JP2007154608A - 扉の錠前用キー補助具 - Google Patents

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松田巌樹
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Abstract

【課題】バリヤーフリーの観点から、キー補助具を指で押し込む(摘みながら押し込む場合も含む)ことにより、錠前を容易に解錠することができること。日常、普通一般に使用されているキーをそのまま用いて錠前を解錠させることができること。
【解決手段】錠前用キーと係合する係合溝を有すると共に、円柱状外面にカム係合部を有するカム1と、該カムに外嵌合すると共に前記カム係合部3に係合するカーブ状制御案内部4を有する収納ケース10とから成る錠前用キー補助具。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マンションや一戸建ての玄関扉(玄関ドア)に取付けられた錠前用キー補助具に関する。
一般家庭の玄関ドアには、通常、ドアの外側から鍵(以下、「キー」という。)の差込み、かつ、回転操作で施・解錠する通常の錠前が取付けられている。
この種の錠前用のキーは、扉の自由端部側に面付け、内設等の状態で取付けられた錠前を、解錠又は施錠するための操作手段であると認識されている。例えば可動障害子(ピンタンブラー)を有するシリンダー錠がサムターン装置とセットの状態で錠箱に取付けられ、扉の室外側からシリンダー錠の鍵穴にキーのブレード部分を差込むと、可動障害子が内筒体と外筒体のシャライン(内筒体が回転可能な状態)に揃うので、キーを時計方向或いは反時計方向へ90度回転することができる。人々が、毎日、外出時や帰宅時に行っている行為である。
付言すれば、キーをシリンダー錠の鍵穴に挿入して、かつ、解錠方向又は施錠方向へ所定量回転操作すると、該操作力により、「ダルマ」と称される駆動腕が所定量回転して、デッドボルトと称される厚みのある長板状の施錠片が、戸枠の横向き凹所に設けた受け金具の蓋板状のストライクの矩形状係合孔に対して進退動(係脱)する。
ところで、キーは、少なくとも解錠時に摘み部分を回転操作することが必要であるが、指が不自由な方、身体障害者、高齢者等を対象にバリヤーフリーの観点から、商品(キーや補助具)を検討した場合には、解錠時にキーを指で容易に回すことができることが望まれる。
特許文献1は、キーの摘み部分に工夫を施してキーの回転力の容易化を図ろうとするものである。すなわち、特許文献1のキーは、キー本体から横方向に突出させることができる操作板をキー本体の摘み部分に軸支し、例えば解錠時(キー本体を回転させる時)、まず、指で前記操作板を横方向に回してキー本体から突出させ、次にキー本体を錠前に差込み、かつ、操作板に力を加えながら摘み部分を捻る。そうすると、操作板及び摘み部分でキー本体を回すことができるから、少ない力で大きな回転力が得られる。
しかしながら、上記構成のキーは、摘み部分が特殊形状(例えば長板状)にする必要があること、また、摘み部分に操作板を軸支することから、通常使用されているキーをそのまま用いることができない、操作時に操作板を回さなければならないなど多くの問題点がある。
そこで、キーの摘み部分に細工をするのではなく、望ましくは家庭で普通一般に使用されているキーをそのまま用い、かつ、解錠時にキーを容易に回すことができる錠前用キー補助具の出現が要望されている。
特開平6−1108917号公報
本発明の第1の目的は、バリヤーフリーの観点から、キー補助具を指で押し込む(摘みながら押し込む場合も含む)ことにより、錠前を容易に解錠することができることである。第2の目的は、望ましくは、日常、普通一般に使用されているキーをそのまま用いて錠前を解錠させることができることである。第3の目的は、普通一般のキーを簡単にキー補助具に装着することができることである。第4の目的は、簡単な構成の切換え手段により、錠前用キーを解錠方向及び施錠方向の両方に回転させることができることである。
本発明の錠前用キー補助具は、錠前用キーKと係合する係合溝2を有すると共に、円柱状の外面1bにカム係合部3を有するカム1と、該カムに外嵌合すると共に前記カム係合部に係合するカーブ状制御案内部4を有する収納ケース10とから成ることを特徴とする。
上記構成に於いて、カムが収納ケースから外れないように収納ケースの端部にキャップ状、前壁環状、突起状の何れかの係止手段10bが設けられていることを特徴とする。また、収納ケースには、該収納ケースの内面とカムの一側外面との間に復帰バネ20が内装されている。
さらに、収納ケースの制御案内部4Aは、カム1を解錠方向及び施錠方向の両方に回転させることができるように左右対称に形成されていることを特徴とする。
(a)バリヤーフリーの観点から、キー補助具を指で押し込むことにより、錠前を容易に解錠することができる。
(b)日常、普通一般に使用されているキーをキー補助具に簡単に装着し、かつ、そのまま用いて錠前を解錠させることができる。
(c)簡単な構成の切換え手段により、錠前用キーを解錠方向及び施錠方向の両方に回転させることができる。
(d)請求項3に記載の発明は、錠前用キーを解錠方向又は/及び施錠方向の両方に回転させた場合に於いて、収納ケースから指を離すと、補助具の収納ケースは自動的に初期位置へと戻る。
以下、図1乃至図5に示す本発明を実施するための最良の形態(第1実施例)により説明する。
(1)発明の実施の環境
図1は第1実施例の分解斜視図である。図1に於いて、まず、Kは日常生活で普通一般に使用されているキーである。したがって、該キーKは、周知のように金属製であり、ブレード部分51と、該ブレード部分に連設する摘み部分52とを有している。Xは、「軸方向(ブレード部分の延びている方向)」である。
次に、SはキーKを取外し自在に、又はキーKを一体的(ぴったり)に装着することができる錠前用キー補助具である。このキー補助具Sは金属又は硬質の合成樹脂材で成形され、本実施例では、カム1と、該カム1をスライド自在に内装する収納ケース(制御ケース)10と、カム1を原点位置(初期位置)に戻すことができる復帰バネ20の「三部品」の組み合わせにより構成されている。本発明の特定要件(三部品)について順次説明する。
(2)カム1
まず、円柱状のカム1について説明する。カム1は、中空又は中実である。しかして、1aはカム1の先端面、1bは円柱状の外面、1cは後端面(一側外面)である。2は先端面1aから後端面1cに向かって形成された矩形状開口の係合溝(嵌合溝)で、該係合溝2には、本実施例ではキーKの摘み部分52を遊嵌合状態、又は隙間のない状態で差込み可能である。
係合溝2と摘み部分52の嵌合関係が遊嵌合状態である場合には、当然キーKはカム1に対して装着自在である。一方、緊嵌合状態である場合には、キーKはカム1から容易に外れない。係合溝2の深さは、摘み部分52の大きさを考慮して適宜に設定されている。
したがって、係合溝2の深さは、摘み部分52の一部が入り込むようにX軸方向に所要量形成されている。それ故に、円柱状のカム1も所要の大きさに形成されている。望ましくはキー補助具Sのコンパクト化を図るために、必要最低限度の大きさに設定すべきである。
3は円柱状の外面1bに形成されたカム係合部で、本実施例では、先端面1a寄りの適宜部位に突出形成された、或いは取付け穴に植設された小さな係合突起である。この小片状の係合突起3は、収納ケース10のカーブ状制御案内部4に係合する。
なお、カム係合部3は、本実施例では小突起(カム突起)であるが、もちろん、前記制御案内部4を凸状にした場合には、該小突起(カム突起)3は逆にカーブ状係合凹所(カム凹所)に設計変更され得る。
(3)収納ケース10
次に円筒状の収納ケース(制御ケース)10について説明する。本実施例の収納ケース10は、先端部11に円形開口12を有するケース本体10aと、該ケース本体10aの先端部11に螺着自在に螺合するキュップ状の係止手段10bとから成る。前記ケース本体10aは、円柱状カム1を収納することができる大きさに形成されている。
しかして、11はケース本体10aの先端部、13は周胴部、14は後端部である。本実施例では、ケース本体10aの先端部11の外周に不番のオネジが形成され、一方、係止手段10bの内周面に前記オネジに螺合する不番のメネジが形成されている。
環状前壁の中央部に円形形状の開口16が形成さたれ係止手段10bは、不番の環状前壁に周設された螺合部分を有している。本実施例の収納ケース10は、ケース本体10aの先端部11に係止手段(ストツパー)10bを備えているので、カム1は補助具の押圧操作時に復帰バネ20のバネ力が先端部側に作用してもケース本体10aから外れない。
なお、本実施例では、前記係止手段10bはケース本体10aの先端部11に設けられているが、もちろん、設計変更して、例えばケース本体10aの後端部14に環状係止手段10bを螺着する反面、前記先端部11にブレード部分51が貫通する図示しない挿通孔を形成しても良い。
また、ケース本体10aに収納したカム1が復帰バネ20のバネ力により収納ケース10の先端部から外れないように、キュップ状の係止手段10bに代えて係止鍔(前壁環状)、複数個の係止突起等をケース本体10aの先端部11に設けることもできる。要はカム1が復帰バネ20のバネ力により、収納ケース10或いはケース本体10aから外れなければ良い。
前述したカーブ状制御案内部4は、図1で示すように、周胴部13に先端部11から後端部14に向かって弧状に形成されている。本実施例のカーブ状制御案内部4は、図示しない扉の錠前を、少なくとも「解錠」又は「施錠」するだけで良い、という技術的思想に基づき、例えば「解錠」する場合を一例として所要の形状(長さ)に形成されている。
であるから、制御案内部4の一例としての案内長孔は、駆動部に相当し、一方、制御案内部4に係合する係合突起3は従動部に相当する。
(4)復帰バネ20
復帰バネ20は、収納ケース10(ケース本体10a)の後端部14の内面14aと前記カムの後端部一側外面1cとの間に内装されている。本実施例の復帰バネ20は、圧縮バネ(押しばね)である。
しかして、復帰バネ20の一端部(先端部)にはカム1の後端面(一側外面)1cを滑動する曲面状の滑り片21が取付けられている。また、復帰バネ20の他端部は、ケース本体10aの後端部14の内壁面に適宜に支持されている。なお、滑り片21は本発明の従属的構成であることから、滑り片21に代えて、例えば復帰バネ20の一端部(先端部)を球状、半球状等にすることもできる。
(5)キーKの装着
図2はキーKをキー補助具Sに装着する前の状態を示す。一方、図3は環状係止手段10bをケース本体10aの先端部11から外し、かつ、キー補助具Sのカム1の係合溝2にキーKの摘み部分52を差し込んだ場合の斜視図である。
図2及び図3から明らかなように、本発明のキー補助具Sは、特定のキー(1個のキー)を対象とするものではなく、日常、普通一般に使用されているキーKを対象とする。そして、図4で示すようにキーKをカム1の係合溝2に差し込んだ場合には、係止手段10bをケース本体10aの先端部11に螺合する。そうすると、キー補助具Sから少なくともキーKのブレード部分51が突出する。付言すると、キーKをキー補助具Sに装着した場合には、図3で示すように、摘み部分52の前部ないし中央部は、カム1の先端面1aから所要量突出している。
(6)作用
図5に於いて、仮想線部分は、錠前aである。錠前aは、周知のように、鍵穴bを有する内筒と、内筒に外嵌合する外筒を備えている。
錠前を解錠する時、キーKのブレード部分51を錠前aの鍵穴bに差込み、そのままの状態で収納ケース10(ケース本体10a)の後端部14の外面(表面)を矢印A方向に指で押し込むと、カム1は、係合突起3と制御案内部4との摺接関係により、かつ、ケース本体10aの水平移動に連動して解錠方向へ90度回転する。この時、係合突起3は収納ケース体10の制御案内部4の曲率に沿って後端部14側へと位置変位する。
錠前を解錠したならば、そのままケース本体10aから指を離すと、キーKのブレード部分51は錠前aの鍵穴bに差込み固定されていることから、復帰バネ20のバネ力により、収納ケース10(或いは設計如何により、ケース本体10a)が回転する。そうすると、カム1の係合突起3は初期位置へと自動的に戻る。
なお、復帰バネ20は、錠前用キーを解錠方向又は/及び施錠方向の両方に回転させた場合に於いて、補助具の収納ケースを自動的に初期位置へと戻すという発明の効果との関係では、本発明の特定要件となる。
発明の実施の形態で示した実施例に於いて、キーKには、日常生活で普通一般的使用されているものが全て含まれる。したがって、キーKのブレード部分51の辺に溝が刻まれているものは当然に含まれる。
また、復帰バネ20の一端部にはカム1の後端面1cを滑動する曲面状の滑り片21が取付けられているが、該滑り片21の材質は滑動を良好にする合成樹脂材が適宜に選択される。また、カム1の後端面1cと滑り片21の曲面状外面との間にグリスを塗布しても良い。
さらに、キー補助具Sの制御案内部4を、図6で示すようにして構成しても良い。すなわち、図6のキー補助具S1の収納ケース10Aに形成された制御案内部4Aは、カム1を解錠及び施錠の方向に回転させることができるように左右対称に形成されている。なお、制御案内部4Aは、カム1又は収納ケース10Aのいずれかに形成しても良い。
本実施例のキー補助具S、S1は、収納ケース10Aの押し込み操作により、収納ケース内のカム1が所定方向(解錠方向又は/及び施錠方向)に回転するものであるが、押し込み操作の際、収納ケース10Aを指で摘みながら押し込んでも良い。その際、収納ケース10Aを左右何れかの方向に若干操作しながら押し込み操作しても「押し込み」の概念に含まれる。
要は、本発明の主たる目的との関係で、収納ケース10Aを施・解錠するために所要量回す必要があると評価されない限り、切換え操作のために多少回しても「発明の本質的事項」は変わらない。
なお、本実施例では、望ましくは、日常、普通一般に使用されているキーをそのまま用いて錠前を解錠させることができることであるが、第三者は本発明を回避するために摘み部分なしキーのブレート部分の基端部をカム1の係合溝2に差し込む実施形態も予想される。しかし、本発明は、このような実施例を排除するものではない。
本発明は、主に錠前や建具の業界で利用される。
図1乃至図5は本発明の最良の実施例を示す各説明図。図6は本発明の第2実施例。
第1実施例の分解斜視図。 キーKをキー補助具Sに装着する前の状態を示す概略説明図。 キーKをキー補助具Sのカムに嵌め込んだ場合の概略説明図。 キーKをキー補助具Sに装着した場合の状態を示す概略説明図。 作用の説明図。 第2実施例の概略説明図。
符号の説明
K…キー、52…ブレード部分、51…摘み部分、S、S1…キー補助具、X…軸方向、1…カム、1a…は先端面、1b…円柱状外面、1c…後端面(一側外面)、2…係合溝、3…カム係合部、10,10A…収納ケース、10a…ケース本体、10b…係止手段、4、4A…制御案内部、20…復帰バネ、a…錠前、b…鍵穴。

Claims (4)

  1. 錠前用キーと係合する係合溝を有すると共に、円柱状外面にカム係合部を有するカムと、該カムに外嵌合すると共に前記カム係合部に係合するカーブ状制御案内部を有する収納ケースとから成る錠前用キー補助具。
  2. 請求項1に於いて、カム1が収納ケース10から外れないように収納ケースの端部にキャップ状、前壁環状、突起状の何れかの係止手段10bが設けられていることを特徴とする錠前用キー補助具。
  3. 請求項1に於いて、収納ケースには、該収納ケースの内面とカムの一側外面との間に復帰バネ20が内装されていることを特徴とする錠前用キー補助具。
  4. 請求項1に於いて、カム又は収納ケースのいずれかに形成された制御案内部4Aは、カムを解錠方向及び施錠方向の両方に回転させることができるように左右対称に形成されていることを特徴とする錠前用キー補助具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019173382A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 株式会社ファルテック 車両用電子キー

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