JP2007157424A - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体酸化物形燃料電池セルの長尺方向に生じる温度差を小さくして、燃料電池セルの破損が生じにくくする。
【解決手段】電気絶縁性を有する仕切り部材(31)の両側に固体酸化物形燃料電池(1)を備え、仕切り部材の両側のセル同士が集電板(11)によって電気的に接続されている構造の固体酸化物形燃料電池において、仕切り部材を、電気絶縁性を有する電気絶縁部材(41)とそれよりも熱伝導率が大きい熱伝導部材(51)と構成し、熱伝導部材を固体酸化物形燃料電池セルと電気的に絶縁して配置する。仕切り部材の一部を構成する熱伝導部材の熱伝導作用により、燃料電池セルの長尺方向の温度差を小さくし、セルの破損を抑制できる。
【選択図】図4

Description

本発明は固体酸化物形燃料電池に係り、特に複数個の固体酸化物形燃料電池セルと、セル同士を電気的に絶縁する仕切り部材とを備えた固体酸化物形燃料電池に関する。
電解質に固体であるセラミックス材を使用する固体酸化物形燃料電池は、動作温度が700〜1000℃程度と高温であるため、排熱利用を含めた高効率発電システムのキーデバイスとして期待されている。
固体酸化物形燃料電池には、大別して円筒型と平板型の二種類がある。このうち円筒型はセルの機械的強度が高いため、高温使用時に生じる熱応力への耐性が高く、さらにガスシールも容易である。
燃料電池セルの一本の出力は限られているため、実際の固体酸化物形燃料電池では、燃料電池セルを複数本集合させて使用する。通常は、複数の燃料電池セルからなるバンドルを基本単位とし、複数個のバンドルを組み合わせて燃料電池モジュールが構成される。
燃料電池モジュール内に複数個のバンドルを設置する場合は、一般にバンドル同士の間に電気絶縁性の仕切り部材が設置される(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−288541号公報
固体酸化物形燃料電池では、発電反応に伴い燃料電池セルで熱が発生するので、燃料電池セルの温度は、投入された酸化剤ガスや燃料ガスよりも高温となる。酸化剤ガスや燃料ガスよりも高温となった燃料電池セルからは、燃料電池セルの内部および外部を流れるガスに向けて熱が放出される。特にセル下端およびセル上端では、導入された燃料ガスおよび酸化剤ガスによる冷却効果が強く働き、他の部位に比べて温度が低くなりやすい。そのため、燃料電池セルには長尺方向に温度分布が生じ、燃料電池セルの下端部および上端部が低温で、中ほどの位置が高温となる。その温度差は100℃から300℃程度になることもある。
固体酸化物形燃料電池セルは、金属材料などと比較して熱伝導率が小さいセラミックス系の材料で構成されているため、温度差があっても熱が伝わりにくい性質を持っている。そのため、燃料電池セルの長尺方向の温度差は解消されにくく、大きな温度差となることがある。
このように長尺方向で温度差が生じると、燃料電池セルに熱応力が発生する。比較的強い機械的強度を有する円筒型の燃料電池においても、温度差が大きい場合には熱応力によりセルが破損する恐れがある。
本発明の目的は、複数個の固体酸化物形燃料電池セルと、セル同士を電気的に絶縁する仕切り部材とを備えた固体酸化物形燃料電池において、燃料電池セルの長尺方向に生じる温度差を小さくして、セルの破損を抑制することにある。
本発明は、電気絶縁性を有する仕切り部材を挟んで両側に固体酸化物形燃料電池セルを備え、仕切り部材の両側のセル同士が集電板によって電気的に接続されている固体酸化物形燃料電池において、仕切り部材が電気絶縁性を有する電気絶縁部材とそれよりも熱伝導率が大きい熱伝導部材とを備え、前記熱伝導部材が固体酸化物形燃料電池セルと電気的に絶縁して配置されていることを特徴とする。
これによれば、仕切り部材は本来の機能である燃料電池セル間の電気絶縁に加え、固体燃料電池内に生じた温度差を小さくする機能を持ち、さらに燃料電池セルの長尺方向の温度差を小さくする機能を持つので、熱応力の発生を抑え、セルの破損を抑制することができる。
仕切り部材は、板状の熱伝導部材を、その両側面から板状の電気絶縁部材で挟んで構成されることが好ましい。これにより、仕切り部材の構造が単純になり、製造が容易になる。
また、仕切り部材の一部分をなす熱伝導性部材は、その一部あるいは全部が、繊維状の金属材料を集成して形成された部材、いわゆる金属フェルトにより構成されることが好ましい。金属フェルトは構造的に柔らかいため、高温運転時における電気絶縁部材と熱伝導部材の熱伸び差に起因する応力や、製造時に加わる荷重を緩衝する作用を持つ。このため、固体酸化物形燃料電池セルがより一層破損しにくくなる。
本発明は、固体電解質を挟んで燃料極と空気極を有する固体酸化物形燃料電池セルをセル接続部材により複数接続したセル集合体と、複数のセル集合体が電気的に短絡しないように仕切る電気絶縁性の仕切り部材と、仕切り部材の両側のセル集合体を電気的に接続する集電板を具備し、これらがガス気密壁の内部に収納されている固体酸化物形燃料電池において、前記仕切り部材が電気絶縁性を有する電気絶縁部材とそれよりも熱伝導率が大きい熱伝導部材とからなり、前記熱伝導部材が固体酸化物形燃料電池セルと電気的に絶縁して配置されていることを特徴とする。
これによれば、複数の燃料電池セルからなるバンドルを基本単位とし、複数個のバンドルを組み合わせて燃料電池モジュールとした固体酸化物燃料電池において、燃料電池セルの長尺方向に温度差が生じるのを抑制することができる。
更に、本発明は、固体電解質を挟んで燃料極と空気極を有する固体酸化物形燃料電池セルをセル接続部材により複数接続したセル集合体と、複数のセル集合体の間を仕切る電気絶縁性の仕切り部材と、複数のセル集合体を電気的に接続する集電板と、セル集合体を形成している複数の固体酸化物形燃料電池セルの少なくとも1つと仕切り部材との間に配置されてセル集合体を支持するセル集合体支持部材とを具備し、これらがガス気密壁の内部に収納されている固体酸化物形燃料電池において、前記仕切り部材のうちでセル集合体支持部材と接触する部分が熱伝導部材をその両側から繊維状の金属材料を集成してなる金属フェルトで挟み、更にその両側から電気絶縁部材で挟んで構成され、それ以外の部分が前記熱伝導部材で構成されていることを特徴とする。
これによれば、燃料電池モジュールにおけるセル長尺方向の温度差抑制の効果に加えて、高温運転時における電気絶縁部材と熱伝導部材の熱伸び差に起因する応力や、製造時に加わる荷重を緩衝する作用が得られ、燃料電池セルがより一層破損しにくくなるという利点がある。
本発明の固体酸化物形燃料電池は、仕切り部材の一部を構成する熱伝導部材の熱伝導により、燃料電池セルの長尺方向の温度差発生が抑制される。これにより、燃料電池セルが破損しにくくなる。
本発明による燃料電池セル長尺方向の温度差低減効果は、仕切り部材の一部分を占める熱伝導部材の熱伝導を利用している。仕切り部材の熱伝導を利用した温度差低減は、円筒型の固体酸化物形燃料電池の場合に特に顕著に発揮される。円筒型の固体酸化物形燃料電池セルは、図1に断面図を示したように、燃料電池セル1が有底筒状のセラミックチューブになっている。燃料電池セル1の断面は多層円筒状で、空気極2、固体電解質3、燃料極4の各層が積層されている。これらの各層は、それぞれ必要な機能すなわち導電性、通気性、電気化学触媒性などを有する酸化物を主成分としたセラミックス材で形成されている。また、燃料電池セル1の外側面には、空気極2と電気的に接続されたインターコネクタ6が設けられており、セルの外部から空気極2に電気接続するのに用いられる。燃料電池セル1の内側に空気や酸素などの酸化剤ガスを流し、外側に水素やメタンなどの燃料ガスを流すと、酸素イオンが空気極2から固体電解質3を介して燃料極4に移動し、燃料極4において燃料および電子と結合する発電反応が生じる。この際、空気極2と燃料極4との間に電位差が生じて発電が行われる。なお、酸化剤ガスの供給は、燃料電池セル1の内側に挿入された空気導入管5を介して行われる。
燃料電池セルの一本の出力は限られているため、実際の固体酸化物形燃料電池では、図2に示すように、燃料電池セルを複数本集合させて使用する。通常は、複数の燃料電池セル1からなるバンドル10を基本単位とし、複数個のバンドル10を組み合わせて燃料電池モジュール20が構成される。
バンドル10は、複数の燃料電池セル1をセル接続部材7で電気的に接合して形成されたものである。セル接続部材7は、燃料電池セル1のインターコネクタ6や、燃料極2に接触するように設置されている。セル接続部材7は、燃料電池セル1同士を電気的に接続する役割のほか、高温運転時や製造時に、燃料電池セル1に加わる荷重を緩衝して、燃料電池セル1が破損するのを防止する役割も果たしている。そのため、セル接続部材7の材料には、電気伝導性を有し、また、板状の金属などに比較して柔らかい材質であるニッケルフェルトなどが用いられる。
本実施例では、バンドル10が12本の燃料電池セル1を電気的に2並列×6直列に配置した構成になっているが、用途に応じて、例えば3並列×3直列や1並列×6直列など、それ以外の構成であってもかまわない。バンドル10同士の間には仕切り部材30が配置され、バンドル同士が電気的に短絡するのが防止される。また、仕切り部材30とバンドル10の間、あるいは断熱兼電気絶縁部材22とバンドル10との間にはバンドル支持部材8が設置され、バンドル10の位置がずれるのが防止される。バンドル支持部材8には、燃料電池セル1に加わる荷重を緩衝する目的で、セル接続部材7と同様にニッケルフェルトが用いられることが多い。
燃料電池モジュール20は、複数個のバンドル10を電気的に直列、あるいは並列に接続して構成される。実施例では3個のバンドル10が集電板11を介して直列に接続配置されており、外部電極12を介して、電力が外部に供給されている。
燃料電池モジュール20では、ガス気密壁21により燃料電池モジュール20の内部のガスが外部に漏洩するのを防止する。また、断熱兼電気絶縁部材22により、燃料電池モジュール20から外部への放熱を抑制するとともに、バンドル10あるいは集電板11あるいは外部電極12が、ガス気密壁21と電気的に短絡するのを防止する。
ところで、固体酸化物形燃料電池では、既に述べたように、発電反応に伴い燃料電池セルで熱が発生するので、燃料電池セルの温度は、投入された酸化剤ガスや燃料ガスよりも高温となる。
一般的な燃料電池セル1は、図3に示すように、燃料ガスが下方より導入され、また酸化剤ガスは、燃料電池セル1に内挿された空気導入管5を介して上方からセル下端に向けて導入され、セル下端部で燃料電池セル1内に放出された後、上方に向かって流れる。酸化剤ガスや燃料ガスよりも高温となった燃料電池セル1からは、燃料電池セル1の内部および外部を流れるガスに向けて熱が放出される。特にセル下端およびセル上端では、導入された燃料ガスおよび酸化剤ガスによる冷却効果が強く働き、他の部位に比べて温度が低くなりやすい。そのため燃料電池セル1には長尺方向に温度分布が生じ、燃料電池セル1の下端部および上端部が低温になり、中間部分が高温になる。さらに、燃料電池セル1は、セラミックス系の材料で構成されているため、温度差があっても熱が伝わりにくい。そのため燃料電池セル1の長尺方向の温度差は解消されにくい。
このような温度差にともない、燃料電池セル1には熱応力が発生する。比較的強い機械的強度を有する円筒型の燃料電池1においても、温度差が大きい場合には熱応力によりセルが破損する恐れがある。
一方、固体酸化物形燃料電池の作動温度には適正範囲がある。温度が低すぎると発電反応が進行せず、温度が高すぎると発電電圧が低下して出力が下がり、また材料の劣化も著しくなる。そのため、固体酸化物形燃料電池では、燃料電池セルの温度を適正範囲内に抑える必要がある。
更に、複数の燃料電池セルを集合させた燃料電池モジュールでは、モジュール外部への放熱のため、モジュールの中央部付近に配置された燃料電池セルの温度は高く、モジュールの外周部付近に配置された燃料電池セルの温度は低くなる。このような燃料電池モジュールにおいても、個々の燃料電池セルの温度を適正範囲に収める必要がある。
しかし、燃料電池セルの長尺方向に大きな温度差があると、モジュールの中央部付近、あるいは外周部付近に配置された燃料電池セルの一部分の温度が、適正温度範囲外になる恐れがあり、モジュールを構成する全ての燃料電池セルの温度を適正範囲内に収めることが困難となる。燃料電池セルの温度が適正範囲から外れた状態で運転すると、所定の出力が得られずにシステム全体の効率が低くなるのに加え、セルの劣化が著しく進むため、寿命も短くなってしまう。
以下に示す本発明の実施例によれば、燃料電池セルの長尺方向に温度差が生ずるのが抑制され、上記の問題が解消される。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
図4は、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の横断面図である。図5は、図4のA−A矢視図である。本実施例は、図2に示す従来の一般的な固体酸化物形燃料電池と比較して、仕切り部材30の構成に特徴がある。仕切り部材31は、電気絶縁性を有する板状の電気絶縁部材41と、電気絶縁部材41よりも熱伝導率が高い、板状の熱伝導部材51とから構成されている。熱伝導部材51は、二枚の電気絶縁部材41に挟まれるように配置され、これによりバンドル10と接触しないようにしている。
仕切り部材における電気絶縁部材41には、電気絶縁性を有し、耐熱性にすぐれたセラミックス系の材料や、マイカ材などを用いることが望ましい。また、熱伝導部材51には、ニッケル板あるいはニッケルフェルトなどを用いることが望ましい。ただし、熱伝導率が高く、融点が運転時のシステムの最高温度よりも高温(1200℃程度以上)であれば、他の材料、例えば金属材や合金材、金属フェルト材などを熱伝導部材51に用いてもかまわない。
熱伝導部材51が電気絶縁部材41に接触する部位に金属フェルト材を用いると、それぞれの部材の熱伸び差に起因する応力や、製造時に加わる荷重を緩衝するが、金属フェルトにより緩衝されるため、仕切り部材31が破損しにくくなる利点がある。
熱伝導部材51には金属を用いることが好ましいが、一般に金属は電気絶縁性を有していない。本実施例の仕切り部材は、熱伝導部材51を、その両側面から電気絶縁部材41で挟んでいるので、バンドル10同士の電気的な短絡を防止することができる。また、このような構成の仕切り部材31は、図2に示した電気絶縁部材のみからなる仕切り部材30にくらべて、熱を伝えやすい性質を持っていて、燃料電池モジュール20内に生じる温度差を小さくする働きを持つ。そのため、電気絶縁部材のみで仕切り部材を形成している従来の固体酸化物形燃料電池にくらべて、燃料電池セル1の長尺方向の温度差が小さくなる。詳細について図5を用いて説明する。
一般に、物体に温度差がある場合、熱伝導による熱移動が物体の温度差を小さくする作用を持つ。固体酸化物形燃料電池においても、燃料電池セル1に長尺方向の温度差が生じると、燃料電池セル1内で、温度の高い方から低い方に熱が移動する。しかし、燃料電池セル1は金属材料などに比べて熱伝導率の小さいセラミックス系の材料で形成されているため、熱移動量はそれほど大きくなく、燃料電池セル1内での熱移動による温度差低減の効果はあまり大きくない。これが固体燃料電池セル1で大きな温度差が生じてしまう本質的な要因の一つであった。
ところで、燃料電池セル1は、外部にある部材、例えばセル接続部材7やバンドル支持部材8と熱を交換する。また、燃料電池セル1は、外部を流れる外部ガス流れ60とも熱を交換し、さらには、これらの外部部材や外部ガス流れ60と接している仕切り部材31などとも間接的に熱を交換する。燃料電池セル1とこれらの外部部材あるいは外部ガス流れ60は近接しているため、燃料電池セル1の長尺方向に座標軸をとったときの、同一座標における燃料電池セル1、外部ガス流れ60、セル接続部材7、バンドル支持部材8、仕切り部材31の温度差は小さく、せいぜい数℃程度である。
このような系においては、燃料電池セル1以外の部材による熱伝導で、系全体の長尺方向の温度差が低減されることが期待される。実際、従来の固体酸化物形燃料電池においては、他の構成部材に比べて高い熱伝導率を有するニッケルフェルトを材料としたセル接続部材7やバンドル支持部材8が、この役割を担っている。ただし、これらの部材の熱伝導による温度差低減効果だけでは不十分である。
本発明では、仕切り部材31の一部を構成する熱伝導部材51が、燃料電池セル1の長尺方向に生じた温度差を、熱伝導により低減する効果を持つ。したがって、燃料電池セルの長尺方向の温度差を小さくすることができる。なお、この温度差低減の効果は、熱伝導部材51の板厚を厚くするほど大きくなるので、燃料電池セル1の長尺方向の温度差が所望の値となるように板厚を選ぶことが好ましい。
本発明において、仕切り部材中の熱伝導部材51は、燃料電池セルの長尺方向に連続して存在するようにするのが好ましい。複数の短い熱伝導部材を燃料電池セルの長尺方向に断続的に配置していくことも可能ではあるが、前述のように熱伝導部材の役割は燃料電池セルの長尺方向に生じた温度差を熱伝導により低減することにあるから、セルの長手方向に連続して配置することが好ましい。
なお、本実施例の変形例として、線材または棒状の形をした熱伝導部材を、電気絶縁部材で挟み込むようにして、仕切り部材を構成することも可能である。
図6は、本発明の他の実施例に係る固体酸化物形燃料電池の横断面図である。本実施例では、仕切り部材32の大部分は熱伝導部材で形成し、バンドル支持部材8と接触する部分を、電気絶縁部材と熱伝導性を有する金属フェルトと板状の熱伝導部材により形成した。これ以外の構成は、実施例1に示した固体酸化物形燃料電池と同一である。
本実施例の仕切り部材32は、電気絶縁部材42と二種類の熱伝導部材520、熱伝導部材521とから構成されている。熱伝導部材520にはバンドル支持部材8と接する部位に溝が設けてあり、その溝に、繊維状の金属材料を集成して形成された金属フェルト製の熱伝導部材521および電気絶縁部材42を組み込むことで、仕切り部材32が構成されている。
電気絶縁部材42には、電気絶縁性を有し、耐熱性にすぐれたセラミックス系の材料や、マイカ材などを用いることが望ましい。また、熱伝導部材520には、熱伝導率の高い金属材あるいは合金材を用いることが望ましい。
本実施例の仕切り部材32は、柔構造を持つ金属フェルト製の熱伝導部材521により、電気絶縁部材42と熱伝導部材520の熱伸び差による応力が緩衝される。これにより、仕切り部材32の破損が抑制される利点がある。
また、本実施例の仕切り部材32は、バンドル支持部材8と接触する部位に電気絶縁部材42が配置されるので、バンドル10と熱伝導部材521あるいは熱伝導部材520が短絡するのが防止される。
本実施例では、仕切り部材32の厚みが実施例1に示した仕切り部材31と同じ場合に、実施例1にくらべて、熱伝導部材の厚みを大きくとれるため、燃料電池セル1の長尺方向の温度差を低減する効果が大きい。
円筒型の固体酸化物形燃料電池セルの一例を示す横断面図である。 一般的な固体酸化物形燃料電池の横断面図である。 円筒型の固体酸化物形燃料電池セルの縦断面と温度分布の概況を示す図である。 本発明の実施例に係る固体酸化物形燃料電池の横断面図である。 本発明の作用を説明する固体酸化物形燃料電池セルの縦断面図である。 本発明の他の実施例に係る固体酸化物形燃料電池の横断面図である。
符号の説明
1…燃料電池セル、2…空気極、3…固体電解質、4…燃料極、5…空気導入管、6…インターコネクタ、7…セル接続部材、8…バンドル支持部材、10…バンドル、11…集電板、12…外部電極、20…燃料電池モジュール、21…ガス気密壁、22…断熱兼絶縁部材、30…仕切り部材、31…仕切り部材、32…仕切り部材、41…電気絶縁部材、42…電気絶縁部材、51…熱伝導部材、520…熱伝導部材、521…熱伝導部材、60…外部ガス流れ。

Claims (7)

  1. 電気絶縁性を有する仕切り部材を挟んで両側に固体酸化物形燃料電池セルを備え、前記仕切り部材の両側のセル同士が集電板によって電気的に接続されている構造の固体酸化物形燃料電池において、前記仕切り部材が電気絶縁性を有する電気絶縁部材と前記電気絶縁部材よりも熱伝導率が大きい熱伝導部材とを具備し、前記熱伝導部材が前記固体酸化物形燃料電池セルと電気的に絶縁して配置されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 請求項1において、前記仕切り部材は、板状をした前記熱伝導部材を、その両側面から板状の前記電気絶縁部材で挟んで構成されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  3. 請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池において、前記熱伝導部材は、その一部あるいは全部が、繊維状の金属材料を集成して形成された部材からなることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  4. 固体電解質を挟んで燃料極と空気極を有する固体酸化物形燃料電池セルをセル接続部材により複数接続したセル集合体と、複数の前記セル集合体の間を仕切る電気絶縁性の仕切り部材と、前記仕切り部材の両側のセル集合体同士を電気的に接続する集電板を具備し、これらがガス気密壁の内部に収納されている固体酸化物形燃料電池において、前記仕切り部材が電気絶縁性を有する電気絶縁部材と前記電気絶縁部材よりも熱伝導率が大きい熱伝導部材とからなり、前記熱伝導部材が前記固体酸化物形燃料電池セルと電気的に絶縁して配置されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  5. 固体電解質を挟んで燃料極と空気極を有する固体酸化物形燃料電池セルをセル接続部材により複数接続したセル集合体と、複数の前記セル集合体の間を仕切る電気絶縁性の仕切り部材と、複数の前記セル集合体を電気的に接続する集電板と、前記セル集合体を形成している複数の前記固体酸化物形燃料電池セルの少なくとも1つと前記仕切り部材との間に配置されて前記セル集合体を支持するセル集合体支持部材を具備し、これらがガス気密壁の内部に収納されている固体酸化物形燃料電池において、前記仕切り部材のうちで前記セル集合体支持部材と接触する部分が熱伝導部材と前記熱伝導部材をその両側面から挟む金属フェルトと前記金属フェルトを両側面から挟む電気絶縁部材とにより構成され、それ以外の部分が前記熱伝導部材で構成されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つにおいて、前記固体酸化物形燃料電池セルが円筒型のセルであることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  7. 請求項6において、前記仕切り部材における前記熱伝導部材が円筒型のセルの長尺方向に連続して設けられていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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