「5」または「6」に決定される当籤確率は、メダルの投入枚数が1枚のときは“12/65536”、メダルの投入枚数が2枚のときは“24/65536”、メダルの投入枚数が3枚のときは“96/65536”である。
このように同図(a)に示す一般遊技状態A用内部抽籤テーブルでは、メダルの投入枚数が増えるに従って、当籤番号「4」を除く各当籤番号「1」〜「6」が決定される確率は高くなっている。
また、一般遊技状態B用内部抽籤テーブルは、上述したように、「MB遊技」が終了して「RT遊技」が行われているときに用いられる一般遊技状態用内部抽籤テーブルである。同図(b)に示すように、一般遊技状態B用内部抽籤テーブルにも、“0”〜“65535”の範囲の乱数を各当籤番号「1」〜「6」に区分けする抽籤値が記憶されている。一般遊技状態B用内部抽籤テーブルでは、当籤番号「1」〜「3」,「5」および「6」には、同図(a)に示す一般遊技状態A用内部抽籤テーブルと同じ抽籤値が割り当てられており、当籤確率もそれぞれ同じ値である。しかし、当籤番号「4」には、メダルの投入枚数が1枚〜3枚のいずれの場合にも、抽籤値“49152”が割り当てられている。内部抽籤処理において当籤番号が「4」に決定される当籤確率は、メダルの投入枚数にかかわらず“49152/65536”である。
このように同図(b)に示す一般遊技状態B用内部抽籤テーブルでも、メダルの投入枚数が増えるに従って、当籤番号「4」を除く各当籤番号「1」〜「6」が決定される確率は高くなっている。また、この一般遊技状態B用内部抽籤テーブルでは、同図(a)に示す一般遊技状態A用内部抽籤テーブルに比べて、当籤番号「4」の当籤確率が5倍以上の高確率に設定されている。この一般遊技状態B用内部抽籤テーブルが参照されているときは、当籤番号「4」すなわち「リプレイ」が当籤役として決定され易くなるので、「RT遊技」は遊技者にとって有利な状態となる。
なお、本実施形態では、抽籤回数が“4”にセットされる「内部当籤状態」において(図8参照)、同図(a),(b)に示す上記各一般遊技状態用内部抽籤テーブルが用いられる場合、後述するように(図10参照)、「BB」に対応している当籤番号「5」および「MB」に対応している当籤番号「6」が決定されることはない。
また、同図(c)に示すようにRB遊技状態用内部抽籤テーブルには、“0”〜“65535”の範囲の乱数を各当籤番号「1」〜「3」に区分けする抽籤値が記憶されている。RB遊技状態では常にメダル1枚賭けの遊技が行われるため、RB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、メダルの投入枚数が1枚のときの抽籤値のみが記憶されている。
当籤番号「1」には抽籤値“1”が割り当てられており、内部抽籤処理において当籤番号が「1」に決定される当籤確率は“1/65536”である。また、当籤番号「2」には抽籤値“65531”が割り当てられており、内部抽籤処理において当籤番号が「2」に決定される当籤確率は“65531/65536”である。また、当籤番号「3」には抽籤値“1”が割り当てられており、内部抽籤処理において当籤番号が「3」に決定される当籤確率は“1/65536”である。
同図(c)に示すように、RB遊技状態では、当籤番号「2」が決定される確率が非常に高くなっている。
同図(a)〜(c)に示す各内部抽籤テーブルによって当籤番号が「1」〜「6」のいずれにも決定されない場合、当籤番号は「0」に決定される。
図10は、図9に示す内部抽籤テーブルによって決定された当籤番号に基づいて当籤役を決定する際に用いられる内部当籤役決定テーブルを概念的に示す図である。
内部当籤役決定テーブルでは、各当籤番号「0」〜「6」と各当籤役とが各遊技状態毎に対応づけられている。
当籤番号「0」には、一般遊技状態およびRB遊技状態では「ハズレ」が対応づけられており、BB内部当籤状態では「BB」、MB内部当籤状態では「MB」、CB遊技状態では「複合役」が対応づけられている。
当籤番号「1」,「2」および「3」には、一般遊技状態、RB遊技状態、BB内部当籤状態およびMB内部当籤状態の何れの遊技状態でも、それぞれ「チェリー」,「ベル」,および「スイカ」が対応づけられており、CB遊技状態では「複合役」が対応づけられている。
当籤番号「4」には、一般遊技状態、BB内部当籤状態およびMB内部当籤状態では、「リプレイ」が対応づけられており、RB遊技状態およびCB遊技状態では当籤役は対応づけられていない。
当籤番号「5」には、一般遊技状態では「BB」が対応づけられており、RB遊技状態、BB内部当籤状態、MB内部当籤状態、およびCB遊技状態では当籤役は対応づけられていない。
当籤番号「6」には、一般遊技状態では「MB」が対応づけられており、RB遊技状態、BB内部当籤状態、MB内部当籤状態、およびCB遊技状態では当籤役は対応づけられていない。
図11は、制御RAM66内の内部当籤役格納領域を概念的に示す図であり、図8〜図10を用いて内部抽籤処理で決定された当籤役の種類を示すデータが記憶されている。
内部当籤役格納領域は、“0”または“1”の値を有する1ビットデータが記憶される、各当籤役に対応して設けられた複数の記憶領域から構成される。各単位遊技において当籤役が決定されると、この決定された当籤役に対応する記憶領域には“1”が記憶され、それ以外の当籤役に対応する記憶領域には“0”が記憶される。例えば、「複合役」が当籤役として決定されると、同図に示すように、「複合役」に対応する記憶領域には“1”が記憶され、他の記憶領域には“0”が記憶される。
図12は、後述する停止テーブル決定処理(図17,S8参照)で用いられる停止テーブル決定テーブルを概念的に示す図である。
停止テーブル決定テーブルでは、各当籤役と各停止テーブル群とが対応づけられており、内部抽籤処理で当籤役が決定されると、この決定された当籤役に応じた種別の停止テーブル群が決定される。内部抽籤処理で「チェリー」の小役が当籤役として決定されると、同図に示すように停止テーブル群10が選択される。また、「ベル」の小役,「スイカ」の小役,「リプレイ」,「BB」,「MB」,「複合役」,および「ハズレ」が当籤役として決定されると、それぞれ停止テーブル群20,停止テーブル群30,停止テーブル群40,停止テーブル群50,停止テーブル群60,停止テーブル群70,および停止テーブル群00が選択される。
図13は、図12に示す停止テーブル決定テーブルが参照されて決定された上記の停止テーブル群70に属する停止テーブルであり、同図(a)は、CB遊技状態中に当籤役が複合役であるときに用いられる停止テーブル70であり、同図(b)は、中リール3および右リール4の停止制御を同図(a)に示す停止テーブルによる停止制御に代えて行うときに用いられる停止テーブル71である。
停止テーブル70には左,中,右の各リール2〜4毎に、停止テーブル71には中,右の各リール3,4毎に「停止開始位置」および「滑りコマ数」が示されている。「停止開始位置」の欄の各数値は、各停止ボタン31〜33の操作に応じてリール停止信号回路78から出力された、各リール2〜4の停止を指令する停止信号が検知された際に、入賞ラインL1上に位置しているシンボルのコードナンバーを表す。また、「滑りコマ数」の欄の各数値は、対応する「停止開始位置」で停止信号が検知されてから各リール2〜4が停止するまでの間に、シンボルが有効化入賞ライン上に引き込まれて移動する引込量を表す。
同図(a)に示す停止テーブル70では、左リール2の「滑りコマ数」は、「停止開始位置」に応じて、0コマまたは1コマに設定されている。また、同図(a)および同図(b)に示す各停止テーブル70,71では、中リール3および右リール4の「滑りコマ数」は、「停止開始位置」に応じて、それぞれ0コマ〜4コマの範囲に設定されている。例えば、左リール2の「停止開始位置」にコードナンバー“2”、“5”、“7”、“11”、“15”、“18”、“20”のシンボルがある場合には「滑りコマ数」が「1」となる。このため、入賞ラインL1上にこれらのシンボルが位置しているタイミングで左リール2が停止操作されると、左リール2は、シンボルが1コマ分移動してから停止する。また、左リール2の「停止開始位置」が上記以外のコードナンバーのシンボルである場合には「滑りコマ数」は「0」となる。このため、入賞ラインL1上にこれらのシンボルが位置しているタイミングで左リール2が停止操作されると、左リール2は、これらのシンボルが移動することなくただちに停止する。
本実施形態におけるCB遊技状態では、左リール2の停止制御は、1コマの滑りコマ数に設定された範囲内、すなわち停止ボタン31の停止操作のタイミングと同じタイミングの0コマ、または停止ボタン31の停止操作のタイミングから1コマずれる1コマの滑りコマ数で行われる。また、中リール3および右リール4の停止制御は、停止ボタン32および停止ボタン33の操作に応じた0コマ〜4コマの範囲内でシンボルが引き込まれて、停止制御が行われる。
図14は、図13(a)に示す停止テーブル70による中リール3および右リール4の停止制御を変更して新たに用いる停止テーブルを決定する際に参照される制御変更テーブルを概念的に示す図である。
制御変更テーブルでは、停止ボタン31の操作に応じて左リール2が停止して入賞ラインL1上に停止表示された左リール2のシンボルのコードナンバーを示す「停止制御位置」と、用いられる停止テーブルとが対応づけられている。
同図に示すように、左リール2の「停止制御位置」がコードナンバー“0”、“3”、“6”、“8”、“9”、“12”、“14”、“16”、または“19”である場合には、左リール2の入賞ラインL1上に「ベル」または「チェリー」が位置し、入賞ラインL1上に“ベル−ベル−ベル”または“チェリー−ANY−ANY”が表示される停止テーブル70がそのまま用いられて停止制御が行われる。また、左リール2の「停止制御位置」がコードナンバー“1”、“4”、“10”、“17”、または“20”である場合には、表示窓5の下段に「ベル」が位置し、入賞ラインL3A上に“ベル−ベル−ベル”が表示される停止テーブル71が用いられて、中リール3および右リール4の停止制御が行われる。
上記の図12〜図14に示す各テーブルは、当籤役決定手段により決定された当籤役とリール停止信号回路78により出力された停止信号の検知とに基づいて、リール回転手段により回転する各リール2〜4に描かれたシンボルを、表示窓5〜7の所定領域である有効化入賞ライン上に引き込む引込量すなわち滑りコマ数を決定する図柄引込量決定手段を構成している。
図15(a)は、後述する表示役検索処理(図17,S15参照)で用いられるプログラムROM65内に設けられた図柄格納領域決定テーブルを概念的に示す図であり、同図(b)は、制御RAM66内に設けられた図柄格納領域を概念的に示す図である。
同図(a)に示す図柄格納領域決定テーブルには、各リール2〜4が停止したときに各表示窓5〜7の上段,中段および下段に表示されるシンボルのコードナンバーが格納される制御RAM66内の格納領域アドレスが記憶されている。格納領域には、センターライン図柄格納領域,トップライン図柄格納領域,ボトムライン図柄格納領域,クロスダウンライン図柄格納領域およびクロスアップライン図柄格納領域がある。センターライン図柄格納領域には、各リール2〜4の中段の入賞ラインL1上に揃った各シンボルのコードナンバーが記憶される。また、トップライン図柄格納領域には、各リール2〜4の上段の入賞ラインL2A上に揃った各シンボルのコードナンバー、ボトムライン図柄格納領域には、各リール2〜4の下段の入賞ラインL2B上に揃った各シンボルのコードナンバーが記憶される。また、クロスダウンライン図柄格納領域には、左リール2上段,中リール3中段,右リール4下段の入賞ラインL3B上に揃った各シンボルのコードナンバー、クロスアップライン図柄格納領域には、左リール2下段,中リール3中段,右リール4上段の入賞ラインL3A上に揃った各シンボルのコードナンバーが記憶される。
同図(b)に示すように、制御RAM66内には、アドレス欄のアドレスで指定される上記の各図柄格納領域が設けられている。これらの各図柄格納領域には、データ欄に示す各リール2〜4に停止表示されているシンボルのコードナンバーが記憶される。同図(b)に示す図柄格納領域では、一例として、アドレス「101」番地で指定されるセンターライン図柄格納領域には、各リール2〜4の中段に表示される「ベル」,「チェリー」および「リプレイ」のコードナンバーが記憶されている。また、アドレス「102」番地で指定されるトップライン図柄格納領域には、各リール2〜4の上段にそれぞれ表示される「赤7」のコードナンバーが記憶されている。また、アドレス「103」番地で指定されるボトムライン図柄格納領域には、各リール2〜4の下段に表示される「スイカ」,「ブランク」および「ベル」のコードナンバーが記憶されている。また、アドレス「104」番地で指定されるクロスダウンライン図柄格納領域には、各リール2〜4の上段,中段および下段に表示される「赤7」,「チェリー」および「ベル」のコードナンバーが記憶されている。また、アドレス「105」番地で指定されるクロスアップライン図柄格納領域には、各リール2〜4の下段,中段,上段に表示される「スイカ」,「チェリー」および「赤7」のコードナンバーが記憶されている。
図16は、BBやMBなどのボーナスの作動時にメインCPU64によって参照される作動時テーブルを概念的に示す図であり、同図(a)はBB作動時テーブル、同図(b)はRB作動時テーブル、同図(c)はMB作動時テーブルを示している。
各作動時テーブルは、格納領域と、この格納領域に記憶されるデータとで構成されている。BB作動時テーブルおよびMB作動時テーブルは、後述するボーナス作動チェック処理(図26,S154,S156参照)において用いられ、RB作動時テーブルは、後述するボーナス作動監視処理(図18,S33参照)において用いられる。
同図(a)に示すBB作動時テーブルにおける作動中フラグの格納領域には、BB遊技が作動中であることを表すBB作動中フラグのデータが格納され、払出可能枚数の格納領域には、BB作動中フラグがオンになってからクリアされるまでの間に払い出すことが可能なメダルの最大枚数データが格納されている。本実施形態では、この最大枚数データは“465”に設定されている。
同図(b)に示すRB作動時テーブルにおける作動中フラグの格納領域には、RBが作動して遊技状態がRB遊技状態になっていることを表すRB作動中フラグのデータが格納される。また、遊技可能回数の格納領域には、RB作動中フラグがオンになってからクリアされるまでの間に行うことが可能な最大遊技回数データが格納されており、入賞可能回数の格納領域には、RB作動中フラグがオンになってからクリアされるまでの間に、メダルの払い出しが行われる入賞を成立させることが可能な最大入賞回数データが格納されている。本実施形態では、最大遊技回数データおよび最大入賞回数データは、それぞれ“12”および“8”に設定されている。
同図(c)に示すMB作動時テーブルにおける作動中フラグの格納領域には、MB遊技が作動中であることを表すMB作動中フラグのデータが格納され、払出可能枚数の格納領域には、MB作動中フラグがオンになってからクリアされるまでのMB遊技中に付与されるメダルの払出枚数データが格納されており、この払出枚数データ以上の払い出しが行われるとMB遊技は終了する。本実施形態では、このデータは“1”に設定されている。従って、メダル払い出しのある表示役が一度成立すると、MB遊技は、その表示役に対応した枚数のメダルが遊技者に払い出されることで終了することになる。
上記各テーブルにおける払出可能枚数などのデータは、遊技中、プログラムROM65から読み出されて格納領域に示されるアドレスの制御RAM66に記憶されて使われると共に、サブ制御基板62へ送出されて制御RAM84にも記憶される。
次に、図17に示すメインフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
初めに、パチスロ機1の電源が投入されると、メインCPU64は、遊技開始時の初期化処理を行う(図17,S1参照)。具体的には、制御RAM66の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いて、メインCPU64は、1ゲーム終了時用初期化処理を行う(S2)。この処理では、前回のゲーム終了時における制御RAM66の指定RAM領域のクリア等を行う。具体的には、前回のゲームに使用された領域のデータ消去、次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
次に、メインCPU64は、後述するボーナス作動監視処理を行い(S3)、続いて、後述するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S4)。続いて、メインCPU64は、乱数値抽出処理を行う(S5)。乱数値抽出処理では、乱数発生器69で発生した抽籤用の乱数をサンプリング回路70によって抽出し、この抽出した乱数をメインCPU64のレジスタにセットする。次に、メインCPU64は、後述する遊技状態監視処理を行った後(S6)、後述する内部抽籤処理を行い(S7)、続いて、停止制御処理(S14参照)で用いる停止テーブルを決定する(S8)。具体的には、停止テーブルは、内部抽籤処理(S7参照)で決定した当籤役に基づき、停止テーブル決定テーブル(図12参照)が参照されて決定される。
次に、メインCPU64は、スタートコマンドを、制御RAM66の送信データ記憶領域にセットし、サブ制御基板62に送信する(S9)。スタートコマンドは、S6の遊技状態監視処理で識別した遊技状態、S7の内部抽籤処理で決定した当籤役などの情報を含むコマンドである。続いて、メインCPU64は、前回のリール回転開始から4.1秒が経過したか否かを判別する(S10)。この判別が“No”の場合、4.1秒が経過するまで待ち時間処理を行う(S11)。待ち時間処理では、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理(ここでは、各リール2〜4の回転の開始を待機させる処理)が行われる。前回のリール回転開始から4.1秒が経過すると、メインCPU64は、ゲーム監視用の各種タイマを制御RAM66にセットする(S12)。このタイマは、各単位遊技の時間を監視するタイマや、遊技者の停止ボタン31〜33に対する停止操作によらずに自動的に各リール2〜4を停止させるための自動停止用タイマなどを含んでいる。
S12の処理が終了すると、メインCPU64は、全リール2〜4の回転開始を要求して(S13)、全リール2〜4の回転を開始させる。続いて、後述する停止制御処理を行い(S14)、続いて、後述する表示役検索処理を行う(S15)。この表示役検索処理で特定される表示役と内部抽籤処理(S7参照)によって決定された当籤役の種類とが一致せず、有効化入賞ライン上に揃って表示されている表示役に誤りがあってイリーガルヒットに該当する場合には、配当枚数表示部20および液晶表示装置22にイリーガルエラーを表示する。表示役が正常でイリーガルヒットでない場合には、メインCPU64は、表示役コマンドを、制御RAM66の送信データ記憶領域にセットし、サブ制御基板62に送信する(S16)。表示役コマンドは、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されているシンボルの組合せの種類などの情報を含んだコマンドである。
次に、メインCPU64は、後述するRTゲーム数カウント処理を行い(S17)、続いて、メダル払出処理を行う(S18)。メダル払出処理では、表示役検索処理(S15参照)で決定した表示役に対応する枚数(図7参照)のメダルを遊技価値として遊技者に払い出すと共に、払出枚数カウンタの値やメダル払出処理が終了した情報を含む払出終了コマンド(払出コマンド)を、制御RAM66の送信データ記憶領域にセットして、サブ制御基板62に送信する。このメダル払出処理では、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダルの払出枚数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受け皿37へ払い出される。続いて、払出枚数カウンタの値に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタの値を更新する(S19)。具体的には、BB遊技が行われているときには、BBボーナス終了枚数カウンタ(初期値“465”)の値から払出枚数カウンタの値を減算し、MB遊技が行われているときには、MBボーナス終了枚数カウンタ(初期値“1”)の値から払出枚数カウンタの値を減算する。なお、本実施形態では、メダル払い出しのある表示役が成立した場合には少なくとも4枚のメダルが払い出されるため(図7参照)、MB遊技が行われているときには、メダル払い出しのある表示役が一度成立すると、S19の処理によりMBボーナス終了枚数カウンタの値は“0”に更新される。
次に、メインCPU64は、制御RAM66を参照して、MB作動中フラグ,CB作動中フラグ,RB作動中フラグまたはBB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S20)。この判別が“Yes”で少なくともいずれかの作動中フラグが“オン”である場合には、後述するボーナス終了チェック処理を行う(S21)。一方、S20の判別が“No”でいずれのフラグも“オン”でない場合には、後述するボーナス作動チェック処理を行う(S22)。S21またはS22の処理が終了すると、遊技処理はS2に戻って次の新たな単位遊技が開始される。
次に、図18を参照して、図17,S3で行われるボーナス作動監視処理について説明する。
このボーナス作動監視処理では、まず、メインCPU64は、制御RAM66を参照して、BB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(図18,S31参照)。BB作動中フラグが“オン”でS31の判別が“Yes”である場合、続いて、メインCPU64は、RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S32)。RB作動中フラグが“オン”でS32の判別が“Yes”である場合、ボーナス作動監視処理は終了する。一方、RB作動中フラグが“オフ”でS32の判別が“No”である場合、メインCPU64は、RB作動時テーブル(図16(b)参照)に基づいて、RB作動中フラグを“オン”にするRB作動時処理を行い(S33)、ボーナス作動監視処理を終了する。
また、BB作動中フラグが“オフ”でS31の判別が“No”である場合、メインCPU64は、MB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S34)。MB作動中フラグが“オン”でS34の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、CB作動中フラグを“オン”にして(S35)、ボーナス作動監視処理を終了する。一方、MB作動中フラグが“オフ”でS34の判別が“No”である場合、ボーナス作動監視処理は終了する。
次に、図19を参照して、図17,S4で行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
このメダル受付・スタートチェック処理では、まず、メインCPU64は、メダル投入許可処理を行う(図19,S51参照)。このメダル投入許可処理では、クレジットで遊技が行われている状態であれば、貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を有効にし、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、メダル投入口8へのメダル投入を有効にする処理を行う。続いて、メインCPU64は、メダルセンサ・ベットスイッチのチェック処理を行う(S52)。この処理では、メダル投入口8から投入されたメダルを投入メダルセンサ8Sが検出したか、または、貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sが検出したか否かをチェックする。続いて、メインCPU64は、S52のチェックに基づき、投入メダルセンサ8Sが投入メダルを検出し、または、貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sが貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を検出したか否かを判別する(S53)。この判別が“Yes”である場合には、メインCPU64は、投入メダルセンサ8Sまたは貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sからの検出信号に基づき、投入枚数カウンタの更新を行う(S54)。このとき、前回の遊技における表示役が「リプレイ」である場合には、後述するボーナス作動チェック処理において自動投入カウンタにセットされた値(図26,S152参照)が、投入枚数カウンタに自動的にセットされる。続いて、メインCPU64は、更新された投入枚数カウンタの値などの情報を含むベットコマンドを、制御RAM66の送信データ記憶領域にセットし、サブ制御基板62に送信する(S55)。
次に、メインCPU64は、S54で更新した投入枚数カウンタの値に基づいて、有効ラインカウンタの更新を行い(S56)、入賞ラインを有効化させる。具体的には、投入枚数カウンタの値が“1”である場合には、有効ラインカウンタに“1”をセットして入賞ラインL1を有効化させる。また、投入枚数カウンタの値が“2”である場合には、有効ラインカウンタに“3”をセットして入賞ラインL1,L2A,L2Bを有効化させ、投入枚数カウンタの値が“3”である場合には、有効ラインカウンタに“5”をセットして入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bを有効化させる。
次に、メインCPU64は、RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S57)。この判別が“No”である場合、続いて、メインCPU64は、投入枚数カウンタの値が“3”であるか否かを判別する(S58)。この判別が“No”である場合、処理はS60に移る。一方、RB作動中フラグが“オン”でS57の判別が“Yes”である場合、またはメダルが3枚投入されて投入枚数カウンタの値が“3”でS58の判別が“Yes”である場合には、メインCPU64は、投入枚数カウンタの更新を禁止する処理を行う(S59)。この処理では、メインCPU64は、投入枚数カウンタの更新を禁止してメダルの追加投入を禁止する処理を行うと共に、インサートランプ21を消灯して、メダル投入禁止である旨を遊技者に報知する。S57の判別が“Yes”の場合に投入枚数カウンタの更新を禁止する処理が行われることにより、RBゲームにおけるメダルの最大投入枚数が1枚に設定される。この処理が行われた後に追加して受け付けたメダルは、S54の処理でクレジットカウンタの値を加算する。
メダル投入の検出がされていなくてS53の判別が“No”である場合、投入枚数カウンタの値が“2”以下でS58の判別が“No”である場合、または、S59の禁止処理が終了すると、続いて、メインCPU64は、投入枚数カウンタの値が1以上であるか否かを判別する(S60)。メダルが1枚も投入されていなくてS60の判別が“No”である場合、処理はS52に戻り、上述のS52〜S60の処理が繰り返される。一方、S60の判別が“Yes”である場合、続いて、メインCPU64は、スタートレバー30が操作されてスタートスイッチ30Sが“オン”になっているか否かを判別する(S61)。この判別が“No”である場合、処理はS52に戻り、上述のS52〜S61の処理が繰り返される。一方、S61の判別が“Yes”になると、メダル受付・スタートチェック処理は終了する。
次に、図20を参照して、図17,S6で行われる遊技状態監視処理について説明する。
この遊技状態監視処理では、まず、メインCPU64は、制御RAM66を参照して、RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(図20,S81参照)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、遊技状態をRB遊技状態にセットする(S82)。S81の判別が“No”である場合、続いて、メインCPU64は、制御RAM66を参照して、CB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S83)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、遊技状態をCB遊技状態にセットする(S84)。S83の判別が“No”である場合、続いて、メインCPU64は、制御RAM66の持越役格納領域を参照して、持越役がセットされているか否かを判別する(S85)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、持越役に応じて、遊技状態をBB内部当籤状態またはMB内部当籤状態にセットする(S86)。S85の判別が“No”である場合、メインCPU64は、遊技状態を一般遊技状態にセットする(S87)。S82,S84,S86またはS87において遊技状態がセットされると、遊技状態監視処理は終了する。
次に、図21を参照して、図17,S7で行われる内部抽籤処理について説明する。
この内部抽籤処理では、まず、メインCPU64は、RT遊技が行われていてRTフラグが“オン”であるか否かを判別する(図21,S91参照)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、内部抽籤テーブルとして一般遊技状態B用内部抽籤テーブル(図9(b)参照)を選択すると共に、抽籤回数カウンタに抽籤回数として“6”をセットする(S92)。続いて、メインCPU64は、持越役格納領域が“0”であるか否か、すなわち持越役格納領域に持越役がセットされていないか否かを判別する(S93)。持越役格納領域に持越役がセットされていてS93の判別が“No”である場合、すなわち内部当籤状態であってかつRT遊技が行われている場合、メインCPU64は、S92で抽籤回数カウンタにセットした抽籤回数を“4”に変更する(S94)。持越役格納領域に持越役がセットされていなくてS93の判別が“Yes”である場合、または、S94の処理が終了すると、処理はS96に移る。
一方、RT遊技が行われていなくてS91の判別が“No”である場合、メインCPU64は、現在の遊技状態と内部抽籤テーブル決定テーブル(図8参照)とに基づいて、内部抽籤テーブルの種別および抽籤回数を決定し(S95)、決定した抽籤回数を抽籤回数カウンタにセットする。
次に、メインCPU64は、S92,S94またはS95で決定した抽籤回数に基づいて、この決定した抽籤回数と同じ値を当籤番号の初期値として制御RAM66の当籤番号記憶領域にセットする(S96)。続いて、メインCPU64は、S92またはS95で決定した種別の内部抽籤テーブル(図9参照)を参照し、S96で決定した当籤番号とメダルの投入枚数とに基づいて抽籤値を取得すると共に(S97)、この取得した抽籤値を制御RAM66の抽籤値累積領域にセットする。ここで、既に抽籤値累積領域に抽籤値がセットされている場合には、セットされている抽籤値に取得した抽籤値を加算した値を、抽籤値累積領域にセットする。
次に、メインCPU64は、図17,S5でレジスタにセットした乱数値から、S97で取得した抽籤値を減算し(S98)、この減算によって桁かりが行われたか否か、つまり、レジスタにセットした乱数値が、制御RAM66の抽籤値累積領域にセットされた抽籤値の数値範囲に属するか否かを判別する(S99)。具体的には、メインCPU64のレジスタにセットされた乱数値“X”から、抽籤値累積領域にセットされている抽籤値“D”を減算し、この減算で得られる値“X−D”の正負を判別する。そして、“X−D”の値が正であってS99の判別が“No”である場合、乱数値“X”は抽籤値“D”の数値範囲に属していないことになるため、メインCPU64は、制御RAM66の当籤番号記憶領域にセットされた当籤番号を“1”減算し(S100)、抽籤回数カウンタの値を“1”減算する(S101)。一方、“X−D”の値が負であってS99の判別が“Yes”である場合、乱数値“X”は抽籤値“D”の数値範囲に属していることになり、処理はS103に移る。
次に、メインCPU64は、残りの抽籤回数が“0”であるか否か、つまり、S92,S94またはS95で決定した抽籤回数だけS99の判別が行われて抽籤回数カウンタの値が“0”になったか否かを判別する(S102)。この判別が“No”である場合には、処理はS97に戻って上述のS97〜S102の処理が繰り返される。
レジスタにセットした乱数値が抽籤値累積領域にセットされた抽籤値の乱数範囲に属し、S98の減算で得られた値が負でS99の判別が“Yes”である場合、またはS102の処理が終了すると、続いて、メインCPU64は、内部当籤役決定テーブル(図10参照)を参照し、制御RAM66の当籤番号記憶領域に現在セットされている当籤番号および現在の遊技状態に基づいて当籤役を決定し(S103)、決定した当籤役を表すデータを制御RAM66の内部当籤役格納領域(図11参照)に格納する。続いて、メインCPU64は、決定した当籤役がBBまたはMBであるか否かを判別する(S104)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、当籤役であるBBまたはMBを持越役として、制御RAM66の持越役格納領域にセットする(S105)。S104の判別が“No”である場合、または、S105の処理が終了すると、続いて、メインCPU64は、今回の単位遊技で決定した当籤役と今回の単位遊技まで持ち越されている持越役との論理和を当籤役として決定し、決定した当籤役を制御RAM66の内部当籤役格納領域に格納する(S106)。すなわち、前回までの単位遊技においてBBやMBなどのボーナスが持越役として持ち越され、今回の単位遊技でこれらボーナス以外の当籤役が決定された場合、持越役であるボーナスおよび今回の単位遊技における当籤役の双方の当籤フラグが立てられる。
次に、図22を参照して、図17,S14で行なわれる停止制御処理について説明する。
この停止制御処理では、まず、メインCPU64は、いずれかの停止ボタン31〜33が操作されて有効なストップスイッチが“オン”となったか否かを判別する(図22,S161参照)。いずれの停止ボタン31〜33も操作されずにこの判別が“No”である場合、続いて、リールの回転開始から40秒経過したか否か、すなわち自動停止用タイマ(図17,S12参照)の値が“0”になっているか否かを判別する(S162)。この判別が“No”のときは処理はS161に戻り、このS161,S162の処理が繰り返される。
いずれかの停止ボタン31〜33が操作されてS161の判別が“Yes”になるか、または、自動停止用タイマの値が“0”になってS162の判別が“Yes”になると、次に、メインCPU64は、図17,S8で決定された停止テーブルに基づいて、滑りコマ数を決定する(S163)。本実施形態では、第1停止制御手段による停止制御が行われる一般遊技状態、内部当籤状態およびRB遊技状態においては、内部抽籤処理で決定した当籤役と遊技者による停止操作のタイミングとに基づいて、各リール2〜4の滑りコマ数がそれぞれ0コマ〜4コマの範囲内で決定されて、停止制御が行われる。また、第2停止制御手段による停止制御が行われるCB遊技状態においては、複合役が当籤役として決定されると共に(図10参照)、左リール2の停止制御が、遊技者による停止操作のタイミングに基づいて、滑りコマ数が0コマ〜1コマの範囲内で決定されて行われ、リール3およびリール4の停止制御が、遊技者による停止操作のタイミングに基づいて、滑りコマ数がそれぞれ0コマ〜4コマの範囲内で決定されて行われることになる。
次に、メインCPU64は、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタン31〜33に対応するリール2〜4が回転するのを待ち(S164)、停止操作された停止ボタン31〜33に対応するリール2〜4の回転停止を要求する(S165)。続いて、メインCPU64は、図柄格納領域決定テーブル(図15(a)参照)に基づいて、S161で操作された停止ボタンに対応するリールの表示窓内に停止表示された各シンボルのコードナンバー(識別子)を、制御RAM66のアドレス「101」〜「105」で指定される各図柄格納領域(図15(b)参照)にセットする(S166)。続いて、メインCPU64は、内部抽籤処理(図17,S7参照)で複合役が当籤役として決定された場合において、S164におけるリールの停止制御が、遊技者によりいずれかの停止ボタン31〜33が最初に操作された後(第1停止操作後)に行なわれたものであり、かつ、このとき停止したリールが左リール2であるか否かを判別する(S167)。この判別が“Yes”である場合には、メインCPU64は、図14に示す制御変更テーブルを参照して、中リール3,右リール4の停止制御に用いる停止テーブルの再決定を行う(S168)。このとき、左リール2の「停止制御位置」がコードナンバー“1”、“4”、“10”、“17”、“20”である場合には、上述したように停止テーブル71(図13(b)参照)が用いられて、中リール3および右リール4の停止制御が行われる。続いて、メインCPU64は、回転中のリールがあるか否かを判別する(S169)。この判別が“Yes”である場合、S161に戻って上述の処理が繰り返される。一方、全てのリール2〜4が停止して、S169の判別が“No”である場合、停止制御処理は終了する。
次に、図23を参照して、図17,S15で行われる表示役検索処理について説明する。
この表示役検索処理では、まず、メインCPU64は、制御RAM66に設けられた図柄格納領域(図15(b)参照)の先頭アドレスを取得する(図23,S111参照)。図柄格納領域の各アドレス「101」〜「105」で指定される領域には、上述したように、各入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3B上に揃っているシンボルのコードナンバーの組合せがセットされている。続いて、メインCPU64は、図19,S56でセットされた有効ラインカウンタの値が“0”になっているか否かを判別する(S112)。この判別が“No”である場合には、メインCPU64は、図柄格納領域のアドレス「101」に格納されているシンボルの組合せと表示役決定テーブル(図7参照)とに基づいて、メダルの払出枚数および表示役を決定する(S113)。続いて、メインCPU64は、有効ラインカウンタの値を“1”減算すると共に(S114)、図柄格納領域を示すアドレスに“1”を加算して、図柄格納領域の次のアドレスを取得する(S115)。その後、処理はS112に戻って上述の処理が繰り返され、各有効化入賞ライン毎にアドレス「102」〜「105」に格納されているシンボルの組合せと表示役決定テーブル(図7参照)とに基づいて、表示役に対応するシンボル組合せが揃っているか否かが順番に判別されていく。そして、S112の判別が“Yes”になると、全ての有効化入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bについての表示役と払出枚数が特定されるので、表示役検索処理は終了する。
次に、図24を参照して、図17,S17で行われるRTゲーム数カウント処理について説明する。
このRTゲーム数カウント処理では、まず、メインCPU64は、制御RAM66を参照して、RTゲーム数カウンタの値が“0”であるか否かを判別する(図24,S121参照)。RT遊技が行われていなくてS121の判別が“Yes”である場合、RTゲーム数カウント処理は終了する。一方、RT遊技が継続中であってS121の判別が“No”である場合、メインCPU64は、RTゲーム数カウンタの値を“1”減算し(S122)、続いて、再度、RTゲーム数カウンタの値が“0”であるか否かを判別する(S123)。RTゲーム数カウンタの値が“0”でなくてS123の判別が“No”である場合、RTゲーム数カウント処理は終了する。一方、S122の減算処理によってRTゲーム数カウンタの値が“0”になり、S123の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、RTフラグを“オフ”にして(S124)、RT遊技を終了させる。
次に、図25を参照して、図17,S21で行われるボーナス終了チェック処理について説明する。
このボーナス終了チェック処理では、まず、メインCPU64は、制御RAM66を参照して、RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(図25,S131参照)。RB遊技状態でなくてS131の判別が“No”である場合、メインCPU64は、ボーナス作動監視処理で“オン”にしたCB作動中フラグ(図18,S35参照)を“オフ”にする(S132)。続いて、メインCPU64は、制御RAM66を参照してMBボーナス終了枚数カウンタが“0”であるか否かを判別する(S133)。MB遊技においてメダル払い出しのある表示役が一度も成立していなくて、S133の判別が“No”である場合、ボーナス終了チェック処理は終了する。一方、MBボーナス終了枚数カウンタが“0”でS133の判別が“Yes”である場合、処理はS142に移る。
一方、RB遊技状態であってS131の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、今回のRB遊技状態における単位遊技で入賞が成立したか否かを判別する(S134)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、制御RAM66を参照してBBボーナス終了枚数カウンタが“0”であるか否かを判別する(S135)。BB作動中における払出枚数が465枚に達してS135の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、BB作動中フラグを“オフ”にするBB終了時処理を行い(S136)、ボーナス終了チェック処理は終了する。
また、S135の判別が“No”である場合、メインCPU64は、RB入賞回数カウンタの値すなわち入賞可能回数を“1”減算し(S137)、入賞可能回数が“0”になっているか否かを判別する(S138)。入賞可能回数が“0”でなくてS138の判別が“No”である場合、または、今回のRB遊技状態における単位遊技で入賞が成立せずにS134の判別が“No”である場合には、RB遊技回数カウンタの値すなわち遊技可能回数を“1”減算する(S139)。続いて、メインCPU64は、遊技可能回数が“0”になっているか否かを判別する(S140)。この判別が“No”である場合、ボーナス終了チェック処理は終了する。一方、遊技可能回数が“0”でS140の判別が“Yes”である場合、または、入賞可能回数が“0”でS138の判別が“Yes”である場合には、メインCPU64は、RB作動中フラグを“オフ”にするRB終了時処理を行い(S141)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
また、MB作動中において1枚以上のメダル払い出しがあってMBボーナス終了枚数カウンタの値が“0”になり、S133の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、MB作動中フラグを“オフ”にするMB終了時処理を行う(S142)。続いて、メインCPU64は、RTフラグを“オン”にし(S143)、RTゲーム数カウンタに“100”をセットして(S144)、RT遊技を開始させる。
次に、図26を参照して、図17,S22で行われるボーナス作動チェック処理について説明する。
このボーナス作動チェック処理では、まず、メインCPU64は、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されている表示役が「リプレイ」であるか否かを判別する(図26,S151参照)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、投入枚数カウンタの値に基づいて、今回の単位遊技において投入されたメダルの投入枚数を自動投入カウンタに複写すなわちセットし(S152)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
また、表示役が「リプレイ」でなくてS151の判別が“No”である場合、メインCPU64は、表示役が「BB」であるか否かを判別する(S153)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、BB作動時テーブル(図16(a)参照)に基づいてBB作動時処理を行う(S154)。この処理では、メインCPU64は、BB作動時テーブルに基づいてBB作動中フラグを“オン”にし、ボーナス終了枚数カウンタに、BB作動時の払出可能枚数である“465”をセットする。
一方、S153の判別が“No”である場合、メインCPU64は、表示役が「MB」であるか否かを判別する(S155)。この判別が“No”である場合、つまり、表示役が「リプレイ」,「BB」および「MB」のいずれでもない場合、ボーナス作動チェック処理は終了する。また、表示役が「BB」であってS155の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、MB作動時テーブル(図16(c)参照)に基づいてMB作動時処理を行う(S156)。この処理では、メインCPU64は、MB作動時テーブルに基づいてMB作動中フラグを“オン”にし、ボーナス終了枚数カウンタに、MB作動時のメダルの払出枚数データである“1”をセットする。
S154またはS156の処理が終了すると、メインCPU64は、今回の単位遊技で成立した表示役に対応する持越役をクリアする(S157)。続いて、RTフラグが“オン”になっている場合はRTフラグを“オフ”にしてRT遊技を終了させ(S158)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
図27(a)は、任意の単位遊技において表示窓5〜7の中段の有効化入賞ラインL1上に「MB」の表示役が成立し、次の単位遊技において有効化入賞ラインL1上に「ベル」の表示役が成立した状態を示している。また、同図(b)は、任意の単位遊技において「MB」の表示役が成立せず、有効化入賞ラインL1上に「ベル」の表示役が成立した状態を示している。
同図(a)に示すように、特別のシンボルの組合せ“リプレイ−ベル−スイカ”が有効化入賞ラインL1上に停止表示されると、「MB」の表示役が成立して、MB遊技が作動する。そして、次の単位遊技において、遊技者の停止操作に基づいて“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ラインL1上に停止表示されると「ベル」の表示役が成立し、15枚のメダル払い出しが行われると共に、MBボーナス終了枚数カウンタが“0”となってMB遊技が終了する(図25,S142参照)。そして、MB遊技終了後の次の単位遊技から、RT遊技が行われる(図25,S143およびS144、図21,S92参照)。
また、同図(b)に示すように、任意の単位遊技において「MB」の表示役が成立することなく、遊技者の停止操作に基づいて“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ラインL1上に停止表示されると「ベル」の表示役が成立し、この場合にも15枚のメダル払い出しは行われるが、その後の単位遊技でRT遊技が行われることはない(図21,S95参照)。
このような本実施形態によるパチスロ機1によれば、上述したように、第1停止制御手段により各リール2〜4の回転の停止制御が行われる遊技において、特別のシンボルの組合せ“リプレイ−ベル−スイカ”が有効化入賞ライン上に停止表示されると、第2停止制御手段により左リール2の回転の停止制御が行われるMB遊技が発生する。そして、1枚の単位遊技価値のメダルが遊技者に付与されたことを条件にMB遊技が終了すると、MB遊技とは異なる遊技者にとって有利なRT遊技が発生する。このため、RT遊技は、特別のシンボルの組合せ“リプレイ−ベル−スイカ”が有効化入賞ライン上に停止表示されてMB遊技が行われた後で発生し、従来のように、第1停止制御手段により各リール2〜4の回転の停止制御が行われる遊技において、RT遊技に応じたシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に停止表示されるだけでRT遊技が発生するといったことはないので、RT遊技の発生タイミングが単調になってしまうことが防止される。また、MB遊技を発生させる特別のシンボルの組合せを、“リプレイ−ベル−スイカ”というように異なる種類のシンボルを組み合わせて構成することにより、遊技者にとって分かり難いものとし、MB遊技の発生を予測しにくくすることで、遊技者は、常にRT遊技が行われるかもしれないといった期待感を持ちながら遊技を行うようになり、遊技性が向上する。
また、本実施形態では、一般遊技状態またはMB遊技が行われるCB遊技状態のいずれの遊技状態であっても、「チェリー」の表示役,「ベル」の表示役または「スイカ」の表示役が成立する構成であるので、これらの表示役の成立だけではMB遊技の発生の有無の判断はしにくい。このため、遊技者は、これら「チェリー」の表示役,「ベル」の表示役または「スイカ」の表示役が有効化入賞ライン上に実際に揃っただけでも、RT遊技が発生するかもしれないという期待感を持つようになり、遊技性は一段と向上する。
なお、上記の実施形態においては、1枚の単位遊技価値のメダルが遊技者に付与されたことを条件に、MB遊技が終了する場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、一の単位遊技が行われた結果に対して遊技者に付与される範囲内の遊技価値のメダル、つまり図7で規定される払出枚数である4枚,8枚または15枚のメダルが遊技者に付与されたことを条件に、MB遊技が終了する構成であっても構わない。また、一の単位遊技が行われた結果に対して遊技者に付与される範囲内の遊技価値のメダルとは関係なく、MB遊技中におけるメダルの払出可能枚数を10枚や20枚として、CBゲームが複数回行われる構成とすることも可能である。この構成によれば、遊技者の操作タイミングだけに基づいて「チェリー」の表示役や「ベル」の表示役などを成立させることができる遊技が複数回にわたって継続するため、MB遊技の発生が遊技者に報知されるようになり、遊技の幅が広がる。
また、上記の実施形態においては、遊技媒体として用いられるメダルが表示役の成立の際に遊技者に付与される遊技価値としても用いられる場合を説明したが、遊技媒体や遊技価値に用いられる媒体は適宜変更可能である。
また、上記の実施形態においては、MB遊技では、左リール2の回転の停止制御が第2停止制御手段により行われ、中リール3および右リール4の回転の停止制御が第1停止制御手段により行われる場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。MB遊技において第2停止制御手段により回転の停止制御が行われるリールの種別は適宜変更可能である。