ローラー溝111−1a〜111−4aには、洗浄機構や吸引ノズル118が具備されており、該ローラー溝111−1a〜111−4aを洗浄しその液を吸引することにより、複数種の基板や処理液を使用することを可能としていた。しかし、ローラー溝の洗浄が不充分な場合、複数種の異なる基板を処理すると、ローラー溝から基板に逆汚染が発生する恐れがあり、それを避ける為に、複数の基板や処理液毎に処理装置を使い分ける等の運用方法がとられており、不経済となっていた。また、一つのローラー溝を用いて複数の処理液により処理する際、ローラー溝に具備された吸引ノズルに吸引された処理液は、それぞれの処理液の回収タンクに回収されるよう切り換えられて回収されるようになっていたが、多少処理液が混合されることが避けられなかった。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたもので、複数の基板処理装置を用いることなく、同一基板処理装置で複数種の基板を逆汚染無く処理できる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを目的とする。また、処理液に応じたローラー溝を使用することにより、処理液の回収効率を向上させる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、円板状の被処理基板の周縁部をチャックする平面上に配置された3個以上のローラーと、少なくとも1以上の前記ローラーを回転させるローラー回転機構と、前記被処理基板の表面及び/又は裏面に処理液を供給する基板面処理ノズルを具備する基板処理装置において、前記被処理基板に乾燥気体を供給する乾燥気体供給ノズル、前記被処理基板の表面を被う上部ディスク、前記被処理基板のエッジ部に付着する液を吸引するエッジ部吸引ノズルを設け、前記ローラーは、前記被処理基板の周縁部が係合するローラー溝を上下方向に複数個所定のピッチで設けるか又はローラー溝を有するローラー部材が上下方向に複数個所定のピッチで設けた構成であり、各ローラー溝を洗浄する溝洗浄ノズルと該各ローラー溝内に付着した液を吸引する溝吸引ノズルを設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記ローラーでチャックされた被処理基板の周縁部より内側になる位置に、該被処理基板を仮置きする3本以上の仮置きピンを設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の基板処理装置において、前記仮置きピンはピン昇降機構により昇降自在となっていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2又は3に記載の基板処理装置において、前記ローラーはローラー昇降機構により昇降自在となっていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板処理装置において、前記基板面処理ノズル、前記乾燥気体供給ノズル、及びエッジ部吸引ノズルの少なくとも一つ又は全部をノズル昇降機構により昇降自在となっていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板処理装置において、前記基板面処理ノズルから供給される処理液は複数の処理液に切換え可能となっていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板処理装置において、前記ローラー溝間にローラー溝間の相互汚染を防止する汚染防止機構を設けたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の基板処理装置において、前記ローラー溝毎に異なる処理液吸引ノズルを設けたことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、回転する平面上に配置された3個以上のローラーに周縁部がチャックされ回転する円板状の被処理基板の表面及び/又は裏面に基板面処理ノズルから処理液を供給して処理する基板処理方法において、前記ローラーは、前記被処理基板の周縁部が係合するローラー溝を上下方向に複数個所定のピッチで設けるか又はローラー溝を有するローラー部材を上下方向に複数個所定のピッチで設けた構成であり、各ローラー溝に溝洗浄ノズルから洗浄液を供給すると共に、該ローラー溝内に付着した液を溝吸引ノズルで吸引するようにし、種類の異なる被処理基板毎に前記上下方向に設けたローラー溝を選択するか又は上下方向に配置したローラー部材のローラー溝を選択することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、回転する平面上に配置された3個以上のローラーに周縁部がチャックされ回転する円板状の被処理基板の表面及び/又は裏面に基板面処理ノズルから処理液を供給して処理する基板処理方法において、前記ローラーは、前記被処理基板の周縁部が係合するローラー溝を上下方向に複数個所定のピッチで設けるか又は該ローラー溝を有するローラー部材を上下方向に複数個所定のピッチで設けた構成であり、各ローラー溝に溝洗浄ノズルから洗浄液を供給すると共に、該ローラー溝内に付着した処理液を溝吸引ノズルで吸引するようにし、種類の異なる処理液毎に前記上下方向に設けたローラー溝を選択するか又は上下方向に配置したローラー部材のローラー溝を選択することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ローラーは被処理基板の周縁部が係合するローラー溝を上下方向に複数個所定のピッチで設けるか又はローラー溝を有するローラー部材が上下方向に複数個所定のピッチで設けた構成であり、各ローラー溝を洗浄する溝洗浄ノズルと該各ローラー溝内に付着した液を吸引する溝吸引ノズルを設けたので、被処理基板の種類や処理液に合わせて、ローラーの上下方向の溝或いは上下方向に配置したローラーを切替えることが可能となり、被処理基板への逆汚染の発生を防止することが可能な基板処理装置を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、仮置きピンを設けたので、ロボットにより被処理基板を上下方向に移動させることなく、即ちロボットを用いることなく、ローラに設けられた上下方向の溝又は上下方向に配置されたローラーの切替えが可能な基板処理装置を提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、仮置きピンはピン昇降機構により昇降自在となっているので、仮置きピンに被処理基板を載置した状態で仮置きピンを昇降させてローラーに設けられた上下方向の溝又は上下方向に配置されたローラーの切替えが可能な基板処理装置を提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、ローラーはローラー昇降機構により昇降自在となっているので、ローラーの昇降によりローラーに設けられた上下方向の溝又は上下方向に配置されたローラーの切替えが可能な基板処理装置を提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、基板面処理ノズル、乾燥気体供給ノズル、及びエッジ部吸引ノズルの少なくとも一つ又は全部をノズル昇降機構により昇降自在となっているので、基板面処理ノズル、乾燥気体供給ノズル、及びエッジ部吸引ノズルと基板面及びエッジ部の距離を処理液の供給・吸引に最適な状態で実施することが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、基板面処理ノズルから供給される処理液は複数の処理液に切換え可能となっているので、例えば被処理基板の種類に応じて処理液を切替えた処理を行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、ローラー溝間にローラー溝間の相互汚染を防止する汚染防止機構を設けたので、ローラー溝間の相互汚染を防止できる。
請求項8に記載の発明によれば、ローラー溝毎に異なる処理液吸引ノズルを設けたので、処理液吸引ノズルで吸引される処理液に異種の処理液が混入することなく、処理液を効率よく回収できる。
請求項9に記載の発明によれば、種類の異なる被処理基板毎に上下方向に設けたローラー溝を選択するか又は上下方向に配置したローラー部材のローラー溝を選択するので、同種類の被処理基板は同じ段のローラー溝にチャックされることになりローラー溝から被処理基板への逆汚染のおそれがなくなる。
請求項10に記載の発明によれば、種類の異なる処理液毎に前記上下方向に設けたローラー溝を選択するか又は上下方向に配置したローラー部材のローラー溝を選択するので、同種類の処理は被処理基板は同じ段のローラー溝にチャックされることになりローラー溝から被処理基板への逆汚染のおそれがなくなる。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図2は本発明に係る基板処理装置の概略構成を示す図で、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図である。図示するように、ローラー支持部材10に上下方向に複数段(図では3段)のローラー部材11が取り付けられ、このローラー支持部材10に取り付けられた複数段のローラー部材11で1個のローラを構成している。該ローラー支持部材10は回転駆動機構12により矢印Aに示すように回転するようになっている。各段のローラー部材11にはそれぞれ円板状の被処理基板(例えば半導体ウエハ)Wの周縁部が係合するローラー溝11aが設けられている。ローラー支持部材10及び回転駆動機構12は被処理基板Wを囲むように複数個(図では4個)配置されている。各回転駆動機構12は矢印Bに示すように被処理基板Wの半径方向に移動可能になっており、或段のローラー部材11のローラー溝11aに被処理基板Wの周縁部を係合させ、各ローラー支持部材10を回転させることにより、被処理基板Wは水平面上でローラー部材11のローラー溝11aに保持され回転する。各回転駆動機構12は昇降機構(図示せず)により矢印Dに示すよう昇降自在となっている。
13は被処理基板Wのエッジ部に処理液(例えば洗浄液)を供給するエッジ部処理液供給ノズルであり、14は被処理基板Wのエッジ部に残留する液等を吸引するエッジ部吸引ノズルである。エッジ部処理液供給ノズル13から被処理基板Wのエッジ部に供給された処理液は、被処理基板Wの回転と伴って移動しエッジ部吸引ノズル14の位置に達すると該エッジ部吸引ノズル14に吸引され回収される。15は上部ディスクであり、該上部ディスク15の中央部に乾燥した窒素ガスや空気等のパージガスGを導入するパージガス導入穴15aが設けられており、該パージガス導入穴15aにパージガスGを導入することにより、被処理基板Wの上面は速やかに乾燥する。また、エッジ部処理液供給ノズル13、エッジ部吸引ノズル14、上部ディスク15は昇降機構(図示せず)により矢印Fに示すように昇降可能となっている。
16は被処理基板Wの下面に処理液(例えば洗浄液)を供給し且つ付着する液を吸引する基板面処理ノズルである。該基板面処理ノズル16は後に詳述するように、洗浄液の供給口と吸込口が交互に配置された構成のノズルであり、矢印Cに示すように被処理基板Wの半径方向に移動自在で、且つ矢印Eに示すように昇降自在となっている。また、各ローラー部材11のローラー溝11aの近傍には該ローラー溝11aに処理液(例えば洗浄液)を供給する洗浄ノズル17と該ローラー溝11aに付着する処理液を吸引する吸引ノズル18が配置されている。
図3はエッジ部処理液供給ノズル13とエッジ部吸引ノズル14との配置を示す平面図である。図2に示す4個のローラー部材11の回転により、被処理基板Wが矢印Hに示すように回転しているものとする。この状態でエッジ部処理液供給ノズル13で被処理基板Wのエッジ部に供給された処理液Iはエッジ部吸引ノズル14の位置まで移動し、この位置で該エッジ部吸引ノズル14に吸引される。即ち、エッジ部処理液供給ノズル13から被処理基板Wのエッジ部に供給された処理液Iは被処理基板Wの半回転後エッジ部吸引ノズル14で吸引される。
また、エッジ部処理液供給ノズル13とエッジ部吸引ノズル14との配置関係は図4に示すように、エッジ部処理液供給ノズル13とエッジ部吸引ノズル14の対を互いに対向して配置し、一方のエッジ部処理液供給ノズル13と他方のエッジ部処理液供給ノズル13から供給された洗浄液I、Iは被処理基板Wが半回転した位置で一方のエッジ部吸引ノズル14と他方のエッジ部吸引ノズル14に吸引されるようにしてもよい。また、図示は省略するが、エッジ部処理液供給ノズル13とエッジ部吸引ノズル14を隣接させて配置し、エッジ部処理液供給ノズル13から供給された処理液は被処理基板の略1回転の回転の後、エッジ部吸引ノズル14で吸引するようにしてもよい。
図5は、基板面処理ノズル16の具体的な構成例を示す図である。図示するように、洗浄ノズル16はノズル本体に作用面J1、J2を有し、それぞれの作用面J1、J2に処理液の供給口20と吸引口21とが交互に且つ直線状に配列されている。図5に示すように、各供給口20、…は共通の供給管22に接続され、各吸引口21、21、…は同様に共通の排液排気管23に接続されている。従って、供給管22に処理液を供給すると、供給口20から処理液が供給される。同様に、排液排気管23は真空源に連通し、真空吸引されているので、それぞれの吸引口21から被処理基板Wに付着した処理液を吸引する。
図示の例では、1個の処理部に2面の供給口と吸引口の配列を備え、2種類の処理液の使用が可能である。従って、基板面処理ノズル16には、2本の排液排気管23、23と2本の供給管22、22とを備えている。そして、一対の供給管22と排液排気管23が作用面J1に開口する供給口20と吸引口21とに接続されている。そして、他の一対の供給管22と排液排気管23とがそれぞれ他の作用面J2に開口する供給口20と吸引口21に接続されている。勿論、供給口20と吸引口21の配管は供給口20、供給口20、吸引口21、供給口20、供給口20、吸引口21…のように供給部、吸引部におけるそれぞれの供給口20と吸引口21の個数を1または1以上として供給部、吸引部を交互に配置してもよい。
図示しない回転手段により基板面処理ノズル16を中心軸心O1の回りに4分の1回転させて、作用面J1、J2を切り換えることができる。これにより同一の基板面処理ノズル16で異なる処理液により処理を行うことが可能である。作用面J1では洗浄液処理やエッチングプロセスを行い、作用面J2では、作用面J1のプロセスに引き続いて、純水等によりリンス処理を行い、作用面J1でのプロセスで被処理基板Wに残留する洗浄液をリンス液に置き換えるようにしてもよい。なお、図示の例では、作用面J1により基板面処理ノズル16から処理液を供給し被処理基板Wの下面を処理している様子を表わしている。
図6は被処理基板Wの保持部の構成例を示す図で、図6(a)は平面図、図6(b)は正面図である。図示するように、ローラー支持部材10には上下方向に所定の間隔で複数個、即ち複数段(図では3段)のローラー部材11が設けられ、各段のローラー部材11には被処理基板Wの周縁部が係合するローラー溝11aが設けられている。ローラー部材11を矢印Aに示すように回転することにより、ローラー部材11のローラー溝11aと被処理基板Wの周縁部との摩擦によって被処理基板Wに回転力を付与しつつ被処理基板Wを保持回転する。各ローラー部材11のローラー溝11aの近傍には洗浄液を吸引する吸引口18aを備えた吸引ノズル18が配置されている。
ここで、吸引口18aはローラー溝11aに例えば5mm以下に接近して配置され、ローラー溝11aに付着した洗浄液を吸引する。吸引口18aは図示しない真空源などの負圧付勢手段に連結されていて処理液を吸引する。また、ローラー溝11aに対して洗浄液を供給する供給口17aを備えた洗浄ノズル17がローラー溝11aに接近して配置されている。このように被処理基板Wの周縁部を保持するローラー溝11aの洗浄を行う洗浄ノズル17及び該ローラー溝11aの処理液を吸引する吸引ノズル18を配置することで、被処理基板Wの周縁部付近の処理液の置換性の向上、流体の飛散防止が図れる。また、遠心力の小さい低速回転時も、吸引により周縁部付近の残留液を排除できるため。低速回転の処理においても周縁部付近に液が留まらず、被処理基板Wの面内を均一に処理することができる。
これらの配置関係は各ローラー部材11の回転方向が図中の矢印Aに示す方向であるとすると、ローラー溝11aと被処理基板Wとの接触部Wcに対して回転方向に対して回転方向の前方に洗浄ノズル17が配置され、更にその前方に吸引口18aを備えた吸引ノズル18が配置されている。従って、接触部Wcで基板周縁部の処理液がローラー部材11のローラー溝11a側に移動し、ローラー部材11が矢印Aで示す方向に回転し、洗浄ノズル17の供給口17aから供給される洗浄液によりローラー溝11a部が洗浄される。そして、ローラー部材11の回転に伴い吸引口18aを備えた吸引ノズル18に到達するとローラー溝11aに付着している液が吸引される。これにより、被処理基板Wの周縁部に付着した液が吸引ノズル18で吸引されるので、ローラー溝11aを洗浄するとともに被処理基板Wの周縁部からの液の飛散を防止できる。よって、被処理基板Wの逆汚染や乾燥時のウォータマークの発生等を抑制することができる。
図7は本発明に係る基板処理装置の他の概略構成例を示す図で、図7(a)は平面図、図2(b)は断面図である。本基板処理装置が図2に示す基板処理装置と異なる点は、ローラー部材11でチャックされた被処理基板Wの周縁部内側に、該被処理基板Wを仮置きする3本以上の仮置きピン25を配置した点である。該仮置きピン25はピン昇降機構26で昇降自在となっている。このようにピン昇降機構26で昇降自在となっている仮置きピン25を配置することにより、後に詳述するように、ロボットハンドを用いることなく、被処理基板Wを保持するローラー部材11を切り換えることが可能となる。
次に、図2に示す構成の基板処理装置の動作例(処理例1:複数の異なる基板毎に使用するローラー溝を切り換える処理)を図8及び図9に基づいて説明する。図8(a)においてロボットハンド30で被処理基板Wを基板処理装置の2段目のローラー部材11の位置に搬入する。この状態で図8(b)に示すように、回転駆動機構12を矢印Bに示すように、被処理基板Wの中心方向に向かって移動させ、被処理基板Wの周縁部を2段目のローラー部材11のローラー溝11aに係合させる。この状態で回転駆動機構12でローラー支持部材10を回転し、ローラー部材11を矢印A方向に回転して被処理基板Wを回転すると共に、エッジ部処理液供給ノズル13、エッジ部吸引ノズル14及び上部ディスク15を被処理基板Wの上面近傍まで下降させると共に、パージガス導入穴15aにパージガスGを導入する。
また、基板面処理ノズル16を矢印Cに示すように被処理基板Wの半径方向に移動させながら、供給口20から被処理基板Wの下面に処理液を供給すると共に、吸引口21より該処理液を吸引する(図5参照)。更に吸引ノズル18を真空源等の負圧手段に接続して、ローラー溝11aに付着している液や付近に存在するパージガスG等の気体を吸引する。処理が終了したら、図8(c)のようにエッジ部処理液供給ノズル13、エッジ部吸引ノズル14及び上部ディスク15を上昇させて被処理基板Wの上面から離間させると共に、ローラー部材11の回転を停止し、ロボットハンド30を挿入し、該ロボットハンド30で被処理基板Wを支持すると共に、ローラー支持部材10及び回転駆動12を矢印Bに示すように、被処理基板Wの半径方向外側に移動し、被処理基板Wの周縁部をローラー部材11のローラー溝11aから開放する。開放された被処理基板Wはロボットハンド30により回収され、別の種類の被処理基板Wがロボットハンド30により投入される。
続いて、図9(a)に示すように、ローラー支持部材10及び回転駆動機構12を矢印Dに示すように下降させ、最上段のローラー部材11のローラー溝11aが被処理基板Wの周縁部に位置するところまで下降させる。この状態で図9(b)に示すように、回転駆動機構12を矢印Bに示すように、被処理基板Wの中心方向に向かって移動させ、被処理基板Wの周縁部を最上段のローラー部材11のローラー溝11aに係合させる。この状態で回転駆動機構12でローラー支持部材10を回転し、ローラー部材11を矢印A方向に回転して被処理基板Wを回転すると共に、エッジ部処理液供給ノズル13、エッジ部吸引ノズル14及び上部ディスク15を被処理基板Wの上面近傍まで下降させると共に、パージガス導入穴15aにパージガスGを導入する。
また、基板面処理ノズル16を矢印Cに示すように被処理基板Wの半径方向に移動させながら、供給口から被処理基板Wの下面に処理液を供給すると共に、吸引口21より該処理液を吸引する(図5参照)。更に吸引ノズル18を真空源等の負圧手段に接続して、ローラー溝11aに付着している液や付近に存在するパージガスG等の気体を吸引する。処理が終了したら、図9(c)のようにエッジ部処理液供給ノズル13、エッジ部吸引ノズル14及び上部ディスク15を上昇させて被処理基板Wの上面から離間させると共に、ローラー部材11の回転を停止し、ロボットハンド30を挿入し、該ロボットハンド30で被処理基板Wを支持すると共に、ローラー支持部材10及び回転駆動12を矢印Bに示すように、被処理基板Wの半径方向外側に移動し、被処理基板Wの周縁部をローラー部材11のローラー溝11aから開放する。
次に、図7に示す構成の基板処理装置の動作例(処理2:同一基板を複数のローラー溝を用いて処理)を図10及び図11に基づいて説明する。図10(a)においてロボットハンド30で被処理基板Wを基板処理装置の2段目のローラー部材11の位置に搬入する。この状態で図10(b)に示すように、回転駆動機構12を矢印Bに示すように、被処理基板Wの中心方向に向かって移動させ、被処理基板Wの周縁部を2段目のローラー部材11のローラー溝11aに係合させる。この状態で回転駆動機構12でローラー支持部材10を回転し、ローラー部材11を矢印A方向に回転して被処理基板Wを回転すると共に、エッジ部処理液供給ノズル13、エッジ部吸引ノズル14及び上部ディスク15を被処理基板Wの上面近傍まで下降させると共に、パージガス導入穴15aにパージガスGを導入する。
また、基板面処理ノズル16を矢印Cに示すように被処理基板Wの半径方向に移動させながら、供給口20から被処理基板Wの下面に処理液を供給すると共に、吸引口21より該処理液を吸引する(図5参照)。更に吸引ノズル18を真空源等の負圧手段に接続して、ローラー溝11aに付着している液や付近に存在するパージガスG等の気体を吸引する。処理が終了したら、図10(c)の矢印Kに示すようにピン昇降機構26で仮置きピン25を上昇させて被処理基板Wを支えると共に、エッジ部処理液供給ノズル13、エッジ部吸引ノズル14及び上部ディスク15を上昇させて被処理基板Wの上面から離間させる。ローラー支持部材10及び回転駆動12を矢印Bに示すように、被処理基板Wの半径方向外側に移動し、被処理基板Wの周縁部をローラー部材11のローラー溝11aから開放する。
続いて、図11に示すように、ローラー支持部材10及び回転駆動機構12を矢印Dに示すように下降させ、最上段のローラー部材11のローラー溝11aが被処理基板Wの周縁部に位置するところまで下降させる。この状態で図11(b)に示すように、回転駆動機構12を矢印Bに示すように、被処理基板Wの中心方向に向かって移動させ、被処理基板Wの周縁部を最上段のローラー部材11のローラー溝11aに係合させ、更に矢印Kに示すようにピン昇降機構26で仮置きピン25を下降させる。この状態で回転駆動機構12でローラー支持部材10を回転し、ローラー部材11を矢印A方向に回転して被処理基板Wを回転すると共に、エッジ部処理液供給ノズル13、エッジ部吸引ノズル14及び上部ディスク15を被処理基板Wの上面近傍まで下降させると共に、パージガス導入穴15aにパージガスGを導入する。
また、基板面処理ノズル16を矢印Cに示すように被処理基板Wの半径方向に移動させながら、供給口20から被処理基板Wの下面に処理液を供給すると共に、吸引口21より該処理液を吸引する(図5参照)。更に吸引ノズル18を真空源等の負圧手段に接続して、ローラー溝11aに付着している液や付近に存在するパージガスG等の気体を吸引する。処理が終了したら、図11(c)のようにエッジ部処理液供給ノズル13、エッジ部吸引ノズル14及び上部ディスク15を上昇させて被処理基板Wの上面から離間させると共に、ローラー部材11の回転を停止し、ロボットハンド30を挿入し、該ロボットハンド30で被処理基板Wを支持すると共に、ローラー支持部材10及び回転駆動12を矢印Bに示すように、被処理基板Wの半径方向外側に移動し、被処理基板Wの周縁部をローラー部材11のローラー溝11aから開放する。
図12は上記ロボットハンド30の構成例を示す図である。ロボットハンド30には図12(a)、(b)に示すようなエッジグリップ型、図12(c)に示すように落し込み型がある。エッジグリップ型は図12(a)、(b)に示すように、被処理基板Wのエッジ部をグリップ30a、30bで挟持するように構成されたものである。また、落し込み型は図12(c)に示すようにロボットハンド30の本体に被処理基板Wを落とし込む凹部30cが設けられており、該凹部30cに被処理基板Wを落とし込むように構成されたものである。この構成のロボットハンド30を用いて、図8(a)、(c)及び図9(a)、(c)に示すように、被処理基板Wを基板処理装置内に搬入及び搬出を行う。また、図10(a)及び図10(c)に示すように、被処理基板Wを基板処理装置内に搬入及び搬出を行う。
被処理基板Wの種類が異なる場合、或いは被処理基板Wの処理が異なる場合、上記のように被処理基板Wの種類毎或いは処理が異なる毎に、ローラー支持部材10に取付けているローラー部材11を切り換えて処理を行うことにより、被処理基板Wの逆汚染を防止できる。また、同種の処理を同じ段のローラー部材11で行うことにより、処理液の回収の際、他の処理液が混入する等の問題を解決することができる。
図13は本発明に係る基板処理装置において、処理液回収システムの構成例を示す図である。図示するように、処理液回収システムは、A液気水分離器31、B液気水分離器32、C液気水分離器33、排リンス水タンク34を具備し、A液気水分離器31、B液気水分離器32、C液気水分離器33、排リンス水タンク34はそれぞれ開閉弁V12、V13、V14、V15を介して真空源(負圧手段)35に接続されている。基板面処理ノズル16の吸引口21(図5参照)で吸引される処理液A、B、Cは開閉弁V1、V2、V3を介してA液気水分離器31、B液気水分離器32、C液気水分離器33に集められ、気水分離した後、処理液A、B、Cはそれぞれ再利用される。
エッジ部吸引ノズル14で吸引された処理液A、B、Cは開閉弁V4、V5、V6を介してA液気水分離器31、B液気水分離器32、C液気水分離器33に集められ、気水分離した後、処理液A、B、Cはそれぞれ再利用される。洗浄ノズル17で各ローラー部材11のローラー溝11aに供給された処理液A、B、Cは吸引ノズル18で吸引され、三方弁V7、V8、V9を介してA液気水分離器31、B液気水分離器32、C液気水分離器33に集められ再利用されるか、排リンス水タンク34に集められる。
上記基板処理装置において、図6に示すように各ローラー部材11毎に洗浄ノズル17及び吸引ノズル18を設け、ローラー部材11のローラー溝11aに処理液を供給し、吸引ノズル18でローラー溝11aに付着する処理液を吸引して除去するようにしているが、洗浄ノズル17からローラー溝11aに処理液が供給された場合、処理液がローラー部材11のローラー溝11aからローラー支持部材10の表面を伝わって下方のローラー部材11に伝わり、そのローラー溝11aを汚染する恐れがある。これを防止するため、図14に示すように、ローラー部材11とローラー部材11の間にローラー支持部材10を囲むようにローラー間カバー50、50を設け、該ローラー間カバー50で、上段のローラー部材11のローラー溝11aからローラー支持部材10の表面を伝わって流下する処理液を集め、該集めた処理液をローラー軸吸引ノズル51で吸引して除去することにより、ローラー部材11間での逆汚染(液ダレ、液ハネ)を防ぐことができる。
なお、上記実施形態で示した基板処理装置においては、昇降(可動)自在なローラーを備え仮置きピンがないタイプ(図2参照)と、昇降(可動)自在なローラーと昇降(可動)自在な仮置きピンを備えたタイプ(図7参照)を示したが、本発明に係る基板処理装置のタイプはこれに限定されるものではなく、ローラーと仮置きピンとロボットハンドの組み合わせ例には図15に示す組み合わせが可能である。
図15において、組み合せ1は、ローラー可動(無段階)、仮置きピン可動(無段階)、ロボットハンド基板ハンドリング高さ可変の組み合せである。組み合せ2は、ローラー可動(無段階)、仮置きピン可動(無段階)、ロボットハンド基板ハンドリング高さ一定の組み合せであり、この組み合せで適用可能な処理例は処理実施例1(図8、図9参照)及び処理実施例2(図10、図11参照)である。組み合せ3は、ローラー可動(無段階)、仮置きピン固定、ロボットハンド基板ハンドリング高さ可変の組み合せである。組み合せ4は、ローラー可動(無段階)、仮置きピン固定、ロボットハンド基板ハンドリング高さ一定の組み合せであり、この組み合せで適用可能な処理例は処理実施例1(図8、図9参照)及び処理実施例2(図10、図11参照)である。組み合せ5は、ローラー可動(無段階)、ロボットハンド基板ハンドリング高さ可変の組み合せである。
また、図15において、組み合せ6は、ローラー可動(無段階)、ロボットハンド基板ハンドリング高さ一定の組み合せである。この組み合せで適用可能な処理例は処理実施例1(図8、図9参照)である。組み合せ7は、ローラー固定、仮置きピン可動(無段階)の組み合せである。組み合せ8は、ローラー固定、仮置きピン可動(無段階)、ロボットハンド基板ハンドリング高さ一定の組み合せであり、この組み合せで適用可能な処理例は処理実施例2(図10、図11参照)である。組み合せ9は、ローラー固定、仮置きピン無し、ロボットハンド基板ハンドリング高さ可変の組み合せであり、この組み合せで適用可能は処理例は処理実施例1(図8、図9参照)及び処理実施例2(図10、図11参照)である。組み合せ10は、ローラー固定、仮置きピン無し、ロボットハンド基板ハンドリング高さ可変の組み合せであり、この組み合せで適用可能は処理は処理実施例1である。
上記基板処理装置内の気流の流れが上から下へのダウンフローであると、上記のように同一のローラー支持部材10に上下方向に複数のローラー部材11が取り付けられ、且つその使用順序が上記のようにした場合、同一基板処理装置で複数種の基板を逆汚染無く処理するという本願発明の課題をより効果的に達成できる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。上記実施形態例では、各ローラー部材11に被処理基板Wを保持するローラー溝11aを一個設け、該ローラー部材11を複数個上下方向に設け、該ローラー部材11のローラー溝11aを切り換えて基板処理をする例を示したが、例えば図16に示すように、一つのローラー部材11、即ち1個のローラーにその上下方向に所定の間隔で複数のローラー溝11aを設けた構成のローラーを用い、該ローラー溝11aを切り換えて被処理基板Wを処理するようにしてもよい。なお、図16(a)は平面図、図16(b)は正面図である。