JP2007163516A - デジタルベースの高速x線スペクトロメータについての方法と装置 - Google Patents

デジタルベースの高速x線スペクトロメータについての方法と装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007163516A
JP2007163516A JP2007062409A JP2007062409A JP2007163516A JP 2007163516 A JP2007163516 A JP 2007163516A JP 2007062409 A JP2007062409 A JP 2007062409A JP 2007062409 A JP2007062409 A JP 2007062409A JP 2007163516 A JP2007163516 A JP 2007163516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
pulse
filter
amplitude
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007062409A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007163516A5 (ja
Inventor
Carl Zhou
ゾウ,カール
Bradley Hubbard
ハバード,ブラッドレイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/695,062 external-priority patent/US5774522A/en
Priority claimed from US08/695,063 external-priority patent/US5684850A/en
Priority claimed from US08/702,327 external-priority patent/US5870051A/en
Priority claimed from US08/730,916 external-priority patent/US5873054A/en
Application filed by Individual filed Critical Individual
Publication of JP2007163516A publication Critical patent/JP2007163516A/ja
Publication of JP2007163516A5 publication Critical patent/JP2007163516A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/16Measuring radiation intensity
    • G01T1/17Circuit arrangements not adapted to a particular type of detector
    • G01T1/171Compensation of dead-time counting losses

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

【課題】X線又はγ線のエネルギを解析する方法および装置を実現する。
【解決手段】高速信号処理システムは、検出器−プリアンプ20から入力データを受け、検出器を照射するX線の分光分析を行う。システムはデジタル化されたデータ・ストリーム内でX線信号の存在を検出しそれらの振幅のフィルタされた推定値を引き出す、組み合わせデジタル論理25で実現されたハードワイヤード・プロセッサと、フィルタされた振幅の推定値を精錬しそれらが所望の分光分析を生成するように結び付けるプログラマブル・デジタル信号処理コンピュータ28との間で、必要なデジタル信号処理ステップを分割することによって低コストで高スループットを達成する。ハードワイヤードプロセッサは2つの低速と高速の並列処理チャンネルを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は一般的には、吸収された放射能に応答する検出システムで生成されたパルスをデジタル的に処理するシステム、特に、低コスト、高分解能、高レートなX線やγ線のためのスペクトロメータでそのようなパルスを処理することに関する。
政府の権利
合衆国政府はエネルギ省から与えられた契約No. DE-FG03-92ER81311 に準ずる本発明について権利を有する。
特に、シンクロトロン放射能研究では、低コスト、高速度のX線スペクトロメータのアレイが必要である。データ取得を最大限に利用するために、そのようなスペクトロメータは、重ね合せ拒絶(pileup rejection)を持つ良好なエネルギ分解能、高カウント・レート能力を持ち、コストが十分低いので30あるいはそれ以上の検出器のアレイが予期されることができる。全多チャンネル分析(full multichannel analysis)(MCA)能力はかなり適用の範囲を広くするであろう。全てのスペクトロメータの機能の完全なコンピュータ制御はまた、別のやり方による検出アレイのセットアップならびに構成を行うとアレイの大きさが大きくなるにつれてかなりやっかいになるので、非常に重要である。スペクトロメータの物理的な大きさもまたコンパクトになって好ましい。
現在のエレクトロニクスによると多チャンネル分析を装備しない方法では検出器 1台当たりでも約6000ドルのコストがかかるとともに、13要素検出器(13 element detector) で格子棚全てを満たしてしまうので、所期の目的は達成できない。それゆえ、30要素検出器を取り付けるのは非現実的となり、さらに100要素となると基本的には不可能である。多くの利用に対し、低価格MCAは十分に速くはなく一方高速のMCAは高価なので、多重チャンネル分析は、検出器アレイと共にはあまり利用されない。重ね合せ検査(pileup inspection) は散発的に実行され、しかし、だいたいは8keV以上のエネルギに対してのみ効果的である。少ないモジュールはスペクトロメータの機能の部分的なコンピュータ制御は可能とするが、しかしだいたいはコンピュータインターフェイスなしのモジュールの約2倍のコストがかかる。単一のスペクトロメーターのチャンネルを調整するのにはほんの数分必要であるが、この取組みは要素の数だけ増倍され、10要素あるいはそれ以上のアレイではかなりの負担になる。
これらシンクロトロンの用途、そして他の多くにとってもまた、高カウント・レートでかつ良好なエネルギ分解能をもって完全エネルギ分析が可能な、低価格,小容量の分光測定装置を備えて、コンピュータシステムとインターフェイスすることがさらに可能となる。必要なチューニング操作を、適当なプログラムによって、自動的に行うことができる点も有利であろう。
本発明は、検出器−プリアンプシステムからのパルス信号を処理し、検出器に吸収されたX線又はγ線のエネルギを解析する方法及び装置を提供する。具体的な実施例では、それは、小型であって、低コストであって、高速に、重ね合わせ検査を実行し、コンピュータに容易に接続できるようにデジタルインターフェースを有する。きわめて一般的なプリアンプで効果的に動作することができる。
本発明は、検出器−プリアンプ入力パルスを解析するデジタル信号処理技術を使用する。この方法では、低コストで高速のアナログ−デジタル変換器(ADCs)及びデジタル信号プロセッサ(DSPs)を使用して、所望の性能基準(performannce criteria)に合致するようにする。本発明は、エネルギ分解能を複製し、従来技術のアナログスペクロメータ(分光器)の重ね合わせ拒絶(pileup rejection)性能を凌駕し、以前はSCAシステムだけの特徴であった非常に高いカウント・レートでの完全な出力スペクトラを生成する。デジタル処理は、商用のアナログ回路に比べて、全体のコストと物理的な容量がそれぞれ4及び10のファクタで低減されることを可能にする。すべての分光(spectrometory) チューニング機能は、デジタル的に実現され、外部のコンピュータ制御の下で自動的に取り扱われる。
意図した応用では、低コストでの高いデータスループットは最適なエネルギ分解能よりも更に重要である。このような目標を達成するため、本発明はデジタルパルス処理を、2つのステージ(stage) で実行する。第1のステージは、“ハードワイヤード”(hardwired) デジタル複合論理を使用して、時間不変フィルタリングを実現し、第2のステージは、プログラマブルDSPを使用して、時間依存のパラメータに基づいて第1のステージの出力を調整して補正する。この処理の分割が、本発明の成功にとっての限界点である。
具体的な実施例では、ハードワイヤード論理ステージは、従来の適応形フィルタリング(adaptive filtering)、尖頭状重み付け(cusp-like weighting) 、又はデコンボルーション(deconvolution) 手法を回避する。このような手法は、乗算や重み付け機能のためのルックアップテーブルや時間変動処理(time variant processing) 及びプロセス間(interprocess)同期の双方のためのデータセットのバッファリングなどを、含む複雑なデータ演算を必要とする。その代わりに、本発明は、加算と減算だけを必要とするアルゴリズムを使用して、低速と高速の両方のチャンネルで、簡単な整形(shaping) フィルタ(台形が好ましい)だけを使用する。従来技術で普通に行われているように、高速チャンネルの出力は重ね合わせ検査と低速のピーク獲得(capture) に使用され、低速チャンネルのフィルタリングは良好なエネルギフィルタリングを実行するのに必要な雑音(ノイズ)の低減を行う。例えば、GouldingとLandisの設計によるアナログスペクトロメータ(US特許第4,658,216 号)を参照のこと。すべてのパルスを同様に処理し、すべての複雑なデータ演算を除いて、第1のステージの設計を単純化することにより、それを単一媒体サイズのフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)で容易に実現でき、それでも処理は500,000 回/秒(cps) 以上である。比較をすれば、Mott et al.(US特許第5,349,193 号)に示された適応形デジタルフィルタリングスペクトロメータは、制御データフローに必要なステートマシンを実現するためだけに同様の大きさのFPGAを必要とする。
しかしながら、従来技術でより複雑な手法の開発が行われた理由が高性能の実現であったにもかかわらず、単純なフィルタだけを使用したのでは、既存のアナログ装置に比べて許容できる分光性能を実現できない。従って、本発明は、プログラマブル・コンピュータを使用した第2の処理ステージを、対等な性能を実現するのに必要な時間変動補正(correction)に適用する。これらの補正は、容易に数10MHz にもなるシステムのサンプリング速度では実行できず、10倍から100倍も遅い平均信号パルス・レート(rate)で、高価でないDSPを使用して相対的に複雑な補正を実現する。更に、全ての可能な補正を同時に行う必要はない。ハードウエアによる解決策に比べて、検出器−プリアンプの組による補正だけが、システムのスタートアップ時に、DSPにダウンロードされる。具体的な実施例では、例えば、上記の500,000cpsのデータ・レートは、40$のDSPチップだけで処理できる。
このように、本発明は、X線及びγ線スペクトロメータにおいてパルスをデジタル的に処理するようにこれまで工夫された、データの流れに(data stream)おけるパルスの同定及び時間依存の補正と最適化とを伴った振幅の導出に必要なすべての演算がハードワイヤード論理を使用して実行される“ハードワイヤード”クラスと、これらの全ての演算がソフトウエア制御の下に実行される“コンピュータ解析”のクラスの解決策とは区別される。前者のクラスは、Koeman(US特許第3,872,287 号)、Lakatos et al.(US特許第5,005,146 号)、Georgiev et al.(IEEE Trans. Nucl. Sci. 41(1994) 1116-1124)、Mott et al., Jordanov and Knoll (IEEE Trans. Nucl. Sci. 42(1995) 683-685) 、及びFarrow et al. (Rev. Sci. Instr. 66 (1995) 2307-2309)の装置を含む。Georgiev et al. とMott et al., Jordanov and Knoll の装置の商用化は、Target, Inc.、Princeton Gamma-tech, Inc.、及びAmptek, Inc.によってそれぞれ試みられている。後者のクラスの例は、Takahashi et al. (IEEETrans. Nucl. Sci. 40(1993) 626-629) 、Al-Haddad et al. (IEEETrans. Nucl. Sci. 41(1994) 1765-1769) によって報告されている。後者のクラスは現在のところ商用化されておらず、その原因は有用なデータ・レートの処理に十分な速さのプロセッサが非常に高コストであるからだと思われる。本発明は、このように新しい“ハイブリッド”クラスを定義し、デジタルフィルタリングを、ハードワイヤードのプリプロセッサ(前処理プロセッサ)とプログラムされた信号補正器との間で分配する。
分光フィルタリング処理の第2のステージにおける、DSPの補正的な使用は、検出器に見られる光子・エネルギのスペクトルの生成に使用されるMCAステップと混同しないようにする必要がある。フィルタされた(filtered)パルス振幅のソーティング(sorting) とビニング(binning) は、また、専用のデジタルコンピュータによって共通に処理されるが、これらの機能は概念的にはフィルタリング処理の一部ではない。従って、従来技術の多くのシステムがデジタル・フィルタリング・ステージに続いてMCAを行うDSPを有する類似の物理的な構成を有していても、本発明におけるDSPの革新的な使用は、上記及び以下に説明されるように、まったく異なるものである。
具体的な実施例では、単一のDSPが、発明性あるフィルタリング機能、MCA機能、アナログ調整フロントエンド(analog conditioning front end) の制御、及びシステム制御コンピュータに対するデータ入出力の取扱の4つの論理的に分離した機能を実現するのに実際に使用される。
この具体例では、本発明は、入力データ・ストリームからランプ状(ramp-like)成分を除去して、システムのADCで必要な精度のビット数を低減するために、アナログ信号調整(ASC:Analog Signal Conditioning)フロントエンドと共に使用される。このASCの入力制御パラメータは、DSPによってデジタル的にセットされ、調整した信号がADCの入力範囲(input range) 内に保持されるように調整される。デジタル化後、パルス・ストリームは上記のハードワイヤード論理ユニットで処理され、それはパルスを検出し、三角フィルタリングを行い、重ね合わせ検査を実行する。更に、良好なピークとベースライン(baseline)の値が獲得され、更なる処理のためにDSPに送られる。DSPは、ピーク値を正確なエネルギ値に変換する演算と補正を行い、その結果を、MCAスペクトラを生成するように、箱に入れる(bin) 。ASCの動作はハードワイヤード・フィルタリング方法に歪を生じるが、DSPは、ASCの制御パラメータとフィルタされていない信号値の両方を適当に使用して、適当な補正を行える。ピーク間のベースライン値を獲得することにより、DSPは各種の原因で生じるシステム的な変動を少なくするように、ピークの高さを補正できる。
本発明においては、ハードワイヤードデジタル処理ステージは、それが「フィルタリング・ピーク検出・重ね合わせ検査」"Filtering, Peak detection, and Pileup Inspection"を実現するため、FiPPIと呼ぶことにする。FiPPI処理は各データ・サンプルを処理するが、入力データ・ストリームにおけるX線パルスの部分的な(local) 振幅を検出して正確に獲得するために必要な、フィルタリングと検査機能との少数の組だけを実行する。正確なX線エネルギ値を生成するには、これらの獲得ピーク振幅を処理するのに、より複雑なDSP演算が必要であるが、実際の事象を検出するときに行うだけでよい。この分割は、必要な高価な高速論理の量と必要なDSPの速度(すなわちコスト)の両方を最小にするので、有利である。その結果、各解決策を単独で使用するのに比べて、よりコストを下げられ、性能を高くできる。
1つ又は他の具体例にて現われるFiPPI機能は、デシメータ(decimator) 、低速台形フィルタ(slow trapezoidal filter) 、高速台形フィルタ(fast trapezoidal filter) 、ピーク検出器(peak detector) 、重ね合わせ検査器(pileup checker)、出力バッファ、及び入力カウント・レート(input count rate (ICR))カウンタを備える。FiPPI演算は、スペクトロメータシステムが動作を開始する前に、FiPPIにロードされるいくつかのデジタルパラメータによって制御される。
Nによる除算機能は、ADCからの入力をN値の連続したブロックに分解し、入力データ・ストリームの周波数の1/Nで各ブロックの平均値を出力する。調整可能なパラメータNは、2の累乗であり、1、2、4、8などをとり得る。デシメータの第1の機能は、FiPPI低速フィルタにおける長いフィルタリング時間を必要とする先入れ・先出し(FIFO)メモリの量を低減することである。
低速と高速の両方のフィルタは対称な台形で、そのピーク時間(peaking times) τp と上辺の長さτg は外部からロードされるパラメータである。台形のピーク値は検出されたX線のエネルギの測定値を構成する。これらの機能は、2つの遅延オフセット差の間の差の移動平均によって形成されるものでありFIFOの機能を使用して実現される。高速フィルタは、低速フィルタよりはるかに短く、通常、クロック速度の速度で進行する。低速フィルタは、クロック速度の1/Nでデシメータ出力と共に働き、32ワードだけの深さ(deep)のFIFOを使用して、数μs以上のピーク時間を有する。
ピーク検出回路は、信号パルスに対する高速フィルタの出力を監視して、あるしきい値レベルTを越えたM以上連続した値を探し、そのような値の組(セット)を見つけた時に、そのセット内の最大信号値の到着時間を獲得する。この時間が、以後関係する信号パルス到着時間として定義される。外部からロードされたパラメータTとMは、ノイズによるトリガに対して適当な不感性を維持しながら、低い信号レベルに対する感度を最適化するように調整される。
重ね合わせ検査器は、低速フィルタ台形が上辺の中央でサンプルされることを保証して、このサンプリングが良好なピーク(good peak)に対してだけ起きることを保証する。許容できる時間間隔で前者と後者を分離するパルスが、良好なピークになる。
重ね合わせ検査は、いくつかのテストからなる。これらのうちの2つは、高速フィルタ出力の各ピークを分離するのと同様に、分解するには接近しすぎている「高速の重ね合わせ」パルス用のものである。時間dで分離された重ね合わされた高速パルスの組は、高速フィルタの単一パルス出力の期間をDからD+dに伸ばすので、第1の高速重ね合わせテストは、しきい値Tにおける高速パルス幅を、Dより若干長い値にセットされたパラメータWと比較する。
第1の高速重ね合わせテストは、しきい値Tにおける高速のピークの幅をテスト値と比較するが、第2の高速重ね合わせテストは、その半値幅を、理想的な高速パルスの半値幅より若干大きくセットしたテスト値と比較する。このテストは、パルスの振幅には無関係であり、実現するのはより複雑であるが、大きくしきい値を越えることはなく、従って固定の振幅しきい値以上の期間が振幅に大きく依存する非常に低い振幅の高速パルスに対して、精度を向上させることができる。
低速のチャンネルにおける重ね合わせは、高速パルスが検出される毎にリセットされるカウンタを使用して検査される。もしこのカウンタがリセットされることなく外部パラメータの値Sに到達すれば、低速フィルタの出力値はその瞬間に出力バッファに、FiPPIのフィルタされていない入力値として獲得される。もし、カウンタが第2の外部パラメータの値Nに到達し続けたら、このパルスは後縁が重ならない。もし記憶されたフラグ値が前縁も重ならないことを示していれば、ピーク値は良好で、DSP割り込みフラグがその獲得を指示するように上昇する。Nの値は典型的には、τspにτsg/2と小さな余裕期間とを加えたのに等しい。Sの値はタイミングオフセットを調整されたNである。
良好な事象値が獲得された後、第2の試みが行われNをカウントする。もし成功すれば、低速フィルタの出力はそのベースライン・レベルに戻り、正規化補正で使用するためのDSPの要求で値が獲得される。
ICRカウンタは、重ね合っているかいないかにかかわらず、X線が検出された時には何時でも増加される。この値は、読み取られ、時間毎にゼロにされ、部分的な重ね合わせレートの統計が集められ、量的に正確な結果が必要な時に、正確なデッドタイムの補正を行うことを可能にする。
この同じ実施例では、DSPはその機能のすべてがソフトウエアで実現された商用のデジタル信号処理回路である。これらの機能は、ASCの制御、獲得したFiPPIのデータ値をピーク高さ評価の精度に最適化する補正、スペクトラを生成するマルチチャンネル解析の実行、及びシステムと外部との間のデータ及びパラメータの入力/出力(I/O)転送の4つの一般的なカテゴリィに入る。I/P回路とソフトウエアは当業者であれば容易に実現できる。
DSPは、ASCのランプ発生器(ramp generator)におけるオフセットとスロープDACに初期値をまず設定することによりASCを制御し、要求に応じてランプ発生器をリセットする。最初のDACのセッティングは、動作を開始する前に評価される。スロープDACセッティング評価は、時間毎に更新され、検出器へのX線の到着レートにおける変動を補償する。もしASCの出力がADCの入力範囲外になれば、オフセットDACはそれを記憶するように、調整される。
DSPは、FiPPIレジスタからの獲得ピーク値を、割り込み制御の下で検索しそのピーク値とICRカウンタ値とを、フィルタされなていないFiPPI入力値と獲得した事象を特徴付けるすべての他の値と含むレジスタを読み取る。DSPの設計により、割り込み応答(interrupt response)は、最小の低速フィルタピーク時間より小さく、従ってこの読み取りはシステム全体の応答にいかなる無効なデッドタイムをも与えない。良好なピーク値は、エネルギ値に変換され、そのような補正が許容できる精度を実現できるように行われる。次に、それが選択されたスペクトルエネルギ範囲内にあれば、MCAがその結果を集められたスペクトルに入れる。
更に、DSPは、良好なピーク値を読んだのと同様の方法でFiPPIベースライン値を次々に獲得する。"set baseline"フラグがこの2つのケースを識別する。ベースライン値は、定義ではエネルギがゼロの事象に対応し、FiPPIのゼロオフセットを確立するのに使用される。ベースライン統計も集めることができ、スペクトロメータのエネルギ分解能を監視(モニタ)など診断の目的で使用できる。
もし補正されていなければ、ASCでのプリアンプの入力信号からのランプ波形(ramp waveform) の減算がスペクトルの歪を生じる。DSPがASCのランプ発生器を制御するので、それは元の信号の振幅を演算でき、適当な補正を行うアルゴリズムが実現できる。DSPは、これらの補正の後平均のベースライン値を監視し、それがゼロでなければこの値を良好なピークエネルギから減算して、例えば検出器漏れ電流から生じるいかなる残留誤差も補償する。
本発明の特質及び利点は、明細書の後述の部分と図面を参照することにより、更に理解できる。
具体的な実施例の説明
1:システムの概観
1.1.プリアンプの入力信号
具体的な実施例の本記述は、われわれが処理する、検出されたX線に対応した、電気パルスについての簡単な論議によって明らかにされるであろう。図1Aは、半導体検出ダイオード 10 、電圧供給源 12 、フィードバックキャパシタCf 15をつけた充電積分プリアンプ 13 、及びフィードバック要素 17 を備える一般的なX線検出器/プリアンプ回路を示す。ダイオード 10 に吸収されたエネルギEx のX線は、Ex /εに等しい電荷Qx を放つ。ここで、εはダイオードの材質に依存する。Qx は、図1Bに示すように、Cf 15で積分され、Qx /Cf あるいはEx /(ε/Cf )と等しい出力電圧ステップVx を生成する。本発明は、Vx の測定において、ノイズσを減らすことによって正確にEx を見積もるためのデジタルフィルタリングを使用している。
機能的には、2つの基本的なタイプのプリアンプがある。第1のタイプでは、抵抗によるのと同様に要素 17 はキャパシタ 15 を連続的に放電(continuously discharges) する(“CD" の場合)。図1Cは、それぞれの間で指数関数形減衰をする一連の信号ステップ(図1Bにより)を備える典型的なCDプリアンプ出力を示す。平均出力電圧Vavg は、入力ダイオード電流Iinに要素 17 の抵抗値をかけたものに等しい。
第2のプリアンプのタイプでは、要素 17 は、プリアンプ 13 の出力電圧が上位リセット電圧VUに達したときに周期的に閉じて、プリセット下位限界Vlが達せられたとき再び開くスイッチである。これは、周期リセット(“PR" )(periodic reset)の場合の一般的な出力を示す図で、図1Dがその代表的な出力を示し、VUに応じて立ち上がる電圧ステップの勾配を備え、リセットがおきて電圧VLにもどり、処理が再び始まる。ランプの平均の傾きSavg はIin/Cf に等しい。平均の傾きについての典型的な信号変動は図1Eに示される。
1.2.ダイナミックレンジとデジタル化レートの議論
ADCの選択は、良好な重ね合せ拒絶と良好なエネルギ分解能両方を持つデジタルスペクトロメーターを実現するうえで重大である。重ね合せに関して:少なくとも20メガサンプル/秒(MSA)は200ns のパルス重ね合せ検査時間を実現するために必要である。
エネルギ分解能に関して:経験的に、良好なエネルギ分解能を得るためには、ノイズレンジσ(図1B参照)はADCの最下位ビットΔV1の約4倍でなければならない。これはADCの前のアンプステージのゲイン(ボルト/ビット)をセットする。
Figure 2007163516
与えられたΔV1に対して、ADCは0からVmax の範囲を全部カバーするのに十分なビットNB を持たなければならない。
Figure 2007163516
B の一般的な値は14である。
20MSAで動作する14ビットADCは存在するが、しかし我々が置換したいアナログエレクトロニクスのコストと比較して高価である。高速の8 から10ビットのADCは、しかし、デジタル通信におけるその広い用途のおかげで高価ではない。本発明では、我々はこれらのより安価な装置が使用できるようにプリアンプ信号のダイナミックレンジを十分減らす。14-15 ビットから8-9 ビットへの減少はまた、より短い語は処理のためのエレクトロニクスを少なくし、所定のデータ・レートで処理をするためのパワーを少なくするという両方の点で有利である。
1.3.機能の構成
図2は本発明のデジタルスペクトロメータの基本的な構造を示す。従来の検出器−プリアンプ 20 からの入力は、図1Aにあるように、3つの機能ブロックを備えるデジタルスペクトロメータ 22 へ入力される。その3つの機能ブロックは、アナログ信号調整(ASC)とアナログデジタル変換器(ADC)のブロック 23 ,ハードワイヤードデジタルフィルタとピーク検出器と重ね合せ検査器(FiPPI)(a hardwired digital filter, peak detector and pileup inspecter) のブロック 25 ,及び具体的な実施例においては、信号精練、多チャンネル信号分析,ASC制御,及び入出力(I/O)機能のためのデジタル信号処理装置(DSP)であるプログラマブル・デジタル・コンピュータのブロック 27 である。デジタルスペクトロメーター 22 は汎用制御コンピュータとインターフェイス 28 に接続されており、それからパラメータ値と制御信号を受け取り、集められたスペクトラをそれらへ送る。ASC 23 の機能はデジタルスペクトロメータの各ブロック 25 ,27の動作には必要ないが、しかし我々の好適な実施例では設けられている。各ブロック 25 ,27の機能は、様々な回路を使って実現されるが、しかし我々の好適な実施例では以下に示された明細書によって実現されている。一般的用途の制御コンピュータとインターフェイス 28 は従来のものであり、様々な一般的な個人あるいは実験室のコンピュータとインターフェイスの基準のいずれも含む。DSPにコンピュータを接続する詳細は従来の当業者にとって公知である。
2:ASC:アナログ信号処理とAD変換ブロック
2.1.ASCの機能の概念
ASC 23 は入力信号のダイナミックレンジを縮めることと、式1 を満たすようにそのゲインを調整すること2つの主要な機能を持つ。ダイナミックレンジの縮小は、プリアンプの信号を2つの成分に分解することによって成し遂げられる。その2つの成分とは、広いダイナミックレンジの、“低周波数" 信号部分(LFF)と、さらにもっと狭いダイナミックレンジの“高周波数" 信号部分(HFF)であり、興味のある信号(SOI:図1Dを図1Eと比較)を搬送する。“低周波数" と“高周波数" の周期は記述的である。なぜなら、この用途では、LFFの基本周波数はHFFのSOIを搬送する周波数帯幅よりももっと小さいからである。重要な概念は、LFFの信号部分の妥当な複製は比較的小さい個数のパラメータによって記述され、それはたやすく入力信号から生成、減算され得る。残留信号部はそしてSOIを搬送するオリジナルのHFFに密接に近く、非常に縮小されたダイナミックレンジを持ち、非常に縮小されたビット数のADCを使ってデジタル化することを可能にする。
DSP 27 によるパラメータの制御の下では、ASC 23 は従ってLFF複製を生成し、入力信号からそれを減算し、式1 に合うように残留HFF複製(remaining HFF replica) の振幅を調整する。ADCビットを少なくする以外にも、この方法は3つの付加的な有利性を有する。第1に、DSP 27 はASCの制御パラメータがわかり、それが収集しているエネルギスペクトラムを精製するのにそれらパラメータを使うことができる。第2に、HFF部分のX線パルスはADCの入力範囲にわたってほとんどランダムに(身震いされて)降下することになるので、スペクトロメータ 22 の精度と線形性はADCの微分積分非線形性に対して比較的に鋭敏ではなく、どんな直流オフセット電圧に対しても完全に鋭敏でない。第3は、プリアンプの入力の異なった各タイプは単にパラメータの調節によって調整することができる。CDプリアンプに対しては、LFFは、図1Cに示されるように、単に値Vavg にセットされる定数に過ぎない。PRプリアンプに対しては、LFFは図1Dに示すように、交互の傾きSavg のランプとリセットを備える、のこぎり波の機能である。
2.2.ASCのハイレベルに関する説明
図3はASCと変換ブロック 23 の機能ブロック図である。アンプ 30 は、検出器−プリアンプからの入力信号と、プリアンプの信号を回路の他の部分で約ゼロに中心を置くようにするデジタルアナログ変換器(DAC)32のバイアスDACによってセットされる電圧レベルとの差を増幅する。減算器 33 は、アンプ 30 の出力からLFF生成器 35 の出力を減算する。LFF生成器 35 の出力波形は、オフセットDAC37、及びスロープDAC 38 及びDSP 27 からのリセット線 40 からの入力によって制御される。減算器 33 の出力は、可変ゲインがゲインDAC 43 で制御されるアンプ 42 に送られる。コンパレータ 44 は信号を検査し、もしそれがADCの入力限界を越えたなら割り込み線 45 でDSP 27 に警報を発する。ローパスフィルタ 47 は、それがADC 48 に達する前に、ADCのナイキスト限界を越えるどんな信号も取り除く。
ADCの出力は、デジタルADCの出力バス 50 を経由して直接的にFiPPIブロック 25 に接続され、バスバッファ 52 を経由して間接的にDSPブロック 27 に接続されている。バッファ 52 は双方向DSPデータバス 53 、DSPアドレス線 54 、リセット線 40 に接続されており、DSP 27 が各DAC 32 ,37 ,38,43へデジタル入力値をロードするようにし、ADC出力バス 50 上の所望のADC出力データ・ストリームをサンプルする。このようにDSP 27 は直接ASC 23 の全機能を制御し、また直接ADC出力 50 においてその効果を測定することもできる。適切な制御ソフトウェアによって、これはDSP 27 がまずASC 23 に好適な動作量を最初にセットし、そしてLFF生成器 35 の動作もまた動的に制御することを可能にする。各インターフェイスバッファを使用することの詳細は、デジタルエレクトロニクスの従来技術に関する当業者にとっては公知であり、さらには記述しない。
2.3.ASCブロックの出力信号
DSP 27 の制御のもとでは、LFF生成器 35 は直流オフセットとともにリセットするランプ関数(ramp function) を生成する。CRプリアンプに対しては値Vavg の直流オフセットのみが使われる(図1C参照)。PRプリアンプに対しては、直流オフセットは値VLにセットされ、ランプの傾き(ramp's slope)は平均の傾きSavg と一致するように調整される(図1D参照)。ランプ減算(ramp's subtraction)、ゲイン調整、フィルタリングした後の、3つのPR出力信号の各例は図1Eに示される。準周期的なランプ構成を取り除いた後、個別X線パルスはそれらの到着時に変動を伴う垂直なステップとして現れる。トレースAは到着した場合の平均レートを示す。各トレースB,Cはその平均からの一時的な変動を示す。ランプ減算は各ステップ間の負の傾きを残すが、それらの振幅はこの手続きによって感知できるようには修正はされず、デジタルスペクトロメータによって復元される。
CRプリアンプに対しては、垂直の目盛りがADCの全体の入力範囲を満たすように調整されることを除いて、ASCの出力はだいたい図1Cのようになる。この場合、各X線パルス間の範囲は、プリアンプと同じ指数関数形減衰の傾きを持つ。
2.4.ASCの具体的な実施例
図4は、ASC 20 のアンプ 30 、減算器 33 、LFF生成器 35 、可変ゲインアンプ 42 の各ブロックの回路の概略である。本回路はアナログエレクトロニクスの当業者にとってはおそらく自明であり、少しの構造の説明のほかにそれ以上の論議は少しも必要としない。従来技術の当業者にとっては公知である回路の各詳細、例えば電力供給フィルタリングまたはオペアンプ補償は、示されていない。本実現は唯一ではなく、多くのほかの適切なアレンジは容易に工夫できる。
入力信号をASC回路の範囲で中心に持っていくことのほかに、アンプ 30 の主要な機能は、入力からASCを保護し、約3つのファクタによって入力を増幅することにより回路の他の部分のノイズの要求事項を低減する。したがって適当な周波数帯幅のとても低いノイズのオペアンプを使うことが実現されるべきである。
LFF生成器 35 はリセット可能な電流積分器であり、オフセット電圧Voff を有しリセットに5μs以下の整定時間で低ノイズ、高精度な各ランプを生成するように設計されている。抵抗 68 はDAC 37 の電流を電圧Voff に変換する。キャパシタ 72 はDAC 38 からの電流を、スイッチ 75 によってリセットされるまで積分する。抵抗 77 はFETオペアンプ 65 のスルーレイトが限界を越えないように保証する。オペアンプ 78 とスイッチ 85 は、LFF生成器 35 の出力の振幅と符号が入力と一致するようにする。DAC 37 は、一般に、LFF生成器 35 の出力とアンプ 30 からの信号がプリアンプのリセットの後すぐに一致するように調整される。
可変ゲインステージ 42 は、粗いゲインを精密なゲインのための電圧制御、可変ゲインオペアンプであるアナログ・デバイゼス社製AD603 92 の100 Ωに固定された入力インピーダンスにするスイッチ 88 と抵抗 90 を備える。ノイズを最小限にするために、固定出力ノイズがオペアンプ 92 は約12dBの細かいゲイン調整に対してのみ使用される。
ASC部 20 の残された各ブロック、コンパレーター 44 とローパスフィルタ 47 は、直列に接続されている。コンパレータは、図1Eを参照すると、変動によって、ASCの出力信号がADCの入力範囲に位置するLLからULの範囲を越える、どんな場合も検出することが求められる。
ローパスフィルタ 47 は、ASCの出力信号の周波数帯幅を、ADC 48 のサンプリング周波数の半分であるナイキスト周波数fN 以下に制限する。なぜなら、より高周波数の全ノイズは、デジタル化された出力信号に“偽信号化" されて、余計にノイズを増やすからである。この具体的な実施例では、ADCは20MHz 、すなわちfN が10MHz で動作する。さまざまなフィルタ設計が使用できるにもかかわらず、4極のバターワースフィルタが具体的な実施例で使われる。なぜなら、それは周波数における速いロールオフと、最小のピーク時間を持ち、4つの受動部品だけを必要とするからである。ナイキスト判別法が満たされたときスペクトロメータエネルギ分解能はサンプリング・レートに独立であることを、我々は実験的に確認した。2,5,10,25MSAで動作し、各々1,2.5,5,12,5MHz の各ローパスフィルタを有する実施例は、集められたデータサンプル数が、2MSAにおける8 から25MSA における100 に変化するにもかかわらず、2μsのピーク時間をもつ三角フィルタリングに対してすべて同一のエネルギ分解能を作り出した。サンプリング・レートを増やしてエネルギ分解能の改善を報告した様々な著者はナイキスト判別法を満足させることに明らかに失敗している。従ってサンプリング・レートを選ぶことは、主として、良好パルスの組の分解能を実現するためにサンプリング・レートを上げることと、デジタル処理のコストを下げるようにサンプリング・レートを下げることとのトレードオフである。
3.FiPPI:フィルタ、ピーク検出、重ね合せ検査回路
3.1.FiPPI設計の概念
発明の概要でも議論されているように、本発明のスペクトロメータは2ステージでデジタルフィルタリングを実行する。第1のステージは、FiPPIと称され、フィルタリング、ピーク検出、重ね合せ検査(Filtering, Peak detection and Pileup Inspection) を行うために、組合せ論理を使う。フィルタリング回路を最小化し、処理速度を最大化するために、加算と減算以上の複雑な演算はこのステージでは行われない。速度を最大限に利用するために、すべての演算は、1クロック周期(clock cycle) あたり1点で入力データを処理するようにパイプライン化される。すなわち、もしO(n,j)がデータサンプルnに必要とされるj番目の演算であるなら、そしてタイムステップiとすると、同時にO(n,1),O(n−1,2),O(n−2,3)などを実行する。
この方法には重大な限界がある。なぜなら、補償調整はパルスの具体的な状態のもとでは行われることができず、加算あるいは減算のみを使うフィルタは正確ではないので我々の分光動作の目的を満たさない。それゆえ、発明の概要で言及したように、第2のフィルタリングステージでは、所望の精度を実現するのに必要な具体的な補正(プリアンプの形式に基づいたり、小域的な各動作状態など)を行うようにDSPが使用される。
この方法は様々な理由で有利である。第1に、FiPPIはとても安くかつとても速くなり得る。例えば、好適な実施例では、20MSA のADCと動作させても単一のFPGAで実現される。第2に、第2ステップでの機能は、ADCのサンプリング・レート(例えば、20MSA と比較して500,000cps)よりもずっと低いX線信号事象の平均到着レートでのみ実行される。必要とされる精度は典型的に簡単な各法則であるので、現在の技術で実施されているように、得られたピーク値だけにそれらを適用することは、データ・ストリーム自体に(プリコンディショニングやデコンボルーションを通して)適用するより、より簡単かつ速くなる。同様の実施例では、20MIP のDSPのみが第2のステージの処理に必要とされる。
具体的な実施例でのFiPPIはそれゆえ、部分集合として三角フィルタリングを含む台形フィルタリングのみ備える。この選択は、実現されようとしている高カウント・レート・レジーム(high count rate regime)でのスペクトロメータのエネルギ分解能を下げない。なぜなら、Revista del Nuovo Cimento (1986) Vol.9(1),pp.1-146 で発表された“Processing the Signals from Solid State Detectors in Elementary-Particle Physics ”と題される論文でGatti とManfrediが示したように、三角フィルタリングは、実際には、連続した白色雑音が支配する短い整形時間レジームでは理想的な固定された整形の形式であるからである。より長い整形時間であっても、三角整形はなおもとても効果的である。核原子物理学の年間評論38 (1988),pp.217-277で発表された“Low Noise Techniques in Detectors ”と題された論文で、ラデカ(Radeka)は、最大限のエネルギ分解能に対してさえ、三角フィルタの分解能は理想的な尖頭フィルタよりも8%だけ悪いことを示した。
3.2.FiPPIの具体的な実施例、ハイレベルに関する考察
1つの具体的な実施例では、FiPPI論理はフィールド・プログラマブル・ゲート・ アレイ(FPGA)を使って実現される。これは小さなスペースでの高論理密度を可能にする。さらに、FiPPI論理は動作の前にファイルからダウンロードされるので、新しい各状態を満足したり設計改良を具体化することに対しても、容易に修正されることができる。より安いコストあるいはより速い動作速度が所望される他の各実施例では、FiPPIは、用途特定集積回路(ASIC)あるいは他の論理回路で実現される。
具体的な実施例におけるFiPPI 25 の微細構成は図5 に示される。データ・ストリームはADC出力バス 50 に入り、低,高速信号両チャンネルに流れ込む。第1の低速チャンネル回路、デシメータ 97 は、プリセット・ファクタによって到来信号データ・レートを減らす。その出力は、デジタル的に台形フィルタリングするように備えられた低速フィルタ 98 によって処理される。低速フィルタ 98 の信号出力のピーク最大値は検出されたX線のエネルギに一致し、出力バッファ100によって得られることができる。低速チャンネルの動作はDSP 27 からFiPPI 25 にロードされる3つのパラメータ、デシメーション・ファクタ 102と低速フィルタの長さと各ギャップ値 103によって制御される。
高速信号チャンネルのもっとも重要な機能は、低速フィルタ 98 から適切な値を得るためにデータ入力ストリーム 50 とトリガー出力バッファ 100を検査することである。第1の高速チャンネル回路は高速フィルタ 105であり、それはまたデジタル的に台形フィルタリングを実現するが、しかし低速チャンネルにおけるよりももっと短い時定数である。ピーク検出器 107は、少なくとも設定した連続する数のサンプルについて設定されたしきい値を越える各ピークについてその出力を検査し、そしてこれらのピークの到着時間の最大値を得る。これらの各到着時間は関連するX線事象到着時間を定義し、出力バッファ 100へのトリガーのタイミングに使用される。ピーク検出器からの各出力パルスは、低速フィルタ 98 で最大値が一部重なり合う(重ね合せ)各事象を拒絶する重ね合せ検査器 108によって検査される。重ね合せ検査器 108が良好なピークを検査するごとに、第2のステージの処理に対してDSP 27 へ送る低速フィルタ 98 の出力値を獲得するために出力バッファ 100を起動させる。各ピーク検出器 107の出力パルスはまた入力カウント・レート(ICR)カウンタ 110を進める。低速チャンネルにおけるのように、高速チャンネルの動作はDSP 27 からロードされた各パラメータによって制御される。すなわち、高速フィルタの長さとギャップ 112、ピーク検出器のしきい値と最小ピーク幅各試験値 113と、重ね合せ検出器に必要な、ピーク相互の間隔,高速ピーク最大幅,タイミングオフセット値 115である。
出力バッファ 100が起動されるごとに、それはまた、ICRカウンタ 110の値とどんな形式の低速フィルタの値が得られたのかを印すフラグの、2つの別の各値を得る。そのバッファはしたがってDSP 27 に4つの各値を出力する。すなわち、2つの得られた低速フィルタの各値PKVAL 117,UFVAL118 と、最後の出力からのX線PLOUT 119の数と、PKVAL 117はX線の振幅か規格化を目的とするベースラインの値かどうかを指示するBLFLG 120のフラグである。
FiPPIの最終の回路は、デジタルスペクトロメータがデータを集めるのにかかる正確な時間であるTIME 122を測定するライブタイムカウンタ 121である。これは2つの理由で有用である。第 1は、制御コンピュータ 28 によってソフトウェア制御の下でスタートしたデータ習得処理を正確に計測することは、別のやり方では難しいことである。第2は、多重検出器システムにおいては、各スペクトロメータが、そのカウント・レートを正確に測定できるようにそれ自身のライブタイムを正確に測定できることは重要である。
3.3.FiPPIの具体的な実施例における分岐回路の動作
FiPPIの好適な実施例における分岐回路の実現と動作は、それら各々信号トレースを併せて図6A から13に回路の概略によって示されている。これらの各回路と各軌跡は、デジタルエレクトロニクスの従来技術の当事者にとっては大部分は自明のことであろう。次の段落では、主にそれらの機能について述べ、明らかにされていないあらゆる設計の議論を示す。
3.3.1.デシメータ
図6Aは、4でデシメイトするハードワイヤードされた具体的な実施例のデシメータであって、しかも図6Bに示された各信号を代表的な信号とする、デシメータ 97 の回路の概略である。それはクロック分周器 123とN値加算器 125を備え、それは10ビット入力線ADCBUS 50 からの4つの連続した値を加算し、10ビット線CS 147にその和を出力する。もしさらなる精度が所望されるならば、より多くのビットがCSに記憶される。同類の各技術を使えば、どんな任意のパラメータD_Facter 102によってデシメイトする回路は容易に構成される。
3.3.2.低速フィルタモジュール
台形フィルタの機能は各時刻{i}のときの各データ{di }のストリームの{Ti }として、次の式で与えられる。
Figure 2007163516
ここでLとGは低速フィルタの間隔長LS とギャップ間隔GS で、パラメータ 103として本モジュールに入れている。GS がゼロのとき、三角フィルタの機能は得られる。両形式はアナログスペクトロメータの論文で広く議論されている。台形関数の振幅は、もしギャップGS が十分に長いならば、電荷収集時間と独立にされることができ、したがって弾道欠損の現象が避けられる。しかし短い整形時間に対するノイズ比のその信号は、三角関数のものほどは良くない。本場合においては、選択はパラメータS_LengthとS_Gap 103によって定められる。
極端なFPGAの実体能力を消費する長い合計を避け、またゆっくり動作するために、式3は次のように計算し直され得る。
Figure 2007163516
部分和(di-L-G +di-2L-G)はちょうど、タイムステップLs +Gs で以前に算出された部分和(di −di-L )であるので、先入れ・先出し(FIFO)メモリを2つだけを使って、式4に基づきTi を生成することができることがわかる。ここに1つのLs ビット深さによって、項(di −di-L )を生成する値を保持し、また1つの(Ls +Gs )ビット深さによって式4を実現する値を保持する。
図7Aの回路の概略と図7Bの各波形は、10ビット入力について、式4に基づき、Ti の値を生成する低速フィルタモジュール 98 の実現について述べている。そのフィルタ内の全構成要素の幅は、デシメーションの各ビットについて1ビットだけ、拡張するであろう。デシメータ 97 からの入力CS[9:0] は、漏れ電流検出器の効果及び/またはASC 23 の動作を表わす一般的なパルスの前及び後の両方に、わずかな傾きを有する。
FIFOメモリ 148と減算器 150は、項(di −di-L )を生成する。ここで、LはパラメータPA[4:0] 152 によって設定される。FIFOメモリ 158と減算器 160は項(di −di-L )−(di-L-G +di-2L-G)を生成する。ここで、L+ GはパラメータPB[4:0] 162によって設定される。そしてアキュムレータ 168は式4の各値Ti を生成し、ラインFS[11,0] 173に出力する。3クロック周期の各パイプラインディレイが生成される。アキュムレータ 168で12ビットを使用することは、X線の狭い領域が予期され、ひとつのX線ステップはADC入力範囲の約5 %であるようにASCゲインが最適に設定されることができるXAS機器に対する技術的なトレードオフである。より一般的な設計では、アキュムレータの増加するビット数は有利なことである。
したがって、C[9:0]F[11:0] のステップ関数は、立ち上がり,立ち下がり時間 175,177 が両方とも“ピーク時間”TPKに等しくてLに等しい台形パルスになる。その上辺 178は持続時間TGPを持ち、その“ギャップ時間”はPA 152とPB 153の差Gに等しい。図7BのトレースFS[ 11:0] の黒い点は、もしそのピークが重ね合わされてなければ重ね合せ検査器はバッファ100に出力するためにFS[ 11:0] を得るような時間tm を示す。CS[ 9:0] がまた得られたときは、これはパイプラインディレイが占めるよりも3クロック周期早くなる。
出力FS[ 11:0] 173 は信号CS[ 9:0] 147 の傾きに比例するゼロでないベースラインを持つ。したがって、ピークの各振幅はベースラインに対して計られ、それはしたがってまた正確に決定される。また、CS[ 9:0] の傾きが時間で一定でないとき(直流プリアンプに関しては)、そのベースラインは検出された各X線パルスに対して部分的に測定されるべきである。
デシメータ97と低速フィルタ98の組み合せは、32深さ(deep)だけの各FIFOと12ビットアキュムレータとを使った400 サンプル(20MSA ADCについて20μs)までのピーク時間を許容する。だが一方で直接的に実現するには400 深さの各FIFOと18ビットアキュムレータとが必要であろう。これがより少ないFPGAゲートを必要とするだけでなく、より短いワードの長さが、別の方式よりもより安い程度(grade) のFPGAを使っても回路が十分早く動くようにする。
3.3.3.FIFOの具体的な実現例
図8Aおよび8Bは、LS が3に等しいXilinx4000シリーズFPGAを使っている回路とFIFO148 の具体的な実現例の波形を示す。設計が別の各FIFOは同様に実現できる。10個の32ビットの深さの各メモリ(データビットあたり1)は周期アドレスカウンタ 185によって周期的にアドレスされる。周期アドレスカウンタ 185の出力QCはクロック 128と位相がずれている。そのXilinxメモリは、それゆえ、QCによって最初にアドレスされたとき、バッファ 188によって得られる蓄積されたデータO[9,0]をディスプレイする。そしてこれらの各値は、クロックが正に進むに連れて、C 147の新しい各値によって上書きされる。したがって読み出しと書き込みは、PA 152カウントによって入力から遅れた出力値とともに、1 クロック周期で達成される。
3.3.4.高速フィルタ
高速フィルタ 105は低速フィルタがそれ自身の各制御パラメータF _LengthとF _Gap 112 をもち、ADC 48 の10ビット出力 50 で直接動作すること以外は、低速フィルタと厳密に同じ方法で実現される。そのピーク時間とギャップ長は式4 から、“fast”を意味する添え字をfとして、L f ,G f として書かれる。
3.3.5.重ね合せ検査
3.3.5.1重ね合せの意味
重ね合せ検査を理解するためには、連続する各入力パルス間の時間間隔の関数として、低速フィルタ98と高速フィルタ 105の各パルス出力がどのように変化するか理解すべきである。図9がこの情報を表わし、これらの図には、2つの入力パルス間の時間が減少するときの、高速フィルタ 192と低速フィルタ 193の各出力トレースの重畳が示されている。もし2 つのピークが適度に分離されている( 図9(A)〜9(C))のなら、低速フィルタのピークはX線のエネルギの測定を正確に維持する。より短い時間では、これらのピークは次第に変わり、拒絶(reject)されるべきである。最小許容分離は第1のピークがサンプルされてから1 クロック周期後に第2のパルスが始まる(パイプラインディレイに対して補正された)ときである。さもなければ2 つの各パルスは重ね合せされる。各パルスが連続して減少している間の間隔で、高速の各パルスはまた結果的に重ね合わさり、なおも重ね合せする( 図9(E)および9(F))。
3.3.5.2.ピーク検出
第1 の議論はピーク検出器107 の関数であるパルスを検出することである。好適な実現は、タイミングジッタ(timing jitter) を持ちノイズフロアに近い振幅を持つパルスに対してはあまり良好に動作しない、従来の分別器(discriminators)を越えて改良された動作を提供する。ここで、図10Aおよび10Bの回路とトレースで示されているように、しきい値195 はパラメータPC207 で設定される。しかし、信号値FF205 は、少なくとも連続して最低の数min _width113(パラメータPD208 で設定される)の回数がしきい値を越えるときにピークとみなされるだけである。このような状態の下で信号REP 223とSFP 225は生成される。RFPはFFがしきい値を越え続けている限りは続く。しきい値195 とmin _width113両方の値は、ノイズフロアをはるかに越えて上昇はしないソフトX線パルスとともに動作するとき、ノイズ耐性が増えるように調節され得る。
3.3.5.3.到着時間の確定
第2 の議論は、図11Aおよび11Bの回路とトレースで示されるように、重ね合せ検査器 108のブロック 240の関数であるパルス到着時間を決定することである。ここで、高速のピークのロケーションは、しきい値 195とそれが交差することによってではなく、その最大値の時間T3 196 によって確定される。RFP 223がハイのときはいつも、このブロックは、FF 173をバッファ 250で前もって得られた最大値と比較し、新しい最大値が見つけられるごとにFTOP 255をハイにセットする。到着時間のロケーションTS 196は本質的に独立した振幅であり、大いにタイムジッタ(tims jitter) を減らして低速チャンネルのピーク振幅決定の歪みに依存するどんなエネルギも取り除く。
3.3.5.4低速ピーク振幅の獲得
一度ピークが検査されると、FiPPIは、それが重ね合せと無関係かどうかを決定しなければならず、もしそうならば、低速チャンネルでその振幅を得る。実際の獲得は出力バッファ 100によって実行され、それは図11Aにおいてより詳細に示されており、信号PSAM 298によって起動される。低速ピーク振幅の獲得のタイミングは、図9(A)に示されるように、概念的には明確である。所望の獲得時間T4 198は台形の上辺の中点にある。高速低速両チャンネルのデジタル処理動作は数が固定されているので、T4 198は一定時間TS 194によって高速ピーク到着時間T3から分離され、それはD _Facter 102,S _LengthとS _Gap 103 ,F _LengthとF _Gap 112のようなFiPPI制御パラメータにのみに依存する。それゆえ、高速ピーク検査に続いて、カウンタは時間TS 194を測定することができ、転送された低速フィルタ98の出力をバッファ 100へ転送する。
3.3.5.5.低速チャンネルの重ね合せ検査
FiPPIにデジタル的で実現された重ね合せ検査は、概念的にアナログ分光回路で一般に見られることと同じである。すなわち、連続した各パルスは、低速チャンネルのピーク時間の数倍だけ分離されていなければならないことを、必要とする。アナログ三角フィルタリングの場合では、1.5 から2.5 の倍数が一般に使われる。図9(A)が示すように、本当の台形フィルタリングでは、連続した各パルスは、単一の低速フィルタのピーク時間に上辺の時間の半分を足したものによってのみ分離される必要がある。アナログ“三角”パルスがピークが減衰した側で1 ピーク時間を越えて十分に拡大するテールを持っているという事実は、それらの拡大した検査時間の原因である。デジタル的に生成した各パルスは、図7Bに示されるように、きれいに消滅し、より短い重ね合せ検査時間が使われるようになる。2あるいはそれ以上のカウント・レートの可能性が増えるという結果になるということは証明されている。
立ち下がり重ね合せ検査は、図11Bで示されるトレースで図11Aで示される回路のブロック 243によって実行され、信号FTOP 255の隣接した各終端の間の時間間隔を測定する。高速ピーク最大値、そしてその到着時間に印をつける降下するFTOP信号は、Interval_1 カウンタ 260をスタートさせ、重ね合せ検査期間のパラメータPF 268と共にロードされる。もしカウンタが首尾よくオーバーフローしFF16 265に蓄積された値がパルスが立ち上がり重ね合せエッジを持っていないことを表わすならば、信号は低速チャンネルのピークが得られる時間TS 194をカウントするのを終える第2 のインターバルカウンタブロック 245について発せられる。Interval_2 カウンタは、低速フィルタのパイプラインディレイを適合させる必要があり、10進クロックと共に動作しているであろう。
Interval_1 カウンタ 260がオーバーフローしたとき、それは再スタートさせられ、Pass_Cut カウンタ 261は減少する。もしInterval_1 カウンタ 260が2 度オーバーフローしたならば、それは低速フィルタの出力がベースラインに戻ることができるほどパルス間の期間がとても長いことを意味する。このような条件の下では、もしDSP27がフラグBLCOL 315をセットするならば、Interval_2 カウンタ 245はベースライン獲得を初期化するよう起動させられる。ビットBL 278は、この状態を意味するために、出力値BLFLG 120としてバッファ 100によって得られる。
ピークが立ち上がり重ね合せエッジと関係するか否かは、フリップフロップFF16 265によって決定され、このFF16 265は、新しい高速パルスが検出されるごとに、信号SFP 228を受けて、Pass_Cut カウンタ 261の値を蓄える。もしこの値が1 ならば、最後のパルスから少なくともPF 268の時間が経っていることになる。
フィルタを通していない出力CS(図7B参照)が必要なときは、時間T4 198の前の3低速クロック周期が得られなければならず、それは、Interval_1 カウンタが実際にそのピークが有効かどうかを確定してしまう前である。この時間はそれゆえコンパレータCMP23 262によって確定され、CSの適切な値が、もしそのピークが有効ならば出力バッファ 100へ転送されることができる中間バッファ 307で得られる。
3.3.5.6.高速重ね合せ試験
第 1の高速重ね合せ試験は図11Aのブロック 242によって実現され、しきい値 195で高速パルスの幅を測定する。図9(E)から9(F)が示すように、もしこの値TWが最大値TM 200以上ならば、その時は高速チャンネルで重ね合せが起きているに違いなく、低速チャンネルのピーク値は無効であろう。この結果は、検出されたとき、フリップフロップ16 265に蓄積され、低速ピークの獲得を妨げる。パラメータPMとしきい値は共に1 件1 件基準に調整されることができるので、高速ピーク検出回路と結び付けるときこれはとても効果的な試験である。単色光X線とともに、XASにあるように、各パラメータは、従来のアナログ試験よりも大きさが3けたまで低くなり得る重ね合せレートに達することができるように調整される。
3.3.5.7入力カウント・レートカウンタとタイマー
図12Aおよび12Bにおける回路と各トレースは、FIPPI 15 の入力カウント・ レートカウンタ 110(図5 参照)の実施例を表わす。本回路は、検出されたそれぞれの有効X線パルスに対して検出されたX線パルスの合計数を記録するために、高速パルス到着信号SFP 228とPass_Cut カウンタ 261の出力Q10[ 0] 270 を使っている。その出力NSFP 340は、それがバッファ 100を読み出すのと同時にDSP 27 によって読み出されることができる。
図13の回路は、FiPPI 15 のライブタイムカウンタ 121(図5 参照)の実施例を表わす。本回路は、DSP 27 がC _Enable 273を経由して信号を送るとき、すなわちデータを収集するモードにおけるときははいつも、分割クロック信号をカウントする。
3.3.5.8.任意の高速重ね合せ試験
第2 の高速重ね合せ試験は図14Aおよび14Bに示される回路と各トレースによってさらに実現されることができる。本回路は、高速ピークの幅をその最大値の半分において測定する。別の各比は容易に置き換えられることができる。Half_Width カウンタ 357がピーク幅を最大限に許容された値PKと比較する間、Inspect _1 カウンタは検査期間PL 362をセットする。高速パルス信号FF 173は、Q7 251がその最大値に達する機会を得るまで、FIFO10 353によってPJ 358カウントが遅延させられる。もし高速ピークがこの試験について重ね合せられるのなら、出力MWID1 367は、低速ピークの獲得を妨げるために、フリップフロップFF16 265をセットするのに使われることができる。
広い範囲の振幅を持つパルスが示されるとき本試験はとくによく動作し、しきい値がピーク振幅のかなり大きな部分となる低い振幅のパルスに対して、高速パルスと重ね合せ試験が最大限に利用されることを防ぐ。この場合、2つの低い振幅パルスが重ね合せでき、まだ基本幅の重ね合せ試験値より小さいこれら2 つの幅の和をもつ、とても広い時間の範囲が存在する。
3.3.6.任意の出力バッファリング
本回路はこの具体的な実現に示されていないにもかかわらず、もっとも高いカウント・レートに設計されたシステムでは、われわれは、それぞれが強力ないくつかの獲得された値であり得る3つの出力バッファ 100を3つの短いFIFOによって取り替えることが好適であることを知った。本修正はDSP27が、どのようにそれがFiPPIから獲得されたピーク値を集めるかにおいて、より適応性を持たせる。示された好適な実施例では、ひとつが信号として送られるごとに、0.5 μs以下で獲得された値を取ってくる計算を休止する割込み制御の下でDSPは動作する。割り込みルーチンを提供する本システムは、より少ないFiPPI回路リソースを使うにもかかわらず、より多くのそして平均ではより遅いDSPコードを必要とする。任意のFIFO出力と共に、それがルーチンを処理し、けっして割り込みを受けない固定された点のデータに対してFiPPIを得ることができ、それはその平均処理速度を増加させる。本実現はしたがって非常に最高のデータ・レートが適応されなければならないときに好まれる。
我々は本動作をモデル化しており、DSP27が、各事象を処理するごとに少なくとも一度はDSPFLAG 302を得て、それらの平均レートで事象を処理できるほど速いならば、本バッファは、すべての事象の大多数を得る約4つの事象の深さだけ必要であることがわかっている。
4.DSP:デジタル信号処理装置と論理
4.1.DSPの概略
我々の設計の考え方に基づき、システムレベル動作を保つために、DSPは“事象ごとに”基づいたものであってもあるいはあまり頻繁でなくても必要とされるそれらの各タスク、各処理、各計算を実行する。図2 に示されるように、DSP27の主な各タスクは、汎用制御コンピュータとインターフェイス28との相互連携することと、ASC23を調整して制御することと、FiPPI25からのデータ値を収集,補正,ヒストグラム化することを含む。本発明の一般的な実行は、これらの機能は、プロセッサとメモリの広範な組み合わせによって満たされることができ、具体的な実施例のいずれの選択も、コスト,速度,大きさなどのような考え方に基づいた技術的な決断が主である。
4.2.DSPハードウェアの実施
NECμPD77016プロセッサが具体的な実施例では使用されている。高速で、低価格で、その制御プログラムとそのMCA機能を生成するスペクトラを保持する十分な内部メモリを持つ16ビットDSPなのでそれが選ばれた。その2.0KのXデータメモリは、MCAスペクトラ用にされ、スペクトラが、32ビット(あるいは40億カウント以上)の深さごとに1024箱(bin )ビンまでヒストグラム化されるようにする。その2.0KのYデータメモリはシステム動作を制御するのに必要な各変数と各定数、すなわちシステムの遂行を監視するためのデータ、MCA処理のためのFiPPI事象を一時的に蓄えるためのサーキュラーバッファ(circular buffer) を蓄える。内部メモリは本発明には必要はなく、全体のあわせた数とコストを減らし、より高速の動作を与える。外部から与えられたクロック周期の半分で各指示を実行するので、ADCサンプルごとに1 つ指示するという同期した動作を作るために、DSPはADCとFiPPIの比の厳密に倍でクロックされる。それは4つの外部割り込み線をもっているが、その外部割込み線はDSPがASC 23 ,FiPPI 25 ,外部制御コンピュータ 28 に応答するようにする。
マイクロプロセッサやDSPをプログラミングしたり割り込んだりすることに関係する一般的な議論は、従来技術の当業者にとっては公知であり、細い説明は行われない。各制御プログラムの一般的な各フローチャートは示されており、所望の機器機能を得るように発明された具体的なアルゴリズムに注目が集中する。
4.3.DSPハイレベルソフトウェアの説明
4.3.1.監視制御プログラム
図15は、この具体的な実施例で使われた監視制御プログラムのハイレベルフローチャートを示す。太字体の矢印は、信号データ収集サイクルを通したプログラム制御の流れを描いている。動作はDSPプログラムのダウンロードと、各レジスタのセットアップとYデータメモリの定数を初期化することを含む初期化 380によって始まる。そしてそのプログラムはその主な制御ループである、CAMACモニタリングタスク 382にとりかかる。具体的な実施例では制御コンピュータインターフェイスはCAMACインターフェイス基準であるIEEE基準583-1975を使うように実現されており、本選択は本発明の機能には決定的ではない。CAMACモニタリングタスク 382においてはDSPは本質的にループの中にあり、割り込まれるのを待つ。
DSPへの及びそれからのデータ転送は、そのデジタルスペクトロメータ22のインターフェイスを通して制御コンピュータ28によって起動される。そのようなインターフェイスの実現の詳細はその技術の当業者によって公知である。データ転送のこれらの要求は、インターフェイスがDSPに対して転送割り込み 383を発生するようにする。このような転送割り込み 383を受けたとき、DSPはDSPへ/からの転送データ 385を移動させる。ここで、それはインターフェイス28の2つの状態レジスタを読み込み、データワードをDSPメモリロケーションへインターフェイスレジスタから転送するかあるいはその逆にするかを決めるために使う。DSPは要求された転送をさせ、そしてデータワードをCAMACモニタリングタスク 382に送る。多重ワードデータ転送は2MBytes/ sまでのレートのDSPのブロックのデータ転送モードを使うよう実現したのと類似している。
デジタルスペクトロメータ22が効率的に制御され得る前に、それは、制御コンピュータ28からダウンロードされたり(たとえばFiPPI25のフィルタ長)、システムを較正することによって経験的に決められたり(たとえばスロープDSP38の推定値)しなければならない、色々な定数と制御パラメータの数値が必要である。特に注目すべきは制御ワードRUNTASKSであり、これはDSPプログラムを制御するフラッグの組である。獲得割り込み 387が受け取られたとき、獲得タイプ 388はRUNTASKSを試験することによって確定される。
4.3.1.1.各試験/校正ルーチン
もし獲得タイプが試験/校正 390ならば、DSPは試験/校正各ルーチン 392を実行し、それは正しいシステム動作を確認し、ASCに対するDAC制御を校正する。それらは次を含む:
1)ASC 23 の動作点をセットするために、バイアス 32 ,オフセット 37 ,スロープ 38 ,ゲイン 43 の各DACへ書き込む。
2)第1 にスペクトロメータ 22 に対して入力を分離し、バイアスDAC 32 を使ってオペアンプ 30 に印加された連続した電圧値についてADC 48 の出力を記録することによってシステム全体のゲインを測定する。結果にぴったりあったときは、ボルト入力あたりのADC単位を生じ、それはまさにデジタルスペクトロメータのゲインである。これは、eVあたりのADCの各ステージの全体のシステムゲインを得るために、X線エネルギのeVあたりの電圧であるプリアンプのゲインによって倍にされることができる。もしプリアンプのゲインがわからなければ、この定数を求めるべく既知のX線エネルギを測定することができる。
3)1つのステップごとにADCの出力を変えるのに必要なオフセットDACのステップの数である、規格化した定数DAC/ADCを得るために、上のルーチン2)の時と同じ処理によって、ADCのオフセットDAC 37 を校正する。
4)スロープDAC 38 へ既知の各値をセットすることと、生成された信号がADC入力範囲を越えるのに必要な時間を測定することによって傾き生成器を校正する。傾きはスロープDAC 38 からの電流入力と、積分キャパシタ 72 の大きさとにだけ依存し、それによってDAC/ADC値の良好な第2 の試験が与えられる。
5)制御された入力波形としてASCの傾き生成器を使ってADCの微分積分非線形性を試験する。
6)スペクトラムデータなしでASC割り込みを監視する。
7)DSPでADCの出力信号トレースを得る。このモードは、ADC−DSPの組み合わせが本質的に簡単なデジタルオシロスコープとして動作するモードで、信号トレースを獲得することによって検出器の問題をデバッグするのに特に有効となり得る。
8)FiPPIのデシメータの各出力値C[9:0] 147 を獲得する。これはルーチンNo.7と同じ有効性を持っているが、より低速なデシメータの出力で動作する。
9)入力X線信号をシミュレーションするために、まずスペクトロメータ 22 の入力を分離し、そしてバイアスDAC 32 によって電圧の各ステップの出力を使ってスペクトラムを集めることによって全部のスペクトロメータの正しい動作を確認する。出力スペクトラムは全体のシステムゲインの直接測定する場所を持ち、スペクトロメータのノイズを測定する幅を持つ、単一の狭いピークであるべきである。本試験は、完全な計器は選ばれたデジタルフィルタのパラメータで正確に動作していることの数値的な診断である。
これらの試験は、本発明のデジタルスペクトロメータが自己試験と自己校正をしていてまた製造するときの品質コントロール試験に有効であるようにする。普通の動作では、制御コンピュータ 28 はデータを集めようとすることより先にスペクトロメータが正確に動作しているか確かめるために、これらのプログラムの試験一式を走らせる。
4.3.1.2. データ獲得
獲得割り込みのタイプがデータ393 のとき、データ獲得の準備をするために(リセット形プリアンプを想定している)、DSPはスタートデータ獲得ルーチン395 に進み、次のタスクを実行する。
1)X線のエネルギ範囲、プリアンプの特性、初期速度推定値によって確定される各値を指定するために、ASCのバイアスDAC32、オフセットDAC37,スロープDAC38,ゲインDAC43をセットする。
2)MCAデータと統計値をゼロにリセットする。
3)低速フィルタ長と各ギャップ値103 ,高速フィルタ長とギャップ112 ,ピーク検出器試験値113 ,FiPPIに対する重ね合せ検査器の値115 の、各制御パラメータのデシメーション要素102 を書き込み、FiPPIの動作を再起動する。
4)傾き生成器を非活性化(disable) しながら、時間に対するADCの各値を観察することによってASCモニタリングを始める。プリアンプの信号のランプの傾きを推定し、スロープDAC38の値がそれと一致するように計算する。そしてリセット値をオフセットDAC37へロードし、傾き生成器35を活性化する(enable)。
5)もしASC28の出力の信号がADC48の入力範囲を超えたとき、DSPに割り込みをするために、ASCコンパレータ割り込みを割込み可能にする。
6)低速フィルタのベースラインの各値の最初の一組を集め、ベースラインの平均値と分散量を計算する。
7)FiPPIデータの受領の準備のために、ポインタの各値をDSPのYデータメモリのサーキュラー事象ループバッファへセットアップする。
8)FiPPIが有効なピーク振幅を獲得したとき、FiPPIがDSPに信号を送るように、FiPPIの割り込み信号DSPFLAG302 をイネーブルにする。
4.3.1.3.データ獲得タスク
もしこれらの処理のいずれかが失敗したときは、プログラムは中止し、さもなければデータ獲得タスク402 へ進む。このタスクは、500,000cpsまでの平均レートでデータを処理している間、2,000,000cps(最低0.5 μsの低速チャンネルピーク時間の逆数)までのデータ到着レートでのバーストに適用できるよう設計されている。これは、サーキュラーバッファへの到来データを蓄えることによって達成され、これは割込み制御の下での高速処理であり、さらに各割り込み間の間隔を有する安定レートでそれらを処理する。これは約4 のファクタによって平均処理レートを減少させ、安価なDSPが使用できるようにする。
獲得FiPPIデータルーチン 405は、データ獲得ステップを実行する。ここでDSPは、各値PKVAL 117,UFVAL 118,BLFLG 120,PLOUT 119を含むFiPPIから2つの16ビットワードを読み込む。そしてそれはこれら2 つのワードをサーキュラーバッファに書き込み、それらのアドレスに対してポインタを増加させる。これらの動作は5 あるいは6 のクロック周期だけを必要とする。次にサーキュラーバッファに残っているいずれのデータも処理するために、制御はデータ獲得タスク 402へ戻る。これは、プリセットの事象の最大限の数が処理されるまで、あるいはストップデータ獲得 407が起きるまで続く。いずれのケースでも、プログラムは終了データ獲得 408へ進み、その主な機能は、ASCコンパレータ割り込み 45 を割込み禁止にすること,FiPPIの割り込み 302を割込み禁止にすること,サーキュラーバッファに残っているいずれのデータの処理も終わらせること,ライブタイムカウンタ 121の値を記録することである。プログラムはその後CAMACモニタリングタスク 382へ戻るが、ここでは集められたデータはロードされないようにできる。
データ獲得タスク 402はまた、ASC 23 の出力がADC 48 への入力の範囲を越えるどんなときでもASC割り込み 410によって割り込まれることができ、以下に記述するように、固定ADC範囲外状態 412ルーチンのブランチへ押し込む。一度正しいASC動作が復活すると、プログラムはサーキュラーバッファのデータ処理へ戻る。
4.3.2.データ獲得タスクソフトウェア
図16は、データ獲得タスク 402の具体的実施例のフローチャートを示す。大部分については、本チャートは、制御コンピュータプログラミングの当事者にとって自明であろう。一般的な解説の他では、我々の議論は、本発明のスペクトロメータの機能について特有である各ステップに集中する。そのプログラムは、本質的には、試験NEVENTS=MAX? 463が真という理由から、あるいはRUNTASKSが試験RUN ENDED? 440で見つかるまで、サーキュラーバッファからのデータを処理するループである。一度ループの256 回すべてとADCの状態の独立の試験とが行われると、ベースラインの推定値はUPDATE BASELINE ESTIMATE(更新ベースライン推定値) 438に対して低速フィルタから集められ、これについてはさらに後で議論することにする。256 という数字は重要ではなく、変化する実験状態をたどることができるほどしばしば更新されるが、しかしデータ獲得タスク 402内で実質的な計算の負担とならないようにあまり更新されないように、ベースラインが選ばれている。
処理ループでは、一旦良好な事象からのデータがバッファ 452から読み込まれると、全事象数は、値PLOUT 119を使って 453で増加する。全カウント数は、正確な到来カウント・レート推定値を得るために、記録されたライブタイムで割る。PLOUT値の統計量も集めることができ、過剰な流量のような不正確な各実験状態に対して監視するように使われる。その後DSPは、ASC 23 からのひずみに対してやその他、獲得された低速フィルタの各値PKVAL 117とUKVAL 118から正確なX線エネルギ 455を計算するのに必要である計算と修正を行う。選択されたアルゴリズムは、本発明のスペクトロメータが接続された検出器−プリアンプの組み合わせに充当される。これは発明されたステップであり、さらに後で記述される。一度エネルギが見つかると、多チャンネル分析(MCA)ビン(bin) 458 を計算するためにそれは測定されて、そしてそのビンは、その分野の当業者にとって公知である各技術を使って、検出されたX線スペクトラムのヒストグラムを生成するために増加する。
4.4.スペクトロメータ制御と計算アルゴリズム
本発明のデジタルスペクトロメータシステムは、3つの接続された各モジュール、ASC 23 ,FiPPI25,DSP 27 を備えるので、今までにない新しいアルゴリズムで効率的にそれらを制御する必要がある。これらは次の各節で記述される。
4.4.1.ADCの範囲外状態の固定
本問題の本質は、入力カウント・レートの変動がASCアナログ小区分 23 の出力をもたらすことができ、その出力はADC 48 の入力電圧の範囲(例えば、図1EのLLからUKの範囲)外に一時的に落ちるためにプリアンプの入力とLFFの関数生成器 35 の間の増幅された差であるということである。これは図17(A)および17(B)によって図示される。図17(A)はもっとも一般的な場合を示し、ここで、一時的に高いレート(トレースB)あるいは低いレート( トレースC) は平均のレート( トレースA) に戻っている。X線の到着が本当にランダムなので、しかし各場合のいくつかの小さな部分は図17(B)で表れており、高( トレースD)あるいは低(トレースE)到着レートは、ADCの入力範囲LLからULを越えることができるほど十分に長く持続する。これは、FiPPI 25 のデータ・ストリームを無効にし、DSP 27 が正しい動作をするように要求する。ASCの出力信号がADCの入力範囲に戻るまで、各信号をLFF生成器 35 の各制御DAC 37 ,38を調節することによってそれが起こる。図17(C)および17(D)はDAC 37 が調整される2 つの例を示している。一般的に直面する変動のタイプは、プリアンプの各リセット、検出器における宇宙線の各事象,検出器へのX線の到着レートにおける統計的変動を含む。
図18に示されるアルゴリズムは、高速で効率的な方法でこれらの場面を扱うように設計されており、好適な実現では、一般に約2 μs以内で適切な動作に回復する。以下のいくつかの説明で、このアルゴリズムはコンピュータプログラミングの分野の当業者にとって明確になるであろう。この動作箱(action boxes)“Move Down1” 495と“MoveUp1” 504は、DAC 37 による調整を委ね、“単位”ステップは、図17(C)および17(D)に示されるように、ADC入力範囲を交差する半分の動作に必要なDACビットの数である。“リセット”箱 498は、プリアンプのリセットが検出されており、スイッチ 75 を使うことと、DAC37がその基準値に戻ることによってLFF生成器 35 もリセットされるように要求していることを意味する。箱“もしABC( フラグ) が1ならば、トラッカーを更新する” 511は、図17(B)で示されるように、範囲外の単純なドリフトが検出され、次のセクションで記述される傾きを追跡するアルゴリズムが実施されなければならないことを意味する。
4.4.2.推定値をセットするスロープDAC 38 の更新
スロープDAC 38 が正確に設定されたとき、平均して、範囲外への逸脱は、ハイとローの方向で均一に起こる傾向があるべきである。しかし、もし到来X線レートが変わるなら、そのときは、スロープDACは調整される必要があろう。したがって、プログラムが固定ADC範囲外状態 412ルーチンを呼び出すごとに、それが実際にはハイかローのどちらであるかを注意し、スロープDACの設定の調整が必要がある。
したがって、“トラッカーを更新する” 511が呼び出されるごとに、具体的な実施例においては、次式によって過去の範囲外の状態の指数関数的に減衰するメモリの持つ重みWは更新され、式によると
Figure 2007163516
ここでV i =+1に等しいときハイ、−1に等しいときロー範囲外である。その後W i が試験されて、もしそれが試験値V を越えるなら、それはゼロにされ、スロープ 38 は適切な方向の1 ビットによって調整される。その他の点では何もされず、そのプログラムは進む。移動平均のような他の式は、W i を計算するのに使うことができるが、式5は最小のメモリや計算だけが求められるときに有効である。
4.4.3.パルスの高さの振幅のエネルギの計算
4.4.3.1.周期的なリセットのプリアンプの場合
計算のいくつかは、システムのエラーを持ち出さないで、FiPPI 25 の出力値PKVAL 117をX線エネルギへ変換する必要があり、その主な理由は、図1Bにあるように、ASC 23 出力のX線ステップの直前直後の各領域は平らではなく、図1Eにあるように、傾いている。それは周期的なリセットのプリアンプのこの傾きに対する2つの寄与があるからである。第1 は、ASC 23 がLFF生成器 35 によって生成される傾きを減じるからであり、第2 は、検出器かプリアンプの第1 のFETかのいずれかからの漏れ電流のためである。
FiPPI 25 のこの傾いた信号に対する応答は図19(A)(PRプリアンプの場合に対して)に示される。振幅Aが所望されるにもかかわらず、FiPPIは値Hを生成し、それは端の上方と下方の2 つの各領域の間の差である。計算ではしたがって測定された値HからAを取り戻す必要がある。図19(A)はそれを示し、G S のギャップ時間とともに低速フィルタの長さL S に対して:
Figure 2007163516
ここで、V1とV2はフィルタ領域を越える平均電圧であり、S は生成した傾きS G と漏れ傾きS1の間の差である。したがって:
Figure 2007163516
我々はそれゆえ、第2の期間の正確な推定値を得ることを望む、そうしないとスペクトロメータのエネルギ分解能を下げる。L S とG S はパラメータであり、厳密に知られており、生成された傾きS g である。S1は測定されなければならず、A が0 に等しいとき、X線の各事象がフィルタ内のいずれの場所でも存在しているとき、式7によって長さを使ってなされる。いま、H が−(Sg −S1) (L s +Gs ) に等しく、三角パルスの間の“ベースライン”であるとする。多くの測定をすることによって、われわれは任意の精度で中間のベースラインの値B を推定することができる。
Figure 2007163516
ここで、PKVALB は、これより前で述べられているように、フラグBKCOL 315が1にセットされたときに、FiPPIから得られたPKVAL 117の値である。与えられたB で、われわれは次からX線エネルギを計算することができる。
Figure 2007163516
ここでG はシステムのゲインで、PKVALの通常の値、すなわちフラグBKCOL 315を0にセットした値である。
ベースラインBは、スペクトロメータの分解能に影響しないよう十分正確に決定されなければならない。式9 において、ガウス分布エラーであるとみなして、PKVALの各分散量σP ,σB とB を直角位相で足し算するので、σB はしたがってσP の1/10の次数であり、B はPKVALB のおおよそ100 の測定量の平均から決定される。
好適な実施例でのB の決定は、2 つのステップで進む。第1 は、スタートデータ獲得ルーチン 395のタスクNo.6で、PKVALB の100 の測定がなされ、そしてそれらの平均B と分散σB が計算される。これは正確なB のスタート値を供給する。第2 に、データ獲得タスク 402( 図16)で、UPDATE BASELINE ESTIMATE 438の手順における全256 ループのたびに、B は更新される。B の様々な移動平均をとる計算がされるとき、具体的な実施例では、
Figure 2007163516
は指数関数的に減衰する過去の履歴を実現するように作られている。ここでb i は、PKVALB +S B (LS +GS ) の現在の測定された値である。B の現在の値だけ蓄えられ、もし比が2 の累乗ならばシフト構造を使った固定点DSPでかなり速く実行することができるので効率的である。実験は、かなり速いB の変化でさえ、この技術によって正確に追跡できることを示す。もしB が非常に速く変化するのが予想されるのなら、NLOOP Modulo256=0TEST 428の値256をベースラインをさらに頻繁にサンプルすべく、減少させることができる。
4.4.3.2.連続した放電をするプリアンプの場合
CDプリアンプについは、図19(B)および20に示されているように、X線ステップの事象の両側の信号は、異なる平均の傾きで指数関数的に減衰している。この状態はそれゆえPRプリアンプよりもさらに複雑であり、式9に取って代わる修正されたアルゴリズムが必要である。しかし、スペクトロメータのハードウェアもFiPPIのファームウェアもどちらも変える必要はない。
図20はこの状態を示す。われわれは、振幅Aを所望するが、しかし、パルスの後の0.5(L S +GS ) で得られた移動平均<V2>とパルスの前の0.5(L S +GS ) で得られた<V1>との差である値H を得る。S1,S2は2 つの測定点での信号の傾きであり、V e はX線の事象の直前の時間t e におけるその値であり、V0は指数関数的に減衰する値である。われわれは、K=(LS +GS )/2 τによって一定値K を定義するが、ここでτはプリアンプの指数関数的な減衰時間である。
それゆえ指数関数的減衰は:t<t e に対して
Figure 2007163516
t>t e に対して
Figure 2007163516
そして
Figure 2007163516
われわれは次式によってHを近似することができる:
Figure 2007163516
傾きS1とS2は、同じ精度に対して:
Figure 2007163516
式13に代入して次式が与えられる。
Figure 2007163516
ここで、V e とV0はともに測定された変数ではない。われわれは、いずれの点においても瞬間的な電圧を測定することによってV e の推定値を得ることができる。数学的に簡単にするために、われわれは、時間(LS +GS )/2 において、点V2を選ぶ。ここで、
Figure 2007163516
式15に代入すると次式が得られる。:
Figure 2007163516
ここでH とV2は測定された量で、V0は一般に一定である。A はちょうど式9 のようにしてX線エネルギを得るシステムのゲインG によって測定できる。2KV0の推定値は、X線が存在しないときA の値を測定することによって得られる。2KV0は、式9 でベースラインB がするように式18でA の値を計算する厳密に同じ役割をし、同じアルゴリズムは正確にその値を推定するのに使うことができる。検出器の漏れ電流から生じるあらゆる線形の傾きの項はまたこの項に分類される。
CDプリアンプの校正を実現すること、したがってDSP 27 の符号を実現することは、式9 は次式によって置き換えられて:
Figure 2007163516
<V0>の計算に使われるV0の個別の各値は次式からわかる。
Figure 2007163516
4.4.3.3.一つおきの連続した放電をするプリアンプの場合
ノイズ解析によって、式19は、K の値が小さくはない(例えば、フィルタの時間がプリアンプの減衰時間に達する)とき、過剰なノイズの被害を被ることが分かる。この理由は、フィルタ長が減少するにつれPKVALにおけるノイズが減少するからであるのと、フィルタにかけていない項UFVALの重みK が増加するからである。50μsという一般的なプリアンプの減衰時間において、20μsでノイズはだいたい90%増加するのに対して、4μsのフィルタリングにおける分解能は、数パーセントだけ減少する。
議論は、そして、式18を使ってV2の申し分なくより正確な値を得ることである。<V2>はわれわれが作ることができるもっとも正確な測定量V2であることを認識し、H はちょうど<V2>−<V1>であることに注目することによって、われわれは、H について式12から式13へ、S2とS1を置き換えることによって交互の補正を引き出すことができる。H=<V2>−<V1>であることに注意すると:
Figure 2007163516
<V2>及び<V1>の双方を、平均のフィルタを通した平均値<V2>と<V1>によって置き換え、再び整理して次式が得られる。
Figure 2007163516
これは式18の置き換えであり、ここで、いま全項は可能な限り統計的に正確である。
式21Aと式21Bにおける概略とトレースによって示されるように、式22を満たすには修正されたFiPPIの低速フィルタの設計が必要であり、図7Aと図7Bと比較されるべきである。本回路は移動平均V2を生成し、その後V1を生成するためにFIFOを使うが、それは適切に減衰した信号とちょうど同じである。4 ビットでのデシメーションは一般に興味のある長い整形時間に必要とされているので、入力信号CS[13:0] 527はいま14ビット幅である。FIFO 5 28 の長さは、L s であるパラメータPA[13:0] 152によって設定される。D 532は、X線パルスがADCの入力範囲の1/8 を越えないという推定のもとに12ビットだけ持つ。その他の点では、Dと、続いている各ステージにおけるビットの数は増加するかもしれない。V2とV1の間の遅れはL s +Gs に等しく、FIFO 537へのパラメータPB[4:0] 162によって設定される。V2とV1は、V2[16:0] 535の出力はPKVAL 117として、V1[16:0] 538の出力はPKVAL 118として、上で記述されたように正確に重ね合せ検査器 108の動作によって出力バッファ100 で得られる。
FiPPIは、好適な具体例ではフィールド・ プログラマブル・ ゲート・アレイ(FPGA)において実現されるので、式18と式22のうちから選ぶことは、物理的にスペクトロメータを変えるのではなく、FPGAのダウロードされたファイルとDSPのソフトウェアを変えるだけである。
式18と式22は、減衰する各指数曲線と独立に提案されたデジタルの実施例の内容に単に基づいて導き出されたので、それらはまたアナログ方式で実施されることができる。したがってCDプリアンプを三角波整形とベースライン補正をするアナログ分光アンプをDC接続し、式18のH としてアンプの出力を、V2としてアンプの入力の遅れ時間の複製を使うことによって、そして指数関数形減衰をする信号に起因する瞬時のベースラインシフトに校正される信号が生成され、AC接続されたシステムで要求であるゼロ極補償の必要を取り除く。
式22はまた、図22で大まかに示されているように、アナログ回路を使うことで実現されることができる。本回路は、アナログエレクトロニクスの従来技術の当業者にとっては明確であるだろうが、図21A に示されるデジタル回路の直接アナログ変換を備え、V2とV2の合計を実現するオペアンプ合計回路(op-amp summing circuit) 522と接続される。V0の校正は、従来技術の当業者にとっては公知であるように、ベースライン復元回路を回路の出力に付加することによって実際には提供される。本回路は、特にアナログ遅延回路が簡単に実現される時間期間内で、各方法の存在を越えて高入力レートと短い波形整正時間が所望されたとき、実質的な有利な点を提供する。
5.結論
結論では、本発明は、検出器−プリアンプのシステムからのパルスの各信号を処理し、検出器に影響を与える放射線の完全なエネルギ分析を提供する、物理的にコンパクトで、低価格で、高速な方法と機器をもたらす。プログラムされたプロセッサがその事象のレートにおいてより精練された分析を実行するのに使われている間、組み合せ論理は、限定されてはいるがサンプリング・レートにおいて十分な量の処理を実行するのに使われる。本作業部分は発明が高パフォーマンスで低価格を達成するようにする。
上記が本発明の具体的な実施例の完全な記述であるにもかかわらず、各種の変形例、別の構成、等価物が使われ得る。第1 の例としては、具体的な実施例では、必要とするADCのビット数を減らすために、信号処理フロントエンド(signal conditoning front end)を使っているにもかかわらず、本発明の他の動作は本装置に従属ではない。もし、より安く、より速いより多くのビットを持つ各ADCが利用できるならば、この部分は取り除かれるかもしれない。さらに、本発明に必要な様々な計算を実行するために単一のデジタル信号処理装置を使うのに効果的なコストであるにもかかわらず、これらの計算は多重マイクロプロセッサ間で分配され、具体的な各機器に(例えばより高い総合カウント・レート能力が必要なとき)おいてはこれはより効果的になるかもしれない。したがって、上の記述は、付属の各請求項によって定義された本発明の範囲を制限するものとして受けとめられるべきではない。
本発明にパルスを供給する典型的な検出器−プリアンプの回路の概略である。 本検出器で単一X線の吸収の結果として生ずる典型的な検出器−プリアンプの出力信号の図である。 多重のX線のコースに亘る連続的な放電検出器−プリアンプからの典型的な出力を示す。 多重のX線のコースに亘る周期的なリセット検出器−プリアンプからの典型的な出力を示す。 ASCが信号のリセット−ランプ部分を取り除いた後の3つの共通X線パルス到着パターンを示す。 本発明のおもな部分と他の装置との本発明の接続を示すブロック図である。 アナログ信号調整(ASC)と図2のAD変換のハードウェア部のブロック図である。 図3のそれぞれのブロックの典型的な実施例の回路の概略である。 図2のハードワイヤードデジタル信号プロセッサのハードウェアブロックのブロック図である。 図5のデシメータハードウェアブロックの典型的な実施例の回路の概略である。 図6Aの回路の働きを図解したタイミングダイヤグラムである。 図5の低速フィルタハードウェアブロックの典型的な実施例の回路の概略である。 図7Aの回路の働きを図解したタイミングダイヤグラムである。 図6AのFIFO10ハードウェアブロックの典型的な実施例の回路の概略である。 図8Aの回路の働きを図解したタイミングダイヤグラムである。 図5の高速と低速のフィルタによって出力される対応したパルス間の関係を表示し、図5のピーク検出器と重ね合せ検査器ブロックの機能を図解した一連のタイミングダイアグラムである。 図5のピーク検出器のハードウェアブロックの典型的な実施例の回路の概略である。 図10Aの回路の働きを図解したタイミングダイヤグラムである。 図5の重ね合せ検査器のハードウェアブロックの典型的な実施例の回路の概略である。 図11Aの回路の働きを図解したタイミングダイヤグラムである。 図5の入力カウント・レート(ICR)カウンタのハードウェアブロックの典型的な実施例の回路の概略である。 図12Aの回路の働きを図解したタイミングダイヤグラムである。 図5のライブタイムカウンタの典型的な実施例の回路の概略である。 半分の高さの速いピーク幅を計る重ね合せ検査器の典型的な実施例の回路の概略である。 図14Aの回路の働きを図解したタイミングダイヤグラムである。 DSP制御プログラムの主な特徴を示したフローダイアグラムである。 DSP制御プログラムのデータ取得タスクの特徴のフローダイアグラムである。 X線の到着レートにおける時間変動の影響を示すASCの発明の具体的な実施例の出力のオシロスコープの結果である。 ASCの入力範囲内でASCの出力を保つのに使われる制御手順のブロック図である。 プリアンプの2つのタイプのパルス高補正期間の必要を示している略図である。 連続放電型プリアンプのためのパルス高補正期間を導き出すのに使われる期間を定義する略図である。 図4の低速フィルタのハードウェアブロックの別の実施例の回路の概略である。 図21Aの回路の働きを図解したタイミングダイヤグラムである。 アナログフィルタリングを使った別の低速フィルタの実施例を示す。
符号の説明
10 半導体検出ダイオード
12 電圧供給源
13 充電積分プリアンプ
15 フィードバックキャパシタ
17 フィードバック要素
22 デジタルスペクトロメータ
23 アナログ信号調整(ASC)およびアナログデジタル変換器(ADC)のブロック
25 ハードワイヤードデジタルフィルタおよびピーク検出器および重ね合せ検査器(FiPPI)のブロック

Claims (23)

  1. ステップ状パルスを含む電気信号を分析する高速でデジタルベースの方法で、平均レートRで到着し、前記ステップ状パルスの少なくともいくつかの各振幅を推定し、
    アナログデジタル変換器(ADC)で前記電気信号をデジタル化し、Rより大きいサンプリング周波数Sで動作し、前記電気信号のデジタル化された入力信号として称されるデジタル表現を生成するステップと、表現と、
    FiPPIとして称され、周波数Sあるいはその倍数のクロックで動作するデジタル組合せ論理を提供するステップと、
    前記FiPPIに組み合わされるプログラマブル・デジタル計算素子(DSP)を提供するステップと、
    前記FiPPIを使って、デジタル整形フィルタを前記デジタル化された入力信号に適用するステップと、
    前記FiPPIを使って、前記デジタル化された入力信号における前記パルス信号の存在を検出するステップと、
    前記FiPPIを使って、前記デジタルフィルタの出力から前記パルス信号の各振幅の各推定値を引き出すステップと、
    前記FiPPIから前記DSPへ前記推定値を転送するステップと、
    前記DSPを使って、前記デジタルフィルタを理想的ではない各ステップの各波形に適用した結果生じる各エラーに対して前記推定値を補償するステップとを備える方法。
  2. 請求項1の方法であって、前記DSPを使って実行され、前記推定値を箱に詰めることで、そのように補償され、前記検出されたパルスの前記振幅の分光表現を作るステップをさらに備える方法。
  3. 請求項1の方法であって、前記DSPを使うことによって実行され、電気信号のソースと前記ADCの前記入力の間での前記電気信号の取り扱いのための前記パルス振幅推定値を補正するステップをさらに備える方法。
  4. 請求項3の方法であって、前記デジタル化ステップの前に実行され、前記入力信号のダイナミックレンジを減らすようにパラメータのセットに従って前記電気信号を調整するステップをさらに有する方法。
  5. 請求項4の方法であって、
    各パラメータの前記セットを前記DSPに伝えるステップと、
    前記補正ステップにおいて前記セットの前記パラメータの値を使用するステップとをさらに備える方法。
  6. 請求項4の方法であって、
    前記入力信号が前記ADCの前記入力範囲を越えるかどうかを検出するステップを備え、もしそうならば、
    偽の可能性のあるフィルタを通された振幅の推定値を得ることを避けるように前記DSPに信号を送るステップと、
    前記入力信号が前記ADC入力範囲へ戻るように前記パラメータのセットを調節するように前記DSPに信号を送るステップのうち少なくとも1つを実行する方法。
  7. 請求項1の方法であって、前記電気信号は高ダイナミックレンジを持つパラメータ的に表現できる(PD)部分と、さらに極端に狭いダイナミックレンジを持つsignal-of-interest(SOI)部分からなり、前記調整ステップは、
    各パラメータの前記セットの各値によって前記PD部分の複製を生成するステップと、
    差信号を形成するために前記電気信号から前記複製を引き算するステップとを備え、任意的に、
    前記差信号の振幅を調整するためにゲインステージを使うステップ、あるいは、
    前記ADCのナイキスト周波数以上の前記差信号の各周波数成分を取り除くフィルタを使うステップを備えるか、あるいは、
    両ステップとも行う方法。
  8. 時定数τによって記述される指数関数的減衰を持つステップ状の各パルスを含むノイズのある入力信号にひとつあるいはそれ以上のパラメータのセットによって記述される整形フィルタを適用して、そららの間で該パルスの近辺で指数関数的減衰をする各成分の傾きの値に実質的に独立である前記パルスの各ステップ振幅の推定値を引き出す方法であって、
    フィルタされた信号を生成するために、前記整形フィルタを前記入力信号に適用するステップと、
    整形フィルタの各パラメータのセットの各値とτに依存する第1の定数によって前記フィルタされた信号を重み付けすることによって第1の重み付き信号を生成するステップと、
    整形フィルタの各パラメータのセットの値とτに依存する第2の定数によって前記入力信号を重み付けすることによって第2の重み付き信号を生成するステップと、
    該第1と第2の重み付き各関数を結合させることによって補償された信号、すなわち、前記ステップ状パルスの近辺で指数関数的に減衰する成分の傾きを補償するフィルタされた信号を表わす補償された信号を形成するステップを備える方法。
  9. 請求項8の方法であって、前記第1と第2の定数が、
    具体的な整形フィルタに対して前記ステップ状パルスの振幅と該ステップ状パルスの近辺の指数関数的に減衰する成分の傾きの値の項で数学的に前記フィルタ出力振幅を表現するステップと、
    前記入力信号振幅の項における前記傾き表現するために、指数関数的減衰の傾きとその瞬間的な振幅の間の比例を使うステップと、
    前記フィルタ出力振幅と前記入力信号振幅の項における前記パルスステップ振幅についての前記表現を解くステップとによってを確定される方法。
  10. 請求項8の方法であって、第2の重み付き信号を生成する前記ステップの前に実行され、前記入力信号に別のフィルタを適用して前記第2の重み付き信号が前記別のフィルタの効果を含むようにするステップを更に備える方法。
  11. 請求項8の方法であって、第1及び第2の重み付き関数を生成する前記各ステップの前に、前記入力と該フィルタされた各信号の離散的な測定値がステップ状パルス振幅の推定値を生成するのに、
    第1の時間間隔で前記ステップ状パルスの発生から分離され前記るフィルタを通された信号を瞬時に獲得するステップと、
    第2の時間間隔で前記ステップ状のパルスの発生から分離される前記入力信号を瞬時に獲得するステップと、
    前記第1及び第2重み付け各定数の値の確定における前記第1及び第2の時間間隔の値を有するステップと、
    前記フィルタを通された信号及び入力を該方法の後に続くすべてのステップで同一の前記獲得された値で置き換えるステップとの付加ステップによって使用される方法。
  12. 時定数τによって記述される指数関数的減衰をする各ステップ状パルスを含むノイズのある入力電気信号を、それらの間で前記パルスの近辺における前記指数関数的減衰をする成分の傾きの値に対して実質的に独立である前記パルスのステップ振幅の推定値を引き出す分析をする方法であって、
    一つあるいはそれ以上の各パラメータのセットによって記述されるフィルタを、前記入力信号にそのノイズ成分を減らすために適用するステップ、
    第1の定数によって前記フィルタを通された信号を重み付けることによって第1の重み付けされた信号を生成するステップと、
    第2の定数によって前記フィルタを通された信号の時間遅延されたヴァージョンを重み付けることによって第2の重み付き信号を生成するステップで、前記第1及び第2の各定数は、フィルタのパラメータのセットの前記値と、τと、前記時間遅延の値Δに依存するステップと、
    ステップ状の各パルスそれぞれに対する最大値を持つ出力信号を形成するために前記第1と第2の重み付け各信号を結合するステップで、前記最大値は前記パルスの振幅に比例し、前記パルスの近辺の指数関数的減衰をする成分の前記傾きの値に対して実質的に独立であるステップとを備える方法。
  13. 請求項12の方法であって、前記第1及び第2の各定数は具体的なフィルタに対して
    前記ステップ状パルス振幅の値と、前記ステップ状パルスの近辺で指数関数的減衰をする成分の減衰定数τ、時間遅延Δ、傾きのフィルタのパラメータの前記セットの値での前記フィルタされた信号そのものの値から時間遅延された該フィルタに通した信号の値を単純に減算した結果との間の差を数学的に表現するステップと、
    指数関数的減衰の前記傾きはその振幅に直接比例するという原理を前記フィルタを通された信号値での前記傾きを表現することに適用するステップと、
    前記フィルタの出力の振幅と前記時間遅延されたフィルタの出力の振幅での前記パルスステップ振幅に対する前記表現を解くステップとによって確定される方式。
  14. 平均入力レートRで到着するステップ状のパルスを含む電気信号のデジタル表現を分析して、前記ステップ状パルスの少なくともいくらかの振幅の推定値を提供し、前記表現はRより大きいサンプリング周波数Sで動作するアナログ−デジタル変換器(ADC) で前記電気信号をデジタル化することによって生成され、前記表現は前記デジタル化された入力信号と称され、前記回路は周波数Sあるいはその倍数でクロックされるデジタル組合せ論理回路であって、
    デジタル化された入力信号を受け取り、フィルタされた前記信号と称される出力信号を提供するデジタル整形フィルタと、
    前記デジタル化された入力信号を受け取り、前記デジタル化された入力信号のパルスの検出を表わす出力信号を提供するパルス検出器と、
    前記デジタル整形フィルタに接続され、トリガー信号に応じて該フィルタされた信号の値を獲得するように動作する出力バッファと、
    前記パルス検出器と前記出力バッファに接続され、パルスの検出に応じてトリガー信号を提供し、該トリガー信号が前記出力信号に対して、前記デジタル整形フィルタの少なくとも一つの特徴に依存する量だけ前記パルス検出器から遅延されるタイミング回路を備える前記回路。
  15. 請求項14の回路であって、ステップ状パルスを含む前記電気信号は入力が光子あるいは粒子検出器であるプリアンプから入力され、前記ステップ状パルスの前記振幅は前記検出器に吸収される前記光子あるいは粒子のエネルギを表現する回路。
  16. 請求項14の回路であって、
    第1の該整形フィルタと称される前記デジタル整形フィルタは、少なくともひとつの時定数τS で特徴付けられ、前記パルス検出器は、τS より十分に小さい少なくともひとつの時定数τf を特徴とする第2のデジタル整形フィルタを備える回路。
  17. 請求項14の回路であって、前記出力バッファがFIFOメモリを有する回路。
  18. 請求項14の回路であって、前記パルス検出器が、
    付加されたフィルタされた信号を生成する付加された整形フィルタと、
    付加された該整形フィルタに接続されたピーク検出器を備える回路。
  19. 請求項14の回路であって、
    前記パルス検出器と前記タイミング回路の間に接続され、前記パルス検出器からの信号の出力の連続する組の間の間隔を測定し、前記デジタル整形フィルタが関係するパルスの振幅の有効な推定値を生成できるようにするのに不十分なとき前記タイミング回路が前記トリガー信号を生成しないようにする“低速の”重ね合せ検査器をさらに備える回路。
  20. 請求項14の回路であって、前記パルス検出器と前記タイミング回路の間に接続され、前記パルス検出器の出力信号から到着したパルスの組が前記パルス検出器によって分離されたパルスとして分解できないほど接近しているかを確定し、前記タイミング回路が前記トリガー信号を生成しないようにする“高速の”重ね合せ検査器をさらに備える回路。
  21. 請求項20の回路であって、
    前記パルス検出器が、付加されたフィルタを通した信号を生成する高速デジタルフィルタと、付加されたフィルタを通した信号を受け取るピーク検出器を備え、そして
    前記高速重ね合せ検査器が、検出されたピークがプリセットされたしきい値以下に降下するまでクロック周期の数をカウントし、カウントしたクロック周期の数がプリセットされた値を越えるいずれの検出されたピークについても“重ね合せ”としてラベル付けをし、前記プリセットされた値は、高速デジタルフィルタの各パラメータと入力信号のリセットタイムの両方に基づく前もって決定された調節可能なパラメータである回路。
  22. 請求項20の回路であって、
    前記パルス検出器が、付加されたフィルタされた信号を生成する高速デジタルフィルタと、該付加されたフィルタされた信号をを受け取るピーク検出器を備え、
    前記高速重ね合せ検出器は、
    前記付加されたフィルタされた信号の遅延された複製を生成するデジタル遅延要素と、
    最大振幅の固定した部分を取り、検出された各ピークの最大振幅を獲得する手段と、
    前記検出されたピークの遅延された複製がそれ自身の最大振幅の前記固定した部分を越えるクロック周期の数をカウントする手段と、
    カウントされたクロック周期の数が、高速デジタルフィルタの、パラメータと入力信号の立ち上がり時間の両方に基づく所定の調節可能なプリセットされた値を越えるどんなピークも“重ね合せ”としてラベル付ける手段を有する回路。
  23. 請求項14の回路であって、前記出力バッファは外部素子に接続され、
    該外部素子が前記出力バッファによって獲得された振幅の各推定値を受け入れることが可能なときのクロック周期をカウントすることによってシステムの“ライブタイム”を測定するカウンターを更に備える回路。
JP2007062409A 1995-08-14 2007-03-12 デジタルベースの高速x線スペクトロメータについての方法と装置 Pending JP2007163516A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US226695P 1995-08-14 1995-08-14
US08/695,062 US5774522A (en) 1995-08-14 1996-08-02 Method and apparatus for digitally based high speed x-ray spectrometer for direct coupled use with continuous discharge preamplifiers
US08/695,063 US5684850A (en) 1995-08-14 1996-08-02 Method and apparatus for digitally based high speed x-ray spectrometer
US08/702,327 US5870051A (en) 1995-08-14 1996-08-02 Method and apparatus for analog signal conditioner for high speed, digital x-ray spectrometer
US08/730,916 US5873054A (en) 1995-08-14 1996-08-02 Method and apparatus for combinatorial logic signal processor in a digitally based high speed x-ray spectrometer

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50940597A Division JP4083802B2 (ja) 1995-08-14 1996-08-09 デジタルベースの高速x線スペクトロメータについての方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007163516A true JP2007163516A (ja) 2007-06-28
JP2007163516A5 JP2007163516A5 (ja) 2007-08-09

Family

ID=27532952

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50940597A Expired - Lifetime JP4083802B2 (ja) 1995-08-14 1996-08-09 デジタルベースの高速x線スペクトロメータについての方法
JP2007062409A Pending JP2007163516A (ja) 1995-08-14 2007-03-12 デジタルベースの高速x線スペクトロメータについての方法と装置

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50940597A Expired - Lifetime JP4083802B2 (ja) 1995-08-14 1996-08-09 デジタルベースの高速x線スペクトロメータについての方法

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP0880821B1 (ja)
JP (2) JP4083802B2 (ja)
DE (1) DE69631165T2 (ja)
WO (1) WO1997007591A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501954A (ja) * 2004-06-04 2008-01-24 ウィリアム ケイ ウォーバートン X線及び核分光システムにおける検出限界を向上するための方法及び装置
WO2012144635A1 (ja) * 2011-04-21 2012-10-26 株式会社東芝 信号処理システム及び方法
JP2013518284A (ja) * 2010-01-28 2013-05-20 アイ.エス.エス (ユーエスエー)、インコーポレイテッド デジタル並列周波数蛍光測定のためのシステムおよび方法
JP2014041143A (ja) * 2011-11-15 2014-03-06 Fuji Electric Co Ltd パルス処理装置および放射線分析装置
WO2015186650A1 (ja) * 2014-06-03 2015-12-10 株式会社日立製作所 高計数率用パルス型放射線検出器
JP2018194344A (ja) * 2017-05-15 2018-12-06 アンリツ株式会社 信号分析装置及び信号分析方法

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3304801B2 (ja) * 1997-02-05 2002-07-22 日本電子株式会社 Ad変換回路
US6587814B1 (en) 1999-08-27 2003-07-01 William K. Warburton Method and apparatus for improving resolution in spectrometers processing output steps from non-ideal signal sources
US6609075B1 (en) * 2001-06-04 2003-08-19 William K. Warburton Method and apparatus for baseline correction in x-ray and nuclear spectroscopy systems
US6732059B2 (en) * 2001-08-23 2004-05-04 William K. Warburton Ultra-low background gas-filled alpha counter
JP3980451B2 (ja) * 2002-08-30 2007-09-26 株式会社東芝 波形弁別装置
US7649175B2 (en) * 2004-01-13 2010-01-19 Koninklijke Philips Electronics N.V. Analog to digital conversion shift error correction
JP5022902B2 (ja) 2004-09-16 2012-09-12 サザン イノヴェーション インターナショナル プロプライアトリー リミテッド 検出器出力データ内の個別信号分離装置および方法
EP2092369B1 (en) 2006-12-13 2011-05-18 Koninklijke Philips Electronics N.V. Apparatus and method for counting x-ray photons
US8338791B2 (en) * 2007-06-19 2012-12-25 Koninklijke Philips Electronics N.V. Digital pulse processing for multi-spectral photon counting readout circuits
US8954300B2 (en) 2008-03-31 2015-02-10 Southern Innovation International Pty Ltd. Screening method and apparatus
WO2009121131A1 (en) 2008-03-31 2009-10-08 Southern Innovation International Pty Ltd Method and apparatus for borehole logging
EP2260295A4 (en) 2008-03-31 2015-12-23 Southern Innovation Internat Pty Ltd RADIATION IMAGING METHOD WITH SINGLE SIGNAL RESOLUTION
WO2010068996A1 (en) 2008-12-18 2010-06-24 Southern Innovation International Pty Ltd Method and apparatus for resolving piled-up pulses by using a mathematical transform
JP4880077B1 (ja) * 2011-02-16 2012-02-22 株式会社リガク X線検出信号処理装置および方法
US8374814B2 (en) 2011-02-16 2013-02-12 Rigaku Corporation X-ray detection signal processing apparatus and method therefor
EP2530490B1 (en) * 2011-06-03 2019-02-27 Toshiba Medical Systems Corporation Device for radiation detection, radiation detection system and radiation detection method
CN102353972B (zh) * 2011-07-01 2013-04-10 成都理工大学 多种模式的数字化多道谱仪
JP5823208B2 (ja) * 2011-08-19 2015-11-25 株式会社東芝 X線コンピュータ断層撮影装置
FR2984041B1 (fr) * 2011-12-13 2014-01-10 Commissariat Energie Atomique Numerisation asynchrone de signaux transitoires issus de detecteurs de rayonnement
JP6159144B2 (ja) * 2013-05-10 2017-07-05 株式会社堀場製作所 パルス波高検出装置、放射線検出装置、放射線分析装置、及びパルス波高検出方法
US11417509B2 (en) 2017-07-21 2022-08-16 Atonarp Inc. Current detection device and spectrometer using ihe same
US11646190B2 (en) 2017-07-21 2023-05-09 Atonarp Inc. Current detection device and spectrometer using the same
US10224192B2 (en) * 2017-07-21 2019-03-05 Atonarp Inc. High-speed low-noise ion current detection circuit and mass spectrometer using the same

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL7110516A (ja) * 1971-07-30 1973-02-01
US4658216A (en) * 1983-07-14 1987-04-14 The United States Of America As Represented By The Department Of Energy High resolution, high rate X-ray spectrometer
HU210832B (en) * 1986-05-07 1995-08-28 Mta Atommag Kutato Intezete Method for processing signals and adaptive implementation of said method for nuclear spectrometers
US5067090A (en) * 1989-05-01 1991-11-19 Schlumberger Technology Corporation Nuclear spectroscopy method and apparatus for digital pulse height analysis
US5304808A (en) * 1993-02-08 1994-04-19 The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy Method and apparatus for data sampling
US5349193A (en) * 1993-05-20 1994-09-20 Princeton Gamma Tech, Inc. Highly sensitive nuclear spectrometer apparatus and method

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501954A (ja) * 2004-06-04 2008-01-24 ウィリアム ケイ ウォーバートン X線及び核分光システムにおける検出限界を向上するための方法及び装置
JP2013518284A (ja) * 2010-01-28 2013-05-20 アイ.エス.エス (ユーエスエー)、インコーポレイテッド デジタル並列周波数蛍光測定のためのシステムおよび方法
JP2015143719A (ja) * 2010-01-28 2015-08-06 アイ.エス.エス (ユーエスエー)、インコーポレイテッド デジタル並列周波数蛍光測定のためのシステムおよび方法
WO2012144635A1 (ja) * 2011-04-21 2012-10-26 株式会社東芝 信号処理システム及び方法
JP2012225926A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Toshiba Corp 信号処理システム及び方法
US8446308B2 (en) 2011-04-21 2013-05-21 Kabushiki Kaisha Toshiba Apparatus for detection of a leading edge of a photo sensor output signal
JP2014041143A (ja) * 2011-11-15 2014-03-06 Fuji Electric Co Ltd パルス処理装置および放射線分析装置
WO2015186650A1 (ja) * 2014-06-03 2015-12-10 株式会社日立製作所 高計数率用パルス型放射線検出器
JP2015227854A (ja) * 2014-06-03 2015-12-17 株式会社日立製作所 高計数率用パルス型放射線検出器
JP2018194344A (ja) * 2017-05-15 2018-12-06 アンリツ株式会社 信号分析装置及び信号分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE69631165T2 (de) 2004-09-02
WO1997007591A1 (en) 1997-02-27
EP0880821B1 (en) 2003-12-17
JP4083802B2 (ja) 2008-04-30
DE69631165D1 (de) 2004-01-29
JPH11510900A (ja) 1999-09-21
EP0880821A4 (en) 2000-03-01
EP0880821A1 (en) 1998-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4083802B2 (ja) デジタルベースの高速x線スペクトロメータについての方法
US5684850A (en) Method and apparatus for digitally based high speed x-ray spectrometer
US5774522A (en) Method and apparatus for digitally based high speed x-ray spectrometer for direct coupled use with continuous discharge preamplifiers
US5873054A (en) Method and apparatus for combinatorial logic signal processor in a digitally based high speed x-ray spectrometer
US6609075B1 (en) Method and apparatus for baseline correction in x-ray and nuclear spectroscopy systems
US5393982A (en) Highly sensitive nuclear spectrometer apparatus and method
US9806552B2 (en) Analog/digital converter with charge rebalanced integrator
US7411198B1 (en) Integrator circuitry for single channel radiation detector
US7521682B1 (en) Processing circuitry for single channel radiation detector
JP2008501954A (ja) X線及び核分光システムにおける検出限界を向上するための方法及び装置
Warburton et al. Digital pulse processing: new possibilities in nuclear spectroscopy
JP2011511927A (ja) デジタルパルスプロセッサの傾き補正
Arnold et al. TNT digital pulse processor
Jordanov et al. Digital pulse processor using moving average technique
WO2009020866A1 (en) Adapting a high-performance pulse processor to an existing spectrometry system
Hammad et al. Pile-up correction algorithm for high count rate gamma ray spectroscopy
Drndarevic et al. Digital signal processing for high rate gamma-ray spectroscopy
HU210832B (en) Method for processing signals and adaptive implementation of said method for nuclear spectrometers
Chrien et al. Noise and pileup suppression by digital signal processing
Murray et al. A low power, high count rate radiation detection chip using a current subtraction technique
Lauer Digital signal processing for segmented HPGe detectors: preprocessing algorithms and pulse shape analysis
Simões et al. A new digital signal processing technique for applications in nuclear spectroscopy
Bogovac et al. Digital pulse processor for ion beam microprobe imaging
Boorboor et al. Development of a novel approach for precise pulse height extraction using Lagrange interpolation
JP3103047B2 (ja) 核分光システムにおけるパルス波形調整及び弁別方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070406

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070710

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071009

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080110

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080729