JP2007159067A - 適応変調制御装置、送信機、受信機、及び、適応変調制御方法 - Google Patents

適応変調制御装置、送信機、受信機、及び、適応変調制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パイロット信号を割り当てるパイロットシンボルに比べデータ信号を割り当てるデータシンボルの受信性能が劣化することを解析し、解析した受信性能の劣化状況に基づいて変調パラメータを選択する適応変調制御装置を提供する。
【解決手段】変調パラメータを選択する適応変調制御装置であって、復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルを、送信単位となるフレームへ配置する位置を特定するパイロット位置情報を記憶するパイロット位置情報記憶部111と、パイロット位置情報に基づいて、フレームに配置されるデータシンボルとパイロットシンボルとの相関を判定し、判定した相関に基づいて受信性能の劣化を示す劣化係数を決定する劣化特性決定部112と、決定した劣化係数に基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択するパラメータ選択部113と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、復調の基準となるパイロット信号を有するデータ通信に関する。
従来から、無線で送受信される多値変調システムにおいては、伝搬路により、振幅や位相が変動することから、パイロット信号としてあらかじめ既知信号を送り、その振幅と位相を基準に、未知のデータ信号の振幅、位相の判断基準として、復調することが行われている。このような方式は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)変調システムでも同様である。
図11は、従来のOFDM変調システムのフレーム構成の一例を示す図である(非特許文献1の図1を引用)。図11のフレーム構成は、OFDMをベースとし、スペクトル拡散も同時に行っているSpread−OFDMにおける構成例であるが、前後に1つずつのパイロットチャンネルを置くことで、雑音に対する特性向上と、伝搬路変動の補間を行っている。つまり、2つのパイロットチャネルはパイロット信号には相関があり、雑音電力には相関がないので、2つを演算処理することでパイロット信号の精度を向上できる。
また、1フレームは、十分短く設定するものの、移動が高速で行われるときには、フレームの先頭と、フレームの末尾で、伝搬路の変化が生じるため、フレーム先頭のパイロットから求めた基準値は、末尾では誤差が大きくなってしまう。この場合に、先頭と末尾の2つのパイロットを利用することにより、伝搬路変化に伴う、フレーム内の位相、振幅の変化を推定でき、少ない誤差で復調できる。
図12は、従来の受信機の構成例を示すブロック図である。RF(Radio Frequency)部から、アナログ部901に入ってきた受信信号は、その後、A/D(Analog/Digital)変換されてデジタル信号となり、デジタル処理部902に入力される。デジタル処理部902では、受信信号に同期をとる同期処理部(図12には図示していない)で、フレーム構造に対して同期を取り、パイロット信号はパイロット記憶部904に、データ信号はデータ復調処理部905に送られ、各々の処理が行われる。
伝搬路推定部906では、記憶したパイロット信号を用いて基準信号を生成する。生成した基準信号をもとにデータ復調処理部905で復調、インターリーブ、誤り訂正等の処理が行われ、その後上位層に渡される。
受信性能測定部907では、パイロット信号から受信機で復調できる受信性能を鑑みて、MCS決定部908では、受信機が復調できるMCS(Modulation and Coding Scheme、変調パラメータ)値を決定し、上位層に伝える。上位層では、決定したMCS値を送信部(図12には図示していない)により送信機へ送信する。
このような従来例において、適応変調を行う場合には、多値変調の変調パラメータを決めることが必要で、一般的には、パイロット信号等の基準となる信号をもとに、受信機でのC/I(Carrier vs. Interference Ratio:搬送波対干渉電力比)等の品質情報を計算し、計算した品質情報から変調パラメータを決定していた。
図13は、受信機側で変調パラメータを決定する処理の一例を示す図である。受信機は、送信機から送られてきたパイロット信号PLを元に、パイロット信号の受信品質から、受信できるMCS値を決定し、送信側に通知する。図13は、パイロット信号の受信信号電力をS1、S2、S3の閾値で区分し、受信信号電力の値に基づいて、MCS2からMCS4のMCS値を決定している例を示している。
図14は、送信機側で受信機より通知されたMCS値に基づいて、データ信号を変調する処理の一例を示す図である。受信機から通知された受信可能なMCS値にあわせて、変調した信号をフレーム構造に埋め込み、送信する。図14では、パイロット信号PLの次に各MCS値で変調したデータ信号、次いでパイロット信号PLを配置したフレーム構成を示している。
図15に、送信機と受信機の間の信号のやり取りの一例を示す。送信機は、パイロット信号を送信し(S91)、受信機は、受信したパイロット信号を元に、受信品質を測定し、定期的にMCS値を送信機に返す(S92)。送信機は、次の更新まで、通知されたMCS値にあわせた信号を送信する(S93)。図15では、送信機は、最初のMCS値に基づいて適応変調Aの処理が実施され、次のMCS値の通知の後は、適応変調Bの処理が実施されている例を示している。
図16は、従来の送信機の構成例を示すブロック図である。図15で示される信号のやり取りに従って説明すると、送信機では、変調/符号化決定部911は、受信機から送られてきたMCS値(受信性能信号に含まれる)を基準に、送信する信号のMCS値を決定し、データ変調処理部912は符号化、変調処理を行い、デジタル処理部913、アナログ部914の処理を経て、RF部を介して信号を送信する。これにより、受信機側で最適な変調/符号化方式で、通信が行われ、最大のスループットの確保が可能となる。
一方で、最近では、前記従来例のようなパイロット信号の配置では、パイロット比率が問題となり、パイロット信号をできるだけ減らしていくことも検討されるようになった。
例えば、パイロットを間引いて入れたり、スタガーに入れたりする配置が提案され、復調には周辺のパイロット信号を利用して復調が行われている。
非特許文献2に周辺のパイロット信号を利用して復調する技術が開示されている。非特許文献2では、周波数軸では、隔サブキャリアごとにパイロットを間引き、時間軸ではスタガーに配置している例である(非特許文献2、図2)。このようにすることで、できるだけ少ないパイロットで、効果的に復調することが検討されている(同文献、図5(b))。これらの検討においては、最終的なパイロットの配置を決めるために、パイロットの入れ方が検討されており、ひとつの選択要因として端末の移動速度があり、移動速度が低いときには同一時間に周波数軸上に並んでいる方が処理が簡単で精度もよいが、移動速度が上がってくると、時間軸上に分散しておいた方が精度がよいことが報告されている。
このように、通信システムを決める回線設計段階においては、非特許文献2開示されているようなシミュレーション結果から、パイロット信号を配置する位置(シンボル)が最適となるように選定し、選定した位置(シンボル)が、通信システム内のすべての受信機で使われる。
ところで、パイロット信号を連続して配置するのではなく、パイロット信号を間引いて配置する通信システムにおいて、データ復調の基準は、パイロット信号から補間して推定した基準信号を使うため、推定した基準信号の精度が悪いとデータ信号の復調に影響を与えることになる。
丹野 元博、新 博行、樋口 健一、佐和 橋衛 著「下りリンクブロードバンドOFCMDにおけるパイロットチャネルを用いる3段階高速セルサーチ法」、信学技報 RCS2002−40、2002年4月、p.135−140 NTT DoCoMo, Fujitsu, "Common Pilot Channel Structure for OFDM Based Radio Access in Evolved UTRA Downlink",3GPP TSG RAN WG1 #42 on LTE R1−050853 London,UK,August 29−September 2,2005 NTT DoCoMo, NEC, SHARP、 "Orthogonal Common Pilot Channel and Scrambling Code in Evolved UTRA Downlink" 3GPP TSG RAN WG1 #42 on LTE R1−050704 London,UK,August 29−September 2,2005
しかしながら、シミュレーション結果等に基づいて、パイロット信号を最小限に配置し、配置したパイロット信号を基準に適応変調することは通信システムの規格としては仕方のないことではあるが、適応変調の性能の観点から見ると、十分とはいえない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、パイロット信号を割り当てるパイロットシンボルに比べデータ信号を割り当てるデータシンボルの受信性能が劣化することを解析し、解析した受信性能の劣化状況に基づいて変調パラメータを選択する適応変調制御装置、送信機、受信機、並びに、適応変調制御方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明に係る適用変調制御装置の一態様は、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する複数の変調パラメータから一つの変調パラメータを選択する適応変調制御装置であって、復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルを、送信単位となるフレームへ配置する位置を特定するパイロット位置情報を記憶するパイロット位置情報記憶部と、前記パイロット位置情報に基づいて、前記フレームに配置されるデータシンボルと前記パイロットシンボルとの相関を判定し、判定した相関に基づいて受信性能の劣化を示す劣化係数を決定する劣化特性決定部と、決定した劣化係数に基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択するパラメータ選択部と、を備えることを特徴とする。
このように、本発明に係る適用変調制御装置の一態様によれば、パイロットシンボルの配置、並びに、パイロットシンボルとデータシンボルとの相関関係によって、変調パラメータ(MCS値)を変えることにより最適な適応変調が可能となる。パイロットシンボルに比べデータシンボルの受信性能が劣化することに基づいて、受信性能の劣化を解析して劣化係数を決定し、決定した劣化係数に基づいて変調パラメータを選択することによって、より適切な変調パラメータを選択することが可能となり、通信のスループットを向上させることができる。
(2)本発明に係る適用変調制御装置の一態様は、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する複数の変調パラメータから一つの変調パラメータを選択するための情報を出力する適応変調制御装置であって、復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルを、送信単位となるフレームへ配置する位置を特定するパイロット位置情報を記憶するパイロット位置情報記憶部と、前記パイロット位置情報に基づいて、前記フレームに配置されるデータシンボルと前記パイロットシンボルとの相関を判定し、判定した相関に基づいて受信性能の劣化を示す劣化係数を決定し、決定した劣化係数を出力する劣化特性決定部と、を備えることを特徴とする。
このように、本発明に係る適用変調制御装置の一態様によれば、パイロットシンボルの配置、並びに、パイロットシンボルとデータシンボルとの相関関係によって、より最適な適応変調が可能となる。パイロットシンボルに比べデータシンボルの受信性能が劣化することに基づいて、受信性能の劣化を解析して劣化係数を決定することによって、より適切な変調パラメータを選択することが可能となり、通信のスループットを向上させることができる。例えば、受信側でパイロット位置情報に基づいて、劣化係数を決定し、決定した劣化係数を送信側へ通知することにより、送信側は通知された劣化係数を用いてより適切な変調パラメータを選択することができる。
(3)さらに、本発明に係る適用変調制御装置の一態様において、前記劣化特性決定部は、前記データシンボルの復調に利用することができるパイロットシンボルの数を用いて前記相関を判定することを特徴とする。
このように、前記劣化特性決定部は、データシンボルの復調に利用することができるパイロットシンボルの数が多いほど精度の高い基準信号を生成することができることにより、高い変調方式を選択することができ、一方、パラメータシンボルの数が少ないも場合には、基準信号の制度が落ちるため、低い変調方式を選択することになり、通信に適切な変調方式を選択することができる。
(4)本発明に係る適用変調制御装置の一態様において、前記劣化特性決定部は、前記パイロットシンボルと前記データシンボルとの時間軸方向の距離に基づいて前記相関を判定することを特徴とする。
このように、前記劣化特性決定部は、時間軸方向の距離、すなわち、パイロットシンボルがデータシンボルからの時間経過を受信性能の劣化として変調パラメータを選択することができる。
(5)本発明に係る適用変調制御装置の一態様において、前記劣化特性決定部は、さらに受信機の移動速度に基づいて前記相関を判定することを特徴とする。
このように、受信機の移動速度が速い場合に生じる受信性能の劣化を含めて変調パラメータを選択することができる。
(6)本発明に係る適用変調制御装置の一態様において、前記劣化特性決定部は、前記パイロットシンボルと前記データシンボルとの周波数軸方向の距離に基づいて前記相関を判定することを特徴とする。
このように、前記劣化特性決定部は、周波数軸方向の距離、すなわち、パイロットシンボルとデータシンボルとの周波数の違いを受信性能の劣化として変調パラメータを選択することができる。
(7)本発明に係る適用変調制御装置の一態様において、前記劣化特性決定部は、さらに伝搬路特性に基づいて前記相関を判定することを特徴とする。
このように、伝搬路特性を反映して受信性能の劣化を決定することができる。
(8)本発明に係る適用変調制御装置の一態様において、前記劣化特性決定部は、さらに受信機がデータシンボルを復調するときに利用するパイロットシンボルの数に基づいて、前記相関を判定することを特徴とする。
このように、前記劣化特性決定部は、受信機側の動作状況に応じて受信性能の劣化を決定することができる。これにより、例えば、受信機が省電力モードで、利用可能なパイロットシンボルの数に比べ使用するパイロットシンボルの数を減らしている場合にも適切な変調パラメータを選択することができる。
(9)本発明に係る適用変調制御装置の一態様において、前記劣化特性決定部は、前記パイロット位置情報に加え、前記データシンボルの受信信号電力に基づいて相関を判定することを特徴とする。
このように、パイロット位置情報と受信信号電力とに基づいて受信性能の劣化を決定することにより、受信状況に基づいて劣化係数を決定することができる。
(10)本発明に係る適用変調制御装置の一態様は、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する複数の変調パラメータから一つの変調パラメータを選択する適応変調制御装置であって、復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルを、送信単位となるフレームへ配置する位置を特定するパイロット位置情報に基づいて、前記フレームに配置されるデータシンボルと前記パイロットシンボルとの相関を判定して決定した受信性能の劣化を示す劣化係数を入力し、入力した劣化係数に基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択するパラメータ選択部を備えることを特徴とする。
このように、本発明に係る適用変調制御装置の一態様によれば、パイロットシンボルの配置、並びに、パイロットシンボルとデータシンボルとの相関関係によって、変調パラメータ(MCS値)を変えることにより最適な適応変調が可能となる。パイロットシンボルに比べデータシンボルの受信性能が劣化することに基づいて、入力した劣化係数に基づいて変調パラメータを選択することによって、より適切な変調パラメータを選択することが可能となり、通信のスループットを向上させることができる。例えば、送信側は、受信側が解析した劣化係数を受信し、利用することが可能であり、これにより、より適切な変調パラメータを選択することが可能となる。
(11)本発明に係る送信機の一態様は、復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルとデータシンボルとを含むフレームを送信単位とし、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する変調パラメータを用いて前記データシンボルを変調して受信機へ送信する送信機であって、上記(1)から上記(10)のいずれかに記載の適応変調制御装置を備え、前記パラメータ選択部は、前記受信機から通知された受信性能情報を入力し、前記受信性能情報と前記劣化特性とに基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択することを特徴とする。
このように、本発明に係る送信機の一態様によれば、パイロットシンボルの配置、並びに、パイロットシンボルとデータシンボルとの相関関係によって、受信機から通知された変調パラメータ(MCS値)を変更することにより最適な適応変調が可能となる。パイロットシンボルに比べデータシンボルの受信性能が劣化することに基づいて、受信性能の劣化を解析して劣化係数を決定し、決定した劣化係数に基づいて変調パラメータを選択することによって、より適切な変調パラメータを選択することが可能となり、通信のスループットを向上させることができる。
(12)また、本発明に係る送信機の一態様において、前記パイロット位置情報に基づいて、前記データシンボルの復調に利用するパイロットシンボルを判定するパイロット判定部を、さらに備え、前記劣化特性決定部は、前記データシンボルと前記パイロット判定部が判定したパイロットシンボルとの相関に基づいて劣化係数を決定することを特徴とする。
このように、フレームに配置されたパイロットシンボルのうち、データシンボルの復調に利用するパイロットシンボルを判別することにより、利用可能なパイロットシンボルの数を正確に取得することが可能となり、適切な変調パラメータを選択することができる。
(13)さらに、本発明に係る送信機の一態様において、前記パラメータ判定部は、前記データシンボルが含まれるフレームと前記フレームの後に続く後続フレームとの通信特性が異なる場合、前記後続フレームに配置されたパイロットシンボルを使用しないと判断することを特徴とする。
このように、通信性能が異なるフレームのパイロットシンボルを使用しないと判断することにより、パイロットシンボルから精度の高い基準信号を生成するとともに、受信性能の劣化をより正確に判断することが可能となる。
(14)本発明に係る送信機の一態様において、前記パラメータ判定部は、通信特性として、各フレームのアンテナパターンを示すアンテナパターン信号、各フレームに割り当てられたパイロットシンボルの種別を示すパイロット種別信号、並びに、各フレームの送信元を示す送信元種別信号との少なくとも一つを用いることを特徴とする。
このように、各通信特性に基づいて、利用可能なパイロットシンボルの数を判断することができる。
(15)本発明に係る受信機の一態様は、復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルとデータシンボルとを含むフレームを送信単位とし、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する変調パラメータを用いて変調した前記データシンボルを送信機から受信する受信機であって、上記(1)から上記(9)のいずれかに記載の適応変調制御装置を備えることを特徴とする。
このように、本発明に係る受信機の一態様によれば、パイロットシンボルの配置、並びに、パイロットシンボルとデータシンボルとの相関関係によって、変調パラメータ(MCS値)を変えることにより最適な適応変調が可能となる。パイロットシンボルに比べデータシンボルの受信性能が劣化することに基づいて、受信性能の劣化を解析して劣化係数を決定し、決定した劣化係数に基づいて変調パラメータを選択することによって、より適切な変調パラメータを選択することが可能となり、通信のスループットを向上させることができる。
(16)また、本発明に係る受信機の一態様は、復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルとデータシンボルとを含むフレームを送信単位とし、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する変調パラメータを用いて変調した前記データシンボルを送信機から受信する受信機であって、上記(1)から(8)のいずれかに記載の適応変調制御装置と、前記データシンボルの受信信号電力を測定する受信性能測定部と、を備え、前記パラメータ選択部は、測定した受信信号電力と前記劣化特性とに基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択することを特徴とする受信機。
このように、パイロット位置情報と受信信号電力とに基づいて受信性能の劣化を決定することにより、受信状況に基づいて劣化係数を決定することができる。
(17)また、本発明に係る受信機の一態様は、復調用の基準信号を生成する既知シンボルを含むパイロットシンボルとデータシンボルとを含むフレームを送信単位とし、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する変調パラメータを用いて変調した前記データシンボルを送信機から受信する受信機であって、複数の送信元から、前記パイロットシンボルが直交関係になっている複数のフレームを受信する受信部と、受信した複数のフレームに含まれるパイロットシンボルを直交処理し、所望のパイロットシンボルを抽出する直交処理部と、前記受信部が受信した複数のフレームに含まれる直交処理していないパイロットシンボルと、前記直交処理部が抽出した所望のパイロットシンボルとを入力し、直交処理したパイロットシンボルと直交処理していないパイロットシンボルとの間の干渉成分を解析する受信性能測定部と、解析した干渉成分に基づいて、受信性能の劣化を示す劣化係数を決定する劣化特性決定部と、前記劣化係数に基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択するパラメータ選択部と、を備えることを特徴とする。
このように、所望のフレーム以外の他のフレームの干渉成分を解析することにより、パイロットシンボルとデータシンボルとの間に生じる受信性能の劣化を解析することが可能になる。これにより、データシンボルが受ける干渉成分を取得することが可能となり、より適切な変調パラメータを選択することができ。通信のスループットを向上させることができる。
(18)本発明に係る受信機の一態様は、復調用の基準信号を生成する既知シンボルを含むパイロットシンボルとデータシンボルとを含むフレームを送信単位とし、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する変調パラメータを用いて変調した前記データシンボルを送信機から受信する受信機であって、複数の送信元から、前記パイロットシンボルが直交関係になっている複数のフレームを受信する受信部と、受信した複数のフレームに含まれるパイロットシンボルを直交処理し、所望のパイロットシンボルを抽出する直交処理部と、前記受信部が受信した複数のフレームに含まれる直交処理していないパイロットシンボルと、前記直交処理部が抽出した所望のパイロットシンボルとを入力し、直交処理したパイロットシンボルと直交処理していないパイロットシンボルとの間の干渉成分を解析する受信性能測定部と、上記(1)から上記(9)のいずれかに記載の適応変調制御装置と、を備え、前記劣化特性決定部は、前記パイロット位置情報に基づいて判定した相関と、解析した干渉成分とに基づいて、受信性能の劣化を示す劣化係数を決定することを特徴とする。
このように、干渉成分に加え、パイロットシンボルの位置情報に基づいて受信性能の劣化を判断することができる。これにより、精度の高い劣化係数を決定することができる。
(19)本発明に係る適応変調制御方法の一態様は、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する複数の変調パラメータから一つの変調パラメータを選択する適応変調制御方法であって、復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルを、送信単位となるフレームへ配置する位置を特定するパイロット位置情報を入力し、入力したパイロット位置情報に基づいて、前記フレームに配置されるデータシンボルと前記パイロットシンボルとの相関を判定し、判定した相関に基づいて受信性能の劣化を示す劣化係数を決定し、決定した劣化係数に基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択することを特徴とする。
このように、本発明に係る適用変調制御方法の一態様によれば、パイロットシンボルの配置、並びに、パイロットシンボルとデータシンボルとの相関関係によって、変調パラメータ(MCS値)を変えることにより最適な適応変調が可能となる。パイロットシンボルに比べデータシンボルの受信性能が劣化することに基づいて、受信性能の劣化を解析して劣化係数を決定し、決定した劣化係数に基づいて変調パラメータを選択することによって、より適切な変調パラメータを選択することが可能となり、通信のスループットを向上させることができる。
本発明によれば、パイロット信号を割り当てるパイロットシンボルに比べデータ信号を割り当てるデータシンボルの受信性能が劣化することを解析し、解析した受信性能の劣化状況に基づいて変調パラメータを選択することが可能になり、通信全体のスループットを向上させることができる。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
以下の説明では、パイロット信号を割り当てるパイロットシンボルとデータ信号を割り当てるデータシンボルとの間の受信性能の劣化の度合いを劣化係数として解析し、解析した劣化係数に基づいて、複数の変調パラメータから一つの変調パラメータを選択する適応変調制御装置に関して説明する。変調パラメータは、変調方式または符号化方式の少なくとも一方を特定するパラメータであり、変調方式、符号化方式、並びに、変調方式と符号化方式の組み合わせが含まれる。本明細書では、変調パラメータは、MCS値で特定される場合を一例として用いて説明する。
また、本発明に係る適応変調制御装置は、送信機あるいは受信機に設置することが可能である。送信機あるいは受信機は、送受信機能を有する通信装置であってもよく、通信装置に適応変調制御装置を設置することにより、本発明を適用することも可能である。
さらに、各実施形態では、一例としてOFDMシステムで採用するフレームを用いて説明する。パイロット信号を配置するフレーム内の位置(シンボル)をパイロットシンボル、データ信号を配置するフレーム内の位置をデータシンボルとする。シンボルは、データを割り当てる最小単位であり、フレームは、複数のシンボルを含む。フレームは、複数のシンボルから構成される複数のブロックからなるという概念もあるが、本明細書ではブロックの単位を用いず、シンボルの単位で説明する。また、パイロット信号、データ信号と記した場合は、シンボルに割り当てられた値を意味する。本明細書では、フレームは、送信単位の一例として示すものであり、例えば、ブロックを送信単位とする場合であっても本発明を適用することは可能である。本発明は、所定の送信単位内に、パイロット信号とデータ信号とを割り当てて送信し、パイロット信号に基づいて、データ信号を復調する通信システムに適用することができるものである。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、送信機側で劣化係数を決定し、変調パラメータを選択する一態様を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る送信機の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す送信機は、パイロット位置情報記憶部111、劣化特性決定部112、パラメータ選択部113、データ変調処理部114、デジタル処理部115、並びに、アナログ部116を備える。また、パイロット位置情報記憶部111、劣化特性決定部112、並びに、パラメータ選択部113とは、適用変調制御装置117を構成する。
パイロット位置情報記憶部111は、復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルを、送信単位となるフレームへ配置する位置を特定するパイロット位置情報を記憶する記憶領域である。図1では、パイロット位置情報記憶部111は、独立した構成要素として示しているが、劣化特性決定部112内の記憶領域を用いてもかまわない。パイロット位置情報記憶部111は、読み込みのみのメモリ(ROM:Read Only Memory)であっても、一時的にパイロット位置情報を保持する記憶領域であってもよい。
劣化特性決定部112は、パイロット位置情報記憶部111に記憶するパイロット位置情報に基づいて、パイロット信号を割り当てるパイロットシンボルとデータ信号を割り当てるデータシンボルとの相関を判定し、判定した相関に基づいて受信性能の劣化を示す劣化係数を決定する。また、劣化特性決定部112は、パイロット位置情報に加え、受信機の移動速度(速度)並びに、周波数特性情報(伝搬路特性)を入力し、更にこれら全部あるいは一部に基づいて、劣化特性を決定することも可能である。
劣化係数は、パイロットシンボルとデータシンボルの相関を表すもので、パイロットシンボルに近いデータシンボルはパイロットシンボルとの相関が高く、パイロットから離れるとパイロットシンボルと相関が低くなる。一方復調の基準はパイロットシンボルに割り当てられたパイロット信号を元に生成しているため、データシンボルがパイロットシンボルから離れることは、基準信号との相関が低くなることを意味する。つまり、受信性能が劣化する。従って、劣化特性決定部112は、パイロットシンボルとデータシンボルとの相関を指標として劣化係数を決定する。この際、パイロット位置情報記憶部111に記憶するパイロット位置情報に基づいて前記相関を判定し、劣化係数を決定することになる。
パラメータ選択部113は、劣化特性決定部112が決定した劣化係数に基づいて、データシンボル(データシンボルに割り当てられるデータ信号)に適用する変調パラメータを選択する。パラメータ選択部113は、変調パラメータを選択する際に、劣化係数に加え受信性能情報も考慮する。受信性能情報は、受信機から通知される情報であり、例えば、受信機が選択した変調パラメータ(MCS値)、受信信号電力、速度情報、周波数特性などの情報が含まれる。
データ変調処理部114は、上位層から送信データを入力し、パラメータ選択部113が選択した変調パラメータを用いて入力した送信データを変調処理する。デジタル処理部115は、フレーム化した送信データ列へ必要なデジタル処理を行う。アナログ部116は、送信データ列をアナログ変換する。アナログ変換された送信データ列は、RF部を経由して送信される。
図2は、本実施形態のフレーム構成の一例を示す図である。図2では、送信機から受信機へフレームA、フレームB、フレームCの連続する3つのフレームが送信され、フレームCの後に続くフレーム領域が、使用しない信号領域である場合を示している。図2のフレーム中、1つの矩形は信号を割り当てるシンボル(領域)を示し、斜線で示すシンボルは、パイロット信号を割り当てるパイロットシンボルの領域であることを示し、数値1、2、3が記入してあるシンボルはデータ信号を割り当てるデータシンボルの一例を示している。各データシンボルが利用するパイロットシンボルは、矢印で示すパイロットシンボルとしている。フレームに配置されるパイロットシンボルの位置情報並びに、各データシンボルが利用するパイロットシンボルの情報は、パイロット位置情報としてパイロット位置情報記憶部111に記憶されている。
また、図2に示す使用しない信号領域は、この信号領域に配置されたパイロットシンボルに割り当てられるパイロット信号が、データシンボルが利用できるか否かを基準に判断する。使用しない信号領域は、パイロット判別部(図1には明記していない)が判断する。パイロット判別部は、送信機の上位層に設置され、パイロット位置情報に基づいて判断する。また、パイロット判別部は、以降のフレーム(後続のフレーム)の有無だけではなく次の要素に基づいて使用しない信号領域を判断することもできる。例えば、前記データシンボルが含まれるフレームと前記フレームの後に続く後続フレームとの通信特性が異なる場合であり、具体例としては、各フレームのアンテナパターンを示すアンテナパターン信号、各フレームに割り当てられたパイロットシンボルの種別を示すパイロット種別信号、並びに、各フレームの送信元を示す送信元種別信号との少なくとも一つあるいはこれらの組み合わせを用いて使用しない信号領域、すなわち、利用しないパイロットシンボルを判別する。また、パイロット判別部は、後続フレームにデータシンボルが配置されないが、パイロットシンボルが配置されている場合、後続フレームのパイロットシンボルを利用すると判別することができる。
劣化特性決定部112は、図2に一例として示すデータシンボルの復調に利用するパイロットシンボルに基づいて、劣化特性を決定する。各データシンボルについて、利用できるパイロットシンボルが多い場合は、精度の高い基準信号を生成できることより、高い変調方式を選択することができる。一方、利用できるパイロットシンボルが少ない場合は、精度の悪い基準信号を生成することになるため、低い変調方式を選択することになる。図3を用いて劣化特性決定部112が劣化特性を決定する具体例を説明する。
図3は、劣化係数の決定方法の一例を示す図である。図3では、周波数軸、時間軸とも、データシンボルとパイロットシンボルとが離れている距離を基準として求めた例であり、距離が小さいほど、相関が高いので高い評価値を与え、距離が離れるに従って低い評価値を与える。図3では、データシンボルとパイロットシンボル(両シンボル間)とが隣接する場合(距離1)では、評価値4、両シンボル間に1つのシンボルがある場合(距離2)は、評価値3、両シンボル間に2つのシンボルがある場合(距離3)では、評価値2、両シンボル間に3つのシンボルがある場合(距離4)では、評価値1を設定し、両シンボル間に4つ以上のシンボルがある場合は、評価値0(零)とし1から4までの評価値を使っている。
図3では、パイロットシンボルAからFを用いるデータシンボル(一部分)の評価値を図3の下段に示している。データシンボルは、いくつかのパイロットシンボルを用いて相関を求めることができるので、図中のパイロットシンボルA,B,C,D、あるいは、E,Fからの評価値を求め、加算することで劣化係数としている。もっと相関の高い劣化係数は6であるが、フレームCの右端のデータシンボルのように、次のフレームに配置されるパイロットシンボルがない場合には使えるパイロット数が減るために低い劣化係数になっている。
図1に示す送信機の構成においては、劣化特性決定部112は各データシンボルで、どの程度の性能劣化が考えられるかを計算し、劣化係数をパラメータ選択部113に渡す。パラメータ選択部113は、各データシンボルの変調パラメータ(MCS値)を劣化特性決定部112が決定した劣化係数を加味して選択(決定)する。このように、送信側ではパイロットシンボルとデータシンボルの位置関係がパイロット位置情報によってわかっている。また、送信側は、受信機側から受信性能情報として戻ってくる各パイロット信号を復調できるMCS値を取得する。従って、送信側のパラメータ選択部113は、受信側から通知されたMCS値と劣化係数から、各データシンボルのMCS値を決定することができる。
尚、図3では、説明の簡易化のため、周波数軸と時間軸で同一の劣化として評価値が1ずつ減っていく例を示した。しかしながら、実際のシステムでは、時間軸の相関を左右するものとしては、シンボル長、移動速度等があり、周波数軸の相関を左右するものとしては、サブキャリアの周波数間隔、使用環境の遅延分散等がある。そのため、これらを考慮した重み付けを入れて、劣化係数を求めることが考えられ、両方1ずつというのは、もっとも簡易化した劣化係数の決定方法の一例である。従って、劣化特性決定部112では、これらの情報から実際の受信機が理想状態からどれくらい劣化した状態で受信されるかを計算し、パラメータ選択部113は、変調パラメータ決定のときにこの要素(劣化係数)を利用する。
つまり、劣化係数の計算では、パイロット信号から計算した基準信号が、データ信号の基準とどれくらいずれているかを計算することであり、具体的な一例としては、ベクトル誤差による劣化をC/N(Carrier vs. Noise Ratio:搬送波対雑音電力比)の劣化と等化して、デシベル値で与えることで、MCS値の計算を行うことができる。
このように、本実施形態によれば、パイロットシンボルの配置、並びに、パイロットシンボルとデータシンボルとの相関関係によって、変調パラメータ(MCS値)を変えることにより最適な適応変調が可能となる。すなわち、従来例においては、パイロット信号から求めた変調パラメータ(MCS値)を受信側から送信側に送り、送信側の変調パラメータを決定していた。つまり、パイロットシンボルの配置に関わらず、パイロットシンボルとデータシンボルとは同じ程度の受信性能として処理し、変調パラメータを決定していた。本実施形態では、劣化係数という概念を導入することにより、パイロットシンボルとデータシンボルとの間で受信性能の劣化を加味して変調パラメータを選択することを可能にし、より適切な適応変調をできるようにした。
なお、受信機側で、すべてのパイロットシンボルを復調に使わない場合がある。つまり、使用するパイロットの数が周りのパイロットシンボルすべて(パイロット位置情報に特定されている利用可能なパイロットシンボルのすべて)を用いて、復調の基準となる基準信号を作るのではなく、利用可能なパイロットシンボルの一部分を使うような場合である。回路の都合上、一部しか使えない場合と、低消費電力モード等で一部だけ使う場合等がそれに当たる。このような場合においては、その劣化係数が変わる(一般には悪くなる)ので、受信側が送信側に利用可能なパイロットシンボルをすべて使用していないこと(あるいは、利用するパイロットシンボルの数)を伝えることにより、誤り率の増加を防ぐことができる。
また、本実施形態では、時間軸と周波数軸の2つの次元での劣化を考えて劣化係数を計算したが、周波数軸方向、あるいは時間軸方向のみ使う場合もありうる。周波数軸方向のみを使う例としては、一定の間隔で間引いたパイロットシンボルが配置されている例であり、パイロットシンボルが配置されていない部分は、その間を補間して基準信号を作成する。また、時間軸方向には、同じ変調度を用いる。一方、時間軸方向のみを使う例としては、パイロットシンボルがすべてのサブキャリアに配置されている場合であり、周波数軸方向にはすべてパイロットシンボルが配置されているので、劣化を考える必要がない。時間軸方向のみ、パイロットシンボルからの経過時間に比例した劣化要因を考えればよい。また、受信側から受信信号電力情報が通知される場合は、受信信号電力を用いることもできる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、劣化係数は、送信側で計算する例を示したが、第2の実施形態では、受信側で劣化係数を計算する一態様について説明する。受信側で劣化係数を決定する場合には、劣化係数そのものを送信側へ通知ことも可能だが、劣化係数から換算した受信できる変調パラメータ(MCS値)を通知することも可能である。以下の説明では、受信側は、従来はパイロットシンボルから変調パラメータ(MCS値)を選択(決定)し、上位層に渡していたが、さらに、劣化係数を考慮して変調パラメータを選択して上位層に通知する例を説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る受信機の構成の一例を示すブロック図である。
この例を図4に示す。図4に示す受信機は、アナログ部211、デジタル処理部212、受信性能測定部213、パイロット記憶部214、データ復調処理部215、パイロット位置情報記憶部216、劣化特性決定部217、パラメータ選択部218、並びに、伝搬路推定部219を備える。また、受信性能測定部213、パイロット位置情報記憶部216、劣化特性決定部217、並びに、パラメータ選択部218とは、適用変調制御装置220を構成する。
アナログ部211は、ベースバンド信号を入力し、アナログ信号を、フィルタ等によるアナログ処理を行う。デジタル部212は、アナログ部211でアナログ処理された信号をデジタル変換し、フィルタ等によるデジタル処理を行い、パイロットシンボルに割り当てられたパイロット信号を受信性能測定部213とパイロット記憶部214へ出力し、データシンボルに割り当てられたデータ信号をデータ復調処理部215へ出力する。
受信性能測定部213は、パイロット信号に基づいて受信性能を測定し、受信性能情報をパラメータ選択部218へ出力する。パイロット記憶部214は、受信したパイロット信号を記憶する。データ復調処理部215は、伝搬路推定部219が推定した伝搬路推定値に基づいて、データ信号を復調処理する。
パイロット位置情報記憶部216は、パイロット位置情報を記憶する記憶領域であり、図1のパイロット位置情報記憶部111と同様である。なお、パイロット位置情報は、システム開始時に各受信機に通知されてもよいし、送信機から制御情報として通知されてもよく、パイロット位置情報記憶部216は、読み込みのみのメモリ(ROM)であっても、一時的にパイロット位置情報を保持する記憶領域であってもよい。
劣化特性決定部217は、パイロット位置情報記憶部216に記憶するパイロット情報に基づいて劣化係数を決定する。劣化特性決定部217は、図1の劣化特性決定部112と同様であるため詳細な説明を省略する。速度、周波数特性情報等を用いることができる点も図1の劣化特性決定部112の場合と同様である。
パラメータ選択部218は、受信性能測定部213が測定した受信性能情報と劣化特性決定部217が決定した劣化係数とに基づいて、受信側で復調できる変調パラメータ(MCS値)を選択し、選択した変調パラメータを上位層へ通知する。上位層へ通知された変調パラメータは、送信側(送信機)へ通知される。
伝搬路推定部219は、パイロット信号に基づいて伝搬路状況を推定し、推定した伝搬路推定値をデータ復調処理部215へ出力する。
第1の実施形態では、受信側では、間引かれたパイロットシンボルについて、MCS値を選択し、選択したMCS値を送信側に通知し、送信側では、決定した劣化係数と、送信側から通知されたMCS値とに基づいて、間引かれているパイロットシンボルのない部分のMCS値を補間していた。本実施形態では、受信側で間引かれた分のMCS値も計算した上で送信側に渡す。受信側は、受信性能測定部213で測定した受信性能情報を用いることにより、間引かれているパイロットシンボルの部分について、受信性能の劣化を推定することが可能となるためである。
図5は、MCS値と変調/符号化方式と所要C/Nとの関係の一例を示す図である。図5では、MCS値を用いて変調パラメータを特定している。MCS値が1の場合は、変調パラメータとして、変調方式がQPSKであり、符号化方式(符号化率)が1/3であることを示す。図5に示すようにMCS値間の所要C/N差は、一定ではなく、しかもかなり広くなっている。図6は、パイロットシンボルが間引かれたシンボルのMCS値を推定する一例を示す図である。図6中P1,P2は、パイロットシンボルを示し、P1とP2の間はパイロットシンボルが間引かれている部分のシンボルM1,M2とする。例えば、受信機側がパイロットシンボルP1についてMCS値“6”、パイロットシンボルP2について、MCS値“3”を送信機へ通知した場合を想定する。パイロットシンボルP1とパイロットシンボルP2の間を補間するときに範囲が広いため、補間後のMCS値が正しく出せない。図6では、パイロットシンボルP1のC/Nは、9dBから12dBの間であり、パイロットシンボルP2のC/Nは、4dBから7dBの間であり、P1とP2の間のシンボルについては、図中の矢印の間のどの値かが不確かである。しかしながら本実施形態では、受信機側で、MCS値として離散的になる前に受信性能情報と劣化特性から、最適なMCS値を計算するので、正確に求めることができるようになる。すなわち、パラメータ選択部218は、パイロットシンボルP1からどの程度劣化するかを劣化係数から推定し、また、受信性能情報によって、パイロットシンボルP1とシンボルM1との受信性能の差が算出できる。これにより、各シンボルについて、より精度の高いMCS値を選択することが可能となる。
また、送信機は、受信機から通知されたMCS値をもとに、さらに送信機で送信するMCS値を計算することも可能である。また、受信機でMCS値を決定することは、補間という点では正確になったが、次のフレームの有無や使用可能なパイロットシンボルであるかについては、送信機側で決めていることなので、送信機側では、受信機から送られてきたMCS値に、フレームのスケジューリング情報を加味して最終的に送信するMCS値を決めることも有効である。
このように、本実施形態によれば、受信機側で劣化係数を考慮してデータシンボルの変調パラメータを受信機側で決定することが可能となる。また、受信機側ではさらに受信性能情報を用いて変調パラメータを選択することが可能となるため、パイロットシンボルが配置されていないシンボルについても、より精度の高い変調パラメータを選択することができる。
なお、図4に適用変調制御装置220の一例を示したが、図4に示す構成要素の一部分を備えている場合であってもよい。本実施形態に係る適用変調制御装置220は、少なくとも、劣化特性決定部217を備える。例えば、従来からある受信機に、劣化特性決定部217を追加した場合であっても本発明に係る適用変調制御装置を適用したことになり得る。また、劣化特性決定部217が決定した劣化係数を送信側に通知するような構成であってもよい。この場合、送信側では、受信側から劣化係数を受信することができる。例えば、図1の送信機を用いると、パラメータ選択部113は、受信した劣化係数に基づいて変調パラメータを選択することができる。これにより、送信側では、受信側において受信状況(受信信号電力)を反映して決定した劣化係数を用いることができる。あるいは、図1の送信機において、劣化特性決定部112は、受信した劣化係数を用いて通信特性に基づく補正を行い、パラメータ選択部113は、劣化特性決定部112が補正した劣化係数に基づいて変調パラメータを選択することができる。これにより、受信側と送信側とで劣化係数を決定するため、より適切な変調パラメータを選択することが可能となる。
また、上記実施形態では、パラメータ選択部218が受信信号電力と劣化係数とに基づいて変調パラメータを選択する態様を説明したが、劣化特性決定部217が受信信号電力とパイロット位置情報に基づいて判定した相関とに基づいて劣化係数を決定し、パラメータ選択部218は、劣化特性決定部217が決定した劣化係数に基づいて、変調パラメータを選択する場合であってもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、送信機の一例として送信範囲を複数のセクタに分ける基地局の場合を説明する。
図7は、送信側である基地局がセクタ化され、各セクタについて個別の直交符号でパイロット信号が変調されている例を示す図である。セクタ化された送信範囲に関しては非特許文献3に開示されている。セクタ化されたシステムでは、指向性アンテナによって、セクタ間で干渉しないように設計されているものの、セクタエッジ(セクタの境界)では2つのセクタからの電波が受信されてしまうため、干渉となる。図7では、端末90がセクタAとセクタBとから信号を受信している例を示している。
このような状況でパイロット信号が干渉を受けた場合には、パイロット信号から生成される基準信号が大幅に劣化することや、パイロット信号自体をセクタ識別に使うため、好ましくない。従って、パイロット信号を精度よく送受信する手段として、セクタ間でパイロット信号間を直交させることで、干渉となる信号のパイロット成分を除去し、精度よくパイロット信号を復調することが提案されている。
図8は、セクタ間での干渉を回避する符号化の一例を示す図である。例1では、セクタAのパイロットは、(1,1,1,1)で変調しており、セクタBのパイロットは、(1,−1,1,−1)で変調しているために、4つのパイロットの合成信号はセクタA,セクタBで直交している。つまり、受信信号は、{α(1,1,1,1)+β(1,−1,1,−1)}であるので、セクタAを復調する場合には、パイロットに(1,1,1,1)を乗じると、セクタAからの信号は、α(1×1)+α(1×1)+α(1×1)+α(1×1)=4αとなり、セクタBからの信号は、β(1×1)+β(−1×1)+β(1×1)+β(−1×1)=0となり、セクタBの信号をなくすることができる。
一方、セクタBを復調する場合には、パイロットに(1,−1,1,−1)を乗じると、セクタAからの信号は、α(1×−1)+α(1×1)+α(1×−1)+α(1×1)=0となり、セクタBからの信号は、β(1×1)+β(−1×−1)+β(1×1)+β(−1×−1)=4βとなり、セクタAの信号をなくすることができる。ここで、α、βは受信信号のベクトル成分である。
その結果、パイロット間での干渉はなくなり、純度の高い基準信号を生成できる。例2では、120度ずつ掛け合わせて直交関係を生成する例である。しかしながら、データ成分を考えたときには、セクタ間で直交していないため、干渉成分によって劣化しており、パイロットシンボルの受信性能からMCS値をきめると実際のデータは干渉により、そのMCS値では復調が困難となる。そこで、本実施形態では、直交処理したパイロット信号と直交処理する前のパイロット信号を用いることで、干渉成分が、どの程度データシンボルに入るかを計算し、劣化係数をもとめ、そこからMCS値を計算することを特徴とする。
図9は、本実施形態の受信機の構成の一例を示すブロック図である。図9に示す受信機は、図4に示す受信機へ直交処理部221を追加し、受信性能測定部222、劣化特性決定部223、並びに、伝搬路推定部224の機能を変更した構成となっている。RF部からは、所望のフレームに加え、干渉成分となる他のパイロットシンボルを含むフレームを受信することになる。また、受信機は、受信部(図9には記載していない)から、複数の送信元(複数のセクタ)から、前記パイロットシンボルが直交関係になっている複数のフレームを受信し、受信したフレームは、RF部を介してアナログ部211へ入力される。受信機は、同時に別々のアンテナ若しくは基地局から複数のフレームを受信する。複数のフレームには、パイロットシンボルが直交した信号関係になっている。一方のパイロットシンボルは所望のパイロットシンボルであり、直交関係にある他方のパイロットシンボルは、干渉となるパイロットシンボルである。
直交処理部221は、受信した複数のフレームに含まれるパイロットシンボルを直交処理し、所望のパイロットシンボルを抽出する。具体的には、パイロットシンボル(パイロットシンボルに割り当てられたパイロット信号)に、復調対象のパイロット信号を抽出する信号を乗じることで、干渉成分となる他のパイロットシンボルを抑圧し、所望のパイロットシンボルのみを出力する。
受信性能測定部222は、直交処理部が抽出した所望のパイロットシンボルと、直交処理していないパイロットシンボルとを入力し、直交処理したパイロットシンボルと直交処理していないパイロットシンボルとの間の電力差を解析する。すなわち直交処理部221が直交処理し干渉成分が無くなったパイロットシンボルと、直交処理していない干渉成分を含んだままのパイロットシンボルの受信信号電力差を算出することで、所望のパイロットシンボルの受信信号電力と干渉成分(干渉となるパイロットシンボル)の干渉電力との差を求めることができ、他セクタからの干渉成分を解析する。
劣化特性決定部223は、受信性能測定部222が解析した所望のパイロットシンボルの受信信号電力と干渉成分の干渉電力との差(干渉成分)に基づいて、受信性能の劣化を示す劣化係数を決定する。
伝搬路推定部224は、直交処理部221が直交処理したパイロットシンボルを計算する直交処理部を通してから、伝搬路推定部に入力される。
図4と同じ符号を付した構成要素は同様の機能を有するため説明を省略する。図9に示すように、受信性能測定部222は、従来の処理と同じく直交処理したパイロットから、自セクタの信号の受信性能を測定すると共に、直交処理していないパイロットと直交処理したパイロットを用いて、干渉成分を計算し、計算した干渉成分を劣化特性決定部223に出力する。劣化特性決定部223は、入力した干渉成分を用いて劣化係数を決定し、その後、パラメータ選択部218は、決定した劣化係数を用いて最適なMCS値を決定する。
図4に示す受信機の例では、劣化係数はパイロットシンボルとデータシンボルの配置(距離)に基づく劣化であり、上位層からパイロット位置情報記憶部216に記憶されたパイロット位置情報に基づいて計算していたが、本実施形態では、受信性能測定部222が測定した干渉成分の量を基準として劣化係数を決定している。このように処理することで、他セクタからの干渉を多く受けている、セクタエッジにいる端末においても、最適なMCS値を使うことが可能になる。
図10は、本実施形態の受信機の別の構成の一例を示すブロック図である。図10に示す受信機では、劣化特性決定部225は、受信性能測定部222が測定した干渉成分とパイロット位置情報記憶部216に記憶するパイロット位置情報とに基づいて、劣化係数を決定する。その他の構成要素は図9と同様であるため説明を省略する。このように、図10に示す受信機では、他セクタ干渉と、パイロットシンボルの配置に基づくパイロットシンボルとデータシンボルとの相関の低下との両方を加味して劣化係数を計算することにより、双方の影響を加味した最適なMCS値が選択できるようになる。
このように、本実施形態によれば、他の通信範囲(セクタ)で用いる他のパイロットシンボルと所望のフレームに含まれるパイロットシンボルとを区別して受信性能を測定することにより、干渉成分となる量を算出することができる。これにより、データシンボルに影響を及ぼす干渉成分に基づいて、劣化係数を決定することが可能となり、より適切な変調パラメータを選択することができる。
また、ここではセクタ間で直交したパイロット信号を用いた場合の例を示したが、通信システムにより、セル間でも直交性を考慮したパイロットを用いている場合には同様の方法で劣化係数による最適な適応変調パラメータの選択が可能である。さらに、複数の送信元から送信されるパイロットシンボルについて、所望のパイロットシンボルと干渉成分となるパイロットシンボルとが直交関係にある場合は、同様の方法で劣化係数による最適な適応変調パラメータの選択が可能であり、本実施形態の適応変調装置あるいは受信機を適用することが可能である。
以上のように、本発明に係る好適な実施形態によれば、伝送路の利用効率向上のために、パイロットシンボルを減らして配置して(パイロットシンボルを間引いて)用いられるシステムにおいても、最適化した適応変調ができるようになる。これにより、パイロットシンボルの減少による受信品質の低下を抑制することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る送信機の構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態のフレーム構成の一例を示す図である 劣化係数の決定方法の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る受信機の構成の一例を示すブロック図である。 MCS値と変調/符号化方式と所要C/Nとの関係の一例を示す図である。 パイロットシンボルが間引かれたシンボルのMCS値を推定する一例を示す図である。 送信側である基地局がセクタ化され、各セクタについて個別の直交符号でパイロット信号が変調されている例を示す図である。 セクタ間での干渉を回避する符号化の一例を示す図である。 第3の実施形態に係る受信機の構成の一例を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る受信機の別の構成の一例を示すブロック図である。 従来のOFDM変調システムのフレーム構成の一例を示す図である(非特許文献1の図1を引用)。 、従来の受信機の構成例を示すブロック図である。 受信機側で変調パラメータを決定する処理の一例を示す図である。 送信機側で受信機より通知されたMCS値に基づいて、データ信号を変調する処理の一例を示す図である。 送信機と受信機の間の信号のやり取りの一例を示す図である。 従来の送信機の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
111、216 パイロット位置情報記憶部
112、217、223、225 劣化特性決定部
113、218 パラメータ選択部
114 データ変調処理部
115、212 デジタル処理部
116、211 アナログ部
117、220 適用変調制御装置
213、222 受信性能測定部
214 パイロット記憶部
215 データ復調処理部
219、224 伝搬路推定部
221 直交処理部

Claims (19)

  1. 符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する複数の変調パラメータから一つの変調パラメータを選択する適応変調制御装置であって、
    復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルを、送信単位となるフレームへ配置する位置を特定するパイロット位置情報を記憶するパイロット位置情報記憶部と、
    前記パイロット位置情報に基づいて、前記フレームに配置されるデータシンボルと前記パイロットシンボルとの相関を判定し、判定した相関に基づいて受信性能の劣化を示す劣化係数を決定する劣化特性決定部と、
    決定した劣化係数に基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択するパラメータ選択部と、を備えることを特徴とする適応変調制御装置。
  2. 符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する複数の変調パラメータから一つの変調パラメータを選択するための情報を出力する適応変調制御装置であって、
    復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルを、送信単位となるフレームへ配置する位置を特定するパイロット位置情報を記憶するパイロット位置情報記憶部と、
    前記パイロット位置情報に基づいて、前記フレームに配置されるデータシンボルと前記パイロットシンボルとの相関を判定し、判定した相関に基づいて受信性能の劣化を示す劣化係数を決定し、決定した劣化係数を出力する劣化特性決定部と、を備えることを特徴とする適応変調制御装置。
  3. 前記劣化特性決定部は、前記データシンボルの復調に利用することができるパイロットシンボルの数を用いて前記相関を判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の適応変調制御装置。
  4. 前記劣化特性決定部は、前記パイロットシンボルと前記データシンボルとの時間軸方向の距離に基づいて前記相関を判定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の適応変調制御装置。
  5. 前記劣化特性決定部は、さらに受信機の移動速度に基づいて前記相関を判定することを特徴とする請求項4記載の適応変調制御装置。
  6. 前記劣化特性決定部は、前記パイロットシンボルと前記データシンボルとの周波数軸方向の距離に基づいて前記相関を判定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の適応変調制御装置。
  7. 前記劣化特性決定部は、さらに伝搬路特性に基づいて前記相関を判定することを特徴とする請求項6記載の適応変調制御装置。
  8. 前記劣化特性決定部は、さらに受信機がデータシンボルを復調するときに利用するパイロットシンボルの数に基づいて、前記相関を判定することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の適応変調制御装置。
  9. 前記劣化特性決定部は、前記パイロット位置情報に加え、前記データシンボルの受信信号電力に基づいて相関を判定することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の適応変調制御装置。
  10. 符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する複数の変調パラメータから一つの変調パラメータを選択する適応変調制御装置であって、
    復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルを、送信単位となるフレームへ配置する位置を特定するパイロット位置情報に基づいて、前記フレームに配置されるデータシンボルと前記パイロットシンボルとの相関を判定して決定した受信性能の劣化を示す劣化係数を入力し、入力した劣化係数に基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択するパラメータ選択部を備えることを特徴とする適応変調制御装置。
  11. 復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルとデータシンボルとを含むフレームを送信単位とし、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する変調パラメータを用いて前記データシンボルを変調して受信機へ送信する送信機であって、
    請求項1、請求項3から請求項10のいずれかに記載の適応変調制御装置を備え、
    前記パラメータ選択部は、前記受信機から通知された受信性能情報を入力し、前記受信性能情報と前記劣化特性とに基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択することを特徴とする送信機。
  12. 前記パイロット位置情報に基づいて、前記データシンボルの復調に利用するパイロットシンボルを判定するパイロット判定部を、さらに備え、
    前記劣化特性決定部は、前記データシンボルと前記パイロット判定部が判定したパイロットシンボルとの相関に基づいて劣化係数を決定することを特徴とする請求項11記載の送信機。
  13. 前記パラメータ判定部は、前記データシンボルが含まれるフレームと前記フレームの後に続く後続フレームとの通信特性が異なる場合、前記後続フレームに配置されたパイロットシンボルを使用しないと判断することを特徴とする請求項12記載の送信機。
  14. 前記パラメータ判定部は、通信特性として、各フレームのアンテナパターンを示すアンテナパターン信号、各フレームに割り当てられたパイロットシンボルの種別を示すパイロット種別信号、並びに、各フレームの送信元を示す送信元種別信号との少なくとも一つを用いることを特徴とする請求項13記載の送信機。
  15. 復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルとデータシンボルとを含むフレームを送信単位とし、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する変調パラメータを用いて変調した前記データシンボルを送信機から受信する受信機であって、
    請求項1から請求項9のいずれかに記載の適応変調制御装置を備えることを特徴とする受信機。
  16. 復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルとデータシンボルとを含むフレームを送信単位とし、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する変調パラメータを用いて変調した前記データシンボルを送信機から受信する受信機であって、
    請求項1から請求項8のいずれかに記載の適応変調制御装置と、
    前記データシンボルの受信信号電力を測定する受信性能測定部と、を備え、
    前記パラメータ選択部は、測定した受信信号電力と前記劣化特性とに基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択することを特徴とする受信機。
  17. 復調用の基準信号を生成する既知シンボルを含むパイロットシンボルとデータシンボルとを含むフレームを送信単位とし、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する変調パラメータを用いて変調した前記データシンボルを送信機から受信する受信機であって、
    複数の送信元から、前記パイロットシンボルが直交関係になっている複数のフレームを受信する受信部と、
    受信した複数のフレームに含まれるパイロットシンボルを直交処理し、所望のパイロットシンボルを抽出する直交処理部と、
    前記受信部が受信した複数のフレームに含まれる直交処理していないパイロットシンボルと、前記直交処理部が抽出した所望のパイロットシンボルとを入力し、直交処理したパイロットシンボルと直交処理していないパイロットシンボルとの間の干渉成分を解析する受信性能測定部と、
    解析した干渉成分に基づいて、受信性能の劣化を示す劣化係数を決定する劣化特性決定部と、
    前記劣化係数に基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択するパラメータ選択部と、を備えることを特徴とする受信機。
  18. 復調用の基準信号を生成する既知シンボルを含むパイロットシンボルとデータシンボルとを含むフレームを送信単位とし、符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する変調パラメータを用いて変調した前記データシンボルを送信機から受信する受信機であって、
    複数の送信元から、前記パイロットシンボルが直交関係になっている複数のフレームを受信する受信部と、
    受信した複数のフレームに含まれるパイロットシンボルを直交処理し、所望のパイロットシンボルを抽出する直交処理部と、
    前記受信部が受信した複数のフレームに含まれる直交処理していないパイロットシンボルと、前記直交処理部が抽出した所望のパイロットシンボルとを入力し、直交処理したパイロットシンボルと直交処理していないパイロットシンボルとの間の干渉成分を解析する受信性能測定部と、
    請求項1から請求項9のいずれかに記載の適応変調制御装置と、を備え、
    前記劣化特性決定部は、前記パイロット位置情報に基づいて判定した相関と、解析した干渉成分に基づいて、受信性能の劣化を示す劣化係数を決定することを特徴とする受信機。
  19. 符号化率または変調方式の少なくとも一方を特定する複数の変調パラメータから一つの変調パラメータを選択する適応変調制御方法であって、
    復調用の基準信号を生成する既知信号を含むパイロットシンボルを、送信単位となるフレームへ配置する位置を特定するパイロット位置情報を入力し、
    入力したパイロット位置情報に基づいて、前記フレームに配置されるデータシンボルと前記パイロットシンボルとの相関を判定し、
    判定した相関に基づいて受信性能の劣化を示す劣化係数を決定し、
    決定した劣化係数に基づいて、前記データシンボルに適用する変調パラメータを選択することを特徴とする適応変調制御方法。
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