JP2007158488A - 手ぶれ検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の手ぶれ検出技術では、ハードウェアデバイスを別途必要とする場合には装置サイズが大きくなってしまう、という課題がある。また、パターンマッチングなどを複雑な演算処理を利用する場合、撮像装置に高い処理能力を要求するため手ぶれの検出に長時間かかる可能性がある、という課題などがある。
【解決手段】以上の課題を解決するために、本発明は、たとえ事前にピントを合わせていても、手ぶれ発生時には露光撮影された撮影画像のエッジ成分がぶれてぼやけてしまうことに着目し、例えば山登り制御によるフォーカスレンズ位置の決定処理の際に、ピーク値として算出されたフレーム内の高周波成分の積算値と、実際に露光撮影されたフレーム内の高周波成分の積算値とを比較演算処理して露光撮影時の手ぶれを検出する手ぶれ検出装置を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】以上の課題を解決するために、本発明は、たとえ事前にピントを合わせていても、手ぶれ発生時には露光撮影された撮影画像のエッジ成分がぶれてぼやけてしまうことに着目し、例えば山登り制御によるフォーカスレンズ位置の決定処理の際に、ピーク値として算出されたフレーム内の高周波成分の積算値と、実際に露光撮影されたフレーム内の高周波成分の積算値とを比較演算処理して露光撮影時の手ぶれを検出する手ぶれ検出装置を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、撮影時の手ぶれ発生を、例えばデジタルカメラのソフトウェアオートフォーカス機能などを利用して検出する技術に関する。
従来、デジタルカメラには撮影をサポートするための機能がさまざま実装されている。例えば、山登り制御を利用した「オートフォーカス機能」は、さまざまなフォーカスレンズ位置でのフレーム内の映像輝度信号の高周波成分を積算し、その積算値がピーク値をとるフォーカスレンズ位置を合焦フォーカスレンズ位置に決定する機能である。これは、合焦すると撮影画像のエッジ成分が強く(コントラストが強く)なるため、その空間周波数の高周波成分も多くなる性質を利用している。また、この機能は、撮像素子で取得した映像信号をソフトウェア上で処理するため、測距センサなどのハードウェアデバイスを別途利用するオートフォーカス機能と比較して実装や小型化が容易である。
また、その他の実装機能としては、例えば、露光撮影時の「手ぶれ対策機能」も挙げられる。これは、手ぶれの発生を検出しその旨をユーザーに通知したり、手ぶれを検出するとレンズを駆動させることでその手ぶれによる振動の撮影画像への影響を低減させたりする機能である。この手ぶれを検出するための技術として、特許文献1では、被写体までの距離を測る測距センサとモノリシック加速度計などを利用してカメラの振動を検出し、画像のずれ量などを測定する技術が開示されている。また、特許文献2では、DCTの交流域係数を利用して画像内の複数ブロックから特定パターンブロックを選定し、時系列のパターンマッチングによって手ぶれを検出する技術が開示されている。
特開2003−344888号公報
特開平06−245138号公報
しかし、上記従来の手ぶれ検出技術には、以下のような課題がある。すなわち、特許文献1に開示されている技術では、測距センサや加速度計などのハードウェアデバイスを別途必要とするため、装置サイズが大きくなってしまう、という課題である。したがって、例えば携帯端末のような小型の装置に手ぶれ検出機能を実装することが困難となる。
また、特許文献2に開示されている技術では、時系列で画像をパターンマッチングするため撮像装置の中央演算回路に高い処理性能が要求される、という課題である。したがって、その処理性能が低い場合、処理が重くなり手ぶれ検出に長時間かかる、などの事態も起こり得る。
以上の課題を解決するために、本発明は、たとえ事前にピントを合わせていても、手ぶれ発生時には露光撮影された撮影画像のエッジ成分がぶれてぼやけてしまう(コントラストが低下する)ことに着目し、特別なハードウェア構成の追加を行うことなくソフトウェア上の軽い処理で手ぶれを検出することができる装置を提供する。すなわち、例えば山登り制御によるフォーカスレンズ位置の決定処理の際に、ピーク値として算出されたフレーム内の高周波成分の積算値と、実際に露光撮影された際のフレーム内の高周波成分の積算値とを比較演算処理して露光撮影時の手ぶれを検出する手ぶれ検出装置である。具体的には、露光撮影するフォーカスレンズ位置でのフレーム内の空間周波数の高周波成分の第一積算値を算出する第一積算値算出部と、前記フォーカスレンズ位置で露光撮影された際のフレーム内の空間周波数の高周波成分の第二積算値を算出する第二積算値算出部と、前記第一積算値と前記第二積算値とに基づいて手ぶれが発生したか判断する手ぶれ発生判断部と、を有する手ぶれ検出装置である。
また、このようにして手ぶれを検出した際に、手ぶれ発生警告音声の出力やモニタでの手ぶれ発生警告画像やテキストの表示を行うための手ぶれ通知部や、手ぶれ撮影画像に対して補正処理を行うための画像補正処理部を備える手ぶれ検出装置なども提供する。なお、本発明の手ぶれ検出装置において検出される露光撮影時の「手ぶれ」は、(手あるいは手以外の要因に基づく)撮影装置のぶれ以外に、「被写体ぶれ」や、手ぶれと被写体ぶれの「複合ぶれ」も含むものである。
以上のような構成をとる本発明によって、特別なハードウェア構成の追加を行うことなくソフトウェア上での処理で手ぶれを検出することができる。したがって、カメラ付携帯電話など構造的にハードウェアデバイスの追加が困難な端末でも容易に実装することができる。また、上記ソフトウェアオートフォーカス機能を既に備えているカメラ装置であれば、さらに実装が容易となる。
また、その処理負荷も軽いので、撮影装置の演算回路に高い処理能力を要求することもなく安価な手ぶれ検出機能付撮影装置を提供することができる。
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施例1は、主に請求項1、7について説明する。また、実施例2は、主に請求項2について説明する。また、実施例3は、主に請求項3について説明する。また、実施例4は、主に請求項4について説明する。また、実施例5は、主に請求項5について説明する。また、実施例6は、主に請求項6について説明する。
≪実施例1≫ <実施例1の概要> 本実施例は、たとえ事前にピントを合わせていても、手ぶれ発生時には露光撮影された撮影画像のエッジ成分がぶれてぼやけてしまうことに着目し、オートフォーカス処理時などで撮影前に算出されたフレーム内高周波成分の積算値と、実際に露光撮影された際のフレーム内の高周波成分の積算値とを比較して手ぶれの発生有無を検出する機能を備えた手ぶれ検出装置である。
<実施例1の機能的構成> 図1に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「手ぶれ検出装置」(0100)は、「第一積算値算出部」(0101)と、「第二積算値算出部」(0102)と、「手ぶれ発生判断部」(0103)と、を有する。
なお、以下に記載する本装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいはハードディスクや不揮発性メモリなどの外部記憶装置、CD−ROMやDVD−ROMなどの外部記憶メディア、それらメディアの読取ドライブ、各種通信や印刷機器用の送受信ポート、その他の周辺装置などのハードウェア構成部や、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、情報入力に利用されるインターフェースなどが挙げられる。そして、これらハードウェアやソフトウェアは、メモリ上に展開したプログラムをCPUで順次演算処理したり、メモリやハードディスク上に保持されているデータや、インターフェースを介して入力されたデータなどを加工、蓄積、出力処理したり、あるいは各ハードウェア構成部の制御を行ったりするために利用される。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
「第一積算値算出部」(0101)は、第一積算値を算出する機能を備える。「第一積算値」とは、露光撮影するフォーカスレンズ位置でのフレーム内の空間周波数の高周波成分の積算値をいい、例えば、山登り制御方式のオートフォーカス機能において、フォーカスレンズの合焦位置を決定するために算出される積算値を利用すると良い。ここで、図2および図3を利用して、この山登り制御方式のオートフォーカス機能について簡単に説明する。
図2(a)に示すように、フォーカスレンズ位置が合焦位置にある場合、被写体像は撮像素子上にくっきりと結像する。一方、図2(b)に示すように、フォーカスレンズ位置が合焦位置にない場合、被写体像は撮像素子上で輪郭線などがぼやけて結像する。ここで、撮像素子上に結像した被写体像を映像信号の変化として空間周波数で捉えると、細かい図形や輪郭線などは映像信号の変化量が大きい、すなわち「空間周波数の高周波成分」として表すことができる。また、大まかな色面(ベタ面)などは「空間周波数の低周波成分」として表すことができる。したがって、図2(b)に比べ図2(a)の方が、多くの高周波成分を含むといえる。そこで、山登り制御方式のオートフォーカス処理では、フォーカスレンズ位置ごとにフレーム内の空間周波数の高周波成分をHPF(ハイパスフィルタ)等で抽出し、その高周波成分の積算値を図3に示すようにプロットしていく。そして、その積算値がピーク(P)となるフォーカスレンズ位置αを最も高周波成分が多くなる、すなわち輪郭線や細かい被写体像などが最もはっきり結像する合焦フォーカスレンズ位置と決定する。そして、そのフォーカスレンズ位置とその位置での高周波成分の積算値である第一積算値とを関連付けてメインメモリなどに記憶する、という具合である。
もちろん、この第一積算値は、上記オートフォーカス処理においてピーク値となる積算値Pには限定されず、例えば、オートフォーカス処理の処理負荷を軽減するため3点のフォーカスレンズ位置での積算値からピーク値を補間予測して得られた(予測ピーク点を示す)積算値などであっても構わない。
あるいは、合焦(ピントの合った)フォーカスレンズ位置におけるフレームの高周波成分の積算値のみならず、ユーザーが任意に決定したフォーカスレンズ位置におけるフレーム内の高周波成分を積算した値であっても構わない。いずれにせよ、本実施例は、撮影直前と撮影時で同一のフォーカスレンズ位置として、それぞれで撮像素子に結像した被写体像の高周波成分積算値を比較判断することを特徴としている。そして、それぞれの高周波成分積算値が所定範囲以上で異なる場合に、同一のフォーカスレンズ位置での結像であるにも関わらずフレーム内の高周波成分量を変化させる事象が発生した、すなわち手ぶれによる輪郭線等のぶれが発生したことを検出する。したがって、この第一積算値算出部では、実際に露光撮影する際のフォーカスレンズ位置での撮影前のフレーム内の高周波成分の積算値であれば、それが山登り制御方式のオートフォーカス処理により決定されたフォーカスレンズ位置で算出された積算値であっても、ユーザーが任意に決定したフォーカスレンズ位置で算出された積算値であっても構わない、ということである。
「第二積算値算出部」(0102)では、第二積算値を算出する機能を有する。「第二積算値」とは、前記フォーカスレンズ位置で露光撮影された撮影画像のフレーム内の空間周波数の高周波成分の積算値をいう。上記のように、本実施例は、同一のフォーカスレンズ位置で露光撮影前と実際の撮影時のフレーム内高周波成分積算値を比較することで手ぶれを検出する。そのためにこの第二積算値算出部では、実際に露光撮影された撮影画像のフレーム内の高周波成分の積分値を算出する。
図4に示すのは、手ぶれが発生して撮影された撮影画像の一例を表す図である。この図にあるように、シャッターが全押しされるなどして撮影処理が実行された時に、手ぶれが発生すると、その輪郭線や細かい図形などがぶれてはっきりしない撮影画像となる。つまり、撮像素子上に結像したフレーム内に含まれる高周波成分は、手ぶれが発生しない場合と比べて少なくなる。そこで、この撮影が行われたことを示す識別情報とこの第二積算値とを関連付けてメインメモリなどに記憶する。そして次の手ぶれ発生判断部において、この実際に露光撮影された撮影画像のフレーム内の高周波成分積分値(第二積分値)と、所定のフォーカスレンズ位置において算出された撮影前のフレームの高周波成分積分値(第一積分値)と、を比較することで手ぶれの発生を判断することができる。
「手ぶれ発生判断部」(0103)は、前記第一積算値と前記第二積算値とに基づいて手ぶれが発生したか判断する機能を有する。図5に示すのは、この判断の一例を説明するための図である。この図にあるように、露光撮影するフォーカスレンズ位置αにフォーカスレンズをセットし、露光撮影前に撮像素子で取得した高周波成分を積算し算出された第一積算値がPである。一方、同じフォーカスレンズ位置αでの実際に露光撮影した撮影画像の高周波成分を積算し算出された第二積算値がP'である。本来ならば、フォーカスレンズ位置(およびその他レンズ位置)、そして被写体までの距離などが変わらなければ撮像素子で結像する被写体像も変わらないはずなので、この第一積算値Pと第二積算値P'は近似の値をとる。しかし、手ぶれが発生し撮影時でその輪郭線などがぼけ、フレーム内の高周波成分量が撮影前から変化すると、この図に示すようにPとP'は異なった値をとる。そこで、手ぶれ発生判断部では、例えば第一積算値Pを第二積算値P'で除し、その商が所定範囲内に含まれていない場合、PとP'は近似していないので露光撮影時に手ぶれが発生したと判断する、という具合の処理を行う。このようにして、第一積算値算出のあとでの手ぶれによる「ずれ」を検出することができる。
なお、この手ぶれ判断部においては、露光撮影時(第二積算値算出の時)の露光スピードと、第一積算値を算出した際の露光スピードの差を補正するために、そのスピード差に応じて第一積算値や第二積算値に補正値を加えて比較判断処理を実行しても良い。具体的には単位露光時間あたりの第一積算値と第二積算値とを算出し比較する、という具合である。また、この手ぶれ発生判断部での判断処理は第一積算値と第二積算値の商を求める方法のほか、実施例2で説明するように第一積算値と第二積算値の差分値から判断するなどさまざまなアルゴリズムによって判断されて構わない。
<実施例1のハードウェア構成> 図6に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置におけるハードウェア構成の一例を表す概略図である。この図を利用して手ぶれ検出処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、手ぶれ検出装置は、第一積算値算出部、第二積算値算出部、および手ぶれ発生判断部である「CPU(中央演算装置)」(0601)と、「主メモリ」(0602)と、を備えている。また撮影機能として「フォーカスレンズ」(0603)や、「撮像素子」(0604)、「A/D(アナログ/デジタル)コンバータ」(0605)、「バッファメモリ」(0606)などを備えている。また、その他に各種命令を取得するボタンなどで構成された「インターフェース」(0607)や、撮影画像の表示などを行うための「ビデオチップ」(0608)と「液晶モニタ」(0609)、撮影画像を保持するための「外部記憶装置」(0610)なども備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
また「主メモリ」は、各種プログラムを実行するために読み出すと同時にそのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。そしてこの「主メモリ」や「外部記憶装置」にはそれぞれ複数の(物理)アドレスが割り当てられており、実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
ここで、「インターフェース」であるシャッターボタンが例えば半押しされるなどする操作をトリガーとして、オートフォーカス処理が実行される。オートフォーカス処理では、「主メモリ」のワーク領域に「オートフォーカスプログラム」(図示省略)が読み出され、そのプログラムの命令により、まず、「フォーカスレンズ」が駆動制御され、あるフォーカスレンズ位置αにセットされる(もちろん、ズームレンズなどその他のレンズ系も同時に駆動される)。そして、そのフォーカスレンズによって、被写体からの光がCCD(チャージ・カップルド・デバイス)やCMOS(コンプリメンタリー・メタル・オキシド・セミコンダクター)イメージセンサなどの「撮像素子」上に結像する。撮像素子では、その結像した光の強度に応じて電荷が蓄積されるので、その電荷を電気信号として取り出し、輝度信号を取得する。そしてフレーム内の輝度信号で示される空間周波数成分をハイパスフィルタに通過させ(場合によっては増幅器にかけたりローパスフィルタで不要周波数成分を除去したりし)その高周波成分を抽出する。そして「A/Dコンバータ」により高周波成分をデジタルデータに変換し、その変換されたフレーム内の高周波成分の値がCPUの演算処理により積算される。そしてその積算値が主メモリの所定アドレスに格納される(図示省略)。
また、その他の所定のフォーカスレンズ位置β、γ、・・・などにおいても上記同様にフレーム内の高周波成分値の積算処理が行われる。そしてそれぞれのフォーカスレンズ位置における積算値の大小比較演算処理がCPUにて実行され、その比較演算処理の結果、最大の積算値と判断された積算値が第一積算値として主メモリのアドレス(1)に格納される。また、その最大の積算値と判断されたフォーカスレンズ位置を最もピントの合うフォーカスレンズ位置であるとして、フォーカスレンズの駆動制御も実行される。
つづいて、今度は例えばボタンが全押しされることで露光撮影処理が実行される。露光撮影処理では撮像素子に蓄積された電荷を映像信号として取得し、A/Dコンバータにて映像データに(場合によっては高効率符号化処理が実行され)変換する。そしてその映像データがバッファメモリに一旦記憶され、またビデオメモリを介し液晶モニタでの画像表示処理などが行われる。
そして、本実施例では、ここで手ぶれ発生の有無の判断処理が実行される。そのために、まず、「手ぶれ発生判断プログラム」が主メモリのワーク領域に読み出され展開される。そしてCPUがそのプログラムを解釈し、実際の露光撮影時に撮像素子に蓄積された電荷を電気信号として取り出し、前記同様にして抽出されたフレーム内の輝度信号で示される高周波成分のデジタル変換値を積算する。そしてその積算値が第二積算値として主メモリのアドレス(2)に格納される。つづいて、"アドレス(2)に格納されている数値を除数とし、アドレス(1)に格納されている数値の商を算出せよ"との命令に従い第一積算値を第二積算値で除しその商が算出される。そして、その商の絶対値が所定の閾値以内であるかの比較判断処理がCPUにて実行され、所定の閾値内であれば手ぶれは発生しなかったと判断する。そして、バッファメモリに保持されている映像データをハードディスクドライブや不揮発性メモリなどで構成される外部記憶装置に記憶する。
一方、前記商の絶対値が所定の閾値内に含まれていない旨の結果が返された場合は、手ぶれが発生したと判断し、外部記憶装置への記憶は実行しない。また、例えば手ぶれ発生を示すアイコンを液晶モニタに表示したり、あるいはバッファメモリに保持されている映像データに対して画像補正処理を実行したりしても良い。
<実施例1の処理の流れ> 図7に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、(オートフォーカス機能やユーザーの任意の設定などによって)露光撮影を行うフォーカスレンズ位置が決定されると、そのフォーカスレンズ位置での第一積算値を算出する(ステップS0701)。続いて、実際に露光撮影が実行されると、その露光撮影された撮影画像の第二積算値を算出する(ステップS0702)。そして、最後に前記算出した第一積算値と第二積算値とに基づいて、例えばその商が所定の閾値以内にあるか、などから手ぶれが発生したか否かを判断する(ステップS0703)。
<実施例1の効果の簡単な説明> 以上のように、本実施例の手ぶれ検出装置によって、測距センサや加速度計など特別なハードウェアデバイスの追加を行うことなく、ソフトウェア上での処理で手ぶれを検出することができる。したがって、カメラ付携帯電話など構造的にハードウェアデバイスの追加が困難な端末でも容易に実装することができる。また、その処理負荷も軽いので、撮影装置の演算回路に高い処理能力を要求することもなく安価な手ぶれ検出機能を提供することができる。
≪実施例2≫ <実施例2の概要> 本実施例は、実施例1を基本として、第一積算値と第二積算値の差分値を演算し、その差分値に基づいて手ぶれ発生の有無を検出することを特徴とする手ぶれ検出装置である。
<実施例2の機能的構成> 図8に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「手ぶれ検出装置」(0800)は、実施例1を基本として、「第一積算値算出部」(0801)と、「第二積算値算出部」(0802)と、「手ぶれ発生判断部」(0803)と、を有する。なお、これら「第一積算値算出部」と、「第二積算値算出部」と、「手ぶれ発生判断部」は実施例1で既に記載済みであるので、その詳細な説明は省略する。そして、本実施例の特徴点は、「手ぶれ発生判断部」(0803)が、さらに「差分値判断手段」(0804)を有する点である。
「差分値判断手段」(0804)は、前記第一積算値と前記第二積算値との差分値が所定値以内であるかに基づいて手ぶれ発生の判断を行う機能を有する。このように手ぶれ発生判断のため差分値を算出することにより、以下のような効果が期待できる。すなわち、人間の視覚特性の一つに、暗い(全体輝度の低い)画像での階調認識能力は高いが、明るく(全体輝度が高く)なるとあまり細かい階調を認識することができない、という特性がある。つまり、明るい手ぶれ画像より暗い手ぶれ画像の方が、人間は手ぶれをより認識しやすくなり、その手ぶれの程度が気になりやすくなる、といえる。
したがって手ぶれ発生有無の判断基準となる値を、画像全体の輝度の高低、すなわちその輝度積分値の大小に関わらない比率として表すより、画像全体の輝度積分値の大小が反映される差分値として表した方が、より人間の視覚特性に応じた手ぶれ発生有無の判断を行うことができる、という効果である。
したがって手ぶれ発生有無の判断基準となる値を、画像全体の輝度の高低、すなわちその輝度積分値の大小に関わらない比率として表すより、画像全体の輝度積分値の大小が反映される差分値として表した方が、より人間の視覚特性に応じた手ぶれ発生有無の判断を行うことができる、という効果である。
<実施例2の処理の流れ> 図9に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、(オートフォーカス機能やユーザーの任意の設定などによって)露光撮影を行うフォーカスレンズ位置が決定されると、そのフォーカスレンズ位置での第一積算値を算出する(ステップS0901)。続いて、実際に露光撮影が実行されると、その露光撮影された撮影画像の第二積算値を算出する(ステップS0902)。そして、最後に前記算出した第一積算値と第二積算値との差分値が所定値以内であるかに基づいて手ぶれが発生したか否かを判断する(ステップS0903)。
<実施例2の効果の簡単な説明> 以上のように、本実施例の手ぶれ検出装置によって、手ぶれ発生有無の判断基準となる値を、画像全体の輝度積分値の大小が反映される差分値として表すことができる。したがって、より人間の視覚特性に応じた手ぶれ発生有無の判断を行うことができる。
≪実施例3≫ <実施例3の概要> 本実施例の手ぶれ検出装置は、実施例1や2を基本として、手ぶれを検出した場合に、さまざまな方法を用いてその手ぶれ発生をユーザーに通知する機能をさらに備えていることを特徴としている。図10に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置において、その手ぶれ発生を通知する方法の一例を表す図である。この図(a)にあるように、例えば撮影した画像の一覧をモニタでサムネイル表示した際に、手ぶれ発生が検出された撮影画像に重ねて「×」などのアイコン(1001)を表示する、という具合である。また、その撮影画像をカーソルなどで選択することで手ぶれ撮影画像のデータを消去できるような構成であっても良い。
また、図(b)に示すように、撮影画像を外部記憶装置に記憶する前の付属モニタでのプレビュー表示に際して、「手ぶれが発生した可能性があります」といったテキスト(1002)のOSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)表示を行ったり、音声出力を行ったりしても良い。このように撮影直後に手ぶれの発生をユーザーに通知すれば、シャッターの連続押しなどにより同様の被写体・構図などですぐに撮り直すこともできる可能性が高くなる。
<実施例3の機能的構成> 図11に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「手ぶれ検出装置」(1100)は、実施例1を基本として、「第一積算値算出部」(1101)と、「第二積算値算出部」(1102)と、「手ぶれ発生判断部」(1103)と、を有する。また、図示していないが、実施例2を基本として、さらに「差分値判断手段」を有していても良い。なお、これら「第一積算値算出部」と、「第二積算値算出部」と、「手ぶれ発生判断部」、また「差分値判断部」は実施例1や2で既に記載済みであるので、その詳細な説明は省略する。そして、本実施例の特徴点は、「手ぶれ発生通知部」(1104)をさらに有する点である。
「手ぶれ発生通知部」(1104)は、前記判断結果が手ぶれ発生との判断結果である場合に、その手ぶれ発生を通知するための機能を有する。この手ぶれ発生の通知方法は、例えば、概要で前述したように、内部の不揮発性メモリなどに保持されている手ぶれ発生警告用アイコンやテキストを表示する方法が挙げられる。その場合、この手ぶれ発生通知部は、モニタなどの表示装置と不揮発性メモリ、また、それを表示するためのOSD制御部などで構成されると良い。
その他にもこの手ぶれ発生通知部は、スピーカなどで構成され警告音声やブザーなどのBeep音などを出力することでユーザーに手ぶれの発生を通知しても良いし、振動モータを制御したり、LEDなどの照明手段の明滅を制御したりすることでユーザーに手ぶれの発生を通知しても良い。
なお、この手ぶれ発生通知部は以下のような構成を備えていても良い。すなわち、手ぶれ発生判断部において発生した手ぶれの規模、状況を、各積算値の商や差の大小から判断し、その数値の大小に応じて通知手段を切り換えるための「大小判断手段」と「大小依存通知手段切換部」である。これによって、手ぶれの影響が比較的強い場合(各積算値の商や差が大きい場合)に、その強さの程度を通知したり、強さに応じた通知手段の切り換えなどを実行したりすることができる。
<実施例3のハードウェア構成> 図12に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置におけるハードウェア構成の一例を表す概略図である。この図を利用して手ぶれ発生通知処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、手ぶれ検出装置は、「CPU(中央演算装置)」(1201)と、「主メモリ」(1202)と、を備えている。また撮影機能として「フォーカスレンズ」(1203)や、「撮像素子」(1204)、「A/D(アナログ/デジタル)コンバータ」(1205)、「バッファメモリ」(1206)や、その他に各種命令を取得するボタンなどで構成された「インターフェース」(1207)などを備えている。また、撮影画像を保持するための「外部記憶装置」(1210)なども備えている。そして、ユーザーに手ぶれ発生を通知するための手段として、「ビデオチップ」(1208)と「液晶モニタ」(1209)、あるいは「スピーカ」(1211)などを備えている。また、図示していないが、その他の通知手段として振動モータやLED、それらの制御回路などを備えていても構わない。
ここで、「インターフェース」であるシャッターボタンが操作され露光撮影が実行されると、実施例1で説明したような処理により手ぶれ発生の有無が判断される。その判断の結果、手ぶれの発生が検出されると、今度は主メモリのワーク領域に「手ぶれ発生通知プログラム」が読み出され展開される。そのプログラムの命令により「外部記憶装置」のアドレスが指定され、そのアドレスに保持されている手ぶれ発生通知用のアイコン表示用のデータが主メモリのアドレス1に読み出され格納される。あるいは、別の外部記憶装置のアドレスが指定され、そのアドレスに保持されている手ぶれ発生通知用のテキスト表示用のデータや通知用音声のデータが主メモリのアドレス2やアドレス3に読み出され格納されても良い。
そして、その手ぶれ発生通知用のアイコンやテキストのデータが「ビデオメモリ」に送られ、ビデオチップの制御によりバッファメモリの撮影画像の映像データにアイコン画像やテキスト文字が重畳された画像が「液晶モニタ」に表示される。あるいは、手ぶれ発生通知用の音声データが音声出力回路を介してスピーカから出力される、という具合である。
<実施例3の処理の流れ> 図13に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず露光撮影を行うフォーカスレンズ位置が決定されると、そのフォーカスレンズ位置での第一積算値を算出する(ステップS1301)。続いて、実際に露光撮影が実行されると、その露光撮影された撮影画像の第二積算値を算出する(ステップS1302)。そして、前記算出した第一積算値と第二積算値とに基づいて手ぶれが発生したか否かを判断する(ステップS1303)。そして、その判断の結果(ステップS1304)、手ぶれが発生していたと判断された場合、手ぶれの発生を、例えばアイコンやテキスト表示、音声出力などにより通知する(ステップS1305)。
<実施例3の効果の簡単な説明> 以上のように、本実施例の手ぶれ検出装置によって、撮影時の手ぶれの発生をユーザーに通知することができる。したがって、ユーザーはすぐに同構図・同被写体での撮り直しを実行し手ぶれのない撮影画像を手にすることができる。あるいは、手ぶれとなった無駄な画像データを削除し、画像保持データ容量を確保することもできる。
≪実施例4≫ <実施例4の概要> 本実施例は、実施例1などを基本として撮影時の手ぶれを検出した場合には、その手ぶれの影響をうけた撮影画像に対して画像補正処理を行う機能を備えていることを特徴とする手ぶれ検出装置である。
<実施例4の機能的構成> 図14に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「手ぶれ検出装置」(1400)は、実施例1を基本として、「第一積算値算出部」(1401)と、「第二積算値算出部」(1402)と、「手ぶれ発生判断部」(1403)と、を有する。また、図示していないが、実施例2や3を基本として、さらに「差分値判断手段」や「手ぶれ発生通知部」を有していても良い。なお、これら「第一積算値算出部」と、「第二積算値算出部」と、「手ぶれ発生判断部」、また「差分値判断部」と「手ぶれ発生通知部」は実施例1や2、3で既に記載済みであるので、その詳細な説明は省略する。そして、本実施例の特徴点は、「画像補正処理部」(1404)をさらに有する点である。
「画像補正処理部」(1404)は、前記判断結果が手ぶれ発生との判断結果である場合に、撮影画像に対して画像処理を行う機能を有する。その補正処理としては、例えば原画像を平滑化した画像を利用するアンシャープ処理が挙げられる。アンシャープ処理では、原画像データと平滑化画像データの差分からエッジ部分の鮮鋭成分を算出し、その鮮鋭成分を原画像データに上乗せする処理を行うことで変化分を強調する補正画像を生成することができる。また、このアンシャープ処理の際に、手ぶれが大きい撮影画像に対しては強いアンシャープ処理を行い、手ぶれが小さい撮影画像に対しては緩やかにアンシャープ処理を行うなどの構成であっても良い。具体的には、例えば鮮鋭成分に対する係数kを設定し、その係数kが第一積算値と第二積算値の差分値や商などに依存して決定される、という具合である。
また、第一積算値を算出する際の映像輝度信号を利用して、コントラスト成分のフレーム内での位置等を推定し、その推定結果に基づいて画像処理を行っても良い。またその他にも、例えば画像解析によりぶれ量やその方向などを検出し、その解析結果に基づく画像補正処理等、さまざまなアルゴリズムによる画像補正処理が実行されても構わない。
<実施例4のハードウェア構成> 図15に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置におけるハードウェア構成の一例を表す概略図である。この図を利用して手ぶれ発生通知処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、手ぶれ検出装置は、「CPU(中央演算装置)」(1501)と、「主メモリ」(1502)と、を備えている。また撮影機能として「フォーカスレンズ」(1503)や、「撮像素子」(1504)、「A/D(アナログ/デジタル)コンバータ」(1505)、「バッファメモリ」(1506)や、その他に各種命令を取得するボタンなどで構成された「インターフェース」(1507)などを備えている。また、撮影画像を保持するための「外部記憶装置」(1510)なども備えている。また、撮影画像をプレビューするための「ビデオチップ」(1508)と「液晶モニタ」(1509)を備えている。
ここで、「インターフェース」であるシャッターボタンが操作され露光撮影が実行されると、実施例1で説明したような処理により手ぶれ発生の有無が判断される。その判断の結果、手ぶれの発生が検出されると、今度は主メモリのワーク領域に「画像補正プログラム」が読み出され展開される。そのプログラムの命令により「バッファメモリ」に格納されている映像データに対する画像補正処理、例えばアンシャープ処理が実行される。具体的には、例えば原画像の1×3ピクセルを一つのブロックとして、そのピクセル値(輝度値やRGB値など)が「"0"・"1"・"0"」とすると、その平滑化画像(ブロック)「"0.33"・"0.34"・"0.33"」を算出する。したがってこの原画像と平滑化画像の差分「"−0.33"・"0.66""−0.33"」が鮮鋭成分となり、これを原画像のピクセル値に加算することで、「"−0.33"・"1.66""−0.33"」という(当該ブロックに関して)アンシャープ処理された画像が生成される。そしてこれらの処理が撮影画像全域に対して、あるいは所定領域に対して実行される、という具合である。
そして、このようにして手ぶれによるぶれが補正された画像のデータが再びバッファメモリに格納され、そのデータが例えばビデオチップの制御により「液晶モニタ」に表示され、「外部記憶装置」に保持される、という具合である。
<実施例4の処理の流れ> 図16に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず露光撮影を行うフォーカスレンズ位置が決定されると、そのフォーカスレンズ位置での第一積算値を算出する(ステップS1601)。続いて、実際に露光撮影が実行されると、その露光撮影された撮影画像の第二積算値を算出する(ステップS1602)。そして、前記算出した第一積算値と第二積算値とに基づいて手ぶれが発生したか否かを判断する(ステップS1603)。そして、その判断の結果(ステップS1604)、手ぶれが発生していたと判断された場合、その手ぶれが発生した際に露光撮影された撮影画像に対して補正画像処理を実行する(ステップS1605)。
<実施例4の効果の簡単な説明> 以上のように、本実施例の手ぶれ検出装置によって、撮影時に手ぶれの発生した画像に対して画像補正処理を行うことができる。したがって、ユーザーが特段に意識せずとも自動的に手ぶれの影響の少ない画像を生成し保持しておくことができる。
≪実施例5≫ <実施例5の概要> 本実施例は、第一積算値および第二積算値を算出するためのフレーム内の領域を指定する機能を備えた手ぶれ検出装置である。図17に示すのは、いわゆる「流し撮り」という技法によって撮影された撮影画像の一例を表す図である。「流し撮り」とは、移動物体を撮影する際の技法の一つであり、被写体の中心となる移動物体の移動方向や速度に合わせて撮影装置も移動させながら撮影を行う技法である。この流し撮りにより、図17に示すように移動物体がぶれなく写る替わりにその背景がぶれて写り、スピード感のある画像を撮影することができる。
しかし、このように高周波成分が含まれる被写体と、ぶれていて低周波成分が集まっている背景部分が混在していると、上記手ぶれ検出装置を利用して手ぶれを検出する場合にうまく高周波成分の積算値を算出することができず、結果的に誤って手ぶれとして検出してしまう、という可能性もある。そこで、本実施例では、例えば被写体の中心であり、高周波成分を多く含む馬の部分を積算値算出の領域として指定することで上記のような手ぶれ誤検出の可能性などを抑えることができる。
<実施例5の機能的構成> 図18に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「手ぶれ検出装置」(1800)は、実施例1を基本として、「第一積算値算出部」(1801)と、「第二積算値算出部」(1802)と、「手ぶれ発生判断部」(1803)と、を有する。また、図示していないが、実施例2や3、4を基本として、その他の構成部を有していても良い。なお、これら「第一積算値算出部」と、「第二積算値算出部」と、「手ぶれ発生判断部」、またその他構成部は実施例1や2、3、4で既に記載済みであるので、その詳細な説明は省略する。そして、本実施例の特徴点は、「領域指定部」(1804)をさらに有する点である。
「領域指定部」(1804)は、第一積算値算出部と、第二積算値算出部とに対して、空間周波数の高周波成分を積算すべきフレーム内での領域を指定する機能を有する。この領域指定部は、液晶モニタなどのプレビュー画面を見ながら撮影装置のボタンなどのインターフェースをユーザーが操作してフレーム内で所定領域を指定することで実現する方法や、あるいは被写体の中心がおおむね配置されると予想されるフレーム内の中心位置付近を積算値算出の領域として予め指定しておく方法などで実現することができる。そして、撮像素子中で、このようにして指定された領域に含まれる撮影画素(フォトダイオードなど)からのみ電荷を取得し高周波成分を抽出、積算することで、手ぶれ発生判断部ではフレーム内の指定領域での第一積算値と第二積算値を比較判断することができる。
なお、上記のように領域指定部で指定された領域に含まれる撮影画素からのみ電荷を取得する場合、撮像素子中の撮影画素とその指定された領域とを関連付けるために個々の撮影画素を識別する必要がある。したがって、本実施例では個々の撮影画素単位で電荷を取得することが可能なCMOSイメージセンサなどを撮像素子とすることが望ましい。もちろん、CCDなどを撮像素子とする場合でも、バケツリレー方式で行(または列)単位で転送された電荷から指定領域のみの電荷を選択抽出する処理を行っても構わない。
<実施例5の処理の流れ> 図19に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、インターフェース操作などによりフレーム内の領域が指定され、指定領域を示す位置・座標情報などを取得する(ステップS1901)。そして、露光撮影を行うフォーカスレンズ位置が決定されると、そのフォーカスレンズ位置での第一積算値を算出する(ステップS1902)。続いて、実際に露光撮影が実行されると、その露光撮影された撮影画像の第二積算値を算出する(ステップS1903)。そして、最後に前記算出した第一積算値と第二積算値との例えばその商や差分値などに基づいて手ぶれが発生したか否かを判断する(ステップS1904)。
<実施例5の効果の簡単な説明> 以上のように、本実施例の手ぶれ検出装置によって、例えば流し撮りなどの技法での撮影画像においても誤検出を抑えて手ぶれを検出することができる。
≪実施例6≫ <実施例6の概要> 本実施例は、実施例3で説明した手ぶれ発生の通知手段や、あるいは実施例4で説明した手ぶれの影響を受けた撮影画像の補正処理手段を複数有し、手ぶれの状況に応じてその複数の通知手段や画像補正処理手段の中から適したものを選択するための機能をさらに備えた手ぶれ検出装置である。例えば、通常は複数の通知手段の中からスピーカのみを利用して手ぶれ発生の通知を行う。しかし手ぶれのぶれ幅に応じて、ひどいぶれである場合はスピーカに加え液晶モニタでの通知テキストの表示も行ったり、同じスピーカのみの出力であるがその音声を変化させたりする。あるいは、アンシャープ処理は手ぶれの幅が小さい場合には手ぶれの画像補正として有効であるが、ぶれ幅が大きくなると逆に手ぶれを強調してしまう可能性もある。そこで、差分値の大きさに応じて、小さい場合はアンシャープ処理を行い、大きい場合は画像解析などを行う別の画像補正処理を実行する、または逆に画像補正処理を実行しないなどの選択を行う、という具合である。
<実施例6の機能的構成> 図20に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「手ぶれ検出装置」(2000)は、実施例2を基本として、「第一積算値算出部」(2001)と、「第二積算値算出部」(2002)と、「手ぶれ発生判断部」(2003)と、を有する。また、図示していないが、実施例2、3、4、5を基本として、その他の構成部を有していても良い。なお、これら「第一積算値算出部」と、「第二積算値算出部」と、「手ぶれ発生判断部」、またその他構成部は実施例1や2、3、4、5で既に記載済みであるので、その詳細な説明は省略する。そして、本実施例の特徴点は、「手ぶれ処理部」(2004)と、「選択部」(2005)と、をさらに有する点である。
「手ぶれ処理部」(2004)は、手ぶれの状況により選択可能な複数の手ぶれ対策機能を有する。「手ぶれの状況により選択可能な複数の手ぶれ対策機能」とは、例えば、手ぶれの状況に応じてスピーカから出力する通知音声の音量や内容などを選択可能とした手ぶれ発生通知部、あるいは液晶モニタに表示する通知テキストやアイコンのフォントや色、種類、文字の大きさ、明滅などの表示方法などを選択可能とした手ぶれ発生通知部、が挙げられる。または、手ぶれの状況に応じた複数の画像補正処理を選択可能とした画像補正処理部、あるいは手ぶれの状況に応じてアンシャープ処理などを行う際の処理強度(補正用パラメータ)を選択可能とする画像補正処理部などが挙げられる。
なお、手ぶれ発生通知部や画像補正処理部のそれぞれの説明はすでに記載済みであるので省略する。また、もちろん、手ぶれ発生通知部と画像補正処理部とが組み合わされて選択可能な構成としても良い。
「選択部」(2005)は、前記判断結果が手ぶれ発生との判断結果である場合に、第一積算値または/及び第二積算値に基づいて前記手ぶれ処理部に含まれる複数の手ぶれ対策機能の一以上を選択する機能を有する。したがって、この選択部は、例えば第一積算値や第二積算値、あるいはその第一積算値を第二積算値で除した商や差分値などを引数として上記説明したように複数の手ぶれ対策機能の中から手ぶれ状況に適した機能を選択すると良い。例えば、差分値を指数化し、差分指数値が0〜30であればアンシャープ処理を実行し、31〜70であれば、画像解析による画像補正処理を実行し、71〜100であれば画像解析による補正処理に加えアンシャープ処理も実行する、という具合である。あるいは、前記商や差分値などを、画像補正処理を実行する際の補正用パラメータ、例えば前記鮮鋭成分に対する係数、として利用しても良い。
<実施例6の処理の流れ> 図21に示すのは、本実施例の手ぶれ検出装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず露光撮影を行うフォーカスレンズ位置が決定されると、そのフォーカスレンズ位置での第一積算値を算出する(ステップS2101)。続いて、実際に露光撮影が実行されると、その露光撮影された撮影画像の第二積算値を算出する(ステップS2102)。そして、前記算出した第一積算値と第二積算値とに基づいて手ぶれが発生したか否かを判断する(ステップS2103)。そして、その判断の結果(ステップS2104)、手ぶれが発生していたと判断された場合、第一積算値及び/又は第二積算値に基づいて複数の手ぶれ対策機能の一以上を選択する(ステップS2105)。
<実施例6の効果の簡単な説明> 以上のように、本実施例の手ぶれ検出装置によって、手ぶれの状況に応じて適した手ぶれ対策機能を実行することができるようになる。
0100 手ぶれ検出装置
0101 第一積算値算出部
0102 第二積算値算出部
0103 手ぶれ発生判断部
0101 第一積算値算出部
0102 第二積算値算出部
0103 手ぶれ発生判断部
Claims (10)
- 露光撮影するフォーカスレンズ位置でのフレーム内の空間周波数の高周波成分の第一積算値を算出する第一積算値算出部と、
前記フォーカスレンズ位置で露光撮影された撮影画像のフレーム内の空間周波数の高周波成分の第二積算値を算出する第二積算値算出部と、
前記第一積算値と前記第二積算値とに基づいて撮影画像に手ぶれが発生したか判断する手ぶれ発生判断部と、
を有する手ぶれ検出装置。 - 前記手ぶれ発生判断部は、前記第一積算値と前記第二積算値との差分値が所定値以内であるかに基づいて手ぶれ発生の判断を行う差分値判断手段を有する請求項1に記載の手ぶれ検出装置。
- 前記判断結果が手ぶれ発生との判断結果である場合に、その手ぶれ発生を通知するための手ぶれ通知部をさらに有する請求項1または2に記載の手ぶれ検出装置。
- 前記判断結果が手ぶれ発生との判断結果である場合に、撮影画像に対して画像処理を行う画像補正処理部をさらに有する請求項1ないし3のいずれか一に記載の手ぶれ検出装置。
- 第一積算値算出部と、第二積算値算出部とに対して、空間周波数の高周波成分を積算すべきフレーム内での領域を指定する領域指定部をさらに有する請求項1から4のいずれか一に記載の手ぶれ検出装置。
- 手ぶれの状況により選択可能な複数の手ぶれ対策機能を有する手ぶれ処理部と、
前記判断結果が手ぶれ発生との判断結果である場合に、第一積算値または/及び第二積算値に基づいて前記手ぶれ処理部に含まれる複数の手ぶれ対策機能の一以上を選択する選択部と、
を有する請求項1から5のいずれか一に記載の手ぶれ検出装置。 - 請求項1から6のいずれか一に記載の手ぶれ検出装置を備えるカメラ機能付携帯端末。
- 露光撮影するフォーカスレンズ位置でのフレーム内の空間周波数の高周波成分の第一積算値を算出する第一積算値算出ステップと、
前記フォーカスレンズ位置で露光撮影された撮影画像のフレーム内の空間周波数の高周波成分の第二積算値を算出する第二積算値算出ステップと、
前記第一積算値と前記第二積算値とに基づいて撮影画像に手ぶれが発生したか判断する手ぶれ発生判断ステップと、
を計算機に実行させる手ぶれ検出方法。 - 露光撮影するフォーカスレンズ位置でのフレーム内の空間周波数の高周波成分の第一積算値を算出する第一積算値算出ステップと、
前記フォーカスレンズ位置で露光撮影された撮影画像のフレーム内の空間周波数の高周波成分の第二積算値を算出する第二積算値算出ステップと、
前記第一積算値と前記第二積算値とに基づいて撮影画像に手ぶれが発生したか判断する手ぶれ発生判断ステップと、
前記判断結果が手ぶれ発生との判断結果である場合に、その手ぶれ発生を通知する手ぶれ通知ステップと、
を計算機に実行させる手ぶれ検出方法。 - 露光撮影するフォーカスレンズ位置でのフレーム内の空間周波数の高周波成分の第一積算値を算出する第一積算値算出ステップと、
前記フォーカスレンズ位置で露光撮影された撮影画像のフレーム内の空間周波数の高周波成分の第二積算値を算出する第二積算値算出ステップと、
前記第一積算値と前記第二積算値とに基づいて撮影画像に手ぶれが発生したか判断する手ぶれ発生判断ステップと、
前記判断結果が手ぶれ発生との判断結果である場合に、撮影画像に対して画像処理を行う画像補正処理ステップと
を計算機に実行させる手ぶれ検出方法。
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JP2005347555A JP2007158488A (ja) | 2005-12-01 | 2005-12-01 | 手ぶれ検出装置 |
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JP2005347555A JP2007158488A (ja) | 2005-12-01 | 2005-12-01 | 手ぶれ検出装置 |
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JP2005347555A Pending JP2007158488A (ja) | 2005-12-01 | 2005-12-01 | 手ぶれ検出装置 |
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JP (1) | JP2007158488A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100872268B1 (ko) * | 2007-09-18 | 2008-12-05 | 삼성전기주식회사 | 손떨림 보정 기능을 갖는 촬상 장치 및 방법 |
JP2009118434A (ja) * | 2007-11-09 | 2009-05-28 | Sanyo Electric Co Ltd | ぶれ補正装置及び撮像装置 |
WO2013035847A1 (ja) * | 2011-09-09 | 2013-03-14 | 株式会社ニコン | 形状測定装置、構造物製造システム、形状測定方法、構造物製造方法、形状測定プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
-
2005
- 2005-12-01 JP JP2005347555A patent/JP2007158488A/ja active Pending
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