JP2007160513A - ハードコート積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、基材とハードコート層の屈折率が異なることによって発生するリップルを低減し干渉むらの無いハードコート積層体を、簡単かつ低コストで提供することを目的とする。
【解決手段】基材上にハードコート層を設けた光学積層体において、基材を溶解又は膨潤させる溶剤と活性エネルギー線硬化型化合物とを含む組成物を該基材に塗布することだけで、ハードコート層と基材との間に、両者の中間的な屈折率を有する層が形成でき、且つ基材の該中間層側界面と該中間層とが微細な凹凸を有する形状となることを特徴とする、リップルを低減し干渉むらの無いハードコート積層体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、テレビ、コンピューター、カーナビゲーションシステム、車載用計器盤、携帯電話等の画像表示装置として用いられる、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRTディスプレイ等各種ディスプレイにおいて、ディスプレイ等の表面を保護する目的で使用される基材上にハードコート層を設けた積層体に関する。
トリアセチルセルロースやポリエステルに代表される透明なプラスティックフィルムは、その機械的特性、寸法安定性、電気絶縁性などに優れた性質を有することから、光学表示材料をはじめとして包装材料、電気絶縁材料、各種写真材料、グラフィックアーツ材料などの多くの用途の基材フィルムとして広く使用されている。
しかしながら、このようなプラスティックフィルムは、フィルム表面の表面硬度が低く、また耐摩擦性が不足しているため、他の硬い物質との接触、摩擦、引っ掻きなどによって表面に損傷を受けやすい。表面に発生した損傷は、美観・強度その他の点でフィルムの商品価値を著しく低下させたり、フィルムを短期間で使用不可能にしたりする。
このため例えば、プラスティックフィルムからなる基材の場合には、その上に耐擦傷性や耐摩耗性に優れたハードコート層を設ける方法が知られている。具体的には、プラスティックフィルムからなる基材表面上に樹脂組成物を塗工や印刷などの方法でハードコート層を設けることが多かった。該ハードコート層の樹脂組成物としては、耐擦傷性や耐摩耗性などの点から硬化性を持つことが好ましく、活性エネルギー線硬化樹脂を用いることが特に好ましい。しかしこの活性エネルギー線硬化によって得られたハードコート層の屈折率は、基材となるプラスティックフィルムの屈折率とかけ離れる場合が多く、更にハードコート層と基材との断面を電子顕微鏡で観察すると、ハードコート層と基材との界面が明瞭に観察されることが多い。つまり、界面を境にして屈折率の不連続な変化が起こる。このために、ハードコート層表面で反射する光と、ハードコート層と基材の界面で反射する光が干渉し、リップルや干渉むら(虹色のムラ)が起き、ディスプレイの視認性を劣化させ、またディスプレイの美観を損なうものであった。
例えば、ハードコート層に用いる活性エネルギー線硬化樹脂は、通常1.5〜1.6程度の屈折率である。一方、トリアセチルセルロース基材の屈折率は1.45〜1.48程度であり、上記の屈折率の不連続な変化が避けられない。
この干渉むらの発生を低減させるために、特許文献1または特許文献2に示されるような方法が開示されている。特許文献1には、基材上に微細な凹凸を設けることによってハードコート層と基材との界面での光の反射を散乱させる技術が記載されている。この方法では、基材表面を粗面化するか、基材とハードコート層との間に微細に凹凸を有する下地層を設けており、製造工程の複雑化とコストアップに繋がる弱点があった。
また、特許文献2には基材とハードコート層との屈折率差を少なくするために、基材とハードコート層との間に、中間的な屈折率を有する層を設ける干渉むら低減技術が開示されている。この方法も基材とハードコート層との間に別途層を設ける必要があり、コストアップに繋がる問題があった。
特許文献3には、基材上に微細な突起を設けることによってハードコート層と基材との界面での光の反射を散乱させる技術が記載されている。この方法では、適度に結晶化している基材を使用することが必要であり、製造工程の複雑化とコストアップに繋がる問題があった。
特許文献4には、基材を溶解するもしくは膨潤させる溶剤を用いてハードコート層を形成することでハードコート層と基材の界面近傍の屈折率が連続に変化させる方法が述べられている。
特許文献5には、基材を溶解するもしくは膨潤させる溶剤を用いてハードコート層を形成することでハードコート層と基材の界面で微小な凹凸を不連続に形成させる方法が述べられている。これらの方法は、基材とハードコート層を形成する樹脂との相溶性の関係については言及しておらず、基材を溶解するかもしくは膨潤する溶剤だけの選択のみでは、塗工方法や塗工条件に極めて影響されやすく、防干渉むら性の再現性や作業上の手間、時間、最適化に伴う資源のロスが大きく、コストアップに繋がり、実用的でなかった。
特開平8−197670号公報 特開2000−111706号公報 特開2005−41205号公報 特開2003−131007号公報 特開2003−205563号公報
本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、簡単かつ低コストでリップルが少なく干渉むらの無いハードコート積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、基材上にハードコート層を設けた光学積層体フィルムにおいて、基材を溶解あるいは膨潤させる溶剤と特定範囲の溶解度パラメーター値を有する活性エネルギー線硬化型化合物とを含む組成物を該基材に塗布することによってハードコート層を形成することを特徴とした、リップルの発生を低減し、干渉むらを防止する光学フィルムを提供する方法を見いだしたものである。即ち、本発明の方法によれば、基材にハードコート層となるべき活性エネルギー線硬化型化合物を含む組成物を塗布するだけで、ハードコート層と基材との間に、両者の中間的な屈折率を有する中間層が2層形成され、且つ前記ハードコート層側の中間層とハードコート層での界面が微細な凹凸を有する形状となることを見いだした。このような構成にすることで、基材とハードコート層界面からの反射が劇的に減り、リップルを低減し、干渉むらの無い光学フィルムを簡便且つ安価に提供できる。
即ち、本発明は、トリアセチルセルロース透明基材上に、ハードコート層を有してなる積層体であって、前記ハードコート層が、活性エネルギー線硬化型化合物(A)、およびトリアセチルセルロース透明基材を溶解あるいは膨潤させる1種以上の有機溶剤(B)を含む組成物を活性エネルギー線照射硬化させてなるものであり、前記活性エネルギー線硬化型化合物(A)が、溶解度パラメータ値9.8以上11.1(cal・cm−31/2以下である反応性(メタ)アクリレートである積層体に関する。以下の溶解度パラメータ値の単位は、(cal・cm−31/2である。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型化合物(A)が、ウレタン結合を有するものである上記積層体に関する。
また、本発明は、
透過型電子顕微鏡で積層体の断面を観察したとき、トリアセチルセルロース透明基材と、ハードコート層との間に、トリアセチルセルロース透明基材側から順に、60nm以上200nm以下の中間層1と350nm以上700nm以下の中間層2とが形成されているものである上記積層体に関する。
本発明によれば、トリアセチルセルロース透明基材上に、基材を溶解又は膨潤させる溶剤と特定範囲の溶解度パラメーター値を有する活性エネルギー線硬化型化合物とを含む組成物を塗布するだけで、下地層を別途塗工したり基材を租面加工したりすることなく、リップルを低減し、および干渉むらの無いハードコート積層体フィルムを簡便且つ安価に提供することができる。
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。
トリアセチルセルロース透明基材上にハードコート層を形成したハードコート積層体を図1に示す。
本発明は、トリアセチルセルロース透明基材上に、ハードコート層を有してなる積層体であって、前記ハードコート層が、活性エネルギー線硬化型化合物(A)、および、トリアセチルセルロース透明基材を溶解あるいは膨潤させる1種以上の有機溶剤(B)を含む組成物を活性エネルギー線照射硬化させてなるものであり、前記活性エネルギー線硬化型化合物(A)が、溶解度パラメータ値9.8以上11.1以下である反応性(メタ)アクリレートである積層体であることを特徴とする。
本発明で用いるトリアセチルセルロース透明基材とは、偏光板などの基材として使用できる光学的に透明なグレードであれば良く、トリアセチルセルロース透明基材の厚さは特に制限はないが、一般には強度や取り扱い等の作業性、薄層性等の点より10〜500μm程度である。特に20〜250μmが好ましい。
本発明で用いる活性エネルギー線硬化型化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−、t−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドンなどの単官能の活性エネルギー線硬化型化合物、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジシクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ−(メタ)アクリロイルオキシプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物;
ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルポリ(メタ)アクリレート、ポリアルキッドポリ(メタ)アクリレート、ポリエポキシポリ(メタ)アクリレート、ポリスピロアセタールポリ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンポリ(メタ)アクリレート、ポリチオールポリエンポリ(メタ)アクリレート、ポリシリコンポリ(メタ)アクリレート等の多官能化合物の(メタ)アクリレート化合物;
1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサン等のビニルベンゼン及びその誘導体;
ジビニルスルホン等のビニルスルホン化合物;
メチルビスアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;
ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリオキシフェニル−4’−メトキシフェニルチオエーテル、テトラビロモビスフェノールAジエポキアクリレート等のいわゆる高屈折率モノマー等、 その他、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの多官能の活性エネルギー線硬化型化合物が一般的によく知られているが、これらに限定されるものではない。
上記活性エネルギー線硬化型化合物は、1種類以上の化合物を混合して使用することもできる。ハードコート性を高めるには、硬化性官能基が1分子中に複数個、特に3官能以上であることが好ましいが、組成物の粘度調整などの理由により2官能や単官能の活性エネルギー線硬化型化合物を混合しても良い。
更に、本発明のおける活性エネルギー線硬化型化合物が、溶解度パラメータ値9.8以上11.1以下である反応性(メタ)アクリレートであることが好ましい。活性エネルギー線硬化型化合物の溶解度パラメータ値が、9.8未満または11.1を超えるとトリアセチルセルロースへの適度な相溶性が得られなくなり、段階的な中間層が形成されないためにリップルや干渉むらが起きやすい傾向になるためである。
活性エネルギー線硬化型化合物の溶解度パラメータ値9.8以上11.1以下のものとしては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシピバイリルポバレートジメタノールアクリレート(hdroxypyvalylpovalate diacrylate)、トリシクロデカンジメタノールアクリエートなどの反応性(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定するものではない。
また、本発明における活性エネルギー線硬化型化合物は、溶解度パラメータ値が9.8以上11.1以下の条件を満たしていれば良く、公知公用の化合物を単独または組み合わせて用いることができる。また、複数種類の活性エネルギー線硬化型化合物を混合して用いる場合、それぞれの活性エネルギー線硬化型化合物が溶解度パラメータ値の条件を個別に満たしていても、或いは混合物として溶解度パラメータ値が1.0以上離れている組み合わせは好ましくない。
本発明の実施例および比較例においては、化合物の溶解度パラメータ値はvan KrevelenとHoftyzerとによる方法で計算したが、溶解度パラメータ値の求め方はこれに限定されるものではなく、他の計算方法または、実測によって求めてもよい。
更に、好ましくは、本発明の活性エネルギー線硬化型化合物がウレタン結合を有するものである。
例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートイソホロンジソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートメチレンビスシクロヘキシルジソシアネートウレタンプレポリマーなどのウレタン(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定するものではない。
本発明におけるトリアセチルセルロース透明基材を溶解あるいは膨潤させる有機溶剤としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等のエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;
蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン等のエステル類;
その他、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等が挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で使用される活性エネルギー線硬化型組成物には、必要に応じて光重合開始剤を添加することができる。例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、アントアキノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等が挙げられる。具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、チオキサン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は2種以上を適宜併用することもできる。これらの光重合開始剤の使用量は、活性エネルギー線硬化樹脂(A)に対して、0.1〜20重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。
また、本発明で述べるハードコート層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤および帯電防止剤などに代表される各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。
更に、積層体の断面を透過型電子顕微鏡で観察したとき、トリアセチルセルロース透明基板とハードコート層の間に、トリアセチルセルロース透明機材を溶解あるいは膨潤することにより、トリアセチルセルロース透明基材側から順に、60nm以上200nm以下の中間層1と350nm以上700nm以下の中間層2とを形成する。より好ましくは、前記中間層1が80nm以上100nm以下と中間層2が350nm以上700nm以下である。
ハードコート層と基材の間に中間層を形成することにより、屈折率が段階的に変化する。また、中間層2とハードコート層との界面に微細な凹凸が形成される。
活性エネルギー線硬化型組成物をトリアセチルセルロース透明基材に形成する方法としては、活性エネルギー線硬化型組成物をバーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースコーティング、ダイティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、リップコーティング、エアーナイフコーティング、ディッピング法等の塗工方法でトリアセチルセルロース透明基材に塗工した後、必要に応じ溶剤を乾燥させ、更に活性エネルギー線を照射することにより、塗工した活性エネルギー線線硬化型組成物を架橋硬化させることによって形成される。前記活性エネルギー線としては、電子線や、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
このようにして形成される防眩層の膜厚はハードコート性を保有していれば特に限定されず、通常1〜10μm、好ましくは2〜7μmの厚みとする。

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら具体例のみに限定されるものではない。なお、例中[部][%]とあるのは、それぞれ[重量部][重量%]を示す。
[実施例1]
ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびイソホロンジイソシアネートを反応させてなる化合物1 ペンタエリスリトールトリアクレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー(化学式1)100部に、1,3−ジオキソラン50部、メチルエチルケトン(以下MEKと記す)50部、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)5部加え溶解し、固形分50%のハードコート組成物1を調製した。次いで、厚さ80μmのトリアセチルセルロース基材(富士写真フイルム社製)にハードコート組成物1を、バーコーターを用いて塗布し、70℃−1分で乾燥後させた。その後窒素パージによって0.3%以下酸素濃度雰囲気にて、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射量400mJ/cm2で照射して塗布層を硬化させ、厚さ5.8μmのハードコート層を形成した。得られたハードコート積層体1について、以下に示した方法にて評価し、その結果を表1に示した。
なお、化合物1の溶解度パラメータ値は10.5であった。また、ハードコート積層体の断面を透過型電子顕微鏡(日本電子社製、型式JEM−1010、以下TEMという)で加速電圧100kVにて観察したところ(図2)、トリアセチルセルロール基材フィルムとハードコート層との界面に、トリアセチルセルロール基材側から順に95nmの中間層1と539nmの中間層2が形成されていた。また、中間層2とハードコート層との界面に微細な凹凸が確認された。
[実施例2]
ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびヘキサメチレンジイソシアネートを反応させてなる化学式2の化合物2ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシネートウレタンプレポリマー 100部に、1,3−ジオキソラン50部、MEK50部、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)5部加え溶解し、固形分50%のハードコート組成物2を調製した。次いで、厚さ80μmのトリアセチルセルロース基材(富士写真フイルム社製)にハードコート組成物2を、バーコーターを用いて塗布し、70℃−1分で乾燥後させた。その後窒素パージによって0.3%以下酸素濃度雰囲気にて、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射量400mJ/cm2で照射して塗布層を硬化させ、厚さ3.5μmのハードコート層を形成した。得られたハードコート積層体2について、評価結果を表1に示した。
なお、化合物2の溶解度パラメータ値は10.6であった。また、ハードコート積層体の断面をTEMで観察したところ(図3)、トリアセチルセルロール基材フィルムとハードコート層との界面に、トリアセチルセルロール基材側から順に133nmの中間層1と647nmの中間層2とが形成されていた。中間層2とハードコート層との界面に微細な凹凸が確認された。
[実施例3]
ペンタエリスリトールトリアクリレートおよび4,4’−メチレンビスシクロヘキシルイソシアネートを反応させてなる化学式3の化合物3ペンタエリスリトールトリアクリレートメチレンビスシクロヘキシルジソシアネートウレタンプレポリマー 100部に、1,3−ジオキソラン50部、MEK50部、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)5部加え溶解し、固形分50%のハードコート組成物3を調製した。次いで、厚さ80μmのトリアセチルセルロース基材(富士写真フイルム社製)にハードコート組成物3を、バーコーターを用いて塗布し、70℃−1分で乾燥後させた。その後窒素パージによって0.3%以下酸素濃度雰囲気にて、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射量400mJ/cm2で照射して塗布層を硬化させ、厚さ5.2μmのハードコート層を形成した。得られたハードコート積層体3について、以下に示した方法について、評価結果を表1に示した。
なお、化合物3の溶解度パラメータ値は11.1であった。また、ハードコート積層体の断面をTEMで観察したところ(図4)、トリアセチルセルロール基材フィルムとハードコート層との界面に、トリアセチルセルロール基材側から順に198nmの中間層1と380nmの中間層2とが形成されていた。
中間層2とハードコート層との界面に微細な凹凸が確認された。
[実施例4]
化合物4 ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート 100部に、1,3−ジオキソラン50部、MEK50部、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)5部加え溶解し、固形分50%のハードコート組成物4を調製した。次いで、厚さ80μmのトリアセチルセルロース基材(富士写真フイルム社製)にハードコート組成物4をバーコーターを用いて塗布し、70℃−1分で乾燥後させた。その後窒素パージによって0.3%以下酸素濃度雰囲気にて、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射量400mJ/cm2で照射して塗布層を硬化させ、厚さ4.8μmのハードコート層を形成した。得られたハードコート積層体4について、以下に示した方法について、評価結果を表1に示した。
なお、化合物4の溶解度パラメータ値は9.8であった。また、ハードコートフィルムの断面をTEMで観察したところ(図5)、トリアセチルセルロール基材フィルムとハードコート層との界面に、トリアセチルセルロール基材側から順に175nmの中間層1と539nmの中間層2とが形成されていた。中間層2とハードコート層との界面に微細な凹凸が確認された。
[比較例1]
化合物5 ペンタエリスリトールトリアクリレート 100部に、1,3−ジオキソラン50部、MEK50部、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)5部加え溶解し、固形分50%のハードコート組成物5を調製した。次いで、厚さ80μmのトリアセチルセルロース基材(富士写真フイルム社製)にハードコート組成物5を、バーコーターを用いて塗布し、70℃−1分で乾燥後させた。その後窒素パージによって0.3%以下酸素濃度雰囲気にて、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射量400mJ/cm2で照射して塗布層を硬化させ、厚さ5.1μmのハードコート層を形成した。得られた比較ハードコート積層体1について、評価結果を表1に示した。
なお、化合物5の溶解度パラメータ値は11.3であった。また、比較ハードコート積層体1の断面をTEMで観察したところ(図6)、トリアセチルセルロール基材フィルムとハードコート層との間には、層は観察されなかった。
(1)溶解度パラメーターは、van KrevelenとHoftyzerとによる方法で計算した。
(2)ハードコート積層体の断面を透過型電子顕微鏡(日本電子社製、型
式JEM−1010、以下TEMという)で加速電圧100kVにて観
察した。
図上の実測値2.1mmがハードコート積層体の実寸95nmに相当する。
(3)干渉むら:ハードコート積層体のトリアセチルセルロース側表面に黒色マット塗料をスプレー塗工した。これを3波長蛍光灯の下にてハードコート面側から観察し、干渉むらの有無を目視評価した。
○:干渉むらが観察されない
△:干渉むらがやや観察される
×:干渉むらが観察される
(4)反射率曲線のリップル:ハードコート積層体のトリアセチルセルロース側表面に黒色マット塗料をスプレー塗工した。これを分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、型式:U−4100)にて5°絶対反射率を測定し、反射曲線のリップルの有無を観察した。
○:リップルが観察されない
△:リップルがやや観察される
×:リップルが観察される
(5)(2)と同様の方法で観察した。
(6)鉛筆硬度:異なる硬度の鉛筆を用い、500g荷重下でJIS K5400で示される試験法で傷の有無を観察した。
(7)耐擦傷性:スチールウール#0000を用い、500g/10往復評価
○ : 良好
△ : やや劣る
× : 劣る
(8)密着性試験:JIS K5400の碁盤目テープ法(間隔1mm)による。
本発明のハードコート層によりリップルを低減し、干渉むらの無いハードコート積層体を安価に提供できる。
本発明の積層体の断面の概念図を表す。 上:実施例1の積層体の断面写真を示す。写真1 下:実施例2の積層体の断面写真を示す。写真2 上:実施例3の積層体の断面写真を示す。写真3 下:実施例4の積層体の断面写真を示す。写真4 比較例1の積層体の断面写真を示す。写真5
符号の説明
1 トリアセチルセルロース基材
2 中間層1
3 中間層2
4 ハードコート層

Claims (3)

  1. トリアセチルセルロース透明基材上に、ハードコート層を有してなる積層体であって、
    前記ハードコート層が、活性エネルギー線硬化型化合物(A)、および
    トリアセチルセルロース透明基材を溶解あるいは膨潤させる1種以上の有機溶剤(B)を含む組成物を活性エネルギー線照射硬化させてなるものであり、
    前記活性エネルギー線硬化型化合物(A)が、溶解度パラメータ値9.8以上11.1(cal・cm−31/2以下である反応性(メタ)アクリレートである積層体。
  2. 活性エネルギー線硬化型化合物(A)が、ウレタン結合を有するものである請求項1記載の積層体。
  3. 透過型電子顕微鏡で積層体の断面を観察したとき、トリアセチルセルロース透明基材と、ハードコート層との間に、トリアセチルセルロース透明基材側から順に、60nm以上200nm以下の中間層1と350nm以上700nm以下の中間層2とが形成されているものである請求項1または2記載の積層体。

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