JP2007158497A - 光電センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】閾値の表示値を任意の値に設定可能であると共に、閾値の表示値の変換率に応じて受光量の現在値の表示値を変換して、これを表示することのできる光電センサを提供する。
【解決手段】閾値の表示値つまりスケーリング目標値はユーザが設定することができる。例えば、検出値に基づく閾値が「2000」であるときに、ユーザがスケーリング目標値として「3000」を設定したときには、この「3000」が閾値として表示される。そして、閾値の変換率=3000/2000=3/2を使って受光量の現在値の表示値が生成される。例えば、ワーク有りの検出値が「2800」、ワーク無しの検出値(現在値)が「1200」であるとすれば、ワーク有りの検出値(現在値)の表示値は、2800×3/2=「4200」となり、ワーク無しの検出値(現在値)の表示値は、1200×3/2=「1800」となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、受光量と閾値とを比較することによりワークの有無を検出する光電センサに関する。
例えば特許文献1に見られる光電センサは反射型と透過型とに大別されるが、光電センサの基本的な機能は、投射した光で形成されるワーク検出エリアをワークが通過することに伴う受光量の変化を使ってワークの有無を判定する。この種の光電センサの使用態様として、一つのシステムに複数の光電センサを組み込むことが一般的に行われている。
特開平09−167953号公報
複数の光電センサを組み込んだシステムでは、光電センサの個体差や光電センサの取付状態のばらつきによって全ての光電センサの検出値(受光量)を一致させるのが難しいという問題があり、このため同じ仕様のシステムを複数製造した場合、各光電センサ毎に閾値を最適な値に設定する必要があり、このことからシステムの仕様書に記載されている光電センサの値を各光電センサ毎に調べた上で変更しなければならないという煩雑な問題を有していた。
また、一つのシステムに複数設置された光電センサが別の使い方で使用される場合に、各光電センサの最適な検出状態では設定値(閾値)が中途半端な値となり、表示される値、例えば余裕度などの表示の見方を共通化できないという問題を有していた。
これに対して、従来から検出値をスケーリングして表示するスケーリング機能が知られている。このスケーリング機能は、図2に示すように、取得した物理量、つまりワーク有りの受光量(例えば検出値1)とワーク無しの受光量(例えば検出値2)に或る比率を乗算してスケーリング値を生成したり、図3に示すように、一方の検出値をゼロとして固定し、他方の検出値だけをスケーリングする手法が知られている。
しかし、従来のスケーリング機能は検出値に対して、これを変換するものであり、表示される閾値を所定の値に揃えたい又は切りの良い数値にするときには、表示値を微調整する必要があった。
本発明の目的は、閾値の表示値を任意の値に設定可能であると共に、閾値の表示値の変換率に応じて受光量の現在値の表示値を変換して、これを表示することのできる光電センサを提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明によれば、
受光量及び/又は閾値を表示可能な表示部を備え、投射した光で形成されるワーク検出エリアをワークが通過することに伴って変化する受光量と閾値とを比較することによりON/OFF信号を生成する光電センサであって、
前記閾値を前記表示部に表示する表示閾値をユーザが任意に設定可能な表示閾値設定手段と、
前記閾値と前記表示閾値との比率を算出して、これを閾値変換率として記憶する記憶手段と、
前記光電センサが取り込んだ検出値に前記閾値変換率を乗算して受光量表示値を算出する表示受光量演算手段とを有し、
前記表示部には前記表示閾値及び/又は前記受光量表示値が表示可能であることを特徴とする光電センサを提供することにより達成される。
すなわち、本発明によれば、従来とは異なり閾値を所望の値で表示でき、また、この閾値の表示値つまり表示閾値に応じた現在値が表示可能であるため、閾値が中途半端な値であったときに任意の切りの良い数値で表示させることができる。複数の光電センサを組み込んだシステムの場合、各光電センサの閾値の表示値を統一した任意の値に設定することが可能であるため、システムの仕様書に記載する光電センサの値に関する記述を簡素化できると共に例えば余裕度などの表示の見方を共通化することができる。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図1は、本発明を適用した光電センサを示す。図示の光電センサ100は、光ファイバを通じて投受光する形式の光電センサである。光電センサ100は、幅狭の比較的細長いボックス状のケーシング11を有し、ケーシング11の一端面から光ファイバ14、15が外部に延出しており、光電センサ100への電源供給及び典型的にはPLC(図示せず)への出力は、ケーシング11の他端面から延出するケーブル16を通じて行われる。
ケーシング11の細長い矩形の上面11aには、長手方向に横並びに隣接して配置された第1、第2の表示部17、18が設けられている。第1、第2の表示部17、18は、共に、横並びに隣接して配置された4つセクションを有し、各セクションは7セグメントLEDで構成されている。
ケーシング11の上面11aには、また、出力切替ボタン19、モード切替スイッチ(Mキー)20、スイング式の上下調整キー(上下調整キー)21、スライド式の動作モードセレクタスイッチ22、セットキースイッチ(SETキー)23、動作表示灯24が設けられている。
モード切替スイッチ(Mキー)20は、これを3秒以上押し続ける(長押し)ことにより、第1、第2の表示部17、18の画面の表示モードを切り替えることができ、表示モードとしては、検出動作中の表示モード(運用モード)と、各種の設定を行うための表示モード(設定モード)とを有する。Mキー20を3秒よりも短い時間押すと(短押し)、表示モードを切り替えることなく、第1、第2の表示部17、18の画面を切り替えることができる。
スイング式の上下調整キー21は、アップ(△)側を押すと例えば閾値を大きくする方向に調整することができ、ダウン(▽)側を押すと閾値を小さくする方向に調整することができる。また、この上下調整キー21は、設定モード中では、パラメータの選択や設定数値の調整に用いられる。
スライド式の動作モードセレクタスイッチ22は2接点を有し、この動作モードセレクタスイッチ22を操作することにより、予め設定されている動作モードと、複数の他の動作モードからユーザが任意に選択した動作モードとの切替えを行うことができる。光電センサ100で選択可能な複数の動作モードを例示すれば以下のとおりであるが、各種の動作モードは、受光量の大小に違いがあり、この受光量を増加させるのに、例えば、(i)受光の周期を長く設定してパルス発光のデュティーを小さくする代わりに投光電流を増加させることで投光量を増加させる、(ii)受光した信号を複数回加算することによって受光量を大きくすると共にS/Nも向上させる手法を採用することができる。
(1)ファインモード:このファインモードは、例えばベアリングの刻印の有無を検出するのに適するように受光量が設定されており、微小な刻印の有無による僅かな光量変化を的確に判別することができるという特徴を備えている。
(2)ターボモード:ファインモードよりも実質的に受光量が増大する設定になっており、例えば台紙上のシールの検出するのに適している。
(3)スーパーターボモード:ターボモードよりも更に実質的に受光量が増大する設定になっている。このスーパーターボモードは、例えば発光素子又は発光素子からの光を導くファイバ及び/又は受光素子又は受光素子に光を導くファイバと検出物Tとを離間させた状態で検出物Tの有無を検出するのに適している。
(4)ウルトラターボモード:スーパーターボモードよりも更に実質的に受光量が増大する設定になっており受光感度は、ここに列挙の選択肢の動作モードのなかで最大である。このウルトラターボモードは、例えば、スーパーターボモードよりも遠く離れた検出物Tの有無を検出する、或いは、埃、汚れなどの多い悪環境下で検出物Tを検出する際に用いるのに適している。
(5)ハイスピードモード:ハイスピードモードは、上述した各種の運用モードよりも応答速度を高める設定になっており、比較的早く通過する検出物Tを検出するのに適している。
SETキー23は、自動的に設定するのに用いられる。すなわち、検出物T(図3参照)を検出エリアに配置した状態で、SETキー23を押し、次いで、検出エリアから検出物Tを取り除いた状態で、SETキー23を再び押すと、検出物Tが存在しているときの最大受光量と、検出物Tを取り除いたときの最小受光量との間の値(典型的には中間値)が閾値として自動的に設定される。また、ユーザの選択により、このSETキー23を押すと、上述した閾値の自動設定に加えて、閾値の表示値を任意の値に変換する閾値スケーリング機能を動作させることができる。
この閾値の表示値つまりスケーリング目標値は、例えば、第1表示部17に検出値に基づく設定値を表示した状態で、上下調整キー21を操作して所望の数値を表示させることにより設定することができる。例えば、図2に示すように、検出値に基づく閾値が「2000」であるときに、この「2000」が第1表示部17に表示され、そして、ユーザがスケーリング目標値として「3000」を設定したいときには、上下調整キー21を使って第2表示部18の数値を「3000」にすることでスケーリング目標値が「3000」に設定され、この設定により、閾値の表示は「3000」に変換される。
この閾値の表示値の設定に関連して、検出値(現在値)も閾値の変換率に応じた値に変換した値が表示される。この現在値(検出値)の変換は、次の式に従う。
現在値(検出値)の表示値=現在値×閾値の変換率=現在値×(スケーリング目標値/スケーリング前の閾値)
図2を参照して説明すれば、閾値の変換率=3000/2000=3/2である。この閾値変換率は光電センサ100の記憶部に記憶される。そして、この閾値変換率を使って受光量の現在値の表示値が生成される。例えば、ワーク有りの検出値が「2800」、ワーク無しの検出値(現在値)が「1200」であるとすれば、ワーク有りの検出値(現在値)の表示値は、2800×3/2=「4200」となり、ワーク無しの検出値(現在値)の表示値は、1200×3/2=「1800」となる。
上記の図2を参照した説明は、閾値が自動設定される例であるが、ユーザが所望の閾値をユーザの手で設定した場合にも同様に適用可能である。
図3は、光電センサ100のブロック図である。光電センサ100は、例えば発光ダイオード(LED)などからなる発光素子を発光させるための投光処理部30及び投光部31を有し、また、フォトダイオードなどからなる受光素子に接続された受光部32及び増幅部33と、この増幅部33で増幅した受光信号をデジタル変換して受光データとして出力するA/D変換部34とを有する。
投光部31、受光部32を制御する主制御部35はゲートアレイやCPUで構成される。主制御部35には、上述した各種の操作スイッチ又はボタン19〜23を含む操作部36からの信号が供給される他、主制御部35の処理で必要とされる設定値、例えば上述した閾値スケーリング目標値などは設定部37で設定され、この閾値スケーリング目標値は閾値の表示値として記憶部38に記憶される。また、上述した閾値変換率は、閾値が新たに設定される毎に主制御部35で演算され、この閾値変換率は記憶部38に記憶され、この記憶部38に記憶されている閾値変換率を使って主制御部35で現在値(検出値)が表示値に変換される。
この現在値の表示値や閾値表示値は第1、第2表示部17、18に供給されて第1、第2表示部17、18に表示可能であり、また、現在値と閾値とを比較して生成したON/OFF信号などは外部入出力部39を通じて外部との信号の授受が行われる。
前述したように閾値の表示値をユーザが任意に設定することができるため、例えば複数の光電センサ100を組み込んだシステムにおいて、全ての光電センサ100の閾値の表示値(スケーリング目標値)を「3000」に設定することで、全ての光電センサ100をスケーリング表示させることで共通の値の閾値を表示させることができ、これにより複数の光電センサ100を組み込んだシステムの仕様書に光電センサの値を統一した値として記載することができる。また、複数の光電センサ100を組み込んだシステムの中で光電センサ100の使い方が異なっていたとしても、各光電センサ100の表示値を統一することができるため、例えば現在値(現在の受光量)の余裕度つまり(余裕度=現在値/閾値)の表示の見方を共通化できるという利点がある。
また、第1又は第2表示部17又は18に表示される現在値は常にその数値が変化しているものの、閾値は一定であることから、ユーザがスケーリング目標値として上述のように「3000」という数値を設定することで、第1又は第2表示部17又は18に表示される閾値の値を切りの良い数値にすることができる。このような、表示値の数値の切り替えは、閾値を再設定するときに行われるのがよい。つまり、ユーザがSETキー23を押し下げることにより閾値が自動設定される、又は、ユーザのキー操作により任意の値に閾値が設定される際に、上述した記憶部38に記憶されている変換率が更新され、この更新された変換率に基づいて表示値が算出される。したがって、従来のように検出値をスケーリングする場合には、閾値の表示値が中途半端な数値となり、これを切りの良い数値にするために微調整が必要であったが、実施例のように閾値を任意の値に変換する閾値スケーリング機能を使うことで切りの良い数値で閾値を表示させることができる。
本発明を適用した光電センサの斜視図である。 閾値の表示値を所望の値に設定した場合に、閾値とその表示値に変換する変換率(比率)によって現在値の表示値を生成することを説明するための図である。 実施例の光電センサのブロック図である。 従来の受光量のスケーリングの一つの手法を説明するための図である。 従来の受光量のスケーリングの他の手法を説明するための図である。
符号の説明
100 光電センサ
17、18 第1、第2の表示部
21 上下調整キー
23 SETキー

Claims (3)

  1. 受光量及び/又は閾値を表示可能な表示部を備え、投射した光で形成されるワーク検出エリアをワークが通過することに伴って変化する受光量と閾値とを比較することによりON/OFF信号を生成する光電センサであって、
    前記閾値を前記表示部に表示する表示閾値をユーザが任意に設定可能な表示閾値設定手段と、
    前記閾値と前記表示閾値との比率を算出して、これを閾値変換率として記憶する記憶手段と、
    前記光電センサが取り込んだ検出値に前記閾値変換率を乗算して受光量表示値を算出する表示受光量演算手段とを有し、
    前記表示部には前記表示閾値及び/又は前記受光量表示値が表示可能であることを特徴とする光電センサ。
  2. 前記光電センサは、ユーザのキー操作により前記受光量に基づいて閾値を自動設定する自動閾値設定手段を更に有し、
    該自動閾値設定手段により閾値が再設定された時に、前記記憶手段に記憶されている前記閾値変換率を、再設定された前記閾値に基づく比率に更新する、請求項1に記載の光電センサ。
  3. 前記光電センサは、ユーザのキー操作により任意の値に閾値を設定する手動閾値設定手段を更に有し、
    前記手動閾値設定手段により閾値が再設定された時に、前記記憶手段に記憶されている前記閾値変換率を、再設定された前記閾値に基づく比率に更新する、請求項1又は2に記載の光電センサ。
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