JP2007157592A - リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、リチウムイオン二次電池負極ならびにリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法であって、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得る粉砕工程と、前記黒鉛化品粉砕物に圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施して、粉砕物処理品を得る機械的処理工程と、前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得る混合工程とを具備するリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
【選択図】なし
Description
これに関連した従来法として、例えば次に示す特許文献1、2に記載のものが挙げられる。
そして、このような非水電解質二次電池は、負極活物質としてリチウムをドープした黒鉛化メソフェーズ小球体カーボンを使用しているので、高放電容量など、優れた電池性能が得られ、また安全性にも非常に優れたものであると記載されている。
そして、この方法により製造される黒鉛質粒子を用いた負極を具備したリチウムイオン二次電池は、高い急速充電効率を有し、放電容量、初期充放電効率についても高い値を維持することができ、近年の電池の高エネルギー密度化に対する要望を満たし、搭載する機器の小型化および高性能化に有効であると記載されている。
これは、メソカーボン小球体黒鉛化品が球形であるがために粒子同士の接点が少なく、電子導電性が低いためであると考えられる。
しかし、この場合、微小粒子を添加することになるので嵩高くなり、電極密度が低下する傾向がある。また、これらの微小粒子を含有するリチウムイオン二次電池負極材料を具備するリチウムイオン二次電池は、不可逆容量が増大する傾向がある。
しかし、この場合、不可逆容量が増大する傾向がある。
そして、粉砕により生じるメソカーボン小球体黒鉛化品の破面(エッジ面)が電解液と反応性が高いことが不可逆容量が増大する主原因であると考えた。
そして、本発明者は、粉砕後のメソカーボン小球体黒鉛化品にメカノケミカル処理等の圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施すことで、破面の表面性状を変化させて不可逆容量の増大を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
(1)リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法であって、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得る粉砕工程と、前記黒鉛化品粉砕物に圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施して、粉砕物処理品を得る機械的処理工程と、前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得る混合工程とを具備するリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
(2)前記圧縮力と剪断力とを同時に加える処理が、メカノケミカル処理である上記(1)に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
(3)前記粉砕物処理品は、比表面積が0.5〜3.0m2/gであり、かつ、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザーによるラマン分光測定における、1350〜1370cm−1の領域に存在するピーク強度IDと、1570〜1630cm−1の領域に存在するピーク強度IGとの比であるID/IGが0.1〜0.4である、上記(1)または(2)に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
(4)前記粉砕物処理品の平均粒径が1〜30μmであり、前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の平均粒径が20〜50μmである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法により製造されるリチウムイオン二次電池用負極材料。
(6)上記(5)に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料を用いたリチウムイオン二次電池負極。
(7)上記(6)に記載のリチウムイオン二次電池負極を備えるリチウムイオン二次電池。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法は、リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法であって、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得る粉砕工程と、前記黒鉛化品粉砕物に圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施して、粉砕物処理品を得る機械的処理工程と、前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得る混合工程とを具備するリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法である。
このようなリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
また、本発明は、本発明の負極材料を用いたリチウムイオン二次電池負極である。このようなリチウムイオン二次電池負極を、以下では「本発明の負極」ともいう。
さらに、本発明は、本発明の負極を備えるリチウムイオン二次電池である。このようなリチウムイオン二次電池を、以下では「本発明の電池」ともいう。
本発明の製造方法は、粉砕工程と、機械的処理工程と、混合工程とを具備する。
本発明の製造方法が具備する粉砕工程は、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得る工程である。
例えば、石炭系および/または石油系ピッチを熱処理した際にピッチマトリックス中に生成する光学的異方性を示す小球体を濾過して得られる濾過残渣、または有機溶媒を用いてピッチマトリックス中から分離した小球体である。
また、この熱処理は、還元性雰囲気(酸素濃度3体積%以下程度)下で行なうのが好ましいが、若干の(弱)酸化性雰囲気下で行なうこともできる。なお、この熱処理は、複数回行ってもよい。
さらに、この熱処理後の処理は、特に限定されず、任意の方法でメソカーボン小球体を分離、粉砕してもよい。例えば、分離は加熱加圧濾過、加熱減圧濾過などにより行うことができる。
また、その粒径は特に限定されない。平均粒径として好ましくは20〜50μmである。なお、平均粒径の定義については後述する。
前記第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕する方法は特に限定されない。例えば、公知の粉砕方法(ボールミルを用いる方法、クラッシャーを用いる方法等)を適用することができる。
このような粉砕方法により前記第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得ることができる。
この黒鉛化品粉砕物の粒径は特に限定されない。平均粒径として好ましくは1〜30μmである。なお、平均粒径の定義については後述する。
本発明の製造方法が具備する機械的処理工程は、前記黒鉛化品粉砕物に圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施して、粉砕物処理品を得る工程である。
このような圧縮力と剪断力とを同時に加える処理としては、例えば、メカノケミカル処理、めのう乳鉢を用いた処理、遊星ボールミルを用いた処理などを挙げることができる。
また、固定ドラム(ステーター)と、高速回転する回転ローターの間に前記黒鉛化品粉砕物を通すことで固定ドラムと回転ローターとの速度差に起因する剪断力と圧縮力を前記黒鉛化品粉砕物に同時にかける装置(ハイブリダイゼーションシステム)も好ましい。
この粉砕物処理品は、その表面が改質されているので、リチウムイオン二次電池用負極材料として用いた場合に、電解液と反応する程度が大幅に抑制されているので、それを用いたリチウムイオン二次電池の不可逆容量が増大し難い。
ここで比表面積は0.8〜2.5m2/gであることが好ましく、0.8〜2.0m2/gであることがさらに好ましい。また、ID/IGは0.12〜0.38であることが好ましく、0.15〜0.35であることがさらに好ましい。
前記粉砕物処理品の比表面積およびID/IGがこのような範囲であると電解液との反応が抑制されるという効果を奏するので好ましい。
本発明の製造方法が具備する混合工程は、前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得る工程である。
この第2のメソカーボン小球体黒鉛化品は、用いる前記第1のメソカーボン小球体黒鉛化品と全く同じものであってもよい。つまり、前述の方法で第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を製造し、その一部を第2のメソカーボン小球体黒鉛化品として用いてもよい。
このような第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の粒径は、特に限定されない。平均粒径の好ましい範囲については後述する。
前記粉砕物処理品と前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品との混合比(ドライベースの質量比)の好ましい範囲は10:90〜70:30であり、さらに好ましい範囲は、30:70〜65:35である。
なお、「ドライベースの質量比」とは前記粉砕物処理品、および第2のメソカーボン小球体黒鉛化品を100℃、1時間乾燥させた後の質量の比であることを意味する。
例えば、公自転タイプ混合機(セイシン企業社製、PXミキサー)を用いる方法が挙げられる。
このような方法により、前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得ることができる。
このような範囲であると前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の空隙に粉砕物処理品が入り込み、導電性が向上するという効果を奏するので好ましい。
本発明の製造方法では、メソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して球形ではない形状とし用いるので充電特性が改善し、電極密度の低下も発生しない。また放電容量維持率も高い。さらに、粉砕した後メカノケミカル処理等の処理を施すので、粉砕破面の表面性状を変化させて不可逆容量の増大を抑制することができる。
これに対して、例えば特許文献2に記載の方法は、メソカーボン小球体黒鉛化品にメカノケミカル処理を施すことが記載されているが、メソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕していないので、用いられるメソカーボン小球体黒鉛化品は球状のままであり、本発明の電池と比較すると、不可逆容量が大きく、充放電効率が低い。
次に本発明の負極の製造方法について説明する。
前記負極合剤は、本発明の負極材料を、結着剤、および必要であれば溶媒と混合して調製するものである。
この調製は公知の攪拌機、混合機、混練機、ニーダーなどを用いて行うことができる。
また、例えば、本発明の負極材料を、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、カルボキシメチルセルロース、およびスチレンブタジエンラバーからなる群から選択される少なくとも1つ、および、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、水、またはアルコール等の溶媒と混合してスラリーとした後、ドクターブレードを用いて前記集電体上に塗布することができる。そして、乾燥機を用いて乾燥させ、前記集電体上に前記負極合剤層を形成する。
また、例えば、本発明の負極材料を、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂粉末と乾式混合し、これと前記集電体を金型内でホットプレス成型して前記集電体上に前記負極合剤層を形成することができる。
なお、本発明において電極密度とは次に示す方法で測定した値である。
まず、前記負極合剤層を形成する前の前記集電体の質量を精密天秤で測定し、厚さをマイクロメーターで測定する。次に、この集電体に前記負極合剤層を形成した後、同様に質量および厚さを、精密天秤およびマイクロメーターを用いて測定する。そして、この差から前記負極合剤層のみの質量および厚さを求める。さらに、ここで求めた前記負極合剤層の質量および厚さと、この負極合剤層の表面積から、電極密度を算出する。
本発明の電池は、本発明の負極を備えるリチウムイオン二次電池である。
本発明の電池の構成要素は、上記の本発明の負極を用いる以外は特に限定されない。正極、電解質、セパレータなどの他の電池構成要素については一般的なリチウムイオン二次電池の構成要素に準じる。
一般的なリチウムイオン二次電池は、通常、負極、正極および非水電解質を主たる電池構成要素として、正極および負極はそれぞれリチウムイオンの担持体であり、充電時にはリチウムイオンが負極に吸蔵され、放電時に負極から離脱する電池機構に拠っている。
以下に、これら正極、電解質、セパレータなどの、本発明の負極以外のリチウムイオン電池構成要素について説明する。
正極は、例えば正極材料と結着剤と導電剤よりなる正極合剤を集電体の表面に塗布することにより形成される。正極材料(正極活物質)は、十分量のリチウムを吸蔵(ドープ)/離脱(脱ドープ)し得るものを選択することが好ましい。正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物(V2O5、V6O13、V2O4、V3O8など)およびそのリチウム化合物などのリチウム含有化合物、一般式MXMo6S8−y(式中Mは少なくとも一種の遷移金属元素であり、Xは0≦X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数である)で表されるシェブレル相化合物、活性炭、活性炭素繊維などを用いることができる。
前記リチウム含有遷移金属酸化物はリチウムと遷移金属との複合酸化物であり、リチウムと2種類以上の遷移金属を固溶したものであってもよい。
M、M1およびM2で示される遷移金属は、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Zn、Al、In、Snなどであり、好ましいのはCo、Fe、Mn、Cr、Ti、V、Alなどである。
好ましい具体例はLiCoO2、LiXNiYM1−YO2(MはNiを除く遷移金属元素、好ましくはCo、Fe、Mn、Cr、Ti、V、およびAlからなる群から選択される少なくとも1つ、0.05≦X≦1.10、0.5≦Y≦1.0)で示されるリチウム複合酸化物、LiNiO2、LiMnO2、LiNi0.9Co0.1O2、LiNi0.5Mn0.5O2などである。
このような正極材料によって正極を形成するには、例えば、正極材料と結着剤および電極に導電性を付与するための導電剤よりなる正極合剤を集電体の両面に塗布することで正極合剤層を形成する。結着剤としては、本発明の負極において例示したものがいずれも使用可能である。導電剤としては、例えば、炭素材料、黒鉛やカーボンブラックが用いられる。
正極の場合も負極の場合と同様に、正極合剤を溶剤中に分散させることでペースト状にし、このペースト状負極合剤を集電体に塗布し乾燥することによって正極合剤層を形成してよく、正極合剤層を形成した後、さらにプレス加圧などの圧着を行っても構わない。これにより、正極合剤層が均一かつ強固に集電体に接着される。
本発明の電池は、非水電解質として液系の電解質のほかに、固体電解質またはゲル電解質などの高分子電解質を使用することができる。
本発明の電池に使用される非水電解質は、通常の非水電解液に使用される電解質塩であり、具体的には、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C6H5)、LiCl、LiBr、LiCF3SO3、LiCH3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiN(CF3CH2OSO2)2、LiN(CF3CF3OSO2)2、LiN(HCF2CF2CH2OSO2)2、LiN[(CF3)2CHOSO2]2、LiB[(C6H3)(CF3)2]4、LiAlCl4、LiSiF6などのリチウム塩が挙げられる。特にLiPF6とLiBF4が酸化安定性の点から好ましい。
ゲル電解質を用いたリチウムイオン二次電池は、本発明の負極と、正極およびゲル電解質から構成される。例えば、本発明の負極、ゲル電解質、正極の順で積層し、電池の外装材内に収容することで構成される。なお、これに加えて、さらに本発明の負極と正極の外側にゲル電解質を配するようにしてもよい。本発明の負極を用いるゲル電解質のリチウムイオン二次電池(本発明の電池)では、ゲル電解質にプロピレンカーボネートを含有させることができる。また、本発明の負極で用いる前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品および前記粉砕物処理品として、インピーダンスを十分に低くできる程度にまで微細化(細粒化)したものを用いた場合であっても、不可逆容量を抑制(小さく)することができる。したがって、より大きな放電容量、およびより高い初期充放電効率を得ることができる。
本発明の電池においては、セパレータを使用することもできる。セパレータは特に限定されるものではないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などが挙げられる。合成樹脂製微多孔膜が好ましいが、なかでもポリオレフィン系製微多孔膜が厚さ、膜強度、膜抵抗などの点から好ましい。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜などである。
コールタールピッチを熱処理してなるメソカーボン小球体を3000℃で黒鉛化し、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を得た。
このようにして黒鉛化品粉砕物を得た。
この黒鉛化品粉砕物の平均粒径を、レーザー回折法で測定したところ11μmであった。
このメカノケミカル処理はメカノフュージョンシステム(型式:AMS−GMP、ホソカワミクロン社製)を用いた。処理条件は、回転ドラムと内部部材との両者間の距離が5mm、処理時間が18min、回転数が2000rpmとした。
このようにして粉砕物処理品を得た。
その結果、この粉砕物処理品の比表面積は1.90m2/gであった。
この第2のメソカーボン小球体黒鉛化品は、コールタールピッチを熱処理してなるメソカーボン小球体を3000℃で黒鉛化して得たものである。
この第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の平均粒径を、レーザー回折法で測定したところ29μmであった。
混合比は、前記粉砕物処理品と、平均粒径29μmの第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とが、質量比(ドライベース)で60:40となるようにした。
ここで得られる混合物を負極材料とした。
このような測定の結果、この負極合剤層の電極密度は1.80g/cm3であった。
この評価電池(以下、「評価電池A」という)は、外装カップ1と外装缶3とはその周辺部において絶縁ガスケット6を介してかしめられた密閉構造である。そして、その内部に外装缶3の内面から順に、集電体7a、リチウム金属箔4、セパレータ5、負極合剤層2、および集電体7bが積層されている。
この評価電池Aは、本発明の負極と、リチウム金属箔を有する対極とから構成される電池である。
0.9mAの電流値で定電流充電を行い、回路電圧が0mVに達した時点で定電圧充電に切り替え、さらに電流値が20μAになるまで充電を続けた後120分間休止した。
なお、この試験では、リチウムイオンを負極材料の中へドープする過程を充電、負極材料から脱ドープする過程を放電とした。
その結果、放電容量は357mAh/g、不可逆容量は17mAh/g、充放電効率は95.5%であった。これらの値、およびその他測定値を第1表に示す。
そして、上記と同じ条件の充電と放電とを各々100回繰り返し、サイクル特性(放電容量維持率)を次式から求めた。
実施例1における各測定値等を第1表に示す。
実施例1と同じ条件で得たメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕した。ただし、粉砕はプラネタリーミル(セイシン企業社製、SKF−04)を用い、250rpmで粉砕した。そして、レーザー回折法で求めた平均粒径が5μmである黒鉛化品粉砕物を得た。
そして実施例1と同じメカノケミカル処理をし粉砕物処理品を得た。さらに、実施例1と同じ方法で比表面積およびラマン分光測定におけるID/IGを測定した。
この結果、比表面積は2.15m2/gであり、ID/IGは0.23であった。
その結果、放電容量は358mAh/g、不可逆容量は19mAh/g、充放電効率は95.0%、放電容量維持率は93%であった。
実施例2における各測定値等を第1表に示す。
メカノケミカル処理をしないこと以外は全て実施例1と同じ操作を行い、同じ値を測定した。
その結果、放電容量は358mAh/g、不可逆容量は28mAh/g、充放電効率は92.7%、放電容量維持率は92%であった。
比較例1における各測定値等を第1表に示す。
メカノケミカル処理をしないこと以外は全て実施例2と同じ操作を行い、同じ値を測定した。
その結果、放電容量は357mAh/g、不可逆容量は30mAh/g、充放電効率は92.2%、放電容量維持率は90%であった。
比較例2における各測定値等を第1表に示す。
粉砕物処理品を用いないこと以外は全て実施例1と同じ操作を行い(つまり、負極材料を第2のメソカーボン小球体黒鉛化品のみとした)、同じ値を測定した。
その結果、放電容量は357mAh/g、不可逆容量は15mAh/g、充放電効率は95.9%、放電容量維持率は82%であった。
比較例3における各測定値等を第1表に示す。
第2のメソカーボン小球体黒鉛化品を用いないこと以外は全て実施例1と同じ操作を行い(つまり、負極材料を粉砕物処理品のみとした)、同じ値を測定した。
その結果、放電容量は357mAh/g、不可逆容量は24mAh/g、充放電効率は93.7%、放電容量維持率は89%であった。
比較例4における各測定値等を第1表に示す。
実施例1において、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕せず、篩い分けのみを行い、平均粒径が11μmである第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を製造した。そしてこれをメカノケミカル処理し、以降は実施例1と同じ処理、操作、測定を行った。
その結果、放電容量は350mAh/g、不可逆容量は18mAh/g、充放電効率は95.1%、放電容量維持率は79%であった。
比較例5における各測定値等を第1表に示す。
2 負極合剤層
3 外装缶
4 リチウム金属箔
5 セパレータ
6 絶縁ガスケット
7a、7b 集電体
Claims (7)
- リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法であって、
第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得る粉砕工程と、
前記黒鉛化品粉砕物に圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施して、粉砕物処理品を得る機械的処理工程と、
前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得る混合工程と
を具備するリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。 - 前記圧縮力と剪断力とを同時に加える処理が、メカノケミカル処理である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
- 前記粉砕物処理品は、比表面積が0.5〜3.0m2/gであり、かつ、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザーによるラマン分光測定における、1350〜1370cm−1の領域に存在するピーク強度IDと、1570〜1630cm−1の領域に存在するピーク強度IGとの比であるID/IGが0.1〜0.4である、請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
- 前記粉砕物処理品の平均粒径が1〜30μmであり、前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の平均粒径が20〜50μmである、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法により製造されるリチウムイオン二次電池用負極材料。
- 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料を用いたリチウムイオン二次電池負極。
- 請求項6に記載のリチウムイオン二次電池負極を備えるリチウムイオン二次電池。
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