JP2007161742A - 硬化性顔料組成物および硬化性顔料分散体 - Google Patents

硬化性顔料組成物および硬化性顔料分散体 Download PDF

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Abstract

【課題】オフッセトインキ、グラビアインキ、カラーフィルター用レジストインキおよびインキジェットインキ、塗料、着色樹脂組成物などに適する、非集合性、流動性に優れた分散性や安定性をもち、かつ、低ヘイズ、高耐熱性の硬化性顔料組成物および顔料分散体を提供する。
【解決手段】イソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネート(a1)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)及び酸性基含有ポリオール(a3)を原料として反応してなる酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]と、顔料とを含有してなる硬化性顔料組成物であって、前記酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の二重結合当量が150〜400であり、かつ、重量平均分子量が3,000〜100,000である硬化性顔料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、インキ、塗料、着色樹脂組成物などの分野に適する、非集合性、流動性に優れた安定な硬化性顔料組成物および硬化性顔料分散体に関する。
一般に、顔料の微細な粒子をオフセットインキ、グラビアインキおよび塗料のようなビヒクルに分散する場合、安定な分散体を得ることが難しく、製造作業および得られる製品の特性に種々の問題を引き起こすことが知られている。例えば、微細な粒子からなる顔料を含む分散体は、往々にして高粘度を示し、製品の分散機からの取り出し、輸送が困難となるばかりでなく、さらに悪い事例では貯蔵中にゲル化を起こし使用困難となることがある。
また、展色物の塗膜表面に関しては、光沢の低下、レベリング不良等の状態不良を生じることがある。また、異種の顔料を混合して使用する場合、凝集による色別れや、沈降などの現象により展色物に色むらや著しい着色力の低下が現れることがある。
以上のような種々の問題点を解決するために、有機顔料を母体骨格として側鎖に酸性基や塩基性基を置換基として有する顔料誘導体を分散剤としてウレタン樹脂と混合する方法が開示されている(特許文献1参照)。
しかし、すべての材料に有効ではなく、特に、有機顔料に対しては、良好な分散体は得られない。また、塗料やインキなどには非常に多くのワニス系が存在するため、これらの方法を用いても一部のワニス系を除いては満足な効果が得られていないのが実状である。さらに分散体中に含まれる樹脂は、耐熱性が高いものはほとんどない。
特開昭62−295966号公報
本発明は、オフッセトインキ、グラビアインキ、カラーフィルター用レジストインキおよびインキジェットインキ、塗料、着色樹脂組成物などに適する、非集合性、流動性に優れた分散性や安定性をもち、かつ、低ヘイズ、高耐熱性の硬化性顔料組成物および顔料分散体の提供を目的とする。
本発明は、イソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネート(a1)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)及び酸性基含有ポリオール(a3)を反応してなる酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]と、顔料とを含有してなる硬化性顔料組成物であって、
前記酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の二重結合当量が150〜400であり、かつ、重量平均分子量が3,000〜100,000である硬化性顔料組成物に関する。
さらに、本発明は、ポリイソシアネート(a1)が、ジイソシアネートの3量体であることを特徴とする硬化性顔料組成物に関する。
さらに、本発明は、ポリイソシアネート(a1)が、イソホロンジイソシアネートの3量体であることを特徴とする硬化性顔料組成物に関する。
さらに、本発明は、酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の不揮発成分中における、ポリイソシアネート(a1)由来の割合が、25重量%〜60重量%であることを特徴とする硬化性顔料組成物に関する。
さらに、本発明は、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)が、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートおよび/又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートであることを特徴とする硬化性顔料組成物に関する。
さらに、本発明は、酸性基含有ポリオール(a3)が、ジメチロールブタン酸又はジメチロールプロピオン酸であることを特徴とする硬化性顔料組成物に関する。
さらに、本発明は、酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]が、ポリイソシアネート(a1)と水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)の反応生成物に、酸性基含有ポリオール(a3)を反応させてなることを特徴とする硬化性顔料組成物に関する。
さらに、本発明は、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体および塩基性基を有するトリアジン誘導体の群から選ばれる少なくとも一種の誘導体を含有することを特徴とする硬化性顔料組成物に関する。
さらに、本発明は、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体が、下記式(1)、式(2)、式(3)および式(4)の群から選ばれる少なくとも1つの塩基性置換基を有することを特徴とする硬化性顔料組成物に関する。
式(1)
式(2)
式(3)
式(4)
式(5)
式(6)
(式中、X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
m:1〜10の整数を表す。
1 、R2 :それぞれ独立に、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、またはR1とR2とが一体となって形成した複素環を表す。ただし、前記複素環は、さらなる窒素、酸素または硫黄原子を含んでいてもよい。
3 :置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基を表す。
4 、R5 、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基を表す。
Y:−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。
8、R9:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基を表す。
Z:置換されていてもよい、アルキレン基、アルケニレン基、またはフェニレン基を表す。
P:式(5)で示される置換基または式(6)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(5)で示される置換基または式(6)で示される置換基を表す。)
さらに、本発明は、前記顔料組成物をワニスに分散させてなる硬化性顔料分散体に関する。
本発明により、高い貯蔵安定性および高い経時安定性を有し、経時による粘度の増大も示さない顔料組成物および顔料分散体を提供できた。本発明の顔料組成物、特に有機顔料を含む顔料組成物を各種ビヒクルに分散することにより、顔料分散性が飛躍的に改善され、安定な顔料分散体が得られる。そのため、本発明の顔料組成物を使用すれば、ビヒクルに含まれる樹脂の顔料分散性が悪い場合でも、常に安定な顔料分散体得ることができる。
本発明は、イソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネート(a1)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)及び酸性基含有ポリオール(a3)を反応してなる酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]と、顔料とを含有してなる硬化性顔料組成物である。
まず、本発明の酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の原料となるイソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネート(a1)について説明する。
ポリイソシアネート(a1)としては、分子中に3つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されることなく、例えば、芳香族ポリイソシアネ−ト、脂肪族ポリイソシアネ−ト、芳香脂肪族ポリイソシアネ−ト、脂環族ポリイソシアネ−ト等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート(a1)は、下記に示すジイソシアネートのトリメチロ−ルプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレ−ト環を有する3量体であることが好ましい。
ジイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネ−ト、脂肪族ジイソシアネ−ト、芳香脂肪族ジイソシアネ−ト、脂環族ジイソシアネ−ト等を挙げることができる。
芳香族ジイソシアネ−トとしては、例えば1,3−フェニレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルジイソシアネ−ト、1,4−フェニレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−トルイジンジイソシアネ−ト、2,4,6−トリイソシアネ−トトルエン、1,3,5−トリイソシアネ−トベンゼン、ジアニシジンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルエ−テルジイソシアネ−ト、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネ−トの等を挙げることができる。
脂肪族ジイソシアネ−トとしては、例えばトリメチレンジイソシアネ−ト、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ペンタメチレンジイソシアネ−ト、1,2−プロピレンジイソシアネ−ト、2,3−ブチレンジイソシアネ−ト、1,3−ブチレンジイソシアネ−ト、ドデカメチレンジイソシアネ−ト、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト等を挙げることができる。
芳香脂肪族ジイソシアネ−トとしては、例えばω,ω’−ジイソシアネ−ト−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネ−ト−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネ−ト−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト等を挙げることができる。
脂環族ジイソシアネ−トとしては、例えば3−イソシアネ−トメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネ−ト、1,3−シクロペンタンジイソシアネ−ト、1,3−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、1,4−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、1,3−ビス(イソシアネ−トメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネ−トメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
上記のうち顔料分散後の粘度を考慮すると、脂肪族ポリイソシアネ−ト、芳香脂肪族ポリイソシアネ−ト、脂環族ポリイソシアネ−トが好ましく、さらには脂環族ポリイソシアネ−ト、特にイソホロンジイソシアネートの3量体が好ましい。
酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の不揮発成分中における、ポリイソシアネート(a1)由来の割合が、25重量%〜60重量%であることが好ましい。25重量%未満では充分な顔料吸着能がないため顔料分散性が悪く、60重量%を越えると、顔料吸着能が高すぎることにより充分な立体反発効果が得られず、顔料分散性は却って低下する。
本発明の酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の原料となる水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)について説明する。
水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)としては、分子中に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物であれば、特に限定されることなく、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明の酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]は、二重結合当量が150〜400であることが好ましい。150未満の樹脂は合成が困難であり、400を越えると、二重結合の導入量が減ることにより硬化が充分でない。
本発明の酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の原料となる酸性基含有ポリオール(a3)について説明する。
酸性基含有ポリオール(a3)としては、分子中に1個以上のカルボキシル基及び2個以上の水酸基を有する化合物であれば、特に限定されることなく、具体的には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸[ジメチロールブタン酸]、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸[ジメチロールプロピオン酸]、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、酒石酸、ジヒドロキシメチル酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、ホモゲンチジン酸等が挙げられる。好適には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸[ジメチロールブタン酸]、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸[ジメチロールプロピオン酸]、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸が用いられる。中でも、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸が好ましい。
また、有機合成により得られる酸性基含有ポリオールを用いてもよい。例えば、酸無水物と多官能アルコールの反応から得られる酸性基含有ポリオールである。
酸無水物としては、分子内に1個の酸無水物基を有する化合物と分子内に2個以上の酸無水物基を有する化合物を用いることができる。これらは単独でも併用でもよい。
分子内に1個の酸無水物基を有する化合物としては、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂肪族環状酸無水物、無水フタル酸、イサト酸無水物、ジフェン酸無水物などの芳香族環状酸無水物、これらに飽和または不飽和脂肪族炭化水素基、アリール基、ハロゲン基、ヘテロ環基などを結合せしめた誘導体などを使用することができる。
分子内に2個以上の酸無水物基を有する化合物としては、テトラカルボン酸二無水物、ヘキサカルボン酸三無水物、ヘキサカルボン酸ニ無水物、無水マレイン酸共重合樹脂などの多価カルボン酸無水物類を使用することができる。
さらに詳しく例示すると、テトラカルボン酸二無水物としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、新日本理化株式会社製「リカシッドTMTA-C」、「リカシッドMTA-10」、「リカシッドMTA-15」、「リカシッドTMEGシリーズ」、「リカシッドTDA」などを使用できる。
多官能アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族グリコール類、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール類、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族基を含むグリコール類、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオール類を使用できる。
さらに、多官能アルコールとしては、3個以上のヒドロキシ基を有する多官能アルコー
ルから導かれる単位を含有していてもよく、たとえばグリセリン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどを使用できる。
また、これらの多官能アルコールを2種以上併用することもできる。
本発明では、上記の酸性基含有ポリオールを単独、または併用で使用できる。
本発明で用いられるカルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の製造に際しては、必要に応じて、上記(a1)、(a2)及び(a3)の必須成分以外に、他の複数個の活性水素を含有する化合物、例えばポリオールが反応させられてもよい。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、ポリカプロラクトンジオール、トリメチロールエタン、ポリトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコール類;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック共重合体又はランダム共重合体等のポリエーテルポリオール類;該多価アルコール又はポリエーテルポリオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール類;カプロラクトン変性ポリテトラメチレンポリオール等のカプロラクトン変性ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等のポリブタジエン系ポリオール等のポリオールが挙げられる。
また、本発明で用いられる酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の製造に際しては、必要に応じて、上記(a1)、(a2)及び(a3)の必須成分以外に、ジイソシアネートが反応させられてもよい。具体的には、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば1,3−フェニレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルジイソシアネ−ト、1,4−フェニレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−トルイジンジイソシアネ−ト、2,4,6−トリイソシアネ−トトルエン、1,3,5−トリイソシアネ−トベンゼン、ジアニシジンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルエ−テルジイソシアネ−ト、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネ−ト等を挙げることができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えばトリメチレンジイソシアネ−ト、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ペンタメチレンジイソシアネ−ト、1,2−プロピレンジイソシアネ−ト、2,3−ブチレンジイソシアネ−ト、1,3−ブチレンジイソシアネ−ト、ドデカメチレンジイソシアネ−ト、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト等を挙げることができる。
芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えばω,ω’−ジイソシアネ−ト−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネ−ト−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネ−ト−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト等を挙げることができる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば3−イソシアネ−トメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネ−ト、1,3−シクロペンタンジイソシアネ−ト、1,3−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、1,4−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、1,3−ビス(イソシアネ−トメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネ−トメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
本発明の酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の製造に用いられる触媒としては、公知の触媒を使用することができる。例えば3級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
3級アミン系化合物としては、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等が挙げられる。
有機金属系化合物としては錫系化合物、非錫系化合物を挙げることができる。錫系化合物としては、例えばジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジアセテ−ト、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテ−ト、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテ−ト、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。非錫系化合物としては、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネ−ト、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネ−トなどの鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。これらは単独使用、もしくは併用することもできる。
本発明の酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]はこれまで挙げた原料のみで製造することも可能であるが、高粘度になり反応が不均一になるなどの問題から溶剤を用いるのが好ましい。使用される溶剤としては、公知のものを使用できる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、アセトニトリル等が挙げられる。
本発明の酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]を得る反応の温度は40〜120℃が好ましい。更に好ましくは50〜100℃である。
本発明の酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の製造方法としては、ポリイソシアネート(a1)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)、酸性基含有ポリオール(a3)及び必要に応じて加えられるポリマージオールやジイソシアネートを反応させる方法であれば、特に限定されず、公知の方法で製造できる。例えば、全原料を一括混合して反応させる方法、ポリイソシアネート(a1)と水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)との反応生成物に、酸性基含有ポリオール(a3)や、必要に応じてポリオールおよび/またはジイソシアネートを反応させる方法などが挙げられる。特に後者の合成方法が好ましい。
本発明の酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の酸価は10〜100であることが好ましく、20〜90であることがさらに好ましく、30〜80であることが特に好ましい。酸価が10より小さい場合は、充分な顔料吸着能がないため顔料分散性が悪く、また100を超える場合は顔料吸着能が高すぎることにより充分な立体反発効果が得られず、顔料分散性は却って低下する。
また、本発明の酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の重量平均分子量(GPC測定によるポリスチレン換算値)は、1000〜100000であることが好ましく、1000〜50000であることがさらに好ましく、1000〜30000であることが特に好ましい。重量平均分子量が1000より小さい場合は、充分な立体反発効果が保てないため顔料分散性が悪く、また100000を超える場合は顔料の粒子間架橋などにより顔料分散性は低下する。
本発明の硬化性顔料組成物を構成する顔料は、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等の有機顔料、または、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機顔料、または、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックである。
本発明を構成する塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体は、下記一般式(1)、(2)、(3)および(4)で示される群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有するものである。
式(1)
式(2)
式(3)
式(4)
X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
m:1〜10の整数を表す。
1 、R2 :それぞれ独立に、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、またはR1とR2とが一体となって形成した複素環を表す。ただし、前記複素環は、さらなる窒素、酸素または硫黄原子を含んでいてもよい。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
3 :置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
4 、R5 、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Y:−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。
8、R9:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Z:置換されていてもよい、アルキレン基、アルケニレン基、またはフェニレン基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜8が好ましい。
P:式(5)で示される置換基または式(6)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(5)で示される置換基または式(6)で示される置換基を表す。
式(5)
式(6)
上記一般式中のR1〜R9におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。また、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基などが挙げられる。
上記一般式中のZにおけるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。また、アルケニレン基としては、ビニレン基、プロペニレン基などが挙げられる。
上記一般式中のQにおけるアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
また、置換されてもよい官能基とは、ハロゲン基、シアノ基、アルコキシル基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、エポキシ基などが挙げられる。
式(1)〜式(6)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
塩基性基を有する顔料誘導体を構成する有機色素は、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等の色素である。また、塩基性基を有するアントラキノン誘導体および塩基性基を有するアクリドン誘導体は、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基またはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基または塩素等のハロゲン等の置換基を有していてもよい。
また、塩基性基を有するトリアジン誘導体を構成するトリアジンは、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、またはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、またはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、塩素等のハロゲン、またはメチル基、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニル基、またはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンである。
本発明を構成する塩基性基を有する顔料誘導体、アントラキノン誘導体およびアクリドン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機色素、アントラキノンもしくはアクリドンに式(7)〜式(10)で示される置換基を導入した後、上記置換基と反応して式(1)〜式(4)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
式(7) −SO2Cl
式(8) −COCl
式(9) −CH2NHCOCH2Cl
式(10) −CH2Cl
また、有機色素がアゾ系色素である場合は、式(1)〜式(4)で示される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ系顔料誘導体を製造することもできる。
本発明を構成する塩基性基を有するトリアジン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に式(1)〜式(4)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
本発明の顔料組成物において、酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の配合量は、顔料100重量部に対して好ましくは5〜150重量部である。また、塩基性基を有する顔料誘導体等の配合量は、顔料100重量部に対して好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。また、必要により各種溶剤、樹脂、添加剤、分散剤等を混合してもよい。
本発明の顔料組成物は、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散することにより、顔料組成物をワニスに分散させてなる顔料分散体を調製することができる。酸性基含有ウレタン樹脂、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体(以下、塩基性基を有する顔料誘導体等という。)、顔料、その他の樹脂、添加剤は、すべての成分を混合してから分散してもよいが、初めに酸性基含有ウレタン樹脂と塩基性基を有する顔料誘導体等と顔料のみ、あるいは、酸性基含有ウレタン樹脂と塩基性基を有する顔料誘導体等のみを分散し、次いで、順次他の成分を添加して再度分散を行ってもよい。
また、横型サンドミル、 縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等
で分散を行う前に、ニーダー、3本ロールミル等の練肉混合機を使用した前分散、2本ロールミル等による固形分散、または顔料への酸性基含有ウレタン樹脂と塩基性基を有する顔料誘導体等の処理を行ってもよい。また、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ロールミル、石臼式ミル、超音波分散機等のあらゆる分散機や混合機が本発明の分散体を製造するために利用できる。
本発明の顔料分散体に用いることができる各種溶剤としては、有機溶剤、水等が挙げられるが、有機溶剤中で使用される方が顔料分散性の点で好ましい。
また、本発明の顔料分散体に用いることができる樹脂の例としては、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル酸性基含有ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン変性マレイン酸、ポリアミド樹脂、塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。
本発明の顔料分散体は、非水系の塗料、グラビアインキ、オフセットインキ、カラーフィルター用レジストインキ、インキジェットインキなどのインキ、およびプラスチック着色等に利用できる。
以下に、本発明に関わる酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]、塩基性基を有する顔料誘導体等の製造例、および実施例を示す。以下の「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」をそれぞれ表す。酸性基含有ウレタン樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(製造例1)
撹拌機、還流冷却管、ガス導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、商品名ビスコート#300(ペンタエリスリトールトリアクリレート、大阪有機化学工業株式会社)173.7部、ジメチロールブタン酸(DMBA、日本化成株式会社製)48.2部、スピログリコール(日本ヒドラジン工業株式会社)30.2部、DM Z 4470BA(イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体70%品、住友バイエルウレタン株式会社)197.4部、イソホロンジイソシアネート(IPDI、デグサジャパン株式会社製)50.5部、シクロヘキサノン 500.0部を仕込み、徐々に昇温し、90℃にて反応させ、IRにてイソシアネート基に基づく2270cm-1のピークの消失を確認した後、40℃まで冷却し、ポリウレタン溶液(U−1)を得た。
(製造例2、4および5)
製造例1と同様にして、表1に記載のポリウレタン溶液(U)を合成し、(U−2)、(U−4)および(U−5)を得た。
(製造例3)
撹拌機、還流冷却管、ガス導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、商品名ビスコート#300 174.7部、DM Z 4470 BA 197.4部、シクロヘキサン350.0gを80℃にて1時間反応させた後、さらにIPDI 50.5部、DMBA 48.2部、スピログリコール 30.2部、シクロヘキサノン 150.0部を仕込み、徐々に昇温し、90℃にて反応させ、IRにてイソシアネート基に基づく2270cm-1のピークの消失を確認した後、40℃まで冷却し、ポリウレタン溶液(U−3)を得た。
(製造例6)
撹拌機、還流冷却管、ガス導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、ベンジルアルコール(和光純薬工業株式会社)80.9部、DMBA62.0部、スピログリコール38.8部、DM Z 4470BA253.5部、IPDI64.8部、シクロヘキサノン500.0部を仕込み、徐々に昇温し、90℃にて反応させ、IRにてイソシアネート基に基づく2270cm-1のピークの消失を確認した後、40℃まで冷却し、ポリウレタン溶液(U−6)を得た。
ビスコート#300:ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)
ベンジルアルコール:和光純薬株式会社製
DMBA:ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)
スピログリコール:(日本ヒドラジン工業株式会社製)
C−1015N:2官能ポリカーボネートポリオール、商品名クラレポリオールC−1015N(株式会社クラレ製)
IPDI:イソホロンジイソシアネート(デグサジャパン株式会社製)
DM Z 4470 BA:イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体70%品(酢酸ブチル溶液、住友バイエルウレタン株式会社製)
アノン:シクロヘキサノン
(実施例1〜4)<分散体の製造>
表2のように、顔料(C.I. Pigment Blue 15:3)、製造例1〜4にて合成したポリウレタン溶液、下記構造式(1)で表される塩基性基を有する顔料誘導体、およびシクロヘキサノンを配合し、0.8mmφガラスビーズ100部を加えペイントコンディショナーで4時間分散し、塗料を作成した。
(比較例1〜2)<分散体の製造>
製造例5および6にて合成したポリウレタン溶液を用いた以外は、実施例1〜4と同様に塗料を作成した。
構造式(1)
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
(分散体の評価)
本発明の顔料分散体の性能を評価するために、得られた塗料の粘度をB型粘度計で測定した。粘度は低いほど良好である。
また、透過率(TT)20%時のヘイズをHAZE METERで測定し、分散性の評価を行った。ヘイズは小さいほど良好である。
また、耐熱性の性能を評価するために、TG/DTAによる熱重量損失を指標とした。空気中、室温から毎分10℃の速度で加熱し、熱重量損失が10%になった時点での温度が200℃未満の時を×、200℃以上250℃未満の時を○、250℃以上のときを◎とした。
結果を表2に示す。本発明の顔料分散体は、比較例に比べ、良好な粘度、ヘイズの値、耐熱性を示した。

Claims (10)

  1. イソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネート(a1)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)及び酸性基含有ポリオール(a3)を反応してなる酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]と、顔料とを含有してなる硬化性顔料組成物であって、
    前記酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の二重結合当量が150〜400であり、かつ、重量平均分子量が3,000〜100,000である硬化性顔料組成物。
  2. ポリイソシアネート(a1)が、ジイソシアネートの3量体であることを特徴とする請求項1記載の硬化性顔料組成物。
  3. ポリイソシアネート(a1)が、イソホロンジイソシアネートの3量体であることを特徴とする請求項1または2記載の硬化性顔料組成物。
  4. 酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]の不揮発成分中における、ポリイソシアネート(a1)由来の割合が、25重量%〜60重量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の硬化性顔料組成物。
  5. 水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)が、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートおよび/又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜4記載の硬化性顔料組成物。
  6. 酸性基含有ポリオール(a3)が、ジメチロールブタン酸又はジメチロールプロピオン酸であることを特徴とする請求項1〜5記載の硬化性顔料組成物。
  7. 酸性基含有ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂[A]が、ポリイソシアネート(a1)と水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)の反応生成物に、酸性基含有ポリオール(a3)を反応させてなることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の硬化性顔料組成物。
  8. さらに、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体および塩基性基を有するトリアジン誘導体の群から選ばれる少なくとも一種の誘導体を含有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の硬化性顔料組成物。
  9. 塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体が、下記式(1)、式(2)、式(3)および式(4)の群から選ばれる少なくとも1つの塩基性置換基を有することを特徴とする請求項8記載の硬化性顔料組成物。
    式(1)
    式(2)
    式(3)
    式(4)

    式(5)
    式(6)
    (式中、X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
    m:1〜10の整数を表す。
    1 、R2 :それぞれ独立に、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、またはR1とR2とが一体となって形成した複素環を表す。ただし、前記複素環は、さらなる窒素、酸素または硫黄原子を含んでいてもよい。
    3 :置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基を表す。
    4 、R5 、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基を表す。
    Y:−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。
    8、R9:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基を表す。
    Z:置換されていてもよい、アルキレン基、アルケニレン基、またはフェニレン基を表す。
    P:式(5)で示される置換基または式(6)で示される置換基を表す。
    Q:水酸基、アルコキシル基、式(5)で示される置換基または式(6)で示される置換基を表す。)
  10. 請求項1〜9いずれか1項に記載の顔料組成物をワニスに分散させてなる硬化性顔料分散体。
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