JP2007159927A - モデリング装置、モデリング方法、領域抽出装置、領域抽出方法及びプログラム - Google Patents

モデリング装置、モデリング方法、領域抽出装置、領域抽出方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】計測データ内の領域(物体)に関するモデルのモデリング技術を提供する。
【解決手段】モデリング装置は、標準モデル表面上の複数の代表点それぞれに対応して計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求め(ステップS13)、各代表点と各代表点に対応するシフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように標準モデルを変形するので、3次元画像内の目的の領域を精度良くモデリングすることが可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、計測データ内の所望の領域に関するモデルのモデリング技術に関する。
近年、医療分野において、X線CT(Computed Tomography)装置或いはMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等によって撮影された生体内の3次元画像(単に、「3次元画像」又は「計測データ」とも称する)が広く用いられている。これにより、体内の臓器等の情報が視覚的に把握可能となり診断精度の向上が期待できる。しかし、その一方で、診断に用いられる3次元画像は数十枚〜数百枚のスライス画像から構成されているため、このような膨大な情報量の中から診断に必要な情報のみを得ることは読影医師にとって大きな負担となっている。
そこで、計算機を援用した定量的或いは自動的診断の要望が強まり、計算機による診断支援(CAD Computer−aided diagnosis)システムの研究が盛んに行われている。
計算機による診断支援を行うには、診断に必要な情報、つまり臓器の領域又は形状等を3次元画像から正確に抽出することが重要な課題となる。
臓器の領域抽出手法としては、モデルフィッティング(Model Fitting)を利用した手法が提案されている(非特許文献1)。この手法は、対象物(臓器)に関する標準的な形状を有するモデル(標準モデル)の表面上の複数の点をエネルギー最小化原理に基づいて移動させて当該標準モデルを変形し(モデルフィッティングし)、当該変形後の標準モデルの存在領域を抽出するものである。
ツァガーン・バイガルマ、清水昭伸、小畑秀文、宮川国久「3次元可変形状モデルによる腹部CT像からの腎臓領域抽出法の開発」、電子情報通信学会論文誌、D-II、2002年1月、Vol.J85-D-II、No.1、pp.140-148
ここで、X線CT装置等で撮影された3次元画像(計測データ)は、膨大な情報を有する高解像度な画像であり、当該3次元画像内の抽出対象とする領域の輪郭(境界)も膨大な数の画素によって詳細に表される。
一方、上記のモデルフィッティングにおいては、標準モデルにおける比較的少数の点を用いて対象物表面を表現した標準モデルが用いられる。すなわち、上記のモデルフィッティングにおいては、対象物表面の形状が、計測データにおける画素数に比べて少ない数の点を用いて近似されることになる。
そのため、上記のモデルフィッティングにおいては、その近似処理に起因して、対象物の部分によっては当該対象物表面の形状を良好に表現できないことがある。例えば、対象物の平面部分(ないし直線部分)に関しては比較的良好にモデリングすることが可能であるが、対象物の曲面部分(ないし曲線部分)等の形状変化の顕著な部分(端的に言えば、比較的大きく曲がっている部分)に関しては、抽出対象とする領域の輪郭(境界)とモデルの輪郭(境界)との間に非常に大きな誤差(「ズレ」ないし「隙間」)が発生し、抽出対象とする領域の境界を精度良くモデリングできないという問題がある。
なお、標準モデル表面上の点を計測データの解像度に対応させて増やすことによってこの問題を解決することも考えられるが、現実的には計算コスト等の面から必ずしも有効な措置とは言えない。
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、3次元画像内の目的の領域をさらに精度良くモデリングすることが可能な技術を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、計測データに基づいて対象物に関するモデリングを行うモデリング装置であって、前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する手段と、前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求めるシフト対応点決定手段と、前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係るモデリング装置において、前記標準モデル表面上の前記複数の代表点のうちの少なくとも一部の代表点にそれぞれ対応する各シフト対応点の位置は、当該少なくとも一部の代表点と当該少なくとも一部の代表点に対応する各シフト対応点とがそれぞれ合致するように前記標準モデルが仮定的に変形された状態において、当該少なくとも一部の代表点の所属するポリゴンと前記対象物の輪郭とが交わるように決定されることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係るモデリング装置において、前記複数の代表点のそれぞれとして前記標準モデルにおけるポリゴンの頂点が用いられることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係るモデリング装置において、前記シフト対応点決定手段は、前記標準モデルの凸部表面に存在する代表点の対応点について、当該対応点を前記対象物の外方向に仮想的に移動した点を前記シフト対応点として求めるとともに、前記標準モデルの凹部表面に存在する代表点の対応点について、当該対応点を前記対象物の内方向に仮想的に移動した点を前記シフト対応点として求めることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項3または請求項4の発明に係るモデリング装置において、前記代表点の前記対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、前記代表点を頂点とする各ポリゴンの大きさに基づいて算出されることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項3から請求項5のいずれかの発明に係るモデリング装置において、前記代表点の前記対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、前記代表点における標準モデル表面の曲がり具合に基づいて算出されることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1または請求項2の発明に係るモデリング装置において、前記複数の代表点のそれぞれとして、前記標準モデルにおけるポリゴン上に存在する点であって前記対象物の輪郭に最も近接する点が用いられることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係るモデリング装置において、前記シフト対応点決定手段は、前記標準モデルの凸部表面に存在する代表点の対応点について、当該対応点を前記対象物の内方向に仮想的に移動した点を前記シフト対応点として求めるとともに、前記標準モデルの凹部表面に存在する代表点の対応点について、当該対応点を前記対象物の外方向に仮想的に移動した点を前記シフト対応点として求めることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項7または請求項8の発明に係るモデリング装置において、前記代表点の前記対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、当該代表点が存在するポリゴンの大きさに基づいて算出されることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項7から請求項9のいずれかの発明に係るモデリング装置において、前記代表点の前記対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、当該代表点における標準モデル表面の曲がり具合に基づいて算出されることを特徴とする。
また、請求項11の発明は、計測データに基づいて対象物に関するモデリングを行うモデリング方法であって、前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する工程と、前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求めるシフト対応点決定工程と、前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形工程とを備えることを特徴とする。
また、請求項12の発明は、コンピュータに、計測データに基づいて対象物に関するモデリングを行うモデリング方法を実行させるためのプログラムであって、コンピュータに、前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する工程と、前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求めるシフト対応点決定工程と、前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形工程とを実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
また、請求項13の発明は、計測データから対象物の領域を抽出する領域抽出装置であって、前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する手段と、前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求める手段と、前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形手段と、変形後の前記標準モデルを用いて前記対象物の領域を前記計測データから抽出する手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項14の発明は、計測データから対象物の領域を抽出する領域抽出方法であって、前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する工程と、前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求める工程と、前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形工程と、変形後の前記標準モデルを用いて前記対象物の領域を前記計測データから抽出する工程とを備えることを特徴とする。
また、請求項15の発明は、コンピュータに、計測データから対象物の領域を抽出する領域抽出方法を実行させるためのプログラムであって、コンピュータに、前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する工程と、前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求める工程と、前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形工程と、変形後の前記標準モデルを用いて前記対象物の領域を前記計測データから抽出する工程とを実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
請求項1から15に記載の発明によれば、標準モデル表面上の複数の代表点それぞれに対応して計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求め、各代表点と各代表点に対応するシフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように標準モデルを変形するので、3次元画像内の目的の領域を精度良くモデリングすることが可能となる。
また特に、請求項5に記載の発明によれば、代表点の対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、代表点を頂点とする各ポリゴンの大きさに基づいて算出されるので、代表点ごとに適切な移動量を決定することが可能となる。
また特に、請求項6に記載の発明によれば、代表点の対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、代表点における標準モデル表面の曲がり具合に基づいて算出されるので、代表点ごとに適切な移動量を決定することが可能となる。
また特に、請求項9に記載の発明によれば、代表点の対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、代表点が存在するポリゴンの大きさに基づいて算出されるので、代表点ごとに適切な移動量を決定することが可能となる。
また特に、請求項10に記載の発明によれば、代表点の対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、代表点における標準モデル表面の曲がり具合に基づいて算出されるので、代表点ごとに適切な移動量を決定することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る領域抽出装置1Aの概要を示す図である。領域抽出装置1Aは、複数の領域(物体)を含む計測データ(詳細には3次元計測データ(立体計測データとも称する))から所望の対象物の領域(詳細には立体領域)を抽出する装置である。なお、この領域抽出装置1Aは、モデルフィッティング手法を用いて対象物モデルの生成処理を行うことから、「モデリング装置」とも称せられる。
図1に示すように領域抽出装置1Aは、パーソナルコンピュータ(以下、単に「パソコン」と称する)2と、モニター3と、装着部5と、操作部4とを備えている。
パソコン2は、制御部20、入出力I/F21、及び記憶部22を備えている。
入出力I/F21は、モニター3、操作部4、装着部5及び外部ネットワークとパソコン2との相互間でデータの送受信を行うためのインターフェイス(I/F)であり、制御部20との間でデータの送受信を行う。
記憶部22は、例えばハードディスクなどで構成されており、領域抽出を実行するためのソフトウェアプログラム(以下、単に「プログラム」と称する)PG等を格納している。
制御部20は、主にCPU、ROM20a及びRAM20b等を有し、パソコン2の各部を統括制御する部位である。
モニター3は、例えば、LCDで構成され、制御部20で生成される表示用画像を可視的に出力する。
操作部4は、キーボード及びマウス等から構成され、使用者(ユーザ)の各種操作に伴う各種信号を入出力I/F21に送信する。
また、装着部5は、メモリカード51等の記憶媒体を着脱自在に装着することができる。そして、装着部5に装着されたメモリカード51に格納される各種データ又はプログラム等を入出力I/F21を介して制御部20或いは記憶部22に取り込むことができる。
次に、領域抽出装置1Aの各種機能について説明する。
図2は、領域抽出装置1Aの各種機能を示すブロック図である。
これらの各種機能は、制御部20内のCPU等の各種ハードウェアを用いて所定のプログラムPGを実行することによって実現される。
図2に示されるように、領域抽出装置1Aは、モデルフィッティング部11と領域抽出部12と抽出領域出力部13とを備え、入力される3次元画像(「3次元計測データ」あるいは「ボリュームデータ」とも称する)から使用者(ユーザ)等が抽出したい物体(以下、「抽出対象領域(物体)」とも称する)を抽出し、出力することができる。
モデルフィッティング部11は、モデルフィッティング手法を用いて抽出対象領域(抽出対象物体)の標準モデルを変形することにより、当該抽出対象領域のモデルを作成する機能を有している。
ここで、「標準モデル」は、モデルフィッティング手法において用いられる立体モデルであり、抽出対象領域(例えば臓器)の標準的なモデルを意味する。また、標準モデルは、領域抽出装置1A内のモデル格納部14から取得される。
領域抽出部12は、モデルフィッティング部11で作成された抽出対象領域のモデルに基づいて、3次元計測データから抽出対象物体を抽出する機能を有している。
抽出領域出力部13は、抽出した対象領域(物体)をモニター3に表示出力する機能を有している。
<処理概要>
次に、上述した領域抽出装置1Aの各機能についてより詳細に説明する。なお、以下の説明においては、X線CT装置によって取得される3次元画像(ボリュームデータ)からの物体(例えば臓器)の抽出処理について述べるが、本発明は他の計測データ(例えば、MRI装置によって取得される3次元画像等)からの領域抽出処理にも適用することができる。
ここで、X線CT装置によって取得される3次元画像について説明する。
図3は、X線CT装置によって取得される3次元画像TD1を示す図である。
図3に示されるように、3次元画像TD1は、物体(人体)を輪切りにした断面を示す複数(例えば、数十枚から数百枚)のスライス画像(断層画像)SDで構成されている。各スライス画像SDは、各点(各画素)でのX線の吸収量(CT値)を濃淡表示して可視化した画像である。図3においては、3次元画像TD1を構成する複数のスライス画像SDのうちの所定位置におけるスライス画像PMも併せて示されている。
図4は、領域抽出装置1Aの全体動作を示すフローチャートである。
図4に示されるように、領域抽出装置1Aは、ステップS1AからステップS3の工程を実行することによって、使用者(ユーザ)が指定した1以上の物体(臓器)を3次元画像(ボリュームデータ)から抽出する。
まず、ステップS1Aでは、使用者(ユーザ)の手動操作等によりボリュームデータ内の初期位置に配置された標準モデルを、モデルフィッティング手法によって変形することで、抽出対象物体に相当する個別モデルが作成される。
ステップS2では、ステップS1Aで作成された個別モデルの対応位置に存在する領域が、抽出対象物体(対象物)の存在領域として、3次元画像から抽出される。
ステップS3では、抽出された領域(物体)がモニター3に表示出力される。
なお、抽出対象物体の指定は、ステップS1Aの処理開始前に使用者(ユーザ)によって行われる。指定の方法としては、例えば、記憶部22に予めデータベース化されて保存されている各種臓器の項目一覧から、操作部(例えばマウス)4等の操作により使用者(ユーザ)が所望の項目を選択する態様等を採用することができる。
以下、ステップS1Aにおいて実行される各処理を詳述する。
<モデルフィッティング処理>
ステップS1Aのモデルフィッティング処理は、予め準備された一般的(標準的)な抽出対象物体のモデルである「標準モデル」を、抽出対象物体から得られる情報(形状等)を用いて変形する処理である。なお、本出願においては、モデルフィッティング処理による変形後の標準モデル(換言すれば抽出対象物体の情報が反映された標準モデル)を「個別モデル」とも称するものとする。
このモデルフィッティング処理では、初期位置に配置された標準モデルをモデルフィッティング手法によって変形することで、個別モデルを作成する処理が行われる。
図5は、モデルフィッティング処理(ステップS1A)の詳細を示すフローチャートである。図6は、3次元画像(計測データ)に含まれる抽出対象物体AAを示す図であり、図7は、標準モデルSAを初期位置に移動させる様子を概念的に示す図である。図7においては、標準モデルを初期配置した際の抽出対象物体と標準モデルとの位置関係も示されている。図8は、抽出対称物体AAの境界点Q1を中心にした領域RQ(図7参照)を拡大表示した模式図であり、図9は、一部のスライス画像PQ1、PQ2及びPQ4を示す図である。
なお、抽出対象物体の標準モデルは、例えば、微小な平面多角形(例えば、三角形)(以下、「ポリゴン」とも称する)で構成され、記憶部22等に保存されている。ポリゴンで構成された標準モデルは、各ポリゴンの頂点の3次元座標によってそのモデルの表面形状を表現することができる。また、本実施形態では、標準モデルにおけるポリゴンの各頂点を当該標準モデルの変形用の「制御点」Cjとして用いるとともに、各制御点Cjを標準モデルの表面上の代表的な点(以下、「代表点」とも称する)として用いる場合を例示する。
図5に示されるように、まず、ステップS11では、抽出対象物体の標準モデルが計測データ中の抽出対象領域に初期配置される。初期位置の決定手法としては、例えば、操作者(ユーザ)が、予め用意された標準モデルを適切な位置に手動で配置する手法を採用することができる。具体的には、図6に示されるように、3次元画像(計測データ)TD1に抽出対象物体の1つである物体AAが存在する場合、操作者(ユーザ)は、マウス等の操作によって、抽出対象物体AAの標準モデルSAを移動して、当該標準モデルSAを計測データTD1中に初期配置する(図7参照)。なお、初期位置の決定手法は、領域拡張手法等を用いて自動的に行ってもよい。
次のステップS12では、標準モデル表面上の代表点(制御点)Cjに対応する点Qj(以下、「対応点」とも称する)を決定する処理が行われる。ここでは、3次元画像(ボリュームデータ)において抽出対象物体の輪郭(境界)を示す画素(境界点)のうち、制御点Cjの最も近傍に存在する画素を当該制御点Cjの対応点Qjとする手法を用いる。なお、各抽出対象物体の輪郭(境界)は、各スライス画像SDにおいて、エッジ抽出処理を行うことなどによって取得される。
例えば、図8(立面図)においては、制御点C1の対応点Q1は、制御点C1の最も近傍に存在する境界点(画素)Q1aとなる。ここで、図8においては、xz平面に平行な所定の平面(2次元空間)における境界点のみが示されているが、実際には、図9に示されるような3次元空間において制御点C1の最も近傍に存在する境界点が対応点となる。なお、図9においては、制御点C1の各スライス画像PQ1、PQ2、PQ4における射影点が×印で示されている。
次に、ステップS13では、制御点Cj近傍の標準モデルの形状等に基づいて、対応点Qjが点QAj(以下、「シフト対応点」とも称する)へと仮想的に一定量LAjシフト(移動)される。なお、対応点Qjの移動については後述する。
次に、ステップS14では、標準モデルの制御点Cjのうち任意の一点(以下、「移動対象点」とも称する)(例えば制御点C1)が一方向(例えばA1方向)に微小量LB移動される(図8参照)。
さらに、ステップS15では、ステップS14において移動対象点を移動させ一時的に変形させた状態のモデル(以下、「一時変形モデル」とも称する)の総合エネルギーUeが算出される。
総合エネルギーUeは、式(1)に示されるように、制御点(代表点)Cjと制御点(代表点)Cjに対応する対応点Qjのシフト後の点QAj(シフト対応点)との相対的な位置関係に基づいて算出される外部エネルギーFeと、過剰な変形を避けるための内部エネルギーGeとの和で表される。なお、外部エネルギーFeおよび内部エネルギーGeについては後述する。
Figure 2007159927
次に、ステップS16において、移動対象点が全ての方向に移動されたか否かを判定する。例えば、3次元空間の全方位における移動対象点の移動方向を26方向(当該移動対象点(画素)に隣接する26画素へ向かう方向)とすると、26方向全ての方向に制御点C1が移動されたか否かを判定する。
移動対象点(制御点C1)を26方向全てに移動させた一時変形モデルの作成が終了していなければ、移動対象点の移動方向を変更して再び微小量LB移動させ、異なる移動方向パターンの一時変形モデルを作成し、各一時変形モデルの総合エネルギーUeを算出する(ステップS14、S15)。
そして、ステップS16において全方向の移動が終了したと判定されると、ステップS17へ移行する。
ステップS17では、作成された全パターンの一時変形モデルの中から、総合エネルギーUeを最小とする一時変形モデルが選択される。換言すれば、或る制御点Cjを26方向に移動させて生成された各一時変形モデルのうち、総合エネルギーUeを最小化する一時変形モデルが選択される。例えば、後述するような内部エネルギーGeと外部エネルギーFeとの作用によれば、内部エネルギーGeを考慮せず外部エネルギーFeのみを考慮する場合には、その制御点Cjがシフト対応点QAjに近づく方向へと移動する一時変形モデルが選択されることになる。ただし、内部エネルギーGeを考慮する場合には、その制御点Cjがシフト対応点QAjに近づく方向とは異なる方向へと移動する一時変形モデルが選択されることもある。
次に、ステップS18において全制御点Cjの移動が終了したか否かを判定する。具体的には、標準モデルの全ての制御点Cjについて微少量LBの移動が終了したか否かを判定し、終了していない制御点(未了点とも称する)が存在すれば、移動対象点を当該制御点(未了点)に変更してステップS14〜S17の動作を繰り返し、全ての制御点Cjの移動を完了した一時変形モデルを作成する。一方、全ての制御点Cjの移動が終了していれば、ステップS19へ移行する。
ステップS19では、モデルフィッティング処理を終了するか否かを判定する。具体的には、全ての制御点Cjの移動を完了させた一時変形モデルにおける複数の制御点Cjとそのシフト対応点QAjとの距離の平均値が所定値以下であることを条件とし、当該条件を満たす場合に、モデルフィッティング処理を終了するようにすればよい。これによれば、各制御点Cjがシフト対応点QAjに所定程度近づいた場合に同処理を終了することができる。または、これに加えてあるいはこれに代えて、(全ての制御点Cjの移動を完了させた)前回の一時変形モデルと今回の一時変形モデルとの総合エネルギーUeの変化量が所定量以下であるか否かを終了判定の基準として用いてもよい。これによれば、制御点Cjを移動しても総合エネルギーがあまり変化しなくなった場合に処理を終了することができる。
ステップS19においてモデルフィッティング処理を終了しないと判定される場合は、ステップS20へと移行する。
ステップS20では、上述のステップS13〜S19で実行される処理を単位処理ループとして当該単位処理ループが所定回数D(例えば10回)実行されたか否かを判定する。所定回数D実行されていなければ、所定回数D実行されるまで再びステップS13〜S19の処理ループを繰り返し、所定回数D実行されていれば、ステップS21へと移行する。すなわち、全ての制御点Cjの移動を完了させた一時変形モデルが所定回数D作成されるまで、単位処理ループが繰り返される。
ステップS21では、ステップS12で決定した対応点Qjの更新が行われる。具体的には、上述の処理ループによって所定回数D移動した各制御点の最も近傍に存在する画素(境界点)を各制御点それぞれの新しい対応点とする対応点の更新が行われ、再びステップS14〜S21の処理が繰り返し行われる。このような「対応点の更新」によれば、制御点Cjの移動に伴って制御点Cjの最近傍境界点が変わる場合にも、対応点Qjの適正化を図ることができる。
一方、ステップS19においてモデルフィッティング処理を終了すると判定される場合は、最終的に得られた一時変形モデルが、抽出対象物体に相当する個別モデルとして決定され、このステップS1Aの処理は終了する。
このようなモデルフィッティング処理(ステップS1A)においては、標準モデルを1制御点ごとに微少量LBずつ徐々に変形させることによって、抽出対象領域に相当する個別モデルが作成される。
<シフト処理>
ここで、ステップS13で実行される対応点Qjの移動(シフト)について詳述する。
図10は、対応点のシフトに関するフローチャートである。図11は、3次元画像(計測データ)に含まれる抽出対象物体AAと標準モデルSAとを示す図である。図12、図13は、領域WAを拡大表示した図であり、図15は、領域WAにおける対応点のシフトの様子を示す図である。図14は、三角形状のポリゴンを示す図である。図16は、シフト対応点を用いて作成された個別モデルを示す図である。図17、図18は、領域WBを拡大表示した図であり、図19は、領域WBにおける対応点のシフトの様子を示す図である。図20は、シフト対応点を用いて作成された個別モデルを示す図である。
ここでは、抽出対象物体AAと標準モデルSAとが図11に示されるような態様で存在する場合を想定し、図11中の領域WA,WBにおける対応点の移動(シフト)についてそれぞれ説明する。なお、図11では抽出対象物体AAと標準モデルSAとの位置関係を簡単のために2次元で表している。
まず、領域WAにおける対応点Qjの移動(シフト)について説明する。
領域WAでは、上述のステップS12において制御点C10,C11,C12に対応する点がそれぞれ対応点Q10,Q11,Q12として算出される(図12参照)。
そして、ステップS13においては、図10に示される以下の各工程を経ることによって対応点のシフト処理を実行する。なお、以下では、制御点C11の対応点Q11のシフト動作を例にして説明する。
まず、ステップS31では、制御点Cjを頂点として制御点Cjの周りに存在する各ポリゴンの法線ベクトルNViがそれぞれ算出される。図13においては制御点C11に関して、法線ベクトルNV1,NV2が算出される。
なお、各ポリゴンの法線ベクトルは、当該ポリゴンの各頂点の座標を基にして算出される。例えば、図14に示されるような三角形状のポリゴンでは、その法線ベクトルは制御点Cj(j=J1,J2,J3)のうちの異なる2組の点を結ぶ独立したベクトルV12,V13の外積ベクトルを正規化したベクトルとして表現される。
次のステップS32では、各ポリゴンの法線ベクトルを合成することによって制御点Cjにおける合成ベクトルSVjが算出される。図13では制御点C11の合成ベクトルSV11が算出される。
ステップS33では、制御点Cjを含み、かつ、合成ベクトルSVjを法線ベクトルとする平面FHjが算出される。具体的には、制御点C11に関して、制御点C11を含み、合成ベクトルSV11を法線ベクトルとする平面FH11(図13では直線)が算出される(図13参照)。
ステップS34では、ステップS31で算出された各ポリゴンの法線ベクトルNViが平面FHjへ射影され、ベクトル(以下、「射影ベクトル」とも称する)PViが算出される。図13においては、法線ベクトルNV1の平面FH11への射影によるベクトルPV1と法線ベクトルNV2の平面ベクトルFH11への射影によるベクトルPV2とが算出される。
そして、ステップS35では、各射影ベクトルPViに基づいて、制御点Cjが凹部に存在するのか、凸部に存在するのかが判定される。
具体的には、各射影ベクトルPViが制御点Cjから遠ざかる方向(「離散方向」とも称する)のベクトルである場合には、当該制御点Cjは凸部に存在すると判定される。一方、各射影ベクトルPViが制御点Cjに近づく方向(「接近方向」とも称する)のベクトルである場合には、当該制御点Cjは凹部に存在すると判定される。
図13においては、各射影ベクトルPV1,PV2は、制御点C11から遠ざかる向きであるから、制御点C11は凸部に存在すると判定される。
ステップS36では、ステップS35の判定に基づいて、対応点Qjが仮想的に移動(シフト)される。
具体的には、制御点Cjが凸部に存在する場合には、その対応点Qjは、制御点Cjと対応点Qjとを結んでできる直線において抽出対象物体AAの輪郭(境界)より外側に存在する点(シフト対応点)QAjへと一定量LAj仮想的に移動されればよい。また、制御点Cjが凹部に存在する場合には、その対応点Qjは、制御点Cjと対応点Qjとを結んでできる直線において抽出対象物体AAの輪郭(境界)より内側に存在する点(シフト対応点)QAjへと仮想的に一定量LAj移動されればよい。
例えば、図15に示されるように、凸部に存在する制御点C11のシフト対応点QA11は、制御点C11とその対応点Q11とを結ぶ直線上の点であって、対応点Q11から抽出対象物体AAの外側に向けて一定量LA11移動した点である。
このような対応点Qjのシフト処理が、各制御点Cj(例えばC10,C12)についてもそれぞれ実行される(図15参照)。
そして、対応点Qjのシフト処理によって算出されたシフト対応点QAjと制御点Cjとを合致させる変形を促すようなモデル変形が実行される(詳細は後述)。これにより、制御点Cjと対応点Qjとを合致させるような変形によって作成される個別モデルGB(図16参照)よりも多くの抽出対象領域AAを含んだ個別モデルGAの作成が可能となる。
なお、本実施形態では、対応点の移動量LAjは、各制御点Cjにおいて予め定められているものとする。詳細は、後述する。
次に、領域WBにおける対応点Qjの移動(シフト)について説明する。
領域WBにおいても、上述のシフト処理(ステップS31〜S36)と同様の処理が実行される。なお、以下では、図17における制御点C51の対応点Q51のシフト動作を例にして説明する。
具体的には、図18に示されるように制御点C51を頂点として制御点C51の周りに存在する各ポリゴンの法線ベクトルNV11、NV12がそれぞれ算出され(ステップS31)、各ポリゴンの法線ベクトルNV11、NV12に基づいて制御点C51における合成ベクトルSV51が算出される(ステップS32)。
次に、制御点C51を含み、かつ、合成ベクトルSV51を法線ベクトルとする平面FH51(図18では直線)が算出され(ステップS33)、各ポリゴンの法線ベクトルNV11、NV12が平面FH51にそれぞれ射影され、ベクトル(射影ベクトル)PV11、PV12が算出される(ステップS34)。
そして、各射影ベクトルPV11、PV12に基づいて、制御点C51が凹部に存在するのか、凸部に存在するのかが判定される(ステップS35)。詳細には、各射影ベクトルPV11、PV12は、制御点C51に近づく方向(接近方向)のベクトルであるから、制御点C51は、凹部に存在すると判定される。
制御点C51は、凹部に存在することから、制御点C51の対応点Q51は、制御点C51と対応点Q51とを結んでできる直線において抽出対象物体AAの輪郭より内側に存在する点(シフト対応点)QA51(図19参照)へと仮想的に一定量LA51移動される(ステップS36)。
このような対応点Qjのシフト処理が、各制御点Cj(例えばC53、C51)についてもそれぞれ実行される(図19参照)。
そして、対応点Qjのシフト処理によって算出されたシフト対応点QAjと制御点Cjとを合致させる変形を促すようなモデルの変形が実行される(詳細は後述)。これにより、制御点Cjと対応点Qjとを合致させるような変形によって作成される個別モデルGB(図20参照)よりも、抽出対象領域に相当しない他の領域(「非抽出対象領域」とも称する)を含む割合が少ない個別モデルGAの作成が可能となる。
以上のようにステップS13では、制御点Cj近傍の標準モデルの凹凸形状を判定し、判定した凹凸形状に基づいて制御点Cjの対応点Qjを仮想的に一定量LAjシフトさせる。
<シフト量について>
次に、シフト処理(ステップS13)における対応点Qjのシフト量(移動量)LAjについて詳述する。
上述のとおり、本実施形態における対応点Qjのシフト量LAjは、各制御点Cjにおいて予め定められている。
具体的には、シフト量LAjは適宜に調整された値に決定される。詳細には、対応点Qjのシフト量LAjは、シフト対応点QAjと制御点(代表点)Cjとが合致するように標準モデルが仮定的に変形された状態において、合致した制御点Cjを頂点とする各ポリゴン(制御点の所属ポリゴン)がいずれも抽出対象物体AAの輪郭(境界)と交わるように決定される。例えば、図15のシフト量LA11,LA12は、制御点C11,C12とシフト対応点QA11,QA12とがそれぞれ合致するように標準モデルSAが仮定的に変形された状態において、合致した制御点を頂点とするポリゴン(すなわちシフト対応点QA11およびシフト対応点QA12等を頂点とするポリゴン)POLaが抽出対象物体AAの輪郭(境界)と交わるような適宜の微小量として定めれる。
また、シフト量LAjは全ての制御点Cjに共通の値を用いてもよいが、制御点Cjごとに異なる値を採用しても良い。詳細には、対応点Qjのシフト量LAjを、標準モデルの各制御点Cjの近傍に存在する各ポリゴンから算出される以下の各要素に基づいて制御点Cjごとに変更してもよい。
例えば、制御点Cjを頂点とする各ポリゴンの大きさを移動量LAjの算出要素とすることができる。図21、図22は、対応点のシフトの様子を示す図である。
ここで、図21における制御点(例えば制御点C1(j))を頂点とする各ポリゴンの大きさが、図22における制御点(例えば制御点C2(j))を頂点とする各ポリゴンの大きさよりも大きい場合を考える。この場合、精度の良い境界抽出を行うために必要とするシフト量LAjは、図22のように各ポリゴンの大きさが小さい場合よりも図21のように各ポリゴンの大きさが大きい方が多くなる。
なお、ポリゴンの大きさは、当該ポリゴンを構成する頂点(制御点)の三次元座標に基づいて算出される。
このように、制御点Cjを頂点とする各ポリゴンの大きさによって精度の良い境界抽出を行うために必要とされる対応点Qjのシフト量LAjは変化する。したがって、制御点Cjを頂点とする各ポリゴンの大きさが相対的に大きければ対応点Qjのシフト量LAjを多くし、制御点Cjを頂点とする各ポリゴンの大きさが相対的に小さければ対応点Qjのシフト量LAjを少なくするようにして、制御点Cjを頂点とする各ポリゴンの大きさに基づいて対応点Qjのシフト量を変更することができる。これにより、制御点Cjごとに適切な移動量を決定することが可能となる。
また、例えば、制御点Cjにおける標準モデルの表面形状を移動量LAjの算出要素とすることもできる。図23、図24は、制御点付近の曲がり具合を算出するための図である。
具体的には、制御点Cjを頂点とする各ポリゴンに基づいて当該制御点Cjにおける標準モデル表面の曲がり具合(「曲率」とも称する)を算出し、これに基づいて対応点Qjの移動量LAjを決定することができる。
制御点Cjにおける標準モデル表面の曲がり具合(曲率)は、例えば、以下の手法により算出することができる。
図23に示されるように制御点C3(j)を頂点とする各ポリゴンの法線ベクトルNV3(i)、NV3(i+1)をそれぞれ算出し、各法線ベクトルNV3(i)、NV3(i+1)を合成することで、当該制御点C3(j)における合成ベクトルSV3(j)を算出する。
このように算出された合成ベクトルSV3(j)の大きさは、当該制御点C3(j)近傍の表面形状(ポリゴンの位置関係)を表している。詳細には、図24に示されるように制御点C4(j)近傍の表面形状がより平面に近い場合には、当該制御点C4(j)における合成ベクトルSV4(j)の大きさは大きくなるが、図23に示されるように制御点C3(j)近傍の表面形状の曲がり具合が大きくなる場合には、当該制御点C3(j)の合成ベクトルSV3(j)の大きさは小さくなる。
このように、制御点Cjにおける合成ベクトルSVjによって、その制御点Cjにおける曲がり具合(曲率)を算出(判断)することができるので、合成ベクトルSVjの大きさが相対的に大きい場合には対応点Qjのシフト量を少なくし、合成ベクトルSVjの大きさが相対的に小さい場合には対応点Qjのシフト量を多くするようにして、対応点Qjのシフト量LAjを変更することができる。これにより、制御点Cjごとに適切な移動量を決定することが可能となる。
なお、制御点Cjにおける標準モデル表面の曲がり具合(曲率)は、制御点Cjを頂点とする各ポリゴン(錐面)によって構成される立体角の角度を用いても(例えば当該角度の逆数)表現される。
<エネルギーについて>
次に、総合エネルギーUeを構成する外部エネルギーFeと内部エネルギーGeとについて説明する。図25は、制御点間を仮想バネで繋いだ模式図である。
外部エネルギーFeは、各制御点(代表点)Cjと当該各制御点(代表点)Cjにそれぞれ対応する対応点Qjのシフト後の点QAj(シフト対応点)と相対的な位置関係に基づいて算出され、例えば、制御点(代表点)Cjとこれに対応するシフト対応点QAjの距離の二乗を用いて式(2)のように表すことができる。
Figure 2007159927
但し、αは定数、Ntは制御点(代表点)の数、|Cj−QAj|は制御点(代表点)Cjとシフト対応点QAjとの距離を表すものとする。
このような外部エネルギーFeを非常に大きくするような一時変形モデル、すなわち、制御点(代表点)Cjとシフト対応点QAjとの距離が移動前より大きくなった一時変形モデルは、その総合エネルギーUeが大きくなるため、上述のステップS17(総合エネルギーUeを最小とする制御点の移動を採用する工程)において採用されにくくなる。
また、内部エネルギーGeは、例えば、図25に示されるように、制御点Cj間が仮想バネ(「制御バネ」とも称する)SPR(SPR1,SPR2,SPR3,...)によって繋がれていると想定すると、式(3)のように表される。
Figure 2007159927
但し、βは定数、Krは各制御バネのバネ定数、Nrは制御バネの本数、Wrは各制御バネの変位量を表すものとする。また、添字uは、u番目の制御バネに関するものであることを示す。
式(3)によると、各制御点Cjの過剰な移動は、制御バネSPRに蓄えられるエネルギーの増大として表現される。例えば、1つの制御点Czが、或る点Vzへと移動し他の制御点との相対変位が増大したとすると、制御バネSPR1、SPR2及びSPR3には、各制御バネの伸びによるエネルギーが蓄えられ内部エネルギーGeひいては総合エネルギーUeが大きくなる。
このような過剰変形を伴う一時変形モデルは、その内部エネルギーGeが大きくなりその総合エネルギーUeも大きくなるため、上述のステップS16(総合エネルギーUeを最小とする制御点の移動を採用する工程)において採用されにくくなる。
換言すれば、内部エネルギーGeを減少させて総合エネルギーUeを減少させるような一時変形モデルがステップS16で選択されることによって、各制御点Cjの移動による過剰な変形を防止する作用を得ることができる。
つまり、このような内部エネルギーGeを導入することによって、標準モデルの形状すなわち標準モデルを構成する各ポリゴンの形状を損なわない制御点Cjの移動が可能となる。
上述の処理によれば、このような外部エネルギーFeと内部エネルギーGeとの和で表現される総合エネルギーUeを最小とする一時変形モデルが、標準モデルを最適に変形させる一時変形モデル(「最適変形モデル」とも称する)、すなわち個別モデルとして決定される。そして、当該個別モデルの対応位置に存在する領域が抽出対象領域として抽出される。これによれば、適切な領域抽出処理が実現される。
そして、ステップS2において、当該各個別モデルの対応位置に存在する各領域(存在領域)が抽出対象領域として抽出され出力される。
以上のように、領域抽出装置1Aは、計測データ内の抽出対象物体を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得し、抽出対象物体の輪郭において標準モデル表面上の複数の制御点(代表点)Cjそれぞれに対応して存在する対応点Qjを決定する。
次に、制御点Cj近傍の標準モデルの凹凸形状を判定し、判定した凹凸形状に基づいて制御点Cjの対応点Qjを仮想的に一定量LAjシフトさせ、シフト対応点QAjを決定する。なお、対応点Qjのシフト量LAjは、シフト対応点QAjと制御点Cjとが合致するように標準モデルが仮定的に変形された状態において、合致した制御点Cjを頂点とする各ポリゴン(制御点の所属ポリゴン)がいずれも抽出対象物体AAの輪郭(境界)と交わるように決定される。
そして、標準モデルを用いたモデルフィッティング手法によって、複数の制御点(代表点)Cjそれぞれに対応するシフト対応点QAjとの距離が近づけば良化する要素を含んだ評価関数を最適化するように複数のポリゴンの頂点をそれぞれ移動して標準モデルを変形させ、抽出対象物体に関する個別モデルを最終的に作成する。
このような領域抽出装置1Aでは、制御点Cjがシフト対応点QAjに近づく方向へと移動するモデル変形が実行される。詳細には、標準モデルの凸部表面においては、抽出対象物体の輪郭(境界)上に存在する対応点Qjを当該輪郭(境界)を基準として抽出対象物体の外方向にシフトさせ、当該シフト後のシフト対応点QAjと制御点(代表点)Cjとを合致させるような変形を促す要素を含んだ評価関数を用いて標準モデルの変形を実行すればよい。これにより、制御点(代表点)Cjと対応点Qjとを合致させるような変形を行う場合よりも、標準モデルの凸部表面は膨張することになる。
また、標準モデルの凹部表面においては、抽出対象物体の輪郭(境界)上に存在する対応点Qjを当該輪郭(境界)を基準として抽出対象物体の内方向にシフトさせ、当該シフト後のシフト対応点QAjと制御点(代表点)Cjとを合致させるような変形を促す要素を含んだ評価関数を用いて標準モデルの変形を実行すればよい。これにより、制御点(代表点)Cjと対応点Qjとを合致させるような変形を行う場合よりも、標準モデルの凹部表面は縮退することになる。
このように、標準モデルの凸部においては、その表面を膨張させることで、より多くの抽出対象領域を個別モデルに含むことが可能になるとともに、標準モデルの凹部においては、その表面を縮退させることで、抽出対象領域に相当しない他の領域(「非抽出対象領域」とも称する)を個別モデルから除くことが可能となる。これにより、計測データの画素すなわち抽出対象物体の輪郭を示す画素の総数と標準モデル表面上において変形に用いる代表的な点(制御点)の総数との相違から生じる抽出対象物体の輪郭(境界)と個別モデルの輪郭(境界)との間のズレを軽減することができ、精度の良い境界抽出が可能となる。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態における領域抽出装置1Bの構成は、第1実施形態において説明したものと同様であり、また、第1実施形態と同様の機能を有する要素については同一符号を付してその説明を省略する。
上記第1実施形態では、標準モデルにおけるポリゴンの各頂点を制御点Cjとして用いるとともに、各頂点(制御点)Cjを標準モデル表面上の代表点とし、当該制御点(代表点)Cjと抽出対象物体の境界上において当該制御点(代表点)Cjに対応するシフト対応点QAjとに基づいて外部エネルギーを算出していたが、本実施形態では、各ポリゴン上に存在する所定の点(より詳細には、計測データにおける抽出対象物体の輪郭(境界)に最も近い点)を代表点と定め、当該代表点と抽出対象物体の境界上において当該代表点に対応するシフト対応点とに基づいて外部エネルギーを算出する場合を例示する。
例えば、凸部形状の抽出対象物体に上記第1実施形態のモデルフィッティング処理(ステップS1A)を実行すると、図26(a)に示されるように標準モデルSEを抽出対象物体EEの輪郭(境界)に内接させるような変形原理に基づいたモデル変形が行われる。一方、凸部形状の抽出対象物体に第2実施形態のモデルフィッティング処理を実行すると、図26(b)に示されるように標準モデルSEを抽出対象物体EEの輪郭(境界)に外接させるような変形原理に基づいたモデル変形が行われる。
具体的には、領域抽出装置1Bにおけるモデルフィッティング処理(ステップS1B(図27))では、図5に示される領域抽出装置1Aで実行されるモデルフィッティング処理(ステップS1A)と原則として同様の処理が実行されるが、ステップS52、S53においては、ステップS12、S13とは異なる処理がそれぞれ実行される。以下、領域抽出装置1Bにおけるモデルフィッティング処理(ステップS1B)について詳述する。
図27は、第2実施形態におけるモデルフィッティング処理(ステップS1B)を示すフローチャートである。図28は、3次元画像(計測データ)に含まれる抽出対象物体BBと標準モデルSBとを示す図である。図29は、領域WCを拡大表示した図である。
図27に示されるように、まず、ステップS51では、ステップS11と同様の処理が実行され、抽出対象物体の標準モデルが計測データ中の抽出対象領域に初期配置される。
次のステップS52では、各ポリゴン上に存在する所定の点(代表点)と抽出対象物体の境界上において当該代表点に対応する点(対応点)とを決定する処理が実行される。
具体的には、標準モデル表面上のポリゴンごとに、ポリゴン上の1つの代表点と当該代表点に対応する対応点とが決定される。ここでは、抽出対象物体の輪郭(境界)を示す各画素(境界点)からポリゴン平面へ下ろした垂線の足が最も短くなるときの当該垂線の足とポリゴン平面との交点を代表点とし、当該垂線の足を下ろす始点となった抽出対象物体の輪郭上の画素を対応点とする手法を用いる。
例えば、図28に示されるような位置関係に抽出対象物体BBと標準モデルSBとが存在するときに、領域WCにおけるポリゴンPOL22の代表点AT22とその対応点QT22とを決定する場合について詳述する(図29,図31参照)。抽出対象物体BBの輪郭を示す各画素(例えばAK1〜AK5)からそれぞれポリゴンPOL22へと垂線の足(HA1〜HA5)を下ろし、各垂線の足の長さ(すなわち各画素とポリゴンPOL22との距離)が算出される。そして、各垂線の足(HA1〜HA5)のうち、その長さが最も短くなる垂線の足が選択される。図29においては、輪郭上の画素QA3からの垂線の足HA3が最も短くなる。これにより、当該垂線の足HA3とポリゴンPOL22との交点SK3が代表点AT22と決定されるとともに、当該垂線の足HA3を下ろす始点となった抽出対象物体BBの輪郭を示す画素AK3が代表点AT22の対応点QT22として決定される。
このように、抽出対象物体の輪郭上の画素の中で、各ポリゴンの最も近傍に存在する画素を算出して、代表点ATkと対応点QTkとが決定される。
次に、ステップS53では、代表点ATkが存在するポリゴン近傍の標準モデルの形状等に基づいて、対応点QTkが点QTAk(以下、「シフト対応点」とも称する)へと仮想的に一定量LAkシフト(移動)される。なお、対応点QTkの移動については後述する。
ステップS54では、ステップS14と同様の処理が実行され、標準モデルの制御点Cjのうち任意の一点(移動対象点)(例えば制御点C1)が一方向(例えばA1方向)に微小量LB移動される(図8参照)。
そして、ステップS55では、ステップS54において移動対象点を移動させ一時的に変形させた状態のモデル(一時変形モデル)の総合エネルギーUeが算出される。
総合エネルギーUeは、上記式(1)に示されるように、外部エネルギーFeと、過剰な変形を避けるための内部エネルギーGeとの和で表される。
本実施形態における外部エネルギーFeは、代表点ATkと当該代表点ATkに対応する対応点QTkのシフト後の点QTAk(シフト対応点)との距離の二乗を用いて式(4)のように表される。
Figure 2007159927
但し、γは定数、Nvは代表点の数、|ATk−QTAk|は代表点ATkとシフト対応点QTAkとの距離を表すものとする。
また、内部エネルギーGeは、第1実施形態と同様に(図25参照)、制御点Cj間が仮想バネSPRによって繋がれていると想定し、上記式(3)のように表されるものとする。
ステップS56では、ステップS16と同様の処理が行われ、移動対象点が全ての方向に移動されたか否かを判定する。全ての方向への移動が終了していなければ、ステップS53〜S56の処理を繰り返し、全ての方向への移動が終了するとステップS57へと移行する。
ステップS57では、ステップS17と同様の処理が行われ、作成された全パターンの一時変形モデルの中から、総合エネルギーUeを最小とする一時変形モデルが選択される。換言すれば、或る制御点Cjを移動させて生成された各一時変形モデルのうち、総合エネルギーUeを最小化する一時変形モデルが選択される。
次に、ステップS58では、ステップS18と同様の処理が行われ、全制御点Cjの移動が終了したか否かを判定する。
ステップS59では、ステップS19と同様の処理が実行され、モデルフィッティング処理を終了するか否かを判定する。具体的には、全ての制御点Cjの移動を完了させた一時変形モデルにおける複数の代表点ATkとそのシフト対応点QTAkとの距離の平均値が所定値以下であることを条件とし、当該条件を満たす場合に、モデルフィッティング処理を終了するようにすればよい。これによれば、各代表点ATkがシフト対応点QTAkに所定程度近づいた場合に同処理を終了することができる。または、これに加えてあるいはこれに代えて、(全ての制御点Cjの移動を完了させた)前回の一時変形モデルと今回の一時変形モデルとの総合エネルギーUeの変化量が所定量以下であるか否かを終了判定の基準として用いてもよい。これによれば、制御点Cjを移動しても総合エネルギーがあまり変化しなくなった場合に処理を終了することができる。
ステップS59においてモデルフィッティング処理を終了しないと判定される場合は、ステップS60へと移行する。
ステップS60では、ステップS20と同様の処理が実行され、上述のステップS53〜S59で実行される処理を単位処理ループとして当該単位処理ループが所定回数D(例えば10回)実行されたか否かを判定する。所定回数D実行されていなければ、所定回数D実行されるまで再びステップS53〜S59の処理ループを繰り返し、所定回数D実行されていれば、ステップS61へと移行する。すなわち、全ての制御点Cjの移動を完了させた一時変形モデルが所定回数D作成されるまで、単位処理ループが繰り返される。
ステップS61では、ステップS21と同様の処理が実行され、ステップS52で決定した対応点QTkの更新が行われる。具体的には、上述の処理ループによる制御点の移動によってポリゴンの形状が変形するため、上述のステップS52と同様の手法により変形後の各ポリゴンに基づいて、各ポリゴン上の代表点ATkおよびその対応点QTkの更新が行われる。このような「代表点および対応点の更新」によれば、制御点Cjの移動によるポリゴンの形状変形に伴って各ポリゴンの最近傍境界点が変わる場合にも、代表点ATkおよび対応点QTkの適正化を図ることができる。
一方、ステップS59においてモデルフィッティング処理を終了すると判定される場合は、最終的に得られた一時変形モデルが、抽出対象物体に相当する個別モデルとして決定され、このステップS1Bの処理は終了する。
このようなモデルフィッティング処理(ステップS1B)においては、標準モデルを1制御点ごとに微少量LBずつ徐々に変形させることによって、抽出対象領域に相当する個別モデルが作成される。
<シフト処理>
ここで、ステップS53で実行される対応点QTkの移動(シフト)について図28中の領域WC、WDにおける対応点の移動(シフト)を例にして詳述する。
図30は、対応点のシフトに関するフローチャートである。図31は、領域WCを拡大表示した図であり、図32は、領域WCにおける対応点のシフトの様子を示す図である。図33は、領域WDを拡大表示した図であり、図34は、領域WCにおける対応点のシフトの様子を示す図である。図35は、注目ポリゴンにおける曲がり具合を算出するための図である。
まず、領域WCにおける対応点QTkの移動(シフト)について説明する。
領域WCでは、上述のステップS52において、注目するポリゴンの代表点ATkと対応点QTkとが決定される。例えば、図31における注目ポリゴンをポリゴンPOL22とすると、その注目ポリゴンPOL22の代表点AT22とその対応点QT22とが決定される。
そして、ステップS53においては、図30に示される以下の各工程を得ることによって対応点のシフト処理を実行する。なお、以下では、図31におけるポリゴンPOL22における代表点AT22の対応点QT22のシフト動作を例にして説明する。
ステップS71では、注目ポリゴンとその周辺のポリゴンとを含む複数のポリゴン(換言すれば注目ポリゴンの各頂点(制御点)Cjを共有する隣接ポリゴンと注目ポリゴンとを含む複数のポリゴン)POLkの各法線ベクトルNVkが算出される。具体的には、図31に示される注目ポリゴンPOL22においては、制御点C52を頂点とするポリゴンPOL21およびポリゴンPOL22の各法線ベクトルNV21、NV22と、制御点C53を頂点とするポリゴンPOL22およびポリゴンPOL23の各法線ベクトルNV22、NV23とが算出される。
次のステップS72では、制御点Cjごとにそれぞれの制御点Cjを頂点とするポリゴンPOLkの法線ベクトルNVkが合成される。図31では、法線ベクトルNV21と法線ベクトルNV22とが合成されて制御点C52に関する合成ベクトルSV52と、法線ベクトルNV22と法線ベクトルNV23とが合成されて制御点C53に関する合成ベクトルSV53とが算出される。
ステップS73では、ステップS72で算出された各合成ベクトルSVjが注目ポリゴンPOLkを含む平面FHkに射影される。図5では、合成ベクトルSV52、SV53が注目ポリゴンPOL22を含む平面FH22にそれぞれ射影され、ベクトル(射影ベクトル)PV52、PV53が算出される。
そして、ステップS74では、各射影ベクトルPVjに基づいて、注目ポリゴンPOLkが凹部に存在するのか、凸部に存在するのかが判定される。
具体的には、各射影ベクトルPVjが代表点ATkから遠ざかる方向(「離散方向」とも称する)のベクトルである場合には、当該代表点ATkの存在する注目ポリゴンPOLkは凸部に存在すると判定される。一方、各射影ベクトルPVjが代表点ATkに近づく方向(「接近方向」とも称する)のベクトルである場合には、当該代表点ATkの存在する注目ポリゴンPOLkは凹部に存在すると判定される。
図31においては、各射影ベクトルPV52、PV53は、代表点AT22から遠ざかる向きであるから、注目ポリゴンPOL22は、凸部に存在すると判定される。
ステップS75では、ステップS74での判定に基づいて、対応点QTkが仮想的に移動(シフト)される。
具体的には、ポリゴンPOLkが凸部に存在する場合には、その代表点ATkの対応点QTkは、代表点ATkと対応点QTkとを結んでできる直線において抽出対象物体BBの輪郭(境界)より内側に存在する点(シフト対応点)QTAkへと一定量LAk仮想的に移動されればよい。また、ポリゴンPOLkが凹部に存在する場合には、その代表点ATkの対応点QTkは、代表点ATkと対応点QTkとを結んでできる直線において抽出対象物体BBの輪郭(境界)より外側に存在する点(シフト対応点)QTAkへと仮想的に一定量LAk移動されればよい。
例えば、図32に示されるように、凸部に存在する代表点AT22のシフト対応点QTA22は、代表点AT22とその対応点QT22とを結ぶ直線上の点であって、対応点QT22から抽出対象物体の内側に向けて一定量LA22移動した点である。
このような対応点のシフト処理が、各ポリゴンPOLkの代表点ATkについてもそれぞれ実行される。
なお、本実施形態では、対応点の移動量LAkは、各ポリゴンPOLkにおいて予め定められているものとする。
次に、領域WDにおける対応点QTkの移動(シフト)について説明する。
領域WDにおいても、上述のシフト処理(ステップS71〜S75)と同様の処理が実行される。なお、以下では、図33におけるポリゴンPOL32における代表点AT32の対応点QT32のシフト動作を例にして説明する。
具体的には、図33に示される注目ポリゴンPOL32においては、制御点C72を頂点とするポリゴンPOL31およびポリゴンPOL32の各法線ベクトルNV31、NV32と、制御点C73を頂点とするポリゴンPOL32およびポリゴンPOL33の各法線ベクトルNV32、NV33とが算出される(ステップS71)。そして、法線ベクトルNV31と法線ベクトルNV32とが合成されて制御点C72に関する合成ベクトルSV72が算出されるとともに、法線ベクトルNV32と法線ベクトルNV33とが合成されて制御点C73に関する合成ベクトルSV73が算出される(ステップS72)。
次に、各合成ベクトルSV72、SV73が注目ポリゴンPOL32を含む平面FH32にそれぞれ射影され、ベクトル(射影ベクトル)PV72、PV73が算出される。(ステップS73)。
そして、各射影ベクトルPV72、PV72に基づいて、注目ポリゴンPOL32が凹部に存在するのか、凸部に存在するのかが判定される(ステップS74)。詳細には、各射影ベクトルPV72、PV73が代表点AT32に近づく方向(接近方向)のベクトルであるから、当該代表点AT32の存在する注目ポリゴンPOL32は、凹部に存在すると判定される。
注目ポリゴンPOL32は、凹部に存在することから、代表点AT32の対応点QT32は、代表点AT32と対応点QT32とを結んでできる直線において抽出対象物体BBの輪郭より外側に存在する点(シフト対応点)QTA32(図34参照)へと仮想的に一定量LA32移動される(ステップS36)。
このようにステップS53では、注目ポリゴンPOLk近傍の標準モデルの凹凸形状を判定し、判定した凹凸形状に基づいて代表点ATkの対応点QTkを仮想的に一定量LAkシフトさせる。
なお、シフト処理における対応点QTkのシフト量LAkは、上述のように各ポリゴンPOLkにおいて予め定められている。
具体的には、シフト量LAkは適宜に調整された値に決定される。詳細には、対応点QTkのシフト量LAkは、シフト対応点QTAkと代表点ATkとが合致するように標準モデルが仮定的に変形された状態において、合致した各代表点ATkの所属する各注目ポリゴンPOLkがいずれも抽出対象物体AAの輪郭(境界)と交わるように決定される。
また、シフト量LAkは全てのポリゴンPOLkに共通の値を用いてもよいが、ポリゴンPOLkごとに異なる値を採用しても良い。詳細には、対応点QTkのシフト量LAkを、代表点ATkの所属する注目ポリゴンPOLkの大きさおよび/または代表点ATkにおける標準モデル表面の表面形状(曲がり具合(曲率))に基づいて代表点ATkごとに変更してもよい。
ここで、代表点ATkにおける標準モデル表面の曲がり具合(曲率)の算出手法について説明する。
代表点ATkにおける曲がり具合は、代表点ATkの所属する注目ポリゴンPOLkの各制御点Cjにおける曲がり具合に基づいて算出される。例えば、注目ポリゴンPOLkが3つの頂点(制御点)を有する三角形であるとすると、代表点ATkの曲がり具合は、3つの制御点Cjそれぞれにおける標準モデル表面の曲がり具合の平均値として求められる。
以下では、説明の簡単化のために注目ポリゴンPOLkの各頂点のうち2つの頂点(制御点)を用いて、代表点ATkにおける曲がり具合を算出する場合について図35を用いて詳述する。
詳細には、制御点Cjを頂点とするポリゴンPOLk(POL(k)とも表記する)およびポリゴンPOL(k+1)の各法線ベクトルNV(k)、NV(k+1)から制御点C(j)における合成ベクトルSV(j)を算出するとともに、制御点C(j−1)を頂点とするポリゴンPOL(k)およびポリゴンPOL(k−1)の各法線ベクトルNV(k)、NV(k−1)から制御点C(j−1)における合成ベクトルSV(j−1)を算出する。そして、これら合成ベクトルSV(j)、SV(j−1)の大きさの平均値を算出する。このように算出された各合成ベクトルの大きさの平均値は、曲がり具合(曲率)が大きい場合には小さな値となり、曲がり具合(曲率)が小さい場合には大きな値となる。
したがって、各合成ベクトルの大きさの平均値が相対的に大きい場合には、対応点QTkのシフト量を少なくし、各合成ベクトルの大きさの平均値が相対的に小さい場合には、対応点QTkのシフト量を多くするようにして、対応点QTkのシフト量LAkを変更することができる。これにより、制御点Cjごとに適切な移動量を決定することが可能となる。
また、代表点ATkにおける標準モデル表面の曲がり具合(曲率)は、注目ポリゴンPOLkの各制御点(頂点)Cjにおいてそれぞれ算出される立体角の角度の平均値を用いても表現される。
以上のように、領域抽出装置1Bは、計測データ内の抽出対象物体を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得し、抽出対象物体の輪郭において標準モデル表面上の複数の代表点ATkそれぞれに対応して存在する対応点QTkを決定する。
そして、代表点ATkが所属する注目ポリゴンPOLk近傍の標準モデルの凹凸形状を判定し、判定した凹凸形状に基づいて代表点ATkの対応点QTkを仮想的に一定量LAkシフトさせ、シフト対応点QTAkを決定する。なお、対応点QTkのシフト量LAkは、シフト対応点QTAkと代表点ATkとが合致するように標準モデルが仮定的に変形された状態において、合致した各代表点ATkの所属する各注目ポリゴンPOLkのポリゴンがいずれも抽出対象物体AAの輪郭(境界)と交わるように決定される。
さらに、標準モデルを用いたモデルフィッティング手法によって、複数の代表点それぞれに対応するシフト対応点QATkとの距離が近づけば良化する要素を含んだ評価関数を最適化するように複数のポリゴンの頂点をそれぞれ移動して標準モデルを変形させ、抽出対象物体に関する個別モデルを作成する。
このような領域抽出装置1Bでは、代表点ATkがシフト対応点QTAkに近づく方向へと移動するモデル変形が実行される。詳細には、標準モデルの凸部表面においては、抽出対象物体の輪郭(境界)上に存在する対応点QTkを当該輪郭(境界)を基準として抽出対象物体の内方向にシフトさせ、当該シフト後のシフト対応点QTAkと代表点ATkとを合致させるような変形を促す要素を含んだ評価関数を用いて標準モデルの変形を実行すればよい。これにより、代表点ATkと対応点QTkとを合致させるような変形を行う場合よりも、標準モデルの凸部表面は縮退することになる。
また、標準モデルの凹部表面においては、抽出対象物体の輪郭(境界)上に存在する対応点QTkを当該輪郭(境界)を基準として抽出対象物体の外方向にシフトさせ、当該シフト後のシフト対応点QTAkと代表点ATkとを合致させるような変形を促す要素を含んだ評価関数を用いて標準モデルの変形を実行すればよい。これにより、代表点ATkと対応点QTkとを合致させるような変形を行う場合よりも、標準モデルの凹部表面は膨張することになる。
このように、標準モデルの凹部においては、その表面を膨張させることで、より多くの抽出対象領域を個別モデルに含むことが可能になるとともに、標準モデルの凸部においては、その表面を縮退させることで、抽出対象領域に相当しない他の領域(「非抽出対象領域」とも称する)を個別モデルから除くことが可能となる。これにより、計測データの画素すなわち抽出対象物体の輪郭を示す画素の総数と標準モデル表面上において変形に用いる代表的な点(制御点)の総数との相違から生じる抽出対象物体の輪郭(境界)と個別モデルの輪郭(境界)との間のズレを軽減することができ、精度の良い境界抽出が可能となる。
<3.変形例>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は、上記に説明した内容に限定されるものではない。
例えば、上記第1実施形態では、全ての制御点Cjを代表点として外部エネルギーを算出していたがこれに限定されない。具体的には、標準モデル表面上の全制御点Cjのうちの一部の点を代表点ATsとして、当該代表点ATsに基づいて外部エネルギーを算出してもよい。
また、上記各実施形態では、全ての代表点Cj,ATkについてのシフト対応点Qj,QTkをそれぞれ求めていたがこれに限定されない。具体的には、全ての代表点Cj,ATkのうちの少なくとも一部の代表点についてのシフト対応点Qj,QTkをそれぞれ求めるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、代表点Cj,ATkの所属ポリゴン全てが抽出対象物体AA,BBの輪郭(境界)と交わるように、対応点Qj,QTkのシフト量LAj,LAkを決定していたがこれに限定されない。具体的には、シフト量LAj,LAkは、代表点Cj,ATkのうちの少なくとも一部の代表点の所属ポリゴンが抽出対象物体AA,BBの輪郭(境界)と交わるように決定されてもよい。
また、上記各実施形態では、対応点Qj、QTkのシフト処理(ステップS13,S53)におけるシフト量LAj、LAkは、各制御点Cjまたは各ポリゴンPOLkにおいて予め決定されていたがこれに限定されない。具体的には、モデルフィッティング処理(ステップS1A、S1B)による標準モデルの形状変化とともに、シフト量LAj、LAkを順次変化させてもよい。
より詳細には、モデルフィッティング処理による制御点Cjの移動によって標準モデルの各ポリゴンの大きさがそれぞれ変形するので、変形されたポリゴンの大きさに基づいて対応点Qj、QTkのシフト量LAj、LAkを変更しても良い。
また、モデルフィッティング処理による制御点Cjの移動によって標準モデルの表面形状も変化するので、各制御点Cjまたは各ポリゴン近傍のモデル表面の曲がり具合(曲率)を新たに算出し、これに基づいて対応点Qj、QTkのシフト量LAj、LAkを変更しても良い。
また、上記各実施形態においては、内部エネルギーGeとして制御点Cj間の仮想バネによるエネルギーを考慮したがこれに限定されない。図36は、各制御点を結ぶ直線がなす角を示す図である。例えば、図36に示されるように、各制御点を結ぶ直線がなす角度θrを維持するような関数を内部エネルギーGeとすることもできる。
また、上記各実施形態においては、各標準モデル(SA、SB)を領域抽出装置1A(1B)内のモデル格納部14から取得していたがこれに限定されない。例えば、領域抽出装置1A(1B)の外部に設けられたモデル格納部から、LAN及びインターネットなどのネットワークを介して取得するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係る領域抽出装置の概要を示す図である。 領域抽出装置の各種機能を示すブロック図である。 X線CT装置によって取得される3次元画像と所定位置のスライス画像とを示す図である。 領域抽出装置の全体動作を示すフローチャートである。 モデルフィッティング処理の詳細を示すフローチャートである。 3次元画像(計測データ)に含まれる抽出対象物体を示す図である。 標準モデルを初期位置に移動させる様子を概念的に示す図である。 抽出対象物体の境界点を中心にした領域を拡大表示した模式図である。 スライス画像PQ1、PQ2及びPQ4を示す図である。 対応点のシフトに関するフローチャートである。 3次元画像(計測データ)に含まれる抽出対象物体と標準モデルとを示す図である。 領域WAを拡大表示した図である。 領域WAを拡大表示した図である。 三角形状のポリゴンを示す図である。 領域WAにおける対応点のシフトの様子を示す図である。 シフト対応点を用いて作成された個別モデルを示す図である。 領域WBを拡大表示した図である。 領域WBを拡大表示した図である。 領域WBにおける対応点のシフトの様子を示す図である。 シフト対応点を用いて作成された個別モデルを示す図である。 対応点のシフトの様子を示す図である。 対応点のシフトの様子を示す図である。 制御点付近の曲がり具合を算出するための図である。 制御点付近の曲がり具合を算出するための図である。 制御点間を仮想バネで繋いだ模式図である。 異なるモデルフィッティング処理を実行した図である。 第2実施形態におけるモデルフィッティング処理を示すフローチャートである。 3次元画像(計測データ)に含まれる抽出対象物体と標準モデルとを示す図である。 領域WCを拡大表示した図である。 対応点のシフトに関するフローチャートである。 領域WCを拡大表示した図である。 領域WCにおける対応点のシフトの様子を示す図である。 領域WDを拡大表示した図である。 領域WCにおける対応点のシフトの様子を示す図である。 注目ポリゴンにおける曲がり具合を算出するための図である。 各制御点を結ぶ直線がなす角を示す図である。
符号の説明
Cj 制御点
RQ 領域
SD スライス画像
TD1 計測データ
AA、BB 抽出対象物体
SA、SB 標準モデル
SPR 仮想バネ

Claims (15)

  1. 計測データに基づいて対象物に関するモデリングを行うモデリング装置であって、
    前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する手段と、
    前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求めるシフト対応点決定手段と、
    前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形手段と、
    を備えることを特徴とするモデリング装置。
  2. 請求項1に記載のモデリング装置において、
    前記標準モデル表面上の前記複数の代表点のうちの少なくとも一部の代表点にそれぞれ対応する各シフト対応点の位置は、当該少なくとも一部の代表点と当該少なくとも一部の代表点に対応する各シフト対応点とがそれぞれ合致するように前記標準モデルが仮定的に変形された状態において、当該少なくとも一部の代表点の所属するポリゴンと前記対象物の輪郭とが交わるように決定されることを特徴とするモデリング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモデリング装置において、
    前記複数の代表点のそれぞれとして前記標準モデルにおけるポリゴンの頂点が用いられることを特徴とするモデリング装置。
  4. 請求項3に記載のモデリング装置において、
    前記シフト対応点決定手段は、前記標準モデルの凸部表面に存在する代表点の対応点について、当該対応点を前記対象物の外方向に仮想的に移動した点を前記シフト対応点として求めるとともに、前記標準モデルの凹部表面に存在する代表点の対応点について、当該対応点を前記対象物の内方向に仮想的に移動した点を前記シフト対応点として求めることを特徴とするモデリング装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載のモデリング装置において、
    前記代表点の前記対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、前記代表点を頂点とする各ポリゴンの大きさに基づいて算出されることを特徴とするモデリング装置。
  6. 請求項3から請求項5のいずれかに記載のモデリング装置において、
    前記代表点の前記対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、前記代表点における標準モデル表面の曲がり具合に基づいて算出されることを特徴とするモデリング装置。
  7. 請求項1または請求項2に記載のモデリング装置において、
    前記複数の代表点のそれぞれとして、前記標準モデルにおけるポリゴン上に存在する点であって前記対象物の輪郭に最も近接する点が用いられることを特徴とするモデリング装置。
  8. 請求項7に記載のモデリング装置において、
    前記シフト対応点決定手段は、前記標準モデルの凸部表面に存在する代表点の対応点について、当該対応点を前記対象物の内方向に仮想的に移動した点を前記シフト対応点として求めるとともに、前記標準モデルの凹部表面に存在する代表点の対応点について、当該対応点を前記対象物の外方向に仮想的に移動した点を前記シフト対応点として求めることを特徴とするモデリング装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載のモデリング装置において、
    前記代表点の前記対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、当該代表点が存在するポリゴンの大きさに基づいて算出されることを特徴とするモデリング装置。
  10. 請求項7から請求項9のいずれかに記載のモデリング装置において、
    前記代表点の前記対応点を仮想的に移動させる際の移動量は、当該代表点における標準モデル表面の曲がり具合に基づいて算出されることを特徴とするモデリング装置。
  11. 計測データに基づいて対象物に関するモデリングを行うモデリング方法であって、
    前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する工程と、
    前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求めるシフト対応点決定工程と、
    前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形工程と、
    を備えることを特徴とするモデリング方法。
  12. コンピュータに、
    計測データに基づいて対象物に関するモデリングを行うモデリング方法を実行させるためのプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する工程と、
    前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求めるシフト対応点決定工程と、
    前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形工程と、
    を実行させるためのプログラム。
  13. 計測データから対象物の領域を抽出する領域抽出装置であって、
    前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する手段と、
    前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求める手段と、
    前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形手段と、
    変形後の前記標準モデルを用いて前記対象物の領域を前記計測データから抽出する手段と、
    を備えることを特徴とする領域抽出装置。
  14. 計測データから対象物の領域を抽出する領域抽出方法であって、
    前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する工程と、
    前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求める工程と、
    前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形工程と、
    変形後の前記標準モデルを用いて前記対象物の領域を前記計測データから抽出する工程と、
    を備えることを特徴とする領域抽出方法。
  15. コンピュータに、
    計測データから対象物の領域を抽出する領域抽出方法を実行させるためのプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記対象物を複数のポリゴンによって表した標準モデルを取得する工程と、
    前記標準モデル表面上の複数の代表点のそれぞれに対応して前記計測データ内の対象物の輪郭上に存在する各対応点を求めるとともに、当該各対応点を仮想的にシフトさせたシフト対応点をそれぞれ求める工程と、
    前記複数の代表点のそれぞれと当該複数の代表点のそれぞれに対応する前記シフト対応点との相対的な位置関係に関する要素を含む評価関数を最適化するように前記複数のポリゴンの頂点を移動して前記標準モデルを変形させることによって、前記対象物に関するモデルを作成するモデル変形工程と、
    変形後の前記標準モデルを用いて前記対象物の領域を前記計測データから抽出する工程と、
    を実行させるためのプログラム。
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