JP2007081908A - 通信装置及び通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】STBC通信方式の利点を維持しつつ、マルチパス環境下で送信局又は受信局が高速に移動する場合においても、高い通信品質を確保すること。
【解決手段】パイロット信号が入力される伝搬路推定部102では、送信局と受信局との間のマルチパスの特性、即ち、チャネル推定行列Γ(t)を求める。ただし、tはパイロット信号が受信された時刻である。チャネル推定行列補正部104では、まず位相演算部104aにて補正項a(≡exp(+jkΔx))を求めて、更にこの補正項aを用いて、時刻t+Δtにおけるチャネル推定行列の値、即ちΓ(t+Δt)を求める。ここで、移動距離算出部105によって算出されるΔxは、当該受信装置100を搭載している車両の車速計106から出力される車速vと、上記のパイロット信号の受信時刻tからの経過時間Δtとの積であり、パイロット信号受信地点からの車両の移動距離に一致する。
【選択図】図2

Description

本発明は、アラモティ(Siavash M. Alamouti )が提案した時空間符号化伝送技術(以下、STBC(:Space Time Block Code)通信方式と言う。)を用いた通信装置(送信装置、受信装置、送受信装置)及び通信システムに関する。
この方法は、例えば車車間通信などの移動体通信における通信データの高品質化に大いに有用なものである。
アラモティが提案した時空間符号化伝送技術(STBC通信方式)は、下記の非特許文献1などに記載されており、このSTBC通信方式を利用した通信技術としては、例えば下記の特許文献1に記載されているものなどが公知である。
図21に、MIMO通信システムにおける周知のシステム構成例(:通信モデルM0)を示す。この通信モデルM0は、例えば非特許文献1などにも例示がある様に、チャネル応答行列Hを2×2行列とする比較的簡単なものであり、図中の符号Txは送信局を、符号Rxは受信局をそれぞれ示している。ここでは、時刻t=mΔTと時刻t=(m+1)ΔTの2つのシンボル時刻において、二つの複素ベースバンド信号s(m)とs(m+1)を送信するものとする。また、n番目(n=1,2)の送信アンテナから時刻mΔTに送信する信号をxn(m)とする。このとき、2 本の送信アンテナから送信される信号は、図中の制御ブロックSTEのところで、通常、以下のように時空間ブロック符号化(STE :Space Time Encoding )される。
(時空間ブロック符号化)
x1(m) = s(m)
x2(m) = s(m+1)
x1(m+1)=−s* (m+1)
x2(m+1)= s* (m) …(1)
ただし、ここで、記号* は、複素共役を表している。
また、同様に、受信側でも時刻t=mΔTと時刻t=(m+1)ΔTの2つの時刻にわたるi番目の受信アンテナ(i=1,2)における各受信信号(y1(m),y2(m),y1(m+1),y2(m+1))を1サイクルの復調処理における処理対象(1処理単位)としている。
この場合、送信信号xn(m)と受信信号yi(m)との関係を書き下せば、次式(2)の様になる(i=1,2)。
(STBC通信方式)
yi(m) =ηi1x1(m) +ηi2x2(m) +zi (m)
=ηi1s(m) +ηi2s(m+1)+zi (m)
yi(m+1)=ηi1x1(m+1)+ηi2x2(m+1)+zi (m+1)
=−ηi1* (m+1)+ηi2* (m) +zi (m+1) …(2)
ただし、ここで、ηijは、チャネル推定行列Γ(チャネル応答行列Hの推定値行列)の各成分を示しており、zi (m)は時刻mΔTにi番目の受信アンテナに入り込むノイズを示している。この時、送受信局間距離などの環境変動に伴うマルチパスの伝搬路特性(チャネル応答行列H)の変動がないこと(H=Γ)を仮定すれば、この式(2)は非特許文献1の式(14)に一致する。
これらの従来技術においては、トレーニング信号(パイロット信号)などを巧く利用してマルチパス(多重伝搬路)のチャネル特性を受信側で高精度に推定することが、通信データを高品質化する上で非常に重要である。
"A simple transmit diversity technique for wireless communications," IEEE journal on selective areas in communications, vol.16, no.8, pp.1451-1458, Oct. 1998. 特開2004−129082号公報
しかしながら、STBC通信方式に準拠する従来の通信装置(送信装置、受信装置、送受信装置)においては、局移動に伴うマルチパス環境の変動が考慮されていない。即ち、上記の従来の通信装置では、送信局又は受信局が高速に移動する場合に、その高速移動に伴うチャネル特性の推定値の急速な経時的劣化が特段補償されてはおらず、このため、送信局又は受信局の移動中に、受信側では干渉波成分が増大してしまって受信信号の復号ができなくなることがあった。
例えば、トレーニング信号(パイロット信号)を受信した時点(:時刻t)で算定されるチャネル推定行列Γの推定精度が十分に高い場合でも、時刻tから時刻t+Δtにおいて次回のトレーニング信号を受信するまでの間に送信局または受信局が移動してしまうと、その間の移動距離などに応じて、上記のチャネル推定行列Γに関する推定精度が急速に劣化することがあった。即ち、従来装置においては、動的な送受信局間の距離変動に伴って通信品質が急速に劣化することがあり、特に移動速度の大きな移動体通信の場合に問題となっていた。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、STBC通信方式の利点を維持しつつ、マルチパス環境下で送信局又は受信局が高速に移動する場合においても、高い通信品質を確保することである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、I本(I≧2)の受信アンテナと、所定のトレーニング信号を受信してチャネル推定を行うチャネル推定手段と、チャネル推定手段によって推定されたチャネル推定行列Γ及び上記の受信アンテナで受信された受信信号yi (m)(iは受信アンテナの通し番号;1≦∀i≦I)に基づいて、時空間ブロック復号処理を行う復号手段とを有するSTBC通信方式の受信装置において、トレーニング信号を受信する第1の送信時刻t1から受信信号yi (m)を受信する第2の送信時刻t2までの間における受信装置の移動距離Δxを算出する移動距離算出手段と、この受信装置の移動距離Δxに基づいて、上記のチャネル推定行列Γの各要素の位相、または受信信号yi (m)(1≦∀i≦I)の各位相を補正する位相補正手段とを備えることである。
ただし、上記の受信装置は、移動体に搭載するものに限定されるものではなく、例えば携帯電話などを考えることもできる。また、上記の移動距離算出手段の構成は、受信装置の移動距離Δxを随時求めることができる手段であれば任意でよく、例えばGPSを利用したものや、車両の車速計を利用したものなどを考えることができる。
なお、上記の受信信号yi (m)の整数mはシンボル時刻を表している。また、実際のチャネル推定の方法については、トレーニング信号を用いて推定するなど従来のアルゴリズム(例:M系列やMLSE)などを用いて実施することができる。
また、本発明の第2の手段は、送信情報に対する時空間ブロック符号化を行う符号化手段と、この符号化手段によって時空間ブロック符号化された複素シンボルから成る時空間行列G2 を送信する複数の送信アンテナとを有するSTBC通信方式の送信装置において、受信側でチャネル推定を行うための所定のトレーニング信号を送信する第3の送信時刻t3から時空間行列G2 を送信する第4の送信時刻t4までの間における送信装置の移動距離Δyを算出する移動距離算出手段と、送信装置の移動距離Δyに基づいて、送信前に上記の複素シンボルの各位相を補正する時空間行列補正手段とを備えることである。
ただし、上記の送信装置は、移動体に搭載するものに限定されるものではなく、例えば携帯電話などを考えることもできる。また、上記の移動距離算出手段の構成は、上記の送信装置の移動距離Δyを随時求めることができる手段であれば任意でよく、例えばGPSを利用したものや、車両の車速計を利用したものなどを考えることができる。
また、本発明の第3の手段は、STBC通信方式を用いた送受信装置において、上記の第1の手段の受信装置と、上記の第2の手段の送信装置とを備えることである。
ただし、装置の物理的又は論理的な構成には必ずしも冗長性をもたせる必要はなく、したがって、例えば、上記の受信アンテナと送信アンテナは、双方を同一のアンテナを用いて構成しても良い。また、上記の移動距離算出手段などに付いても同様である。
また、本発明の第4の手段は、上記の第3の手段に基づいて構成され、移動体に搭載される送受信装置において、任意の2時刻間における該送受信装置の移動距離をその移動体の移動速度に基づいて算出する移動距離算出手段を備えることである。
ただし、この移動距離算出手段は、勿論、上記の第1及び第2の手段の移動距離算出手段として用いるものである。
また、本発明の第5の手段は、STBC通信方式を用いた受信局及び送信局から構成される通信システムにおいて、その受信局に、請求項1に記載の受信装置、或いは請求項3又は請求項4に記載の送受信装置を設け、一方、その送信局に、請求項2に記載の送信装置、或いは請求項3又は請求項4に記載の送受信装置を設けることである。
ただし、双方に上記の送受信装置を設けた場合には、勿論、どの送受信局でも必要に応じて受信及び送信を随時実行することができる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
例えば上記の様なMIMO技術を利用するSTBC通信方式においては一般に、例えば上記の非特許文献1の式(14)や上記の式(2)などからも分かる様に、受信信号行列をYと表現し、時空間行列(STBC行列)をG2 、チャネル推定行列(チャネル応答行列Hの推定値行列)をΓ、ノイズ行列をZとすると、次式(3)の関係が成り立っている。即ち、上記の式(2)や上記の非特許文献1の式(14)は、次式(3)の様に一般化して書くことができる。
(STBC通信方式)
Y=G2 Γ+Z …(3)
ただし、ここでは、マルチパスの伝搬路特性に関する推定誤差がないこと(H=Γ)を仮定している。
以下、この式(3)に係わる作用を中心に、本発明の効果を説明する。
まず、本発明の第1の手段によれば、当該受信装置の移動距離Δxに応じて、上記のチャネル推定行列Γを構成する各行列要素の位相が、受信側において直接補正される。ただし、上記の移動距離Δxは、受信局が主要なマルチパスに概ね沿って送信局の方に向って近づく向きを正の向きとして定義される距離とする。言い換えれば、移動距離Δxは、時刻t1から時刻t2までの期間における伝搬路長の短縮量に略一致する距離である。
本発明の第1の手段によるこの時の補正操作を次式(4)に例示する。
(位相の補正作用)
a≡exp(+jkΔx),
Y = G2 (aΓ)+Z …(4)
ただし、ここで、上記のaは補正項、jは虚数単位、kは波数である。
そして、この第1の手段は、STBC通信方式が成立するマルチパス環境下において、受信局が伝搬路に概ね沿って移動する場合に有効である。この時、実際には各伝搬路の長さはそれぞれ何れも約Δxだけ短くなるが、この第1の手段によれば、受信局(当該受信装置)がトレーニング信号の受信地点で仮想的に静止している様に疑似化することができる。即ち、式(4)の補正操作によって、チャネル推定行列Γの各行列成分の各位相がそれぞれ+jkΔx進み、この補正された行列aΓを用いて算出される時空間行列G2 の位相がその分だけ遅れるので、この作用によって受信装置の移動による実際のマルチパスの特性変動作用、即ち、伝搬路の短縮作用がキャンセルされる。このため、本発明の第1の手段によれば、受信局の高速移動に伴うチャネル特性の推定値の急速な経時的劣化が、略過不足なく効果的に補償されるので、受信装置が高速に移動する場合にも、従来よりも高い通信品質を容易に確保することができる。
また、上記の式(4)の左右両辺にa-1を掛ければ、式(4)と等価の次式(4)′を得る。
-1Y = G2 Γ + Z″ …(4)′
ここで上記の行列Z″は、最初に選択したノイズ行列Zの代わりに、各ノイズ成分の位相の任意性に基づいて更めて選択し直した別のノイズ行列(Z″≡a-1Z)である。
そして、この式(4)′の意味する所は、行列Yを行列a-1Yに修正する補正処理は、行列Γを行列aΓに修正する補正処理と理論的に全く等価であり、よって、その様な修正を実行する補正処理(即ち、受信信号の方を補正する請求項1の位相補正手段)によっても、上記と全く同様の作用・効果を得ることができると言うことである。
また逆に、受信局が停止しており、送信装置の側のみがΔyだけ移動する場合を考える。ただし、ここで移動距離Δyは、送信局が主要なマルチパスに概ね沿って受信局の方に向って近づく向きを正の向きとして定義される距離とする。言い換えれば、移動距離Δyは、時刻t1から時刻t2までの期間における伝搬路長の短縮量に略一致する距離である。この時、この送信装置が伝搬路に沿って受信局に近づく際にも、各伝搬路(マルチパス)の長さはそれぞれ何れも約Δyだけ短くなるので、この場合にも、上記のΔxをΔyに置き換えて、式(4)と同等の補正操作をもし仮に実行することができれば、式(4)と同等の補正作用を得ることができる。即ち、ここで得たい所望の補正作用も、上記と同様の理由から、以下の通りになる。
(期待される補正作用)
b≡exp(+jkΔy),
Y = G2 (bΓ)+Z …(5)
ただし、ここではbが補正項であり、この式(5)の左右両辺にb-1を掛ければ、この式(5)と等価の次式(5)′を得る。
-1Y = G2 Γ + Z′ …(5)′
ここで上記の行列Z′は、最初に選択したノイズ行列Zの代わりに、各ノイズ成分の位相の任意性に基づいて更めて選択し直した別のノイズ行列(Z′≡b-1Z)である。
しかしながら、送信装置の側からは、式(5)に示す様に受信装置上のチャネル推定行列Γを行列bΓに直接補正することはできない。そこで、この場合には、その代わりに、本発明の第2の手段を用いる。
即ち、本発明の第2の手段によれば、送信装置の移動距離Δyに応じて、上記の時空間行列G2 を構成する各行列要素(複素シンボル)の位相が送信装置の側で補正されるが、その時には、その補正量をb-1=exp(−jkΔy)とすればよい。この補正操作によれば、補正されたその信号、即ち時空間行列b-12 を受信する受信装置の側では、受信信号行列Yに関してY⇒b-1Yなる補正作用が得られる。このため、本発明の第2の手段によれば、式(5)と式(5)′との等価関係に基づいて、第1の手段と略同様にして所望の補正結果を得ることができる。
即ち、送信側で上記の補正項bの逆数b-1を時空間行列G2 に掛けて、時空間行列G2 の各要素(複素シンボル)の各位相を−jkΔyだけ補正する(遅らせる)ことは、その代わりに、受信側においてチャネル推定行列Γの各行列要素の位相を+jkΔyだけ補正する(進める)ことと同じ結果をもたらす。
言い換えれば、例えば送信局が伝搬路に概ね沿って移動してΔyだけ受信局に近づいた場合に、その送信装置上でG2 ⇒b-12 なる補正操作を実行すれば、受信装置側の受信アンテナによって受信される信号、即ち受信信号行列Yはb-1Yに変化する。このため、受信局側では自動的にチャネル推定行列Γが推定精度のより高い式(5)のbΓに補正されたことになる。そしてこの場合のΓ⇒bΓなる補正操作は、第1の手段と略同様の作用・効果をもたらす。即ち、本発明の第2の手段は、受信局側から見ると、移動中の送信局をトレーニング信号の発信地点にまで仮想的に押し戻す作用をもたらし、この補正操作によって、トレーニング信号の発信地点にまで仮想的に押し戻された仮想的な送信装置から、当初の時空間行列G2 を受信局に対して送信するのと同じ作用が得られる。
したがって、この第2の手段は、STBC通信方式が成立するマルチパス環境下において、送信局が伝搬路に概ね沿って移動する場合に有効であり、この時この第2の手段によれば、送信局が伝搬路に略沿って移動してΔyだけ受信局に近づいた場合に、上記の作用によって送信装置の移動によるマルチパスの特性変動作用がキャンセルされて、送信局の高速移動に伴うチャネル特性の推定値の急速な経時的劣化が、第1の手段と略同様に過不足なく効果的に補償されるので、送信装置が高速に移動する場合にも、従来よりも高い通信品質を容易に確保することができる。
また、本発明の第3の手段によれば、同一の当該送受信装置において、上記の第1及び第2の手段による各作用・効果を同時に得ることができるので、STBC通信方式が成立するマルチパス環境下において当該送受信装置が移動している時に、受信処理においても送信処理においても従来よりも高い通信品質を確保することができる。
したがって、本発明の第3の手段によれば、例えば、交差点に備え付けられた路側の基地局と車両との間で通信する路車間通信環境などにおいては、車両側のみに上記の送受信装置を搭載するだけで従来よりも高い通信品質を確保することができる。
ただし、この場合にも、上記と同様に、当該送受信装置が伝搬路(マルチパス)に概ね沿って移動することが、この作用・効果を得るための前提となる。
また、本発明の第4の手段によれば、車両などの速度計を有する移動体に、上記の送受信装置を搭載する場合に、第1又は第2の手段における前記の各移動距離算出手段を容易に高精度に構成することができる。
以下、受信局と送信局の双方が同時に移動する場合について考える。この場合、双方とも伝搬路に沿って移動すると、各伝搬路はそれぞれ何れもΔx+Δyだけ短くなる。即ち、ここで得たい所望の補正作用は以下の通りである。
(期待される補正作用)
c≡exp(+jk(Δx+Δy)),
Y = G2 (cΓ)+Z …(6)
ただし、ここではcが補正項であり、この式(6)の左右両辺にb-1を掛ければ、この式(6)と等価の次式(6)′を得る。
-1Y = G2 (b-1cΓ)+ b-1
= G2 (aΓ)+ Z′ …(6)′
ここで、チャネル推定行列に関するΓ⇒aΓなる補正操作は、本発明の受信装置上で実行することができ、受信信号行列に関するY⇒b-1Yなる補正操作は、事実上本発明の送信装置上で実行することができることは、既に述べた。したがって、本発明の第5の手段によれば、送信局側においても受信局側においても、式(6)′に示す様に適正に各補正処理が共に実施されるので、双方が移動中であっても、STBC通信方式が成立するマルチパス環境下において、従来よりも高い通信品質を確保することができる。
なお、上記の式(6)′は、Δy=0の時には式(4)に帰着し、Δx=0の時には式(5)′に帰着し、Δx+Δy=0の時には式(3)に帰着する。
また、特に、各局の移動距離の和(Δx+Δy)が、送受信に用いる電磁波の波長λに対して十分に短い場合には、チャネル応答行列Hの各行列要素の各振幅はそれぞれ何れも殆ど変化せず、この時のビットエラーの原因は、その殆どが、チャネル推定行列Γの各行列要素の位相誤差によってもたらされることが分っている。即ち、Δx+Δy≪λなる通信状況においては、通常、実際のチャネル応答行列Hとチャネル推定行列Γとの間の誤差は、移動による振幅変動によってではなく、移動による位相変動によって圧倒的に支配的されることが分っている。
したがって、本発明は、各局の移動距離の和(Δx+Δy)が波長λに対して十分に小さい時点から、非常に大きな効果を発揮する。
また、以上の本発明の各手段は、その適用対象を特定の変調方式に限定することなく利用することができる。特に近年、高速伝送に利用されているOFDM方式などでは、シンボル長が長いため、チャネル推定のためのトレーニング信号を受信した時刻と目的の信号の復号時刻との間の時間差(遅延)が大きくなっているので、本願発明の課題は今後一般にも表面化しつつある。即ち、STBC通信方式においてチャネル推定行列を時間に対して連続的に補正することがない従来方式においては、伝送データのシンボル長が長く、かつ、送信局又は受信局の高速移動を伴う場合に、チャネル特性の推定値が経時的に急速に劣化するケースが頻発し易い。しかしながら、上記の作用によって、これらの通信品質の劣化は、大きく改善することができる。
また、STBC通信方式が成立するマルチパス環境下において、送信局と受信局とが互いに伝搬路に概ね沿って移動して近づき合う状況としては、例えば2台の車両が都心部のビル街の交差点付近を行き交う時の車車間通信などを考えることができる。また、例えば都心部のビル街の谷間にある三叉路やクランク状の屈曲路や直線路や、或いはトンネルなどでも同様の状況を考えることができる。
したがって、上記の様な作用によって得られる、移動体間の高い通信品質を利用すれば、例えば、交差点等における複数の移動体間での出会い頭の衝突事故などを未然に防止するための警報装置や安全運転支援システムなどを、従来よりも容易かつ確実に構成することもできる。
なお、上記の移動距離ΔxやΔyは、負値であっても良い。即ち、上記の作用・効果は必ずしも、送信局と受信局とが互いに近づき合う場合に限って得られるものではなく、一方が路肩などに静止している場合にも、また、双方が互いに遠ざかる場合にも、上記の作用・効果は得ることができる。例えば、Δx<0かつΔy=0の場合は、静止している送信局から受信局が遠ざかっていることを意味するが、この様な場合においても、上記の作用・効果を得ることができる。ただし、双方が相対的に遠ざかる場合においても、勿論、何れの局も相手局の方、即ち、電波が到来して来る方(例:交差点の方)にアンテナの指向性を向けておくことが望ましいことは言うまでもない。また、この様な事情は、両局が見通しの悪い屈曲路上に位置する場合でも、両局が見通しの良い直線路上に位置する場合でも同様である。ただし、上記の様な作用・効果が期待される場面は、例えば上記の警報装置や安全運転支援システムなどの様に、移動体(送信局と受信局)が見通しの悪い交差点付近や屈曲路などで互いに近づき合う場面などに集中し易いものと推定される。
上記の本発明の各手段において用いるアンテナの数は、受信装置においても送信装置においても、2本以上であれば任意でよく、MIMOシステムにおいて受信局または通信局が移動する際に有効に作用する。したがって、本発明を具現する最も簡単な通信システムのアンテナ構成としては、送信装置のアンテナが2本であり、かつ、受信装置のアンテナも2本である場合を考えることができる。そして、この場合には、チャネル応答行列Hは2×2行列となり、前述の通信モデルM0(図21)に対して新たに、上記の本発明の手段を適用することにより、通信品質の改善を図ることができる。
この場合、上記のチャネル応答行列Hに対する推定誤差(Γ−H)を誤差行列εH で表せば、時刻t+Δtにおけるチャネル推定行列Γは、次式(7)の様に書くことができる。ただし、ここでは、Γ(t)=H(t)を仮定する。時刻tはパイロット信号の受信時刻である。
(時刻t+Δtにおけるチャネル推定行列Γ)
Γ(t+Δt)=H(t)+εH (Δt), εH (0)=O …(7)
以下の本発明の各実施例では、上記の各行列Γ,H,εH を何れも2×2行列とする。そして、時間差Δtの増大に伴う誤差行列εH (Δt)の拡大を抑制する対策として、本発明に基づく次式(8)を採用し、その場合に、時刻t+Δtにおける通信品質がどの程度改善されるかをレイ・トレーシング法に基づくシミュレーションによって検証する。
Γ(t+Δt)=exp(+jk(Δx+Δy))H(t)
=exp(+jk(Δx+Δy))Γ(t)
(Δx≧0,Δy≧0,Δx+Δy>0) …(8)
ただし、ここで、Δxは時刻tから時刻t+Δtの間に受信局が伝搬路に略沿って送信局に近づいた際の移動距離であり、Δyは時刻tから時刻t+Δtの間に送信局が伝搬路に略沿って受信局に近づいた際の移動距離である。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
1.受信装置の構成
図1に、本実施例1の通信システムM1のデータフロー図を示す。この通信システムM1は、前述の従来の通信モデルM0(図21)に準拠するものであるが、本発明に基づいて構成された受信装置100を有する点が従来とは異なっており、図2に示す様に特に、チャネル推定行列補正部104や移動距離算出部105を有する復号処理部110(:図1の制御ブロックSTD)の構成が新しい。
図2に、受信装置100の復号処理部110の制御ブロック図を示す。この復号処理部110は、STBC通信方式に基づいて、受信信号y1(m),y2(m)の復号処理を実行するものであり、出力信号S0 (m)が復号された信号を示している。ただし、ここで、mは前述のシンボル時刻を表している。
受信信号判別部101は、受信信号y1(m),y2(m)の内容に基づいて、これらの信号がパイロット信号(トレーニング信号)であるか否かを判定する。そして、これらの信号が所定のパイロット信号である場合には、これらの信号を伝搬路推定部102に出力し、そうでなければ、これらの信号をSTBCデコード部103に出力する。
パイロット信号が入力される伝搬路推定部102では、周知の方法によって、送信局と受信局との間のマルチパスの特性、即ち、チャネル推定行列Γを求める。ただし、以下では、パイロット信号が受信されたその時刻をtとし、この時点で上記のパイロット信号に基づいて求められるチャネル推定行列Γ(t)は、実際のマルチパス特性を示す真のチャネル応答行列H(t)に一致するものと仮定する。
チャネル推定行列補正部104では、先の式(4)に示す様に、まず位相演算部104aにて補正項a(≡exp(+jkΔx))を求めて、更に、乗算器104bにてこの補正項aを用いて、時刻t+Δtにおけるチャネル推定行列の値、即ちΓ(t+Δt)を求める。ここで、Δxは、当該受信装置100を搭載している車両の車速計106から出力される車速vと、上記のパイロット信号の受信時刻tからの経過時間Δtとの積であり、パイロット信号受信地点からの車両の移動距離に一致する。この値Δxは上記の移動距離算出部105(図2)によって算出される。また、記号jは虚数単位、kは波数を示している。
(チャネル推定行列補正部の処理)
Γ(t+Δt)=aΓ(t)=aH(t)
=exp(+jkΔx)Γ(t) …(9)
この式(9)は、上記の式(8)において、Δy=0である場合に相当する。
図2のSTCBデコード部103は、受信信号y1(m),y2(m)が、パイロット信号ではなく、送信局からの送信データであった場合に動作する。このSTCBデコード部103では、受信信号y1(m),y2(m)と補正後の(即ち、式(9)の)チャネル推定行列Γ(t+Δt)を入力し、上記の式(1),(2),(4)に基づいて、周知のSTCBデコード処理と同様にして、シンボル時刻mに対応するシンボル信号(上記の出力信号S0 (m))を連続する2時刻(m,m+1)単位に生成する。
なお、以上の構成では、伝搬路推定部102とSTCBデコード部103との間に、乗算器104bが挿入されているが、その代わりに、受信信号判別部101とSTCBデコード部103との間に、同様の乗算器を挿入する様にしても良い。この時、その乗算器を用いて受信信号y1(m),y2(m)に掛ける補正項を図2のaではなくa-1に代えることによって、前述の式(4)′の関係を利用すれば、この様な構成によっても上記と等価の作用(処理結果)を得ることができる。
2.シミュレーションによる作用・効果の検証
2.1 交差点モデル
図3に、本発明の各実施例を検証するために構成された交差点モデルの空間的な構造を例示する。評価対象とする交差点モデルを図3に示す。交差点モデルは、300m四方のオフィスビル街を想定し、道路幅は10mと仮定し、交差点の周辺には、ビルを疑似する高さ10mのコンクリートブロックを図示する様に配置した。送信局Txおよび受信局Rxの各アンテナの初期位置は、ともに道路の交差点から40m離れた場所とした。即ち、時速60kmで移動する自動車の平均的な停止可能距離(約40m程度)を1つの目安として考えた。
ただし、本実施例1においては、上記の受信装置100を搭載している車両(受信局側)だけが、交差点に向って移動しており、送信局側は静止していることを仮定した。
また、この交差点モデルにおいては、送受信のアンテナとして、標準ダイポールを2素子ずつ使用し、車両上における2つのアンテナの素子間隔を1.5m、アンテナの高さは0.8mとし、アンテナ軸は地面に対して垂直とした。また、コンクリートブロックの壁面からの距離は、1 .5mとした。また、個々の送信アンテナからの送信電力はそれぞれ10mWに設定した。
また、このシミュレーションでは、幾何学的な光学手法であるレイトレーシング法の内のイメージ法を採用した。この方法では、送信点、受信点、その他すべての反射面の組み合わせから、反射・透過・回折を計算するが、この時、反射係数と透過係数には、フレネルの係数を使用し、回折係数にはUTD (Uniform Geometric Theory of Diffraction )を用いた。また、これらのシミュレーションでは、反射回数を1〜3回と変化させ、透過回数を0回と固定し、回折回数は1〜2回と変化させ、大地反射も考慮した。なお、コンクリートブロック、および大地の電気的特性を次の表1に示す値とした。
2.2 チャネル応答行列Hの算定方法
上記のチャネル応答行列Hは、次式に基づいて求めることができる。即ち、nt 番目の送信アンテナとnr 番目の受信アンテナ間の伝搬路応答特性hnrntは、一般に、図中の交差点を構成する2本の道路上における任意の2点間について、以下の様にして求めることができる。
(チャネル応答行列Hの各行列要素の求め方)
ただし、ここで、Ri,u はそれぞれi番目のレイ(電磁波線)がu番目の反射面で反射した場合の反射係数であり、Ti,v はi番目のレイがν番目の透過面を透過した場合の透過係数であり、Di,l はi番目のレイがl番目の回折エッジで回折した際の回折係数である。また、si,l はl−1番目の回折点からl番目の回折点までの延べ距離である。ただし、送信局(送信点)を0番目の回折点と定義する。また、gnt(i),gnr(i) は、それぞれ、i番目のレイに対する送信、受信アンテナの複素振幅利得を表わしており、kは波数である。
2.3 評価指標
以下では、記号hijの上に記号〜を付して上記のチャネル推定行列Γの各行列成分ηij(t+Δt)を表すことがある。受信装置100全体におけるCIR(γCIR )は、個々の受信アンテナにおけるCIRの総和であるので、受信装置100全体におけるCIR(γCIR )は、以下の通りとなる。
〔γCIR (CIR)〕
また、これらの総和の関係は、以下のγCNR (CNR)、γCINR(CINR)についても同様であり、それぞれ以下の様にして求めることができる。
〔γCNR (CNR)〕
〔γCINR(CINR)〕
ただし、ここで、Ps は各送信アンテナの出力電力であり、Pz は各受信アンテナの雑音電力であり、γ0 CNR は送受信アンテナの1素子ずつの通信におけるCNRである。これらの評価指標を用いて、例えば上記の交差点モデル等における本発明の効果を、シミュレーションを通して検証することができる。
2.4 検証結果
図4に本実施例1の効果を例示する。本シミュレーションでは、通信に用いる電磁波の周波数fを2.4GHz及び5.2GHzとした。図中に conventional と記載して示してあるグラフが、本発明の補正を省略した従来のSTBC通信方式に従うシミュレーション結果であり、上記の実施例1に従うシミュレーションの結果のグラフを proposed と記載して示した。また、このグラフの横軸には、上記の移動量Δx(≡dx)をmm単位に目盛った。上記の式(9)に従って、上記の様に本実施例1の補正操作を行うことにより、CIRが大幅に改善されることが本図4からわかる。
また、図5には、干渉波電力の大きさを示した。干渉波成分の電力を確認すると、従来方式では、移動距離dxによる誤差が大きくなると干渉波成分の電力が増加しているのに対し、本実施例1の処理方式に従えば、干渉波成分の電力が、ほとんど増加せずに、効果的に抑えられていることがわかる。
3.考察
3.1 交差点モデルにおける伝搬形態の特徴
以上の様にして交差点伝搬シミュレーションを実施した結果を簡単にまとめる。評価尺度として、パス数、遅延スプレッド[nsec ] 、水平成分の角度スプレッド[ °] 、垂直成分の平均到来/出射角度[ °] を用いて整理する。到来角度、および出射角度については、天頂方向を0°とし、水平が90°を示す。
これについては、受信点を交差点から40m離れた地点に固定した場合において、送信アンテナ#1(図3の送信局Txの壁寄りのアンテナ)、受信アンテナ#1(図3の受信局Rxの壁寄りのアンテナ)との間のパスについてまとめた結果を表2 、表3 に示す。
回折回数を同じにして、反射回数を増やすと、パス数が増大し、角度スプレッドが若干大きくなる。実際に角度プロファイルを確認してみると到来方向が反射数の増大により角度的な広がりが生じていることがわかる。
一方、回折回数を変化させた場合の評価結果を表に示す。この場合、回折回数が増えると、パス数は非常に大きくなる。また、あらゆる方向から電波を受信する状況が生じる。しかしながら、角度スプレッドの値はそれほど大きくなっていない。これは、強い電波が交差点方向から到来しているためであり、この関係は、実際に角度プロファイルを調べることによって確認された。また、遅延プロファイルを見ると、長い遅延波が非常に多くなっていることから、事実上支配的になっているレイは、交差点を通過するレイであることが分った。
3.2 相関解析結果
次式の複素空間相関係数ρi (Δx)を用いて、時刻t+Δtにおけるチャネル推定行列Γの各行列要素ηij(x+Δx)(≡ηij(t+Δt))の妥当性を検証することができる。ただし、ここで、時刻tは受信装置100がパイロット信号を受信した時の時刻であり、座標xはその時の受信装置100の座標である。なお、上記のシミュレーションにおいては、受信装置100の初期位置と車速vが決まっているので、上記の行列要素hijの各値は、座標xの関数と考えても時刻tの関数と考えても、どちらでも良い。
例えば、時間Δtの間の移動距離Δxを無視して、本願発明の補正を行わない従来方式では、以下の式(10)に従って、チャネル推定行列Γの各行列要素ηij(x+Δx)が決定される。
(従来方式)
ηij(x+Δx)=ηij(x)=hij(x) …(10)
一方、本実施例1に従えば、以下の式(11)に従って、チャネル推定行列Γの各行列要素ηij(t+Δt)が決定される。
(実施例1の方式)
ηij(x+Δx)=aηij(x)=ahij(x)
=exp(+jkΔx)hij(x) …(11)
図6に、交差点モデルを用いたシミュレーションにおける、式(10),(11)の各ηij(x+Δx)の値(:各式の最右辺の算定値)とhij(x+Δx)との相関係数を示す。即ち、上記の複素空間相関係数ρi (Δx)を、Δx/λの関数として、受信アンテナ#1について算出した。ただし、ここでは、式(10)に基づくシミュレーション結果を図中に(Simulation)と付して実部と虚部とをそれぞれ示し、式(11)に基づくシミュレーション結果は図中に(Compensation)と付して実部と虚部とをそれぞれ示した。また、λは通信に用いる電磁波の波長である。
なお、hij(x),hij(x+Δx)の各値はそれぞれ、上記の交差点モデルにおけるシミュレーションに基づいて、前記の〔数1〕のチャネル応答行列Hの式から求めた。また、このシミュレーションでは、反射回数が2回、回折回数が1回であることを前提としてチャネル応答行列Hの計算を行った。
横軸を波長λを用いて正規化したのは、このパラメータ(Δx/λ)を用いることによって、シミュレーション結果が周波数に依存しないことがわかったためである。本シミュレーションは、6GHz,5GHz,2GHzの3通りについて実施したが、何れの場合にも図6の結果を示した。この図6のシミュレーション結果より、前述の式(9)や式(11)の近似式としての妥当性を確認することができる。
図7は、本実施例2の通信システムM2のデータフロー図である。この通信システムM2は、前述の従来の通信モデルM0(図21)に準拠するものであるが、本発明に基づいて構成された送信装置200を有する点が従来とは異なっており、図8に示す様に特に、時空間行列補正部203や移動距離算出部204を有する符号化処理部210(:図7の制御ブロックSTE)の構成が新しい。
図8に、送信装置200の符号化処理部210の制御ブロック図を示す。STBCエンコード部201は、パイロット信号の送出時刻tよりもmΔTだけ後の時刻t+mΔTにおいて、シンボル信号S(m)を入力し、更に、時刻t+(m+1)ΔTにおいて、シンボル信号S(m+1)を入力する。そして、これらの入力信号に基づいて、2×2行列である時空間行列G2 を生成する。時空間行列G2 の各行列要素gijは、次式(12)の通りである。
(時空間行列G2 の各行列要素)
11 = s(m),
12 = s(m+1),
21 =−s* (m+1),
22 = s* (m) …(12)
時空間行列補正部203では、式(5)′の補正作用を得るために、まず位相演算部203aにおいて、前記の補正項b-1≡exp(−jkΔy)を求める。ただし、ここで、移動距離Δyは、移動距離算出部204から入力されるものであり、これは当該送信装置200を搭載する車両の、時間Δtの間における移動距離である。また、この時間Δtは、直近過去のパイロット信号を送出してから、目的のシンボル信号を送出するまでの時間差である。図8の移動距離算出部204は、図2の移動距離算出部105と同様に構成されており、車速vと時間Δtとの積を時空間行列補正部203に対して出力する。
次に、時空間行列補正部203の乗算部203bでは、時空間行列G2 に補正項b-1を掛けて新たに、補正後の時空間行列G2 ′(=b-12 )を求める。
(時空間行列G2 ′の各行列要素)
11′= x1 (m) = b-1s(m),
12′= x2 (m) = b-1s(m+1),
21′= x1 (m+1)=−b-1* (m+1),
22′= x2 (m+1)= b-1* (m) …(13)
例えば、x2 (m+1)は、シンボル時刻t+(m+1)ΔTにおいて2番目の送信アンテナから、送出すべき信号(送信データ)を表している。そして、この送信処理は、補正後の時空間行列G2 ′を受け取る次段の送信部202によって随時実行される。そして、この補正項b-1を掛ける補正処理に基づいて、前述の式(5)′の補正作用を得ることができる。
また、受信装置の側から見ると、この作用は、前述の式(5)の補正作用と等価となり、したがって、実質的には、前記の式(8)にΔx=0を代入した次式(14)の作用が導かれる結果となる。
(時空間行列補正部203の補正作用)
Γ(t+Δt)=bΓ(t)=bH(t)
=exp(+jkΔy)Γ(t) …(14)
図9に本実施例2の効果を例示する。本実施例2においても、先の実施例1と同様の交差点モデルやシミュレーション条件を用いた。ただし、本実施例2では、受信局Rxは図3の位置に固定し、送信局Txの側を時速60kmで図3の交差点から40m離れた地点からy軸正の向きに移動させた。
また、本実施例2のシミュレーションでは、通信に用いる電磁波の周波数fを2.4GHzと5.2GHzにした。図中に conventional と記載して示してあるグラフが、補正を省略した従来のSTBC通信方式に従うシミュレーション結果であり、上記の実施例2に従うシミュレーションの結果のグラフを proposed と記載して示した。また、これらのグラフの横軸には、上記の移動量Δx(≡dx)をmm単位に目盛って示した。上記の式(5)′、(13)に従って、上記の様に本実施例2の補正操作を行うことにより、CIRが大幅に改善されることが本図9からわかる。
また、図10には、干渉波電力の大きさを示した。干渉波成分の電力を確認すると、従来方式では、移動距離dx(≡Δx)による誤差が大きくなると干渉波成分の電力が増加しているのに対し、本実施例2の処理方式に従えば、干渉波成分の電力が、ほとんど増加せずに、効果的に抑えられていることがわかる。
本実施例3では、受信局Rxと送信局Txとが双方共に交差点に向って移動している場合のシミュレーションを、上記の交差点モデルを用いて実施例1、2のシミュレーションと同様に行った。即ち、本実施例3では、図3に示す様に受信局Rxを交差点から40m離れた位置からx軸の正の向きに、送信局Txを交差点から40m離れた位置からy軸の正の向きにそれぞれ同じ速さ(:時速60km)で移動させて、以下の4通りのシミュレーション結果を比較した。
(a)上記の補正を行わない従来の場合(図11の'conventional'に相当)
(b)受信局側でのみ実施例1の補正を行う場合(図11の'proposed −Rx' )
(c)送信局側でのみ実施例2の補正を行う場合(図11の'proposed −Tx' )
(d)実施例1,2の補正を同時に行う場合(図11の'proposed −RxTx' )
図11,図12に、これらの方式(a)〜(d)のシミュレーション結果のグラフ(f=2.4GHz;CIR及び干渉波電力)を示す。本発明の適用によって、特に請求項5に記載の通信システムにおいて、CIR及び干渉波電力が格段に改善されることが、これらのグラフから分かる。また、ここで、方式(b)のグラフと方式(c)のグラフとが重なるのは、上記の式(9)と式(14)の間に対称性があることと、交差点に向って送信局Txと受信局Rxとが同じ速さで移動していること(Δx=Δy)による。
また、上記と同様のシミュレーションを周波数fが5.2GHzの場合についても実施した。その結果を図13、図14に示す。これらのグラフからも、上記と同様に、本発明の有効性を確認することができる。
更に、上記の従来方式(:方式(a))の場合と方式(d)の場合に関し、周波数f=6GHz,5GHz,2GHzの3通りについて同様のシミュレーションを実施した。そのシミュレーション結果のグラフを図15に示す。ただし、このグラフでは、各周波数fに対応する各波長λを用いて、横軸を前述のパラメータΔx/λに規格化して表示した。ただし、ここでは、Δx=Δyである。また、本グラフの縦軸はCIRとした。
この様な規格化表示の下では、方式(d)において各グラフ(f=6GHz,5GHz,2GHz)が、何れも互いに重なること、即ち、上記のシミュレーション結果が周波数fに依存しないことが分かった。また、方式(a)についても同様であった。
また、受信局側と送信局側の何れか一方のみにおいて本発明の補正を実施する場合には、式(8)から分かる様に、Δx>Δyである場合、即ち、受信局側が移動する速さの方が送信局側が移動する速さよりも大きい場合には、受信局側で上記の補正を実施する方が有利である。また、逆に、Δx<Δyである場合には、送信局側で上記の補正を実施する方が有利である。
本実施例4では、上記の実施例3の従来方式(上記の方式(a))と方式(d)において、BPSK方式またはQPSK方式を採用した際のビットエラー率(BER)について検証する。本実施例4では、上記の交差点モデルを用いたシミュレーションに対して、マルチパス・レイリーフェージング環境を仮定して、BERを算定した。
まず、はじめに図16に、従来方式(方式(a))におけるBPSK方式とQPSK方式に関するBERを示す。ただし、ここでは、Δx=Δyとし、横軸には前述のパラメータΔx/λを用いた。この図16のシミュレーションでは、受信アンテナにおけるノイズ行列ZがO行列であることを仮定したが、このシミュレーション結果より、従来方式の下でのQPSK方式では、Δx/λ≒0.04付近から急峻にBERが立ち上がることが分かった。また、BPSK方式では、Δx/λ≒0.06付近から急峻にBERが立ち上がっている。QPSK方式の方がBERが高くなるのは、その方式上、雑音余裕が少ないためである。
次に、BPSK方式を採用した場合の、上記の方式(a)と方式(d)の各場合における各BERを図17に示す。ただし、ここでは、(a),(d)の両方式においてZ≠O、即ち、SNRが8dB,12dB,16dBの各場合についてそれぞれ示した。このシミュレーション結果より、本発明に基づく方式(d)(:図中の'Proposed')においては、SNRが何れの値の場合であっも、Δx/λの増大に際してBERが殆ど変化しないことが分かる。なお、図18は、同じシミュレーション結果を、横軸をSNRに書き換えて示したものである。
また、図19、図20には、QPSK方式において同様のシミュレーションを実施した結果を示す。これらのグラフに例示する様に、QPSK方式を採用した場合においても、上記と全く同様の傾向が現われることを確認することができる。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、上記の実施例1では、交差点モデルにおいて、送信局Txまたは受信局Rxが交差点に向って走行する場合について示したが、上記のΔxやΔyはそれぞれ何れも負値であってもよい。また、送受信局が互いに遠ざかる場合でも良い。これらの場合においても、本発明の手段に基づいて、本発明の作用・効果を得ることができる。
上記の作用から分かる様に、本発明は、実質的に主要な伝搬路を1次元の導波路に近似することができる環境下において利用することができる。したがって、送信局と受信局の少なくとも何れか一方の移動が展開される利用環境モデルとしては、上記の交差点モデルの他にも、例えば曲がったトンネル内などを想定することもでき、これらの利用環境下においても、本発明を効果的に利用することができる。
また、本発明は、車両に搭載する場合に限らず、携帯電話などの携帯可能な通信機器などにおいても利用することができる。
実施例1の通信システムM1のデータフロー図 受信装置100の復号処理部110の制御ブロック図 交差点モデルの空間的な構成を例示する平面図 実施例1の効果を例示するグラフ(CIR) 実施例1の効果を例示するグラフ(干渉波電力) ij(x+Δx)とηij(x+Δx)との相関係数を例示するグラフ 実施例2の通信システムM2のデータフロー図 送信装置200の符号化処理部210の制御ブロック図 実施例2の効果を例示するグラフ(CIR) 実施例2の効果を例示するグラフ(干渉波電力) 実施例3の効果を例示するグラフ(2.4GHz;CIR) 実施例3の効果を例示するグラフ(2.4GHz;干渉波電力) 実施例3の効果を例示するグラフ(5.2GHz;CIR) 実施例3の効果を例示するグラフ(5.2GHz;干渉波電力) 実施例3の効果を例示するグラフ(λによるΔxの正規化;CIR) 実施例4の効果を例示するグラフ(BER;BPSK/QPSK) 実施例4の効果を例示するグラフ(熱雑音付与時のBER;BPSK) 実施例4の効果を例示するグラフ(熱雑音付与時のBER;BPSK) 実施例4の効果を例示するグラフ(熱雑音付与時のBER;QPSK) 実施例4の効果を例示するグラフ(熱雑音付与時のBER;QPSK) 従来の通信システムM0のデータフロー図
符号の説明
100 : 受信装置
110 : 復号処理部
104 : チャネル推定行列補正部
105 : 移動距離算出部
200 : 送信装置
210 : 符号化処理部
203 : 時空間行列補正部
204 : 移動距離算出部
2 : 時空間行列
H : チャネル応答行列
Γ : チャネル推定行列

Claims (5)

  1. I本(I≧2)の受信アンテナと、所定のトレーニング信号を受信してチャネル推定を行うチャネル推定手段と、前記チャネル推定手段によって推定されたチャネル推定行列Γ及びi番目の前記受信アンテナで受信された受信信号yi (m)(1≦∀i≦I)に基づいて、時空間ブロック復号処理を行う復号手段とを有するSTBC通信方式の受信装置において、
    前記トレーニング信号を受信する第1の送信時刻t1から、前記受信信号yi (m)を受信する第2の送信時刻t2までの間における前記受信装置の移動距離Δxを算出する移動距離算出手段と、
    前記受信装置の移動距離Δxに基づいて、
    前記チャネル推定行列Γの各要素の位相、または、
    前記受信信号yi (m)(1≦∀i≦I)の各位相
    を補正する位相補正手段と
    を有する
    ことを特徴とする受信装置。
  2. 送信情報に対する時空間ブロック符号化を行う符号化手段と、この符号化手段によって時空間ブロック符号化された、複素シンボルから成る時空間行列G2 を送信する複数の送信アンテナとを有するSTBC通信方式の送信装置において、
    受信側でチャネル推定を行うための所定のトレーニング信号を送信する第3の送信時刻t3から、前記時空間行列G2 を送信する第4の送信時刻t4までの間における前記送信装置の移動距離Δyを算出する移動距離算出手段と、
    前記送信装置の移動距離Δyに基づいて、送信前に前記複素シンボルの各位相を補正する時空間行列補正手段と
    を有する
    ことを特徴とする送信装置。
  3. STBC通信方式を用いた送受信装置であって、
    請求項1に記載の受信装置と、
    請求項2に記載の送信装置と
    を有する
    ことを特徴とする送受信装置。
  4. 移動体に搭載される送受信装置であって、
    任意の2時刻間における該送受信装置の移動距離を前記移動体の移動速度に基づいて算出する移動距離算出手段を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の送受信装置。
  5. STBC通信方式を用いた受信局及び送信局から構成される通信システムであって、
    前記受信局は、請求項1に記載の受信装置、或いは請求項3又は請求項4に記載の送受信装置を有し、
    前記送信局は、請求項2に記載の送信装置、或いは請求項3又は請求項4に記載の送受信装置を有する
    ことを特徴とする通信システム。
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