JP2007166330A - 受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】STBC通信方式の利点を維持しつつ、マルチパス環境下で送信局又は受信局が高速に移動する場合においても、高い通信品質を確保すること。
【解決手段】位相変動量算出部104aでは、STBCデコード部103が出力したシンボル判定結果であるシンボル信号sを含む方程式「A-1r=Hs」を解いて、2×2対角行列Aが有する位相変動量φを求める。次に、補正演算部104bでは、補正後のチャネル行列である行列H′(≡AH)を算出して、接点bに対して出力する。これらの式で用いているチャネル行列Hは、先の制御周期でSTBCデコード部103が使用したものである。そして、次の制御周期においては、この補正後のチャネル行列H′を新たなチャネル行列Hとして、STBCデコード部103で使用する。即ち、以上の様な補正処理を周期的に構成して繰り返し実行することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アラモティ(Siavash M. Alamouti )が提案した時空間符号化伝送技術(以下、STBC(:Space Time Block Code)通信方式と言う。)を用いた通信装置(送信装置、受信装置、送受信装置)及び通信システムに関する。
この方法は、例えば車車間通信などの移動体通信における通信データの高品質化に大いに有用なものである。
アラモティが提案した時空間符号化伝送技術(STBC通信方式)は、下記の非特許文献1などに記載されており、このSTBC通信方式を利用した通信技術としては、例えば下記の特許文献1に記載されているものなどが公知である。
例えば、送信アンテナが2本で受信アンテナが1本の2×1システムにおいて、STBC通信方式を用いる場合を考える。この時、連続するシンボル時刻1,2における受信局側での受信信号をそれぞれr1 ,r2 とし、第1の送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネル特性をh1 、第2の送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネル特性をh2 とし、次式(1)に示す様に、受信信号ベクトルrとチャネル行列Hとシンボルベクトルsを定義すると、次式(2)の関係が成り立つ。ただし、ここで、「a* 」はaの複素共役を示すものとする。
(基本的な定義式)
Figure 2007166330
(2×1システムにおけるSTBC通信方式)
r = Hs …(2)
この関係式は、非特許文献1の式(11)において、n0 =n1 =0とした場合と等価である。受信されるノイズn0 ,n1 の影響は、シンボル判定の際に一定の雑音余裕を設けることができることから、ここでは無視することができる。
また、ここで|h1 2 +|h2 2 =1が満たされる様に、h1 ,h2 を選べば、Hはユニタリー行列となるので、この場合にはrが規格化されていれば、次式(3)によって、規格化されたシンボルベクトルsを容易に求めることができる。
(シンボルベクトルsの導出式)
s = H-1r = HH r …(3) ただし、ここでHH は、行列Hの随伴行列を示すものである。
これらの従来技術においては、トレーニング信号(パイロット信号)などを巧く利用してマルチパス(多重伝搬路)のチャネル特性を受信側で高精度に推定することが、通信データを高品質化する上で非常に重要である。
"A simple transmit diversity technique for wireless communications," IEEE journal on selective areas in communications, vol.16, no.8, pp.1451-1458, Oct. 1998. 特開2004−129082号公報
しかしながら、STBC通信方式に準拠する従来の通信装置(送信装置、受信装置、送受信装置)においては、局移動に伴うマルチパス環境の変動が考慮されていない。即ち、上記の従来の通信装置では、送信局又は受信局が高速に移動する場合に、その高速移動に伴うチャネル特性の推定値の急速な経時的劣化が特段補償されてはおらず、このため、送信局又は受信局の移動中に、受信側では干渉波成分が増大してしまって受信信号の復号ができなくなることがあった。
例えば、トレーニング信号(パイロット信号)を受信した時点(:時刻t0 )で算定されるチャネル推定行列Γの推定精度が十分に高い場合でも、時刻t0 から時刻t0 +Δtにおいて次回のトレーニング信号を受信するまでの間に送信局または受信局が移動してしまうと、その間の移動距離などに応じて、上記のチャネル行列Hに関する推定精度が急速に劣化することがあった。即ち、従来装置においては、動的な送受信局間の距離変動に伴って通信品質が急速に劣化することがあり、特に移動速度の大きな移動体通信の場合に問題となっていた。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、STBC通信方式の利点を維持しつつ、マルチパス環境下で送信局又は受信局が高速に移動する場合においても、高い通信品質を確保することである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、所定のトレーニング信号を受信して、送信局と受信局との間のマルチパスの各伝搬路のチャネル特性を推定するチャネル推定手段と、チャネル推定手段によって推定されたチャネル行列Hと受信された受信信号ベクトルrに基づいて時空間ブロック復号処理を行う復号手段とを有するSTBC通信方式の受信装置において、トレーニング信号を受信してから次回のトレーニング信号を受信するまでの期間内に、所定の復調方式におけるシンボル判定後のシンボル信号に基づいて上記のチャネル特性の位相変動量φを求める位相変動量算出手段と、その位相変動量φに基づいて、チャネル行列Hの各成分の位相、または受信信号ベクトルrの各成分の位相を補正する位相補正手段とを設け、位相変動量算出手段による位相変動量φの算出周期を、復調方式における雑音余裕の許容範囲の振幅よりも上記の位相変動量φの絶対値が小さくなることが想定できる時間間隔以下にすることである。
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段の位相補正手段において、その位相補正演算を上記の位相変動量算出手段の算出周期と同一周期で逐次実行することである。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
以上の本発明の手段によって得られる効果は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の手段によれば、受信局または送信局の高速移動に伴うチャネル特性の推定値の急速な経時的劣化が、略過不足なく効果的に補償されるので、受信局または送信局が高速に移動する場合にも、従来よりも高い通信品質を容易に確保することができる。
受信局または送信局の少なくとも一方が移動する移動体通信においては、パイロット信号の送信間隔期間内におけるチャネル特性(即ち、当該送受信局間の伝搬路環境)の変動成分は、そのチャネルの位相成分の変動量φだけで概ね一意に表現することができることが分っている。即ち、この位相変動量φは、受信局や送信局を有する移動体の移動量に応じて、マルチパスの各伝搬路長が変化するために生じるものであり、パイロット信号の送信間隔期間内に、その他の要因でチャネル特性が急変することは考え難い。また、移動体間の各伝搬路長は、それらの相対速度が大きい時ほど大きな変化を示すが、この変化は時間に対して単調または連続的な変動傾向を示すことが多く、よって上記の位相変動量φもそれに伴って略同様の変動傾向を示す。
このため、上記の位相変動量算出手段と上記の位相補正手段によって、その位相変動量φに基づいてチャネル特性を随時補正すれば、従来よりも高い通信品質を容易に確保することができる。
また、この様な補正は、受信信号に対する等価の補正処理で代替することができる。そして、その様な操作もが、等価な結果を導くことは、上記の式(2)、式(3)より明らかである。
また、本発明の第2の手段によれば、補正周期を適切に設定することができるので、補正の精度を高く維持することができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
1.発明装置の構成と動作
図1は本実施例1におけるSTBC通信の復号処理装置100の制御ブロック図である。この復号処理装置100は、送信アンテナが2本あり受信アンテナが1本あるSTBC通信システム(所謂2×1システム)の受信局側において復号処理を実行するものである。したがって、前述の基本的な定義式(式(1))については、以下でも同様に用いるものとする。即ち、この復号処理装置100は、連続したシンボル時刻において順に受信された受信信号r1 ,r2 に基づいて、時空間ブロック符号化(STBC)されたシンボルsを復号するものである。
この復号処理装置100は、受信信号判定部101と伝搬路推定部102とSTBCデコード部103とチャネル行列補正部104などから主に構成されている。そして、この復号処理装置100の最も大きな特徴は、チャネル行列補正部104のフィードバック制御によって、チャネル行列Hが逐次補正される点にある。
受信信号判定部101は、受信信号r1 ,r2 がパイロット信号であるか否かを判定し、これらがパイロット信号である場合には、受信信号r1 ,r2 を伝搬路推定部102へ、そうでなければ受信信号r1 ,r2 をSTBCデコード部103へ送出する。また、同時に、受信信号r1 ,r2 がパイロット信号である場合には、スイッチsw1を接点aに接続し、そうでなければスイッチsw1を接点bに接続する。
伝搬路推定部102は、入力されたパイロット信号(受信信号r1 ,r2 )に基づいて、送信局と当該受信局との間のマルチパスの各伝搬路特性を推定する。即ち、前述の式(1)のチャネル行列Hを求めて、図中の接点aに出力する。伝搬路推定部102によって、パイロット信号から直接算出されたチャネル行列を以下、H(t0 )と表すことがある。ここでt0 は、そのパイロット信号の受信時刻を表している。
STBCデコード部103は、スイッチsw1からチャネル行列Hを入力する。このチャネル行列Hは、パイロット信号受信直後であれば、スイッチsw1は接点aに接続されているので、上記のチャネル行列H(t0 )に一致する。
次に、STBCデコード部103は、パイロット信号ではない復号されるべき受信信号r1 ,r2 を受信信号判定部101から入力する。そして、式(1)、式(3)に基づいて、所望のシンボル信号sを求める。ただし、STBCデコード部103から出力されるシンボル信号sは、シンボル判定後の判定結果を示すものであるから、例えばQPSK方式を採用する場合には、次式(4)に示す4通りのシンボル信号sの内の何れか1つの信号が出力されることになる。また、8−PSK方式を採用する場合にも、STBCデコード部103からの出力信号(シンボル信号s)は、8通りに限定される。
(シンボル判定結果)
Figure 2007166330
チャネル行列補正部104は、先に上記のSTBCデコード部103が使用した受信信号r1 ,r2 ,チャネル行列Hと、STBCデコード部103が出力した上記の判定結果(シンボル信号s)を用いて、その位相変動量算出部104aによりチャネルの位相変動量φを求め、この位相変動量φに基づいて、その補正演算部104bによりチャネル行列Hを補正する。以下、その補正後のチャネル行列をH′と書く。また、位相補正行列Aを次式(5)で定義する。ただし、ここで、iは虚数単位である。なお、位相補正行列Aの対角成分の位相の符号が互いに反対なのは、式(1)の受信信号ベクトルrの第2成分において、複素共役を取っていることに依る。
(位相補正行列Aの定義式)
Figure 2007166330
より具体的には、位相変動量算出部104aでは、上記の判定結果(シンボル信号s)を用いて構成される次式(6)の方程式を解いて、位相変動量φを求める。
(φの方程式)
r =AHs または、
-1r = Hs …(6)
位相変動量φの方程式は、ベクトルrの各成分毎に構成されるが、ベクトルrの第1成分または第2成分の何れか一方に関してのみ当該方程式を解けば十分である。或いは、算定精度を高めるために2つの解φ1,φ2の平均値を、最終的に求めるべき解φの値として算出しても良い。解くべき方程式をr1 に関するものかr2 * に関するものの何れか一方とすれば、2解の平均値を求める場合よりも演算量が半分以下になることは言うまでもない。
次に、補正演算部104bでは、次式(7)で定義される補正後のチャネル行列H′を算出して、接点bに対して出力する。
(補正後のチャネル行列H′の定義)
H′ ≡ AH …(7)
これらの式で用いているチャネル行列Hは、前述の通り、先の制御周期でSTBCデコード部103が使用したものである。そして、次の制御周期においては、この補正後のチャネル行列H′を新たなチャネル行列Hとして、STBCデコード部103で使用する。即ち、以上の様な補正処理を周期的に構成して繰り返し実行することができ、これにより、移動体の移動速度が比較的高速な移動体通信においても、チャネル行列Hの推定精度を常時高く維持することが可能となる。
以上の様な復号処理装置100の構成に従えば、送受信局間のマルチパスにおける各伝搬路長の変動に基づくチャネル特性の変化を効果的にチャネル行列Hの各成分に反映することができるので、従来よりも大幅に受信品質を改善することができる。
上記の式(6)で用いる受信信号ベクトルrには、想定範囲以上の大きさのノイズが混入することが有り得る。即ち、所定の雑音余裕の許容範囲を超えた大きさのノイズが受信されることがある。或いは、障害物などの運動に伴って、マルチパスを構成する時空間上に局所的又は一時的な特異点などが形成される場合がある。
そして、その様な場合には、接点bに出力される補正処理後のチャネル行列H′は、大きな外乱を受けることになる。この時、上記のチャネル行列Hは、事実上漸化式を使って逐次求められているため、上記の構成に従えば、次回のパイロット信号に基づくチャネル行列H(t0 )を得るまでの間、その後の一連のSTBCデコード処理が不当となってしまう恐れがある。
即ち、常時SNRが大きな場合には、それらの外乱を特段勘案しなくても上記の実施例1の方式で何ら問題ないが、特にマルチパス環境が変動し易い移動体通信などにおいては、様々な通信環境が想定されるため、チャネル特性に関する局所的または一時的な例外値やノイズなどを排除するための何らかの処置を講じておくことが望ましい。
そこで、本実施例2の復号処理装置110(図2)においては、上記の実施例1の位相変動量算出部104aに関して、位相変動量φを算定する手順を以下の様に改善する。即ち、その様な環境が想定し得る場合には、数個〜数十個のシンボルに渡った平均値を用いたり、それらの多数の位相変動量φについて、忘却係数などを使った加重平均処理を施すなどすると良い。以下、その様な改善策について例示する。
以下、パイロット信号受信時刻t0 を基準に考えるため、上記の式(6)、(7)に対して、チャネル行列HにH(t0 )を代入して用いる。ただし、ベクトルs,rについては、実施例1と同様にして、最新の受信信号ベクトルrとそのシンボル判定結果(例:式(4))を以下でも用いるものとする。
この時、チャネル行列補正部104′では、まず最初に位相変動量算出部104a′において、式(6)とH=H(t0 )より、時刻t0 を基準とする最新の位相変動量φ0 (k)を求める。そして、更に、次式(8)によって、補正演算部104b′において位相補正行列Aの位相変動量として用いるべき位相変動量Φ(k)を算出する。
(位相補正行列Aに用いる位相Φ(k)(k≧1))
Φ(k)=(1−γ)Φ(k−1)+γφ0 (k) (0<γ<1) …(8)
ただし、引数kは、各演算周期に対して昇順に付与する通し番号であり、t0 の次の制御周期の通し番号kを1とする。また、初項Φ(0)の値は0とする。また、ここで行列A(Φ(k))は、式(5)の位相補正行列Aにφ=Φ(k)を代入して得られる位相補正行列である。
そして、この場合には、毎回次式(9)を算出する図2の乗算器105によって、補正処理後のチャネル行列H′がSTBCデコード部103に対して出力される。
(改善後のH′の導出式)
H′ = A(Φ(k))H(t0 ) …(9)
即ち、この場合には、図1の受信信号判定部101によるスイッチsw1に対する切り替え制御を廃止し、図1のスイッチsw1の代わりに、この式(9)を実行する乗算器105を常時用い、この乗算器105に対する補正演算部104b′の出力情報を図1のH′の代わりに、上記のA(Φ(k))とすれば、式(9)の形に補正された所望のチャネル行列H′を毎回STBCデコード部103に対して出力することができる。なお、上記のγの具体的な値としては、例えば0.02〜0.2程度が望ましく、例えば0.04程度でも良い。このγの値は、移動体の移動速度やシンボル信号の復号処理周期などに応じて、最適に設定することができる。
この様な漸化式を使った位相Φ(k)の設定によれば、位相変動量Φ(k−1)に含まれる、過去に継続的に求めてきた各位相変動量φ(j)(j<k)の影響は、それぞれ徐々に時間に対して指数関数的に弱まっていく(即ち、忘却されていく)ものの、しばらくの間はそれらの影響が残るので、最も最近求めた位相変動量φ(k)が、現在の系に対して支配的に強く作用し過ぎることも未然に防止される。
勿論、位相変動量φに関するこれらの平均化技法は任意でよく、複数の方法を組み合わせて採用しても良い。
以上の様な復号処理装置110の構成に従えば、SNRが比較的小さな場合などにおいても、送受信局間のマルチパスにおける各伝搬路長の変動に基づくチャネル特性の変化を効果的にチャネル行列Hの各成分に反映することができるので、従来よりも大幅に受信品質を改善することができる。
なお、その他にも受信アンテナが存在する場合には、それらの各受信アンテナでそれぞれ求めることができる各位相変動量φに渡って、それらの平均値が採用できる様に装置を再構成するなどしても良い。即ち、例えば後述の検証シミュレーションでも取り扱う様に、所謂2×2システムなどにおいても、同様の構成に基づいて同様の作用・効果が得られるので、複数の受信アンテナ間における位相変動量φの加重平均値などを用いる様にしても良い。
この様な平均化が有効となる理由は、位相変動量φが送受信局間の各伝搬路長の変化によって生じるものであって、個々のアンテナ毎に、位相変動量φに係わるその他の個別の変動要因が存在するとは考え難いためであり、それらの受信アンテナが同一の移動体に配設されている限り、各伝搬路長の変化に基づく位相変動量φの各値は基本的には共通である可能性が高いと考えられるためである。
また、上記の式(8)でγ=1とする場合には、Φ(k)=φ0 (k)となる。この場合、忘却傾向の極めて強いチャネル行列H′が常時生成されるため、γ=1とするこの方式は、パイロット信号が受信されない期間中常時、最新のチャネル行列H′を保持する点では有利と言えるが、ノイズ等による一時的かつ例外的な系の乱れに非常に弱い不安定な復号処理部が構成されてしまう点では不利となる。
なお、以上の処理は、所定の演算周期で繰り返し実行する。ここで、位相変動量算出手段による位相変動量φ,φ0 ,またはΦの算出周期は、復調方式における雑音余裕の許容範囲の振幅よりも上記の位相変動量φの絶対値が小さくなることが想定できる時間間隔以下に設定する。これにより、トレーニング信号を受信してから次回のトレーニング信号を受信するまでの期間内においても、STBC通信方式の利点を維持しつつ、高い通信品質を確保することができる。
2.シミュレーションによる作用・効果の検証
2.1 交差点モデル
図3に、本発明の各実施例を検証するために構成された交差点モデルの空間的な構造を例示する。評価対象とする交差点モデルを示す。この交差点モデルでは、300m四方のオフィスビル街を想定し、道路幅は10mと仮定し、交差点の周辺には、ビルを疑似する高さ10mのコンクリートブロックを図示する様に配置した。送信局Txおよび受信局Rxの各アンテナの初期位置は、ともに道路の交差点から40m離れた場所とした。即ち、時速60kmで移動する自動車の平均的な停止可能距離(約40m程度)を1つの目安として考えた。
また、この交差点モデルにおいては、送受信のアンテナとして、標準ダイポールを2素子ずつ使用し、車両上における2つのアンテナの素子間隔を1.5m、アンテナの高さは0.8mとし、アンテナ軸は地面に対して垂直とした。また、コンクリートブロックの壁面からの距離は、1 .5mとした。また、個々の送信アンテナからの送信電力はそれぞれ10mWに設定した。
また、このシミュレーションでは、幾何学的な光学手法であるレイトレーシング法の内のイメージ法を採用した。この方法では、送信点、受信点、その他すべての反射面の組み合わせから、反射・透過・回折を計算するが、この時、反射係数と透過係数には、フレネルの係数を使用し、回折係数にはUTD (Uniform Geometric Theory of Diffraction )を用いた。また、これらのシミュレーションでは、反射回数を1〜3回と変化させ、透過回数を0回と固定し、回折回数は1〜2回と変化させ、大地反射も考慮した。なお、コンクリートブロック、および大地の電気的特性を次の表1に示す値とした。
Figure 2007166330
2.2 検証結果
図4に本実施例1の効果を例示する。本シミュレーションは、上記の交差点モデルに基づいて、各受信アンテナに熱雑音を付与した時のQPSK方式下におけるBERについて調べたものであり、本シミュレーションでは、受信局Rxと送信局Txの移動速度はそれぞれ共に60km/hとした。このため、受信局Rxのx軸方向の移動量Δxと、送信局Txのy軸方向の移動量Δyは常時互いに等しいもの(Δx=Δy)となった。また、通信に用いる電磁波の周波数fを6GHz、5GHz、2GHzの3通りとしたが、何れの場合にも、各波長λを用いたパラメータΔx/λを用いると、それらのシミュレーション結果は本図4に示す通りに、一致したため、本グラフ上では周波数fに関する区別は示していない。また、1シンボルの送信周期を1μsecとし、上記の式(8)のγの値は、約0.03とした。
図中に conventional と記載して示してあるグラフが、本発明の補正処理を省略した従来のSTBC通信方式に従うシミュレーション結果であり、上記の実施例1に従うシミュレーションの結果のグラフを proposed と記載して示した。
このシミュレーション結果より、従来技術では、移動体の移動によって受信品質(BER)が急激に悪化するのに対して、上記の実施例1に基づく方式に従えば、移動に伴う受信品質(BER)の劣化が殆ど見られないことがわかる。
図5は、上記の図4と同一のシミュレーション結果をSNRを横軸にして、別の側面から示したものである。このグラフからも、本発明の有効性が非常に顕著であることを確認することができる。
また、前述の透過回数を1回として、図3の送受信局間にある交差点の角のビルの1階が、ガラス張りのショウルームなどで構成されている場合などを想定して、同様の検証シミュレーションを実施した。そして、これらの場合においても、上記と略同様にして、本発明の有効性を検証することができた。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、上記の図1の復号処理装置100や図2の復号処理装置110の構成例では、所謂2×1システムの構成例を例示したが、2×mシステム(m>1)においても、上記と同様の作用・効果を得ることができる。
実施例1のSTBC通信の復号処理装置100の制御ブロック図 復号処理装置100の変形例である復号処理装置110の制御ブロック図 交差点モデルの空間的な構成を例示する平面図 実施例1の効果を例示するグラフ(熱雑音付与時のBER) 実施例1の効果を例示するグラフ(熱雑音付与時のBER)
符号の説明
100 : 復号処理装置
101 : 受信信号判定部
102 : 伝搬路推定部
103 : STBCデコード部
104 : チャネル行列補正部
104a: 位相変動量算出部
104b: 補正演算部

Claims (2)

  1. 所定のトレーニング信号を受信して、送信局と受信局との間のマルチパスの各伝搬路のチャネル特性を推定するチャネル推定手段と、前記チャネル推定手段によって推定されたチャネル行列Hと受信された受信信号ベクトルrに基づいて時空間ブロック復号処理を行う復号手段とを有するSTBC通信方式の受信装置において、
    前記トレーニング信号を受信してから、次回のトレーニング信号を受信するまでの期間内に、所定の復調方式におけるシンボル判定後のシンボル信号に基づいて、前記チャネル特性の位相変動量φを求める位相変動量算出手段と、
    前記位相変動量φに基づいて、
    前記チャネル行列Hの各成分の位相、または、
    前記受信信号ベクトルrの各成分の位相
    を補正する位相補正手段と
    を有し、
    前記位相変動量算出手段による前記位相変動量φの算出周期は、
    前記復調方式における雑音余裕の許容範囲の振幅よりも、前記位相変動量φの絶対値が小さくなることが想定できる時間間隔以下である
    ことを特徴とする受信装置。
  2. 前記位相補正手段は、
    前記位相変動量算出手段の前記算出周期と同一周期で位相補正演算を逐次実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
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