JP2007162471A - 内燃機関用流体制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジンの気筒より排気系に流出した流体(排気ガス)中に含まれる不純物がバタフライ型バルブ4のシールリング溝5内に、堆積および滞留または目詰まりするのを抑制することで、バタフライ型バルブ4のシールリング溝5内に装着されたシールリング6の収縮不能に伴うバルブティックを防止することを課題とする。
【解決手段】 設定時間内にEGR制御弁のバタフライ型バルブ4が閉弁作動されない場合には、EGR制御弁のバタフライ型バルブ4の開弁状態継続時間が、予め決められた設定時間を越えた時点で、EGR制御弁のバタフライ型バルブ4のバルブ開度(実EGR開度)がバルブ全閉位置となるように、電動モータへの電力を制限することで、スプリングの付勢力(スプリング荷重)を利用してEGR制御弁のバタフライ型バルブ4を強制的に閉弁作動させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、バルブの環状溝内にシールリングを装着した流体制御弁を備えた内燃機関用流体制御装置に関するもので、特にバタフライ型バルブの環状溝内にC字状のシールリングを装着した排気ガス還流量制御弁を備えた排気ガス再循環装置に係わる。
[従来の技術]
従来より、流体制御弁として、内燃機関の気筒の燃焼室内より流出する排気ガス中に含まれる有害物質(例えば窒素酸化物:NOx等)の低減を図るという目的で、内燃機関の気筒の燃焼室内より流出する排気ガスの一部(排気再循環ガス:EGRガス)を内燃機関の吸気系(特に内燃機関の気筒に連通する吸気通路)に再循環させる排気ガス再循環装置の排気ガス還流管の途中に組み込まれる排気ガス還流量制御弁が知られている。そして、この排気ガス還流量制御弁の一例として、歯車減速機構を介して電動モータの駆動力(モータトルク)をバルブ軸に伝達し、バルブ軸の先端に装着されたバタフライ型バルブを、バルブ軸を中心にして回転運動させて、バルブ全閉位置からバルブ全開位置までの作動範囲で回転動作させて、内燃機関の吸気系に再循環されるEGRガスの還流量(EGR量)を調整する電動式のEGR制御弁がある。
ここで、バタフライ型バルブを備えたEGR制御弁では、バルブ全閉時のEGRガス洩れ量を低減する場合に、C字状のシールリングを使用している。このシールリングは、バタフライ型バルブの外周に設けられた環状のシールリング溝内に嵌め込まれ、バタフライ型バルブの開度が全閉位置の時(バルブ全閉時)にシールリングが自身の拡径方向の張力により、ハウジング内周面に嵌合されたスリーブ内面に突っ張り、バタフライ型バルブの外周面とスリーブ内面との間の環状隙間を塞ぐことによりEGRガス洩れ量を低減している(例えば、特許文献1及び2参照)。なお、排気ガス再循環装置に使用されるEGR制御弁のバタフライ型バルブは、燃焼残滓やカーボン等の微粒子(煤、煤に吸着している炭化水素、サルフェート及び金属等の粉末状固体微粒子:パティキュレート)が含まれているEGRガスが流れるスリーブ内に収容されている。
[従来の技術の不具合]
ところが、バタフライ型バルブが開いた状態では、シールリングが自身の拡径方向の張力によりバルブ全閉時よりも拡径方向に開いた状態となる。この開いた状態でバタフライ型バルブが閉じることなく、内燃機関が長く運転されると、シールリングが嵌まるシールリング溝内にEGRガス中に含まれる微粒子が入り込み、シールリング溝内に堆積および滞留してデポジット(固形化、粘着化を含む)を形成する可能性がある。このように、シールリング溝内にデポジットが形成された場合には、バタフライ型バルブが開いた状態からバルブ全閉位置に戻そうとしても、シールリングが自身の縮径方向に収縮不能となる。これにより、バタフライ型バルブの閉弁作動時に、シールリングの外径面がスリーブ内面に当接しても、シールリングが自身の縮径方向に縮むことができず、シールリングがスリーブ内面に干渉してバタフライ型バルブがバルブ全閉位置よりも手前で、これ以上の閉弁作動が不能(バルブスティック)となる恐れがある。
ここで、エンジン停止時に、デポジットによる作動阻害対策としてバタフライ型バルブを閉弁位置に閉弁作動させた後に閉弁位置を跨いで往復作動させてから閉弁位置で停止させるように制御するガス流制御装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、バタフライ型バルブの作動履歴によりバタフライ型バルブを強制的に閉弁位置に閉弁作動させるトリガーとするものとは異なり、バタフライ型バルブの開弁状態が長時間継続した状況(作動履歴)に対して全閉位置制御ができず、シールリング溝内へのEGRガス中に含まれる微粒子の侵入、堆積および滞留または目詰まりを抑制することができないという問題があった。
特開2004−162665号公報(第1−14頁、図1−図2) 特開2005−233063号公報(第1−14頁、図1−図6) 特開2003−314377号公報(第1−8頁、図1−図8)
本発明の目的は、内燃機関の気筒より排気系に流出した流体(排気ガス)中に含まれる不純物、あるいは内燃機関の気筒より吸気系に逆流した流体(未燃焼ガス)中に含まれる不純物がバタフライ型バルブの環状溝内へ侵入して、バタフライ型バルブの環状溝内に堆積および滞留または目詰まりするのを抑制することで、バタフライ型バルブの環状溝内に装着されたシールリングの収縮不能に伴うバルブティックを防止することのできる内燃機関用流体制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、内燃機関の運転時に、バタフライ型バルブの作動履歴または内燃機関の運転状態を確認し、バタフライ型バルブの作動履歴または内燃機関の運転状態が所定の条件を満足した時点で、バタフライ型バルブのバルブ位置が、バタフライ型バルブの全閉位置となるように、バタフライ型バルブを強制的に閉弁作動させる。これによって、バタフライ型バルブの環状溝内に装着されたシールリングが、流体流路の流路壁面に密着するため、シールリング自体の軸線方向に対して略直交する半径方向(縮径方向)に押し戻される。そして、仮に内燃機関の気筒より排気系に流出した流体(排気ガス)中に含まれる不純物、あるいは内燃機関の気筒より吸気系に逆流した流体(未燃焼ガス)中に含まれる不純物がバタフライ型バルブの環状溝内(特に環状溝底面とシールリング内径面との間の空間内、あるいは環状溝壁面とシールリング側面との間の空間内)に侵入したとしても堆積および滞留または目詰まりする前にバタフライ型バルブの環状溝内から排出することができる。
これにより、バタフライ型バルブの環状溝内での不純物の堆積および滞留または目詰まりを防止できるので、バタフライ型バルブの環状溝とシールリングとの間の空間(特に環状溝底面とシールリング内径面との間の空間、あるいは環状溝壁面とシールリング側面との間の空間)が目詰まりすることはなく、例えば内燃機関の運転停止時にバタフライ型バルブを閉弁作動させる際に、シールリングが自身の縮径方向に容易に収縮することができる。このため、例えば内燃機関の運転停止時に開弁状態のバタフライ型バルブを全閉位置に確実に戻すことができるので、バルブ全閉時にシールリング自体の軸線方向に対して略直交する半径方向(拡径方向)の張力によって、シールリングが流体流路の流路壁面に密着し、ハウジングとバタフライ型バルブとの間の隙間が密閉化(シール)される。したがって、バタフライ型バルブの環状溝内に装着されたシールリングの収縮不能に伴うバルブティックを防止することができる。また、バルブ全閉時の流体洩れ流量が最小(またはゼロ)となるので、流体制御弁の信頼性を向上することができる。
請求項2に記載の発明によれば、内燃機関の運転時にバタフライ型バルブの開弁状態が継続する時間を計測し、バタフライ型バルブの開弁状態継続時間が設定時間を越えた時点で、バタフライ型バルブのバルブ位置が、バタフライ型バルブの全閉位置となるように、バタフライ型バルブを強制的に閉弁作動させる。これによって、バタフライ型バルブの環状溝内に装着されたシールリングが、流体流路の流路壁面に密着するため、シールリング自体の軸線方向に対して略直交する半径方向(縮径方向)に押し戻される。そして、仮に内燃機関の気筒より排気系に流出した流体(排気ガス)中に含まれる不純物、あるいは内燃機関の気筒より吸気系に逆流した流体(未燃焼ガス)中に含まれる不純物がバタフライ型バルブの環状溝内(特に環状溝底面とシールリング内径面との間の空間内、あるいは環状溝壁面とシールリング側面との間の空間内)に侵入したとしても堆積および滞留または目詰まりする前にバタフライ型バルブの環状溝内から排出することができる。
これにより、バタフライ型バルブの環状溝内での不純物の堆積および滞留または目詰まりを防止できるので、バタフライ型バルブの環状溝とシールリングとの間の空間(特に環状溝底面とシールリング内径面との間の空間、あるいは環状溝壁面とシールリング側面との間の空間)が目詰まりすることはなく、例えば内燃機関の運転停止時にバタフライ型バルブを閉弁作動させる際に、シールリングが自身の縮径方向に容易に収縮することができる。このため、例えば内燃機関の運転停止時に開弁状態のバタフライ型バルブを全閉位置に確実に戻すことができるので、バルブ全閉時にシールリング自体の軸線方向に対して略直交する半径方向(拡径方向)の張力によって、シールリングが流体流路の流路壁面に密着し、ハウジングとバタフライ型バルブとの間の隙間が密閉化(シール)される。したがって、バタフライ型バルブの環状溝内に装着されたシールリングの収縮不能に伴うバルブティックを防止することができる。また、バルブ全閉時の流体洩れ流量が最小(またはゼロ)となるので、流体制御弁の信頼性を向上することができる。
請求項3に記載の発明によれば、バタフライ型バルブの環状溝内に、自身の軸線方向に対して略直交する半径方向(拡径方向)に張力を発生するシールリングを装着した流体制御弁には、バタフライ型バルブの全閉位置近傍、つまりバタフライ型バルブの全閉位置を跨ぐ両側に、流体流量(流体洩れ流量)が変化(増加)しない不感帯がある。
そして、バタフライ型バルブを強制的に閉弁作動させた後に、バタフライ型バルブを不感帯の範囲内においてバタフライ型バルブの全閉位置を跨いで1回以上往復作動させるようにしても良い。この場合も、バタフライ型バルブの環状溝内に装着されたシールリングが、流体流路の流路壁面に密着するため、シールリング自体の軸線方向に対して略直交する半径方向(縮径方向)に押し戻される。したがって、請求項1または請求項2に記載の発明と同様な効果を達成することができる。
請求項4に記載の発明によれば、内燃機関の運転時に、バタフライ型バルブの閉弁作動を行った場合、内燃機関の運転状態に影響を与え、運転者に不安感を抱かせる可能性がある。そこで、車両の走行状態が変更された時点で、あるいは内燃機関の運転状態が変更された時点で、あるいは車両に搭載された他のシステムの制御機器の作動状態が変更された時点で、バタフライ型バルブのバルブ位置が、バタフライ型バルブの全閉位置となるように、バタフライ型バルブを強制的に閉弁作動させるようにする。これによって、運転者が内燃機関の運転状態の変化に気付き難くなり、運転者に分かるドライバビリティの変化を最小限に抑えることができる。
請求項5に記載の発明によれば、内燃機関の運転時に、バタフライ型バルブの閉弁作動を行う場合、バタフライ型バルブの全閉位置に閉弁作動させるべき状況(例えば時間)になっても、運転者が気付き難い状態にタイミング良くなるとは限らない。このため、運転者に感じ難く、且つ確実にバタフライ型バルブの閉弁作動を行うという目的で、設定時間よりも短い時間から設定時間に達するまでの間に、車両の走行状態が変更された時点で、あるいは内燃機関の運転状態が変更された時点で、あるいは車両に搭載された他のシステムの制御機器の作動状態が変更された時点で、バタフライ型バルブのバルブ位置が、バタフライ型バルブの全閉位置となるように、バタフライ型バルブを強制的に閉弁作動させるようにする。これによって、運転者が内燃機関の運転状態の変化に気付き難くなり、運転者に分かるドライバビリティの変化を最小限に抑えることができる。
請求項6に記載の発明によれば、バタフライ型バルブを開弁作動方向または閉弁作動方向に駆動するバルブ駆動装置は、モータおよび動力伝達機構を含んで構成される電動式アクチュエータを備えている。これによって、制御ユニットが、モータに供給する電力を調整することで、モータの駆動力が動力伝達機構を介してバタフライ型バルブに伝達されるため、バタフライ型バルブのバルブ位置が任意の位置となるように制御される。
請求項7に記載の発明によれば、流体制御弁を、内燃機関の気筒より流出する排気ガスの一部を内燃機関の吸気系に再循環させる排気ガス再循環装置に組み込まれる排気ガス還流量制御弁に適用しても良い。なお、流体制御弁のバルブを、内燃機関の気筒内に吸入される吸入空気量を制御する内燃機関用スロットル制御装置に組み込まれるスロットルバルブに適用しても良い。
本発明を実施するための最良の形態は、バタフライ型バルブの環状溝内に装着されたシールリングの収縮不能に伴うバルブティックを防止するという目的を、内燃機関の気筒より排気系に流出した流体(排気ガス)中に含まれる不純物、あるいは内燃機関の気筒より吸気系に逆流した流体(未燃焼ガス)中に含まれる不純物がバタフライ型バルブの環状溝内に、堆積および滞留または目詰まりするのを抑制することで実現した。
また、内燃機関の運転時にバタフライ型バルブを強制的に閉弁作動させることで、運転者が感じるドライバビリティの変化を最小限に抑えるという目的を、運転者が気づき難い状態で閉弁作動させることで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図3は本発明の実施例1を示したもので、図1(a)は排気ガス再循環装置の主要構造を示した図で、図1(b)は排気ガス還流量制御弁(EGR制御弁)のバタフライ型バルブの外周に装着されるシールリングを示した図で、図2(a)、(b)はEGR制御弁のバタフライ型バルブの主要構造を示した図である。
本実施例の内燃機関の制御装置(エンジン制御システム)は、例えば自動車等の車両に搭載されるターボチャージャー付ディーゼルエンジン等の内燃機関(ターボ過給機付エンジン:以下エンジンと呼ぶ)の各気筒(シリンダ)に連通するエンジン吸気管およびエンジン排気管(いずれも図示せず)と、排気ガス還流量制御弁(以下EGR制御弁と呼ぶ)1のバルブ開度を可変制御する排気ガス再循環装置と、エンジンの各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射供給するコモンレール式燃料噴射装置と、これらの各システムを関連して制御するエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。
ここで、エンジンは、燃料が直接燃焼室内に噴射供給される直接噴射式ディーゼルエンジンが採用されている。そして、このエンジンに搭載されるターボ過給機(ターボチャージャー)は、エンジン吸気管の途中に設けられたコンプレッサ(図示せず)と、エンジン排気管の途中に設けられたタービン(図示せず)と、コンプレッサとタービンとを結合する回転軸(タービン軸:図示せず)とを備えている。これは、エンジンの排気エネルギーを利用してタービンを回し、このタービンと同軸的に設けられたコンプレッサを駆動して吸入空気を過給する過給機である。なお、ターボ過給機の回転軸に電動機を装着して、エンジンの低速回転域の時に、実過給圧の不足分を電動機によって過給アシストするようにしても良い。
次に、コモンレール式燃料噴射装置は、加圧室内に吸入した燃料を加圧して高圧化するサプライポンプ(燃料噴射ポンプ:図示せず)と、このサプライポンプより吐出された高圧燃料を蓄圧するコモンレール(図示せず)と、このコモンレール内に蓄圧された高圧燃料を、エンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給する複数のインジェクタ(INJ:図示せず)とを備えている。なお、複数のインジェクタには、ノズルニードル(弁体)を開弁作動方向に駆動する電磁弁等のアクチュエータ(図示せず)が設けられている。また、サプライポンプには、加圧室内に吸入される燃料吸入量を調整して燃料吐出量を制御する電磁式吸入調量弁(SCV)等のアクチュエータ(図示せず)が設けられている。
次に、排気ガス再循環装置は、本発明の内燃機関用流体制御装置に相当するもので、エンジンの各気筒の燃焼室より流出した排気ガスの一部であるEGRガス(排気再循環ガス)を、エンジンの吸気系に導いて再循環させるEGR装置であって、エンジン排気管からエンジン吸気管にEGRガスを導入する排気ガス還流管(図示せず)と、この排気ガス還流管の途中に配設されて、エンジン吸気管に再循環されるEGRガスの還流量(EGR量)を可変制御するEGR制御弁1とを備えている。なお、本実施例では、排気ガス還流管のEGRガス流(空気流)方向の上流端が、エンジンの各気筒の排気ポートとターボ過給機のタービンとを結合するエンジン排気管(例えばエキゾーストマニホールド)に気密的に接続されており、また、排気ガス還流管のEGRガス流(空気流)方向の下流端が、ターボ過給機のコンプレッサとエンジンの各気筒の吸気ポートとを結合するエンジン吸気管(例えばインテークマニホールド)に気密的に接続されている。
本実施例のEGR制御弁1は、本発明の流体制御弁に相当するもので、排気ガス再循環装置の排気ガス還流管の途中に配設されている。このEGR制御弁1は、排気ガス還流管の途中に結合されるハウジング(筒状部)2の内部に形成される排気ガス還流路(流体流路)3の排気ガス流通面積を変更し、エンジンの各気筒の燃焼室より流出した排気ガスの一部であるEGRガスを吸入空気中に混入させるEGR量(新規吸入空気量に対するEGR率)を可変制御する流体流量制御弁である。そして、EGR制御弁1は、ハウジング2と、このハウジング2の内部に開閉自在(回転自在)に収容されたバタフライ型バルブ(EGR制御弁1の弁体)4と、このバタフライ型バルブ4を閉弁作動方向(または開弁作動方向)に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段(図示せず)とを備えている。
また、EGR制御弁1は、ハウジング2の内周面(排気ガス還流路3の流路壁面)とバタフライ型バルブ4の外周面との間の円環状隙間が最小となる位置で、且つハウジング2の内部を流れるEGRガスのEGR量が最小となる位置をバルブ全閉位置とし、ハウジング2の内部を流れるEGRガスのEGR量が最大となる位置をバルブ全開位置としたとき、バルブ全閉位置でバタフライ型バルブ4が保持固定される時、すなわち、ハウジング2内を流れるEGRガスの平均的な流れの軸線方向に対して略直交する方向(垂直)にバタフライ型バルブ4が設定される時(バルブ全閉時)に、バタフライ型バルブ4のシールリング溝5に嵌め込まれたシールリング6の軸線方向に対して直交する半径方向(拡径方向)の張力を利用して、ハウジング2の内周面とバタフライ型バルブ4の外周面との間の円環状隙間を気密化(シール)するように構成されている。
ハウジング2は、排気ガス還流路3の内部にバタフライ型バルブ4をバルブ全閉位置からバルブ全開位置に至るまで回転方向に回転自在に保持する装置であり、排気ガス還流管(あるいはエンジン吸気管またはエンジン排気管)にボルト等の締結具(図示せず)を用いて締め付け固定されている。このハウジング2には、ブッシング等の軸受け部品(図示せず)を介して、EGR制御弁1のシャフト(バルブ軸)7を回転方向に摺動自在に軸支する円筒状のバルブ軸受け部が設けられている。このバルブ軸受け部の内部には、バルブ軸方向(シャフト7の軸線方向)に延びるシャフト収容孔11が設けられている。そして、ハウジング2の内周面(ハウジング内周面)には、EGR制御弁1のバルブ全閉時に、シールリング6が密着可能なシールリングシート面(円筒内径面、バルブシート)12が設けられている。
本実施例のバタフライ型バルブ4は、電動モータ8や動力伝達機構等のアクチュエータの駆動力を受けて回転動作を行うシャフト7の軸線方向の一端側に一体的に保持固定されている。また、バタフライ型バルブ4の外周面には、円環状のシールリング溝(環状溝)5が形成されている。なお、シールリング溝5の内部には、1個のシールリング6が嵌め込まれている。バタフライ型バルブ4は、略円板形状に形成されて、エンジン吸気管内を流れる吸入空気中に混入させるEGRガスのEGR量を制御するバタフライ形の回転弁である。
このバタフライ型バルブ4は、エンジン運転時に、ECU10からの制御信号に基づいて、バルブ全閉位置からバルブ全開位置に至るまでの作動範囲で回転動作されることで、排気ガス還流路3の開口面積(排気ガス流通面積)を変更してEGR量を可変制御する弁体である。ここで、バタフライ型バルブ4のバルブ全閉位置とは、バタフライ型バルブ4の半径方向の外径側端部の端面(バルブ外周面)とハウジング2の内周面との間の隙間(バルブ全閉時のEGRガス洩れ量)が最小となるバルブ開度で、且つハウジング2の内部を流れるEGRガスのEGR量が最小となるバルブ開度(θ=0°)のことである。また、バタフライ型バルブ4のバルブ全開位置とは、ハウジング2の内部を流れるEGRガスのEGR量が最大となるバルブ開度(θ=70〜90°)のことである。
また、バタフライ型バルブ4の半径方向の外径側端部の端面には、図1に示したように、シールリング6が半径方向および軸線方向に移動可能となる溝幅のシールリング溝(周方向溝、環状溝)5が周方向に連続して形成されている。すなわち、シールリング溝5は、バタフライ型バルブ4の外径側端部の端面の外周全体(全周)に周設されている。このシールリング溝5には、図2に示したように、一対の第1、第2シールリング溝壁面(環状溝壁面)21、22およびシールリング溝底面(環状溝底面)23が設けられている。そして、第1シールリング溝壁面21は、上流側(一方側)のシールリング溝壁面を構成し、また、第2シールリング溝壁面22は、下流側(他方側)のシールリング溝壁面を構成する。
そして、バタフライ型バルブ4の外径側端部(バルブ外周部)には、図2に示したように、シールリング溝5の軸線方向の両側に一対の第1、第2環状凸部(環状溝壁)31、32が設けられている。第1環状凸部31は、バルブ全閉時にシールリング6よりもEGRガスの流れ方向の上流側に位置する上流側(一方側)の環状凸部を構成し、また、第2環状凸部32は、バルブ全閉時にシールリング6よりもEGRガスの流れ方向の下流側に位置する下流側(他方側)の環状凸部を構成する。そして、一対の第1、第2環状凸部31、32は、シールリング溝5を挟んで対向して配置されている。そして、第1環状凸部31は、第2環状凸部32に対向する対向面に、第1シールリング溝壁面21を有している。また、第2環状凸部32は、第1環状凸部31に対向する対向面に、第2シールリング溝壁面22を有している。
シールリング6は、円環形状に形成されている。このシールリング6の半径方向の内径側には、バタフライ型バルブ4の外周に設けられたシールリング溝5内に移動自在に嵌め込まれる内径側端部が設けられ、また、シールリング6の半径方向の外径側には、バタフライ型バルブ4の外周面(バルブ外周面)よりもバタフライ型バルブ4の半径方向の外径側に突出した外径側端部が設けられている。すなわち、シールリング6は、外径側端部がバルブ外周面より突出した状態で、内径側端部がシールリング溝5内を半径方向、軸線方向および周方向に移動できるようにシールリング溝5内に嵌め込まれて保持されている。
そして、シールリング6の軸線方向(板厚方向)の両側には、一対の第1、第2シールリング側面41、42が設けられている。そして、第1シールリング側面41は、上流側(一方側)のシールリング側面を構成し、また、第2シールリング側面42は、下流側(他方側)のシールリング側面を構成する。また、シールリング6の半径方向の外径側の端面には、ハウジング2のシールリングシート面12に密着することが可能なシールリング外径面43が設けられている。また、シールリング6の半径方向の内径側の端面には、バタフライ型バルブ4のシールリング溝5のシールリング溝底面23との間に所定の円環状隙間を隔てて対向するシールリング内径面44が設けられている。
本実施例のシールリング6は、図1(b)に示したように、C字形状に形成されており、ハウジング2およびシールリング6の熱膨張係数の差に伴うシールリング6の膨張、収縮に備えて周方向の両端面間(合い口)に所定の切欠隙間45を有している。なお、シールリング6の合い口形状は、パッド・ジョイント形状、テーパ・ジョイント形状、ラップ・ジョイント形状のいずれでも構わない。また、シールリング外径面43の軸線方向の一対のエッジ部に、バタフライ型バルブ4の開閉動作がし易いようにテーパ形状またはR形状の面取りを施しても良い。
本実施例のシャフト7は、ハウジング2のバルブ軸受け部に設けられたシャフト収容孔11の内部に回転自在に収容されている。そして、シャフト7の軸線方向の他端部(バルブ側に対して反対側の端部)には、歯車減速機構の構成要素の1つであるバルブ側ギヤ(図示せず)が固定されている。そして、シャフト7の軸線方向の一端側は、ハウジング2のシャフト収容孔11を貫通して排気ガス還流路3の内部に突出(露出)しており、このシャフト7の軸線方向の一端側には、バタフライ型バルブ4を例えば溶接等の固定手段を用いて保持固定するバルブ装着部が設けられている。なお、本実施例では、図1に示したように、シャフト7の回転中心軸線方向とバタフライ型バルブ4の中心軸線方向とが所定の角度で交差するようにバタフライ型バルブ4の直径方向に対してシャフト7が傾いた状態でバタフライ型バルブ4と組み付けられている。
ここで、本実施例のEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を開弁駆動または閉弁駆動するバルブ駆動装置は、電力によって運転される電動モータ8と、この電動モータ8のモータシャフト(出力軸)の回転運動をシャフト7に伝達するための動力伝達機構(本実施例では歯車減速機構)9とを備えた電動式アクチュエータによって構成されている。電動モータ8は、ブラシレスDCモータやブラシ付きの直流(DC)モータ等の直流(DC)モータが採用されている。なお、三相誘導電動機等の交流(AC)モータを用いても良い。また、歯車減速機構9は、電動モータ8のモータシャフトの回転速度を所定の減速比となるように減速するもので、電動モータ8のモータ出力軸トルク(駆動力)をシャフト7に伝達する動力伝達機構を構成する。ここで、バルブ駆動装置、特に電動モータ8は、ECU10によって通電制御されるように構成されている。
ここで、ECU10には、制御処理や演算処理を行うCPU、制御プログラムまたは制御ロジックや各種データを保存する記憶装置(SRAM、DRAM等の揮発性メモリ、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ)、入力回路、出力回路、電源回路、タイマー回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。また、ECU10は、図示しないイグニッションスイッチをオン(IG・ON)すると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づいて、例えばコモンレール内の燃料圧力(コモンレール圧力)、排気ガス還流量(EGR量)、実過給圧(吸気圧)、新規吸入空気量等が各々制御指令値となるようにフィードバック制御するように構成されている。なお、ECU10は、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づく上記の制御が強制的に終了されるように構成されている。
そして、ECU10は、エンジンのクランクシャフトの回転角度を検出するクランク角度センサ、エンジンの各気筒の燃焼室内に吸入される新規吸入空気量を検出するエアフロメータ等の各種センサからのセンサ信号が、A/D変換器によってA/D変換された後に、ECU10に内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。なお、クランク角度センサは、エンジンのクランクシャフトの回転角度を電気信号に変換するピックアップコイルよりなり、例えば30°CA(クランク角度)毎にNEパルス信号が出力される。そして、ECU10は、クランク角度センサより出力されたNEパルス信号の間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(以下エンジン回転数と言う:NE)を検出するための回転速度検出手段として機能する。
また、ECU10には、運転者(ドライバー)によるアクセル操作量(アクセルペダルの踏み込み量)を電気信号(アクセル開度信号)に変換し、ECU10へどれだけアクセルペダルが踏み込まれたかを出力するアクセル開度センサが接続されている。また、ECU10には、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の開度(EGR制御弁1のバルブ開度)を電気信号に変換し、ECU10へどれだけEGRガスがエンジン吸気管内を流れる吸入空気に混入されているか、つまりエンジン吸気管内へのEGRガスの排気ガス還流量(EGR量)がどれくらいかを出力するEGR量センサが接続されている。また、ECU10には、ターボ過給機によって過給された吸入空気の過給圧を検出する過給圧センサ、吸気管圧力変動を検出する吸気圧センサ、エンジンの各気筒の燃焼室内に吸入される吸入空気の温度またはエンジン吸気管の吸気通路に再循環されるEGRガスの温度を検出する吸気温センサ、および自動車等の車両の走行速度(以下車速と言う)を検出する車速センサが接続されている。
これらのアクセル開度センサ、EGR量センサ、過給圧センサ、吸気圧センサ、吸気温センサおよび車速センサは、他のセンサと同様に、A/D変換器によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力される。なお、マイクロコンピュータには、コモンレール圧力センサ、エンジン冷却水温度センサおよび燃料温度センサ等が接続されている。また、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4が開弁したら電気信号を出力するEGR制御バルブ開弁スイッチを設けても良い。
そして、ECU10は、エンジンの運転状態、すなわち、アクセル開度センサによって検出されたアクセル開度(ACCP)とエンジン回転数(NE)とに対応して設定された基本噴射量(Q)に、燃料温度やエンジン冷却水温等を考慮した噴射量補正量を加味して指令噴射量(目標噴射量:QFIN)を算出する機能と、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(QFIN)とによって指令噴射時期(TFIN)を算出する機能と、指令噴射量(QFIN)とコモンレール圧力センサによって検出されたコモンレール圧力(PC)とによってインジェクタの電磁弁への通電時間に相当する噴射指令パルス長さ(噴射量指令値、指令噴射期間:TQFIN)を算出する機能とを有している。なお、基本噴射量(Q)は、アクセル開度センサによって検出されたアクセル開度(ACCP)のみによって目標エンジントルクを演算し、この目標エンジントルクから基本噴射量(Q)を演算しても良い。
また、ECU10は、エンジンの運転状態に応じた最適な燃料の噴射圧力を演算し、サプライポンプの電磁式吸入調量弁を駆動する機能を有している。これは、エンジンの運転状態、すなわち、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(QFIN)とによって目標コモンレール圧力(PFIN)を算出し、この目標コモンレール圧力(PFIN)を達成するために、コモンレール圧力センサによって検出されたコモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)とが略一致するように、コモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差に基づいて、電磁式吸入調量弁に供給するポンプ駆動電流を調整して、サプライポンプより吐出される燃料吐出量をフィードバック制御するように構成されている。
また、ECU10は、エアフロメータによって検出された実新規吸入空気量とエンジンの運転状態に応じて設定された目標新規吸入空気量とが略一致するように、実新規吸入空気量と目標新規吸入空気量との偏差に基づいて、エンジンの運転状態に応じた最適なEGR量(目標EGR開度)を演算し、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を駆動する機能を有している。なお、EGR制御弁1の目標EGR開度を、エンジンの運転状態から直接算出しても良い。例えばエンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)とによってEGR制御弁1の目標EGR開度を算出しても良く、あるいはエンジン回転数(NE)と指令噴射量(QFIN)とによってEGR制御弁1の目標EGR開度を算出しても良い。
[実施例1の制御方法]
次に、本実施例のEGR制御弁1のバルブ開度制御方法を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。ここで、図3(a)、(b)はEGR制御弁のバルブ開度制御方法を示したタイミングチャートである。
ECU10は、自動車等の車両の走行状態が変更された時、あるいはエンジンの運転状態が過度的に変更された時、例えば運転者がアクセルペダルを大きく踏み込んでアクセル全開の時、エンジン負荷が高負荷領域で、ターボ過給機により過給動作を行っている時、定常走行からアクセルペダルが踏み込まれて加速走行に移行した時、運転者がブレーキペダルを踏み込んだ時に、バタフライ型バルブ4のバルブ位置(バルブ開度)が、バルブ全閉位置となるように、電動モータ8に供給する電力を調整することで、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を強制的に閉弁作動させるように構成されている。また、イグニッションスイッチが強制的にオフ(IG・OFF)された場合には、電動モータ8への電力供給が断たれるので、スプリングの付勢力(スプリング荷重)によって、バタフライ型バルブ4のバルブ位置(バルブ開度)が、バルブ全閉位置に戻される。
そして、ECU10は、エンジンの運転時(エンジン始動時も含む)に、上記以外の状況下では、先ずエンジンの運転状態に応じて目標新規吸入空気量が算出される。例えばエンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)とによって目標新規吸入空気量が算出される。あるいは指令噴射量(QFIN)とエンジン回転数(NE)とによって目標新規吸入空気量が算出される。なお、目標新規吸入空気量は、これらの関係を予め実験等により測定して作成した特性図または演算式を用いて算出するようにしても良い。
そして、ECU10は、エアフロメータによって検出された実新規吸入空気量と目標新規吸入空気量とが略一致するように、実新規吸入空気量と目標新規吸入空気量との偏差に基づいて、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の実EGR開度に対する目標EGR開度を算出する。なお、目標EGR開度は、これらの関係を予め実験等により測定して作成した特性図または演算式を用いて算出するようにしても良い。また、過給圧(または吸気圧)や空燃比等を考慮した補正量を加味して目標EGR開度を算出するようにしても良い。
そして、ECU10は、EGR制御弁1の目標EGR開度を達成するために、EGR量センサによって検出されたEGR量(EGR制御弁1の実EGR開度)と目標EGR開度とが略一致するように、EGR制御弁1の実EGR開度と目標EGR開度との偏差に基づいて、電動モータ8に供給するモータ駆動電流を調整して、エンジンの各気筒の燃焼室内に再循環されるEGR量をフィードバック制御するように構成されている。これにより、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4は、バルブ全閉位置から開弁作動方向に開弁作動し、バタフライ型バルブ4の実EGR開度が、目標EGR開度に対応したバルブ位置に可変制御される。なお、EGR制御弁1の目標EGR開度を、エアフロメータと吸気温センサとEGR量センサとからの検出信号に応じて設定しても良い。
ここで、本実施例のECU10に内蔵されたマイクロコンピュータ(特に揮発性メモリまたは不揮発性メモリ)には、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の作動履歴(特にバタフライ型バルブ4の開弁作動履歴)が書き込めるように構成されている。そして、ECU10は、図3に示したように、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4がバルブ全閉位置から開弁作動方向に駆動されると、タイマー回路により開弁状態継続時間のカウントを開始する。そして、ECU10は、開弁状態継続時間が、予め実験等により測定して揮発性メモリまたは不揮発性メモリに格納された設定時間(例えば30分間)を越えると、バタフライ型バルブ4のバルブ位置(バルブ開度)が、バルブ全閉位置となるように、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を強制的に閉弁作動させるように構成されている。
なお、上記の設定時間を、エンジンの運転状態(および自動車等の車両の走行状態)、例えば指令噴射量(QFIN)、あるいはアクセル開度(ACCP)およびエンジン回転数(NE)等を考慮した補正量(時間補正係数)を加味して補正しても良い。また、上記の設定時間を、エンジンの運転継続時間(例えば高速道路等の自動車専用道路を一定のアクセル開度(ACCP)およびエンジン回転数(NE)で定速走行している時間)を考慮した補正量(時間補正係数)を加味して補正しても良い。また、上記の設定時間を、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4が開弁してから、エンジンの運転状態(および自動車等の車両の走行状態)に基づいて可変制御しても良い。
ここで、排気ガス再循環装置の排気ガス還流管の途中で、且つEGR制御弁1よりもEGRガス流の上流側に、EGRガスを冷却するEGRガスクーラが設置されている場合には、低温EGRガス中に含まれる微粒子(煤やカーボン等)が、高温側に対してより粘着性が高い粘着性物質(粘性カーボン)となるため、上記の設定時間を、EGRガスクーラを持たないものと比べて短い時間に設定することが望ましい。
また、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の開弁状態継続時間が、予め決められた設定時間を越えた時点で、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を強制的に全閉作動(閉弁作動)させるEGR開度制御に代えて、エンジンの運転状態(および自動車等の車両の走行状態)によってEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のシールリング溝5内に侵入する微粒子量を推定する微粒子量推定手段を有し、この微粒子量推定手段によって推定される微粒子量が、バルブ閉弁時(バルブ全閉時)にシールリング6が収縮不能に陥らない程度に対応した設定値以上に多くなった時点で、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を強制的に全閉作動(閉弁作動)させるようにしても良い。
また、図3に示したように、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を強制的に閉弁作動させて、バタフライ型バルブ4のバルブ位置(バルブ開度)をバルブ全閉位置に戻した時点で、タイマー回路の時間計測(タイマーカウント)を中止(リセット)し、再びEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4がバルブ全閉位置から開弁作動方向に駆動されると、タイマー回路により開弁状態継続時間のカウントが開始される。つまり開弁状態継続時間は、バタフライ型バルブ4のバルブ位置(バルブ開度)がバルブ全閉位置に戻される毎にリセットされる。
[実施例1の作用]
次に、本実施例の排気ガス再循環装置の作用を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
例えばディーゼルエンジン等のエンジンが始動することにより、エンジンのシリンダーヘッドの吸気ポートの吸気バルブが開かれると、エアクリーナで濾過された吸入空気が、エンジン吸気管、スロットルボデーを通って各気筒のインテークマニホールドに分配され、エンジンの各気筒の燃焼室内に吸入される。そして、エンジンでは、燃料が燃える温度よりも高い温度になるまで空気を圧縮し、そこに燃料を噴霧して燃焼が成される。そして、各気筒の燃焼室内で燃えた燃焼ガスは、シリンダーヘッドの排気ポートから排出され、エキゾーストマニホールド、エンジン排気管を経て排出される。
このとき、ECU10は、EGR量センサによって検出されたEGR量(EGR制御弁1の実EGR開度)と目標EGR開度とが略一致するように、電動モータ8に供給する電力を調整する。そして、電動モータ8に電力が供給されると、電動モータ8のモータシャフトが回転する。そして、電動モータ8の駆動力(モータ出力軸トルク)がシャフト7に伝達される。すると、シャフト7が、所定の回転角度だけ回転し、バタフライ型バルブ4がバルブ全閉位置よりバルブ全開位置側へ開く方向(開弁作動方向)に回転駆動(開弁駆動)される。これにより、エンジンの各気筒の燃焼室内より流出した排気ガスの一部(EGRガス)が、エンジン排気管内に形成される排気通路から、排気ガス還流管内の排気ガス還流路、ハウジング2の排気ガス還流路3、排気ガス還流管内の排気ガス還流路を経てエンジン吸気管内に形成される吸気通路に再循環される。
一方、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の実EGR開度(バルブ位置)がバルブ全閉位置となるように、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を全閉作動させる場合には、電動モータ8への電力の供給を停止する。あるいは電動モータ8への電力の供給を制限する。これにより、スプリングの付勢力(スプリング荷重)によって、図1および図2に示したように、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の実EGR開度(バルブ位置)が、バルブ全閉位置に戻される。
これにより、バタフライ型バルブ4の外周に設けられた円環状のシールリング溝5内に保持されたシールリング6のシールリング外径面43が、シールリング6自体の拡径方向の張力によってハウジング2のシールリングシート面12に張り付くため、シールリング6のシールリング外径面43がハウジング2のシールリングシート面12に密着する。したがって、バタフライ型バルブ4の外周面とハウジング2のシールリングシート面12との間の円環状隙間が完全にシールされる。これにより、バルブ全閉位置でバタフライ型バルブ4が保持固定される時、すなわち、バルブ全閉時に、EGRガスの洩れが確実に抑止されるため、EGRガスが吸入空気に混入しなくなる。
[実施例1の特徴]
以上のように、本実施例の排気ガス再循環装置に組み込まれるEGR制御弁1においては、図3に示したように、エンジンの運転時にEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の作動履歴(特にバタフライ型バルブ4の開弁作動履歴)を確認している。そして、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4がバルブ全閉位置から開弁作動方向に駆動されて開弁状態となった時点から、運転者のアクセル操作量の変化に伴うバタフライ型バルブ4の閉弁作動により再び全閉位置に戻されるまでの間、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の開弁状態継続時間(タイマーカウント)を計測(カウントアップ)している。
ここで、図3(a)に示したように、運転者のアクセル操作量の変化に伴って設定時間内にEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のバルブ開度(実EGR開度)が、バルブ全閉位置に戻された場合には、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のバルブ開度がバルブ全閉位置に戻った時点で、タイマーカウントがリセットされ、再びEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4がバルブ全閉位置から開弁作動方向に駆動されると、タイマーカウントが開始される。
また、図3(b)に示したように、設定時間内にEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4が閉弁作動されない場合には、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の開弁状態継続時間が、予め決められた設定時間を越えた時点で、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のバルブ開度がバルブ全閉位置となるように、電動モータ8への電力を制限することで、スプリングの付勢力(スプリング荷重)を利用してEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を強制的に閉弁作動させる。また、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のバルブ開度をバルブ全閉位置に戻した時点で、タイマーカウントがリセットされ、再びEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4がバルブ全閉位置から開弁作動方向に駆動されると、タイマーカウントが開始される。
これによって、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の外径側端部の端面の外周全体に周設された円環状のシールリング溝5に嵌め合わされて、拡径方向の張力によるハウジング2のシールリングシート面12に対するシール機能を持つC字状のシールリング6が、図2に示したように、ハウジング2のシールリングシート面12に密着するため、シールリング6自体の軸線方向に対して略直交する半径方向(縮径方向)に押し戻される。
そして、図2(a)に示したように、エンジンの各気筒の燃焼室より流出した排気ガス中に含まれる不純物が、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のシールリング溝5内(特にシールリング溝底面23とシールリング内径面44との間の環状空間内)に侵入したとしても堆積および滞留してデポジット(固形化または粘着化を含む)を形成する前、あるいは目詰まりする前にEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のシールリング溝5内から排出することができる。具体的にはEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の開弁状態を継続している際に、シールリング溝底面23とシールリング内径面44との間の環状空間内に侵入した不純物が、第1、第2シールリング溝壁面21、22と第1、第2シールリング側面41、42との間の環状空間を通ってEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のシールリング溝5の外部に吐き出される。
これにより、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のシールリング溝5内での不純物の堆積および滞留または目詰まりを防止できるので、バタフライ型バルブ4のシールリング溝5とシールリング6との間の空間(特にシールリング溝底面23とシールリング内径面44との間の環状空間、あるいは第1、第2シールリング溝壁面21、22と第1、第2シールリング側面41、42との間の環状空間)が目詰まりすることはなく、エンジンの運転状態や自動車等の車両の走行状態が変化した時(例えばエンジンの運転停止時)にEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を閉弁作動させる際に、シールリング6が自身の縮径方向に容易に収縮することができる。
このため、例えばエンジンの運転状態や自動車等の車両の走行状態が変化した時(例えばエンジンの運転停止時)に開弁状態のバタフライ型バルブ4を全閉位置に確実に戻すことができるので、バルブ全閉時にシールリング6自体の軸線方向に対して略直交する半径方向(拡径方向)の張力によって、シールリング6がハウジング2のシールリングシート面12に密着することで、バタフライ型バルブ4の外周面とハウジング2のシールリングシート面12との間の円環状隙間が完全にシールされる。したがって、シールリング6の収縮不能に伴うバルブティックを防止することができる。また、バルブ全閉時のEGRガス洩れ流量が最小(またはゼロ)となるので、EGR制御弁1を含む排気ガス再循環装置の信頼性を向上することができる。
ここで、エンジンの運転中に設定時間内に閉弁作動せず、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の開弁状態継続時間が設定時間を越えた時点で、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を全閉作動(バルブ全閉位置となるように閉弁作動)させるシステムを搭載した場合、運転者がアクセル操作量を変更していない状態で(現状では全閉作動させる状況ではない状態で)、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を強制的に全閉作動させると、エンジンの運転状態が変化するため、運転者がドライバビリティに違和感を覚える可能性がある。
そこで、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を強制的に全閉作動させて、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のバルブ開度をバルブ全閉位置に保持する時間を極めて短時間の一定時間(例えば0.5〜2秒間程度)内にしておくことが望ましい。
一方、近年、ディーゼルエンジンにおいても、排気ガス還流管を経てエンジン吸気管に還流するEGRガスをエンジン吸気管内に大量に入れて排気ガス浄化性能(有害物質の低減効果)を更に改善したいという要望から、EGR制御弁1の開弁時に、ターボ過給機によって過給された吸入空気の流量(新規吸入空気量)が少なくなるように、新規吸入空気とEGRガスとが合流する合流部より空気流方向の上流側(ターボ過給機のタービン側)のエンジン吸気管内の吸気通路を絞るインテークシャッター(スロットルバルブ)が使われ始めている。そして、排気ガス再循環装置は、EGR制御弁1のバルブ開度(実EGR開度)が一定であれば、一般的にインテークシャッターよりも空気流方向の下流側の吸気管負圧が小さい程、EGR量が多くなり、排気ガス浄化性能(有害物質の低減効果)が向上することが知られている。
このようにインテークシャッターを設けて、EGRガスが大量に還流し易くなったエンジンを搭載した自動車等の車両では、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4が全閉されると、エンジンの各気筒の燃焼室内より排出される排気ガス中の汚染物質(有害物質、NOx等のエミッション)が悪化するため、排気ガス再循環装置の排気ガス浄化性能(有害物質の低減効果)に不信感を与えたりする可能性がある。
そこで、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を強制的に全閉作動させて、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のバルブ開度をバルブ全閉位置に保持する時間を極めて短時間の一定時間(例えば0.5〜2秒間程度)内にしておくことが望ましい。
図4は本発明の実施例2を示したもので、図4はEGR制御弁のバタフライ型バルブの主要構造を示した図である。
本実施例の排気ガス再循環装置は、図4に示したように、バタフライ型バルブ4の外径側端部の端面の外周全体に周設された円環状のシールリング溝5内に、切欠隙間45を有し、自身の拡径方向の張力を利用してハウジング2のシールリングシート面12に対するシール機能を持つC字状のシールリング6を組み合わ(嵌め合わ)したEGR制御弁1を使用している。このようなEGR制御弁1においては、シールリング6自身の拡径方向の張力による伸びにより、バタフライ型バルブ4のバルブ全閉位置近傍(バルブ全閉位置前後:例えば±4°程度)にEGRガス洩れ量の増加しない範囲(EGRガス洩れ量不感帯)がある。これは、シールリング6が、自身の張力により拡径方向に拡径するため、バタフライ型バルブ4のバルブ開度(実EGR開度)がバルブ全閉位置より外れても、自身の張力による拡径方向への変位が限界となるまでは、ハウジング2のシールリングシート面(流体流路の流路壁面)12に密着し続けることができるからである。
そこで、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の開弁状態継続時間が設定時間を越えた時点で、バタフライ型バルブ4を全閉作動(バルブ全閉位置となるように閉弁作動)させた後に、バタフライ型バルブ4をEGRガス洩れ量不感帯の範囲(バルブ全閉位置前後:例えば±4°程度)内においてバルブ全閉位置を跨いで、図4に示したように、バタフライ型バルブ4を1回以上往復作動させるようにしている。これにより、バタフライ型バルブ4のシールリング溝5内に嵌合したシールリング6の半径方向の動きを大きくし、回数を増やすことができるので、エンジンの各気筒の燃焼室より流出した排気ガス中に含まれる不純物が、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4のシールリング溝5内(特にシールリング溝底面23とシールリング内径面44との間の環状空間内)に侵入した場合でも、実施例1と比べてより確実な不純物の排出効果を得ることができる。
図5および図6は本発明の実施例3を示したもので、図5(a)、(b)および図6はEGR制御弁のバルブ開度制御方法を示したタイミングチャートである。
本実施例のECU10には、自動車等の車両の車室内を空調(冷房)するための空調装置(エアコン、車両に搭載された他のシステム)に組み込まれる冷凍サイクルのコンプレッサ(制御機器)の駆動軸とエンジンのクランクシャフトにベルト駆動されるプーリとの間の動力伝達を断続する電磁クラッチ(制御機器)のオン(ON)状態、オフ(OFF)状態を検出するコンプレッサ運転状態検出手段が接続されている。なお、コンプレッサの電磁クラッチは、エアコン操作パネル上のエアコン(A/C)スイッチによりON、OFFすることができる。
また、ECU10は、冷凍サイクルのエバポレータの温度が第1所定値以下に低下した時点で、コンプレッサの電磁クラッチを強制的にOFFすることができる。また、ECU10は、冷凍サイクルのエバポレータの温度が第1所定値よりも高温側の第2所定値以上に上昇した時点で、コンプレッサの電磁クラッチを強制的にONすることができる。また、ECU10には、自動車等の車両の走行状態が定速走行状態から減速走行状態に移行したことを検出する走行状態検出手段が接続されている。なお、走行状態検出手段としては、エンジンの運転中に運転者がアクセルペダルより足を離した時、つまりアクセル全閉(0%)の時を、自動車等の車両の走行状態が定速走行状態から減速走行状態に移行した時であると判断しても良い。
ここで、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の開弁状態継続時間が設定時間を越えた時点で、バタフライ型バルブ4をバルブ全閉位置となるように強制的に全閉作動(閉弁作動)させると、エンジンの運転状態に影響がでる場合があるため、バタフライ型バルブ4の全閉作動を、図5(a)、(b)に示したように、エアコンのコンプレッサのON−OFF作動時のような運転者の気付き難い状態で行う。すなわち、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の開弁状態継続時間が設定時間を越え、しかもエアコンのコンプレッサの作動状態が変化(電磁クラッチON→OFFまたは電磁クラッチOFF→ON)した時点で、バタフライ型バルブ4をバルブ全閉位置となるように強制的に全閉作動(閉弁作動)させるようにする。
また、バタフライ型バルブ4の全閉作動を、図6に示したように、自動車等の車両の走行状態が定速走行状態から減速走行状態に移行した時のような運転者の気付き難い状態で行う。すなわち、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の開弁状態継続時間が設定時間を越え、しかも定速走行中に運転者がアクセルペダルより足を離し、自動車等の車両の走行状態が減速走行状態に移行した時点で、バタフライ型バルブ4をバルブ全閉位置となるように強制的に全閉作動(閉弁作動)させるようにする。
したがって、エンジンのアイドル運転時およびエンジン始動時を含むエンジンの運転中に、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を強制的に全閉作動(閉弁作動)させることによって運転者が感じる運転性(ドライバビリティ)の変化を最小に抑えることができる。なお、エンジン制御システムと異なる、車両に搭載された他のシステムの制御機器の作動状態が変更された時点としては、カーオーディオまたはナビゲーションシステム、あるいはドアロック、あるいはパワーウインドウ等が運転者のスイッチ操作により作動状態が変更された時点も含むものとする。
図7および図8は本発明の実施例4を示したもので、図7(a)、(b)および図8はEGR制御弁のバルブ開度制御方法を示したタイミングチャートである。
ここで、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4の開弁状態継続時間が設定時間を越えた時点で、バタフライ型バルブ4をバルブ全閉位置となるように強制的に全閉作動(閉弁作動)させる場合、バタフライ型バルブ4の開弁状態継続時間が、バタフライ型バルブ4を全閉作動させるべき時間(設定時間)になっても、運転者の気付き難い状態にタイミング良くなるとは限らない。
そこで、運転者に感じ難く、且つ確実にバタフライ型バルブ4の全閉作動を行うという目的で、図7(a)、(b)に示したように、予め決められた設定時間よりも短い時間(プレ時間:例えば20分間)から設定時間に達するまでの間に、エアコンのコンプレッサの作動状態が変化(電磁クラッチON→OFFまたは電磁クラッチOFF→ON)した時点で、バタフライ型バルブ4をバルブ全閉位置となるように強制的に全閉作動(閉弁作動)させるようにする。これによって、運転者がエンジンの運転状態の変化に気付き難くなり、運転者に分かるドライバビリティの変化を最小限に抑えることができる。
また、図8に示したように、予め決められた設定時間よりも短い時間(プレ時間)から設定時間に達するまでの間に、定速走行中に運転者がアクセルペダルより足を離し、自動車等の車両の走行状態が減速走行状態に移行した時点で、バタフライ型バルブ4をバルブ全閉位置となるように強制的に全閉作動(閉弁作動)させるようにする。これによって、運転者がエンジンの運転状態の変化に気付き難くなり、運転者に分かるドライバビリティの変化を最小限に抑えることができる。
[変形例]
本実施例では、ハウジング2の内部に直接バタフライ型バルブ4を開閉自在に収容しているが、ハウジング2の内周に円筒状のライナー(ノズル)または円筒状のバルブシートを嵌合保持し、更にライナー(ノズル)の内部またはバルブシートの内部にバタフライ型バルブ4を開閉自在に収容しても良い。また、本実施例では、ハウジングを、排気ガス還流管の途中に接続したハウジング2によって構成しているが、ハウジングを、エンジン吸気管の一部およびエンジン排気管の一部を成すハウジングによって構成しても良い。また、本実施例では、エンジンの運転状態に対応してEGRガスの排気ガス還流量(EGR量)を可変制御するEGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を、シャフト7の軸線方向の先端側に例えば溶接等の固定手段を用いて保持固定しているが、そのバタフライ型バルブ4を、シャフト7の軸線方向の先端側に締結用ネジや固定用ボルト等のスクリューを用いて締め付け固定しても良い。
本実施例では、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を開弁駆動するバルブ駆動装置を、電動モータ8と例えば歯車減速機構9等の動力伝達機構とを備えた電動式アクチュエータによって構成したが、バタフライ型バルブを開弁駆動または閉弁駆動するバルブ駆動装置を、電磁式または電動式負圧制御弁を備えた負圧作動式アクチュエータや、電磁式流体制御弁等の電磁式アクチュエータによって構成しても良い。なお、EGR制御弁1のバタフライ型バルブ4を閉弁方向または開弁方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段を設置しなくても良い。
本発明のバルブを、エンジンの燃焼室内に吸入される吸入空気量を制御するスロットルバルブ等の吸気制御弁、エンジンの燃焼室内より排出される排気ガス量を制御する排気制御弁、スロットルバルブをバイパスする吸入空気量を制御するアイドル回転速度制御弁に適用しても良い。
本実施例では、本発明の流体制御弁を、EGRガス(高温流体)等の流体の流量を制御するEGR制御弁1に適用しているが、このような流体流量制御弁に限定する必要はなく、流体流路開閉弁、流体流路切替弁、流体圧力制御弁に適用しても良い。また、本発明の流体制御弁を、タンブル流制御弁やスワール流制御弁等の吸気流制御弁、吸気通路の通路長や通路断面積を変更する吸気可変弁等に適用しても良い。また、本実施例では、内燃機関として、ターボチャージャー付ディーゼルエンジン等の内燃機関(ターボ過給機付エンジン)を採用しているが、内燃機関として、ターボチャージャー(ターボ過給機)を搭載しないタイプの内燃機関を用いても良い。また、内燃機関として、ガソリンエンジンを用いても良い。
(a)は排気ガス再循環装置の主要構造を示した断面図で、(b)はシールリングを示した平面図である(実施例1)。 (a)、(b)はEGR制御弁のバタフライ型バルブの主要構造を示した説明図である(実施例1)。 (a)、(b)はEGR制御弁のバルブ開度制御方法を示したタイミングチャートである(実施例1)。 EGR制御弁のバタフライ型バルブの主要構造を示した説明図である(実施例2)。 (a)、(b)はEGR制御弁のバルブ開度制御方法を示したタイミングチャートである(実施例3)。 EGR制御弁のバルブ開度制御方法を示したタイミングチャートである(実施例3)。 (a)、(b)はEGR制御弁のバルブ開度制御方法を示したタイミングチャートである(実施例4)。 EGR制御弁のバルブ開度制御方法を示したタイミングチャートである(実施例4)。
符号の説明
1 EGR制御弁(排気ガス還流量制御弁、流体制御弁)
2 ハウジング
3 排気ガス還流路(流体流路)
4 バタフライ型バルブ
5 シールリング溝(環状溝)
6 シールリング
8 電動モータ(電動式アクチュエータ)
9 歯車減速機構(動力伝達機構、電動式アクチュエータ)
10 ECU(エンジン制御ユニット)
12 ハウジングのシールリングシート面(流体流路の流路壁面)

Claims (7)

  1. (a)内部に、内燃機関の気筒に連通する流体流路が形成されたハウジング、
    前記流体流路内に開閉自在に収容されて、外周に環状溝が形成されたバルブ、
    および前記環状溝内に装着されて、前記流体流路の流路壁面に密着して前記ハウジングと前記バルブとの間の隙間をシールするシールリング
    を有する流体制御弁と、
    (b)この流体制御弁のバルブ位置を制御する制御ユニットと
    を備えた内燃機関用流体制御装置において、
    前記流体制御弁のバルブは、前記流体流路の流路壁面との間の隙間が最小となる全閉位置から、前記流体流路の流路壁面との間の隙間が最大となる全開位置に至るまでの作動範囲で回転動作を行うバタフライ型バルブであって、
    前記制御ユニットは、前記内燃機関の運転時に前記バタフライ型バルブの作動履歴または前記内燃機関の運転状態を確認し、
    前記バタフライ型バルブの作動履歴または前記内燃機関の運転状態が所定の条件を満足した時点で、
    前記バタフライ型バルブのバルブ位置が、前記バタフライ型バルブの全閉位置となるように、前記バタフライ型バルブを強制的に閉弁作動させることを特徴とする内燃機関用流体制御装置。
  2. (a)内部に、内燃機関の気筒に連通する流体流路が形成されたハウジング、
    前記流体流路内に開閉自在に収容されて、外周に環状溝が形成されたバルブ、
    および前記環状溝内に装着されて、前記流体流路の流路壁面に密着して前記ハウジングと前記バルブとの間の隙間をシールするシールリング
    を有する流体制御弁と、
    (b)この流体制御弁のバルブ位置を制御する制御ユニットと
    を備えた内燃機関用流体制御装置において、
    前記流体制御弁のバルブは、前記流体流路の流路壁面との間の隙間が最小となる全閉位置から、前記流体流路の流路壁面との間の隙間が最大となる全開位置に至るまでの作動範囲で回転動作を行うバタフライ型バルブであって、
    前記制御ユニットは、前記内燃機関の運転時に前記バタフライ型バルブの開弁状態が継続する時間を計測し、
    前記バタフライ型バルブの開弁状態継続時間が設定時間を越えた時点で、
    前記バタフライ型バルブのバルブ位置が、前記バタフライ型バルブの全閉位置となるように、前記バタフライ型バルブを強制的に閉弁作動させることを特徴とする内燃機関用流体制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の内燃機関用流体制御装置において、
    前記流体制御弁は、前記バタフライ型バルブの全閉位置近傍に流体流量が変化しない不感帯を有し、
    前記制御ユニットは、前記バタフライ型バルブを強制的に閉弁作動させた後に、
    前記バタフライ型バルブを前記不感帯の範囲内において前記バタフライ型バルブの全閉位置を跨いで1回以上往復作動させることを特徴とする内燃機関用流体制御装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の内燃機関用流体制御装置において、
    前記内燃機関および前記流体制御弁は、車両に搭載されており、
    前記制御ユニットは、前記車両の走行状態が変更された時点で、あるいは前記内燃機関の運転状態が変更された時点で、あるいは前記車両に搭載された他のシステムの制御機器の作動状態が変更された時点で、
    前記バタフライ型バルブのバルブ位置が、前記バタフライ型バルブの全閉位置となるように、前記バタフライ型バルブを強制的に閉弁作動させることを特徴とする内燃機関用流体制御装置。
  5. 請求項2に記載の内燃機関用流体制御装置において、
    前記内燃機関および前記流体制御弁は、車両に搭載されており、
    前記制御ユニットは、前記設定時間よりも短い時間から前記設定時間に達するまでの間に、
    前記車両の走行状態が変更された時点で、あるいは前記内燃機関の運転状態が変更された時点で、あるいは前記車両に搭載された他のシステムの制御機器の作動状態が変更された時点で、
    前記バタフライ型バルブのバルブ位置が、前記バタフライ型バルブの全閉位置となるように、前記バタフライ型バルブを強制的に閉弁作動させることを特徴とする内燃機関用流体制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の内燃機関用流体制御装置において、
    前記バタフライ型バルブを開弁作動方向または閉弁作動方向に駆動するバルブ駆動装置は、電力の供給を受けると駆動力を発生するモータ、およびこのモータの駆動力を前記バタフライ型バルブに伝達する動力伝達機構を有する電動式アクチュエータによって構成されており、
    前記制御ユニットは、前記モータに供給する電力を調整して、前記バタフライ型バルブのバルブ位置を制御することを特徴とする内燃機関用流体制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の内燃機関用流体制御装置において、
    前記流体制御弁は、前記内燃機関の気筒より流出する排気ガスの一部を前記内燃機関の吸気系に再循環させる排気ガス再循環装置に組み込まれる排気ガス還流量制御弁であることを特徴とする内燃機関用流体制御装置。
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