JP2007157592A - リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、リチウムイオン二次電池負極ならびにリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、リチウムイオン二次電池負極ならびにリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】従来と比較して、放電容量および充電容量が高く、不可逆容量が低く、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池用負極材料、およびその製造方法の提供。また、そのリチウムイオン二次電池用負極材料を具備するリチウムイオン二次電池負極およびリチウムイオン二次電池の提供。
【解決手段】リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法であって、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得る粉砕工程と、前記黒鉛化品粉砕物に圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施して、粉砕物処理品を得る機械的処理工程と、前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得る混合工程とを具備するリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極材料、その製造方法、リチウムイオン二次電池負極およびリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、作動電圧が高いこと、電池容量が大きいこと、およびサイクル寿命が長い等の優れた特徴を有し、かつ環境汚染が少ないことから、従来主流であったニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池に代わって広範囲で用いられている。
リチウムイオン二次電池が実用可能となったのは、負極材として安全性に問題があったリチウム金属に代わり、リチウムイオンを層間挿入した炭素材料が安定した活物質となり得ることが発見され、リチウムイオン二次電池の実用化と性能向上に果たす炭素材料の役割が認識されたことに起因する。
このようなリチウムイオン二次電池は、近年の携帯電話やノートパソコン等の携帯電子機器の高性能、高機能化による消費電力増加に伴い、高性能化が求められている。
これに関連した従来法として、例えば次に示す特許文献1、2に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な負極と、リチウムを含む非水電解質とを具備してなる非水電解質二次電池において、上記負極の活物質としてピッチの炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体よりなる黒鉛化炭素にリチウムをドープした炭素質材料を使用したことを特徴とする非水電解質二次電池が記載されている。
そして、このような非水電解質二次電池は、負極活物質としてリチウムをドープした黒鉛化メソフェーズ小球体カーボンを使用しているので、高放電容量など、優れた電池性能が得られ、また安全性にも非常に優れたものであると記載されている。
また、特許文献2には、黒鉛化粒子をメカノケミカル処理して、該黒鉛質粒子を親水化するリチウムイオン二次電池用負極材料としての黒鉛質粒子の製造方法が記載されている。
そして、この方法により製造される黒鉛質粒子を用いた負極を具備したリチウムイオン二次電池は、高い急速充電効率を有し、放電容量、初期充放電効率についても高い値を維持することができ、近年の電池の高エネルギー密度化に対する要望を満たし、搭載する機器の小型化および高性能化に有効であると記載されている。
さらに、この特許文献2には、黒鉛化粒子として、たとえば石炭系のタール、ピッチを加熱して得られるメソフェーズ焼成炭素(バルクメソフェーズ)、メソフェーズ小球体、コークス類(生コークス、グリーンコークス、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークスなど)を2500℃以上で熱処理(黒鉛質化)したものが挙げられている。また、このような黒鉛化粒子にメカノケミカル処理を施して表面を親水化したもの(親水化黒鉛質粒子)に、メカノケミカル処理を施していない黒鉛質粒子(非メカノケミカル処理黒鉛質粒子)を添加して使用することができることが記載されている。そして、この非メカノケミカル処理黒鉛質粒子としては、前記親水化黒鉛質粒子として例示したものを用いることができることが記載されている。
特開平4−115458号公報 特開2003−132889号公報
しかし、特許文献1に記載されているリチウムイオン二次電池や、特許文献2に記載されているメソカーボン小球体黒鉛化品を用いたリチウムイオン二次電池は、充電特性(放電容量および充電容量)が劣るという傾向がある。
これは、メソカーボン小球体黒鉛化品が球形であるがために粒子同士の接点が少なく、電子導電性が低いためであると考えられる。
そこで、電子導電性を向上させるために、メソカーボン小球体黒鉛化品に、例えばカーボンブラックや繊維状気相炭素などの導電補助材を添加する方法が考えられる。
しかし、この場合、微小粒子を添加することになるので嵩高くなり、電極密度が低下する傾向がある。また、これらの微小粒子を含有するリチウムイオン二次電池負極材料を具備するリチウムイオン二次電池は、不可逆容量が増大する傾向がある。
そこで、メソカーボン小球体黒鉛化品の少なくとも一部を粉砕し、球形ではない形状として用いることが考えられる。この場合、電子伝導性が向上し、充電特性が改善する。また、これらを使用することによる電極密度の低下も発生しない。さらにサイクル特性(放電容量維持率)も向上する傾向がある。
しかし、この場合、不可逆容量が増大する傾向がある。
本発明の目的は、従来と比較して、放電容量および充電容量が高く、不可逆容量が低く、電極密度が高く、さらに放電容量維持率も高いリチウムイオン二次電池用負極材料、およびその製造方法を提供することにある。また、そのリチウムイオン二次電池用負極材料を具備するリチウムイオン二次電池負極およびリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明者は、上記のような、メソカーボン小球体黒鉛化品の少なくとも一部を粉砕し、球形ではない形状として用いた場合、充電特性および放電容量維持率が改善し電極密度も低下しないものの、不可逆容量が増大する原因を検討した。
そして、粉砕により生じるメソカーボン小球体黒鉛化品の破面(エッジ面)が電解液と反応性が高いことが不可逆容量が増大する主原因であると考えた。
そして、本発明者は、粉砕後のメソカーボン小球体黒鉛化品にメカノケミカル処理等の圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施すことで、破面の表面性状を変化させて不可逆容量の増大を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は次の(1)〜(7)を提供するものである。
(1)リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法であって、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得る粉砕工程と、前記黒鉛化品粉砕物に圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施して、粉砕物処理品を得る機械的処理工程と、前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得る混合工程とを具備するリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
(2)前記圧縮力と剪断力とを同時に加える処理が、メカノケミカル処理である上記(1)に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
(3)前記粉砕物処理品は、比表面積が0.5〜3.0m/gであり、かつ、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザーによるラマン分光測定における、1350〜1370cm−1の領域に存在するピーク強度Iと、1570〜1630cm−1の領域に存在するピーク強度Iとの比であるI/Iが0.1〜0.4である、上記(1)または(2)に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
(4)前記粉砕物処理品の平均粒径が1〜30μmであり、前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の平均粒径が20〜50μmである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法により製造されるリチウムイオン二次電池用負極材料。
(6)上記(5)に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料を用いたリチウムイオン二次電池負極。
(7)上記(6)に記載のリチウムイオン二次電池負極を備えるリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、従来と比較して、放電容量および充電容量が高く、不可逆容量が低く、電極密度が高く、さらに放電容量維持率も高いリチウムイオン二次電池用負極材料、およびその製造方法を提供することができる。また、そのリチウムイオン二次電池用負極材料を具備するリチウムイオン二次電池負極およびリチウムイオン二次電池を提供することができる。
以下に本発明について説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法は、リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法であって、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得る粉砕工程と、前記黒鉛化品粉砕物に圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施して、粉砕物処理品を得る機械的処理工程と、前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得る混合工程とを具備するリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法である。
このようなリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
また、本発明は、本発明の製造方法により製造され得るリチウムイオン二次電池負極材料である。このようなリチウムイオン二次電池負極材料を、以下では「本発明の負極材料」ともいう。
また、本発明は、本発明の負極材料を用いたリチウムイオン二次電池負極である。このようなリチウムイオン二次電池負極を、以下では「本発明の負極」ともいう。
さらに、本発明は、本発明の負極を備えるリチウムイオン二次電池である。このようなリチウムイオン二次電池を、以下では「本発明の電池」ともいう。
まず、本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、粉砕工程と、機械的処理工程と、混合工程とを具備する。
<粉砕工程>
本発明の製造方法が具備する粉砕工程は、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得る工程である。
この粉砕工程のおいて第1のメソカーボン小球体黒鉛化品とは、メソカーボン小球体を1500℃以上、好ましくは2800〜3300℃で黒鉛化処理して得ることができるものである。
ここでメソカーボン小球体とは、タールやピッチ中の芳香族成分が縮合やスタッキングした球状物である。
例えば、石炭系および/または石油系ピッチを熱処理した際にピッチマトリックス中に生成する光学的異方性を示す小球体を濾過して得られる濾過残渣、または有機溶媒を用いてピッチマトリックス中から分離した小球体である。
ここで、石炭系および/または石油系ピッチとは、例えば、コールタール、タール軽油、タール中油、タール重油、ナフタリン油、アントラセン油、コールタールピッチ、ピッチ油、メソフェーズピッチ、酸素架橋石油ピッチ、ヘビーオイルなどである。
この石炭系および/または石油系ピッチの熱処理は、減圧下、常圧下または加圧下のいずれであってもよい。この熱処理の温度範囲は通常300〜1200℃、好ましくは350〜600℃であり、熱処理時間は特に限定されないが、0.5〜100h程度である。
また、この熱処理は、還元性雰囲気(酸素濃度3体積%以下程度)下で行なうのが好ましいが、若干の(弱)酸化性雰囲気下で行なうこともできる。なお、この熱処理は、複数回行ってもよい。
さらに、この熱処理後の処理は、特に限定されず、任意の方法でメソカーボン小球体を分離、粉砕してもよい。例えば、分離は加熱加圧濾過、加熱減圧濾過などにより行うことができる。
このようなメソカーボン小球体を上記のような温度で黒鉛化処理して得られる第1のメソカーボン小球体黒鉛化品は、その形状がほぼ球状(球形状、断面が楕円形状のものや、角の取れた不定形であって全体として球形状に近い形状であるもの等)である。
また、その粒径は特に限定されない。平均粒径として好ましくは20〜50μmである。なお、平均粒径の定義については後述する。
本発明の製造方法が具備する粉砕工程では、前記第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得る。
前記第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕する方法は特に限定されない。例えば、公知の粉砕方法(ボールミルを用いる方法、クラッシャーを用いる方法等)を適用することができる。
このような粉砕方法により前記第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得ることができる。
この黒鉛化品粉砕物の粒径は特に限定されない。平均粒径として好ましくは1〜30μmである。なお、平均粒径の定義については後述する。
<機械的処理工程>
本発明の製造方法が具備する機械的処理工程は、前記黒鉛化品粉砕物に圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施して、粉砕物処理品を得る工程である。
この圧縮力と剪断力とを同時に加える処理は、前記黒鉛化品粉砕物に圧縮力と剪断力とを同時に加えることが可能な方法であれば特に限定されない。好ましくはこれら圧縮力と剪断力とを前記黒鉛化品粉砕物の表面に同時に加えることが可能な方法である。さらに好ましくは、さらに前記黒鉛化品粉砕物の粒子骨格を破壊しない方法である。最も好ましくは、さらに前記黒鉛化品粉砕物の平均粒径の低下率を20%以下に抑制できる方法である。
このような圧縮力と剪断力とを同時に加える処理としては、例えば、メカノケミカル処理、めのう乳鉢を用いた処理、遊星ボールミルを用いた処理などを挙げることができる。
このような中でも、圧縮力と剪断力とを同時に加える処理は、メカノケミカル処理であることが好ましい。
このメカノケミカル処理は、例えば、加圧ニーダー、二本ロールなどの混練機、回転ボールミル、ハイブリダイゼーションシステム((株)奈良機械製作所製)などの高速衝撃式乾式複合化装置、メカノマイクロシステム((株)奈良機械製作所製)、メカノフュージョシステム(ホソカワミクロン株式会社製)などの圧縮剪断式乾式粉体複合化装置などを使用して行うことができる。
中でも、回転速度差を利用して剪断力と圧縮力を同時にかける装置が好ましい。具体的には、回転するドラム(回転ローター)と、このドラムと回転速度の異なる内部部材(インナーピース)と、前記黒鉛化品粉砕物の循環機構(例:循環用ブレード)とを有する装置(メカノフュージョシステム)を用い、回転ドラムと内部部材との間に供給された前記黒鉛化品粉砕物に遠心力を付与しながら、内部部材により回転ドラムとの速度差に起因する剪断力と圧縮力とを同時に繰返しかけることによりメカノケミカル処理することが好ましい。
また、固定ドラム(ステーター)と、高速回転する回転ローターの間に前記黒鉛化品粉砕物を通すことで固定ドラムと回転ローターとの速度差に起因する剪断力と圧縮力を前記黒鉛化品粉砕物に同時にかける装置(ハイブリダイゼーションシステム)も好ましい。
メカノケミカル処理の条件は、使用する装置によっても異なり一概に言えないが、例えば、メカノフュージョシステムの場合には、回転ドラムと内部部材との周速度差が5〜50m/s、両者間の距離が1〜100mm、処理時間が3〜90minであることが好ましい。また、ハイブリダイゼーションシステムの場合には、固定ドラムと回転ローターとの周速度差が10〜100m/s、処理時間が30s〜10minであることが好ましい。
このような圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を前記黒鉛化品粉砕物に施して、粉砕物処理品を得ることができる。
この粉砕物処理品は、その表面が改質されているので、リチウムイオン二次電池用負極材料として用いた場合に、電解液と反応する程度が大幅に抑制されているので、それを用いたリチウムイオン二次電池の不可逆容量が増大し難い。
この粉砕物処理品の粒径は特に限定されない。平均粒径として好ましい範囲等は後述する。
また、この粉砕物処理品は、比表面積が0.5〜3.0m/gであり、かつ、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザーによるラマン分光測定における、1350〜1370cm−1の領域に存在するピーク強度Iと、1570〜1630cm−1の領域に存在するピーク強度Iとの比であるI/Iが0.1〜0.4であることが好ましい。
ここで比表面積は0.8〜2.5m/gであることが好ましく、0.8〜2.0m/gであることがさらに好ましい。また、I/Iは0.12〜0.38であることが好ましく、0.15〜0.35であることがさらに好ましい。
前記粉砕物処理品の比表面積およびI/Iがこのような範囲であると電解液との反応が抑制されるという効果を奏するので好ましい。
ここで、本発明でいう比表面積の測定方法について説明する。本発明において比表面積とは、材料の窒素吸着等温線から得られるBET比表面積である。この比表面積の測定方法を、以下、BET法ともいう。これは日本ベル社製、BELSORP−miniIIなどを用いて測定できる。
また、本発明でいうI/Iは波長514.5nmのアルゴンイオンレーザーによるラマン分光測定における、1350〜1370cm−1の領域に存在するピーク強度Iと、1570〜1630cm−1の領域に存在するピーク強度Iとの比である。
<混合工程>
本発明の製造方法が具備する混合工程は、前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得る工程である。
ここで第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とは、前記第1のメソカーボン小球体黒鉛化品と同様な原料を用い、同様な方法で製造して得ることができるものである。形状や粒径なども同様である。
この第2のメソカーボン小球体黒鉛化品は、用いる前記第1のメソカーボン小球体黒鉛化品と全く同じものであってもよい。つまり、前述の方法で第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を製造し、その一部を第2のメソカーボン小球体黒鉛化品として用いてもよい。
このような第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の粒径は、特に限定されない。平均粒径の好ましい範囲については後述する。
本発明の製造方法が具備する混合工程において、前記粉砕物処理品と、前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品との混合比は特に限定されず、工業的に可能な範囲であればよい。
前記粉砕物処理品と前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品との混合比(ドライベースの質量比)の好ましい範囲は10:90〜70:30であり、さらに好ましい範囲は、30:70〜65:35である。
なお、「ドライベースの質量比」とは前記粉砕物処理品、および第2のメソカーボン小球体黒鉛化品を100℃、1時間乾燥させた後の質量の比であることを意味する。
このような混合工程において、前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合する方法は特に限定されず、前記粉砕物処理品と第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを均一に混合できる方法であればよい。
例えば、公自転タイプ混合機(セイシン企業社製、PXミキサー)を用いる方法が挙げられる。
このような方法により、前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得ることができる。
このような本発明の製造方法において、前記粉砕物処理品、および前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の平均粒径は特に限定されないが、前記粉砕物処理品の平均粒径が1〜30μmであり、前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の平均粒径が20〜50μmであることが好ましい。
このような範囲であると前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の空隙に粉砕物処理品が入り込み、導電性が向上するという効果を奏するので好ましい。
ここで前記粉砕物処理品の平均粒径は1〜30μmであることが好ましく、5〜20μmであることがさらに好ましい。また、ここで前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の平均粒径は20〜50μmであることが好ましく、20〜40μmであることがさらに好ましい。
また、前記粉砕物処理品の平均粒径(R)と、前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の平均粒径(R)との比(R/R)は0.1〜0.5であることが好ましく、0.15〜0.4であることがさらに好ましい。理由は、前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の空隙に粉砕物処理品が入り込み、導電性が向上するためである。
ここで、本発明において平均粒径とはレーザー回折法で測定し算出した値である。
このような本発明の製造方法により、本発明の負極材料を製造することができる。
本発明の製造方法では、メソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して球形ではない形状とし用いるので充電特性が改善し、電極密度の低下も発生しない。また放電容量維持率も高い。さらに、粉砕した後メカノケミカル処理等の処理を施すので、粉砕破面の表面性状を変化させて不可逆容量の増大を抑制することができる。
これに対して、例えば特許文献2に記載の方法は、メソカーボン小球体黒鉛化品にメカノケミカル処理を施すことが記載されているが、メソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕していないので、用いられるメソカーボン小球体黒鉛化品は球状のままであり、本発明の電池と比較すると、不可逆容量が大きく、充放電効率が低い。
また、この本発明の負極材料を用いて、本発明の負極を製造することができる。
次に本発明の負極の製造方法について説明する。
本発明の負極は、例えば従来公知のリチウムイオン二次電池負極の製造方法に製造することができる。例えば、本発明の負極材料と結着剤と、必要であれば溶媒とを含む負極合剤を調製し、これを集電体の片面または両面に塗布乾燥し、この集電体の表面に前記負極合剤からなる層(以下、「負極合剤層」ともいう)を形成する方法が好ましい。
この本発明の負極の製造方法についてより具体的に説明する。
前記負極合剤は、本発明の負極材料を、結着剤、および必要であれば溶媒と混合して調製するものである。
ここで結着剤としては、電解質に対して化学的安定性、電気化学的安定性を有するものが好ましく、有機溶媒に溶解および/または分散させる有機系結着剤はもちろんのこと、水系溶媒に溶解および/または分散する水系結着剤が広く用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂、さらにはカルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴムなどのゴムなどが用いられるが、ポリフッ化ビニリデン等の有機結着剤を用いることが特に好ましい。これらを併用することもできる。結着剤は、通常、前記負極合剤の全質量中0.5〜20質量%の割合で使用されるのが好ましい。
また、ここで溶媒としては、従来のリチウムイオン二次電池負極合剤の調製に使用される通常の溶媒が使用されるが、溶媒自体が結着剤として使用できるものが好ましく使用される。具体的には、N―メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、水、アルコールなどが挙げられるが、水系溶媒の使用が環境汚染、安全性の点から好ましい。
また、前記負極合剤に、その他の材料として、従来のリチウムイオン二次電池用負極材料の作製に通常使用される導電材、改質材、添加剤などを共存させてもよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、気相成長炭素繊維、低結晶性炭素粒子またはこれらの黒鉛化物などを添加してもよい。これらのその他の材料は、一概に言えないが、総量として前記負極合剤の全質量中0.1〜50質量%の割合で使用されるのが好ましい。
このような負極合剤は、本発明の負極材料、および前記結着剤を、必要であれば前記溶媒、前記その他の材料と共に混合して調製する。
この調製は公知の攪拌機、混合機、混練機、ニーダーなどを用いて行うことができる。
このような方法で調製した負極合剤を集電体に付け、前記負極合剤層を有する集電体を形成する。
ここで用いる集電体の形状は特に限定されない。箔状、またはメッシュ、エキスパンドメタルなどの網状のものなどが用いることができる。また、この集電体の材質としては、銅、ステンレス、ニッケルなどが挙げられる。この集電体の厚さは特に限定されず、例えば箔状の場合は、5〜20μmであることが好ましい。
このような集電体に前記負極合剤を付ける。この方法は限定されず、例えば従来公知の負極の作製方法に基づいて付けることができる。前記負極合剤を前記集電体の片面または両面に塗布し、その後、乾燥して、前記負極合剤層を形成する方法が好ましい。前記溶媒を用いた前記負極合剤を用いると、この負極合剤層をより均一かつ強固に前記集電剤に付けることができるので好ましい。また、この負極合剤層の層厚は10〜200μmであることが好ましく、20〜200μmであることがさらに好ましい。
具体的には、例えば、本発明の負極材料を、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂粉末と共に、イソプロピルアルコール等の溶媒中で混合、混練した後、ドクターブレードを用いて前記集電体上に塗布することができる。そして、乾燥機を用いて乾燥させ、前記集電体上に前記負極合剤層を形成する。
また、例えば、本発明の負極材料を、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、カルボキシメチルセルロース、およびスチレンブタジエンラバーからなる群から選択される少なくとも1つ、および、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、水、またはアルコール等の溶媒と混合してスラリーとした後、ドクターブレードを用いて前記集電体上に塗布することができる。そして、乾燥機を用いて乾燥させ、前記集電体上に前記負極合剤層を形成する。
また、例えば、本発明の負極材料を、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂粉末と乾式混合し、これと前記集電体を金型内でホットプレス成型して前記集電体上に前記負極合剤層を形成することができる。
また、上記のように負極合剤層を形成した後、ローラープレス等のプレス加工をすることが好ましい。プレス加工等の圧着を行うと、前記負極合剤層と前記集電体との接着強度を高めることができるので好ましい。
このような方法で前記負極合剤層を有する集電体である本発明の負極を製造することができる。
本発明の負極の電極密度は1.7〜1.9g/cm程度である。これに対して、前述したように、メソカーボン小球体黒鉛化品に導電補助材(例えばカーボンブラックや繊維状気相炭素など)を添加した場合の電極密度は1.65〜1.8g/cm程度と低くなる。
なお、本発明において電極密度とは次に示す方法で測定した値である。
まず、前記負極合剤層を形成する前の前記集電体の質量を精密天秤で測定し、厚さをマイクロメーターで測定する。次に、この集電体に前記負極合剤層を形成した後、同様に質量および厚さを、精密天秤およびマイクロメーターを用いて測定する。そして、この差から前記負極合剤層のみの質量および厚さを求める。さらに、ここで求めた前記負極合剤層の質量および厚さと、この負極合剤層の表面積から、電極密度を算出する。
次に本発明の電池について説明する。
本発明の電池は、本発明の負極を備えるリチウムイオン二次電池である。
本発明の電池の構成要素は、上記の本発明の負極を用いる以外は特に限定されない。正極、電解質、セパレータなどの他の電池構成要素については一般的なリチウムイオン二次電池の構成要素に準じる。
一般的なリチウムイオン二次電池は、通常、負極、正極および非水電解質を主たる電池構成要素として、正極および負極はそれぞれリチウムイオンの担持体であり、充電時にはリチウムイオンが負極に吸蔵され、放電時に負極から離脱する電池機構に拠っている。
以下に、これら正極、電解質、セパレータなどの、本発明の負極以外のリチウムイオン電池構成要素について説明する。
<正極>
正極は、例えば正極材料と結着剤と導電剤よりなる正極合剤を集電体の表面に塗布することにより形成される。正極材料(正極活物質)は、十分量のリチウムを吸蔵(ドープ)/離脱(脱ドープ)し得るものを選択することが好ましい。正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物(V、V13、V、Vなど)およびそのリチウム化合物などのリチウム含有化合物、一般式MMo8−y(式中Mは少なくとも一種の遷移金属元素であり、Xは0≦X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数である)で表されるシェブレル相化合物、活性炭、活性炭素繊維などを用いることができる。
前記リチウム含有遷移金属酸化物はリチウムと遷移金属との複合酸化物であり、リチウムと2種類以上の遷移金属を固溶したものであってもよい。
前記リチウム含有遷移金属酸化物は、具体的には、LiM 1−p (式中MおよびMは少なくとも一種の遷移金属元素であり、pは0≦p≦1の範囲の数である)、またはLiM 1−q (式中MおよびMは少なくとも一種の遷移金属元素であり、qは0≦q≦1の範囲の数である)で示される。
M、MおよびMで示される遷移金属は、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Zn、Al、In、Snなどであり、好ましいのはCo、Fe、Mn、Cr、Ti、V、Alなどである。
好ましい具体例はLiCoO、LiNi1−Y(MはNiを除く遷移金属元素、好ましくはCo、Fe、Mn、Cr、Ti、V、およびAlからなる群から選択される少なくとも1つ、0.05≦X≦1.10、0.5≦Y≦1.0)で示されるリチウム複合酸化物、LiNiO、LiMnO、LiNi0.9Co0.1、LiNi0.5Mn0.5などである。
前記リチウム含有遷移金属酸化物は、例えば、リチウムと、遷移金属の酸化物または塩類を出発原料として、これら出発原料を所望の金属酸化物の組成に応じて混合し、酸素雰囲気下、600〜1000℃の温度で焼成することにより得ることができる。出発原料は酸化物または塩類に限定されず、水酸化物などでもよい。
本発明の電池では、正極活物質は、前記化合物を単独で使用しても、2種類以上併用してもよい。例えば、正極材料に炭酸リチウムなどの炭酸アルカリ塩を添加することもできる。
このような正極材料によって正極を形成するには、例えば、正極材料と結着剤および電極に導電性を付与するための導電剤よりなる正極合剤を集電体の両面に塗布することで正極合剤層を形成する。結着剤としては、本発明の負極において例示したものがいずれも使用可能である。導電剤としては、例えば、炭素材料、黒鉛やカーボンブラックが用いられる。
正極に用いる集電体の形状は特に限定されないが、箔状、またはメッシュ、エキスパンドメタルなどの網状のものなどが用いられる。集電体の材質としては、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケルなどが挙げられる。集電体の厚さは、箔状の場合は、10〜40μmであることが好ましい。
正極の場合も負極の場合と同様に、正極合剤を溶剤中に分散させることでペースト状にし、このペースト状負極合剤を集電体に塗布し乾燥することによって正極合剤層を形成してよく、正極合剤層を形成した後、さらにプレス加圧などの圧着を行っても構わない。これにより、正極合剤層が均一かつ強固に集電体に接着される。
<非水電解質>
本発明の電池は、非水電解質として液系の電解質のほかに、固体電解質またはゲル電解質などの高分子電解質を使用することができる。
本発明の電池に使用される非水電解質は、通常の非水電解液に使用される電解質塩であり、具体的には、LiPF、LiBF、LiAsF、LiClO、LiB(C)、LiCl、LiBr、LiCFSO、LiCHSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiN(CFCHOSO、LiN(CFCFOSO、LiN(HCFCFCHOSO、LiN[(CFCHOSO、LiB[(C)(CF、LiAlCl、LiSiFなどのリチウム塩が挙げられる。特にLiPFとLiBFが酸化安定性の点から好ましい。
非水電解質液とするための溶媒としては、通常の非水電解液の溶媒として使用されるもが挙げられる。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート、1,1−または1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γーブトロラクトン、1,3−ジオキソフラン、4−メチルー1,3−ジオキソラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル、スルホラン、メチルスルホランなどのチオエーテル、アセトニトリル、クロロニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、3ーメチルー2−オキサゾリドン、エチレングリコール、サルファイト、ジメチルサルファイトなどの非プロトン性有機溶媒を用いることができる。電解液中の電解質塩の濃度は0.1〜5mol/dm3(0.1〜5mol/l)であることが好ましく、0.5〜3.0mol/dm3(0.5〜3.0mol/l)であることがより好ましい。
高分子電解質の製造方法は特に制限されないが、例えば、マトリックスを構成する高分子化合物、リチウム塩および非水溶媒(可塑剤)を混合し、加熱して高分子化合物を溶融・溶解する方法、混合用有機溶媒に、高分子化合物、リチウム化合物および非水溶媒を溶解させた後、混合用有機溶媒を蒸発させる方法、重合性モノマー、リチウム塩および非水溶媒を混合し、混合物に紫外線、電子線または分子線などを照射して重合させる方法などを挙げることができる。高分子電解質中の非水溶媒の割合は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。10質量%以上であると導電率が高くなり、90質量%以下であると機械的強度が強くなり、フィルム化しやすくなる。
前記高分子電解質としては、ポリエチレンオキサイドやその架橋体などのエーテル系重合体、ポリメタクリレート系重合体、ポリアクリレート系重合体、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂などを単独または混合して用いることができる。これらの中では、酸化還元安定性などの観点から、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂などを用いることが好ましい。高分子ゲル電解質の場合、可塑剤である電解液中の電解質塩濃度は0.1〜5mol/dm3(0.1〜5mol/l)であることが好ましく、0.5〜2.0mol/dm3(0.5〜2.0mol/l)であることがより好ましい。
本発明の電池は、ゲル電解質を用いることができる。
ゲル電解質を用いたリチウムイオン二次電池は、本発明の負極と、正極およびゲル電解質から構成される。例えば、本発明の負極、ゲル電解質、正極の順で積層し、電池の外装材内に収容することで構成される。なお、これに加えて、さらに本発明の負極と正極の外側にゲル電解質を配するようにしてもよい。本発明の負極を用いるゲル電解質のリチウムイオン二次電池(本発明の電池)では、ゲル電解質にプロピレンカーボネートを含有させることができる。また、本発明の負極で用いる前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品および前記粉砕物処理品として、インピーダンスを十分に低くできる程度にまで微細化(細粒化)したものを用いた場合であっても、不可逆容量を抑制(小さく)することができる。したがって、より大きな放電容量、およびより高い初期充放電効率を得ることができる。
<セパレータ>
本発明の電池においては、セパレータを使用することもできる。セパレータは特に限定されるものではないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などが挙げられる。合成樹脂製微多孔膜が好ましいが、なかでもポリオレフィン系製微多孔膜が厚さ、膜強度、膜抵抗などの点から好ましい。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜などである。
本発明の電池の構造は任意であり、その形状、形態について特に限定されるものではなく、用途、搭載機器、要求される充放電容量などに応じて、円筒型、角型、コイン型、ボタン型などの中から任意に選択することができる。より安全性の高い密閉型非水電解液電池を得るためには、過充電などの異常時に電池内圧上昇を感知して電流を遮断させる手段を備えたものであることが好ましい。高分子固体電解質や高分子ゲル電解質電池の場合には、アルミラミネートフィルムに封入した構造とすることもできる。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例および比較例では、図1に示すような構成の評価用ボタン型二次電池を作製して評価したが、この電池は、本発明の概念に基づき、公知の方法に準じて作製することができる。
<実施例1>
コールタールピッチを熱処理してなるメソカーボン小球体を3000℃で黒鉛化し、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を得た。
次にこの第1のメソカーボン小球体をジェットミル(3000rpmで粉砕)を用いて粉砕した。
このようにして黒鉛化品粉砕物を得た。
この黒鉛化品粉砕物の平均粒径を、レーザー回折法で測定したところ11μmであった。
次にこの黒鉛化品粉砕物をメカノケミカル処理した。
このメカノケミカル処理はメカノフュージョンシステム(型式:AMS−GMP、ホソカワミクロン社製)を用いた。処理条件は、回転ドラムと内部部材との両者間の距離が5mm、処理時間が18min、回転数が2000rpmとした。
このようにして粉砕物処理品を得た。
次にこの粉砕物処理品の比表面積を、前述したBET法で測定した。
その結果、この粉砕物処理品の比表面積は1.90m/gであった。
次にこの粉砕物処理品のラマン分光測定におけるI/Iは0.35であった。
次に第2のメソカーボン小球体黒鉛化品を用意した。
この第2のメソカーボン小球体黒鉛化品は、コールタールピッチを熱処理してなるメソカーボン小球体を3000℃で黒鉛化して得たものである。
この第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の平均粒径を、レーザー回折法で測定したところ29μmであった。
次に前記粉砕物処理品と、この第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合した。
混合比は、前記粉砕物処理品と、平均粒径29μmの第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とが、質量比(ドライベース)で60:40となるようにした。
ここで得られる混合物を負極材料とした。
次にこの負極材料と、結着剤であるポリフッ化ビニリデンと、溶媒であるN−メチルピロリドンとを、ホモミキサーを用いて攪拌(500rpm、5分間)して混合した。ここで負極材料と結着剤とは質量比で94:6とした。この混合を行うことで負極材料と結着剤と溶媒とからなる負極合剤を調製した。
次に、この負極合剤を銅箔(集電体7b)上に均一な厚さで塗布し、さらに真空中において90℃で溶媒を揮発させて乾燥して負極合剤層を形成した。
次に、この銅箔上の負極合剤層をローラープレスによって加圧した。そして、さらに直径15.5mmの円形状に打ち抜くことで、集電体7b上に密着した負極合剤層2を有する負極を作製した。そして、この負極合剤層の電極密度を前述の方法で測定した。
このような測定の結果、この負極合剤層の電極密度は1.80g/cmであった。
次に、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとをモル比で33:67で混合してなる溶媒に、LiPFを1mol/lとなるように溶解させ非水電解液を調製した。そして、得られた非水電解液をポリプロピレン多孔質体に含浸させ、電解質液が含浸されたセパレータ(セパレータ5)を作製した。
次に、上記の負極、対極、非水電解液、およびセパレータを用いて、評価電池として、図1に示すボタン型二次電池を作製した。
この評価電池(以下、「評価電池A」という)は、外装カップ1と外装缶3とはその周辺部において絶縁ガスケット6を介してかしめられた密閉構造である。そして、その内部に外装缶3の内面から順に、集電体7a、リチウム金属箔4、セパレータ5、負極合剤層2、および集電体7bが積層されている。
このような評価電池Aは、電解質液を含浸させたセパレータ5を、負極と対極との間に挟んで積層した後、負極を外装カップ1内に、また対極を外装缶3内に収容して、外装カップ1と外装缶3とを合わせた後、外装カップ1と外装缶3との周辺部を、絶縁ガスケット6を介してかしめ密閉して作製した。
この評価電池Aは、本発明の負極と、リチウム金属箔を有する対極とから構成される電池である。
以上のようにして作製された評価電池Aについて、25℃の温度下で下記のような充放電試験を行った。
0.9mAの電流値で定電流充電を行い、回路電圧が0mVに達した時点で定電圧充電に切り替え、さらに電流値が20μAになるまで充電を続けた後120分間休止した。
次に0.9mAの電流値で、回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行った。このとき第1サイクルにおける通電量から充電容量と放電容量とを求めた。
なお、この試験では、リチウムイオンを負極材料の中へドープする過程を充電、負極材料から脱ドープする過程を放電とした。
その結果、放電容量は357mAh/g、不可逆容量は17mAh/g、充放電効率は95.5%であった。これらの値、およびその他測定値を第1表に示す。
ここで不可逆容量は次式で算出した値である。
不可逆容量=充電容量−放電容量
また、ここで充放電効率は次式で算出した値である。
充放電効率(%)=(放電容量/充電容量)×100
次に上記の評価電池Aの対極において用いたリチウム金属箔の代わりに、コバルト酸リチウム箔を用い、その他は評価電池Aと同様とした評価電池(以下、「評価電池B」という)を作製した。
そして、上記と同じ条件の充電と放電とを各々100回繰り返し、サイクル特性(放電容量維持率)を次式から求めた。
放電容量維持率(%)=(第100回目の放電容量/第1回目の放電容量)×100
この結果、実施例1における放電容量維持率は92%であった。
実施例1における各測定値等を第1表に示す。
<実施例2>
実施例1と同じ条件で得たメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕した。ただし、粉砕はプラネタリーミル(セイシン企業社製、SKF−04)を用い、250rpmで粉砕した。そして、レーザー回折法で求めた平均粒径が5μmである黒鉛化品粉砕物を得た。
そして実施例1と同じメカノケミカル処理をし粉砕物処理品を得た。さらに、実施例1と同じ方法で比表面積およびラマン分光測定におけるI/Iを測定した。
この結果、比表面積は2.15m/gであり、I/Iは0.23であった。
次にここで得られた平均粒径が5μmである黒鉛化品粉砕物と、実施例1と同じ平均粒径29μmの第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを、質量比(ドライベース)で50:50となるように混合し、負極材料を得た。
次に、この負極材料を用いて、実施例1と同じ方法で評価電池を作製し、同じ測定を行った。
その結果、放電容量は358mAh/g、不可逆容量は19mAh/g、充放電効率は95.0%、放電容量維持率は93%であった。
実施例2における各測定値等を第1表に示す。
<比較例1>
メカノケミカル処理をしないこと以外は全て実施例1と同じ操作を行い、同じ値を測定した。
その結果、放電容量は358mAh/g、不可逆容量は28mAh/g、充放電効率は92.7%、放電容量維持率は92%であった。
比較例1における各測定値等を第1表に示す。
<比較例2>
メカノケミカル処理をしないこと以外は全て実施例2と同じ操作を行い、同じ値を測定した。
その結果、放電容量は357mAh/g、不可逆容量は30mAh/g、充放電効率は92.2%、放電容量維持率は90%であった。
比較例2における各測定値等を第1表に示す。
<比較例3>
粉砕物処理品を用いないこと以外は全て実施例1と同じ操作を行い(つまり、負極材料を第2のメソカーボン小球体黒鉛化品のみとした)、同じ値を測定した。
その結果、放電容量は357mAh/g、不可逆容量は15mAh/g、充放電効率は95.9%、放電容量維持率は82%であった。
比較例3における各測定値等を第1表に示す。
<比較例4>
第2のメソカーボン小球体黒鉛化品を用いないこと以外は全て実施例1と同じ操作を行い(つまり、負極材料を粉砕物処理品のみとした)、同じ値を測定した。
その結果、放電容量は357mAh/g、不可逆容量は24mAh/g、充放電効率は93.7%、放電容量維持率は89%であった。
比較例4における各測定値等を第1表に示す。
<比較例5>
実施例1において、第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕せず、篩い分けのみを行い、平均粒径が11μmである第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を製造した。そしてこれをメカノケミカル処理し、以降は実施例1と同じ処理、操作、測定を行った。
その結果、放電容量は350mAh/g、不可逆容量は18mAh/g、充放電効率は95.1%、放電容量維持率は79%であった。
比較例5における各測定値等を第1表に示す。
実施例1、2および比較例1〜5より、本発明に該当する実施例1、2の場合は、本発明に該当しない比較例1〜5を比較して、放電容量および充電容量が高く、不可逆容量が低く、電極密度が高く、さらに放電容量維持率も高いことがわかる。
Figure 2007157592
図1は、実施例および比較例で用いた評価電池の概略断面図である。
符号の説明
1 外装カップ
2 負極合剤層
3 外装缶
4 リチウム金属箔
5 セパレータ
6 絶縁ガスケット
7a、7b 集電体

Claims (7)

  1. リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法であって、
    第1のメソカーボン小球体黒鉛化品を粉砕して黒鉛化品粉砕物を得る粉砕工程と、
    前記黒鉛化品粉砕物に圧縮力と剪断力とを同時に加える処理を施して、粉砕物処理品を得る機械的処理工程と、
    前記粉砕物処理品と、第2のメソカーボン小球体黒鉛化品とを混合して負極材料を得る混合工程と
    を具備するリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
  2. 前記圧縮力と剪断力とを同時に加える処理が、メカノケミカル処理である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
  3. 前記粉砕物処理品は、比表面積が0.5〜3.0m/gであり、かつ、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザーによるラマン分光測定における、1350〜1370cm−1の領域に存在するピーク強度Iと、1570〜1630cm−1の領域に存在するピーク強度Iとの比であるI/Iが0.1〜0.4である、請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
  4. 前記粉砕物処理品の平均粒径が1〜30μmであり、前記第2のメソカーボン小球体黒鉛化品の平均粒径が20〜50μmである、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法により製造されるリチウムイオン二次電池用負極材料。
  6. 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料を用いたリチウムイオン二次電池負極。
  7. 請求項6に記載のリチウムイオン二次電池負極を備えるリチウムイオン二次電池。
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