JP2007161851A - インクジェット用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、印字した記録材料のカール特性に優れ、さらに画質・堅牢性に優れ、光沢紙に印字した際にも鮮明な光沢感を与えるインクジェット用インクを提供することにある。
【解決手段】少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であるインクジェット用インクにおいて、エポキシ樹脂(セメダイン社製エポキシ系接着剤EP330を硬化させた樹脂)を用いた浸漬実験による質量変化率が±0.2〜8.0%であり、かつ該水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方式で用いるインクジェット用インクに関するものである。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御するインクジェット記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェット画像記録システムでは、用いることのできる記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップ等が問題となる。
一方、オフィスにおいては、記録媒体(例えば、普通紙、コート紙、アート紙)の制約を受けずに高速でフルカラー印字が行えるシステムのニーズが益々高まりつつある。
特に安価であり、また入手が容易である普通紙(例えば、PPC用紙、印刷用非塗工紙など)に対して高画質な印刷を高速に行うことが望まれているが、普通紙印刷では水性インクを使用した場合には印刷後のカール、コックリングが大きな課題となっていた。一方、油性インクを使用した場合にはカール、コックリングについては問題ないが、水性インクよりも浸透力が大きく文字画質、にじみ、低い反射濃度等の課題があった。これまで普通紙印刷の課題を解決するために記録液の組成を始めとして種々の検討が行われてきたが、カール、コックリング、画像濃度、文字品位の全てを満足するインクは得られていなかった。
水性インクを用いた普通紙記録時のカール、コックリングを防止する方法としては、インク中に特定のジオール類を添加する技術が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法でもインク打ち込み量の多い画像を印刷する場合には、カールおよびコックリングが発生するという問題があった。あるいは、インク中にカゼイン類を添加することによりカール、コックリングを防止する技術が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法では顔料を含むインクに対しては分散安定性を劣化させるという問題があった。
普通紙を用いた場合のカール発生に着目した技術として、特定の有機溶剤を特定の比率で含有することにより、カールの発生を抑え、文字品質や出射性をあわせて改良する技術が公開されている(特許文献3〜5参照)。
これらの特許明細書中に公開されている技術は確かにカール抑制に効果があることが確認されたが、プリンタに搭載し長期間保存した後に出力した場合、インクジェットヘッドの構成部材がインクの浸食を受け、フェザリング等の画質、擦過性等の堅牢性が低下してしまうという難点を有することが判明した。さらにいわゆる写真画質を目的とした専用光沢紙を用いた場合、形成される画像の写像性が劣化してしまい、形成された画像の光沢が不自然に感じられてしまうという課題も存在することが明らかとなった。
これまで、非水系の油系インクやカチオン重合性の光硬化型インク等によりインクジェットヘッドの部材が浸食され出射性が劣化してしまうという報告はあるが(特許文献6〜8)、水系のインクにおいてプリンタの構成部材を浸食し、画質性能や画像保存性が劣化してしまうという現象は全く報告されていなかった。
特開平6−157955号公報 特開平5−208547号公報 特開2005−220296号公報 特開2005−220297号公報 特開2005−220298号公報 特開2001−301160号公報 特開2001−301178号公報 特開2004−98553号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、印字した記録材料のカール特性に優れ、さらに画質・堅牢性に優れ、光沢紙に印字した際にも鮮明な光沢感を与えるインクジェット用インクを提供することにある。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
1.少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であるインクジェット用インクにおいて、エポキシ樹脂(セメダイン社製エポキシ系接着剤EP330を硬化させた樹脂)を用いた浸漬実験による質量変化率が±0.2〜8.0%であり、かつ該水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することを特徴とするインクジェット用インク。
2.前記SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤の25℃における蒸気圧が0.01Pa以上、133Pa以下であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット用インク。
3.前記SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤として、水とを混合した際にその混合比により粘度の極大部を示す有機溶剤を用い、かつ極大部の近傍の比率で水と該水溶性有機溶剤とが混合されていることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット用インク。
本発明によれば、印字した記録材料のカール特性に優れ、さらに画質・堅牢性に優れ、光沢紙に印字した際にも鮮明な光沢感を与えるインクジェット用インクを提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者は、上記課題鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であるインクジェット用インクにおいて、エポキシ樹脂(セメダイン社製エポキシ系接着剤EP330を硬化させた樹脂)を用いた浸漬実験による質量変化率が±0.2〜8.0%であり、かつ該水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することを特徴とするインクジェット用インクにより、本発明の目的を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細に説明する。
本発明のインクジェット用インクにおいては、少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であるインクジェットインクにおいて、エポキシ樹脂(セメダイン社製エポキシ系接着剤EP330を硬化させた樹脂)を用いた浸漬実験による質量変化率が±0.2〜8.0%であり、かつ該水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することを特徴とする。
全インク中の水の含有量が50質量%以上ではカール、コックリングが劣悪になる。また、10質量%未満では、他の溶剤組成をもってしても顔料の分散安定性が劣悪になる。
全インク中の水の含有量としては、20質量%以上40質量%未満であることがさらに好ましい。
本発明のインクジェットインクにおいては、インクジェットヘッドの構成部材を浸食しにくい特性を有する特徴を持つ。水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であり、さらに特定の範囲のSP値を持つ水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有するインクにおいて、プリンタ内に装填し長期間保存しておくと前記のように画質や堅牢性が劣化してしまう難点を有することが判明した。
本発明者の検討から、上記のインクを長期間プリンタに装填した場合、インクジェットヘッドの構成部材が浸食を受け、溶出した微量成分が性能に悪影響を及ぼしていることが判明した。従来、非水系のインクにおいてはインクジェットヘッド部材がインクに浸食され、出射性に大きな悪影響を受けることは知られていた。しかしながら水系インクにおいてはそのような浸食例は少なく、しかも画像性能に影響することは知られていなかった。
今回の検討結果で興味深い点は、溶出した微量成分が画質に影響を与えることにある。今回、エポキシ樹脂の浸漬実験における質量変化率が本発明の範囲に入らないインクを用いた場合、特に普通紙を用いた場合にフェザリングと呼ばれる現象が発現し、文字品質が劣化してしまうことが判明した。普通紙は一般的にサイズ剤で処理をされており、紙を形成するセルロース繊維の表面は疎水的になっている。本発明外のインクを長期間プリンタ中に装填しておくと、インクジェットヘッド部材がインクの浸食を受けて一部が溶出するものと考えられる。その溶出した微量成分は疎水的であるため、インクが普通紙上に印字された際にインクとセルロース繊維との親和性が高くなり、インクが繊維に沿って浸透しやすくなるため画像の縁部分がひげ状ににじんだような、いわゆるフェザリング現象が発現するものと推測した。
そのような溶出成分は、該当するインクをいわゆる空隙構造を有する写真画質の光沢紙上に印字した際に、形成された画像の写像性を劣化させてしまうことも判明した。顔料インクが光沢紙上に印字された際、顔料成分は空隙孔径よりも大きいために光沢紙内部に浸透できずに表面に残存する。インクの液体成分が浸透して行くにつれ、残された顔料は濃縮される形となる。そのような濃縮された状態では、インクジェットヘッド部材より溶出した微量成分が顔料同士を引きつける作用を示し顔料粒子同士を凝集させ、結果的に画像表面の平滑性が損なわれてしまうものと推測した。インク中では溶出成分も顔料も濃度が低いため、そのような作用は生じにくいものと考えられる。
さらにその溶出成分は擦過性を劣化させる現象も発現させてしまう。上記のように光沢紙上では顔料粒子同士が凝集してしまい、表面の凹凸が大きくなる。そのため物理的にこすられた場合、はがれ落ちやすくなっているものと推定した。
本発明者の検討により、ある特定のエポキシ樹脂を用いた浸漬実験により、インクジェットヘッド部材の浸食状況を代用評価できることがわかった。インクジェットヘッドには種々様々な部材が用いられており、またヘッド種によってもその部材の種類が異なるため、部材の点数は膨大な数に上る。そのためすべてのインクジェットヘッドの部材で、インクがどのような浸食効果を発現するかを評価することは現実的ではない。代表的な部材を用い検討を行った結果、セメダイン社製のエポキシ系接着剤EP330を事前に硬化させた樹脂が、代用評価に最適であることが判明した。該樹脂は前記特許文献6〜8において非水系インクに対して浸食されにくい部材として報告されており、そのような樹脂が本発明のような水系インクの浸食を受けることは全く想像できなかった。
本発明における浸食実験は、以下の手順で行うことができる。まずセメダイン社製のEP330を1gずつ硬化させた樹脂ペレットを作成しておく。ここで硬化は接着性のないフィルム上に主剤と硬化剤をと1:1で0.5gずつ取り出し混合し、40℃のオーブン中で12時間加熱して行っている。得られた樹脂ペレットを評価するインク50g中に浸漬し、そのまま60℃のオーブン中に7日間放置する。その後、樹脂ペレットを取り出し純水で洗浄・乾燥した後、質量を測定し、実験前の質量と比較することで質量変化率を求めることができる。この評価を部材耐性評価と称する。
本発明において質量変化率は±0.2〜8.0%の範囲にあり、±0.2〜5.0%の範囲が好ましく、±0.2〜3.0%がさらに好ましい。
質量変化率が±8.0%を超えてしまうと性能の劣化が著しくなり、実用上、大きな問題となる。一方、興味深い点は変化率が±0.2%未満の場合に性能が劣化する点である。その理由は推定の域を出ないが、エポキシ樹脂に対する浸食性が低すぎると、顔料粒子に対する親和性が低すぎるようになり、光沢紙上で粒子同士の凝集が起こりやすくなるためではないかと考えている。
本発明のインクはSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有する特徴を有する。この添加量が30質量%未満であると、普通紙記録時のカール、コックリングが極めて大きくなる。
また、この有機溶剤のSP値も16.5未満では、水との相溶性が悪くなり分離が生じる。逆にSP値が24.6以上の有機溶剤ではカール抑制効果が不十分である。
この有機溶剤のSP値の範囲は16.5以上22.5未満であることが更に好ましい。
本発明でいう溶剤の溶解度パラメーター(SP値)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、R.F.Fedors, Polymer Engineering Science, 14, p147(1974)に記載の方法で計算することができる。単位は(MPa)1/2であり、25℃における値を指す。
以下、SP値が16.5以上24.6未満に該当する水溶性有機溶剤の例をSP値と共に示す。いうまでもなく本発明はこれに限定されるものではない。
エチレングリコールモノメチルエーテル(SP値:24.5)
エチレングリコールモノエチルエーテル(23.5)
エチレングリコールモノブチルエーテル(22.1)
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(22.3)
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
ジエチレングリコールジエチルエーテル(16.8)
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(22.1)
トリエチレングリコールモノエチルエーテル(21.7)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
プロピレングリコールモノフェニルエーテル(24.2)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(20.4)
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(21.8)
さらに、SP値が16.5以上24.6未満に該当する水溶性有機溶剤のうち20℃における蒸気圧が0.01Pa以上、133Pa以下の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することが好ましく、0.01Pa以上、66Pa以下の有機溶剤を含有することががさらに好ましい。これに該当する水溶性有機溶剤の一例としては、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(3.99Pa)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(1.33Pa未満)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(1.33Pa未満)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(24.00Pa)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(17.33Pa)等がある。
本発明では上記の水溶性有機溶剤に加えて各種水溶性有機溶剤を併用することができる。
好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)が挙げられる。
本発明のインクにおける水溶性有機溶剤のうち、水とを混合した際にその混合比により粘度の極大部を示す有機溶剤を用いることが好ましく、かつ該極大部の近傍の比率で水と該水溶性有機溶剤とが混合されていることが出射性やデキャップの点でさらに好ましい態様の一つである。ここで言う近傍とは、水と水溶性有機溶媒との質量比の合計を100%としたとき、極大部を示す比率の上下10%以内をいう。例えば、水と有機溶媒との比率が50:50で極大部を示すとき、40:60から60:40を近傍とする。
水と混合した際に、その混合比により粘度の極大部を示す溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等)、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等)、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等)、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等)、ジプロピレンリコールモノアルキルエーテル類(例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等)、トリプロピレンリコールモノアルキルエーテル類(例えば、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等)等を挙げることができ、好ましくはジアルキレングリコールモノアルキルエーテル類またはトリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類である。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等何れも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明のインクジェットインクに含有する顔料の分散状態の平均粒子径は、50nm以上200nm未満であることが好ましい。顔料分散体の平均粒子径が50nm未満あるいは200nm以上では顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、記録液の保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来るが、動的光散乱法による測定が簡便でこの粒子径領域の精度が良く多用される。
本発明で用いられる顔料は、分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。中でもサンドミルによる分散により製造されるインクの粒度分布がシャープであり好ましい。また、サンドミル分散に使用するビーズの材質はビーズ破片やイオン成分のコンタミネーションの点から、ジルコニアまたはジルコンが好ましい。さらに、このビーズ径としては0.3mm〜3mmが好ましい。
本発明で用いられる分散剤としては、従来公知な高分子分散剤を好ましく用いることができ、中でもアクリル系高分子や、ウレタン系高分子が好ましく用いることができる。
また本発明のインクにおいては、上記高分子分散剤と共に、あるいは単独で公知の顔料分散剤、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の界面活性剤等の使用することを妨げるものではない。
次いで、上記説明した以外の本発明のインクの各構成要素について説明する。
本発明のインクのpHは、7.0以上であることが好ましく、より好ましくは8.05〜10.0であり、上記のpHとすることにより、出射安定性が良好で、かつ高濃度で好ましい光沢を有する画像を得ることができる観点から好ましい。
本発明のインクで用いられるpH調整剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や、鉱酸が挙げられる。
また、本発明のインクの表面張力は、25℃において25〜50mN/mであることが好ましい。より好ましくは25〜40mN/mであり、さらに好ましくは25〜35mN/mである。インクの表面張力が25mN/m未満になると、記録媒体への吸収速度が速くなり、顔料粒子同士による凝集を引き起こし、ブロンジングの発生や光沢、耐擦過性の低下を招く結果となる。また、インクの表面張力が50mN/mを超えると、記録媒体上に着弾したインク液滴が長い間留まることによる色濁りを引き起こし、高精細な画像を得ることができなくなる。
本発明でいう表面張力は、例えば、各種水溶性有機溶媒及び下記の各種界面活性剤を用いて、種類及び添加量を適宜調整することにより、所望の表面張力に調整することができる。
また、表面張力の測定方法については、一般的な界面化学、コロイド化学の参考書等において述べられているが、例えば、新実験化学講座第18巻(界面とコロイド)、日本化学会編、丸善株式会社発行:P.68〜117を参照することができ、具体的には、輪環法(デュヌーイ法)、垂直板法(ウィルヘルミー法)を用いて求めることができる。
上記表面張力を達成する手段の1つとして、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる各界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
本発明においては、界面活性剤として、アセチレン系界面活性剤を用いることが、出射安定性が良好で、かつ高濃度で好ましい光沢を有し、均一性にすぐれた画像を得ることができる観点から好ましい。
アセチレン系界面活性剤であれば特に制限はないが、例えば、アセチレングリコール類、アセチレンアルコール類等が挙げられ、さらに好ましくは、アセチレン基とアルキレンオキシド鎖とを有する界面活性剤であり、例えば、サーフィノール465(日信化学工業社製)を挙げることができる。
また、本発明のインクにおいて、インク粘度としては25℃で1〜40mPa・sであることが好ましく、より好ましくは5〜40mPa・sであり、更に好ましくは5〜15mPa・sである。また本発明に係るインクにおいて、インク中の溶存酸素濃度は、25℃で2ppm以下であることが好ましく、この溶存酸素濃度条件とすることにより、気泡の形成を抑制することができ、高速印字においても出射安定性に優れたインクジェット記録方法を実現することができる。インク中に溶存している溶存酸素を測定する方法としては、例えば、溶存酸素測定装置DO−14P(東亜電波(株)製)を用いて測定することができる。
また、本発明のインク中には、インクの多価金属イオンであるカルシウムイオン、マグネシウムイオン及び鉄イオンの総含有量が、10ppm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5ppm、特に好ましくは0.1〜1ppmである。
インクジェット用インク中の多価金属イオンの含有量を、上記で規定した量とすることにより、高い分散安定性を有するインクを得ることができる。本発明に係る多価金属イオンは、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、有機アンモニウム塩、EDTA塩等に含有されている。
本発明のインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
本発明のインクジェット用インクを用いた画像形成方法においては、例えば、インクジェット用インクを装填したインクジェットプリンタ等により、デジタル信号に基づきインクジェット記録ヘッドよりインクを液滴として吐出させ記録媒体に付着させることでインクジェットプリントが得られる。
本発明のインクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェット記録ヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
その中でも、本発明のインクジェットインクを用いる場合には、30μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、記録材料に記録を行うこと、更に、30μm以下のノズル径を有するラインヘッド方式のピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、記録材料に記録を行うこと、また、30μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドを用いて、20ppm以上の印字速度で、記録材料に画像記録することが好ましい。
インクジェットプリンタの印字方式として、シャトルヘッド方式の記録ヘッドに対し、ラインヘッド方式の記録ヘッドを用いて印字することにより、本発明のインクの印字特性を十分に引き出すことができ、その結果、インク液滴の記録材料への着弾時の極めて良好なドット形状(真円性)や印字精度を達成することができる。
また、本発明のインクは、出射安定性やデキャップ耐性に優れた特性を有しており、高速印字に優れた特性を持っており、印字速度として、20ppm以上の高速で印字することが好ましく、より好ましくは20ppm以上、100ppm以下であり、より好ましくは25ppm以上、50ppm以下である。なお、本発明でいうppmとは、A4サイズの記録材料の1分間当たりの印字枚数(Page Per Minute)を指す。
本発明のインクジェットインクに対して用いる記録材料としては、印字するインクの吸収性、保持性を有していれば制限なく用いることができ、例えば、非吸収性支持体、あるいは吸収性支持体上のインクを吸収、保持するインク吸収層を設けたインクジェット専用の記録材料や、コート紙、非コート紙等の紙支持体を用いることができるが、記録材料として普通紙を用いて画像印字を行うことが、本発明による裏抜け防止効果や高い文字品質の画像が得られ観点から好ましい。
そのような普通紙としては、特に制限はないが、非塗工紙、特殊印刷用紙、及び情報用紙の一部に属する80〜200μmの非コート紙が望ましい。本発明に係る普通紙の構成は、LBKP及びNBKPに代表される化学パルプ、サイズ剤及び填料を主体とし、その他の抄紙助剤を必要に応じて用い、常法により抄紙される。本発明に係る普通紙に使用されるパルプ材としては、機械パルプや古紙再生パルプを併用してもよいし、又、これらを主材としても何ら問題はない。
本発明に係る普通紙に内添されるサイズ剤としては、例えば、ロジンサイズ、AKD、アルニケル無水コハク酸、石油樹脂系サイズ、エピクロルヒドリン、カチオン澱粉及びアクリルアミド等が挙げられる。
また、本発明に係る普通紙に内添される填料としては、例えば微粉珪酸、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、カオリン、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、ディッカイト、パイロフィライト、セリサイト、二酸化チタン、ベントナイト等が挙げられる。
また、本発明に係る普通紙には、本発明のインクの裏抜けや着色剤の定着性を高める観点から、水溶性多価金属塩を含有していてもよい。
本発明に係る普通紙に用いることのできる水溶性多価金属塩としては、特に制限はないが、例えば、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、銅、スカンジウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛などの金属塩、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、クロロ酢酸塩、p−トルエンスルホン酸塩といった塩として添加される。また、水溶性の多価金属イオンの塩として、ポリ塩化アルミニウムのような水溶性無機ポリマーを使用してもよい。水溶性は少なくとも0.1質量%を示すものが好ましく、より好ましくは1質量%を示すものである。中でも、アルミニウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛からなる水溶性塩はその金属イオンが無色なため好ましい。特に好ましいのは、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《インクの調製》
〔顔料分散体1〜11の調製〕
表1に示す比率で各成分を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して顔料分散体1〜11を得た。
〔インク1〜11の調製〕
上記調製した各顔料分散体に表2に示す添加量となるように溶剤と水を加えた後、減圧下、脱気処理を行って、インク1〜11を調製した。
上記表1、表2に略称で記載した各添加剤の詳細は、以下の通りである。
〈溶剤〉
TPGmME:トリプロピレンプリコールモノメチルエーテル
TEGmME:トリエチレングリコールモノメチルエーテル
EGmBE:エチレングリコールモノブチルエーテル
1,2−HDO:1,2−ヘキサンジオール
t−BuOH:ターシャリーブタノール
PG:プロピレングリコール
〈各溶剤単独の蒸気圧、粘度、およびSP値〉
TPGmME:粘度=6.2mPa・s、蒸気圧=4Pa、SP値=20.4
TEGmME:粘度=7mPa・s、蒸気圧<1.3Pa、SP値=22.1
EGmBE:粘度=3.15mPa・s、蒸気圧=114Pa、SP値=22.1
1,2−HDO:粘度>30mPa・s、蒸気圧<1.3Pa、SP値=27.4
t−BuOH:粘度=3.6mPa・s、蒸気圧=4.08kPa、SP値=22.3
PG:粘度=50mPa・s、蒸気圧=11Pa、SP値=32.5
水:粘度=0.87mPa・s、蒸気圧=3.16kPa
上記特性値は、いずれも25℃における値である。
〈溶媒及び水の混合溶媒の粘度特性〉
上記各溶媒と水との溶媒セットについて、混合比を溶媒:水として、100:0〜0:100まで、10質量%ずつ変化させた各溶媒を調製し、それらの混合溶媒の粘度を測定し、得られた結果を下記の通りである。
TPGmME/水の溶媒組成:TPGmME:水が80:20の混合条件で、極大粘度(10.1mPa・s)を示した。
TEGmME/水の溶媒組成:TEGmME:水が80:20の混合条件で、極大粘度(8.6mPa・s)を示した。
EGmBE/水の溶媒組成:EGmBE:水が60:40の混合条件で、極大粘度(3.6mPa・s)を示した。
1,2−HDO/水の溶媒組成:1,2−HDOの比率が増えるにつれ、粘度は単調に増加した。1,2−HDO/水が60:40の混合条件で、粘度は7.8mPa・sであった。
t−BuOH/水の溶媒組成:t−BuOH:水が60:40の混合条件で、極大粘度(4.0mPa・s)を示した。
PG/水の溶媒組成:PGの比率が増えるにつれ、粘度は単調に増加した。PG/水が60:40の混合条件で、粘度は7.6mPa・sであった。
〈顔料〉
Y:C.I.ピグメントイエロー139
C:C.I.ピグメントブルー15:3
M:C.I.ピグメントレッド122
K:カーボンブラック
〈顔料分散剤〉
J501:ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製)
E4570:EFKA−4570(エフカ アディティブズ社製)
B190:Disperbyk−190(ビックケミー・ジャパン社製)
《インクの評価》
[部材耐性の評価]
下記の方法に従い、上記調整したインク1〜11の部材耐性の評価を行った。下記の基準に従って部材耐性を評価し、結果を表2に記載した:
(部材耐性評価方法)
セメダイン社製のEP330を1gずつ硬化させた樹脂ペレットを作成しておく。ここで硬化は接着性のないフィルム上に主剤と硬化剤をと1:1で0.5gずつ取り出し混合し、40℃のオーブン中で12時間加熱して行っている。得られた樹脂ペレットを評価するインク50g中に浸漬し、そのまま60℃のオーブン中に7日間放置する。その後、樹脂ペレットを取り出し純水で洗浄・乾燥した後、質量を測定し、実験前の質量と比較することで質量変化率を求め、この評価を部材耐性評価とした。
○:質量変化率が±0.2〜8.0%の範囲内
×:質量変化率が±0.2%未満
××:質量変化率が±8.0%を超えている
〔形成画像の評価〕
(印字後のカール特性の評価)
ノズル口径が25μm、吐出インク液滴量が4pl、ノズル数が256のシェアモードピエゾ型記録ヘッドを記録材料の幅手方向に10個並列に配置して、1色当たりのノズル解像度1440dpi(本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)、ノズル総数が2560個のラインヘッド方式のインクジェットプリンタ用い、このインクジェットプリンタに上記調製した各インクをそれぞれ装填し、液滴速度8m/sec、インク液滴量4plとなるように記録ヘッドの駆動電圧を調整した。
次いで、記録材料として、A4サイズのコニカミノルタビジネステクノロジー社製のビジネスクラス普通紙を用いて、搬送方向のAサイズの短辺長となるようにして、23℃、30%RHの環境下、10ppmの印字速度(1分間にA4サイズの普通紙を10枚プリントする速度)にて、解像度1440dpi×1440dpiで、200mm×280mmのベタ画像を印字した。次いで、この印字した普通紙を、23℃、20%RHの環境下で平らな台上で印字面を上にして1週間放置し、次いで四隅の浮き上がり高さを測定した。なお、中央部が浮き上がる負カールの試料については、上下を逆にして更に1日放置した後、四隅の浮き上がり高さを測定した。以上のようにして四隅の浮き上がり高さを測定し、下記の基準に従って、カール特性を評価した。
◎:ほとんど平坦で、四隅で最も浮いている箇所でも、浮き上がり高さが5mm未満である
○:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが5mm以上、10mm未満である
△:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが10mm以上、20mm未満である
×:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが20mm以上、または円筒状に丸まってしまい、測定不可である
(フェザリングの評価)
上記方法により、解像度1440dpi×1440dpiで、50mm×50mmのベタ画像を印字した。ベタ画像の印字部と非印字部の境界のひげ状の輪郭の乱れを、輪郭が激しく乱れているものを×、輪郭がシャープで乱れが全くないものを◎として目視により4段階で評価した(良 ◎>○>△>× 劣)。
(写像性の評価)
記録材料としてコニカミノルタフォトイメージング社製インクジェット写真用紙光沢厚手を用いた以外は同様にして、解像度1440dpi×1440dpiで、50mm×50mmのベタ画像を印字した。得られた画像を写像性測定器ICM−1DP(スガ試験機械社製)で反射60度、光学くし2mmでの写像性(光沢値C値%)を測定した。評価は、以下の基準によって行った。
◎:C値%が61以上
○:C値%が60〜51
△:C値%が50〜41
×:C値%が40以下
上記評価ランクにおいて、◎、○が実用上好ましいランクと判断した。
(擦過性の評価)
上記方法により、解像度1440dpi×1440dpiで、50mm×50mmのベタ画像を印字した。次いで、この印字した普通紙を、23℃、20%RHの環境下で平らな台上で印字面を上にして1時間放置した後、消しゴム(MONOトンボ鉛筆社製)で10回擦った時の、印刷部および消しゴムの汚れの発生の有無を目視で判断した。
◎:印刷部および消しゴムに汚れは全く観察されない
○:消しゴムに若干の汚れが観察されるが、印刷部の汚れは観察されない
△:印刷部および消しゴムに汚れが若干観察されるが、実用上は問題ない
×:印刷部および消しゴムの汚れが明確に観察される
以上により得られた各評価結果を表3に示す。
表3に記載の結果より明らかなように、本発明の範囲外であるインクを用いた場合、いずれの性能に劣る結果となった。
これに対し、本発明のインクを場合、カールに優れ、さらに良好な画質と擦過耐性を得られることがわかる。

Claims (3)

  1. 少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上50質量%未満であるインクジェット用インクにおいて、エポキシ樹脂(セメダイン社製エポキシ系接着剤EP330を硬化させた樹脂)を用いた浸漬実験による質量変化率が±0.2〜8.0%であり、かつ該水溶性有機溶剤のうちSP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤を全インクの30質量%以上含有することを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 前記SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤の25℃における蒸気圧が0.01Pa以上、133Pa以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤として、水とを混合した際にその混合比により粘度の極大部を示す有機溶剤を用い、かつ極大部の近傍の比率で水と該水溶性有機溶剤とが混合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
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