JP2007153792A - 新規なdnaメチルトランスフェラーゼ阻害剤 - Google Patents
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- 0 C*c1c(*(O)O*)c(ccc(C)c2OC)c2[n]1 Chemical compound C*c1c(*(O)O*)c(ccc(C)c2OC)c2[n]1 0.000 description 1
Abstract
【課題】本発明の目的は、抗腫瘍剤として有用な新規のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤を提供することである。
【解決手段】一般式(1)
[式中、Aは水酸基で置換されていてもよい(C2〜C4)アルキレン基を示し、Xは(C1〜C6)アルキル基若しくは3〜10員環の環状アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、またはヘテロ原子を1〜3個有する3〜10員環の環状アミノ基を示し、Yは水素原子またはハロゲン原子を示し、nは1〜4の整数を示す]
若しくは、一般式(2)
[式中、A、XおよびYは上記と同じ意味を示し、ZおよびRはそれぞれ独立して水素原子、(C1〜C6)アルキル基、3〜10員環の環状アルキル基、(C6〜C12)アリール基またはアラルキル基を示す]
で表されるベンゾ[b]チオフェン誘導体、その水和物、その溶媒和物、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤。
【解決手段】一般式(1)
[式中、Aは水酸基で置換されていてもよい(C2〜C4)アルキレン基を示し、Xは(C1〜C6)アルキル基若しくは3〜10員環の環状アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、またはヘテロ原子を1〜3個有する3〜10員環の環状アミノ基を示し、Yは水素原子またはハロゲン原子を示し、nは1〜4の整数を示す]
若しくは、一般式(2)
[式中、A、XおよびYは上記と同じ意味を示し、ZおよびRはそれぞれ独立して水素原子、(C1〜C6)アルキル基、3〜10員環の環状アルキル基、(C6〜C12)アリール基またはアラルキル基を示す]
で表されるベンゾ[b]チオフェン誘導体、その水和物、その溶媒和物、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤。
Description
本発明は、癌において遺伝子の異常なシトシンメチル化を引き起こし、癌抑制遺伝子の発現を抑制するDNAメチルトランスフェラーゼの低分子阻害剤に関する。DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤はDNAのメチル化を正常化し、癌抑制遺伝子の発現を回復させ、最終的に癌細胞増殖を抑制し、癌の治癒へと導く。
DNAのシトシンメチル化は、DNAメチルトランスフェラーゼによってS−アデノシル−L−メチオニンからDNAのシトシンへメチル基が転移することによって起こる。近年のエピジェネティクス研究からDNAのメチル化が遺伝情報発現制御に重要な役割を果たしていることが認知されるようになってきた。特に癌において、DNAメチルトランスフェラーゼはDNAの異常なメチル化に直接関与しており、細胞周期制御および癌化・増殖・生存シグナルに深く関わる多くの癌抑制遺伝子(p16、14−3−3σ、E−cadherin、RUNX3、RASSF1、TIMP3、APC、VHL等)のプロモーター領域がシトシンメチル化により不活化し、その発現が強く抑制されている。
DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤としてはアンチセンスオリゴヌクレオチド、核酸アナログ、カテキン類、プロカイン、プロカインアミド、ビスアミジン化合物、カフェイン酸、クロロゲン酸が知られている(特許文献1〜2、非特許文献1〜3)。しかし、ベンゾ[b]チオフェン誘導体がDNAメチルトランスフェラーゼ阻害活性を有することは知られていない。
癌と化学療法,30(13),2021−2029(2003)
TRENDS in Pharmacological Sciences,25(11),551−554(2004)
Proceedings of the American Association for Cancer Research,45,370,#1608(2004)
本発明の目的は、抗腫瘍剤として有用な新規のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤を提供することである。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定のベンゾ[b]チオフェン誘導体、その水和物、その溶媒和物、またはそれらの薬理学的に許容される塩がDNAメチルトランスフェラーゼ阻害作用を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は
1)一般式(1)
[式中、Aは水酸基で置換されていてもよい(C2〜C4)アルキレン基を示し、Xは(C1〜C6)アルキル基若しくは3〜10員環の環状アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、またはヘテロ原子を1〜3個有する3〜10員環の環状アミノ基を示し、Yは水素原子またはハロゲン原子を示し、nは1〜4の整数を示す]
若しくは、一般式(2)
[式中、A、XおよびYは上記と同じ意味を示し、ZおよびRはそれぞれ独立して水素原子、(C1〜C6)アルキル基、3〜10員環の環状アルキル基、(C6〜C12)アリール基またはアラルキル基を示す]
で表されるベンゾ[b]チオフェン誘導体、その水和物、その溶媒和物、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;
1)一般式(1)
若しくは、一般式(2)
で表されるベンゾ[b]チオフェン誘導体、その水和物、その溶媒和物、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;
2)Aが水酸基で置換されていてもよいエチレン基または1,3−プロパンジイル基であり、Xが(C1〜C4)アルキル基若しくは6員環の環状アルキル基で置換されていているアミノ基、またはヘテロ原子を1〜3個有する6員環の環状アミノ基であり、Yがハロゲン原子である上記1)記載のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;
3)Aがエチレン基または2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル基であり、Xがジエチルアミノ基、n−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ピペリジノ基またはモルホリノ基であり、Yが臭素原子である上記1)または2)に記載のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;
3)Aがエチレン基または2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル基であり、Xがジエチルアミノ基、n−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ピペリジノ基またはモルホリノ基であり、Yが臭素原子である上記1)または2)に記載のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;
4)一般式(1)のnが1〜3の整数である上記1)〜3)のいずれか一項に記載のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;
5)一般式(2)のZおよびRがそれぞれ独立して(C1〜C4)アルキル基である上記1)〜3)のいずれか一項に記載のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;
5)一般式(2)のZおよびRがそれぞれ独立して(C1〜C4)アルキル基である上記1)〜3)のいずれか一項に記載のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;
6)上記1)〜5)のいずれか一項に記載のベンゾ[b]チオフェン誘導体、その水和物、その溶媒和物、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤;
に関する。
に関する。
本発明により、ベンゾ[b]チオフェン誘導体がDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤となり、更に、哺乳動物の抗腫瘍剤となることが示された。
本発明において(C2〜C4)アルキレン基としては、例えば、エチレン基、1,2−プロパンジイル基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基等が挙げられ、好ましくはエチレン基または1,3−プロパンジイル基である。
本発明において水酸基で置換されている(C2〜C4)アルキレン基としては,水酸基が置換した上記の(C2〜C4)アルキレン基が挙げられ,好ましくは、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル基である。
本発明において水酸基で置換されている(C2〜C4)アルキレン基としては,水酸基が置換した上記の(C2〜C4)アルキレン基が挙げられ,好ましくは、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル基である。
本発明において(C1〜C6)アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基,n−プロピル基、イソプロピル基,n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。これらのうち好ましい基としては(C1〜C4)アルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
本発明において3〜10員環の環状アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等が挙げられる。これらのうち好ましい基としては6員環の環状アルキル基であるシクロヘキシル基が挙げられる。
一般式(1)または一般式(2)のXにおける(C1〜C6)アルキル基若しくは3〜10員環の環状アルキル基で置換されていてもよいアミノ基としては、(C1〜C4)アルキル基若しくは6員環の環状アルキル基で置換されているアミノ基が好ましく、例えば、ジエチルアミノ基、n−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等が挙げられる。
一般式(1)または一般式(2)のXにおけるヘテロ原子を1〜3個有する3〜10員環の環状アミノ基とは、炭素原子以外に、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から独立して選ばれる1または2個のへテロ原子を有していてもよい3〜10員環の環状のアミノ基であり、例えば、ピロリジン−1−イル基、ピペリジノ基、ペルヒドロアゼピン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、イミダゾリジン−1−イル基、モルホリノ基、チアゾリジン−3−イル基等が挙げられる。中でも、ヘテロ原子を1〜3個有する6員環の環状アミノ基が好ましく、例えば,ピペリジノ基またはモルホリノ基等が挙げられる。
本発明においてハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。これらのうち好ましい原子としては臭素原子が挙げられる。
本発明において(C6〜C12)アリール基とは、炭素数6〜12の芳香族炭化水素類であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらのうち好ましい基としてはフェニル基が挙げられる。
本発明においてアラルキル基としては、前記の(C1〜C6)アルキル基に前記の(C6〜C12)アリール基が置換した基が挙げられ、例えば、ベンジル基、2−フェネチル基、3−フェニルプロピル基、1−または2−ナフチルメチル基等が挙げられる。
一般式(1)においてnは1〜4の整数であり,好ましくは1〜3の整数である。
上記一般式(1)で示される化合物としては、例えば、以下のような化合物が挙げられる。
7−ブロモ−8−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280540)
7−クロロ−8−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280550)
8−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−7−フルオロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280560)
8−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−7−ヨード−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280570)
8−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280580)
7−ブロモ−8−(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280590)
7−ブロモ−8−(3−t−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280600)
7−ブロモ−8−(3−n−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280610)
7−ブロモ−8−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280540)
7−クロロ−8−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280550)
8−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−7−フルオロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280560)
8−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−7−ヨード−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280570)
8−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280580)
7−ブロモ−8−(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280590)
7−ブロモ−8−(3−t−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280600)
7−ブロモ−8−(3−n−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280610)
7−ブロモ−8−(3−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280620)
7−ブロモ−8−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280630)
7−ブロモ−8−(3−シクロペンチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280640)
7−ブロモ−8−(2−ジメチルアミノエトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280650)
7−ブロモ−8−(2−(エチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280660)
7−ブロモ−8−(3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280670)
2−ブロモ−1−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−11−チア−5a,10−ジアザ−ベンゾ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280680)
2−ブロモ−1−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280240)
7−ブロモ−8−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280630)
7−ブロモ−8−(3−シクロペンチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280640)
7−ブロモ−8−(2−ジメチルアミノエトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280650)
7−ブロモ−8−(2−(エチルアミノ)エトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280660)
7−ブロモ−8−(3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−9−チア−3a,10−ジアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−4−オン(化合物番号;280670)
2−ブロモ−1−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−11−チア−5a,10−ジアザ−ベンゾ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280680)
2−ブロモ−1−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280240)
2−ブロモ−1−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280470)
2−ブロモ−1−(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280690)
2−ブロモ−1−(3−t−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280520)
2−ブロモ−1−(3−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280700)
2−ブロモ−1−(3−n−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280300)
1−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280710)
1−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280720)
1−(3−n−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280730)
2−ブロモ−1−(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280690)
2−ブロモ−1−(3−t−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280520)
2−ブロモ−1−(3−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280700)
2−ブロモ−1−(3−n−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280300)
1−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280710)
1−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280720)
1−(3−n−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−12−チア−5a,11−ジアザ−シクロへプタ[b]フルオレン−5−オン(化合物番号;280730)
上記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、以下のような化合物が挙げられる。
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280020)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280270)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280310)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−t−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280330)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−n−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280740)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(2−ヒドロキシ−3−ピペリジノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280340)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280360)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280020)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280270)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280310)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−t−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280330)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−n−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280740)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(2−ヒドロキシ−3−ピペリジノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280340)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280360)
2−アセチルアミノ−7−(2−ジエチルアミノエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280750)
2−アセチルアミノ−7−(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280760)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 メチルエステル(化合物番号;280770)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 シクロヘキシルエステル(化合物番号;280780)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 フェニルエステル(化合物番号;280790)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 ベンジルエステル(化合物番号;280800)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(化合物番号;280810)
2−アセチルアミノ−7−(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280760)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 メチルエステル(化合物番号;280770)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 シクロヘキシルエステル(化合物番号;280780)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 フェニルエステル(化合物番号;280790)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 ベンジルエステル(化合物番号;280800)
2−アセチルアミノ−6−ブロモ−7−(3−ジエチルアミノプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(化合物番号;280810)
2−アセチルアミノ−6−クロロ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280820)
2−アセチルアミノ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280830)
2−アセチルアミノ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−6−ヨードベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280840)
6−ブロモ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2−(プロピオニルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280850)
2−(ベンゾイルアミノ)−6−ブロモ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280860)
6−ブロモ−2−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280870)
6−ブロモ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2−(フェニルアセチルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280880)
2−アセチルアミノ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280830)
2−アセチルアミノ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−6−ヨードベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280840)
6−ブロモ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2−(プロピオニルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280850)
2−(ベンゾイルアミノ)−6−ブロモ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280860)
6−ブロモ−2−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280870)
6−ブロモ−7−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)−2−(フェニルアセチルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸 エチルエステル(化合物番号;280880)
一般式(1)および一般式(2)で表される化合物中に不斉原子が含まれる場合、光学活性体、ラセミ体若しくはジアステレオマー化合物、その混合物もDNAメチルトランスフェラーゼ阻害作用を示すものはすべて本発明のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤に含まれる。
また,上記一般式(1)または一般式(2)で表されるベンゾ[b]チオフェン誘導体の水和物あるいは溶媒和物も本発明のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤として使用可能である。
また,上記一般式(1)または一般式(2)で表されるベンゾ[b]チオフェン誘導体の水和物あるいは溶媒和物も本発明のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤として使用可能である。
本発明のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤に使用されるベンゾ[b]チオフェン誘導体、その水和物、その溶媒和物の薬理学的に許容し得る塩としては、塩酸、硫酸等の鉱酸との塩、酢酸、安息香酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸との塩等が挙げられる。これらの塩は常法に従って製造することができる。
また,上記一般式(1)または一般式(2)で表されるベンゾ[b]チオフェン誘導体、その水和物、その溶媒和物、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤も本発明に含まれる。
本発明の上記一般式(2)で表されるベンゾ[b]チオフェン誘導体の製造法は特に限定されないが、例えば、以下の方法で製造することができる。
Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii,4,460−462(1987)に記載の方法で得られる下記一式(3)
[式中、Y、ZおよびRは前述した通りである]
で表される化合物に、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基あるいはトリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基存在下、1,2−ジブロモエタン若しくは1,3−ジブロモプロパン等のジハロゲン化合物あるいはエピクロロヒドリン若しくはエピブロモヒドリン等のグリシジルハライド等を反応させ、次いで、アンモニア、(C1〜C6)アルキルアミン、ジ(C1〜C6)アルキルアミン、ヘテロ原子を1〜3個有する3〜10員環の環状アミン等のアミンを作用させて、上記一般式(2)で表される化合物を得ることができる。
Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii,4,460−462(1987)に記載の方法で得られる下記一式(3)
で表される化合物に、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基あるいはトリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基存在下、1,2−ジブロモエタン若しくは1,3−ジブロモプロパン等のジハロゲン化合物あるいはエピクロロヒドリン若しくはエピブロモヒドリン等のグリシジルハライド等を反応させ、次いで、アンモニア、(C1〜C6)アルキルアミン、ジ(C1〜C6)アルキルアミン、ヘテロ原子を1〜3個有する3〜10員環の環状アミン等のアミンを作用させて、上記一般式(2)で表される化合物を得ることができる。
また、本発明の上記一般式(1)で表されるベンゾ[b]チオフェン誘導体の製造法は特に限定されないが、例えば、以下の方法で製造することができる。
前記の一般式(3)で示される化合物のアミド結合を塩酸等により加水分解し、エステルが加水分解された場合には再エステル化して得られる下記一般式(4)
[式中、YおよびRは前述した通りである]
で表される化合物を、国際公開第04/110459号パンフレット記載の方法に準じて、下記一般式(5)
[式中、nは1〜4の整数を示す]
で表される化合物とオキシ塩化リン存在下、加熱することにより、下記一般式(6)
[式中、Yおよびnは前述した通りである]
で表される化合物を得る。次いで、上記一般式(3)で表される化合物を一般式(2)で表される化合物に変換するのと同様な反応に付し、上記一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
前記の一般式(3)で示される化合物のアミド結合を塩酸等により加水分解し、エステルが加水分解された場合には再エステル化して得られる下記一般式(4)
で表される化合物を、国際公開第04/110459号パンフレット記載の方法に準じて、下記一般式(5)
で表される化合物とオキシ塩化リン存在下、加熱することにより、下記一般式(6)
で表される化合物を得る。次いで、上記一般式(3)で表される化合物を一般式(2)で表される化合物に変換するのと同様な反応に付し、上記一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
上記の各合成法により得た反応混合物から目的物を単離および精製するには、常法による溶媒抽出、濃縮、結晶化、蒸留、懸濁精製、各種クロマトグラフィー等を、必要に応じて用いればよい。
また、上記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物は、ChemBridge社、AsInEx社より購入することもできる。
本発明のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤または抗腫瘍剤は、単独または賦形剤あるいは担体と混合して懸濁液、乳剤、注射剤、吸入剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、経口用液剤、坐剤、点眼剤、眼軟膏、経皮用液剤、経皮用貼付剤、軟膏剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、スプレ−剤等の製剤とし、経口的に、または非経口的に投与される。賦形剤または担体等の添加剤としては薬剤学的に許容されるものが選ばれ、その種類および組成は投与経路や投与方法により決められる。例えば,注射剤の場合、食塩、グルコ−スやマンニト−ル等の糖類を用いることができる。経口剤の場合、でんぷん、乳糖、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム等を用いることができる。所望に応じて上記製剤中に助剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液,その他の通常使用される添加剤を含んでいてもよい。
製剤中におけるベンゾ[b]チオフェン誘導体の含量は製剤により種々異なるが、通常0.1〜100重量%、好ましくは1〜98重量%である。例えば,注射剤の場合には、通常0.1〜30重量%程度、好ましくは1〜10重量%程度がよい。経口剤の場合には、添加剤とともに錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、ドライシロップ剤等の形態で用いられ、カプセル剤、錠剤、顆粒、散剤では一般に5〜100重量%、好ましくは25〜98重量%である。
投与量は、患者の年令、性別、症状、治療目的等により決定されるが、通常、非経口投与で0.001〜200mg/kg/日であり、経口投与では0.01〜500mg/kg/日,好ましくは0.1〜100mg/kg/日であり、これを1回若しくは2〜5回に分けて投与すればよい。
実施例1 DNAメチルトランスフェラーゼ阻害試験
ヒトDNAメチルトランスフェラーゼ1の酵素活性は、S−adenosyl−L−[methyl−3H]methionineを用い、DNAに転移したメチル基のラジオアイソトープ量の検出することによって測定した。
ヒトDNAメチルトランスフェラーゼ1の酵素活性は、S−adenosyl−L−[methyl−3H]methionineを用い、DNAに転移したメチル基のラジオアイソトープ量の検出することによって測定した。
GenBank #NM_001379として登録されているヒトDNAメチルトランスフェラーゼ1遺伝子配列をRT−PCR法により増幅した。増幅されたDNAは塩基配列を確認後、GATEWAYシステム(Invitrogen)を用いて、ヒスチジンタグが付加されるようデザインされた昆虫細胞用発現ベクターpDEST10(Invitrogen)に組み込んだ。このベクターを大腸菌DH10Bac(Invitrogen)に導入し、組換えDNAメチルトランスフェラーゼ1蛋白質を発現可能なバキュロウイルスを作成した。作成したバキュロウイルスを昆虫細胞Hi−Five株に感染させ、DNAメチルトランスフェラーゼ1蛋白質を発現させた。発現したDNAメチルトランスフェラーゼ1蛋白質は、ニッケルカラム(His−Trap:Amersham pharmacia)を用いて精製した。
精製したヒトDNAメチルトランスフェラーゼ1蛋白質、本発明の阻害剤、1μMのpoly(dI−dC)・poly(dI−dC)(アマシャム バイオサイエンス)と0.3μMのS−adenosyl−L−[methyl−3H]methionine(アマシャム バイオサイエンス)をアッセイバッファー(50mMのトリス塩酸バッファー(pH7.8)、1mMのエチレンジアミン四酢酸、5%のglycerol、100μg/mlのウシ血清アルブミン、1mMのジチオスレイトール、0.1mMのフェニルメタンスルホニルフルオリド)に添加し、37℃で60分インキュベートした。反応物をメンブレン(Hybond N+;アマシャム バイオサイエンス)に吸着させ、蒸留水で洗浄後、乾燥した。メンブレンをOmnifilter(パーキンエルマー)に挟み、液体シンチレータ(マイクロシンチ0;パーキンエルマー)を添加して、液体シンチレーションカウンタ(TopCount;パーキンエルマー)を用い、ラジオアイソトープ量を測定した。
阻害剤を添加せず、DNAメチルトランスフェラーゼのみでのカウントを阻害率0%、DNAメチルトランスフェラーゼを添加しなかった時のカウントを阻害率100%として、本発明のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤の阻害率(%)を求めた。
本発明の化合物の濃度と阻害率から、50%阻害する濃度をMicrosoft EXCELの関数GROWTHを用いて算出し、IC50値とした。表3に本発明のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤のIC50値を示す。
この結果、本発明の化合物は用量依存的にDNAメチルトランスフェラーゼを阻害した。
実施例2 細胞増殖抑制試験
本発明のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤が細胞増殖に与える影響を確認するため、HeLa細胞を本発明の化合物で3日間または6日間処理した。処理後、細胞数をメチレンブルー法により測定した。
本発明のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤が細胞増殖に与える影響を確認するため、HeLa細胞を本発明の化合物で3日間または6日間処理した。処理後、細胞数をメチレンブルー法により測定した。
96well plateにHeLa細胞を3日間処理用は3000個/well、6日間処理用は300個/well撒種し、1日後に本発明の化合物で処理をした。3日後と6日後に培地を除去し、50μlのメタノールを添加して室温で2分間インキュベートした。メタノールを除去後、200μlのメチレンブルー染色液を添加し、30分染色した。200μlの蒸留水で3回洗浄を行い、乾燥後、3%HCl溶液を添加し、メチレンブルーの660nmの吸光度(Abs)をマイクロプレートリーダー(BioRad)にて測定した。
阻害剤を添加しなかった時の吸光度を阻害率0%、細胞撒種しなかったブランクの吸光度を阻害率100%として、細胞増殖抑制の阻害率(%)を求めた。
本発明の化合物の濃度と阻害率から、50%阻害する濃度をMicrosoft EXCELの関数GROWTHを用いて算出し、IC50値とした。表2に本発明の化合物のIC50値を示す。
本発明の化合物は用量依存的に、また、時間依存的に細胞増殖を阻害した。
以上の結果より、本発明の化合物はDNAメチルトランスフェラーゼ阻害作用とともに癌増殖抑制作用を持ち、抗癌剤として有用であることが示された。
Claims (6)
- 一般式(1)
若しくは、一般式(2)
で表されるベンゾ[b]チオフェン誘導体、その水和物、その溶媒和物、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤。 - Aが水酸基で置換されていてもよいエチレン基または1,3−プロパンジイル基であり、Xが(C1〜C4)アルキル基若しくは6員環の環状アルキル基で置換されているアミノ基、またはヘテロ原子を1〜3個有する6員環の環状アミノ基であり、Yがハロゲン原子である請求項1記載のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤。
- Aがエチレン基または2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル基であり、Xがジエチルアミノ基、n−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ピペリジノ基またはモルホリノ基であり、Yが臭素原子である請求項1または2に記載のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤。
- 一般式(1)のnが1〜3の整数である請求項1〜3のいずれか一項に記載のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤。
- 一般式(2)のZおよびRがそれぞれ独立して(C1〜C4)アルキル基である請求項1〜3のいずれか一項に記載のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のベンゾ[b]チオフェン誘導体、その水和物、その溶媒和物、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
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JP2010518108A (ja) * | 2007-02-06 | 2010-05-27 | ユニバーシティ オブ ルーイビル リサーチ ファウンデーション,インコーポレーテッド | 治療化合物 |
WO2013118842A1 (ja) | 2012-02-09 | 2013-08-15 | 国立大学法人東京医科歯科大学 | ベンゾチオフェン化合物、該化合物を有効成分とするオルタナティブオートファジー誘導剤及び抗癌剤、並びに抗癌活性を有する化合物をスクリーニングするための方法 |
-
2005
- 2005-12-05 JP JP2005350427A patent/JP2007153792A/ja active Pending
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