JP2007162477A - シリンダヘッドカバー - Google Patents

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Abstract

【課題】可動部分にオイルを供給する構成を備えたエンジンの組付工数を低減することができ、しかも、エンジンの小型化を図ることができるシリンダヘッドカバーを提供する。
【解決手段】合成樹脂製のシリンダヘッドカバー11の周壁11a及び天井壁11c内面に同じく合成樹脂製のオイル通路形成部材14を振動溶着させることにより、周壁11a及び天井壁11cをその一部とするオイル供給通路13が形成されている。また、シリンダヘッドカバー11にはオイルミストセパレータ12が一体形成され、その分離室19において分離回収されたオイルはオイル排出口25を介してオイル供給通路13に排出されるようになっている。オイル排出口25には、オイルミストセパレータ12からオイル供給通路13へのオイルの排出を許容するとともにオイル供給通路13からオイルミストセパレータ12へのオイルの流入を止める逆止弁29が設けられている。
【選択図】図1

Description

この発明は、エンジンのシリンダヘッドカバーに関するものである。
従来、エンジンにおけるシリンダヘッドカバーの内側には、例えばカムとカムローラとの摺動部にオイルを供給するための潤滑装置が設けられている。この種の技術としては、例えば特許文献1に記載された潤滑装置がある。この潤滑装置においては、シリンダヘッドカバーの内側の空間内に同シリンダヘッドカバーとは別体の金属パイプからなるオイルデリバリパイプが配置され、このオイルデリバリパイプを介してバルブ駆動系の各摺動部にオイルが分配供給されるようになっている。
特開2005−248798号公報(第7頁、第5,6図)
ところで、上記特許文献1に記載されたオイルデリバリパイプは、シリンダブロックに組み付けられるようになっている。このため、エンジンの組付工数が多くなっていた。
また、シリンダヘッドカバー内の空間に別体のオイルデリバリパイプが配置されているため、シリンダヘッドカバーの容積を大きくしなければならなかった。この結果、シリンダヘッドカバーひいてはエンジンが大型化したり、重量が重くなったりする問題もあった。
この発明の目的は、エンジンの組付工数を低減することができ、しかも、エンジンの小型化及び軽量化を図ることができるシリンダヘッドカバーを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンの可動部分にオイルを供給するためのオイル供給通路を壁部に設け、同壁部が同オイル供給通路の少なくとも一部を形成したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加えて、エンジンのクランク室側からブローバイガスを導入する分離室内においてブローバイガスからオイルを分離回収するようにしたオイルミストセパレータを前記壁部と一体形成し、この分離室において分離回収されたオイルが同壁部に形成されたオイル排出口を介して前記オイル供給通路に排出されるように構成したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明に加えて、前記分離室から前記オイル供給通路へのオイルの排出を許容するとともに同オイル供給通路から同分離室へのオイルの流入を止める逆止弁を前記オイル排出口に設けたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明に加えて、前記逆止弁は、前記分離室と前記オイル供給通路とを連通可能な弁室と、この弁室内に配置されるとともに同オイル供給通路におけるオイル圧の高低に応じて変位する弁体とを備えていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記逆止弁は、その開弁状態において弁室内面又はオイル供給通路内面に対し前記弁体を離間状態に保持する保持手段を備えていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、
前記分離室と前記逆止弁との間に、同分離室において分離回収されたオイルを貯溜するオイル貯溜部を設けたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記オイルミストセパレータは、前記ブローバイガスが接線方向に向かうように導入される円錐形状の分離室を備え、この分離室内でブローバイガスを旋回させることによりオイルを遠心分離することを特徴とする。
この発明においては、エンジンの可動部分にオイルを供給するためのオイル供給通路がシリンダヘッドカバーの壁部に設けられ、オイル供給通路の少なくとも一部が同壁部によって形成される。このため、従来とは異なり、シリンダヘッドカバーとは別体のオイルデリバリパイプをエンジンに組みつける必要がない。従って、エンジンの組付工数を低減することができる。また、シリンダヘッドカバー内の容積を小さくすることができ、結果として、シリンダヘッドカバーを小さくし、エンジンを小型化及び軽量化することができる。
また、エンジンのクランク室側からブローバイガスを導入する分離室内においてブローバイガスからオイルを分離回収するようにしたオイルミストセパレータを壁部と一体形成し、この分離室において分離回収されたオイルが同壁部に形成されたオイル排出口を介してオイル供給通路に排出されるように構成することが好ましい。この場合には、シリンダヘッドカバーの大型化を抑制しながらオイルミストセパレータをシリンダヘッドカバーに一体に設けることができる。
また、前記分離室から前記オイル供給通路へのオイルの排出を許容するとともに同オイル供給通路から同分離室へのオイルの流入を止める逆止弁を前記オイル排出口に設けることが好ましい。この場合、エンジンが運転停止状態から運転されたときに、オイルポンプによってオイル供給通路に供給されるオイル圧の上昇により逆止弁が開弁状態から閉弁状態に切り替わる。また、エンジンの運転状態においては、逆止弁が閉弁状態に保持される。このため、エンジンの運転状態において、オイルミストセパレータによりブローバイガスから分離回収されたオイルは、オイル供給通路に排出されることなくオイルミストセパレータ側に溜まる。さらに、エンジンが停止されると、オイル圧の低下により逆止弁が閉弁状態から開弁状態に切り替わり、オイルミストセパレータ側に貯められていたオイルが、オイル供給通路に排出される。従って、オイルミストセパレータを確実に動作させ、オイル供給通路から分離室へのオイルの流入を確実に防止することができるので、分離室から吸気通路側に排出されるブローバスガスによるオイルの持ち出しを防止し、オイル消費を低減することができる。
また、逆止弁は、その開弁状態において弁室内面又はオイル供給通路内面に対し前記弁体を離間状態に保持する保持手段を備えていることが好ましい。この場合、弁室内面又はオイル供給通路内面にスラッジが付着していても、開弁状態において弁体が弁室内面やオイル供給通路内面に密着することはなく、エンジンが運転されてオイル供給通路内のオイル圧が上昇すると、弁室内面又はオイル供給通路内面から弁体が容易に離れて閉弁状態に切り替わる。この結果、オイルミストセパレータの分離室とオイル供給通路との連通がより確実に遮断されるので、オイル供給通路からオイルミストセパレータ側へのオイルの流出がより確実に防止される。従って、エンジンの運転時において、オイル供給通路から吸気通路側にオイルが持ち出されることはなく、オイル消費が抑制される。
また、分離室と逆止弁との間に、同分離室において分離回収されたオイルを貯溜するオイル貯溜部を設けることが好ましい。この場合、エンジンが運転状態のときに分離室においてブローバイガスから分離回収されたオイルは、分離室からオイル貯溜部に逐次流入して貯溜される。そして、エンジンの運転が停止され、逆止弁が閉弁状態から開弁状態に切り替わると、オイル貯溜室からオイル供給通路にオイルが排出される。このため、エンジンの運転状態において分離室にオイルが溜まらないので、分離室の容積が確保され、長時間に亘って高い分離効率が維持される。
(第1実施形態)
次に、この発明を具体化した第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図2に示すように、シリンダ直列型エンジン10のシリンダヘッドカバー11は、合成樹脂としての例えばナイロン66によって一体形成されるとともに、その上面には、ブローバイガスからオイルを分離回収するためのオイルミストセパレータ12が一体的に設けられている。
図3及び図4に示すように、シリンダヘッドカバー11の内側には、その周壁内面に沿って延びるオイル供給通路13が形成されている。このオイル供給通路13は、シリンダヘッドカバー11と同じくナイロン66によって一体形成された断面略L字形状のオイル通路形成部材14を、シリンダヘッドカバー11の壁部を形成する天井壁11c及び周壁11a内面に対して振動溶着することによって形成されている。このオイル通路形成部材14は、全体が平面「コ」字形状とされている。さらに、オイル通路形成部材14は、シリンダヘッドカバー11の長手方向中間部において周壁11a、中央部内壁11b及び天井壁11cに振動溶着された4枚のリブ15によってもシリンダヘッドカバー11に固定されている。また、図3に示すように、オイル通路形成部材14には、図示しないオイルポンプから圧送されるオイルをオイル供給通路13に導入するためのオイル導入口16が形成されている。また、オイル通路形成部材14には、オイル導入口16からオイル供給通路13に導入されたオイルをシリンダヘッドカバー11内における図示しないカムとカムローラとの摺動部等に供給するための複数のオイル供給孔17が形成されている。
前記オイルミストセパレータ12は、図1(a)に示すように、シリンダヘッドカバー11の上面から突出するように一体形成されたハウジング18を備えるとともに、その内部には、略円錐形状とされるとともに上部に位置する円錐底部が開口された分離室19が形成されている。
分離室19の円錐底部開口は端板20によって塞がれるとともに、この端板20の中央の孔に嵌入された案内筒21は分離室19内に配置されている。案内筒21の内部はガス通路22とされている。案内筒21の外周面には、円板状の隔壁23が一体形成され、その外周面と分離室19の内周面との間には、円環状の隙間が形成されている。
分離室19は、ハウジング18の周壁上部に設けられたガス導入口24によりシリンダヘッドカバー11の内部空間に連通されている。なお、シリンダヘッドカバー11の内部空間は、エンジン10のシリンダブロック(図2に図示)10a内に設けられた図示しないブローバイガス通路を介してクランク室に連通されている。前記ガス導入口24は、分離室19の内周面に対して接線方向に向かうように開口されている。また、分離室19は、その下部において天井壁11cに設けられたオイル排出口25を介してシリンダヘッドカバー11の内側に連通可能とされている。
また、ハウジング18の外側における端板20の対応部位には、ナイロン66からなるとともに前記ガス通路22に連通されたガス流路26を形成する接続部材27が溶着によって取り付けられている。この接続部材27におけるガス流路26には、周知のPCV(Positive Crankcase Ventilation )バルブ28が装着されている。PCVバルブ28は、図示しないガス管を介して吸気マニホールドに連通されており、オイルミストセパレータ12から吸気マニホールド側へ排出されるブローバイガスの流量を調節する。すなわち、PCVバルブ28は、吸気マニホールド側圧力がクランク室側圧力よりも低くなるほどオイルミストセパレータ12から吸気マニホールド側に排出されるブローバイガスの流量をより少なくするようになっている。
また、図1(a),(b)に示すように、分離室19とオイル供給通路13との間には逆止弁29が設けられ、この逆止弁29は、分離室19からオイル供給通路13へのオイルの排出を許容するとともにオイル供給通路13から分離室19へのオイルの流入を止めるようになっている。逆止弁29においてシリンダヘッドカバー11に一体的に形成された弁胴部30は略短円柱形状とされて、その内側には円柱形状の弁室31が形成されている。また、弁胴部30には、弁室31とオイル供給通路13とを連通させる一対の切欠き部32aが形成され、この結果、分離室19とオイル供給通路13とが連通可能とされている。また、弁胴部30には、オイル供給通路13におけるオイルの流量を確保するための一対の切欠き部32bが形成されている。
また、弁室31とオイル排出口25との間には、円錐面からなる弁座34が形成されている。そして、弁室31内には、弁座34に接離してオイル排出口25を開閉可能な弁体35が収容されている。この弁体35は、オイル供給通路13におけるオイル圧の高低に応じて変位する。弁体35における円板形状の基板36の上面には、前記弁座34に対して接離可能な半球形状の当接部37が一体形成されている。当接部37の内部は中空とされ、弁体35の軽量化が図られている。また、基板36の下面には、基板36の軸線方向に突出する複数の脚部(保持手段)38が一体形成されている。各脚部38は先鋭状をなし、その先端は、オイル通路形成部材14の内面に対して線接触状態で当接可能とされている。そして、弁体35は、各脚部38により、オイル通路形成部材14の内面に対し離間状態で保持される。
上記逆止弁29は、オイル供給通路13内の油圧が低いときに、弁体35がその自重によって弁座34から離れて弁室31内の下方位置に配置されて開弁状態となる。このとき、弁体35の各脚部38の下端がオイル通路形成部材14の内面に当接してオイル供給通路13の内面に対する弁体35の密着を防止する。また、オイル供給通路13内の油圧が高いときに、その油圧による上向きの力により弁体35が弁室31内の上方位置に配置されて閉弁状態となる。このとき、弁体35の当接部37が弁座34に当接してオイル排出口25を塞ぐ。
次に、上記のように構成されたシリンダヘッドカバー11の作用について説明する。
エンジン10が停止状態から運転されると、オイルポンプによってオイルパンからオイルが汲み上げられ、このオイルは、オイルストレーナ及びオイルフィルタ(共に図示せず)を介してシリンダブロック内のオイル供給路(図示せず)に圧送される。オイル供給路は、エンジン10における各可動部分に対して分岐され、圧送されたオイルが各可動部分に分配供給される。また、オイル供給路により前記オイル供給通路13にもオイルが供給される。エンジン10の運転状態においてオイルポンプからオイル供給通路13に供給されたオイルは、オイル通路形成部材14の各オイル供給孔17から例えば図示しないカムとカムローラとの摺接部に供給される。オイル供給通路13にオイルが供給されると、オイル供給通路13内の油圧が上昇する。すると、その油圧による上向きの力が逆止弁29の弁体35に加わり、弁体35が開弁位置から閉弁位置に切り替わる。このとき、開弁位置において弁体35の各脚部38の先端がオイル通路形成部材14の内面に対して線接触状態で当接している。このため、オイル通路形成部材14の内面に粘性のあるスラッジが付着していても、弁体35は密着状態に保持されることなく確実に開弁位置から閉弁位置に切り替わる。
エンジン10の無負荷運転状態において吸気マニホールド圧力がクランク室圧力よりも低くなると、PCVバルブ28が閉弁状態から開弁状態に切り替わり、吸気マニホールド圧力がオイルミストセパレータ12の分離室19内に作用する。このため、クランク室のブローバイガスが、シリンダヘッドカバー11内の空間を介してガス導入口24から分離室19内に導入される。このとき、逆止弁29が閉弁状態となっているので、オイル供給通路13から分離室19にオイルが入り込むことはない。分離室19の内周面に対して接線方向に向かって開口するガス導入口24から分離室19に導入されたブローバイガスは、分離室19の内周面と案内筒21の外周面とによって形成された略円筒状の空間を旋回する。この、旋回による遠心力によってブローバイガスからオイルミストが遠心分離され、このオイルミストは分離室19の内周面、案内筒21の外周面及び隔壁23の表面に付着する。そして、分離室19の内周面等に付着したオイルの粒は、成長して大きくなるにつれて重力によって分離室19の内周面に沿って下方に移動し、分離室19の下部に溜まる。一方、オイルミストが遠心分離されたブローバイガスは、分離室19の内周面と隔壁23の外周面との間の通路を通って分離室19の下部側に移動した後、案内筒21の先端からガス通路22を通ってPCVバルブ28に導入され、さらに吸気マニホールドに吸入される。
また、エンジン10が無負荷運転状態から低負荷運転状態となり吸気マニホールド圧力とクランク室圧力とがほぼ等しくなると、ブローバイガスが分離室19内にほとんど導入されなくなる。このとき、オイル供給通路13内の油圧により逆止弁29が閉弁状態のままとなっており、オイル供給通路13から分離室19にオイルが入り込むことはない。
また、エンジン10の高負荷運転状態において吸気マニホールド圧力がクランク室圧力よりも高くなると、PCVバルブ28が開弁状態から閉弁状態に切り替わり、吸気マニホールド側から分離室19へのガスの流入が阻止される。このときも、オイル供給通路13内の油圧により逆止弁29が閉弁状態のままとなっているので、オイル供給通路13から分離室19にオイルが入り込むことはない。
また、エンジン10の運転が停止されるとオイルポンプからオイルが供給されなくなり、オイル供給通路13内の油圧が低下する。すると、弁体35がその自重によって閉弁位置から開弁位置に切り替わる。このため、オイル排出口25が開き、分離室19内のオイルがオイル供給通路13内に排出される。
そして、この実施形態においては、エンジン10のバルブ駆動系にオイルを供給するためのオイル供給通路13がシリンダヘッドカバー11の周壁11a及び天井壁11cに設けられている。このため、従来とは異なり、シリンダヘッドカバー11とは別体のオイルデリバリパイプをエンジン10に組みつける必要がなく、エンジン10の組付工数を低減することができる。しかも、シリンダヘッドカバー11とは別体の金属パイプからなるオイルデリバリパイプを収容する空間をシリンダヘッドカバー11の内側に設ける必要がないので、シリンダヘッドカバー11内の容積を小さくすることができる。このため、シリンダヘッドカバー11を小さくし、エンジン10を小型化及び軽量化することができる。
また、シリンダヘッドカバー11の天井壁11cにオイルミストセパレータ12を一体形成し、その分離室19においてブローバイガスから分離回収したオイルを天井壁11cに形成されたオイル排出口25を介してオイル供給通路13に排出するように構成した。さらに、オイル排出口25には、分離室19からオイル供給通路13へのオイルの排出を許容するとともにオイル供給通路13から分離室19へのオイルの流入を止める逆止弁29を設けた。このため、シリンダヘッドカバー11の大型化を抑制しながらオイルミストセパレータ12をシリンダヘッドカバー11に一体に設けることができる。そして、エンジン10が運転停止状態から運転されるとき、オイル供給通路13におけるオイル圧の上昇により、逆止弁29が開弁状態から閉弁状態に確実に切り替わる。従って、オイルミストセパレータ12を確実に作動させ、オイル供給通路13から分離室19へのオイルの流入を確実に防止することができる。この結果、分離室19から吸気マニホールド側に排出されるブローバイガスによる分離室19から吸気マニホールド側へのオイルの持ち出しを防止し、オイル消費を低減することができる。
さらに、逆止弁29の開弁状態において、弁体35をオイル供給通路13の内面に対して離間状態に保持する複数の脚部38を弁体35の下側に設けた。このため、エンジン10の運転停止状態に対応する逆止弁29の開弁状態において、逆止弁29の弁体35がオイル供給通路13の内面に対して離間状態に保持される。従って、オイル供給通路13の内面にスラッジが付着していても、開弁状態において弁体35がオイル供給通路13の内面に密着することはなく、エンジン10が運転されてオイル供給通路13内のオイル圧が上昇すると、オイル供給通路13の内面から弁体35が容易に離れて閉弁状態に切り替わる。この結果、オイルミストセパレータ12の分離室19とオイル供給通路13との連通がより確実に遮断されるので、オイル供給通路13からオイルミストセパレータ12側へのオイルの流出がより確実に防止される。従って、エンジン10の運転開始時において、オイル供給通路13から吸気マニホールド側へのオイルの持ち出しを防止し、オイル消費を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、この発明を具体化した第2実施形態を図5〜図7に従って説明する。なお、この実施形態は、前記第1実施形態のシリンダヘッドカバー11において、オイルミストセパレータ12の分離室19と逆止弁29との間に、分離室19において分離回収されたオイルを貯溜するためのオイルケース41を設けたことのみが異なる。
図5に示すように、シリンダヘッドカバー11の内側におけるハウジング18の対応部位には、ナイロン66により一体成形されるとともにオイル室40が内部に形成されたオイルケース(オイル貯溜部)41が溶着されている。オイル室40は、分離室19からオイル排出口25を通じて排出されるオイルを貯溜する。オイルケース41の下側のオイル供給通路13内には、前記第1実施形態と同様な逆止弁29が装設されている。図5、図6及び図7に示すように、前記オイル通路形成部材14は、オイルケース41及び逆止弁29を収容するための拡張部14aを有している。
さて、エンジン10が運転状態のときにおいて、分離室19においてブローバイガスから分離回収されたオイルは、逐次分離室19からオイル室40に流入して貯溜される。そして、エンジン10の運転が停止され、逆止弁29が閉弁状態から開弁状態に切り替わると、オイル室40からオイル供給通路13にオイルが排出される。このため、エンジン10の運転状態において分離室19にオイルが溜まらないので、分離室19の容積を確保することができ、長時間に亘って高い分離効率を維持できる。
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することもできる。
・ 図8に示すように、逆止弁29の弁胴部30の下端開口を蓋体39によって塞ぐとともに、弁胴部30の周壁に設けた開口部33を通じて弁室31をオイル供給通路13に連通する構成とする。この場合、開弁状態における弁体35は、弁室31の底部内面(弁室内面)に対して各脚部38を当接させることにより離間状態に保持される。この場合、逆止弁29がオイル通路形成部材14とは完全に別となるので、シリンダヘッドカバー11へのオイルケース41及び逆止弁29の組み付けが容易となる。
・ 弁体35の下面に設けた複数の脚部38の代わりに、オイル供給通路13の内面に、弁体35の基板36に下面に当接して弁体35を離間状態に保持する複数の先鋭状の支持片(保持手段)を設けた構成とする。
・ オイル供給通路を、図7に二点鎖線で示すように、シリンダヘッドカバー11における周壁11aの基端部に沿って形成された貫通孔50によって形成する。
・ 図9に示すように、オイルミストセパレータ12を、分離室19の軸線がほぼ水平となるようにシリンダヘッドカバー11に一体形成する。この場合には、オイルミストセパレータ12がシリンダヘッドカバー11の上方に突出しないようにすることができる。また、図示はしないが、オイルミストセパレータ12を、分離室19の軸線がほぼ鉛直となるようにシリンダヘッドカバー11に一体形成する。この場合には、オイルミストセパレータ12からの排油性が向上し、オイル消費が低減する。
・ オイルミストセパレータ12を、略円柱形状の分離室の軸線上に複数の羽根車が回転可能に支持された構成とする。このオイルミストセパレータにおいては、分離室に対し軸線方向に導入されたブローバイガスの流動圧によって複数の羽根車が回転されるとともに各羽根車の表面にオイルミストが捕集される。
(a)はオイルミストセパレータを含む第1実施形態のシリンダヘッドカバーの要部の縦断面図、(b)は(a)におけるa−a線断面図。 エンジンの正面図。 シリンダヘッドカバーの底面図。 図3におけるb−b線断面図。 第2実施形態のシリンダヘッドカバーの要部を示す縦断面図。 シリンダヘッドカバーの底面図。 図6におけるc−c線断面図。 他の実施形態のシリンダヘッドカバーにおける逆止弁を示す縦断面図。 他の実施形態のシリンダヘッドカバーにおけるオイルミストセパレータを示す縦断面図。
符号の説明
10…エンジン、11…シリンダヘッドカバー、11a…壁部としての周壁、11c…同じく天井壁、12…オイルミストセパレータ、13…オイル供給通路、14…オイル通路形成部材、19…分離室、25…オイル排出口、29…逆止弁、31…弁室、35…弁体、38…保持手段としての脚部、40…オイル貯溜部としてのオイルケース。

Claims (7)

  1. エンジンの可動部分にオイルを供給するためのオイル供給通路を壁部に設け、同壁部が同オイル供給通路の少なくとも一部を形成したことを特徴とするシリンダヘッドカバー。
  2. エンジンのクランク室側からブローバイガスを導入する分離室内においてブローバイガスからオイルを分離回収するようにしたオイルミストセパレータを前記壁部と一体形成し、この分離室において分離回収されたオイルが同壁部に形成されたオイル排出口を介して前記オイル供給通路に排出されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドカバー。
  3. 前記分離室から前記オイル供給通路へのオイルの排出を許容するとともに同オイル供給通路から同分離室へのオイルの流入を止める逆止弁を前記オイル排出口に設けたことを特徴とする請求項2に記載のシリンダヘッドカバー。
  4. 前記逆止弁は、前記分離室と前記オイル供給通路とを連通可能な弁室と、この弁室内に配置されるとともに同オイル供給通路におけるオイル圧の高低に応じて変位する弁体とを備えていることを特徴とする請求項3に記載のシリンダヘッドカバー。
  5. 前記逆止弁は、その開弁状態において弁室内面又はオイル供給通路内面に対し前記弁体を離間状態に保持する保持手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載のシリンダヘッドカバー。
  6. 前記分離室と前記逆止弁との間に、同分離室において分離回収されたオイルを貯溜するオイル貯溜部を設けたことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載のシリンダヘッドカバー。
  7. 前記オイルミストセパレータは、前記ブローバイガスが接線方向に向かうように導入される円錐形状の分離室を備え、この分離室内でブローバイガスを旋回させることによりオイルを遠心分離することを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載のシリンダヘッドカバー。
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