JP2007166203A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易にパターンマッチング処理を可能にする画像処理装置等を提供する。
【解決手段】この画像処理システムは、スキャナ装置などの画像入力部100と、画像入力部100により入力された画像を処理する画像処理装置130と、画像処理装置130により処理された画像を複写等する画像出力部150とを備える。
画像処理装置130は、画像入力部100により入力された画像に対して2値化処理などを行う画像処理部131と、スキュー角度認識パターン画像が画像中に検出された場合に、スキュー角度を決定するスキュー角度決定部132と、メモリ136に記憶してある基準パターンを回転させる回転部133とを備えている。さらに、回転部133により回転させた基準パターンによってパターンマッチング処理を行うパターンマッチング部134を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、スキャナなどの画像読み取り装置等により読み取られた画像を処理する画像処理装置等に関するものである。
近年、書類を印刷するときに文字や図形などの原稿画像とともに、例えばアドレス情報や識別情報などを含む特定のコード画像を埋め込む技術が提案されている。
例えば、無断複写の禁止が要求される書類を印刷するときに文字や図形などの原稿画像とともに複製動作制御コードや複製禁止を解除するための条件コードなどの特定コードを埋め込む技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この複写禁止情報が埋め込まれた書類をスキャナなどの複写装置などで読み取ると、検出部により複写禁止情報が検出され、その検出結果に応じて出力を制御することができる。
ところで、原稿の読み取りは常に一定の方向で行われるわけではない。例えば、読み取ろうとする原稿束を積載する原稿トレイに対し、原稿束は様々な方向を向いて置かれる可能性がある。また、原稿の読み取りに際し、原稿が斜めになった状態で読み取りが行われる可能性がある。
この結果、上記原稿に配置された特定コード配列も常に一定の方向を向くわけではなく、スキューが発生した状態となる。このため、特定コードの検出時にはスキュー角度も考慮しなければならないという問題がある。この問題を解決するものとして、認識対象パターンとして、回転角度に応じて複数種類の基準パターンを用意しておき、入力画像に対してそれぞれ判定処理を行なうという手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−280469号公報 特開平11−144054号公報
しかしながら、例えば上記特許文献に記載された技術を採用すると予め想定する回転角度の数だけ判定処理を行う判定回路が必要になる。この結果、回路構成が大規模になるという問題を有している。例えば、認識対象パターンを90度毎に回転させた基準パターンを用意した場合は、4つの判定回路が必要となり、さらに細かく45度毎に回転させた基準パターンを用意した場合は、8つの判定回路が必要となる。また、精度よくパターンマッチングを行おうとする場合、基準パターンの回転角度もさらに細かい値で設定する必要がある。また、微小なスキュー角度を検出しようとする場合も、基準パターンの回転角度をさらに細かい値で設定する必要がある。このように、更に細かい値で基準パターンの回転角度を設定した場合は、ますます判定回路が大規模化してしまうという問題を有している。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、簡易にパターンマッチング処理を可能にする画像処理装置等を提供することを課題とするものである。
かかる目的のもと、本発明が適用される画像処理装置は、特定パターン画像とスキュー角度認識パターン画像とが埋め込まれた画像を入力する入力手段と、入力手段により入力された画像に埋め込まれたスキュー角度認識パターン画像を検出してスキュー角度を決定するスキュー角度決定手段と、スキュー角度決定手段で決定したスキュー角度に基づいて、予め記憶された基準パターンを回転する回転手段と、回転手段により回転された基準パターンと画像に埋め込まれた特定パターン画像とのパターンマッチング処理を行うパターンマッチング手段と、を有する。
ここで、スキュー角度決定手段は、スキュー角度認識パターン画像と、複数の位置においてスキュー角度認識パターン画像と重なる重なりパターンとの重なり位置の関係によりスキュー角度を決定することを特徴とすることができる。
また、スキュー角度認識パターン画像と重なりパターンとは、少なくとも3箇所の重なり位置で重なるように構成されていることを特徴とすることができる。
さらに、スキュー角度認識パターン画像は、重なりパターンに対して自らを相対的に回転させていったときに、重なり位置が、それぞれ異なるものとなるように構成されていることを特徴とすることができる。
また、画像は、特定パターン画像を複数用いて特定パターン画像群を形成し、スキュー角度認識パターン画像は、特定パターン画像群の外周に配置されたことを特徴とすることができる。
さらに、スキュー角度決定手段は、スキュー角度認識パターン画像と複数の位置において重なりを生じる重なりパターンが設定されたウィンドウ領域内に画像を順次配置する走査手段と、重なりパターンとスキュー角度認識パターン画像との重なり位置を検出する検出手段と、重なりパターン上の位置とスキュー角度との関係を予め規定した参照テーブルを用いて、検出手段により検出された重なり位置からスキュー角度を取得するスキュー角度取得手段と、を備えることを特徴とすることができる。
さらに、本発明を画像処理方法と捉えた場合、本発明の画像処理方法は、傾き角を異ならせて異なった情報を表現する特定パターン画像が埋め込まれた画像を入力し、特定パターン画像のスキュー角度を決定する第1のステップと、第1のステップにより決定されたスキュー角度に対応させて、予め記憶された基準パターンを回転させる第2のステップと、第2のステップによる回転後の基準パターンと、画像に埋め込まれた特定パターン画像とのパターンマッチング処理を行う第3のステップと、を含むことを特徴とすることができる。
ここで、画像は、特定パターン画像の近傍にスキュー角度認識パターン画像が埋め込まれ、第1のステップは、スキュー角度認識パターン画像と複数の位置において重なる重なりパターンと、スキュー角度認識パターン画像との相対位置を順に変え、重なりパターンとスキュー角度認識パターン画像との重なり位置の位置関係によりスキュー角度を決定することを特徴とすることができる。
本発明によれば、簡易にパターンマッチング処理を可能にする画像処理装置等を提供することが可能になる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像処理システムの全体構成を示す図である。この画像処理システムは、スキャナ装置などの画像入力部100と、画像入力部100により入力された画像を処理する画像処理装置130と、画像処理装置130により処理された画像を複写等する画像出力部150とを備える。
画像処理装置130は、画像入力部100により入力された画像に対して2値化処理やノイズ除去処理などを行う画像処理部131を備える。そして、この画像処理部131により処理された画像は、画像出力部150へ出力される。また、画像処理装置130は、スキュー角度を決定するためのパターン画像(以下、「スキュー角度認識パターン画像」と称する。)が、読み取られた画像中に検出された場合に、スキュー角度を決定するスキュー角度決定部132と、スキュー角度が0°時の基準パターンを記憶するメモリ136と、このメモリ136に記憶してある基準パターンを回転させる回転部133とを備えている。 さらに、画像処理装置130は、上記画像処理部131で2値化処理やノイズ除去などが行なわれた画像に対して、回転部133により回転させた基準パターンによってパターンマッチング処理を行うパターンマッチング部134と、パターンマッチングの結果データを受け取り、画像に埋め込まれた情報を復号する埋め込み情報復号部135とを備えている。
図2は、スキュー角度決定部132の機能を示す説明図である。
スキュー角度決定部132は、後述する重なりパターンが設定されたウィンドウ領域内に入力画像を順次配置する走査部201と、重なりパターンにおけるスキュー角度認識パターン画像との重なり位置を検出するための検出部202を備えている。また、スキュー角度決定部132は、検出部202により出力された位置情報の数が、所定の個数であるか否か判定を行う個数判定部203と、検出部202により出力された複数の位置情報が所定の組み合わせに該当するか否かを判定する組み合わせ判定部204と、検出部202により検出された重なり位置の位置情報をもとにスキュー角度を取得するスキュー角度取得部205とを備えている。
ここで、画像処理装置130にて実行される画像処理方法について説明する。
図3は、画像処理装置130における画像処理方法の一部を説明するフローチャートである。本フローチャートを、図1および図2を参照しながら説明する。
画像入力部100により入力された画像(入力画像)に対して、画像処理部131は、2値化の処理を行う(ステップ101)。スキュー角度決定部132に備えられた走査部201は、重なりパターンが設定されたウィンドウ領域内に2値化された入力画像を順次配置し、入力画像の走査を行う(ステップ102)。そして、重なりパターンとスキュー角度認識パターン画像とが重なったか否かの、重なり判定を行う(ステップ103)。
この重なり判定は、検出部202により出力される重なり位置の位置情報に基づいて、個数判定部203および組み合わせ判定部204において行われる。
具体的には、検出部202により位置情報が出力された場合、個数判定部203により、この出力された位置情報の数が、あらかじめ定められた所定の個数に一致するか否かの判定がなされる。また、組み合わせ判定部204により、出力された複数の位置情報が、あらかじめ定められた位置情報の組み合わせに該当するか否かの判定がなされる。
そして、所定の個数および組み合わせに該当すると判定された場合、重なり位置の位置情報をもとにスキュー角度取得部205は、スキュー角度を取得し、決定する(ステップ104)。そして、回転部133は、上記決定されたスキュー角度に基づいてパターンマッチング用の基準パターンを回転させる(ステップ105)。
次に、特定パターン画像およびスキュー角度認識パターン画像の配置態様について説明する。
図4は、原稿に配置されたスキュー角度認識パターン画像および特定パターン画像の配置態様について説明するための図である。本図においては、原稿(図4(a))と、原稿の一部を拡大したもの(図4(b))を示している。本実施形態における原稿には、特定パターン画像とスキュー角度認識パターン画像とから構成されるブロックが互いに隣接して形成されている。各ブロックは、傾き角を異ならせて異なった情報を表現する特定パターン画像から構成され、所定の情報が記録され矩形状の領域内に配置された特定パターン画像群と、この特定パターン画像群の近傍に配置され、この特定パターン画像群を囲む位置(外周)に配置されたスキュー角度認識パターン画像とから構成されている。特定パターン画像群には、読み取られた原稿の複写を禁止する複写禁止情報などを含めることができ、この複写禁止情報等は、埋め込み情報復号部135(図1参照)等により復号され、後に複写禁止などの措置をとることができる。
ここで、特定パターン画像およびスキュー角度認識パターン画像について、図5および図6を用いて詳細に説明する。
図5は、特定パターン画像を拡大して示した説明図である。本実施の形態においては、9×9の矩形領域内に配置された2種類の特定パターン画像が用いられている。図5(a)で示した特定パターン画像は、右肩上がりのスラッシュ「/」として構成され、図5(b)で示した特定パターン画像は右肩下がりのバックスラッシュ「\」として構成されている。この傾き角が異なる複数の微小ラインビットマップで形成された特定パターン画像で、ビット値0とビット値1を表現している。従って、1つの斜線パターンで1ビットの情報(0又は1)を表現できる。このような2種類の傾き角を有する微小ラインビットマップを用いることで、可視画像に与えるノイズが極めて小さく、かつ大量の情報を高密度にデジタル化して埋め込むことが可能な2次元コードを提供することが可能となる。
図6は、スキュー角度認識パターン画像を拡大して示した説明図である。本図では、赤外線照射により認識されたスキュー角度認識パターン画像の一単位を示している。このスキュー角度認識パターン画像は、二つの線分から構成され、長い方の線分の中央部と短い方の線分の端部が接し、略T字状に形成されている。
特定パターン画像およびスキュー角度認識パターン画像は、原稿の全面に形成することができる。また、原稿の一部にだけ形成することも可能である。更に、ランダムに配置することもできる。なお、上記「全面」とは、原稿の四隅を全て含む意味ではなく、紙面の周囲などに印刷できない範囲があっても構わない。
図5および図6に示す特定パターン画像およびスキュー角度認識パターン画像は、例えば、赤外光照射による機械読取りや復号化処理などが長期に亘って安定して可能で、かつ、情報が高密度に記録できる不可視画像で形成されることが望ましい。例えば、可視光領域(400nm〜700nm)における最大吸収率が例えば7%以下であり、近赤外領域(800nm〜1000nm)における吸収率が例えば30%以上の不可視トナーによって形成することができる。ここで、「可視」及び「不可視」は、目視により認識できるかどうかとは関係しない。
次に、上記スキュー角度認識パターン画像を検出するための重なりパターンについて説明する。
図7は、重なりパターンを示した説明図である。図7(a)に示すように、重なりパターンは、9×9のセルで構成されたウィンドウ領域の一部に設定されている。そして、重なりパターンは、ウィンドウ領域の四隅に配置されたセルを除く外周部に配置されている。また、重なりパターンは32個のセルにより構成されており、各セルに対して位置情報が付与されている。本実施形態においては、図7(b)に示すように重なりパターンを構成する各セルに対し、下辺中央に配置されたセルを始点として時計回りに1〜32の位置情報が付与されている。
上記重なりパターンが設定されたウィンドウ領域を用いて、図3のステップ102で示した入力画像の走査を行っていく。具体的には、ウィンドウ領域を、ウィンドウ領域を構成する1セル(画素)分ずつ入力画像に対してシフトさせる。水平方向の走査が終了したら、ウィンドウ領域を、入力画像に対して1セル(画素)分上方若しくは下方に相対的にシフトさせ、シフト後、水平方向における走査を行う。このようにして、入力画像の走査を用いて行っていく。
そして、画像に対する走査の過程において、ウィンドウ領域の位置が変化する毎に演算処理を行っていく。この演算処理は、ウィンドウ領域内に設定された重なりパターンと、入力画像とが重なった場合に、重なりパターンにおける重なり位置の位置情報を検出するものである。
図8は、入力画像と重なりパターンとが重なった状態を示す説明図である。本図においては、入力画像に「あ」という文字が存在した場合を示している。重なりパターンが設定されたウィンドウ領域を用いて、入力画像の走査を行っていくと、入力画像と重なりパターンとの重なりが生じる。本図においては、「あ」という文字データと、重なりパターンとが重なった位置に「×」を表示し、重なり位置を示している。スキュー角度決定部132に備えられた検出部202(図2参照)は、重なりパターンにおけるスキュー角度認識パターン画像との重なり位置を検出する。この検出部202により重なり位置に関する図7(b)で説明した1〜32の位置情報が出力される。本図に示す、「あ」という文字の場合、図7(b)で説明した重なりパターンを参照すると、「1、3、25、27、28、31」において重なっていることが分かり、これらの位置情報が検出部202により出力される。
次に、スキュー角度認識パターン画像と重なりパターンとが重なった場合に出力される位置情報について説明する。
図9は、スキュー角度認識パターン画像と重なりパターンとが重なった状態を示す説明図である。ここで、図7(b)で説明した重なりパターンを参照すると、本図においては、重なりパターンを構成する各セルのうち、連続しない「1、9、25」の3箇所においてスキュー角度認識パターン画像と重なりパターンとが重なっていることが分かる。そして、本実施形態においては、この「1、9、25」という重なり位置から入力画像のスキュー角度を算出し、決定することができる。スキュー角度は、スキュー角度決定部132に設けられたスキュー角度取得部205(図2参照)において、上記3点の重なり位置の位置関係から所定の計算式を用いて算出することができる。より簡単には、メモリ等の記憶部に記憶された参照テーブルとしてのルック・アップ・テーブル(以下、「LUT」と称する)を用いて決定することができる。以下、LUTを用いた場合のスキュー角度の決定等について説明する。
図10は、スキュー角度の決定に用いられるLUTを説明するための説明図である。
同図に示すLUTでは、重なりパターンにおける3つの重なり位置「A、B、C」と、スキュー角度認識パターン画像の角度(入力画像のスキュー角度)との関係が示されている。図2で示したスキュー角度取得部205は、検出部202により検出された重なり位置に基づいてLUTからスキュー角度を取得する。
前述の図9で示した例においては、スキュー角度認識パターン画像と重なりパターンとは重なり位置「1、9、25」の位置情報において重なっていた。スキュー角度取得部205は、LUTを参照し、重なり位置の位置情報「1、9、25」から角度「0°」を取得することができる(矢印D参照)。
また、図9で示した入力画像とは異なるスキュー角を有した画像が入力された場合、スキュー角度取得部205は次のようにLUTから入力画像のスキュー角度を取得する。
図11は、原稿が270°スキューして入力された入力画像の状態を示す説明図である。図12は、図11で示した入力画像中のスキュー角度認識パターン画像と重なりパターンとが重なった状態を示した図である。本図に示すように、重なりパターンとスキュー角度認識パターン画像とは、図7(b)を参照すると、重なりパターンにおける「1、17、25」のセルにおいて重なっている。ここで、スキュー角度取得部205は、LUT(図10参照)の矢印Gにおける行を参照し、この3つの位置情報に対応するスキュー角度270°を取得する。
なお、LUTにおける、3つの重なり位置「A、B、C」と、スキュー角度認識パターン画像の角度(入力画像のスキュー角度)との関係は、以下のように得ることができる。
図13は、LUTにおける3つの重なり位置とスキュー角度との関係の取得方法を示した説明図である。図13(a)に示すように、重なりパターンの中心画素位置と、0°におけるスキュー角度認識パターン画像の中心画素位置(ここでは2本の線分が交わる画素)とを重ねた状態で、スキュー角度認識パターン画像を回転させる。図13(b)は、スキュー角度認識パターン画像を45°回転させた状態であり、重なりパターンを構成するセル「5、13、29」において、スキュー角度認識パターン画像と重なりパターンとが重なる。この結果、LUTに角度45°とパターン画素「5、13、29」との関係を得ることができる(図10における矢印E)。図13(c)は、スキュー角度認識パターン画像を90°回転させた状態を示す図であり、角度90°とパターン画素「1、9、17」との関係を得ることができる(図10における矢印F)。
上記スキュー角度取得部205によりスキュー角度が取得され、スキュー角度が決定された後、図1に示した回転部133はメモリ136に記憶された基準パターンを回転させ、この回転させた基準パターンに基づいて、入力画像の走査(パターンマッチング)を行う。そして、特定パターンが検出された場合、所定の処理が行われる。なお、図9に示した例においては、スキュー角度は0°であるため、基準パターンの回転は行われない。一方、図11、図12に示した例においては、スキュー角度が270°であるため、基準パターンは270°回転させられる。
なお、スキュー角度認識パターン画像が入力画像中に複数個埋め込まれている場合は、統計的手法を用いることにより、スキュー角度を更に補正し、精度を上げることができる。
また、スキュー角度認識パターン画像ではないにも関わらず、あらかじめ定められた位置情報の組み合わせと同じ位置情報の組み合わせの出力がなされる画素塊(例えば、表の枠や通常の文字)が存在する場合がある。そこで、画素塊が一定の大きさを超える場合には、この画素塊を、スキュー角度を取得する対象画像とはしないとする構成や、仮に位置情報の出力があったとしても、スキュー角度を算出若しくはLUTから取得しないとする構成を採用することもできる。このような構成を採用することで、角度の誤判定を抑制することができる。
さらに、ウィンドウ領域のサイズや重なる画素数は、解像度や特定パターン画像のサイズによって変更することもできる。
ここで、スキュー角度認識パターン画像として、図6に示す「T」字のような三方向に伸びるものではなく、例えば「−」のような二方向だけに伸びる形状を採用した場合に、重なりパターンとの重なり位置は2カ所だけとなる。しかしながら、この2点のみでは、180°の反転が区別できずスキュー角度を一義的に定めることができない。なお、当然ながら1点のみの場合も決定できない。このため、上記「T」字状のように、重なりパターンと3箇所以上において重なり位置が生じるように構成されていることが望ましい。
また、スキュー角度認識パターン画像が、「+」のような形状の場合も、スキュー角度を決定することが困難である。即ち、このスキュー角度認識パターン画像を回転させていくと、0°、90°、180°、270°において、その重なり形状が同じになり、また、重なりパターンとの重なり位置もみな同じものとなってしまう。このため、スキュー角度認識パターン画像は、一回回転対称性である形状であることが好ましい。具体的には、スキュー角度認識パターン画像を0°から360°回転させた場合において、上記「+」のように0°、90°、180°、270°のようにある角度で形状が一致するのではなく、回転させる過程において一度も形状が重ならないように構成することが望ましい。また、重なりパターンとの関係においては、スキュー角度認識パターン画像は、重なりパターンに対して自らを相対的に回転させていったときに、重なりパターンにおいて生じる重なり位置が、それぞれ異なるもの(同一とならない)となるように構成されていることが望ましくなる。
上記の一連の処理の流れを、フローチャートを用いて詳細に説明する。本フローチャートは、LUTを用いた場合の処理を示したものであり、図3で示したフローチャートにおけるステップ103以降の処理に特定パターンの検出処理を加えたものを詳細に説明したものである。
図14は、重なりパターンからの位置情報出力から基準パターンによる検出に基づく処理までを示したフローチャートである。本フローチャートを図2とともに説明する。
まず、スキュー角度決定部132の検出部202は、ウィンドウ領域に設定された重なりパターンと、入力画像との重なり位置の位置情報を出力する(ステップ201)。ここで、個数判定部203は、出力された位置情報の数が、LUTに設定されている位置情報の所定の個数(本実施形態においては3)と一致するか否かを判断する(ステップ202)。出力された位置情報の数が、LUTに設定されている位置情報の所定の個数と一致する場合は、LUTが参照される(ステップ203)。例えば、図8で示した「あ」という画像に対しては、「1、3、25、27、28、31」という6つの位置情報が得られるが、この数は、LUTに設定されている位置情報の個数である3と一致しないため、LUTの参照は行われない。
その後、組み合わせ判定部204は、位置情報の出力がLUTで設定されている位置情報の組み合わせ(A、B、C)に該当するか否か判断する(ステップ204)。LUTで設定されている位置情報の組み合わせに該当する場合(ステップ204のYes)、スキュー角度取得部205により、LUTからスキュー角度が取得される(ステップ205)。例えば、図9で示した例においては、「1、9、25」に基づいてスキュー角度0°が取得される。また、図11、図12で示した例においては、「1、17、25」に基づいてスキュー角度270°が取得される。一方、位置情報の組み合わせに該当しない場合は(ステップ204のNo)、スキュー角度認識パターン画像とはみなされず、ステップ205以下の処理は行われずに処理が終了する。ステップ205により角度が取得された場合、図1に示す回転部133は、メモリ136からパターンマッチング用の基準パターンを呼び出し、取得されたスキュー角度に基づいてこの基準パターンを回転させる(ステップ206)。図11で示した例においては、回転部133は、基準パターンを270°回転させる。なお、上記「1、9、25」の例では、スキュー角度は0°であるため、基準パターンの回転は行われない。
そして、パターンマッチング部134(図1参照)は、回転後の基準パターンを用いて上記画像処理部131で2値化処理やノイズ除去などが行なわれた入力画像の走査(パターンマッチング処理)を行う(ステップ207)。特定パターンが検出された場合(ステップ208のYes)、原稿の複写を禁止するなどの所定の処理が行われる(ステップ209)。一方、特定パターンが検出されない場合(ステップ208のNo)は、原稿の複写禁止などの特別な処理は行われない。
基準パターンは、上記のとおり入力画像に埋め込まれた特定パターン画像とのパターンマッチングのために用いられるものである。ここで、この基準パターンについて説明する。
図15は、基準パターンを説明するための図である。図15(a)は、スキュー角度が0°のときの基準パターンを示した説明図である。図15(b)は、図15(a)で説明した基準パターンを9×9のウィンドウ中心画素を中心として、270°回転させた状態を示し、図15(c)は、図15(a)で説明した基準パターンを9×9のウィンドウ中心画素を中心として、45°回転させた状態を示している。
図15(a)に示す基準パターンは、右肩下がりのバックスラッシュ「\」として形成されている。2値化データで表された画像中の各画素の位置において、この基準パターンを順次当てはめて、テンプレートマッチングによってこの基準パターンと合致する特定パターン画像を検出していく。例えば、特定パターン画像を検出した場合にはデータ“0”を出力し、何れのパターン画像も検出できない場合にはデータ“2”を出力する。さらに、図示はしないが例えば右肩上がりのスラッシュ「/」として形成した基準パターンも用いることができ、この基準パターンを順次当てはめて、テンプレートマッチングによってこの基準パターンと合致する特定パターン画像を検出していくこともできる。例えば、この基準パターンを検出した場合にはデータ“1”を出力し、何れのパターン画像も検出できない場合には、上記と同様にデータ“2”を出力する。このように、画素データをコード配列として出力する。なお、テンプレートマッチングを利用したパターン検知の手法は公知の技術であるので、より詳細な説明は省略する。
この図15(a)で示した基準パターンを用いてパターンマッチングを行う場合、入力画像がスキュー角度を有していると、適切にパターンマッチングを行うことができない。そこで、本実施形態においては、上述のとおり決定されたスキュー角度に対応させて基準パターンを回転させる構成を採用している。
図11、図12で示した入力画像のスキュー角度は既述のとおり270°である。そこで、図15(b)で示した270°回転させた状態の基準パターンを用いることにより、適切にパターンマッチングを行うことが可能となる。なお、例えば、スキュー角度が45°と決定された場合は、図15(c)に示した45°回転させた基準パターンを用いる。
本実施の形態では、360°を32分割した精度で検知している。従来のパターンマッチングでは、32種類のテンプレート(基準パターン)を記憶しておき、また高速に処理するために32個のマッチング判定回路が必要になる。さらに、画像中に複数種類の特定パターン画像が存在する場合は、テンプレートとマッチング判定回路が特定パターン画像の種類数だけ、さらに必要になる。
本実施の形態によれば、スキュー角度判定回路、及び、特定パターン画像の種類数だけのテンプレートとマッチング判定回路だけという、規模が小さい回路構成で精密なパターンマッチング処理を実現できる。また、本実施の形態により、スキュー角度を確定した後、パターンマッチング処理を行なうことができるので、規模が小さい回路構成で精度良くパターンマッチング処理を実現できる。
本実施の形態が適用される画像処理システムの全体構成を示す図である。 スキュー角度決定部の詳細を示す説明図である。 画像処理装置における画像処理方法の一部を説明するフローチャートである。 原稿に配置されたスキュー角度認識パターン画像および特定パターン画像の配置態様について説明するための図である。 特定パターン画像を拡大して示した説明図である。 スキュー角度認識パターン画像を拡大して示した説明図である。 重なりパターンを示した説明図である。 入力画像と重なりパターンとが重なった状態を示す説明図である。 スキュー角度認識パターン画像と重なりパターンとが重なった状態を示す説明図である。 スキュー角度の決定に用いられるLUTを説明するための説明図である。 原稿が270°スキューして入力された入力画像の状態を示す説明図である。 図11で示した入力画像中のスキュー角度認識パターン画像と重なりパターンとが重なった状態を示した図である。 LUTにおける3つの重なり位置とスキュー角度との関係の取得方法を示した説明図である。 重なりパターンからの位置情報出力から基準パターンによる検出に基づく処理までを示したフローチャートである。 基準パターンを説明するための図である。
符号の説明
100…画像入力部、132…スキュー角度決定部、133…回転部、134…パターンマッチング部、201…走査部、202…検出部、205…スキュー角度取得部

Claims (8)

  1. 特定パターン画像とスキュー角度認識パターン画像とが埋め込まれた画像を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された前記画像に埋め込まれた前記スキュー角度認識パターン画像を検出してスキュー角度を決定するスキュー角度決定手段と、
    前記スキュー角度決定手段で決定したスキュー角度に基づいて、予め記憶された基準パターンを回転する回転手段と、
    前記回転手段により回転された基準パターンと前記画像に埋め込まれた前記特定パターン画像とのパターンマッチング処理を行うパターンマッチング手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記スキュー角度決定手段は、
    前記スキュー角度認識パターン画像と、複数の位置において当該スキュー角度認識パターン画像と重なる重なりパターンとの重なり位置の関係によりスキュー角度を決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記スキュー角度認識パターン画像と前記重なりパターンとは、少なくとも3箇所の重なり位置で重なるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記スキュー角度認識パターン画像は、
    前記重なりパターンに対して自らを相対的に回転させていったときに、前記重なり位置が、それぞれ異なるものとなるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  5. 前記画像は、前記特定パターン画像を複数用いて特定パターン画像群を形成し、
    前記スキュー角度認識パターン画像は、前記特定パターン画像群の外周に配置されたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  6. 前記スキュー角度決定手段は、
    前記スキュー角度認識パターン画像と複数の位置において重なりを生じる重なりパターンが設定されたウィンドウ領域内に前記画像を順次配置する走査手段と、
    前記重なりパターンと前記スキュー角度認識パターン画像との重なり位置を検出する検出手段と、
    前記重なりパターン上の位置とスキュー角度との関係を予め規定した参照テーブルを用いて、前記検出手段により検出された前記重なり位置からスキュー角度を取得するスキュー角度取得手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の画像処置装置。
  7. 傾き角を異ならせて異なった情報を表現する特定パターン画像が埋め込まれた画像を入力し、当該特定パターン画像のスキュー角度を決定する第1のステップと、
    前記第1のステップにより決定されたスキュー角度に対応させて、予め記憶された基準パターンを回転させる第2のステップと、
    前記第2のステップによる回転後の前記基準パターンと、前記画像に埋め込まれた前記特定パターン画像とのパターンマッチング処理を行う第3のステップと、
    を含む画像処理方法。
  8. 前記画像は、前記特定パターン画像の近傍にスキュー角度認識パターン画像が埋め込まれ、
    前記第1のステップは、
    前記スキュー角度認識パターン画像と複数の位置において重なる重なりパターンと、当該スキュー角度認識パターン画像との相対位置を順に変え、
    前記重なりパターンと前記スキュー角度認識パターン画像との重なり位置の位置関係によりスキュー角度を決定することを特徴とする請求項7記載の画像処理方法。
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