JP2007159266A - 周波数制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周波数安定性を維持しつつ、運用コストと二酸化炭素排出量の増加を抑制する。
【解決手段】周波数制御装置1は、電力を発生させるLFC対象燃料電池群12を含む発電機群7〜13と電力を消費する負荷39を有する負荷群14とを電力融通可能な送配電線路15により接続して構成される電力系統3の周波数の情報、他の電力系統5との連系線を流れる電力潮流の情報およびLFC対象燃料電池群12が設置された送配電線15の電力潮流の情報に基づいて生成したLFC対象発電機群8,10,12に対する発電電力の増減指令を、LFC対象燃料電池群12を含むLFC発電機群8,10,12の各発電機に伝送する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力系統の周波数を一定範囲内に制御する技術に係り、特に、燃料電池等のクリーンエネルギー発電装置を含む電力系統の周波数を一定範囲内に制御する周波数制御装置に関する。
例えば、非特許文献1に記載されるように、電力系統の周波数は、主に発電機の調速機、負荷周波数制御(LFC)、経済負荷配分(ELD)によって、基準周波数に対して一定範囲内に制御される。
調速機は、発電機回転速度をもとに発電機出力を調整し、微小かつ速い負荷変動分を吸収する。LFCは実系統の周波数と基準周波数との偏差をもとに発電機出力を調整し、短周期の負荷変動分を相殺する。ELDは長周期の負荷変動を予測し、経済性を考慮して各発電機の出力を指示することにより、負荷変動分を相殺する。
一方、燃料電池の出力は、例えば、特許文献1に記載されるように、発電出力設定器に入力された出力設定値に応じてプラントコントローラが燃料調節弁の開度を調整することにより制御されている。
特開2001−250572号公報 電気工学ハンドブック pp971−973およびpp980−981
風力発電装置や太陽光発電装置といったクリーンエネルギー発電装置は、入力エネルギーの変動が比較的大きいため、発電電力量の変動も大きくなる。そのため、これらの発電装置が数多く電力系統内に設置された場合、電力の需要と供給の不一致が拡大し、周波数変動が大きくなる恐れがある。前記背景技術に記載のLFCによって周波数変動の増大を抑制するには、LFC対象となる水力および火力発電機を増加させる必要がある。しかし、火力発電機の運転台数を増やすと運用コストや二酸化炭素排出量が増加するという課題がある。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、周波数安定性を維持しつつ、運用コストと二酸化炭素排出量の増加を抑制する周波数制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る周波数制御装置は、上述した課題を解決するため、請求項1に記載したように、電力を発生させる少なくとも1台以上のクリーンエネルギー発電機を含む発電機群と電力を消費する負荷を有する負荷群とを電力融通可能な送配電線路により接続して構成された電力系統の周波数の情報、前記電力系統とは別の電力系統との連系線を流れる電力潮流の情報および前記クリーンエネルギー発電機が設置された送配電線の電力潮流の情報に基づいて生成した前記発電機群に対する発電電力の増減指令を、前記クリーンエネルギー発電機を含む前記発電機群の各発電機に伝送することを特徴とする。
本発明によれば、周波数変動の抑制に必要な発電電力の調整量を、LFC対象火力発電機群と比べてより環境負荷が低いLFC対象燃料電池群の発電電力を増減させることによって、LFC対象火力発電機群が調整すべき電力分をカバーすることができるので、LFC対象火力発電機群の総量を低減することができる。従って、周波数安定性を維持しつつ、運用コストと二酸化炭素排出量の増加を抑制することができる。
以下、本発明に係る周波数制御装置の実施例について、図面を参照して説明する。
図1に本発明の実施の形態に係る周波数制御装置の一実施例である周波数制御装置1の適用場面を説明する説明図を示す。
周波数制御装置1は、電力系統3が備える発電機群に対して負荷周波数制御(以下、LFCとする)を行う装置である。本実施例では、現状の送配電における実情を考慮して、図1に示すように、制御対象となる電力系統3が、周波数制御装置1の制御対象外である他の電力系統5と電力融通可能に接続される場合を例に説明する。
電力系統3は、例えば、図1に示すように、原子力発電を行う発電機を少なくとも1台以上有する原子力発電機群7と、火力発電を行う発電機を少なくとも1台以上有する火力発電機群8,9と、水力発電を行う発電機を少なくとも1台以上有する水力発電機群10,11と、クリーンエネルギー発電機としての燃料電池を少なくとも1台以上有する燃料電池群(クリーンエネルギー発電機群)12,13と、電力を消費する負荷群14とを備え、送配電線15で接続される。
ここで、LFC対象火力発電機群8、LFC対象水力発電機群10およびLFC対象燃料電池群12は、LFC対象となる発電機群であり、非LFC対象火力発電機群9、非LFC対象水力発電機群11および非LFC対象燃料電池群13は、LFC対象外の発電機群である。
また、クリーンエネルギー発電機とは、窒素酸化物、硫黄酸化物および二酸化炭素等の大気汚染や地球温暖化の原因となる気体を大気中に排気することなく発電可能な発電機である。
周波数制御装置1は、電力系統3の周波数についての情報(以下、系統周波数情報とする)、電力系統3と他の電力系統5との連結線電力量についての情報(以下、連結線電力量情報とする)、配電線電力量についての情報(以下、配電線電力量情報とする)およびLFC対象燃料電池群12の各燃料電池の発電出力またはLFC対象燃料電池群全体での発電出力についての情報(以下、発電出力情報とする)を取得し、取得した系統周波数情報、連結線電力量情報および配電線電力量情報に基づいてLFC対象発電機群8,10,12の発電機出力を制御する制御信号を生成する。
周波数制御装置1において、系統周波数情報は、電力系統3に接続される系統周波数検出手段としての周波数検出器16が検出した電力系統3の周波数の情報を受け取ることで取得される。
また、連結線電力量情報は、電力系統3と他の電力系統5との連結線に接続される連結線電力検出手段としての連結線電力検出器17が検出した連結線電力の情報を受け取ることで取得される。さらに、配電線電力量情報は、配電線電力検出手段としての配電線電力検出器18が検出した配電線電力の情報を受け取ることで取得される。
さらにまた、LFC対象燃料電池群12についての発電出力情報は、LFC対象燃料電池群12から個々の燃料電池の発電出力および合計発電出力の少なくともいずれかを受け取ることで取得する。
取得した周波数、連結線電力量および配電線電力量についての各情報に基づいてLFC対象発電機群8,10,12を制御する制御信号が生成されると、周波数制御装置1は、LFC対象発電機群8,10,12へ生成した制御信号を出力し、LFC対象発電機群8,10,12の発電機出力を制御することで電力系統3の周波数を制御する。
また、周波数制御装置1は、LFC対象発電機群8,10,12の発電機出力の制御量(以下、必要制御量とする)の情報を経済負荷配分制御装置19へ送る。経済負荷配分制御装置19は、必要制御量と日負荷曲線に基づき、長周期の負荷変動を予測してより経済的な運転を行うべく火力発電機群8,9と水力発電機群10,11の発電機出力を制御する。
尚、図1に示す周波数制御装置1では、LFCを行う負荷周波数制御装置として説明しており、経済負荷配分制御装置19と別の装置として説明しているが、周波数制御装置1が経済負荷配分制御装置19または同等の機能を備えていても構わない。
また、制御対象となる電力系統3は、必ずしも他の電力系統5と電力融通可能に接続されている必要はない。
さらに、LFC対象燃料電池群12は、電力会社等の発電事業者が所有するものおよび一般需要家が所有するものの少なくとも一方が含まれる。
[第1の実施形態]
図2を参照して本発明の第1の実施形態に係る周波数制御装置1Aの構成を説明する。
図2は、図1に示した周波数制御装置1の一例(第1の実施例)である周波数制御装置1Aの構成をより詳細に表した構成図である。
周波数制御装置1Aは、必要制御量を算出する必要制御量算出手段としての必要制御量算出部21と、必要制御量算出部21から出力される信号について信号処理を行う信号処理部22と、LFC対象燃料電池群12の各燃料電池にLFC指令を生成するクリーンエネルギー発電機LFC指令生成手段としての燃料電池LFC指令生成部23Aと、LFC対象となる各燃料電池のLFC指令値を加算する加算手段としての加算器24と、必要制御量からLFC対象燃料電池群12のLFC指令値を減算する減算手段としての減算器25と、LFC対象燃料電池群12以外のLFC対象発電機群8,10の各発電機に対するLFC指令を生成する非クリーンエネルギー発電機LFC指令生成手段としての発電機LFC指令生成部26とを備える。
図2に示すように、周波数制御装置1Aに送られる系統周波数情報および連結線電力情報は、必要制御量算出部21が受け取る。必要制御量算出部21は、受け取った系統周波数情報および連結線電力情報に基づいて必要制御量を算出する。
必要制御量を算出するための計算式の一例を以下の数式1に示す。尚、数式1において、ARは必要制御量、Kは電力系統の特性から定まる係数、Δfは検出された周波数と周波数基準値との偏差、ΔPは電力系統1から流出する連系線電力量である。
[数1]
AR=K・Δf+ΔP
発電電力が消費電力(負荷)より多くなると周波数が上昇することを踏まえれば、必要制御量ARは、周波数偏差Δfと符号が同一となり、発電電力を減少させるべき調整量と位置付けることができる。つまり、必要制御量ARが正(AR>0)の場合には、その大きさ分発電電力を減少させる一方、負(AR<0)の場合には、その大きさ分発電電力を増加させることで周波数変動を抑制することができる。
必要制御量算出部21が必要制御量を算出すると、必要制御量算出部21は、電力系統3における発電機出力を制御する必要制御量信号を生成して経済負荷配分制御装置19へ出力するとともに、必要制御量信号を処理部22および減算器25へ出力する。
信号処理部22へ出力された必要制御量信号が信号処理部22に入力されると、信号処理部22は、ノイズの除去等の信号処理を必要制御量信号に施し、LFCに適した信号とする信号処理を行う。信号処理が施された必要制御量信号は、信号処理部22から燃料電池LFC指令生成部23Aへ出力される。
燃料電池LFC指令生成部23Aは、図2に示すように、信号処理部22から出力された信号処理済みの必要制御量信号とともに、配電線電力量情報およびLFC対象燃料電池群12の各燃料電池の発電出力情報を受け取る。
燃料電池LFC指令生成部23Aが、必要制御量信号、配電線電力量情報および発電出力情報を受け取ると、LFC対象燃料電池群12の各燃料電池のLFCを行うLFC指令としてのLFC信号を生成する。LFC信号は、燃料電池LFC指令生成部23AからLFC対象燃料電池群12の各燃料電池および加算器24へ出力される。
加算器24は、燃料電池毎のLFC信号を加算する。LFC信号は、LFC対象燃料電池群12の各燃料電池に対する発電出力の指令値(制御目標値)の情報を有する。従って、LFC信号を加算すれば、必要制御量のうち、LFC対象燃料電池群12が負担する制御量(以下、燃料電池群負担制御量とする)を算出することができる。燃料電池群負担制御量は、加算器24から減算器25へ出力される。
減算器25は、必要制御量算出部21から出力された必要制御量および加算器24から出力された燃料電池群負担制御量を受け取り、必要制御量から燃料電池群負担制御量を減算した値、すなわち、LFC対象発電機群8,10が負担する制御量(以下、発電機群負担制御量とする)を算出する。減算器25が算出した発電機群負担制御量は、減算器25から発電機LFC指令生成部26へ出力される。
発電機LFC指令生成部26は、減算器25の出力、すなわち、LFC対象発電機群8,10の発電機群負担制御量に基づき、LFC対象燃料電池群12による有効電力の出力調整不足分を配分する制御量を決定し、各発電機をLFCするためのLFC信号を生成する。生成されたLFC信号は、発電機LFC指令生成部26からLFC対象発電機群8,10の各発電機へ出力される。
このように構成される周波数制御装置1Aでは、LFC対象火力発電機群8の調整分の一部または全部をLFC対象燃料電池群12が代行することができるので、運用コストおよび燃焼ガス排出量の削減に貢献することができる。
尚、周波数制御装置1Aにおいて、情報の伝送を担う通信網は、必要な情報の伝送さえ可能であれば、どの様な通信網であっても良い。すなわち、専用通信網である必要は必ずしもなく、ヴァーチャルプライベートネットワークなどの公共の通信回線を利用した擬似的な専用通信回線であっても良い。
次に、周波数制御装置1が行う電力系統3の周波数制御方法について説明する。
図3に、周波数制御装置1が行う電力系統3の周波数制御方法(以下、LFC処理手順)を表した処理フロー図を示す。
LFC処理手順は、LFC対象燃料電池群12に対してLFCを行う燃料電池LFC処理行程(行程P1)と、LFC対象燃料電池群12以外のLFC対象発電機群8,10に対してLFCを行う発電機群LFC処理行程(行程P2)とを具備する。
ここで、発電機群LFC処理行程とは、例えば、上述した従来技術のように、火力発電または水力発電を行う発電機に対してLFCを行う処理行程である。従って、LFC処理手順の説明では、発電機群LFC処理行程についての説明を省略し、燃料電池LFC処理行程について以下に説明する。
また、図3に示したLFC処理手順は、周波数制御装置1Aおよび後述する周波数制御装置1B,1Cが実施するかによって、燃料電池LFC処理行程(行程P1)の処理内容が異なる。そこで、以下の説明では、周波数制御装置1Aが行う燃料電池LFC処理行程を第1の燃料電池LFC処理行程とし、後述する周波数制御装置1Bが行う燃料電池LFC処理行程を第2の燃料電池LFC処理行程とし、周波数制御装置1Cが行う燃料電池LFC処理行程を第3の燃料電池LFC処理行程とする。
図4および図5は、周波数制御装置1Aが行うLFC処理手順における燃料電池LFC処理行程、すなわち、第1の燃料電池LFC処理行程についての処理フロー図である。
図4は、第1の燃料電池LFC処理行程における前半部分の処理フローを、図5は、第1の燃料電池LFC処理行程における後半部分の処理フローを示している。
図4および図5によれば、第1の燃料電池LFC処理行程は、複数の処理ステップを備え、主に、LFC指令を生成するLFC指令生成処理ステップ(ステップS1〜ステップS27)と、送配電線が過負荷とならないかを検証を行う送配電線過負荷検証処理ステップ(ステップS28〜ステップS38)とを備える。図4に示すように、第1の燃料電池LFC処理行程が開始されると、ステップS1に進み、ステップS1からステップS27でLFC指令生成処理ステップがなされる。
LFC指令生成処理ステップは、必要制御量として発電出力の増減可能量を算出し設定する発電出力増減可能量設定ステップ(ステップS1〜ステップS6)と、設定された発電出力増減可能量に基づいてLFC対象燃料電池群12の各燃料電池の制御量を決定しLFC指令(LFC信号)を生成する燃料電池LFC指令生成ステップ(ステップS7〜ステップS27)とを備える。
発電出力増減可能量設定ステップ(ステップS1〜ステップS6)では、まず、ステップS1で燃料電池LFC指令生成部23Aが、メモリ機能により記憶、保持可能なIに1をセットする。燃料電池LFC指令生成部23Aは、記憶し保持されるIの値を参照することでLFC対象燃料電池を識別することができる。換言すれば、燃料電池LFC指令生成部23Aは、LFC対象燃料電池の識別番号(ここではIの値)を用いて識別番号と対応するLFC対象燃料電池を特定することができる。
ここで、図4に示されるNは、配電線に接続されLFC可能なLFC対象燃料電池の個数であり、1≦I≦Nを満たす任意の自然数となる。
尚、燃料電池LFC指令生成部23Aは、Iの数値情報以外にも燃料電池LFC処理ステップの実行の際に必要となる数式や数値の情報を有している。
ステップS1でIに1がセットされると、ステップS1からステップS2に進み、ステップS2で燃料電池LFC指令生成部23Aは、Iの値と配電線に接続されLFC可能なLFC対象燃料電池の個数Nの値を比較する。そして、I>Nの場合(ステップS2でNOの場合)、ステップS2からステップS3に進む。
ステップS3では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、取得した発電出力情報に基づいて、I=k(1≦k≦Nを満たす任意の自然数)に対応するLFC対象燃料電池が運転中か判定する。そして、運転中の場合(ステップS3でYESの場合)には、ステップS3からステップS4に進む。
ステップS4では、LFC対象燃料電池群12における各LFC対象燃料電池の発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDが設定される。
LFC対象燃料電池群12の発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDを設定する考え方について図6を参照して説明する。
図6は、LFC対象燃料電池群12の発電出力の増加可能量PI、減少可能量PD、有効電力の出力最大値Pmax、出力最小値Pminおよび有効電力PFCの関係を表した説明図である。
図6における横軸は時間を表しており、横軸上には、有効電力のデータ更新時tおよびt以降の有効電力のデータ更新時t+Δt,t+2Δt,t+3Δt,t+4Δt,t+5Δtが示されている。ここで、Δtはデータ更新周期である。また、縦軸は有効電力を表している。
図6に示すように、LFC対象燃料電池群12の発電出力の増加可能量PIは、有効電力の出力最大値がPmaxであることから、有効電力の出力最大値Pmaxと有効電力PFCとの差、すなわち、Pmax−PFCで表すことができる。同様に、減少可能量PDは、有効電力の出力最小値がPminであることから、有効電力の出力最小値Pminとの差、すなわち、PFC−Pminで表すことができる。
つまり、燃料電池LFC指令生成部23Aは、有効電力の出力情報(データ)の更新周期Δt毎に有効電力PFCの情報を受け取り、受け取った有効電力PFCの情報に基づいて増加可能量PI=Pmax−PFCと減少可能量PD=PFC−Pminの設定を行う。なお、運転中ではない(停止中)の燃料電池における発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDは0とする。
ここで図4に戻り、ステップS4においてなされるLFC対象燃料電池群12の発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDの設定について説明する。
ステップS4では、LFC対象燃料電池群12の各LFC対象燃料電池における発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDの設定がなされる。より詳細には、ステップS4で、燃料電池LFC指令生成部23Aが、PD(I)にPFC(I)−Pmin(I)を代入し、PI(I)にPmax(I)−PFC(I)を代入する。ここで、Pmin(I)、PFC(I)およびPmax(I)は、それぞれ、I=kに対応するLFC対象燃料電池における有効電力の出力最小値、有効電力および有効電力の出力最大値である。
ステップS4で燃料電池LFC指令生成部23Aが、発電出力の減少可能量PD(I)にPFC(I)−Pmin(I)を代入し、発電出力の増加可能量PI(I)にPmax(I)−PFC(I)を代入すると、ステップS4からステップS5に進み、ステップS5で現在(ステップS4が終了の時点)のIの値に1を加えた値を代入する。燃料電池LFC指令生成部23AがIに1を加え終えると、ステップS5からステップS2に戻り、I>N(ステップS2でYESの場合)となるまでステップS2以降の処理ステップを行う。
また、I=kに対応するLFC対象燃料電池が停止中の場合(ステップS3でNOの場合)には、ステップS3からステップS6に進む。そして、ステップS6では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、PD(I)およびPI(I)に0を代入する。燃料電池LFC指令生成部23Aが、PD(I)およびPI(I)に0を代入し終えると、ステップS6からステップS5に進み、ステップS5以降の処理ステップを実行する。
一方、ステップS2において、燃料電池LFC指令生成部23Aが、Iの値とNの値とを比較して、I>Nの場合(ステップS2でYESの場合)、ステップS2〜ステップS6のループを抜けてステップS7に進む。すなわち、発電出力増減可能量設定ステップを完了する。そして、ステップS7〜ステップS27の処理ステップで燃料電池LFC指令生成ステップがなされる。
燃料電池LFC指令生成ステップ(ステップS7〜ステップS27)では、まず、LFC対象燃料電池群12の発電出力を増加させるのか減少させるのか、および、必要制御量は制御可能な範囲内にあるのか否かが判定される。そして、判定結果に応じたLFC指令が生成される。
具体的には、ステップS7と、ステップS9またはステップS15との処理結果に応じて、第1のLFC指令生成ステップ(ステップS10〜ステップS13)、第2のLFC指令生成ステップ(ステップS16〜ステップS19)、第3のLFC指令生成ステップ(ステップS20〜ステップS23)および第4のLFC指令生成ステップ(ステップS24〜ステップS27)のいずれかの処理ステップがなされる。
燃料電池LFC指令生成ステップ(ステップS7〜ステップS27)では、まず、ステップS7で燃料電池LFC指令生成部23Aが、入力される必要制御量信号に基づき必要制御量ARの正負を判断する。そして、必要制御量ARが正(AR>0)と判断した場合(ステップS7でYESの場合)、ステップS8に進む。
ステップS8では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、発電出力増減可能量設定ステップで設定したPD(I)についてI=1からNまでの総和をLFC対象燃料電池群12の発電出力の減少可能量(以下、発電出力減少可能量とする)PDTとする。すなわち、LFC対象燃料電池群12の発電出力減少可能量PDTにPD(1)からPD(N)までの総和を代入する。燃料電池LFC指令生成部23Aが、発電出力減少可能量PDTにPD(1)からPD(N)までの総和を代入すると、ステップS9に進む。
ステップS9では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、必要制御量ARと発電出力減少可能量PDTとを比較し、AR<PDTの場合(ステップS9でYESの場合)、ステップS10に進む。そして、ステップS10〜ステップS13において、第1のLFC指令生成ステップがなされる。
第1のLFC指令生成ステップ(ステップS10〜ステップS13)は、必要制御量ARが正かつLFC対象燃料電池の出力減少可能量の総和PDTより小さい場合に実行され、必要制御量ARの符号を反転させた値(−AR)に出力減少可能量PDとその総和PDTの比を乗じた値を燃料電池LFC指令ODとする処理ステップである。
より詳細には、第1のLFC指令生成ステップでは、まず、ステップS10で燃料電池LFC指令生成部23Aが、Iに1をセットしてIの値を1とする。Iに1がセットされると、続いて、ステップS11で、燃料電池LFC指令生成部23Aは、Iの値と配電線に接続されLFC可能なLFC対象燃料電池の個数Nの値を比較する。そして、I≦Nとなる場合(ステップS11でNOの場合)、ステップS12に進む。
ステップS12では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、燃料電池LFC指令OD(I)に−AR*PD(I)/PDTを代入する。すなわち、必要制御量ARの符号を反転させた値(−AR)を出力減少可能量PDの比率で分割した負の値が燃料電池LFC指令ODとする。
このように燃料電池LFC指令OD(I)に−AR*PD(I)/PDTを代入するのは、ステップS7およびステップS9で共にYESの場合、すなわち、必要制御量ARが正で系統内の発電量を減少させる必要があり、かつ、必要制御量ARがLFC対象燃料電池群12だけで調整できる場合なので、LFC対象燃料電池群12の有効電力の出力を必要制御量ARに相当する分だけ減少させれば良いからである。
ステップS12において、燃料電池LFC指令生成部23Aが、燃料電池LFC指令OD(I)に−AR*PD(I)/PDTを代入すると、ステップS13に進む。
ステップS13では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、現在(ステップS12が終了の時点)のIに1を加えた値を代入する。そして、燃料電池LFC指令生成部23AがIに1を加え終わると、ステップS11に進み、I>N(ステップS11でYESの場合)となるまでステップS11〜ステップS13の処理ステップを行う。
ステップS11でI>N(ステップS11でYESの場合)となると、ステップS11〜ステップS13のループを抜けてステップS28に進む。すなわち、燃料電池LFC指令生成ステップを完了する。
一方、ステップS7において、必要制御量ARが負(AR<0)と判断される場合(ステップS7でNOの場合)、ステップS14に進む。
ステップS14では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、発電出力増減可能量設定ステップで設定したPI(I)についてI=1からNまでの総和をLFC対象燃料電池群12の発電出力の増加可能量(以下、発電出力増加可能量とする)PITとする。すなわち、LFC対象燃料電池群12の発電出力増加可能量PITにPI(1)からPI(N)までの総和を代入する。燃料電池LFC指令生成部23Aが、発電出力増加可能量PITにPI(1)からPI(N)までの総和を代入すると、ステップS15に進む。
ステップS15では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、必要制御量ARの絶対値と発電出力増加可能量PITとを比較し、|AR|<PITの場合(ステップS15でYESの場合)には、ステップS16に進む。そして、ステップS16〜ステップS19で第2のLFC指令生成ステップがなされる。
第2のLFC指令生成ステップ(ステップS16〜ステップS19)は、必要制御量ARが負かつ必要制御量ARの大きさがLFC対象燃料電池の出力増加可能量の総和PITより小さい場合に実行され、必要制御量ARの符号を反転させた値(−AR)に出力増加可能量PIとその総和PITの比を乗じた値を燃料電池LFC指令ODとする処理ステップである。
より詳細には、第2のLFC指令生成ステップでは、まず、ステップS16で燃料電池LFC指令生成部23Aが、Iに1をセットしてIの値を1とする。Iに1がセットされると、続いて、ステップS17で、燃料電池LFC指令生成部23Aは、Iの値と配電線に接続されLFC可能なLFC対象燃料電池の個数Nの値を比較する。そして、I≦Nとなる場合(ステップS17でNOの場合)、ステップS18に進む。
ステップS18では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、燃料電池LFC指令OD(I)に−AR*PI(I)/PITを代入する。すなわち、必要制御量ARの符号を反転させた値(−AR)を出力増加可能量PIの比率で分割した正の値が燃料電池LFC指令ODとする。
このように燃料電池LFC指令OD(I)に−AR*PI(I)/PITを代入するのは、ステップS7でNOかつステップS15でYESの場合、すなわち、必要制御量ARが負で系統内の発電量を増加させる必要があり、かつ、必要制御量ARがLFC対象燃料電池群12だけで調整できる場合なので、LFC対象燃料電池群12の有効電力出力を必要制御量ARに相当する分だけ増加させれば良いからである。
燃料電池LFC指令生成部23Aが、燃料電池LFC指令OD(I)に−AR*PI(I)/PITを代入すると、ステップS19に進む。
ステップS19では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、現在(ステップS18が終了の時点)のIに1を加えた値を代入する。そして、燃料電池LFC指令生成部23AがIに1を加え終わると、ステップS17に進み、I>N(ステップS17でYESの場合)となるまでステップS17〜ステップS19の処理ステップを行う。
ステップS17でI>N(ステップS17でYESの場合)となると、ステップS17〜ステップS19のループを抜けてステップS28に進む。すなわち、燃料電池LFC指令生成ステップを完了する。
また、ステップS9において、AR>PDTの場合(ステップS9でNOの場合)、ステップS20に進む。そして、ステップS20〜ステップS23で第3のLFC指令生成ステップがなされる。
第3のLFC指令生成ステップ(ステップS20〜ステップS23)は、必要制御量ARが正、かつ、LFC対象燃料電池の出力減少可能量の総和PDT以上である場合に実行され、出力減少可能量PDの符号をマイナスとした値(−PD)を燃料電池LFC指令ODとする処理ステップである。
より詳細には、第3のLFC指令生成ステップでは、まず、ステップS20で燃料電池LFC指令生成部23Aが、Iに1をセットしてIの値を1とする。Iに1がセットされると、続いて、ステップS21で、燃料電池LFC指令生成部23Aが、Iの値と配電線に接続されLFC可能なLFC対象燃料電池の個数Nの値を比較する。そして、I≦Nとなる場合(ステップS21でNOの場合)、ステップS22に進む。
ステップS22では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、燃料電池LFC指令OD(I)に−PD(I)を代入する。すなわち、出力減少可能量PDの符号をマイナスとした値(−PD)を燃料電池LFC指令ODとする。
このように、燃料電池LFC指令OD(I)に−PD(I)を代入するのは、ステップS7でYESかつステップS9でNOの場合、すなわち、必要制御量ARが正で系統内の発電量を減少させる必要があり、かつ、必要制御量ARがLFC対象燃料電池群12だけでは調整しきれない場合なので、LFC対象燃料電池群12の有効電力出力を最大限減少させるためである。
燃料電池LFC指令生成部23Aが、燃料電池LFC指令OD(I)に−PD(I)を代入すると、ステップS23に進む。
ステップS23では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、現在(ステップS22が終了の時点)のIに1を加えた値を代入する。そして、燃料電池LFC指令生成部23AがIに1を加え終わると、ステップS21に進み、I≦N(ステップS21でNOの場合)となるまでステップS21〜ステップS23の処理ステップを行う。
ステップS21でI≦N(ステップS21でNOの場合)となると、ステップS21〜ステップS23のループを抜けてステップS28に進む。すなわち、燃料電池LFC指令生成ステップを完了する。
また、ステップS15において、燃料電池LFC指令生成部23Aが、必要制御量ARの絶対値と発電出力増加可能量PITとを比較し、|AR|>PITの場合(ステップS15でNOの場合)、ステップS24に進む。そして、ステップS24〜ステップS27で第4のLFC指令生成ステップがなされる。
第4のLFC指令生成ステップ(ステップS24〜ステップS27)は、必要制御量ARが負、かつ、必要制御量ARの大きさがLFC対象燃料電池の出力増加可能量の総和PIT以上である場合に実行され、出力増加可能量PIを燃料電池LFC指令ODとする処理ステップである。
より詳細には、第4のLFC指令生成ステップでは、まず、ステップS24で燃料電池LFC指令生成部23Aが、Iに1をセットしてIの値を1とする。Iに1がセットされると、続いて、ステップS25で、燃料電池LFC指令生成部23Aは、Iの値と配電線に接続されLFC可能なLFC対象燃料電池の個数Nの値を比較する。そして、I≦Nとなる場合(ステップS25でNOの場合)、ステップS26に進む。
ステップS26では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、燃料電池LFC指令OD(I)にPI(I)を代入する。
このように、燃料電池LFC指令OD(I)にPI(I)を代入するのは、必要制御量ARがLFC対象燃料電池群12だけでは調整しきれないためである。従って、ステップS7およびステップS15で共にNOの場合、すなわち、必要制御量ARが負で系統内の発電量を増加させる必要があり、かつ、必要制御量ARの絶対値が発電出力増加可能量PIT以上(|AR|≧PIT)の場合には、LFC対象燃料電池群12の有効電力出力を最大限増加させるべく、出力増加可能量PIを燃料電池LFC指令ODとする。燃料電池LFC指令生成部23Aが、燃料電池LFC指令OD(I)にPI(I)を代入すると、ステップS27に進む。
ステップS27では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、現在(ステップS26が終了の時点)のIに1を加えた値を代入する。そして、燃料電池LFC指令生成部23AがIに1を加え終わると、ステップS25に進み、I>N(ステップS25でYESの場合)となるまでステップS25〜ステップS27の処理ステップを行う。
ステップS25でI>N(ステップS25でYESの場合)となると、ステップS25〜ステップS27のループを抜けてステップS28に進む。すなわち、燃料電池LFC指令生成ステップを完了する。
つまり、燃料電池LFC指令生成ステップ(ステップS7〜ステップS27)では、周波数変動を抑制するために必要な発電電力の調整量、すなわち、必要制御量ARがLFC対象燃料電池群12の出力調整可能量の総和(PDTまたはPIT)以内ならば、燃料電池LFC指令生成部23Aが、必要制御量ARに相当する有効電力の調整量のすべてをLFC対象燃料電池群12に割り当てる。一方で、必要制御量ARがLFC対象燃料電池群12の出力調整可能量の総和(PDTまたはPIT)を超える時は、燃料電池LFC指令生成部23AがLFC対象燃料電池の有効電力出力を最大限調整するように燃料電池LFC指令ODを生成する。
ここで、具体例を挙げて燃料電池LFC指令生成ステップを説明する。例えば、LFC対象燃料電池を3台有するLFC対象燃料電池群12があり、個々のLFC対象燃料電池における出力減少可能量PDがそれぞれPD(1)=30kW、PD(2)=40kWおよびPD(3)=50kWの場合を考える。
上記具体例において、必要制御量ARが100kWであれば、発電出力減少可能量PDTは、120kW(=30+40+50)であり、AR(=100kW)<PDT(=120kW)となる。従って、燃料電池LFC指令生成部23Aは、第1のLFC指令生成ステップを行い、生成される燃料電池LFC指令は、OD(1)=−100*30/120、OD(2)=−100*40/120、OD(3)=−100*50/120となる。
また、必要制御量ARが300kWであれば、AR(=300kW)>PDT(=120kW)となるので、燃料電池LFC指令生成部23Aは、第3のLFC指令生成ステップを実行し、生成される燃料電池LFC指令は、OD(1)=−30、OD(2)=−40、OD(3)=−50となる。
一方、他の具体例として、LFC対象燃料電池を3台有するLFC対象燃料電池群12があり、個々のLFC対象燃料電池における出力増加可能量PIがそれぞれPI(1)=10kW、PI(2)=20kW、PI(3)=30kWの場合を考える。
上記具体例において、必要制御量ARが−50kWであれば、発電出力増加可能量PITは、60kW(=10+20+30)であり、|AR|(=50kW)<PIT(=60kW)となる。従って、燃料電池LFC指令生成部23Aは、第2のLFC指令生成ステップを行い、生成される燃料電池LFC指令は、OD(1)=50*10/60、OD(2)=50*20/60、OD(3)=50*30/60となる。
また、必要制御量ARが−100kWであれば、|AR|(=100kW)>PIT(=60kW)となるので、燃料電池LFC指令生成部23Aは、第4のLFC指令生成ステップを実行し、生成される燃料電池LFC指令は、燃料電池LFC指令はOD(1)=10、OD(2)=20、OD(3)=30となる。
燃料電池LFC指令生成ステップ(ステップS7〜ステップS27)が完了すると、ステップS28に進む。そして、図5に示すように、ステップS28以降で、送配電線過負荷防止処理ステップ(ステップS28〜ステップS38)がなされる。
送配電線過負荷防止処理ステップは、燃料電池LFC指令ODが実行された場合における送配電線の有効電力PDLを計算する燃料電池LFC指令実行時送配電線有効電力計算ステップ(ステップS28〜ステップS30)と、燃料電池LFC指令ODが実行された場合送配電線の有効電力PDLが送配電線の送電容量RMWを超過しているかを判定し、超過している場合には送配電線の過負荷を防止するように燃料電池LFC指令ODを調整する燃料電池LFC指令調整ステップ(ステップS31〜ステップS38)とを備える。
送配電線過負荷防止処理ステップでは、まず、ステップS28で、燃料電池LFC指令生成部23AがIに1をセットする。Iに1がセットされると、ステップS29に進む。
ステップS29では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、IとLFC対象燃料電池群12が設置される送電線数Mとを比較する。そして、燃料電池LFC指令生成部23AがI≦Mと判断した場合(ステップS29でNOの場合)、ステップS30に進む。
ステップS30では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、図5に示すように、INDEX(I)をNSに、INDEX(I+1)−1をNEに、OD(J)のJ=NSからNEまでの総和をODTに、PD(J)のJ=NSからNEまでの総和をPDTDに、PI(J)のJ=NSからNEまでの総和をPIDTに、そして、PI(J)−ODTをPDLにそれぞれ代入する。
ここで、INDEX(I)とは、送配電線15毎のLFC対象燃料電池群12を識別するための情報である。燃料電池LFC指令生成部23Aは、INDEX(I)を用いることで、送配電線15に接続されるLFC対象燃料電池群12を識別することができる。
送配電線15に接続されるLFC対象燃料電池群12の識別方法について、同一送配電線に設置されているLFC対象燃料電池群12の情報が連続して記憶領域上に存在し、3本の送配電線(第1の送配電線、第2の送配電線および第3の送配電線とする)15において、第1の送配電線に3台、第2の送配電線に2台、第3の送配電線に4台のLFC対象燃料電池群12が接続されている場合を例に説明する。
上記例において、INDEXは以下の数式2に示すように、燃料電池LFC指令生成部23Aが読み出す記憶領域には、第1の送配電線の3台、第2の送配電線の2台、第3の送配電線の4台の順で情報が格納される。
[数2]
INDEX(1)=1
INDEX(2)=3+1=4
INDEX(3)=3+2+1=6
INDEX(4)=3+2+4+1=10
すなわち、第1の送配電線に接続されている3台のLFC対象燃料電池群12の情報は、燃料電池LFC指令生成部23Aが、INDEX(1)=1からINDEX(2)−1=3の範囲にあるものとして読み出すことができる。
同様にして、燃料電池LFC指令生成部23Aは、第2の送配電線に接続されている2台のLFC対象燃料電池群12の情報を、INDEX(2)=4からINDEX(3)−1=5の範囲にあるものとして読み出すことができる。また、第3の送配電線に接続されている4台のLFC対象燃料電池群12の情報を、INDEX(3)=6からINDEX(4)−1=9の範囲にあるものとして読み出すことができる。
尚、LFC対象燃料電池群12の情報が不連続に記憶領域上に存在する場合でも、送配電線15とLFC対象燃料電池群12の識別番号からLFC対象燃料電池群12の情報が格納されている位置を導き出す関数または配列を予め用意することにより、LFC対象燃料電池群12の情報を読み出すことが可能である。
ステップS30において、NS、NE、ODT、PDTD、PIDTおよびPDLへの代入を完了すると、ステップS31に進む。
ステップS31では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、出力変更後の有効電力PDLの絶対値|PDL|と各送電線の送電容量RMW(I)との大小比較を行う。その結果、PDLの絶対値が各送電線の送電容量RMW(I)よりも大きい、すなわち、|PDL|>RMW(I)場合(ステップS31でYESの場合)、ステップS32に進む。
ステップS32では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、KにNSを代入する。KにNSを代入すると、ステップS33に進む。
ステップS33では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、Kの値とNEの値との大小を比較する。比較した結果、K≦NEの場合(ステップS33でNOの場合)、ステップS34に進む。
ステップS34では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、必要制御量ARが正であるか判断する。そして、AR>0の場合(ステップS34でYESの場合)、ステップS35に進む。
ステップS35では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、燃料電池LFC指令OD(K)に、(RMW(I)−P(I))*PD(K)/PDTDを代入し、ステップS36に進む。
ステップS36では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、現在(ステップS35が終了の時点)のKに1を加えた値を代入する。そして、燃料電池LFC指令生成部23AがKに1を加え終わると、ステップS33に戻り、ステップS33以降の処理ステップを実行する。
そして、ステップS33でKの値とNEの値との大小を比較した結果、K>NEとなると(ステップS33でYESの場合)、ステップS33〜ステップS36および後述するステップS38から構成される処理ループを抜けてステップS37に進む。
ステップS37では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、現在(ステップS31またはステップS33終了の時点)のIに1を加えた値を代入する。そして、燃料電池LFC指令生成部23AがIに1を加え終わると、ステップS29に戻り、ステップS29以降の処理ステップを実行する。
そして、ステップS29において、燃料電池LFC指令生成部23AがI>Mと判断した場合(ステップS29でYESの場合)、送配電線過負荷防止処理ステップを終了する(終了)。
一方、ステップS31において、|PDL|≦RMW(I)場合(ステップS31でNOの場合)、ステップS37に進み、燃料電池LFC指令生成部23Aが、ステップS37以降の処理ステップを実行する。
また、ステップS34で、AR≦0の場合(ステップS34でNOの場合)、ステップS38に進む。ステップS38では、燃料電池LFC指令生成部23Aが、燃料電池LFC指令OD(K)に、(RMW(I)+P(I))*PI(K)/PITDを代入し、ステップS36に進む。そして、燃料電池LFC指令生成部23Aが、ステップS36以降の処理ステップを実行する。
このように、送配電線過負荷防止処理ステップでは、燃料電池LFC指令ODが実行された場合における送配電線の有効電力PDLを計算し(ステップS28〜ステップS30)、燃料電池LFC指令ODが実行された場合における送配電線15の有効電力PDLが送配電線15の送電容量RMWを超過しているか否かを判定する(ステップS31)。
その結果、超過していない場合(ステップS31でNOの場合)には、燃料電池LFC指令生成ステップで生成された燃料電池LFC指令ODをそのまま使用し、超過している場合(ステップS31でYESの場合)には、送配電線15の送電余裕(RMW(I)とP(I)の差)を同一送配電線に設置されているLFC対象燃料電池の出力減少可能量PDとその総和PDTDの比または出力増加可能量PIとその総和PITDの比で配分したものを燃料電池LFC指令ODとする(ステップS35、ステップS38)。
つまり、送配電線過負荷防止処理ステップを実行することによって、燃料電池LFC指令生成ステップで生成された燃料電池LFC指令OD通りにLFC対象燃料電池群12が制御された場合に起こり得る送配電線15の過負荷を防止することができる。
次に、上述した第1の燃料電池LFC処理行程が実行されることによって制御されるLFC対象燃料電池群12の燃料電池について説明する。
図7は、LFC対象となるLFC対象燃料電池群12の燃料電池30の構成を表す概略図である。
燃料電池30は、発電出力を設定する発電出力設定器31と、発電出力を制御するプラントコントローラ33と、発電時に使用する燃料の調節を行う燃料調節弁34と、直流発電を行う燃料電池ユニット35と、発電された電力を直流から交流に変換するインバータ36とを備える。
発電出力設定器31は、燃料電池ユニット35が発電する電力を設定するための機器である。発電出力設定器31は、発電出力設定信号を生成し、加算器38を介してプラントコントローラ33に送る。
プラントコントローラ33は、燃料電池ユニット35に供給される燃料量を調節することによって、燃料電池ユニット35の発電出力を制御する機器である。より詳細には、燃料調節弁34の開度を制御することで燃料電池ユニット35に供給される燃料量の調節を行う。
プラントコントローラ33は、発電出力設定信号を加算器38から受け取る。加算器38には、発電出力設定器31からの発電出力設定信号と、燃料電池LFC指令生成部23AからのLFC信号(発電出力設定信号)が入力されるので、プラントコントローラ33は、発電出力設定器31からの発電出力設定値と燃料電池LFC指令生成部23Aからの発電出力設定値(LFC信号が無い時は0)とを加えた値を発電出力設定値(目標値)とする発電出力設定信号を加算器38から受け取る。
また、プラントコントローラ33は、現在の燃料電池ユニット35が発電している電力を表す発電出力信号をインバータ36から受け取る。すなわち、プラントコントローラ33は、インバータ36から制御量を表す発電出力の情報を受け取る。
プラントコントローラ33は、加算器38を介して受け取った発電出力設定信号およびインバータ36から受け取った発電出力信号に基づき、燃料調節弁34の開度を制御するための弁開度指令信号を生成する。そして、プラントコントローラ33が生成した弁開度指令信号は、燃料調節弁34へ送られる。
燃料調節弁34は、燃料電池ユニット35の燃料供給元から燃料電池ユニット35間に設けられており、開度を調節することによって、燃料電池ユニット35に供給される燃料の量を調節する。
燃料電池ユニット35は、燃料の供給を受けて、直流電力を発生させる。
インバータ36は、燃料電池ユニット35と電気的に接続されており、燃料電池ユニット35で発電された直流電力を交流電力に変換する役割を担う。インバータ36が変換した交流電力は、負荷39(図1に示す負荷群14の一部または全部)に供給される。
また、インバータ36は、燃料電池ユニット35の発電出力を表す発電出力信号を出力し、プラントコントローラ33に送っている。
このように構成される燃料電池30では、図4および図5で示した第1の燃料電池LFC処理行程が実行されることによって生成された燃料電池LFC指令ODに基づいて発電出力が制御される。
より詳細に説明すれば、燃料電池30において、燃料電池LFC指令OD(発電出力設定信号)は、まず、加算器38に入力され、加算器38において、発電出力設定器31が生成した発電出力設定信号と加算される。そして、加算後の発電出力設定信号は、プラントコントローラ33に送られる。
プラントコントローラ33は、発電出力設定信号の他、インバータ36から発電出力信号を受け取る。そして、受け取った発電出力設定信号および発電出力信号に基づいて、燃料電池ユニット35の発電出力が発電出力設定値となるように燃料調節弁34の開度を制御する弁開度指令信号を生成し燃料調節弁34へ送る。
燃料電池ユニット35には、燃料調節弁34の開度によって量が調節された燃料が供給される。燃料電池ユニット35は、供給される燃料の量に応じて発電を行い、発電された直流電力をインバータ36が交流に変換して交流電力を負荷39に供給する。
本実施の形態によれば、周波数変動の抑制に必要な発電電力の調整量である必要制御量ARの一部または全部を燃料電池LFC指令ODとして送信し、LFC対象燃料電池群12の発電電力を増減させてLFC対象火力発電機群8による調整分の一部を代行することにより、燃料電池等よりも環境負荷の高い(二酸化炭素排出量が多い)LFC対象火力発電機群8の総量を低減することができる。この結果、運用コストの低減と二酸化炭素排出量の削減を図ることができる。
また、LFC対象燃料電池30の設置されている送配電線15の送電容量を考慮した燃料電池LFC指令ODを生成することにより、LFC対象燃料電池30の発電電力を増減させることによる送配電線の過負荷を防止できる。
さらに、LFC対象燃料電池30との情報の授受には、専用の通信網のみならず、ヴァーチャルプライベートネットワークなどの公共の通信網を用いた擬似的な専用通信網を使用することもできる。このような公共の通信網を用いた擬似的な専用通信網を使用すれば、通信系の設備投資を抑制することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る周波数制御装置1Bは、図2に示す第1の実施形態に係る周波数制御装置1Aに対して、燃料電池LFC指令生成部23Aの代わりに燃料電池LFC指令生成部23Bを備える点で異なるが、その他の点については実質的に同一の構成である。
つまり、図2において、周波数制御装置1Aを周波数制御装置1Bと、燃料電池LFC指令生成部23Aを燃料電池LFC指令生成部23Bと読み替えれば、読み替えた図2を周波数制御装置1Bの構成図とすることができる。従って、周波数制御装置1Bの構成については、図2を読み替えて説明を省略する。
周波数制御装置1Bは、一般需要家所有の燃料電池に対してLFC可能な固定の調整量を確保した場合に適用される。つまり、自己の電力系統3に含まれるLFC対象燃料電池群12とは別にLFC可能な燃料電池の電力を確保している場合に適用される。
周波数制御装置1Bの燃料電池LFC指令生成部23Bは、周波数制御装置1Aの燃料電池LFC指令生成部23Aが第1の燃料電池LFC処理行程を実行するのに対して第2の燃料電池LFC処理行程を実行するという点で相違する。そこで、燃料電池LFC指令生成部23Bでなされる処理、すなわち、第2の燃料電池LFC処理行程について図8を参照して説明する。
図8は、第2の燃料電池LFC処理行程における一部の処理フローを表した部分処理フロー図である。
第2の燃料電池LFC処理行程は、第1の燃料電池LFC処理行程に対し、発電出力増減可能量設定ステップ(ステップS1〜ステップS6)の代わりに、第2の発電出力増減可能量設定ステップ(ステップS1〜ステップS3、ステップS5〜ステップS6、および、ステップS41)を備える点以外は実質的に同一の処理ステップを備える。そこで、図8では、実質的に同一である燃料電池LFC指令生成ステップ(ステップS7〜ステップS27)および送配電線過負荷防止処理ステップ(ステップS28〜ステップS38)の説明を省略する。
図8に示すように、第2の燃料電池LFC処理行程は、説明を省略した処理ステップに加え、第2の発電出力増減可能量設定ステップを備える。また、第2の発電出力増減可能量設定ステップは、第1の発電出力増減可能量設定ステップに対し、ステップS4の代わりにステップS41を備える点で相違するが、その他の処理ステップ(ステップS1〜ステップS3およびステップS5)については、実質的に同一である。
第2の燃料電池LFC処理行程では、燃料電池LFC指令生成部23Bが、第1の燃料電池LFC処理行程と同様に、ステップS1、ステップS2およびステップS3の順に実行する。そして、ステップS3において、燃料電池LFC指令生成部23Bが、I=k(1≦k≦Nを満たす任意の自然数)に対応するLFC対象燃料電池が運転中か判定する。そして、運転中の場合(ステップS3でYESの場合)には、ステップS3からステップS41へ進む。
ステップS41では、各LFC対象燃料電池の発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDが設定される。各LFC対象燃料電池の発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDが設定されるという点でステップS4と同様であるが、設定対象となる燃料電池が、一般需要家と契約を結ぶこと等によって確保したLFC可能な固定の調整量を供給する一般需要家所有の燃料電池である点で相違する。
燃料電池LFC指令生成部23BがLFCを行う燃料電池における発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDを設定する考え方について図9を参照して説明する。
図9は、第2の燃料電池LFC処理行程において設定される発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDと、有効電力の出力最大値Pmaxおよび最小値Pminと、契約等により確保した発電出力の増加可能量(以下、増加契約量とする)CPIおよび減少可能量(以下、減少契約量とする)CPDとの関係を表した説明図である。
周波数制御装置1Bは、一般需要家所有の燃料電池に対し、LFC指令によって調整できる固定の調整量を例えば契約等を結んで確保する。契約等により確保した増加契約量CPIおよび減少契約量CPDは、運転中であればいつでも契約分の出力を増減させることができるものとする。
つまり、図9に示すように、需要家が設定できる発電出力設定値の範囲を、有効電力の出力最小値Pmin+減少契約量CPDから有効電力の出力最大値Pmax−増加契約量CPIの範囲とすることにより、常に、増加契約量CPIおよび減少契約量CPD分の余力を確保する。
ここで、図8に戻り、ステップS41においてなされるLFC対象燃料電池の発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDの設定について説明する。
ステップS41では、各LFC対象燃料電池における発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDの設定がなされる。より詳細には、ステップS41で、燃料電池LFC指令生成部23Bが、PD(I)に−CPD(I)を代入し、PI(I)にCPI(I)を代入する。
燃料電池LFC指令生成部23Bが、PD(I)に−CPD(I)を代入し、PI(I)にCPI(I)を代入すると、ステップS41からステップS5に進み、ステップS5で現在(ステップS41が終了の時点)のIの値に1を加えた値を代入する。燃料電池LFC指令生成部23BがIに1を加え終えると、ステップS5からステップS2に戻り、I>N(ステップS2でYESの場合)となるまで、ステップS2以降の処理ステップを行う。
また、I=kに対応するLFC対象燃料電池が停止中の場合(ステップS3でNOの場合)には、ステップS3からステップS6に進む。ステップS6以降は、第1の燃料電池LFC処理行程と同様である。
このような処理ステップを経て第2の燃料電池LFC処理行程が完了すると、続いて、設定された発電出力の増加可能量PI=出力増加契約量CPIおよび減少可能量PD=出力減少契約量CPDに基づいて、燃料電池LFC指令生成ステップ(ステップS7〜ステップS27)、および送配電線過負荷防止処理ステップ(ステップS28〜ステップS38)がなされる。
本実施の形態によれば、運転状態によらず、発電電力の調整量が確保できるので、燃料電池LFC指令ODの通りにLFC対象燃料電池の発電電力を変更することができ、周波数の制御性能を向上させることができる。
また、第1の実施の形態と同様に、LFC対象燃料電池群12の発電電力を増減させてLFC対象火力発電機群8による調整分の一部を代行することにより、LFC対象火力発電機群8の総量低減に寄与することができ、その結果、運用コストの低減と二酸化炭素排出量の削減を図ることができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る周波数制御装置1Cは、図2に示す第1の実施形態に係る周波数制御装置1Aに対して、燃料電池LFC指令生成部23Aの代わりに燃料電池LFC指令生成部23Cを備える点で異なるが、その他の点については実質的に同一の構成である。
つまり、図2において、周波数制御装置1Aを周波数制御装置1Cと、燃料電池LFC指令生成部23Aを燃料電池LFC指令生成部23Cと読み替えれば、読み替えた図2を周波数制御装置1Cの構成図とすることができる。従って、周波数制御装置1Cの構成については、図2を読み替えて説明を省略する。
周波数制御装置1Cの燃料電池LFC指令生成部23Cは、周波数制御装置1Aの燃料電池LFC指令生成部23Aが第1の燃料電池LFC処理行程を実行するのに対して第3の燃料電池LFC処理行程を実行するという点で相違する。そこで、燃料電池LFC指令生成部23Cでなされる処理、すなわち、第3の燃料電池LFC処理行程について図10を参照して説明する。
図10は、第3の燃料電池LFC処理行程における一部の処理フローを表した部分処理フロー図である。
第3の燃料電池LFC処理行程は、第1の燃料電池LFC処理行程に対し、発電出力増減可能量設定ステップ(ステップS1〜ステップS6)の代わりに、第3の発電出力増減可能量設定ステップ(ステップS1〜ステップS3、ステップS5〜ステップS6、および、ステップS45)を備える点以外は実質的に同一の処理ステップを備える。そこで、図10では、実質的に同一である燃料電池LFC指令生成ステップ(ステップS7〜ステップS27)および送配電線過負荷防止処理ステップ(ステップS28〜ステップS38)の説明を省略する。
図10に示すように、第3の燃料電池LFC処理行程は、説明を省略した処理ステップに加え、第3の発電出力増減可能量設定ステップを備える。また、第3の発電出力増減可能量設定ステップは、第1の発電出力増減可能量設定ステップに対し、ステップS4の代わりにステップS45を備える点で相違する。
ステップS4とステップS45との相違は、ステップS4では、燃料電池LFC指令生成部23Aが発電出力の出力減少可能量PDおよび増加可能量PIを補正処理することなく設定するのに対し、ステップS45では、燃料電池LFC指令生成部23Cが発電出力の出力減少可能量PDおよび増加可能量PIを補正処理して設定する点である。尚、その他の処理ステップ(ステップS1〜ステップS3およびステップS5)については、実質的に同一である。
第3の燃料電池LFC処理行程では、燃料電池LFC指令生成部23Cが、第1の燃料電池LFC処理行程と同様に、ステップS1、ステップS2およびステップS3の順に実行する。そして、ステップS3において、燃料電池LFC指令生成部23Cが、I=k(1≦k≦Nを満たす任意の自然数)に対応するLFC対象燃料電池が運転中か判定する。そして、運転中の場合(ステップS3でYESの場合)には、ステップS3からステップS45へ進む。
ステップS45では、燃料電池LFC指令生成部23Cが、過去の燃料電池LFC指令ODに対してLFC対象燃料電池の発電電力を増減させた実績の比(以下、補正係数とする)Kc(≦1.0)を用いて補正処理を行い、発電出力の減少可能量PD(I)および増加可能量PI(I)を設定する。
補正処理とは、図4に示すステップS4において、発電出力の減少可能量PD(I)に代入していたPFC(I)−Pmin(I)および発電出力の増加可能量PI(I)に代入していたPmax(I)−PFC(I)の両者に対して補正係数Kcを乗算することである。すなわち、ステップS45では、燃料電池LFC指令生成部23Cが、発電出力の減少可能量PD(I)には、Kc(I)×{PFC(I)−Pmin(I)}を、発電出力の増加可能量PI(I)には、Kc(I)×{Pmax(I)−PFC(I)}を代入する。
燃料電池LFC指令生成部23Cが補正処理を行うことにより、出力減少可能量PDおよび出力増加可能量PIを、LFC対象燃料電池が燃料電池LFC指令ODに応じて実際に増減できる発電電力の変化分により近い値とすることができる。
次に、補正係数Kcの計算式の一例を数式3に示す。ここで、Pは発電電力設定値、ODは燃料電池LFC指令、PFCはLFC対象燃料電池の有効電力出力、Δtは燃料電池LFC指令ODの生成周期(制御周期)、nは平均値を計算するサンプル数である。(1)式は、発電電力の増減量の目標値に対する実際に増減した発電電力の比率であり、(2)式は、(1)式で求めた比率n個分の平均を計算している。
Figure 2007159266
図11は、補正係数Kcの計算例を説明する説明図である。
図11において、制御周期0から制御周期1にかけて増減させるべき有効電力出力は、(1)式の分母に相当する。従って、制御周期0の発電電力設定値P(=80)、LFC指令OD(=+5)、有効電力出力PFC(=80)に基づき制御周期0から制御周期1にかけて増減させるべき有効電力出力を算出すれば、80+5−80=+5%となる。
また、制御周期0と制御周期1の有効電力出力PFCから実際に変化した有効電力は、(1)式の分子に相当する。つまり、制御周期1の有効電力出力PFC(=83)と制御周期0の有効電力出力PFC(=80)との差であるから、83−80=+3%となる。
従って、目標に対する実際の変化率は、3/5=0.6となる。他の制御周期についても同様に計算され、平均値を計算するサンプル数nを、例えば6とすれば、制御周期6における補正係数Kcは、以下の数式4に示すように約0.633となる。
[数4]
(0.6+0.75+0.6+0.6+0.5+0.75)/6≒0.633
本実施の形態によれば、燃料電池LFC指令ODに対するLFC対象燃料電池の有効電力出力変化の実績に基づいた発電出力の減少可能量PDと増加可能量PIを用いて燃料電池LFC指令ODを生成することによって、燃料電池LFC指令ODの通りにLFC対象燃料電池の有効電力出力を変更することが期待でき、制御性能を向上させることができる。この結果、第1の実施の形態と同様に、LFC対象火力発電機群8の総量低減に寄与することができ、その結果、運用コストの低減と二酸化炭素排出量の削減を図ることができる。
以上、本発明に係る周波数制御装置によれば、LFC対象燃料電池群12の発電電力を増減させてLFC対象火力発電機群8による調整分の一部を代行することにより、燃料電池等よりも環境負荷の高い(二酸化炭素排出量が多い)LFC対象火力発電機群8の総量を低減することができる。また、LFC対象の燃料電池30が設置される送配電線15の送電容量を考慮した燃料電池LFC指令ODを生成することにより、燃料電池30の発電電力を増減させる際に起こり得る送配電線15の過負荷を防止できる。
従って、周波数安定性を維持しつつ、LFC対象火力発電機群8の総量低減に寄与することができ、運用コストの低減と二酸化炭素排出量の削減を図ることができる。
また、一般需要家所有の燃料電池に対してLFC可能な固定の調整量を確保した場合、運転状態によらず、燃料電池LFC指令ODの通りにLFC対象燃料電池の発電電力を変更することができ、周波数の制御性能を向上させることができる。
さらに、燃料電池LFC指令ODに対するLFC対象燃料電池の有効電力出力変化の実績に基づいた発電出力の減少可能量PDと増加可能量PIを用いて燃料電池LFC指令ODを生成することによって、燃料電池LFC指令ODの通りにLFC対象燃料電池の有効電力出力を変更することが期待でき、周波数の制御性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る周波数制御装置の適用場面を説明する説明図。 本発明の第1実施形態に係る周波数制御装置の構成を表した構成図。 本発明の実施の形態に係る周波数制御装置が行うLFC処理手順を表した処理フロー図。 本発明の第1実施形態に係る周波数制御装置が行うLFC処理手順の燃料電池LFC処理行程(第1の燃料電池LFC処理行程)における前半部の処理フロー図。 本発明の第1実施形態に係る周波数制御装置が行うLFC処理手順の燃料電池LFC処理行程(第1の燃料電池LFC処理行程)における後半部の処理フロー図。 本発明の第1実施形態に係る周波数制御装置が行うLFC処理手順において設定されるLFC対象燃料電池群の発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDと、有効電力の出力最大値Pmax、出力最小値Pminおよび有効電力PFCとの関係を表した説明図。 本発明の実施の形態に係る周波数制御装置がLFCを行うLFC対象燃料電池群の燃料電池の構成を表す概略図。 本発明の第2実施形態に係る周波数制御装置が行うLFC処理手順の燃料電池LFC処理行程(第2の燃料電池LFC処理行程)における一部の処理フローを表した部分処理フロー図。 本発明の第2実施形態に係る周波数制御装置が行うLFC処理手順において設定される発電出力の増加可能量PIおよび減少可能量PDと、有効電力の出力最大値Pmax、および最小値Pminと、出力増加契約量CPIおよび出力減少契約量CPDとの関係を表した説明図。 本発明の第3実施形態に係る周波数制御装置が行うLFC処理手順の燃料電池LFC処理行程(第3の燃料電池LFC処理行程)における一部の処理フローを表した部分処理フロー図。 本発明の第3実施形態に係る周波数制御装置が行うLFC処理手順の燃料電池LFC処理行程(第3の燃料電池LFC処理行程)においてなされる補正処理の際に用いられる補正係数Kcを計算する例を示した説明図。
符号の説明
1 負荷周波数制御装置
3 電力系統
5 他の電力系統
7 原子力発電機群
8 LFC対象火力発電機群
9 LFC非対象火力発電機群
10 LFC対象水力発電機群
11 LFC非対象水力発電機群
12 LFC対象燃料電池群
13 LFC非対象燃料電池群
14 負荷群
15 送配電線
16 周波数検出器
17 連結線電力検出器配
18 電線電力検出器
19 経済負荷配分制御装置
21 必要制御量算出部
22 信号処理部
23 燃料電池LFC指令生成部
24 加算器
25 減算器
26 発電機LFC指令生成部
30 燃料電池
31 発電出力設定器
33 プラントコントローラ
34 燃料調節弁
35 燃料電池ユニット
36 インバータ
38 加算器
39 負荷

Claims (6)

  1. 電力を発生させる少なくとも1台以上のクリーンエネルギー発電機を含む発電機群と電力を消費する負荷を有する負荷群とを電力融通可能な送配電線路により接続して構成された電力系統の周波数の情報、前記電力系統とは別の電力系統との連系線を流れる電力潮流の情報および前記クリーンエネルギー発電機が設置された送配電線の電力潮流の情報に基づいて生成した前記発電機群に対する発電電力の増減指令を、前記クリーンエネルギー発電機を含む前記発電機群の各発電機に伝送することを特徴とする周波数制御装置。
  2. 前記電力系統の周波数の情報および前記電力系統とは別の電力系統との連系線を流れる電力潮流の情報に基づいて周波数の一定化に必要な発電電力の調整量を計算する必要制御量算出手段と、
    前記クリーンエネルギー発電機が設置された送配電線の電力潮流の情報およびクリーンエネルギー発電機群の運転情報に基づいて各クリーンエネルギー発電機に対する発電電力の増減指令を生成するクリーンエネルギー発電機LFC指令生成手段と、
    前記各クリーンエネルギー発電機に対する発電電力の増減指令の総和を計算する加算手段と、
    前記必要制御量算出手段の出力と前記加算手段の出力との差を計算する減算手段と、
    前記減算手段の出力に基づき前記クリーンエネルギー発電機群以外の発電機群に対する発電電力の増減指令を生成する非クリーンエネルギー発電機LFC指令生成手段とを備えることを特徴とする周波数制御装置。
  3. 前記電力系統の周波数の情報、前記電力系統とは別の電力系統との連系線を流れる電力潮流の情報および前記クリーンエネルギー発電機が設置された送配電線の電力潮流の情報を伝達するための通信網として公共の通信網を用いることを特徴とする請求項1または2記載の周波数制御装置。
  4. 前記クリーンエネルギー発電機LFC指令生成手段は、各送配電線の送電容量を超えない範囲に前記クリーンエネルギー発電機群に対する発電電力の増減指令を調整可能に構成されることを特徴とする請求項2記載の周波数制御装置。
  5. 前記クリーンエネルギー発電機LFC指令生成手段は、各クリーンエネルギー発電機に対して各々一定の制御可能量を定めておき、前記制御可能量と各クリーンエネルギー発電機の運転情報に基づき前記クリーンエネルギー発電機群に対する発電電力の増減指令を生成するように構成されることを特徴とする請求項2記載の周波数制御装置。
  6. 前記クリーンエネルギー発電機LFC指令生成手段は、発電電力の増減指令と発電電力の増減実績の履歴から計算した補正係数と運転情報から算出した各クリーンエネルギー発電機の制御可能量をもとに前記クリーンエネルギー発電機群に対する発電電力の増減指令を生成するように構成されることを特徴とする請求項2記載の周波数制御装置。
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JP2012090365A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Osaka Gas Co Ltd 電力システム
JP2012525116A (ja) * 2009-04-30 2012-10-18 ビーワイディー カンパニー リミテッド 電池を用いた発電所

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