JP2007160568A - 中空円筒体の押出ダイおよび発泡押出成形装置 - Google Patents

中空円筒体の押出ダイおよび発泡押出成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成によって、コルゲートの発生を効果的に抑制することができる高発泡倍率の中空円筒体の押出ダイおよび発泡押出成形装置を提供すること。
【解決手段】サーキュラーダイからなる押出ダイ4において、発泡押出成形時に、外リップ38の回転リング部材45を、円環部46の内周面48で囲まれる円柱空間の中心軸線を回転中心として、周方向に回転させる。これによって、成形材料(溶融樹脂)には、押出方向に負荷される高剪断力に加えて、押出方向と直交する方向にも剪断力が負荷されるので、押出方向に負荷される高剪断力を維持しつつ、コルゲートの発生を防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、中空円筒体の押出ダイおよび発泡押出成形装置に関する。
熱可塑性樹脂を、発泡押出成形装置を用いて発泡押出し、発泡倍率5倍以上の高倍率発泡シートを成形する技術がある。高倍率発泡シートの成形において、コルゲートと呼ばれる発泡シートの表面に発生する凹凸状の波うちまたは帯状の縞模様は、発泡シートの外観を低下させるだけでなく、発泡シートの製品寸法に影響を与える一つの要因となる。
このコルゲートは、発泡体の密度が小さくなるほど、そして発泡体内の気泡が小さくなるほど顕著に発生する傾向がある。特に、二酸化炭素や窒素のような不活性ガスを発泡剤として用いた場合、二酸化炭素はフロンや炭化水素に比べて蒸気圧がはるかに高いので、押出ダイの出口での蒸発速度が速く、コルゲートが発生しやすい。
コルゲートの発生を抑制するために、発泡性樹脂溶融物を、環状のダイリップから押出された直後にサイジング部で押圧して形状を整えながら冷却する技術が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の技術によれば、通過する発泡性樹脂溶融物に対して適度の摩擦抵抗を与えるために、サイジング部の表面にサンドブラスト処理を施し、また、サイジング部における発泡性樹脂溶融物の滑りを確保するために、サイジング表面に水を流している。
特開2004−352868号公報
しかし、特許文献1においては、ダイリップ部の構造およびサイジング室の形状は開示されておらず、発泡性樹脂溶融物の滑りを調整するためにサイジング部の表面に水を流すことは、サイジング部の構造を複雑にし、また、加水分解性樹脂には不向きである。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、簡易な構成によって、コルゲートの発生を効果的に抑制することができる高発泡倍率の中空円筒体の押出ダイおよび発泡押出成形装置を提供することにある。
上述目的を達成するために、本発明の中空円筒体の押出ダイは、溶融樹脂に不活性流体を混合して押し出す発泡押出成形装置に装着され、中空円筒体を成形する押出ダイであって、前記溶融樹脂内の圧力を下げる外減圧部を備え、貫通孔が形成された外ダイと、前記外減圧部と対向し、前記外減圧部とともに前記溶融樹脂内の圧力を下げる内減圧部を備え、前記貫通孔に挿入される内ダイとを備え、前記外ダイの前記外減圧部および前記内ダイの前記内減圧部の少なくともいずれか一方が、前記溶融樹脂の押出方向を中心軸線として周方向に回転することを特徴としている。
このような押出ダイは、発泡押出成形装置における押出方向上流側から押出されてくる溶融樹脂を、外ダイの貫通孔と、その貫通孔に挿入される内ダイとの間を通過させて中空円筒体に成形する、いわゆるサーキュラーダイである。
このような押出ダイを用いた発泡押出成形において、高発泡倍率を実現するためには、溶融樹脂の内部の、減圧部(外減圧部および内減圧部)の通過前後での圧力差(圧力損失)を大きく(高く)することが重要である。そのためには、溶融樹脂が減圧部を通過する間に、上述した高い圧力損失を確保する必要がある。
また、溶融樹脂が減圧部を通過する前に、発泡することを防ぐために、溶融樹脂内の圧力が高く維持されるように、外減圧部と内減圧部との間に形成される溶融樹脂が通過する隙間を、狭く設定する必要がある。
そのため、この隙間を通過する溶融樹脂の通過速度は高くなり、これに伴って、溶融樹脂の、外減圧部および内減圧部の表面と接触する部分には、押出方向に高剪断力が負荷されて、これが、コルゲートの発生要因となる。
しかし、本発明の押出ダイでは、外ダイの外減圧部および内ダイの内減圧部の少なくともいずれか一方が、溶融樹脂の押出方向を中心軸線として周方向に回転する。すると、溶融樹脂には、押出方向に負荷される高剪断力に加えて、押出方向と直交する方向にも剪断力が負荷され、押出方向の高剪断力による樹脂内部に生じた二次流れや不均一な応力分布を均一化させることができる。その結果、本発明の押出ダイでは、押出方向に負荷される高剪断力を維持しつつ、コルゲートの発生を防止することができる。
そして、本発明の発泡押出成形装置では、樹脂を溶融するシリンダと、前記シリンダにおいて溶融された溶融樹脂を押し出すためのスクリューと、前記シリンダに接続され、前記溶融樹脂に不活性流体を供給するための不活性流体供給部とを備える発泡押出成形装置において、前記シリンダの押出方向下流側端部に、本発明の中空円筒体の押出ダイが装着されていることを特徴としている。
この発泡押出成形装置では、シリンダにおいて溶融された溶融樹脂に、不活性流体供給部から供給された不活性流体が混合された後に、その不活性流体が混合された溶融樹脂がスクリューによって押し出される。そして、この発泡押出成形装置では、シリンダの押出方向下流側端部に、本発明の中空円筒体の押出ダイが装着されているので、簡易な構成により、コルゲートの発生を効果的に抑制することができる。
本発明の押出ダイによれば、簡易な構成によって、コルゲートの発生を効果的に抑制することができる。そのため、本発明の押出ダイが装着される発泡押出成形装置では、コルゲートの発生を効果的に抑制しつつ、高発泡倍率の中空円筒体を成形することができる。
図1は、本発明の発泡押出成形装置の一実施形態として、タンデム型発泡押出成形装置の要部構成を示す概略全体構成図である。
図1において、このタンデム型発泡押出成形装置1は、押出機2と、不活性流体供給部3と、押出ダイ4と、これら各部を制御するためのCPU5とを備えている。
押出機2は、第1押出機6、連結部7および第2押出機8を備えている。
第1押出機6は、シリンダ9、および、そのシリンダ9内に2本のスクリュー10(図1では1本のスクリューのみが現われている。)を備える二軸押出機から構成されており、さらに、駆動モータ11、ホッパ12およびヒータ13などを備えている。
シリンダ9は、筒状部材からなり、そのシリンダ9内に内装される2本のスクリュー10の軸方向一端部(成形材料の押出方向上流側端部)を、回転可能に軸受支持している。
また、このシリンダ9におけるスクリュー10の軸方向一端部には、ホッパ12が接続される供給口14が形成されている。また、このシリンダ9におけるスクリュー10の軸方向他端部(成形材料の押出方向下流側端部)には、成形材料を連結部7に向けて押し出すための押出口15が形成されている。また、このシリンダ9におけるスクリュー10の軸方向途中には、後述するノズル30が接続されるノズル接続口32が形成されている。
2本のスクリュー10は、シリンダ9内において、軸方向に沿って並行に配置されている。これら2本のスクリュー10の径、条数、回転方向(同方向回転または異方向回転)、噛み合いの有無などは、その用途および目的によって、適宜選択される。
駆動モータ11は、シリンダ9におけるスクリュー10の軸方向一端部において、図示しない減速装置などを介して、2本のスクリュー10の軸方向一端部にそれぞれ連結されている。
ホッパ12は、シリンダ9の供給口14に接続されている。このホッパ12には、熱可塑性樹脂を含む成形材料が投入される。
ヒータ13は、シリンダ9における外周面に、スクリュー10の軸方向に沿って複数のブロックごとに設けられている。シリンダ9内には、CPU5に接続される図示しない温度センサが設けられており、この温度センサによって検知された検知温度に基づいて、ヒータ13がブロック単位で温度制御される。
なお、シリンダ9内には、CPU5に接続される図示しない圧力センサが設けられている。
連結部7は、第1押出機6の押出口15に接続される出口部16と、第2押出機8の次に述べるシリンダ22の供給口26に接続される入口部17と、これら出口部16および入口部17を接続する接続管18とを一体的に備えている。
出口部16には、絞り19が設けられている。この絞り19は、出口部16の流路20に臨み、流路20に対して矢印方向に進退自在に設けられている。そして、絞り19は、CPU5の制御によって、進出により流路20を閉鎖し、退避により流路20を開放するように動作され、その進退動作により、流路20の開閉および開度を調整して、第1押出機6から第2押出機8に押し出される成形材料の押出量を調整可能に構成されている。
また、出口部16における絞り19よりも成形材料の押出方向上流側には、CPU5に接続される図示しない圧力センサが設けられており、この圧力センサによって検知される検知圧力に基づいて、絞り19の進退動作が制御される。
第2押出機8は、第1押出機6と大略同様の構成とされ、シリンダ22、および、そのシリンダ22内に2本のスクリュー23(図1では1本のスクリューのみが現われている。)を備える二軸押出機から構成されており、さらに、駆動モータ24およびヒータ25などを備えている。
シリンダ22は、筒状部材からなり、そのシリンダ22内に内装される2本のスクリュー23の軸方向一端部(成形材料の押出方向上流側端部)を、回転可能に軸受支持している。
また、このシリンダ22におけるスクリュー23の軸方向一端部には、連結部7の入口部17が接続される供給口26が形成されている。また、このシリンダ22におけるスクリュー23の軸方向他端部(成形材料の押出方向下流側端部)には、成形材料を押出ダイ4に向けて押し出すための押出口27が形成されている。
押出口27が開口するシリンダ22におけるスクリュー23の軸方向他端部には、押出方向に対して直交する方向に延び、後述する上流側鍔部40が当接するフランジ部34が形成されている。
2本のスクリュー23は、シリンダ22内において、軸方向に沿って並行に配置されている。これら2本のスクリュー23の径、条数、回転方向(同方向回転または異方向回転)、噛み合いの有無などは、その用途および目的によって、適宜選択される。
駆動モータ24は、シリンダ22におけるスクリュー23の軸方向一端部において、図示しない減速装置などを介して、2本のスクリュー23の軸方向一端部にそれぞれ連結されている。
ヒータ25は、シリンダ22における外周面に、スクリュー23の軸方向に沿って複数のブロックごとに設けられている。シリンダ22内には、CPU5に接続される図示しない温度センサが設けられており、この温度センサによって検知された検知温度に基づいて、ヒータ25がブロック単位で温度制御される。
なお、シリンダ22内には、CPU5に接続される図示しない圧力センサが設けられている。
不活性流体供給部3は、タンク28、定量供給ポンプ29、ノズル30および供給ライン31を備えている。
タンク28には、超臨界流体となる流体(ガス)として、たとえば、炭酸ガス(二酸化炭素ガス)や窒素ガスなどの不活性流体(不活性ガス)が貯蔵されている。また、タンク28は、供給ライン31を介して定量供給ポンプ29に接続されている。
定量供給ポンプ29は、供給ライン31を介してノズル30に接続されている。この定量供給ポンプ29は、ノズル30を介して、シリンダ9内に、タンク28に貯蔵されているガスを、超臨界流体として、単位時間あたり一定量で供給することができる定量供給ポンプから構成されている。
ノズル30は、シリンダ9のノズル接続口32に接続されている。このノズル30は、逆止弁を備えており、超臨界流体がシリンダ9内に供給されないときには、シリンダ9内から供給ライン31への逆流を防止し、一方、超臨界流体がシリンダ9内に供給されるときには、超臨界流体の供給ライン31からシリンダ9内への流入を許容している。
また、この不活性流体供給部3では、供給ライン31が全体的に温度調整可能および圧力調整可能に構成されており、定量供給ポンプ29によって、タンク28に貯蔵されている不活性流体(不活性ガス)を、超臨界状態にして、すなわち、超臨界流体(超臨界ガス)として、ノズル30からシリンダ9内に供給できるように構成されている。
また、ノズル接続口32には、ノズル30の先端からシリンダ9の内周面までの間に、シリンダ9内に供給される超臨界流体を、シリンダ9内の成形材料に分散させるための多孔質部材33が埋設されている。
多孔質部材33は、たとえば、その平均孔径が1〜100μm、好ましくは、10〜100μm、さらに好ましくは、30〜60μm、気孔率が10〜60%、好ましくは、20〜40%のセラミックまたは金属からなる焼結多孔質体であって、超臨界粒体の供給量にもよるが、その厚さが2〜15mm、好ましくは、5〜10mm、直径が3〜20mmφ、好ましくは、6〜10mmφの円柱状に形成されている。
なお、多孔質部材33の平均孔径が10μm未満であると、超臨界流体の供給圧力が高くなり過ぎて、超臨界流体の供給効率が低下し、100μmを超えると、超臨界流体を数十μmのサイズで成形材料に供給することができず、超臨界流体を高分散状態で成形材料に混合できない場合がある。
なお、ノズル接続口32は、シリンダ9におけるスクリュー10の軸方向途中、すなわち、ホッパ12よりもスクリュー10の軸方向下流側であって、かつ、押出口15よりも上流側において、シリンダ9の外周面から内周面までを貫通するように形成されている。ノズル接続口32の形成位置は、その目的および用途により、適宜決定すればよいが、ノズル接続口32が形成されるスクリュー9の軸方向途中位置から、押出口15が形成される軸方向他端部までの間において、成形材料と超臨界流体とを十分に混合分散して溶解できる軸方向距離が確保される位置に設定される。
CPU5には、第1押出機6の駆動モータ11およびヒータ13、絞り19、第2押出機8の駆動モータ24およびヒータ25、定量供給ポンプ29などや、これらに設けられている、図示しない、温度センサ、圧力センサおよびヒータなどの各部に、接続されており、これら各部を制御している。
そして、このタンデム型発泡押出成形装置1を用いて、発泡押出成形するには、まず、第1押出機6において、CPU5によって、駆動モータ11を、2本のスクリュー10が所定の回転速度(たとえば、1〜200回転/分、好ましくは、30〜150回転/分)で回転するように駆動制御するとともに、ヒータ13を、シリンダ9内が成形材料の溶融温度以上(成形材料(樹脂)の種類にもよるが、たとえば、100〜350℃、好ましくは、120〜300℃であり、たとえば、成形材料(樹脂)の溶融温度の5〜50℃以上、好ましくは、10〜30℃以上)となるように温度制御する。また、CPU5によって、シリンダ9内が所定の圧力(上述の温度制御において、成形材料に対して超臨界流体が溶解する所定の圧力、たとえば、5〜40MPa、好ましくは、10〜30MPa)となるように、絞り19の進退動作を制御する。
そして、ホッパ12から所定量の成形材料を、第1押出機6のシリンダ9内に連続的に投入する。
成形材料は、特に制限されないが、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン共重合体(たとえば、ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体など)、ポリブテン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、生分解性ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂のペレットが貯蔵されている。
そして、シリンダ9内に投入された成形材料が、溶融されながらシリンダ9内を押出方向下流側に向かって連続的に流動する。
また、これとともに、CPU5によって、定量供給ポンプ29を駆動制御して、所定量の超臨界流体を、タンク28から、供給ライン31を介してノズル30に送り、その所定量の超臨界流体を、ノズル30から多孔質部材33を介してシリンダ9内に連続的に供給する。
なお、CPU5による定量供給ポンプ29の駆動制御によって供給される超臨界流体の供給量は、成形材料の種類や、目的とするマイクロセルラーフォームの物性により、適宜決定すればよいが、シリンダ9内において混合される成形材料および超臨界流体の合計に対して、0.01〜15重量%、好ましくは、たとえば、超臨界流体が、二酸化炭素の超臨界流体である場合には、0.1〜15重量%、たとえば、超臨界流体が、窒素の超臨界流体である場合には、0.04〜6重量%となるように設定される。超臨界流体の供給量がこれより少ないと、発泡せずあるいはセル径が大きくなる場合があり、また、超臨界流体の供給量がこれより多いと、合泡および破泡により連通気泡になったり、あるいは発泡倍率が低下する場合がある。
そして、シリンダ9内を溶融されながら流動する成形材料(溶融樹脂)が、ノズル30が接続されるノズル接続口32に到達すると、その成形材料(溶融樹脂)に、ノズル30から多孔質部材33を介して供給される超臨界流体が連続的に混合され、シリンダ9内の温度および圧力によって、成形材料(溶融樹脂)に超臨界流体が均一に分散され、連続的に溶解される。
そして、超臨界流体が溶解された成形材料(溶融樹脂)は、押出口15から連続的に押し出されると、出口部16、接続管18および入口部17を介して、第2押出機8のシリンダ22内に連続的に供給される。
また、第2押出機8においては、CPU5によって、駆動モータ24を、2本のスクリュー23が所定の回転速度(たとえば、1〜200回転/分、好ましくは、10〜150回転/分)で回転するように駆動制御するとともに、ヒータ25を、第2押出機8のシリンダ22内が、第1押出機6のシリンダ9内の温度よりも低く、かつ、溶融温度よりも高い温度であって、押出方向に従って順次ブロックごとに低くなるような温度(成形材料(樹脂)の種類にもよるが、たとえば、押出方向最上流側温度が80〜300℃、好ましくは、80〜200℃で、押出方向最下流側温度が70〜280℃、好ましくは、70〜170℃)に温度制御する。なお、押出方向の最下流側のブロックは、後述する押出ダイ4とほぼ同じ温度に温度制御する。
また、この第2押出機8のシリンダ22内は、上述したCPU5による絞り19の進退動作の制御により、所定の圧力に設定されている。このシリンダ22内の圧力は、上述の温度制御において、成形材料(溶融樹脂)に対して超臨界流体が溶解状態を維持できる所定の圧力であって、かつ、後述する押出ダイ4からの押し出し時に所定の圧力差を付与できる圧力、たとえば、1〜35MPa、好ましくは、5〜30MPaに設定されている。
そして、第2押出機8のシリンダ22内に連続的に供給された、超臨界流体が溶解されている成形材料(溶融樹脂)は、2本のスクリュー23の回転によって、さらに超臨界流体が成形材料(溶融樹脂)に対して均一に分散溶解され、シリンダ22内の圧力が保持された状態で、冷却されながら押出方向下流側に流動し、押出口27から後述する押出ダイ4に向かって連続的に押し出される。
図2は、図1に示すタンデム型発泡押出成形装置に装着される押出ダイの側断面図である。
この押出ダイ4は、図2に示すように、外ダイとしてのアダプタ37および外リップ38と、内ダイとしての内リップ39とを備えている。
アダプタ37は、中空円筒状をなし、その押出方向上流側には、押出方向と直交する方向に延び、押出口27のフランジ部34と当接する上流側鍔部40と、その押出方向下流側端部には、押出方向と直交する方向に延び、後述するボルト が挿通される下流側鍔部50とが形成されている。また、アダプタ37の内部には、貫通孔としてのアダプタ貫通孔41が形成されている。
アダプタ貫通孔41は、押出方向上流側のアダプタ入口42と下流側のアダプタ出口43とを備え、アダプタ入口42から押出方向下流側へ向かって次第に広口となり、途中からアダプタ出口43に向かって次第に狭口となる側断面視略菱形状に形成されている。
外リップ38は、回転リング部材44と、固定リング部材45とを備えている。
固定リング部材44は、円環部46と外減圧部47とを一体的に備えている。円環部46は、その内周面48により囲まれる内径が、押出方向下流側へ向かって同一孔径を維持し、かつ、アダプタ37のアダプタ出口43とほぼ同径の平板円筒形状に形成されている。外減圧部47は、外減圧部47の押出方向下流側の端面における径方向内側部分から、押出方向下流側に向かって突出する円筒形状に形成されている。この外減圧部47の内周面49は、その上流側端部が、円環部46の内周面48とほぼ同径に形成されており、その上流側端部から下流側端部に向かっては、外方に屈曲して次第に広口となるラッパ形状に形成されている。
また、外減圧部47の内周面49には、必要により、その表面全体に、500〜3000メッシュのサンドブラスト処理が施されている。
固定リング部材45は、その内周面が外減圧部47の外周面と当接した状態において、その外径が下流側鍔部50の外径と同径に形成される円筒形状に形成されている。
また、固定リング部材45の押出方向下流側の端面は、径方向内側端部から径方向外側端部に至る途中までが、外サイジング部51とされており、その外サイジング部51の表面は、外減圧部47の内周面49から連続して、押出方向上流側から押出方向下流側へ向かって、ほぼ同一角度で広口となるよう(径方向内側から径方向外側に向かって傾斜するように)に形成されている。
また、外サイジング部51には、必要により、その表面全体に、円環状のサンドブラスト面と、円環状のフッ素コーティング面とが押出方向に沿って交互に形成されている。
そして、外リップ38は、回転リング部材44の押出方向上流側端面を、下流側鍔部50の押出方向下流側端面に対向させるとともに、固定リング部材45の押出方向上流側端面および内周面を、回転リング部材44の円環部46の押出方向下流側端面および外減圧部47の外周面に、それぞれ対向させるようにして、回転リング部材44の円環部46を下流側鍔部50と固定リング部材45との間で挟持する状態で、下流側鍔部40と固定リング部材45とにボルト52を挿通して、そのボルト52をナット53で螺締することにより、アダプタ37に取り付けられている。
また、外リップ38において、下流側鍔部50と円環部46との間には、リング状のボールベアリングなどからなるスラスト軸受54が介装されるとともに、固定リング部材45と円環部46との間にも、上記スラスト軸受54と押出方向において対向するように、リング状のボールベアリングなどからなるスラスト軸受55が介装されている。
また、円環部46の外周面には、図示しないが、スプロケット歯が形成され、駆動力が伝達されるチェーンが巻回されているか、または、駆動力が伝達されるエンドレスベルトが巻回されているか、もしくは、ギヤ歯が形成され、そのギヤ歯に駆動力が伝達されるギヤが噛合している。
そして、駆動力が入力されると、回転リング部材45は、下流側鍔部50と固定リング部材45との間において、円環部46の内周面48で囲まれる円柱空間(貫通孔)の中心軸線を回転中心として、周方向に回転される。なお、回転速度は、例えば、5〜3000min−1に設定される。
内リップ39は、図2に示すように、側断面視矢羽形状に形成されており、押出方向上流側から押出方向下流側へ向かって順に、挿入部60と、支持軸部61と、基部59とを一体的に備えている。
挿入部60は、側断面視弾丸形状(先端部の尖った紡錘形状)であり、図示しない、押出方向から見るとスパイラル状のリブにより、アダプタ37に固定されている。支持軸部61は、挿入部60の押出方向下流側端部に螺着されている。
支持軸部61は、その押出方向上流側端部に螺子部が形成された円柱形状に形成されている。
基部59は、支持軸部61の押出方向下流側端部から連続して緩やかに外径が拡大する円錐形状に形成されている。
基部59において、内リップ39の外減圧部47と対向する部分が、内減圧部64とされており、内リップ39の外サイジング部51と対向する部分が、内サイジング部65とされている。
また、内減圧部64の表面と、内サイジング部65の表面とは、押出方向上流側から押出方向下流側へ向かって、ほぼ同一角度(同一勾配)で、径方向内側から径方向外側に向かって傾斜するように形成されている。
また、内減圧部64には、必要により、その表面全体に、500〜3000メッシュのサンドブラスト処理が施されている。
また、内サイジング部65には、必要により、その表面全体に、円環状のサンドブラスト面と、円環状のフッ素コーティング面とが押出方向に沿って交互に形成されている。
このような押出ダイ4において、図2に示すように、アダプタ37は、アダプタ37の上流側鍔部40を、押出口27のフランジ部34と当接させた状態で、アダプタ37の上流側鍔部40と押出口27のフランジ部34とを図示しないねじにより固定することによって、押出口27に装着されている。この状態において、押出口27は、押出方向に沿ってアダプタ入口部42に対向している。
外リップ38は、上記したようにアダプタ37に固定されており、この状態において、アダプタ出口部43は、押出方向に沿って、円環部46の内周面48により囲まれる円柱空間に連通している。
内リップ39は、押出ダイ4から押し出される成形材料(溶融樹脂)に、後述する圧力損失が付与されるように、外リップ38に対して所定の隙間をもって、配置されている。
そして、内リップ39では、挿入部60が、アダプタ貫通孔41内に挿入され、支持軸部61が、円環部46の内周面48により囲まれる円柱空間に挿入されている。また、支持軸部61の外周面と円環部46の内周面48との間には、一定間隔の隙間が形成されている。
また、基部59は、その内減圧部64の表面が、回転リング部44の外減圧部47の表面との間の隙間(支持軸部61の外周面と円環部46の内周面48との間の隙間よりも小さい隙間であって、たとえば、0.1〜2.0mmの隙間)を隔てて対向配置され、その内サイジング部65の表面が、固定リング部45の外サイジング部51の表面との間の隙間(内減圧部64の表面と回転リング部44の外減圧部47の表面との間の隙間から連続し、押出方向上流側から押出方向下流側に向かって徐々に間隔が広がる隙間であって、たとえば、押出方向上流側端部では0.5〜2.0mm、押出方向下流側端部では2.0〜5.0mmの隙間)を隔てて対向配置されるように、配置されている。
このような押出ダイ4において、発泡押出成形時には、回転リング部材45は、上記したように、下流側鍔部50と固定リング部材45との間において、円環部46の内周面48で囲まれる円柱空間の中心軸線を回転中心として、周方向に回転されている。
そして、発泡押出成形時において、押出口27から押し出される成形材料(溶融樹脂)は、アダプタ入口部42を介してアダプタ37のアダプタ貫通孔41内に流入し、5〜35MPaの高圧力にて挿入部60に当接してから、環状に成形される。
環状に成形された成形材料(溶融樹脂)は、その後、アダプタ出口部43を介して、圧力を一定に維持したまま、外リップ38と内リップ39との間へ進み、支持軸部61の外周面と、回転している円環部46の内周面48との間の隙間を通過した後、次いで、内減圧部64の表面と、回転している外減圧部47の表面との間の隙間を通過し、その後、内サイジング部65の表面と、外サイジング部51の表面との間の隙間に至り、大気に開放される。
そのため、内減圧部64の表面と回転している外減圧部47の表面との間の隙間の通過において、成形材料(溶融樹脂)には、上述したアダプタ貫通孔41内での高い圧力と、内サイジング部65の表面と外サイジング部51の表面との間の隙間での圧力(大気圧)との差に相当する圧力損失が付与され、成形材料(溶融樹脂)内の圧力が降下する。また、成形材料(溶融樹脂)には、内減圧部64および外減圧部47の各表面との接触により、押出方向に高剪断力が負荷されるとともに、上記した圧力降下により、成形材料(溶融樹脂)内において気泡核が形成される。
そして、この成形材料(溶融樹脂)は、内サイジング部65の表面と外サイジング部51の表面との間の隙間に到達すると、大気に開放され、超臨界流体の気泡核が成長することにより発泡し、膨張しながら、内サイジング部65および外サイジング部51の各表面により所定の寸法に整えられる。その後、この成形材料(溶融樹脂)は、中空円筒形状のマイクロセルラーフォームに形成される。上述したように、この成形材料(溶融樹脂)には、内減圧部64および外減圧部47の各表面との間の隙間を通過するときに高い圧力損失が付与されるので、高発泡倍率の実現が可能となる。なお、この中空円筒形状のマイクロセルラーフォームを、その周上一箇所で軸方向に沿って切断すると、一枚のシートを形成することができる。
以上のように、この押出ダイ4は、サーキュラーダイであって、この押出ダイ4において、回転リング部材44が、発泡押出成形時には、下流側鍔部50と固定リング部材45との間において、円環部46の内周面48で囲まれる円柱空間の中心軸線を回転中心として、周方向に回転される。そのため、成形材料(溶融樹脂)には、押出方向に負荷される高剪断力に加えて、押出方向と直交する方向にも剪断力が負荷され、押出方向の高剪断力による成形材料(溶融樹脂)内部に生じた二次流れや不均一な応力分布を均一化させることができる。その結果、この押出ダイ4では、押出方向に負荷される高剪断力を維持しつつ、たとえば、発泡倍率が5倍以上、好ましくは、20倍以上のマイクロセルラーフォームを成形する場合でも、コルゲートの発生を防止することができる。
そのため、このタンデム型発泡押出成形装置1では、上記した押出ダイ4が装着されているので、簡易な構成により、コルゲートの発生を効果的に抑制することができる。
なお、以上の説明では、本発明の発泡押出成形装置を、上述したタンデム型発泡押出成形装置1を例示して説明したが、本発明の発泡押出成形装置は、これに限らず、たとえば、シングル型発泡押出成形装置であってもよく、また、スクリューの本数も、その目的および用途によって、単軸または二軸が、適宜選択される。
また、上記した実施形態では、外リップ38、具体的には、回転リング部材44を回転させたが、本発明では、外リップ38とともに内リップ39を回転させることもできる。
図3は、そのような本発明の押出ダイの他の実施形態を示す側断面図である。次に、図3に示す押出ダイ4について説明する。なお、図3に示す押出ダイ4において、図2に示す押出ダイ4と同様の部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3において、この押出ダイ4は、紙面上方から成形材料(溶融樹脂)が流入されるタイプであって、その押出方向は、上記と同様に、紙面左右方向であるため、以下の説明においても、紙面左右方向を、便宜上押出方向とする。
この押出ダイ4は、外ダイとしてのアダプタ37および外リップ38と、内ダイとしての内リップ39とを備えている。
アダプタ37は、円柱状をなし、その押出方向上流側には、後述する内リップ39の回転軸86を軸受支持するための支持部72が設けられている。また、その押出方向下流側端部には、押出方向と直交する方向に延び、後述するボルト52が挿通される下流側鍔部73が設けられている。
アダプタ37には、後述する内リップ39の回転軸86を挿通するための貫通孔74が、アダプタ37の中心軸線に沿って、アダプタ37を貫通するように形成されている。アダプタ37の押出方向上流側端部には、貫通孔74に臨む軸受80が設けられている。
また、アダプタ37には、成形材料(溶融樹脂)が流入する流入口76と、成形材料(溶融樹脂)が流出する流出口77とが形成され、それら流入口76と流出口77とを連通する押出流路75が形成されている。
流入口76は、アダプタ37の押出方向途中において、押出方向と直交する径方向端部において開口されている。この流入口76には、図示しないが、上記したタンデム型発泡押出成形装置1の押出口27が接続されている。また、流出口77は、アダプタ37の押出方向下流側端部において、アダプタ37の中心軸線上において、貫通孔74と重なるように開口されている。
押出流路75は、アダプタ37の押出方向途中に形成され、アダプタ37の中心軸線を中心とする円筒形状の円筒流路78と、その円筒流路78の押出方向下流側端部に連通して形成され、アダプタ37の中心軸線を中心とする円環錐形状の円環錐流路79とを備えている。円筒流路78には、周上の一箇所において流入口76が連通されている。また、円環錐流路79の押出方向下流側端部が、流出口77に連通している。
支持部72は、アダプタ37の押出方向上流側端部に対して、押出方向上流側端部において、間隔を隔てて対向配置される円板状の支持板81と、その支持板81をアダプタ37に固定するための固定軸82と、動力伝達ディスク84とを備えている。
支持板81には、後述する内リップ39の回転軸86を挿通するための貫通孔74とほぼ同径の支持孔83が、押出方向を貫通するように、形成されている。
また、固定軸82は、支持板81をアダプタ37の押出方向上流側端部に対して、間隔を隔てて保持するように、アダプタ37の押出方向上流側端部から押出方向上流側に向かって突出され、支持板81の外周部に挿通された後に、ナット92により固定されている。
動力伝達ディスク84は、貫通孔74とほぼ同径の内径を有する中空円板状(ドーナツ状)に形成され、支持板81の押出方向上流側において、支持板81に、リング状のボールベアリングなどからなるスラスト軸受85を介して、回転自在に支持されている。
また、動力伝達ディスク84の外周面には、図示しないが、スプロケット歯が形成され、駆動力が伝達されるチェーンが巻回されているか、または、駆動力が伝達されるエンドレスベルトが巻回されているか、もしくは、ギヤ歯が形成され、そのギヤ歯に駆動力が伝達されるギヤが噛合している。
そして、駆動力が入力されると、動力伝達ディスク84は、後述する回転軸86の中心軸線を回転中心として、周方向に回転される。なお、回転速度は、例えば、5〜3000min−1に設定される。
外リップ38は、図2に示す押出ダイ4と同様に、回転リング部材44と、固定リング部材45とを備えている。
固定リング部材44には、円環部46と外減圧部47とを一体的に備えている。円環部46は、その内周面48により囲まれる内径が、押出方向下流側へ向かって同一孔径を維持し、かつ、アダプタ37の流出口77とほぼ同径の平板円筒形状に形成されている。外減圧部47は、外減圧部47の押出方向下流側の端面における径方向内側部分から、押出方向下流側に向かって突出する円筒形状に形成されている。この外減圧部47の内周面49は、その上流側端部が、円環部46の内周面48とほぼ同径に形成されており、その上流側端部から下流側端部に向かっては、外方に屈曲して次第に広口となるラッパ形状に形成されている。
また、外減圧部47の内周面49には、必要により、その表面全体に、500〜3000メッシュのサンドブラスト処理が施されている。
固定リング部材45は、その内周面が外減圧部47の外周面と当接した状態において、その外径が下流側鍔部73の外径と同径に形成される円筒形状に形成されている。
また、固定リング部材45の押出方向下流側の端面は、径方向内側端部から径方向外側端部に至る途中までが、外サイジング部51とされており、その外サイジング部51の表面は、外減圧部47の内周面49から連続して、押出方向上流側から押出方向下流側へ向かって、ほぼ同一角度で広口となるよう(径方向内側から径方向外側に向かって傾斜するように)に形成されている。
また、外サイジング部51には、必要により、その表面全体に、円環状のサンドブラスト面と、円環状のフッ素コーティング面とが押出方向に沿って交互に形成されている。
そして、外リップ38は、回転リング部材44の円環部46の内周面48を、アダプタ37の流出口77と押出方向において重なるように配置して、回転リング部材44の押出方向上流側端面を、下流側鍔部73の押出方向下流側端面に対向させるとともに、固定リング部材45の押出方向上流側端面および内周面を、回転リング部材44の円環部46の押出方向下流側端面および外減圧部47の外周面に、それぞれ対向させるようにして、回転リング部材44の円環部46を下流側鍔部73と固定リング部材45との間で挟持する状態で、下流側鍔部73と固定リング部材45とにボルト52を挿通して、そのボルト52をナット53で螺締することにより、アダプタ37に取り付けられている。
また、外リップ38において、下流側鍔部73と円環部46との間には、リング状のボールベアリングなどからなるスラスト軸受54が介装されるとともに、固定リング部材45と円環部46との間にも、上記スラスト軸受54と押出方向において対向するように、リング状のボールベアリングなどからなるスラスト軸受55が介装されている。
また、円環部46の外周面には、図示しないが、スプロケット歯が形成され、駆動力が伝達されるチェーンが巻回されているか、または、駆動力が伝達されるエンドレスベルトが巻回されているか、もしくは、ギヤ歯が形成され、そのギヤ歯に駆動力が伝達されるギヤが噛合している。
そして、駆動力が入力されると、回転リング部材45は、下流側鍔部73と固定リング部材45との間において、円環部46の内周面48で囲まれる円柱空間(貫通孔)の中心軸線を回転中心として、周方向に回転される。なお、回転速度は、例えば、5〜3000min−1に設定される。
なお、回転リング部材45の回転方向は、動力伝達ディスク84の回転方向と、逆方向に設定されている。
内リップ39は、回転軸86と、基部87とを一体的に備えている。
回転軸86は、貫通孔74よりやや小径に形成されており、円環部46の内周面48で囲まれる円柱空間、アダプタ37の貫通孔74、支持板81の支持孔83、動力伝達ディスク84に挿通され、動力伝達ディスク84からさらに押出方向下流側に突出するように設けられている。
また、回転軸86の押出方向下流側端部には、ねじ山が形成されており、そのねじ山に、ナット88が、動力伝達ディスク84に対して押出方向上流側から当接するように螺着されている。このナット88の回転軸86に対する螺進および螺退により、内リップ39の押出方向における位置決めがなされている。
また、回転軸86の押出方向上流側端部は、回転軸86と動力伝達ディスク84とが一体的に回転するように、キー91により嵌合されている。これによって、内リップ39は、動力伝達ディスク84に駆動力が入力されると、回転軸86の中心軸線を回転中心として、動力伝達ディスク84とともに回転される。
基部87は、回転軸86の押出方向下流側端部から連続して、外径が拡大する円錐形状に形成されている。この基部87は、外リップ38と押出方向に間隔を隔てて対向配置されており、内リップ39の外減圧部47と対向する部分が、内減圧部89とされており、内リップ39の外サイジング部51と対向する部分が、内サイジング部90とされている。
また、内減圧部89の表面と、内サイジング部90の表面とは、押出方向上流側から押出方向下流側へ向かって、ほぼ同一角度(同一勾配)で、径方向内側から径方向外側に向かって傾斜するように形成されている。
また、内減圧部89には、必要により、その表面全体に、500〜3000メッシュのサンドブラスト処理が施されている。
また、内サイジング部90には、必要により、その表面全体に、円環状のサンドブラスト面と、円環状のフッ素コーティング面とが押出方向に沿って交互に形成されている。
このような押出ダイ4において、アダプタ37の流出口77は、回転軸86が貫通孔74に挿入されることで、円環状に形成され、また、外リップ38の円環部46の内周面48で囲まれる円柱空間にも、回転軸86が挿入されることで、回転軸86の外周面と円環部46の内周面48との間に一定間隔の隙間が形成されるように、円筒状に形成されている。
さらに、基部87の内減圧部89の表面と、回転リング部44の外減圧部47の表面との間には、後述する圧力損失が付与されるように、回転軸86の外周面と円環部46の内周面48との間の隙間よりも小さい隙間(たとえば、0.1〜2.0mmの隙間)が形成される。
また、内サイジング部65の表面と、固定リング部45の外サイジング部51の表面との間には、基部87の内減圧部89の表面と回転リング部44の外減圧部47の表面との間の隙間から連続し、押出方向上流側から押出方向下流側に向かって徐々に間隔が広がる隙間(たとえば、押出方向上流側端部では0.5〜2.0mm、押出方向下流側端部では2.0〜5.0mmの隙間)が形成される。
そして、このような押出ダイ4において、発泡押出成形時には、外リップ38の回転リング部材45は、上記したように、下流側鍔部73と固定リング部材45との間において、円環部46の内周面48で囲まれる円柱空間の中心軸線(つまり、回転軸86の中心軸線)を回転中心として、周方向に回転されている。
また、内リップ39の回転軸86および基部87は、上記したように、動力伝達ディスク84に対する駆動力の入力により、回転軸86の中心軸線を回転中心として、回転リング部材45の回転方向と逆方向に回転されている。
そして、発泡押出成形時において、押出口27から押し出される成形材料(溶融樹脂)は、流入口76から押出流路75の円筒流路78に流入され、円環に形成された状態で、押出方向下流側に向かって進み、円環錐流路79を介して円環に形成された状態で、流出口77から流出される。なお、押出流路75内の圧力は、5〜35MPaに維持されている。
その後、環状に成形された成形材料(溶融樹脂)は、圧力を一定に維持したまま、外リップ38と内リップ39との間へ進み、回転している回転軸86の外周面と、回転している円環部46の内周面48との間の隙間を通過した後、次いで、回転している内減圧部89の表面と、回転している外減圧部47の表面との間の隙間を通過し、その後、回転している内サイジング部90の表面と、外サイジング部51の表面との間の隙間に至り、大気に開放される。
そのため、回転している内減圧部89の表面と回転している外減圧部47の表面との間の隙間の通過において、成形材料(溶融樹脂)には、上述した押出流路75内での高い圧力と、内サイジング部90の表面と外サイジング部51の表面との間の隙間での圧力(大気圧)との差に相当する圧力損失が付与され、成形材料(溶融樹脂)内の圧力が降下する。また、成形材料(溶融樹脂)には、内減圧部89および外減圧部47の各表面との接触により、押出方向に高剪断力が負荷されるとともに、上記した圧力降下により、成形材料(溶融樹脂)内において気泡核が形成される。
そして、この成形材料(溶融樹脂)は、内サイジング部90の表面と外サイジング部51の表面との間の隙間に到達すると、大気に開放され、超臨界流体の気泡核が成長することにより発泡し、膨張しながら、内サイジング部90および外サイジング部51の各表面により所定の寸法に整えられる。その後、この成形材料(溶融樹脂)は、中空円筒形状のマイクロセルラーフォームに形成される。上述したように、この成形材料(溶融樹脂)には、内減圧部89および外減圧部47の各表面の間の隙間を通過するときに高い圧力損失が付与されるので、高発泡倍率の実現が可能となる。なお、この中空円筒形状のマイクロセルラーフォームを、その周上一箇所で軸方向に沿って切断すると、一枚のシートを形成することができる。
以上のように、この図3に示す押出ダイ4も、サーキュラーダイであって、この押出ダイ4において、発泡押出成形時には、内リップ39の回転軸86と基部87とが一方向(たとえば、右回り)に回転される一方で、外リップ39の回転リング部材44が、他方向(たとえば、左回り)に回転される。そのため、成形材料(溶融樹脂)には、押出方向に負荷される高剪断力に加えて、押出方向と直交する方向にも、正逆に剪断力が負荷される。その結果、この押出ダイ4では、押出方向に負荷される高剪断力を維持しつつ、たとえば、発泡倍率5倍以上、好ましくは、20倍以上のマイクロセルラーフォームを成形する場合にも、コルゲートの発生を防止することができる。
なお、上記の実施形態では、図2に示す押出ダイ4のように、外リップ38のみを回転させるか、図3に示す押出ダイ4のように、外リップ38および内リップ39の両方を回転させたが、内リップ39のみを回転させることもできる。内リップ39のみを回転させるには、たとえば、図3示す押出ダイ4において、回転リング部材44の回転を停止させる。
本発明の発泡押出成形装置の一実施形態として、タンデム型発泡押出成形装置の要部構成を示す概略全体構成図である。 図1に示すタンデム型発泡押出成形装置に装着される押出ダイの側断面図である。 本発明の押出ダイの他の実施形態を示す側断面図である。
符号の説明
1 タンデム型発泡押出成形装置
3 不活性流体供給部
4 押出ダイ
9 シリンダ
10 スクリュー
22 シリンダ
23 スクリュー
38 外リップ
39 内リップ
47 外減圧部
64,89 内減圧部

Claims (2)

  1. 溶融樹脂に不活性流体を混合して押し出す発泡押出成形装置に装着され、中空円筒体を成形する押出ダイであって、
    前記溶融樹脂内の圧力を下げる外減圧部を備え、貫通孔が形成された外ダイと、
    前記外減圧部と対向し、前記外減圧部とともに前記溶融樹脂内の圧力を下げる内減圧部を備え、前記貫通孔に挿入される内ダイとを備え、
    前記外ダイの前記外減圧部および前記内ダイの前記内減圧部の少なくともいずれか一方が、前記溶融樹脂の押出方向を中心軸線として周方向に回転することを特徴とする、中空円筒体の押出ダイ。
  2. 樹脂を溶融するシリンダと、前記シリンダにおいて溶融された溶融樹脂を押し出すためのスクリューと、前記シリンダに接続され、前記溶融樹脂に不活性流体を供給するための不活性流体供給部とを備える発泡押出成形装置において、
    前記シリンダの押出方向下流側端部に、請求項1ないし3のいずれかに記載の中空円筒体の押出ダイが装着されていることを特徴とする、発泡押出成形装置。
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